特許第5661791号(P5661791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5661791N−アシル環状アミン誘導体またはその医薬上許容される塩
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661791
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】N−アシル環状アミン誘導体またはその医薬上許容される塩
(51)【国際特許分類】
   C07D 403/14 20060101AFI20150108BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20150108BHJP
   C07D 407/14 20060101ALI20150108BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20150108BHJP
   C07D 487/14 20060101ALI20150108BHJP
   A61K 31/454 20060101ALN20150108BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALN20150108BHJP
   A61K 31/498 20060101ALN20150108BHJP
   A61K 31/55 20060101ALN20150108BHJP
   A61K 31/553 20060101ALN20150108BHJP
   A61P 25/18 20060101ALN20150108BHJP
【FI】
   C07D403/14CSP
   C07D405/14
   C07D407/14
   C07D413/14
   C07D487/14
   !A61K31/454
   !A61K31/4545
   !A61K31/498
   !A61K31/55
   !A61K31/553
   !A61P25/18
【請求項の数】21
【全頁数】103
(21)【出願番号】特願2012-541257(P2012-541257)
(86)(22)【出願日】2011年3月11日
(65)【公表番号】特表2013-522165(P2013-522165A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】JP2011056497
(87)【国際公開番号】WO2011111875
(87)【国際公開日】20110915
【審査請求日】2014年1月23日
(31)【優先権主張番号】特願2010-285844(P2010-285844)
(32)【優先日】2010年12月22日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2010-54177(P2010-54177)
(32)【優先日】2010年3月11日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002912
【氏名又は名称】大日本住友製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068526
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 恭生
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100138900
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 昌宏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】丸山 潤美
(72)【発明者】
【氏名】木ノ村 尚也
(72)【発明者】
【氏名】野島 俊
(72)【発明者】
【氏名】高村 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】柿口 慶介
(72)【発明者】
【氏名】畳谷 嘉人
【審査官】 黒川 美陶
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第3133061(US,A)
【文献】 特開昭51−76281(JP,A)
【文献】 特表平8−502474(JP,A)
【文献】 特表2005−518378(JP,A)
【文献】 特表2007−517014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される化合物またはその医薬上許容される塩。
【化1】

[式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、置換されていてもよいC6-10アリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基であり;
Vは、CR3(ここにおいて、R3は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。)であり;
1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−C(O)−または−NR2−(ここにおいて、R2は、水素原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。)であり、
がCR3の場合のピペリジン環は、それぞれ独立して、置換可能な位置で、水酸基、ハロゲン基、シアノ基、C1-6アルキル基およびC1-6アルコキシ基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよく;
2は、置換されていてもよいエチレン基であり;
3は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−NH−、置換されていてもよいメチレン基、置換されていてもよいエチレン基、または−CR4=CR5−(ここにおいて、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。)であり;
環Qは、
下記式(a)
【化2】

で表される基であり、ここにおいて、
nは0であり;
mは0、1または2であり;
kは1、2または3であり;
Zは単結合、メチレン基、酸素原子、硫黄原子、−S(O)−、−S(O)2−または−NR21−(ここにおいて、R21は、水素原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。)であり;
1a、R1bおよびR1cは、それぞれ同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基、置換されてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル基、置換されていてもよいC7-14アラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールC1-4アルキル基、置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよい飽和複素環基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシ基、置換されていてもよいC6-10アリールオキシ基、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ基、置換されていてもよい飽和複素環オキシ基、置換されていてもよいC7-14アラルキルオキシ基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニルアミノ基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニルアミノ基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニルオキシ基、置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基、置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよいアミノカルボニルアミノ基、置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルアミノ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルスルホニルアミノ基、置換されていてもよいC6-10アリールスルホニルアミノ基、置換されていてもよい飽和複素環スルホニルアミノ基、または置換されていてもよいヘテロアリールスルホニルアミノ基であるか、
あるいは、R1aおよびR1bが連結し、これらが結合する炭素原子と一緒になって、C3-7シクロアルキル環、または飽和複素環(ここに、該C3-7シクロアルキル環および飽和複素環は、水酸基、ハロゲン基、シアノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C6-10アリール基、ヘテロアリール基および4員〜7員の飽和複素環基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい。)を形成してもよい。]
【請求項2】
下記式(2)で表される、請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【化3】

[式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、置換されていてもよいC6-10アリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基であり;
1は、単結合または−C(O)−であり;
3は、単結合、置換されていてもよいメチレン基、置換されていてもよいエチレン基、または−CR4=CR5−(ここにおいて、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。)であり;
3は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子またはシアノ基であり;
環Qは、
下記式(a−1)
【化4】

で表される基であり、ここにおいて、
mは0、1または2であり;
kは1、2または3であり;
Zは単結合、メチレン基、酸素原子、または−NR21−(ここにおいて、R21は、水素原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。)であり;
1a、R1bおよびR1cは、請求項1に記載のものと同義である。]
【請求項3】
Ar1が下記式(b−1)〜(b−17):
【化5】

で表される基のいずれかであり、ここにおいて、式(b−1)〜(b−17)で表される基の炭素原子はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1-6アルキル基およびC1-6アルコキシ基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基により置換されていてもよい、請求項1又は2のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項4】
Ar2が下記式(c−1)〜(c−19):
【化6】

で表される基のいずれかであり、
ここにおいて、式(c−1)〜(c−19)で表される基の炭素原子は、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル基、置換されていてもよいC7-14アラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールC1-4アルキル基、置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよい飽和複素環基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、置換されていてもよいC1-6アルキルチオ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシ基、置換されていてもよいC6-10アリールオキシ基、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ基、置換されていてもよい飽和複素環オキシ基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニルアミノ基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニルアミノ基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニルアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよいアミノカルボニルアミノ基、置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニル基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニル基、置換されていてもよいアミノカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルスルホニル基、置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基、置換されていてもよいヘテロアリールスルホニル基、置換されていてもよい飽和複素環スルホニルおよび置換されていてもよいアミノスルホニル基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基により置換されていてもよく;
式(c−1)〜(c−19)で表される基のNHは、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル基、置換されていてもよいC7-14アラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールC1-4アルキル基、置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよい飽和複素環基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニル基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニル基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニル基、置換されていてもよいアミノカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルスルホニル基、置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基、置換されていてもよいヘテロアリールスルホニル基、置換されていてもよい飽和複素環スルホニル基および置換されていてもよいアミノスルホニル基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基により置換されていてもよい、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項5】
式(c−1)〜(c−19)で表される基の炭素原子が、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC7-14アラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールC1-4アルキル基、置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、置換されていてもよいC1-6アルキルチオ基、置換されていてもよい飽和複素環オキシ基、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよい飽和複素環基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニル基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニル基、置換されていてもよいアミノカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルスルホニル基、置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基、置換されていてもよいヘテロアリールスルホニル基、置換されていてもよい飽和複素環スルホニルおよび置換されていてもよいアミノスルホニル基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよく;
式(c−1)〜(c−19)で表される基のNHが、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル基、置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよい飽和複素環基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニル基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニル基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニル基、置換されていてもよいアミノカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルスルホニル基、置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基、置換されていてもよいヘテロアリールスルホニル基、置換されていてもよい飽和複素環スルホニル基および置換されていてもよいアミノスルホニル基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい、請求項4に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項6】
1a、R1bおよびR1cが、それぞれ同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル基、置換されていてもよいC7-14アラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールC1-4アルキル基、置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよい飽和複素環基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシ基、置換されていてもよいC6-10アリールオキシ基、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ基、置換されていてもよい飽和複素環オキシ基、置換されていてもよいC7-14アラルキルオキシ基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニルオキシ基、または置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基であるか、
あるいは、R1aおよびR1bが連結し、これらが結合する炭素原子と一緒になって、C3-7シクロアルキル環、または飽和複素環(該C3-7シクロアルキル環および飽和複素環は、水酸基、ハロゲン基およびシアノ基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい。)を形成してもよい、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項7】
環Qが、下記式(a−2)〜(a−7):
【化7】

(ここにおいて、R1a、R1bおよびR1cは、請求項6に記載のものと同義である。)
で表される環のいずれかである、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項8】
Ar1が下記式(b−1)〜(b−4):
【化8】

で表される基のいずれかであり、ここにおいて、該式で表される基の炭素原子はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1-6アルキル基およびC1-6アルコキシ基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基により置換されていてもよい、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項9】
Ar2が下記式(c−1)〜(c−3):
【化9】

で表される基のいずれかであり、ここにおいて、該式で表される基の炭素原子およびNHは、それぞれ請求項5に記載の置換基と同じ基により置換されていてもよい、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項10】
環Qが、請求項7に記載の式(a−3)で表される基である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項11】
3が単結合であり、VがCHである、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項12】
下記式(3)で表される、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【化10】

[式中、Ar1は下記式(b−1’)、式(b−2’)、式(b−3’)または式(b−4’)
【化11】

(ここにおいて、R17は水素原子またはハロゲン原子である。)で表される基のいずれかであり;
1は、単結合または−C(O)−であり;
1a、R1bおよびR1cは、請求項6に記載のものと同義であり;
11は、請求項5に記載の式(c−1)で表される基のNHの置換基について記載のものと同義であり、
12、R13、R14、R15およびR16は、請求項5に記載の式(c−1)で表される基の炭素原子の置換基について記載のものと同義である。]
【請求項13】
下記式(4)で表される請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【化12】

[式中、Ar1は請求項12に記載の式(b−1’)、式(b−2’)、式(b−3’)または式(b−4’)で表される基のいずれかであり;
1は、単結合または−C(O)−であり;
1a、R1bおよびR1cは、請求項6に記載のものと同義であり;
11は、請求項5に記載の式(c−3)で表される基のNHの置換基について記載のものと同義であり、
12およびR13は、請求項5に記載の式(c−3)で表される基の炭素原子の置換基について記載のものと同義である。]
【請求項14】
下記式(5)で表される請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【化13】

[式中、Ar1は請求項12に記載の式(b−1’)、式(b−2’)、式(b−3’)または式(b−4’)で表される基のいずれかであり;
1は、単結合または−C(O)−であり;
1a、R1bおよびR1cは、請求項6に記載のものと同義であり;
11は、請求項5に記載の式(c−2)で表される基のNHの置換基について記載のものと同義であり、
12、R13、R14、およびR16は、請求項5に記載の式(c−2)で表される基の炭素原子の置換基について記載のものと同義である。]
【請求項15】
以下の群から選択される、請求項1に記載の化合物又はその医薬上許容される塩:
(S)-(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(6-メチル-1H-インドール-2-イル)メタノン;
(S)-(6-フルオロ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン;
(S)-(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(6-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-2-イル)メタノン;
(S)-(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(6-イソプロピル-1H-インドール-2-イル)メタノン;
(S)-(5-フルオロ-4-メトキシ-1H -インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン;
(S)-(3,6-ジフルオロ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン;
(S)-(3-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン;
(S)-(3-フルオロ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン;
((2S,5S)-2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)-5-メチルピロリジン-1-イル)(6-メチル-1H-インドール-2-イル)メタノン;
((2S,5S)-2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)-5-メチルピロリジン-1-イル)(6-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-イル)メタノン;
((2S,5S)-2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)-5-メチルピロリジン-1-イル)(6-(トリフルオロメチルチオ)-1H-インドール-2-イル)メタノン;
(S)-(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(1-メチル-1H-インドール-5-イル)メタノンおよび
(S)-(2-(2-(4-(6-フルオロベンゾ[d]イソキサゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-ピラゾール-5-イル)メタノン。
【請求項16】
(S)-(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(6-メチル-1H-インドール-2-イル)メタノンである化合物。
【請求項17】
(S)-(6-フルオロ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノンである化合物。
【請求項18】
(S)-(5-フルオロ-4-メトキシ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノンである化合物。
【請求項19】
(S)-(3,6-ジフルオロ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノンである化合物。
【請求項20】
(S)-(3-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノンである化合物。
【請求項21】
(S)-(3-フルオロ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン 塩酸塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はN-アシル環状アミン誘導体またはその医薬上許容される塩に関する。本発明の化合物は、特に、統合失調症、躁うつ病、躁病、大うつ病、気分障害、不安障害、摂食障害、注意欠陥多動性障害等の精神疾患の治療薬として有用である。さらに、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、てんかん、薬物依存症、薬物乱用、2型糖尿病、肥満症の治療薬としても有用である。
【背景技術】
【0002】
向精神性作用を有するN-アシル環状アミン誘導体としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4に開示される化合物が知られている。しかしながら、これらの化合物は本発明の誘導体とは異なる化学構造を有している。
統合失調症は、陽性症状(例えば、幻覚、妄想)、陰性症状(例えば、無関心、社会的引きこもり)、および認知機能障害(例えば、作業記憶、注意機能および覚度、言語記憶、視覚学習および記憶、運動速度、実行機能および課題解決能力、社会認知能力などの障害)を主症状とする精神疾患である。
ハロペリドールなどの第一世代統合失調症治療薬は、陽性症状に対して高い治療効果を有するものの、陰性症状および認知機能障害に対する効果は乏しい。さらに、これらの薬剤は錐体外路症状、高プロラクチン血症および過鎮静などの副作用を頻発することが知られている。一方、現在の薬物治療の中心である第二世代統合失調症治療薬(例えば、オランザピン、リスペリドン)は、陽性症状の改善に加え、陰性症状に対する効果を併せ持ち、錐体外路系副作用の発現リスクが低いと言われている。しかし、第二世代統合失調症治療薬をもってしても陰性症状および認知機能障害にする治療効果は十分とは言えない。加えて、第二世代統合失調症治療薬では体重増加、糖代謝異常など新たな副作用も問題となっている[非特許文献1〜2]。
このように、従来の統合失調症治療薬では十分な治療効果が得られていない陰性症状および認知機能障害に高い有効性を発揮し、さらに従来の統合失調症治療薬で見られる副作用リスクを軽減した化合物は、当該領域のアンメットニーズを満たす薬剤として期待される。さらに、認知機能改善効果の高い化合物は、統合失調症の認知機能障害と同様に、類似の認知機能障害を伴う中枢神経疾患、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病などの治療にも有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO96/023787号公報
【特許文献2】WO99/019325号公報
【特許文献3】WO2002/085890号公報
【特許文献4】WO2007/061741号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】S. Leucht et al.著、 The Lancet、 2009年、 373号、 p31−41.
【非特許文献2】O. Agid et al.著、 Expert Opinion on Emerging Drugs、 2008年、 13(3)号、 p479−495.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、統合失調症における陽性症状、陰性症状、および認知機能障害に高い有効性を発揮し、従来の統合失調症治療薬で見られる副作用リスクを軽減するとともに、統合失調症以外の認知機能障害を伴う中枢神経疾患に対しても優れた効果を示す新規化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行ったところ、下記式(1)で表される化合物またはその医薬上許容される塩(以下、必要に応じ本発明化合物と略称することがある)が、目的とする薬理諸作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、以下の通りである。
項1:下記式(1)で表される化合物またはその医薬上許容される塩。
【0008】
【化1】
[式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、置換されていてもよいC6-10アリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基であり;
Vは、窒素原子、またはCR3(ここにおいて、R3は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。)であり;
Vが窒素原子の場合、W1は単結合または−C(O)−であり、
VがCR3の場合、W1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−C(O)−または−NR2−(ここにおいて、R2は、水素原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。)であり、
Vが窒素原子の場合のピペラジン環およびVがCR3の場合のピペリジン環は、それぞれ独立して、置換可能な位置で、水酸基、ハロゲン基、シアノ基、C1-6アルキル基およびC1-6アルコキシ基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよく;
2は、置換されていてもよいC1-3アルキレン基であり;
3は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−NH−、置換されていてもよいメチレン基、置換されていてもよいエチレン基、または−CR4=CR5-(ここにおいて、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。)であり;
環Qは、
下記式(a)
【0009】
【化2】
で表される基であり、ここにおいて、
nは0または1であり;
mは0、1または2であり;
kは1、2または3であり;
Zは単結合、メチレン基、酸素原子、硫黄原子、−S(O)−、−S(O)2−または−NR21−(ここにおいて、R21は、水素原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。)であり;
1a、R1bおよびR1cは、それぞれ同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル基、置換されていてもよいC7-14アラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールC1-4アルキル基、置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよい飽和複素環基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシ基、置換されていてもよいC6-10アリールオキシ基、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ基、置換されていてもよい飽和複素環オキシ基、置換されていてもよいC7-14アラルキルオキシ基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニルアミノ基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニルアミノ基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニルオキシ基、置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基、置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよいアミノカルボニルアミノ基、置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルアミノ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルスルホニルアミノ基、置換されていてもよいC6-10アリールスルホニルアミノ基、置換されていてもよい飽和複素環スルホニルアミノ基、または置換されていてもよいヘテロアリールスルホニルアミノ基であるか、
【0010】
あるいは、R1aおよびR1bが連結し、これらが結合する炭素原子と一緒になって、C3-7シクロアルキル環、または飽和複素環(ここに、該C3-7シクロアルキル環および飽和複素環は、水酸基、ハロゲン基、シアノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C6-10アリール基、ヘテロアリール基および4員〜7員の飽和複素環基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい。)を形成してもよい。]
【0011】
項2:W2が、エチレン基であり;
nが0である、項1または30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0012】
項3:下記式(2)で表される、項1、2または30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0013】
【化3】
[式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、置換されていてもよいC6-10アリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基であり;
1は、単結合または−C(O)−であり;
3は、単結合、置換されていてもよいメチレン基、置換されていてもよいエチレン基、または−CR4=CR5-(ここにおいて、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。)であり;
3は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子またはシアノ基であり;
環Qは、
下記式(a−1)
【0014】
【化4】
で表される基であり、ここにおいて、
mは0、1または2であり;
kは1、2または3であり;
Zは単結合、メチレン基、酸素原子、または−NR21−(ここにおいて、R21は、水素原子または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。)であり;
1a、R1bおよびR1cは、項1に記載のものと同義である。]
【0015】
項4:Ar1が下記式(b−1)〜(b−17):
【0016】
【化5】
で表される基のいずれかであり、ここにおいて、式(b−1)〜(b−17)で表される基の炭素原子はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1-6アルキル基およびC1-6アルコキシ基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基により置換されていてもよい、項1から3および項30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0017】
項5:Ar2が下記式(c−1)〜(c−19):
【0018】
【化6】
で表される基のいずれかであり、
ここにおいて、式(c−1)〜(c−19)で表される基の炭素原子は、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル基、置換されていてもよいC7-14アラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールC1-4アルキル基、置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよい飽和複素環基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、置換されていてもよいC1-6アルキルチオ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシ基、置換されていてもよいC6-10アリールオキシ基、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ基、置換されていてもよい飽和複素環オキシ基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニルアミノ基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニルアミノ基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニルアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよいアミノカルボニルアミノ基、置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニル基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニル基、置換されていてもよいアミノカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルスルホニル基、置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基、置換されていてもよいヘテロアリールスルホニル基、置換されていてもよい飽和複素環スルホニル基および置換されていてもよいアミノスルホニル基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基により置換されていてもよく;
式(c−1)〜(c−19)で表される基のNHは、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル基、置換されていてもよいC7-14アラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールC1-4アルキル基、置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよい飽和複素環基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニル基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニル基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニル基、置換されていてもよいアミノカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルスルホニル基、置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基、置換されていてもよいヘテロアリールスルホニル基、置換されていてもよい飽和複素環スルホニル基および置換されていてもよいアミノスルホニル基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基により置換されていてもよい、項1から4および項30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0019】
項6:式(c−1)〜(c−19)で表される基の炭素原子が、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC7-14アラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールC1-4アルキル基、置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、置換されていてもよいC1-6アルキルチオ基、置換されていてもよい飽和複素環オキシ基、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよい飽和複素環基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニル基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニル基、置換されていてもよいアミノカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルスルホニル基、置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基、置換されていてもよいヘテロアリールスルホニル基、置換されていてもよい飽和複素環スルホニル基および置換されていてもよいアミノスルホニル基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよく;
式(c−1)〜(c−19)で表される基のNHが、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル基、置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよい飽和複素環基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニル基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニル基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニル基、置換されていてもよいアミノカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルスルホニル基、置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基、置換されていてもよいヘテロアリールスルホニル基、置換されていてもよい飽和複素環スルホニル基および置換されていてもよいアミノスルホニル基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい、項5に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0020】
項7:R1a、R1b、およびR1cが、それぞれ同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル基、置換されていてもよいC7-14アラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールC1-4アルキル基、置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよい飽和複素環基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシ基、置換されていてもよいC6-10アリールオキシ基、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ基、置換されていてもよい飽和複素環オキシ基、置換されていてもよいC7-14アラルキルオキシ基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニルオキシ基、または置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基であるか、
あるいは、R1aおよびR1bが連結し、これらが結合する炭素原子と一緒になって、C3-7シクロアルキル環、または飽和複素環(該C3-7シクロアルキル環および飽和複素環は、水酸基、ハロゲン基およびシアノ基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい。)を形成してもよい、項1から6および項30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0021】
項8:環Qが、下記式(a−2)〜(a−7):
【0022】
【化7】
(ここにおいて、R1a、R1bおよびR1cは、項7に記載のものと同義である。)で表される環のいずれかである、項1から7および項30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0023】
項9:Ar1が下記式(b−1)〜(b−4):
【0024】
【化8】
で表される基のいずれかであり、ここにおいて、該式で表される基の炭素原子はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1-6アルキル基またはC1-6アルコキシ基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基により置換されていてもよい、項1から8および項30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0025】
項10:Ar2が下記式(c−1)〜(c−3):
【0026】
【化9】
で表される基のいずれかであり、ここにおいて、該式で表される基の炭素原子およびNHは、それぞれ項6に記載の置換基と同じ基により置換されていてもよい、項1から9および項30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0027】
項11:環Qが、項8に記載の式(a−3)で表される基である、項1から10および項30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0028】
項12:W3が単結合であり、VがCHである、項1から11および項30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0029】
項13:下記式(3)で表される、項1から12および項30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0030】
【化10】
[式中、Ar1は、下記式(b−1’)、式(b−2’)、式(b−3’)または式(b−4’)
【0031】
【化11】
(ここにおいて、R17は水素原子またはハロゲン原子である。)で表される基のいずれかであり;
1は、単結合または−C(O)−であり;
1a、R1bおよびR1cは、項7に記載のものと同義であり;
11は、項6に記載の式(c−1)で表される基のNHの置換基について記載のものと同義であり、
12、R13、R14、R15およびR16は、項6に記載の式(c−1)で表される基の炭素原子の置換基について記載のものと同義である。]
【0032】
項14:下記式(4)で表される、項1から12および項30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0033】
【化12】
[式中、Ar1は、項13に記載の式(b−1’)、式(b−2’)、式(b−3’)または式(b−4’)で表される基のいずれかであり;
1は、単結合または−C(O)−であり;
1a、R1bおよびR1cは、項7に記載のものと同義であり;
11は、項6に記載の式(c−3)で表される基のNHの置換基について記載のものと同義であり、
12およびR13は、項6に記載の式(c−3)で表される基の炭素原子の置換基について記載のものと同義である。]
【0034】
項15:下記式(5)で表される、項1から12および項30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0035】
【化13】
[式中、Ar1は、項13に記載の式(b−1’)、式(b−2’)、式(b−3’)または式(b−4’)で表される基のいずれかであり;
1は、単結合または−C(O)−であり;
1a、R1bおよびR1cは、項7に記載のものと同義であり;
11は、式(c−2)で表される基のNHの置換基について記載のものと同義であり、
12、R13、R14、およびR16は、項6に記載の式(c−2)で表される基の炭素原子の置換基について記載のものと同義である。]
【0036】
項16:W2が、メチレン基であり;
nが1である、項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0037】
項17:下記式(6)で表される、項1または16のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0038】
【化14】
[式中、Ar1は、項9に記載の式(b−1)、式(b−2)、式(b−3)または式(b−4)で表される基のいずれかであり、ここにおいて、該式で表される基の炭素原子はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1-6アルキル基およびC1-6アルコキシ基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基により置換されていてもよく;
Ar2は、項10に記載の式(c−1)、式(c−2)または式(c−3)で表される基のいずれかであり、ここにおいて、該式で表される基の炭素原子およびNHは、それぞれ項6に記載の置換基と同じ基により置換されていてもよく;
1は、単結合または−C(O)−であり;
m、k、Z、R1a、R1bおよびR1cは、項1に記載のものと同義である。]
【0039】
項18:下記式(7)で表される、項1、16または17のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0040】
【化15】
[式中、Ar1は、項9に記載の式(b−1)、式(b−2)、式(b−3)または式(b−4)で表される基のいずれかであり、ここにおいて、該式で表される基の炭素原子はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1-6アルキル基およびC1-6アルコキシ基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基により置換されていてもよく;
Ar2は、項10に記載の式(c−1)、式(c−2)または式(c−3)で表される基のいずれかであり、ここにおいて、該式で表される基の炭素原子およびNHは、それぞれ項6に記載の置換基と同じ基により置換されていてもよく;
1a、R1bおよびR1cは、項7に記載のものと同義である。]
【0041】
項19:Ar1が、項9に記載の式(b−4)で表される基であり、ここにおいて、該式で表される基の炭素原子はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1-6アルキル基およびC1-6アルコキシ基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基により置換されていてもよく;
Ar2が、項10に記載の式(c−1)で表される基であり、ここにおいて、該式で表される基の炭素原子およびNHは、それぞれ項6に記載の置換基と同じ基により置換されていてもよく;
1が、単結合である、項16、17または18のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0042】
項20:R1a、R1bおよびR1cが、それぞれ同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、または飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、またはC1-6アルキルカルボニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)であるか、
あるいは、R1aおよびR1bが連結し、これらが結合する炭素原子と一緒になって、C3-7シクロアルキル環、または飽和複素環を形成してもよく;
11が、水素原子、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C3-7シクロアルキル基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、およびC1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルカルボニル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルスルホニル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、およびC6-10アリールスルホニル基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる基であり;
12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルチオ基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、および飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、およびC1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる基である、項13に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0043】
項21:R1a、R1bおよびR1cが、それぞれ同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、または飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、またはC1-6アルキルカルボニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)であるか、
あるいは、R1aおよびR1bが連結し、これらが結合する炭素原子と一緒になって、C3-7シクロアルキル環、または飽和複素環を形成してもよく;
11が、水素原子、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C3-7シクロアルキル基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、およびC1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルカルボニル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルスルホニル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、およびC6-10アリールスルホニル基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる基であり;
12およびR13は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルチオ基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、および飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、およびC1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる基である、項14に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0044】
項22:R1a、R1bおよびR1cが、それぞれ同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、または飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)であるか、
あるいは、R1aおよびR1bが連結し、これらが結合する炭素原子と一緒になって、C3-7シクロアルキル環、または飽和複素環を形成してもよく;
11が、水素原子、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C3-7シクロアルキル基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、およびC1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルカルボニル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルスルホニル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、およびC6-10アリールスルホニル基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる基であり;
12、R13、R14、およびR16は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルチオ基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、および飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、およびC1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる基である、項15に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0045】
項23:R1a、R1bおよびR1cが、それぞれ同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、または飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)であるか、
あるいは、R1aおよびR1bが連結し、これらが結合する炭素原子と一緒になって、C3-7シクロアルキル環、または飽和複素環を形成してもよく;
Ar2が項10に記載の式(c−1)、式(c−2)または式(c−3)で表される基のいずれか
[ここにおいて、該式で表される基の炭素原子が、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルチオ基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、および飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、およびC1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよく;
該式で表される基のNHが、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C3-7シクロアルキル基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、およびC1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルカルボニル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルスルホニル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、およびC6-10アリールスルホニル基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる基で置換されていてもよい]
である、項16、17または18のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0046】
項24:Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、C6-10アリール基またはヘテロアリール基(ここにおいてC6-10アリール基およびヘテロアリール基は、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、C1-6アルキル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチルチオ基、C6-10アリール基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、1以上の水酸基により置換されたC1-6アルキル基、へテロアリール基、1以上のシアノ基により置換されたC1-6アルキル基、4員〜7員の環状アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニル基、C6-10アリールスルホニル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基およびC1-6アルキルアミノカルボニルアミノ基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい。)であり;
Vは、窒素原子またはCHであり;
1は、単結合または−C(O)−であり;
2は、C1-3アルキレン基であり;
3は、単結合、または−CR4=CR5-(ここにおいて、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子である。)であり;
nは0または1であり;
mは0、1または2であり;
kは1、2または3であり;
Zは単結合、メチレン基、または酸素原子であり;
1a、R1bおよびR1cは、それぞれ同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C1-3アルコキシC1-3アルコキシ基、モノ又はジC1-3アルキルアミノカルボニルオキシ基、C1-3アルコキシカルボニルアミノ基、モノ又はジC1-3アルキルアミノカルボニルアミノ、またはC1-3アルキルスルホニルアミノ基である、項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0047】
項25:環Qが、項8に記載の式(a−2)〜(a−7)で表される基のいずれかである、項24に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【0048】
項26:以下の群から選択される、項1に記載の化合物又はその医薬上許容される塩:
(S)-(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(6-メチル-1H-インドール-2-イル)メタノン;
(S)-(6-フルオロ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン;
(S)-(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(6-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-2-イル)メタノン;
(S)-(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(6-イソプロピル-1H -インドール-2-イル)メタノン;
(S)-(5-フルオロ-4-メトキシ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン;
(S)-(3,6-ジフルオロ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン;
(S)-(3-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン;
(S)-(3-フルオロ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン;
((2S,5S)-2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)-5-メチルピロリジン-1-イル)(6-メチル-1H-インドール-2-イル)メタノン;
((2S,5S)-2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)-5-メチルピロリジン-1-イル)(6-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-イル)メタノン;
((2S,5S)-2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)-5-メチルピロリジン-1-イル)(6-(トリフルオロメチルチオ)-1H-インドール-2-イル)メタノン;
(S)-(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(1-メチル-1H-インドール-5-イル)メタノンおよび
(S)-(2-(2-(4-(6-フルオロベンゾ[d]イソキサゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(3-フェニル-1H-ピラゾール-5-イル)メタノン。
【0049】
項27:項1から26および項30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩を含む、統合失調症治療薬。
【0050】
項28:項1から26および項30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の治療上の有効量を必要な哺乳動物に投与することを含む、統合失調症治療方法。
【0051】
項29:統合失調症治療薬を製造するための、項1から26および項30のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の使用。
【0052】
項30:W2が、置換されていてもよいエチレン基であり;
nが0である、項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【発明の効果】
【0053】
本発明化合物およびその医薬上許容される塩は、ドパミン受容体、セロトニン受容体およびアドレナリン受容体に親和性を示す。このことより、本発明化合物およびその医薬上許容される塩は、統合失調症の陽性症状、陰性症状、認知機能障害などに改善効果を示し、錐体外路系副作用を弱化することが期待される。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
なお、本明細書において、「置換されていてもよい」もしくは「置換されている」における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1または複数である。また、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分または置換基である場合にも該当する。
【0055】
本明細書において、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子等が挙げられる。好ましくはフッ素原子、または塩素原子である。
【0056】
「C1-6アルキル基」としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、2-メチルプロピル、1-メチルプロピル、1,1−ジメチルエチルが挙げられる。
【0057】
「C1-3アルキレン基」としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン等が挙げられる。好ましくは、メチレン、エチレンが挙げられる。より好ましくは、エチレンが挙げられる。
【0058】
「C3-7シクロアルキル基」としては、例えば、3員〜7員のシクロアルキル基等が挙げられる。好ましくは、炭素数3〜6のシクロアルキル基が挙げられる。具体的には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルが挙げられる。
【0059】
「C6-10アリール基」としては、例えば、炭素数6〜10のアリール基等が挙げられ、具体的には、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチル等が挙げられる。
【0060】
前記「C6-10アリール基」には、「C6アリール」と、窒素原子、硫黄原子または酸素原子から選ばれるヘテロ原子を同一または異なって1つ以上(例えば1〜4個)含有する5員もしくは6員の環、または5員〜6員のシクロアルキル環(例えばシクロペンタン、またはシクロヘキサン)とが縮環した基も包含される。該基の具体例としては、例えば、下記式で表される基等が挙げられる。
【0061】
【化16】
前記式において環を横切る結合手は、「基」が該環における置換可能な位置で結合することを意味する。具体的には、該基が該環上の任意の炭素原子または窒素原子で置換してもよい。
【0062】
好ましくは、フェニル基、ナフチル基、式(10)、(11)、(12)、(13)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(22)、(23)、(31)、(36)、(37)、(38)、(39)、(40)、(41)、(42)、(43)、(44)、(45)、(47)、(48)および(49)が挙げられる。
【0063】
Ar1における「C6-10アリール基」としては、フェニル基、ナフチル基、式(10)、(11)、(12)、(13)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(22)、(23)、(31)、(36)、(37)、(38)、(39)、(40)、(41)、(42)、(43)、(44)、(45)、(47)、(48)および(49)が挙げられる。
【0064】
好ましくは、フェニル基、ナフチル基、式(10)、(11)、(22)、(36)、(37)および(38)が挙げられる。
【0065】
Ar2における「C6-10アリール基」としては、フェニル基、ナフチル基、式(10)、(11)、(12)、(13)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(22)、(23)、(31)、(36)、(37)、(38)、(39)、(40)、(41)、(42)、(43)、(44)、(45)、(47)、(48)および(49)が挙げられる。
【0066】
好ましくは、フェニル基、ナフチル基および式(31)が挙げられる。
【0067】
「ヘテロアリール基」としては、例えば、5員〜10員の単環式もしくは多環式の基等が挙げられ、該基は、窒素原子、硫黄原子または酸素原子から選ばれるヘテロ原子を同一または異なって1つ以上(例えば1〜4個)含む。「ヘテロアリール基」の具体例としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
【0068】
【化17】
前記式において環を横切る結合手は、「基」が該環における置換可能な位置で結合することを意味する。例えば、下記式
【0069】
【化18】
のヘテロアリール基の場合には、2−フリル基、または3−フリル基であることを意味する。
【0070】
更に、「ヘテロアリール基」が多環式の基である場合において、例えば、下記式
【0071】
【化19】
で表される場合には、2−ベンゾフリル、または3−ベンゾフリルの他に、4−、5−、6−または7−ベンゾフリルであってもよい。
【0072】
好ましくは、式(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)、(57)、(58)、(66)、(67)、(68)、(69)、(70)、(71)、(72)、(74)、(75)、(76)、(77)、(78)、(79)、(80)、(81)、(82)、(83)、(84)、(85)、(86)、(87)、(88)、(89)、(90)、(91)、(92)、(93)、(95)、(97)、(98)、(100)、(102)、(103)、(105)、(106)、(107)、(108)、(109)、(110)、(111)、(112)、(113)、(114)、(115)、(116)および(117)が挙げられる。
【0073】
Ar1における「ヘテロアリール基」としては、式(66)、(67)、(70)、(71)、(72)、(74)、(75)、(76)、(77)、(78)、(79)、(80)、(81)、(83)、(84)、(85)、(87)、(88)、(89)、(91)、(92)、(93)、(95)、(97)、(98)、(100)、(102)、(103)、(105)、(106)、(107)、(108)、(109)、(110)、(111)、(112)、(113)、(114)、(115)、(116)および(117)が挙げられる。
【0074】
好ましくは式(66)、(70)、(72)、(87)、(88)、(89)および(109)が挙げられる。
【0075】
より好ましくは式(72)、(87)、(88)、(89)が挙げられる。
【0076】
Ar2における「ヘテロアリール基」としては、式(50)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)、(57)、(58)、(64)、(65)、(66)、(67)、(68)、(69)、(70)、(71)、(72)、(74)、(75)、(76)、(77)、(78)、(79)、(80)、(81)、(82)、(83)、(84)、(85)、(86)、(87)、(88)、(89)、(90)、(91)、(92)、(93)、(95)、(97)、(98)、(100)、(102)、(103)、(105)、(106)、(108)、(109)、(110)、(111)、(112)、(113)、(114)、(115)、(116)および(117)が挙げられる。
【0077】
好ましくは式(50)、(57)、(58)、(70)、(72)、(75)、(77)、(79)、(80)、(81)、(82)、(83)、(88)、(89)、(90)、(108)および(109)が挙げられる。
【0078】
より好ましくは式(58)、(72)および(75)が挙げられる。
【0079】
「飽和複素環基」としては、例えば、0〜2個の窒素原子、0〜1個の酸素原子又は0〜1個の硫黄原子から選択される、1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜7員の飽和複素環基等が挙げられる。該基は、環を構成する炭素原子が、「基」の結合手となる。具体的には、例えば、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、ピロリジニル、オキソピロリジニル、オキソピぺリジニル、オキソピペラジニル、オキソモルホリニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキソイミダゾリジニル、テトラヒドロトリアゾロアゼピニル、オキソジヒドロアクリジニル、テトラヒドロシクロペンタクロメニル、オキソベンゾキサチオリル、ジヒドロインデニル、アゼパニルまたはオキソアゼパニル等が挙げられる。好ましくは、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、ピロリジニル、オキソピロリジニル、オキソピぺリジニル、オキソピペラジニル、オキソモルホリニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル等が挙げられる。R1a、R1bおよびR1cにおいて好ましい「飽和複素環基」としては、オキセタニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニルが挙げられる。R1aおよびR1bが連結した場合における好ましい「飽和複素環基」としては、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニルが挙げられる。
【0080】
「C3-7シクロアルキルC1-4アルキル基」は、前記「C3-7シクロアルキル」が「C1-4アルキル」に置換した基を意味する。好ましくはC3-6シクロアルキルC1-4アルキル基が挙げられる。具体例としては、例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルプロピルまたはシクロヘキシルブチル等が挙げられる。
【0081】
「C7-14アラルキル基」は、「C6-10アリール基」が「C1-4アルキル基」に置換した基を意味する。好ましくは、C7-10アラルキル基が挙げられる。具体例としては、例えば、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピルまたはナフチルメチル等が挙げられる。
【0082】
「ヘテロアリールC1-4アルキル基」は、「ヘテロアリール基」が「C1-4アルキル基」に置換した基を意味する。好ましくは、5員もしくは6員の単環式ヘテロアリールC1-4アルキル基である。具体例としては、例えば、ピリジルメチル、ピリジルエチル、イミダゾリルエチル、ピロリルプロピル等が挙げられる。
【0083】
「飽和複素環C1-4アルキル基」としては、「飽和複素環基」が「C1-4アルキル基」に置換した基を意味する。好ましくは、4員〜7員の飽和複素環C1-4アルキル基である。具体例としては、例えば、アゼチジニルメチル、ピロリジルエチル、テトラヒドロフラニルプロピル、モルホニルブチル、テトラヒドロピラニルメチル等が挙げられる。
【0084】
「C1-6アルコキシ基」としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルコキシ基が挙げられる。好ましくは、C1-4アルコキシ基が挙げられる。具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、ブトキシ、2-メチルプロポキシ、1-メチルプロポキシ、1,1−ジメチルエトキシが挙げられる。
【0085】
「C1-6アルキルチオ基」としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキルチオ基が挙げられる。好ましくは、C1-4アルキルチオ基が挙げられる。具体的には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、1−メチルエチルチオ、ブチルチオ、2-メチルプロピルチオ、1-メチルプロピルチオ、1,1−ジメチルエチルチオが挙げられる。
【0086】
「C3-7シクロアルコキシ基」の「C3-7シクロアルキル」部分は、前記「C3-7シクロアルキル」と同一である。好ましくはC3-6シクロアルコキシ基が挙げられる。具体例としては、例えば、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペンチロキシ、またはシクロヘキシロキシが挙げられる。
【0087】
「C6-10アリールオキシ基」は前記「C6-10アリール基」が酸素原子に結合した基を意味する。好ましくは、炭素数6のアリールオキシ基である。具体例としては、フェノキシが挙げられる。
【0088】
「ヘテロアリールオキシ基」は、前記「ヘテロアリール基」が酸素原子に結合した基を意味する。好ましくは、5員もしくは6員の単環式ヘテロアリールオキシ基である。具体例としては、例えば、ピリジルオキシ、イミダゾリルオキシ、ピロリルオキシ等が挙げられる。
【0089】
「飽和複素環オキシ基」としては、前記「飽和複素環基」が酸素原子に結合した基を意味する。好ましくは、「4員〜7員の飽和複素環オキシ基」である。具体例としては、例えば、テトラヒドロピラニルオキシ、テトラヒドロフラニルオキシ、ピロリジルオキシ等が挙げられる。
【0090】
「C1-6アルキルカルボニル基」の「C1-6アルキル」部分は、前記「C1-6アルキル」と同一である。好ましくはC1-4アルキルカルボニル基が挙げられる。具体例としては、例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、1−メチルエチルカルボニル、ブチルカルボニル、2-メチルプロピルカルボニル、1−メチルプロピルカルボニルまたは1,1−ジメチルエチルカルボニル等が挙げられる。
【0091】
「C3-7シクロアルキルカルボニル基」の「C3-7シクロアルキル」部分は、前記「C3-7シクロアルキル」と同一である。好ましくはC3-6シクロアルキルカルボニル基が挙げられる。具体例としては、例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、またはシクロヘキシルカルボニルが挙げられる。
【0092】
「C6-10アリールカルボニル基」の「C6-10アリール」部分は、前記「C6-10アリール基」と同一である。好ましくは、炭素数6のアリールカルボニル基である。具体例としては、ベンゾイルが挙げられる。
【0093】
「ヘテロアリールカルボニル基」の「ヘテロアリール」部分は、前記「ヘテロアリール」と同一である。好ましくは5員もしくは6員の単環式ヘテロアリールカルボニル基が挙げられる。具体例としては、ピリジンカルボニル、ピロールカルボニルが挙げられる。
【0094】
「飽和複素環カルボニル基」の「飽和複素環」部分は、前記「飽和複素環」と同一である。好ましくは、「4員〜7員の飽和複素環カルボニル基」である。具体例としては、例えば、テトラヒドロピランカルボニル、テトラヒドロフランカルボニル、モルホリンカルボニル等が挙げられる。
【0095】
「C1-6アルキルスルホニル基」の「C1-6アルキル」部分は、前記「C1-6アルキル」と同一である。好ましくはC1-4アルキルスルホニル基が挙げられる。具体例としては、例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、プロピルスルホニル、1−メチルエチルスルホニル、2-メチルエチルスルホニル、1-メチルプロピルスルホニル、2-メチルプロピルスルホニル、1,1−ジメチルエチルスルホニルまたはブチルスルホニル等が挙げられる。
【0096】
「C3-7シクロアルキルスルホニル基」の「C3-7シクロアルキル」部分は、前記「C3-7シクロアルキル」と同一である。好ましくはC3-6シクロアルキルスルホニル基が挙げられる。具体例としては、例えば、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル、またはシクロヘキシルスルホニルが挙げられる。
【0097】
「C6-10アリールスルホニル基」の「C6-10アリール」部分は、前記「C6-10アリール基」と同一である。好ましくは、炭素数6のアリールスルホニル基である。具体例としては、ベンゼンスルホニルが挙げられる。
【0098】
「ヘテロアリールスルホニル基」の「ヘテロアリール」部分は、前記「ヘテロアリール」と同一である。好ましくは5員もしくは6員の単環式ヘテロアリールスルホニル基が挙げられる。具体例としては、ピロールスルホニル、ピリジンスルホニルが挙げられる。
【0099】
「飽和複素環スルホニル基」の「飽和複素環」部分は、前記「飽和複素環」と同一である。好ましくは、「4員〜7員の飽和複素環スルホニル基」である。具体例としては、例えば、テトラヒドロピランスルホニル、テトラヒドロフランスルホニル等が挙げられる。
【0100】
「置換されていてもよいアミノ基」としては、例えば、アミノ、モノ−もしくはジ−置換されたアミノ、4員〜7員の環状アミノが挙げられる。
「モノ−もしくはジ−置換されたアミノ」の置換基としては、例えば、置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル、置換されていてもよい飽和複素環、置換されていてもよいC6-10アリール、置換されていてもよいへテロアリールからなる群から選択される同種または異種の1又は2個の基が挙げられる。
【0101】
「モノ−置換されたアミノ」の具体例としては、例えば、「C1-6アルキルアミノ」(例えば、メチルアミノ等)、「C3-7シクロアルキルアミノ」(例えば、シクロプロピルアミノ等)、「(C6-10アリール)アミノ」(例えば、フェニルアミノ等)、「(へテロアリール)アミノ」(例えば、ピロリルアミノ等)が挙げられる。好ましくはC1-4アルキルアミノ、C3-6シクロアルキルアミノ、フェニルアミノ、ピロリルアミノが挙げられる。
【0102】
「ジ−置換されたアミノ」の具体例としては、例えば、「ジ−C1-6アルキルアミノ」(例えば、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ等)、「N−(C1-6アルキル)−N−(C3-7シクロアルキル)アミノ」(例えば、メチルシクロプロピルアミノ等)、「N−(C1-6アルキル)−N−(5員もしくは6員の飽和複素環)アミノ」(例えば、メチルテトラヒドロピラニルアミノ等)等が挙げられる。好ましくはジ−C1-4アルキルアミノ、N−(C1-4アルキル)−N−(C3-6シクロアルキル)アミノが挙げられる。
【0103】
「4員〜7員の環状アミノ基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1〜3個有してもよい4員〜7員の単環式環状アミノ基が挙げられる。該基は、環を構成する窒素原子が、「基」の結合手となる。具体例としては、例えば、アゼチジノ、ピロリジノ、イミダゾリジノ、オキサゾリジノ、チアゾリジノ、ピペラジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、アゼパノまたはオキソアゼパノ等が挙げられる。好ましくはアゼチジノ、ピロリジノ、イミダゾリジノ、モルホリノが挙げられる。
【0104】
「4員〜7員の環状アミノ基」は、6員の芳香族炭化水素、または5員もしくは6員の複素環と縮合環を形成してもよい。具体例としては、下記で表される「基」等が挙げられる。
【0105】
【化20】
【0106】
好ましくは式(120)、(125)、(127)、(128)、(129)、(130)、(134)、(136)、(137)、(141)、(143)、(144)、(145)、(146)、(147)、(148)、(149)および(150)が挙げられる。
【0107】
「C3-7シクロアルキルC1-4アルキルカルボニル基」の「C3-7シクロアルキル」部分は、前記「C3-7シクロアルキル」と同一である。好ましくはC3-6シクロアルキルC1-4アルキル基である。具体例としては、例えば、シクロプロピルメチルカルボニル、シクロヘキシルエチルカルボニル等が挙げられる。
【0108】
「C1-6アルコキシカルボニル基」としては、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルコキシカルボニル基が挙げられる。好ましくはC1-4アルコキシカルボニルが挙げられる。具体的には、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、2−メチルエトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、2−メチルプロポキシカルボニル、1-メチルプロポキシカルボニルまたは1,1−ジメチルエトキシカルボニル等が挙げられる。
【0109】
「C3-7シクロアルコキシカルボニル基」の「C3-7シクロアルコキシ」部分は、前記「C3-7シクロアルコキシ」と同一である。好ましくはC3-6シクロアルコキシカルボニル基が挙げられる。具体例としては、例えば、シクロプロポキシカルボニル、シクロブトキシカルボニル、シクロペンチロキシカルボニル、またはシクロヘキシロキシカルボニルが挙げられる。
【0110】
「飽和複素環オキシカルボニル基」の「飽和複素環オキシ」部分は、前記「飽和複素環オキシ」と同一である。好ましくは、「5員〜7員の飽和複素環オキシカルボニル基」である。具体例としては、例えば、テトラヒドロピラニルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0111】
「置換されていてもよいアミノカルボニル基」の「置換されていてもよいアミノ」部分は、前記「置換されていてもよいアミノ基」と同一である。「置換されていてもよいアミノカルボニル基」としては、例えば、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ−置換されたアミノカルボニル、4員〜7員の環状アミノカルボニルが挙げられる。
【0112】
「モノ−もしくはジ−置換されたアミノカルボニル」の置換基としては、例えば、置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル、置換されていてもよい4員〜7員の飽和複素環、置換されていてもよいC6-10アリール、および置換されていてもよいへテロアリールからなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基が挙げられる。
【0113】
「モノ−置換されたアミノカルボニル」の具体例としては、例えば、「C1-6アルキルアミノカルボニル(例えば、メチルアミノカルボニル等)」、「C3-7シクロアルキルアミノカルボニル(例えば、シクロプロピルアミノカルボニル等)」、「(C6-10アリール)アミノカルボニル(例えば、フェニルアミノカルボニル等」)、「(へテロアリール)アミノカルボニル(例えば、ピロリルアミノカルボニル等)」が挙げられる。好ましくはC1-4アルキルアミノカルボニル、C3-6シクロアルキルアミノカルボニルが挙げられる。
【0114】
「ジ−置換されたアミノカルボニル」の具体例としては、例えば、「ジ−C1-6アルキルアミノカルボニル(例えば、ジメチルアミノカルボニル、メチルエチルアミノカルボニル等)」、「N−(C1-6アルキル)−N−(C3-7シクロアルキル)アミノカルボニル(例えば、メチルシクロプロピルアミノカルボニル等)」、「N−(C1-6アルキル)−N−(5員もしくは6員の飽和複素環)アミノカルボニル(例えば、メチルテトラヒドロピラニルアミノカルボニル等)」等が挙げられる。好ましくはジ−C1-4アルキルアミノカルボニル、N−(C1-4アルキル)−N−(C3-6シクロアルキル)アミノカルボニルが挙げられる。
【0115】
「4員〜7員の環状アミノカルボニル基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1〜3個有してもよい4員〜7員の単環式環状アミノカルボニル基が挙げられる。具体例としては、例えば、アゼチジノカルボニル、ピロリジノカルボニル、イミダゾリジノカルボニル、オキサゾリジノカルボニル、チアゾリジノカルボニル、ピペラジノカルボニル、ピペリジノカルボニル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、アゼパノカルボニルまたはオキソアゼパノカルボニル等が挙げられる。好ましくはアゼチジノカルボニル、モルホリノカルボニルが挙げられる。
「4員〜7員の環状アミノカルボニル基」は、4員〜7員の環状アミノ部分が、6員の芳香族炭化水素、または5員もしくは6員の複素環と縮合環を形成してもよい。
【0116】
「置換されていてもよいアミノスルホニル基」の「置換されていてもよいアミノ」部分は、前記「置換されていてもよいアミノ基」と同一である。「置換されていてもよいアミノスルホニル基」としては、例えば、アミノスルホニル、モノ−もしくはジ−置換されたアミノスルホニル、4員〜7員の環状アミノスルホニルが挙げられる。
【0117】
「モノ−もしくはジ−置換されたアミノスルホニル」の置換基としては、例えば、置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル、置換されていてもよい4員〜7員の飽和複素環、置換されていてもよいC6-10アリール、および置換されていてもよいへテロアリールからなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基が挙げられる。
【0118】
「モノ−置換されたアミノスルホニル」の具体例としては、例えば、「C1-6アルキルアミノスルホニル(例えば、メチルアミノスルホニル等)」、「C3-7シクロアルキルアミノスルホニル(例えば、シクロプロピルアミノスルホニル等)」、「(C6-10アリール)アミノスルホニル(例えば、フェニルアミノスルホニル等)」、「(へテロアリール)アミノスルホニル(例えば、ピロリルアミノスルホニル等)」が挙げられる。好ましくはC1-4アルキルアミノスルホニル、C3-6シクロアルキルアミノスルホニルが挙げられる。
【0119】
「ジ−置換されたアミノスルホニル」の具体例としては、例えば、「ジ−C1-6アルキルアミノスルホニル(例えば、ジメチルアミノスルホニル、メチルエチルアミノスルホニル等)」、「N−(C1-6アルキル)−N−(C3-7シクロアルキル)アミノスルホニル(例えば、メチルシクロプロピルアミノスルホニル等)」、「N−(C1-6アルキル)−N−(5員もしくは6員の飽和複素環)アミノスルホニル(例えば、メチルテトラヒドロピラニルアミノスルホニル等)」等が挙げられる。好ましくはジ−C1-4アルキルアミノスルホニル、N−(C1-4アルキル)−N−(C3-6シクロアルキル)アミノスルホニルが挙げられる。
【0120】
「4員〜7員の環状アミノスルホニル基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1〜3個有してもよい4員〜7員の単環式環状アミノスルホニル基が挙げられる。具体例としては、例えば、アゼチジノスルホニル、ピロリジノスルホニル、イミダゾリジノスルホニル、オキサゾリジノスルホニル、チアゾリジノスルホニル、ピペラジノスルホニル、ピペリジノスルホニル、モルホリノスルホニル、チオモルホリノスルホニル、アゼパノスルホニルまたはオキソアゼパノスルホニル等が挙げられる。好ましくはアゼチジノスルホニル、モルホリノスルホニルが挙げられる。
「4員〜7員の環状アミノスルホニル基」は、4員〜7員の環状アミノ部分が、6員の芳香族炭化水素、または5員もしくは6員の複素環と縮合環を形成してもよい。
【0121】
「C1-6アルキルカルボニルアミノ基」の「C1-6アルキル」部分は、前記「C1-6アルキル」と同一である。好ましくは、C1-4アルキルカルボニルアミノ基である。具体的には、メチルカルボニルアミノ等が挙げられる。
【0122】
「C3-7シクロアルキルカルボニルアミノ基」の「C3-7シクロアルキル」部分は、前記「C3-7シクロアルキル」と同一である。好ましくは、C3-6シクロアルキルカルボニルアミノ基である。具体的には、例えば、シクロプロピルカルボニルアミノ等が挙げられる。
【0123】
「C6-10アリールカルボニルアミノ基」の「C6-10アリール」部分は、前記「C6-10アリール基」と同一である。好ましくは炭素数6のアリールカルボニルアミノ基である。具体例としては、ベンゾイルアミノが挙げられる。
【0124】
「ヘテロアリールカルボニルアミノ基」の「ヘテロアリール」部分は、前記「ヘテロアリール」と同一である。好ましくは5員もしくは6員の単環式ヘテロアリールカルボニルアミノ基である。具体例としては、例えば、ピロールカルボニルアミノが挙げられる。
【0125】
「飽和複素環カルボニルアミノ基」の「飽和複素環」部分は、前記「飽和複素環」と同一である。好ましくは4員〜7員の飽和複素環カルボニル基が挙げられる。具体例としては、例えば、アゼチジンカルボニルアミノが挙げられる。
【0126】
「C7-14アラルキルオキシ基」は、「C7-14アラルキル基」が酸素原子に結合した基を意味する。好ましくは、C7-11アラルキルオキシ基である。具体例としては、例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、フェニルプロピルオキシまたはナフチルメチルオキシ等が挙げられる。
【0127】
「C1-6アルキルカルボニルオキシ基」の「C1-6アルキル」部分は、前記「C1-6アルキル」と同一であり、「C1-6アルキルカルボニルオキシ基」としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。好ましくは、C1-4アルキルカルボニルオキシ基である。具体的には、メチルカルボニルオキシ等が挙げられる。
【0128】
「置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基」の「置換されていてもよいアミノ」部分は、前記「置換されていてもよいアミノ基」と同一であり、「置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基」としては、例えば、アミノカルボニルオキシ、モノ−もしくはジ−置換されたアミノカルボニルオキシ、4員〜7員の環状アミノカルボニルオキシが挙げられる。
【0129】
「モノ−もしくはジ−置換されたアミノカルボニルオキシ」の置換基としては、例えば、置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル、置換されていてもよい4員〜7員の飽和複素環、置換されていてもよいC6-10アリール、および置換されていてもよいへテロアリールからなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基が挙げられる。
【0130】
「モノ−置換されたアミノカルボニルオキシ」の具体例としては、例えば、「C1-6アルキルアミノカルボニルオキシ(例えば、メチルアミノカルボニルオキシ等)」、「C3-7シクロアルキルアミノカルボニルオキシ(例えば、シクロプロピルアミノカルボニルオキシ等)」、「(C6-10アリール)アミノカルボニルオキシ(例えば、フェニルアミノカルボニルオキシ等)」、「(へテロアリール)アミノカルボニルオキシ(例えば、ピロリルアミノカルボニルオキシ等)」が挙げられる。好ましくはC1-4アルキルアミノカルボニルオキシ、C3-6シクロアルキルアミノカルボニルオキシが挙げられる。
【0131】
「ジ−置換されたアミノカルボニルオキシ」の具体例としては、例えば、「ジ−C1-6アルキルアミノカルボニルオキシ(例えば、ジメチルアミノカルボニルオキシ、メチルエチルアミノカルボニルオキシ等)」、「N−(C1-6アルキル)−N−(C3-7シクロアルキル)アミノカルボニルオキシ(例えば、メチルシクロプロピルアミノカルボニルオキシ等)」、「N−(C1-6アルキル)−N−(5員もしくは6員の飽和複素環)アミノカルボニルオキシ(例えば、メチルテトラヒドロピラニルアミノカルボニルオキシ等)」等が挙げられる。好ましくはジ−C1-4アルキルアミノカルボニルオキシ、N−(C1-4アルキル)−N−(C3-6シクロアルキル)アミノカルボニルオキシが挙げられる。
【0132】
「4員〜7員の環状アミノカルボニルオキシ基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1〜3個有してもよい4員〜7員の単環式環状アミノカルボニルオキシ基が挙げられる。具体例としては、例えば、アゼチジノカルボニルオキシ、ピロリジノカルボニルオキシ、イミダゾリジノカルボニルオキシ、オキサゾリジノカルボニルオキシ、チアゾリジノカルボニルオキシ、ピペラジノカルボニルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、チオモルホリノカルボニルオキシ、アゼパノカルボニルオキシまたはオキソアゼパノカルボニルオキシ等が挙げられる。好ましくはアゼチジノカルボニルオキシ、モルホリノカルボニルオキシが挙げられる。
【0133】
「C1-6アルコキシカルボニルアミノ基」の「C1-6アルコキシ」部分は、前記「C1-6アルコキシ基」と同一である。好ましくはC1-4アルコキシカルボニルアミノ基が挙げられる。具体的には、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、2−メチルエトキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ、2−メチルプロポキシカルボニルアミノ、または1-メチルプロポキシカルボニルアミノが挙げられる。
【0134】
「C3-7シクロアルコキシカルボニルアミノ基」の「C3-7シクロアルコキシ」部分は、前記「C3-7シクロアルコキシ」と同一である。好ましくはC3-6シクロアルコキシカルボニルアミノ基が挙げられる。具体例としては、例えば、シクロプロポキシカルボニルアミノ、シクロブトキシカルボニルアミノ、シクロペンチロキシカルボニルアミノ、またはシクロヘキシロキシカルボニルアミノが挙げられる。
【0135】
「飽和複素環オキシカルボニルアミノ基」の「飽和複素環オキシ」部分は、前記「飽和複素環オキシ」と同一である。好ましくは、「5員〜7員の飽和複素環オキシカルボニルアミノ基」である。具体例としては、例えば、テトラヒドロピラニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。
【0136】
「置換されていてもよいアミノカルボニルアミノ基」の「置換されていてもよいアミノ」部分は、前記「置換されていてもよいアミノ基」と同一であり、「置換されていてもよいアミノカルボニルアミノ基」としては、例えば、アミノカルボニルアミノ、モノ−もしくはジ−置換されたアミノカルボニルアミノ、4員〜7員の環状アミノカルボニルアミノが挙げられる。
【0137】
「モノ−もしくはジ−置換されたアミノカルボニルアミノ」の置換基としては、例えば、置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル、置換されていてもよい4員〜7員の飽和複素環、置換されていてもよいC6-10アリール、および置換されていてもよいへテロアリールからなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基が挙げられる。
【0138】
「モノ−置換されたアミノカルボニルアミノ」の具体例としては、例えば、「C1-6アルキルアミノカルボニルアミノ(例えば、メチルアミノカルボニルアミノ等)」、「C3-7シクロアルキルアミノカルボニルアミノ(例えば、シクロプロピルアミノカルボニルアミノ等)」、「(C6-10アリール)アミノカルボニルアミノ(例えば、フェニルアミノカルボニルアミノ等)」、「(へテロアリール)アミノカルボニルアミノ(例えば、ピロリルアミノカルボニルアミノ等)」が挙げられる。好ましくはC1-4アルキルアミノカルボニルアミノ、C3-6シクロアルキルアミノカルボニルアミノが挙げられる。
【0139】
「ジ−置換されたアミノカルボニルアミノ」の具体例としては、例えば、「ジ−C1-6アルキルアミノカルボニルアミノ(例えば、ジメチルアミノカルボニルアミノ、メチルエチルアミノカルボニルアミノ等)」、「N−(C1-6アルキル)−N−(C3-7シクロアルキル)アミノカルボニルアミノ(例えば、メチルシクロプロピルアミノカルボニルアミノ等)」、「N−(C1-6アルキル)−N−(5員もしくは6員の飽和複素環)アミノカルボニルアミノ(例えば、メチルテトラヒドロピラニルアミノカルボニルアミノ等)」等が挙げられる。好ましくはジ−C1-4アルキルアミノカルボニルアミノ、N−(C1-4アルキル)−N−(C3-6シクロアルキル)アミノカルボニルアミノが挙げられる。
【0140】
「4員〜7員の環状アミノカルボニルアミノ基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1〜3個有してもよい4員〜7員の単環式環状アミノカルボニルアミノ基が挙げられる。具体例としては、例えば、アゼチジノカルボニルアミノ、ピロリジノカルボニルアミノ、イミダゾリジノカルボニルアミノ、オキサゾリジノカルボニルアミノ、チアゾリジノカルボニルアミノ、ピペラジノカルボニルアミノ、ピペリジノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、チオモルホリノカルボニルアミノ、アゼパノカルボニルアミノまたはオキソアゼパノカルボニルアミノ等が挙げられる。好ましくはアゼチジノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノが挙げられる。
【0141】
「C1-6アルキルスルホニルアミノ基」の「C1-6アルキル」部分は、前記「C1-6アルキル」と同一である。好ましくはC1-4アルキルスルホニルアミノ基が挙げられる。具体例としては、例えば、メタンスルホニルアミノ、エタンスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ、1−メチルエチルスルホニルアミノ、2−メチルエチルスルホニルアミノ、1−メチルプロピルスルホニルアミノ、2−メチルプロピルスルホニルアミノ、1,1−ジメチルエチルスルホニルアミノまたはブチルスルホニルアミノ等が挙げられる。
【0142】
「C3-7シクロアルキルスルホニルアミノ基」の「C3-7シクロアルキル」部分は、前記「C3-7シクロアルキル」と同一である。好ましくはC3-6シクロアルキルスルホニルアミノ基が挙げられる。具体例としては、例えば、シクロプロピルスルホニルアミノ、シクロブチルスルホニルアミノ、シクロペンチルスルホニルアミノ、またはシクロヘキシルスルホニルアミノが挙げられる。
【0143】
「C6-10アリールスルホニルアミノ基」の「C6-10アリール」部分は、前記「C6-10アリール基」と同一である。好ましくは、炭素数のアリールスルホニルアミノ基である。具体例としては、ベンゼンスルホニルアミノが挙げられる。
【0144】
「ヘテロアリールスルホニルアミノ基」の「ヘテロアリール」部分は、前記「ヘテロアリール」と同一である。好ましくは5員もしくは6員の単環式ヘテロアリールスルホニルアミノ基が挙げられる。具体例としては、ピロールスルホニルアミノ、ピリジンスルホニルアミノが挙げられる。
【0145】
「飽和複素環スルホニルアミノ基」の「飽和複素環」部分は、前記「飽和複素環」と同一である。好ましくは、「4員〜7員の飽和複素環スルホニルアミノ基」である。具体例としては、例えば、テトラヒドロピランスルホニルアミノ、テトラヒドロフランスルホニルアミノ等が挙げられる。
【0146】
「置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ基」の「置換されていてもよいアミノ」部分は、前記「置換されていてもよいアミノ基」と同一であり、「置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ基」としては、例えば、アミノスルホニルアミノ、モノ−もしくはジ−置換されたアミノスルホニルアミノ、4員〜7員の環状アミノスルホニルアミノが挙げられる。
【0147】
「モノ−もしくはジ−置換されたアミノスルホニルアミノ」の置換基としては、例えば、置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル、置換されていてもよい4員〜7員の飽和複素環、置換されていてもよいC6-10アリール、および置換されていてもよいへテロアリールからなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基が挙げられる。
【0148】
「モノ−置換されたアミノスルホニルアミノ基」の具体例としては、例えば、「C1-6アルキルアミノスルホニルアミノ」が挙げられる。好ましくは、「C1-4アルキルアミノスルホニルアミノ(例えば、メチルアミノスルホニルアミノ等)」が挙げられる。
【0149】
「ジ−置換されたアミノスルホニルアミノ基」の具体例としては、例えば、「ジ−C1-6アルキルアミノスルホニルアミノ」が挙げられる。好ましくは、「ジ−C1-4アルキルアミノスルホニルアミノ(例えば、ジ−メチルアミノスルホニルアミノ、メチルエチルアミノスルホニルアミノ等)」が挙げられる。
【0150】
「4員〜7員の環状アミノスルホニルアミノ基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1〜3個有してもよい4員〜7員の単環式環状アミノスルホニルアミノ基が挙げられる。具体例としては、例えば、アゼチジノスルホニルアミノ、モルホリノスルホニルアミノ等が挙げられる。好ましくはモルホリノスルホニルアミノが挙げられる。
【0151】
「置換されていてもよいC1-6アルキル基」および「置換されていてもよいC1-3アルキル基」における置換基としては、例えば、
(a)ハロゲン原子、
(b)シアノ基、
(c)ヒドロキシ基、
(d)ホルミル基、
(e)C1-6アルキルカルボニル基、
(f)C1-6アルキルカルボニルオキシ基、
(g)カルボキシル基、
(h)アミノ(該アミノは、
(h1)C1-6アルキル(該アルキルは、
(h11)ヒドロキシ、
(h12)C1-6アルコキシ、
(h13)カルボキシル、
(h14)アミノカルボニル、
(h15)モノもしくはジ−C1-6アルキルアミノ、
(h16)モノもしくはジ−C1-6アルキルアミノカルボニル、
(h17)C1-6アルキルカルボニルアミノ、
(h18)モノもしくはジ−C1-6アルキルアミノカルボニルアミノ、または
(h19)C1-6アルコキシカルボニルアミノで置換されていてもよい。)、
(h2)C3-7シクロアルキル(該環は、C1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(h3)C3-7シクロアルキルC1-4アルキル、
(h4)4員〜7員の飽和複素環(該環は、ハロゲン原子、またはC1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(h5)4員〜7員の飽和複素環C1-4アルキル、
(h6)C6-10アリール(該環は、ハロゲン原子、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよい。)、
(h7)C7-14アラルキル(該環は、ハロゲン原子、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよい。)、
(h8)へテロアリール(該環は、ハロゲン原子およびC1-6アルキルからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)および
(h9)へテロアリールC1-4アルキル(該環は、ハロゲン原子およびC1-6アルキルからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)、
(i)4員〜7員の環状アミノ(該環は、
(i1)ハロゲン原子、
(i2)ヒドロキシ、
(i3)C1-6アルキル(該基は、ヒドロキシまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよい。)、
(i4)C1-6アルコキシ、
(i5)アミノ(該基は、1〜2個のC1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(i6)シアノ、
(i7)アミノカルボニル(該基は、1〜2個のC1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(i8)C1-6アルキルカルボニル、
(i9)C1-6アルキルカルボニルアミノ、または
(i10)C1-6アルキルスルホニルアミノで置換されていてもよい。)、
(j)C1-6アルコキシ(該基は、
(j1)ヒドロキシ、
(j2)C1-6アルコキシ、
(j3)C3-7シクロアルキル、
(j4)4員〜7員の飽和複素環(該環は、ハロゲン原子、またはC1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(j5)4員〜7員の環状アミノ(該環は、前記(i1)〜(i10)で置換されていてもよい。)、
(j6)4員〜7員の環状アミノカルボニル(該環は、前記(i1)〜(i10)で置換されていてもよい。)、
(j7)C6-10アリール基(該基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシで置換されていてもよい。)、
(j8)C1-6アルキルカルボニルアミノ、
(j9)モノ−もしくはジ−C1-6アルキルアミノ、
(j10)モノ−もしくはジ−C1-6アルキルアミノカルボニル、
(j11)ハロゲン原子または
(j12)C3-7シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
(k)C3-7シクロアルコキシ基(該環は、C1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(l)C6-10アリール基(該基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシで置換されていてもよい。)、
(m)4員〜7員の飽和複素環(該環は、前記(i1)〜(i10)で置換されていてもよい。)、
(n)アミノカルボニル基(該基のアミノ部位は無置換アミノ、モノもしくはジ−C1-6アルキルアミノ、または4員〜7員の環状アミノを意味する。)、
(o)アミノスルホニル基(該基のアミノ部位は無置換アミノ、モノもしくはジ−C1-6アルキルアミノ、または4員〜7員の環状アミノを意味する。)、
(p)アミノカルボニルオキシ基(該基のアミノ部位は無置換アミノ、モノもしくはジ−C1-6アルキルアミノ、または4員〜7員の環状アミノを意味する。)、
(q)C6-10アリールオキシ基(該基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシで置換されていてもよい。)、
(r)C7-14アラルキルオキシ基、
(s)へテロアリールオキシ基(該環は、ハロゲン原子、またはC1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(t)4員〜7員の飽和複素環オキシ基(該環は、ハロゲン原子、またはC1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(u)C1-6アルキルスルホニル基、
(v)C1-6アルキルカルボニルアミノ基、
(w)C1-6アルコキシカルボニル基、
(x)C1-6アルキルスルホニルアミノ基、
(y)C1-6アルコキシカルボニルアミノ基
(z)モノ−もしくはジ−C1-6アルキルアミノカルボニルアミノ基、または
(aa)モノ−もしくはジ−C1-6アルキルアミノスルホニルアミノ基などが挙げられる。
【0152】
好ましくは、
(a)ハロゲン原子、
(b)シアノ基、
(c)ヒドロキシ基、
(h)アミノ(該アミノは、
(h1)C1-6アルキル、
(h2)C3-7シクロアルキル、および
(h8)へテロアリール(該環は、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)、
(i)4員〜7員の環状アミノ(該環は、
(i1)ハロゲン原子、
(i2)ヒドロキシ、または
(i6)シアノで置換されていてもよい。)、
(j)C1-6アルコキシ(該基は、
(j1)ヒドロキシ、
(j2)C1-6アルコキシ、
(j3)C3-7シクロアルキル、または
(j4)4員〜7員の飽和複素環で置換されていてもよい。)、
(k)C3-7シクロアルコキシ基、
(l)C6-10アリール基(該基は、ハロゲン原子、またはC1-6アルコキシで置換されていてもよい。)、
(m)4員〜7員の飽和複素環(該環は、前記(i1)、(i2)、(i6)で置換されていてもよい。)、
(n)アミノカルボニル基(該基のアミノ部位は無置換アミノ、モノもしくはジ−C1-6アルキルアミノ、または4員〜7員の環状アミノを意味する。)、
(o)アミノスルホニル基(該基のアミノ部位は無置換アミノ、モノもしくはジ−C1-6アルキルアミノ、または4員〜7員の環状アミノを意味する。)、
(p)アミノカルボニルオキシ基(該基のアミノ部位は無置換アミノ、モノもしくはジ−C1-6アルキルアミノ、または4員〜7員の環状アミノを意味する。)、
(t)4員〜7員の飽和複素環オキシ基、
(v)C1-6アルキルカルボニルアミノ基、
(w)C1-6アルコキシカルボニル基、
(y)C1-6アルコキシカルボニルアミノ基
が挙げられる。
【0153】
「置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基」、「置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基」、「置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルアミノ基」、「置換されていてもよいC1-6アルコキシ基」、「置換されていてもよいC1-6アルキルチオ基」、「置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニル基」、「置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニルアミノ基」、「置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニルオキシ基」、「置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニルアミノ基」、「置換されていてもよいC1-3アルキレン基」、「置換されていてもよいメチレン基」、および「置換されていてもよいエチレン基」における置換基としては、例えば、前記(a)〜(aa)から選択される基等が挙げられる。
【0154】
好ましくは、
(a)ハロゲン原子、
(b)シアノ基、
(c)ヒドロキシ基、
(j)C1-6アルコキシ(該基は、
(j1)ヒドロキシ、
(j2)C1-6アルコキシ、
(j3)C3-7シクロアルキル、または
(j4)4員〜7員の飽和複素環で置換されていてもよい。)、
(k)C3-7シクロアルコキシ基
(l)C6-10アリール基(該基は、ハロゲン原子、またはC1-6アルコキシで置換されていてもよい。)、
(m)4員〜7員の飽和複素環(該基は、前記(i1)、(i2)、(i6)で置換されていてもよい。)が挙げられる。
【0155】
「置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基」、「置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル基」、「置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニル基」、「置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニルアミノ基」、「置換されていてもよいC3-7シクロアルキルスルホニル基」、「置換されていてもよいC3-7シクロアルキルスルホニルアミノ基」、「置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキルカルボニル基」、「置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシ基」、「置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシカルボニル基」、「置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニルアミノ基」、「置換されていてもよい4員〜7員の環状アミノ基」、「置換されていてもよい4員〜7員の環状アミノカルボニル基」、「置換されていてもよい4員〜7員の環状アミノスルホニル基」、「置換されていてもよい4員〜7員の環状アミノカルボニルオキシ基」、「置換されていてもよい4員〜7員の環状アミノカルボニルアミノ基」、「置換されていてもよい4員〜7員の環状アミノスルホニルアミノ基」、「置換されていてもよい飽和複素環基」、「置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基」、「置換されていてもよい飽和複素環カルボニル基」、「置換されていてもよい飽和複素環スルホニル基」、「置換されていてもよい飽和複素環スルホニルアミノ基」、「置換されていてもよい飽和複素環オキシ基」、「置換されていてもよい飽和複素環カルボニルアミノ基」、「置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニル基」、および「置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニルアミノ基」における置換基としては、例えば、前記(a)〜(aa)から選択される基等が挙げられる。
【0156】
好ましくは、
(a)ハロゲン原子、
(b)シアノ基、
(c)ヒドロキシ基、
(j)C1-6アルコキシが挙げられる。
【0157】
Ar1及びAr2以外における「置換されていてもよいC6-10アリール基」、「置換されていてもよいC7-14アラルキル基」、「置換されていてもよいC7-14アラルキルオキシ基」、「置換されていてもよいC6-10アリールカルボニル基、「置換されていてもよいC6-10アリールオキシ基」、「置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基」、「置換されていてもよいC6-10アリールスルホニルアミノ基」、「置換されていてもよいC6-10アリールカルボニルアミノ基」、Ar1及びAr2以外における「置換されていてもよいヘテロアリール基」、「置換されていてもよいヘテロアリールC1-4アルキル基」、「置換されていてもよいヘテロアリールオキシ基」、「置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル基」、「置換されていてもよいヘテロアリールスルホニル基」、「置換されていてもよいヘテロアリールスルホニルアミノ基」、および「置換されていてもよいヘテロアリールカルボニルアミノ基」の置換基としては、例えば、
(a2)ハロゲン原子、
(b2)シアノ基、
(c2)C1-6アルキル基、
(d2)C1-6アルキルスルホニル基(該基は、
(d21)ハロゲン原子、
(d22)ヒドロキシ、
(d23)C1-6アルコキシ、
(d24)C3-7シクロアルキル、
(d25)C3-7シクロアルコキシ、
(d26)ジ−C1-6アルキルアミノ、
(d27)4員〜7員の環状アミノ、または
(d28)飽和複素環で置換されていてもよい。)、
(e2)C3-7シクロアルキルスルホニル基(該基は、C1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(ee2)C6-10アリールスルホニル基(該基は、C1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(f2)飽和複素環スルホニル基(該環は、ハロゲン原子、またはC1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(ff2)ヘテロアリールスルホニル基(該環は、ハロゲン原子、またはC1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(g2)アミノ基(該アミノは、前記(h1)〜(h9)からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)、
(hh2)アミノスルホニル基(該アミノは、同種または異種の1〜2個のC1-6アルキル基(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、またはジ−C1-6アルキルアミノで置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)、
(ii2)4員〜7員の環状アミノ基(該環は、前記(i1)〜(i10)で置換されていてもよい。)、
(jj2)アミノカルボニル基(該アミノは、前記(h1)〜(h9)からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)、
(k2)4員〜7員の環状アミノカルボニル基(該環は、前記(i1)〜(i10)で置換されていてもよい。)、
(l2)4員〜7員の飽和複素環(該環は、前記(i1)〜(i10)で置換されていてもよい。)、
(m2)カルボキシル基、
(n2)C1-6アルコキシ基(該基は、前記(j1)〜(j12)で置換されていてもよい。)、
(o2)C1-6シクロアルコキシ基、
(p2)4員〜7員の飽和複素環オキシ基(該環は、前記(i1)〜(i10)で置換されていてもよい。)、
(q2)C7-14アラルキルオキシ基、
(r2)C1-6アルコキシカルボニル基(該基は、前記(j1)〜(j12)で置換されていてもよい。)、
(s2)C1-6アルキルカルボニルアミノ基(該アミノは、C1-6アルキルで置換されていてもよく、該アルキルは、前記(a)〜(aa)で置換されていてもよい。)、
(t2)C3-7シクロアルキルカルボニルアミノ基(該アミノは、C1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(u2)C3-7シクロアルキルC1-4アルキルカルボニルアミノ基(該アミノは、C1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(v2)5員もしくは6員の単環へテロアリールカルボニルアミノ基(該アミノは、C1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(w2)4員〜7員の飽和複素環カルボニルアミノ基(該アミノは、C1-6アルキルで置換されていてもよく、該環は、前記(i1)〜(i10)で置換されていてもよい。)、
(x2)モノもしくはジ−C1-6アルキルアミノカルボニルアミノ基(該アミノは、C1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(y2)C1-6アルコキシカルボニルアミノ基(該アミノは、C1-6アルキルで置換されていてもよく、該アルコキシは、前記(j1)〜(j12)で置換されていてもよい。)、
(z2)C6-10アリール基、
(aa2)5員もしくは6員の単環へテロアリール基、および
(aa2)C1-6アルキルチオ基(該基は、前記(j1)〜(j12)で置換されていてもよい。)等が挙げられる。
【0158】
好ましくは、
(a2)ハロゲン原子、
(b2)シアノ基、
(c2)C1-6アルキル基、
(d2)C1-6アルキルスルホニル基(該基は、
(d21)ハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(ee2)C6-10アリールスルホニル基(該基は、C1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(f2)飽和複素環スルホニル基(該環は、ハロゲン原子、またはC1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(ff2)ヘテロアリールスルホニル基(該環は、ハロゲン原子、またはC1-6アルキルで置換されていてもよい。)、
(hh2)アミノスルホニル基(該アミノは、同種または異種の1〜2個のC1-6アルキル基で置換されていてもよい。)、
(jj2)アミノカルボニル基(該アミノは、前記(h1)〜(h9)からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)、
(k2)4員〜7員の環状アミノカルボニル基(該環は、前記(i1)〜(i10)で置換されていてもよい。)、
(l2)4員〜7員の飽和複素環(該環は、前記(i1)〜(i10)で置換されていてもよい。)、
(n2)C1-6アルコキシ基(該基は、前記(j1)〜(j12)で置換されていてもよい。)、
(o2)C1-6シクロアルコキシ基、
(p2)4員〜7員の飽和複素環オキシ基(該環は、前記(i1)〜(i10)で置換されていてもよい。)、
(q2)C7-14アラルキルオキシ基、
(z2)C6-10アリール基、
(aa2)5員もしくは6員の単環へテロアリール基、および
(aa2)C1-6アルキルチオ基(該基は、前記(j1)〜(j12)で置換されていてもよい。)等が挙げられる。
【0159】
「R1aおよびR1bが連結し、これらが結合する炭素原子と一緒になって、C3-7シクロアルキル環、または飽和複素環を形成してもよい」とは、環Qが例えば下記式(a−8)〜(a−15)で表される基等であることを意味する。
【0160】
【化21】
【0161】
本発明において好ましいR1a、R1bおよびR1cとしては、それぞれ同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、およびC1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルカルボニルオキシ基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、アミノカルボニルオキシ基(該基はC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つの基で置換されていてもよい)、または4員〜7員の環状アミノカルボニルオキシ基が挙げられる。あるいは、R1aおよびR1bが連結し、これらが結合する炭素原子と一緒になって、環Qが式(a−11)または(a−12)で表される基となる。
【0162】
本発明においてより好ましいR1a、R1bおよびR1cとしては、それぞれ同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、または飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)が挙げられる。あるいは、R1aおよびR1bが連結し、これらが結合する炭素原子と一緒になって、環Qが式(a−11)または(a−12)で表される基となる。
【0163】
本発明において、Ar1が置換されていてもよいC6-10アリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基である場合における置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1-6アルキル基およびC1-6アルコキシ基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の置換基が挙げられる。
【0164】
本発明において、Ar2が置換されていてもよいC6-10アリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基である場合における、炭素原子上で置換されていてもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル基、置換されていてもよいC7-14アラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールC1-4アルキル基、置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよい飽和複素環基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、置換されていてもよいC1-6アルキルチオ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシ基、置換されていてもよいC6-10アリールオキシ基、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ基、置換されていてもよい飽和複素環オキシ基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニルアミノ基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニルアミノ基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニルアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニルアミノ基、置換されていてもよいアミノカルボニルアミノ基、置換されていてもよいアミノスルホニルアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニル基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニル基、置換されていてもよいアミノカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルスルホニル基、置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基、置換されていてもよいヘテロアリールスルホニル基、置換されていてもよい飽和複素環スルホニルおよび置換されていてもよいアミノスルホニル基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の置換基が挙げられ、
窒素原子上で置換されていてもよい置換基としては、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキル基、置換されていてもよい飽和複素環C1-4アルキル基、置換されていてもよいC6-10アリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよい飽和複素環基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルC1-4アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルコキシカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環オキシカルボニル基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニル基、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル基、置換されていてもよい飽和複素環カルボニル基、置換されていてもよいアミノカルボニル基、置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキルスルホニル基、置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基、置換されていてもよいヘテロアリールスルホニル基、置換されていてもよい飽和複素環スルホニル基および置換されていてもよいアミノスルホニル基からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の置換基が挙げられる。
【0165】
本発明におけるAr2が式(c−1)〜(c−19)で表される基である場合、その炭素原子の置換基として好ましいものとしては、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルチオ基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C3-7シクロアルキル基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、へテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、およびC1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、アミノカルボニル基(該基はC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つの基で置換されていてもよい)、4員〜7員の環状アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルスルホニル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリールスルホニル基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルカルボニル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルカルボニルアミノ基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)およびC1-6アルキルアミノカルボニルアミノ基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基が挙げられる。
また、式(c−1)〜(c−19)で表される基のNHの置換基として好ましいものとしては、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C3-7シクロアルキル基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、へテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、およびC1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、アミノカルボニル基(該基はC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つの基で置換されていてもよい)、4員〜7員の環状アミノカルボニル基、C1-6アルキルスルホニル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリールスルホニル基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、およびC1-6アルキルカルボニル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる基が挙げられる。
【0166】
本発明におけるAr2が式(c−1)〜(c−19)で表される基である場合、その炭素原子の置換基としてより好ましいものとしては、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルチオ基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、および飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、およびC1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基が挙げられる。
また、式(c−1)〜(c−19)で表される基のNHの置換基としてより好ましいものとしては、C1-6アルキル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C3-7シクロアルキル基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C6-10アリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、飽和複素環基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、およびC1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルカルボニル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、C1-6アルキルスルホニル基(該基は水酸基、シアノ基、およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)、およびC6-10アリールスルホニル基(該基は水酸基、シアノ基、ハロゲン原子、およびC1-6アルキル基から選ばれる1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる基が挙げられる。
【0167】
医薬上許容される塩としては、たとえば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの鉱酸との塩;ギ酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などの有機カルボン酸との塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ジヒドロキシベンゼンスルホン酸などのスルホン酸との塩;ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンとの塩等が挙げられる。
【0168】
好ましくは、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸との塩が挙げられる。
【0169】
本発明化合物(1)及びその医薬上許容される塩は、水和物、またはエタノール和物等の溶媒和物であってもよく、これらの水和物および/又は溶媒和物も本発明の化合物に包含される。
【0170】
本発明化合物(1)には立体異性体、互変異性体および/または光学異性体が存在する。本発明においては、これらの異性体の混合物および単離された異性体を含む。
【0171】
本発明化合物(1)は公知化合物から公知の合成方法を組み合わせることにより合成することができるが、例えば、以下の反応式で表される製造法a)によっても製造することができる。
製造法a)
【0172】
【化22】
〔反応式中、Ar1、Ar2、Q、V、W1、W3は前記と同義である。Pはアミノ基の保護基を表す。nは0、1または2を表す。〕
【0173】
式[1]の化合物は、式[2]で表されるジアミンを、例えば縮合剤の存在下、不活性溶媒中、室温または加熱下にて、式[3]で表されるカルボン酸と反応させることにより、あるいは、塩基の存在下、不活性溶媒中、室温または加熱下にて、式[3]で表されるカルボン酸に対応する酸ハロゲン化物または酸無水物等と反応させることにより製造することができる。
【0174】
縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(WSC)、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロリン化物塩(BOP)、ジフェニルホスホニルジアミド(DPPA)、N,N−カルボニルジイミダゾール(CDI)、ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロリン化物塩(HBTU)などの縮合剤が用いられ、必要に応じて、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOOBt)などの添加剤を加えることができる。
【0175】
溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒、ピリジンなどの塩基性溶媒、またはそれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0176】
塩基としては、例えば、炭酸アルカリ(炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等)、水素化アルカリ(水素化ナトリウム、水素化カリウム等)、水酸化アルカリ(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、アルカリアルコキシド(ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等)、有機塩基(N-メチルモルホリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,4-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ピリジン等)が挙げられ、好適には、炭酸カリウム、カリウムtert−ブトキシド、トリエチルアミン等が挙げられる。
【0177】
式[2]のジアミンは、式[4]で表される化合物のアミノ基上の保護基Pを除去することにより製造することができる。アミノ基を保護する保護基としては、有機合成化学の分野で使われる通常の保護基を用いればよく、このような保護基の導入および除去は通常の方法に従って行うことができる(例えば、T. W. Greene et al.著、 Protective Groups in Organic Synthesis 第3版、 John Wiley & Sons社、 2002年.に記載の方法)。
【0178】
アミノ基の保護基としては例えば、tert−ブチルオキシカルボニル基などが挙げられる。このようなアミノ基の保護基は、例えば、塩酸、トリフルオロ酢酸などの酸の存在下、含水テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、含水メタノールなどの溶媒中で反応させることにより除去することができる。
【0179】
式[4]の化合物は、不活性溶媒中、式[6]で表される化合物を還元剤と反応させることにより製造することができる。還元剤としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム、またはボラン錯体(ボラン−ジメチルスルフィド錯体またはボラン−テトラヒドロフラン錯体等)等が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0180】
式[6]の化合物は、式[5]で表されるアミンを、式[1]で表される化合物の場合と同様の条件下で式[9]で表されるカルボン酸と反応させることにより製造することができる。
【0181】
また、式[7]で表されるアルデヒドを、例えば還元剤の存在下、不活性溶媒中、室温または加熱下にて、式[5]で表されるアミンと還元的アミノ化反応することによっても、式[4]で表される化合物を製造することができる。
【0182】
還元剤としては、例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの複合水素化合物やジボランなどの還元剤を用いることができる。またナトリウム、ナトリウムアマルガム、あるいは亜鉛−酸による還元や、鉛、白金を陰極とした電気還元も用いることができる。溶媒としては、例えば、メタノールやエタノールなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、またはそれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0183】
式[7]の化合物は、不活性溶媒中、式[8]で表される1級アルコールを酸化反応させることにより製造することができる。溶媒としては、ハロゲン系溶媒(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム)、N,N−ジメチルホルムアミド、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。酸化反応としては、Swern酸化、Dess−Martin酸化、クロム酸酸化、活性二酸化マンガン酸化が望ましく、文献(例えばR. C. Larock et al.著、 Comprehensive Organic Transformations 第2版、 John Wiley & Sons社、 1999年、または日本化学会編、 実験化学講座 第4版、 丸善、 1993年.)に記載の方法に従って行うことができる。
【0184】
式[8]の化合物は、不活性溶媒中、式[9]で表されるカルボン酸を還元剤と反応させることにより製造することができる。還元剤としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム、またはボラン錯体(ボラン−ジメチルスルフィド錯体またはボラン−テトラヒドロフラン錯体等)等が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0185】
式[3]で表されるカルボン酸および式[5]で表されるアミンは公知化合物であるか、公知化合物から公知の合成方法を組み合わせることにより合成することができる。
【0186】
式[9]で表される原料化合物は、公知化合物であるか、公知化合物から公知の合成方法を組み合わせることにより合成することができる。例えばN−保護プロリンのカルボン酸部位をジアゾメタン、もしくはトリメチルシリルジアゾメタンとの反応により増炭する製造法(例えば、Y. Yamada et al.著、 Chemical and Pharmaceutical Bulletin、 2004年, 52号, p1082−1085.に記載の方法)や、2−アリル−N−保護ピロリジンのアリル基を酸化的に開裂する製造法(例えば、C. Pousset et al.著、 Tetrahedron Asymmetry、 2004年、 15号, p3407−3412.に記載の方法)によっても合成できる。また、式[9]で表される原料化合物は、以下の反応式で表される製造法b)によっても製造することができる。
製造法b)
【0187】
【化23】
〔反応式中、Q、n、Pは前記の意味を表す。Xは脱離基を表す。〕
【0188】
式[9]の化合物は、式[10]で表される化合物を、例えば、酸性条件下もしくは塩基性条件下にて不活性溶媒中、室温または加熱下にて加水分解させることにより製造することができる。
【0189】
酸としては例えば、塩酸、硫酸、酢酸等が挙げられる。塩基としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基が挙げられる。溶媒としては、例えば、水、エタノール、メタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ピリジン等の塩基性溶媒、またはそれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0190】
式[10]の化合物は不活性溶媒中、式[11]で表される化合物とシアン化物を必要に応じて添加剤の存在下、反応させることにより製造することができる。シアン化物としては、例えば、シアン化カリウムまたはシアン化ナトリウム等が挙げられる。反応溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等の不活性溶媒が挙げられる。添加剤としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等が挙げられる。
【0191】
式[11]の化合物は、式[12]で表される化合物の水酸基を脱離基に変換することで製造することができる。脱離基がハロゲン(例えば塩素原子の場合)である式[11]の化合物は式[12]で表される化合物と塩化チオニルを必要に応じて塩基存在下反応して得られる。溶媒としては例えばピリジン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等が挙げられる。塩基としては例えば、ピリジン等が挙げられる。
【0192】
脱離基がスルホニルオキシの場合、式[11]の化合物は式[12]で表される化合物とスルホニルクロリドを必要に応じて塩基存在下反応して得られる。溶媒としては例えばピリジン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム等が挙げられる。塩基としては例えば、トリエチルアミン等が挙げられる。スルホニルクロリドとしては例えば、塩化メタンスルホニル等のアルキルスルホニルクロリド、トシルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド等のアリールスルホニルクロリド等が挙げられる。
【0193】
式[12]で表される原料化合物は、公知化合物であるか、公知化合物から公知の合成方法を組み合わせることにより合成することができる。例えば、閉環反応による環状アミンの合成反応(例えばH. Takahata et al.著、 Tetrahedron Asymmetry、 1991年、 2号, p351−352.、またはA. I. Meyers et al.著、 The Journal of Organic Chemistry、 1996年、 61号、 p2586−2587. に記載の方法)に従っても製造することができる。
【0194】
製造法a)の式[3]で表される原料化合物は、公知化合物であるか、公知化合物から公知の合成方法を組み合わせることにより合成することができる。例えば、インドール−2−カルボン酸およびアザインドールカルボン酸、および当該カルボン酸に容易に変換し得るエステルに関しては、一般的なインドール合成法として知られるFisher法やReissert法(例えば、特開平7−10839号公報、特開平8−208602号公報、またはF. D. Marsh et al.著、 Journal of the American Chemical Society、 1965年、 87号, p3530−3531.に開示されている製造法)に従って合成することができる。また2H−ピラゾール−5−カルボン酸および当該カルボン酸に容易に変換し得るエステルに関しては、例えば、X. Qi et al.著、 Angewandte Chemie International Edition、 2007年、 46号、 p3242−3244.、 A. F. C. Flores et al.著、 Synthesis、 2005年、 16号, p2744−2750.、または国際公開番号WO2006/33943号公報に開示されている製造法に従っても合成することができる。
【0195】
本発明の化合物、又はその中間体がアミノ基、カルボキシ基、水酸基、又はオキソ基等の官能基を有している場合、必要に応じて保護、脱保護の技術を用いることができる。好適な保護基、保護する方法、及び脱保護する方法としては、前述のProtective Groups in Organic Synthesis 第3版等に詳細に記載されている。
【0196】
本発明の式[1]の化合物、又はそれを製造するための中間体は当業者に公知の方法で精製することができる。例えば、カラムクロマトグラフィー(例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、もしくはイオン交換カラムクロマトグラフィー)、又は再結晶等で精製することができる。例えば、再結晶溶媒としては、メタノール、エタノールもしくは2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、ベンゼンもしくはトルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン等のケトン系溶媒、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミドもしくはアセトニトリル等の非プロトン系溶媒、水、又はこれらの混合溶媒等を用いることができる。その他精製方法としては、実験化学講座(日本化学会編、丸善)1巻等に記載された方法等を用いることができる。
【0197】
本発明の式[1]の化合物において、1つ以上の不斉点がある場合、通常の方法に従って、その不斉点を有する原料を用いるか、又は途中の段階で不斉を導入することにより製造することができる。例えば、光学異性体の場合、光学活性な原料を用いるか、製造工程の適当な段階で光学分割などを行うことで得ることができる。光学分割法として例えば、式[1]の化合物もしくはその中間体を不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノール、もしくは2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン等の炭化水素系溶媒、又はアセトニトリル等の非プロトン系溶媒、及びこれらの混合溶媒)、光学活性な酸(例えば、マンデル酸、N−ベンジルオキシアラニン、もしくは乳酸等のモノカルボン酸、酒石酸、ジイソプロピリデン酒石酸もしくはリンゴ酸等のジカルボン酸、又はカンファースルフォン酸もしくはブロモカンファースルフォン酸等のスルホン酸)と塩を形成させるジアステレオマー法により行うことができる。
【0198】
式[1]の化合物もしくはその中間体がカルボキシ基等の酸性官能基を有する場合は、光学活性なアミン(例えばα−フェネチルアミン、キニン、キニジン、シンコニジン、シンコニン、ストリキニーネ等の有機アミン)と塩を形成させることにより製造することもできる。
【0199】
塩を形成させる温度としては、室温から溶媒の沸点までの範囲から選択される。光学純度を向上させるためには、一旦、溶媒の沸点付近まで温度を上げることが望ましい。析出した塩を濾取する際、必要に応じて冷却し収率を向上させることができる。光学活性な酸、又はアミンの使用量は、基質に対し約0.5〜約2.0当量の範囲、好ましくは1当量前後の範囲が適当である。必要に応じ結晶を不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン等の炭化水素系溶媒、アセトニトリル等の非プロトン系溶媒及びこれらの混合溶媒)で再結晶し、高純度の光学活性な塩を得ることもできる。また、必要に応じて光学分割した塩を通常の方法で酸又は塩基で処理しフリー体として得ることもできる。
【0200】
本発明の化合物は、これらを医薬として用いるにあたり経口的または非経口的に投与することができる。すなわち通常用いられる投与形態、例えば粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の剤型で経口的に投与することができ、あるいは、例えば、その溶液、乳剤、懸濁液の剤型にしたものを注射の型で非経口投与することができる。テープ剤として経皮投与したり、坐剤の型で直腸投与することもできる。溶液の型で膀胱内注入することもできる。前記の適当な投与剤型は、例えば、許容される通常の担体、賦型剤、結合剤、安定剤、希釈剤に本発明化合物を配合することにより製造することができる。注射剤型で用いる場合には、例えば、許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤を添加することもできる。投与量および投与回数は、例えば、対象疾患、症状、年齢、体重、投与形態によって異なるが、通常は成人に対し1日あたり0.1〜2000 mg好ましくは1〜200 mgを1回または数回(例えば2〜4回)に分けて投与することができる。
【0201】
本発明の化合物は、ドパミンD1、ドパミンD2、ドパミンD3、ドパミンD4等のドパミン受容体、セロトニン5−HT1A、セロトニン5−HT2、セロトニン5−HT6、セロトニン5−HT7等のセロトニン受容体、α1、α2等のアドレナリン受容体のうち、1つまたは複数の受容体サブタイプに対して高い結合親和性を示す。
ドパミン受容体サブタイプのうち、D2受容体の拮抗作用と統合失調症作用との間には強い相関関係があることは、以前からよく知られている(P. Seeman著、 Pharmacological Reviews、 1980年、 32号、 p229.等参照)。D2受容体拮抗作用は、特に、統合失調症の陽性症状(例えば、幻覚、妄想)を制御しうる。また、セロトニン5−HT2受容体拮抗作用も統合失調症作用にとって望まれるものであることが提唱されている(P. A. Janssen et al.著、 The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics、 1988年、 244号、 p685.等参照)。5−HT2受容体拮抗作用は、統合失調症の陰性症状(例えば、無関心、社会的引きこもり)の改善に寄与し、さらに、統合失調症治療薬の副作用としてよく知られている錐体外路症状をも軽減しうる。
【0202】
さらに、5−HT6受容体拮抗薬は、特に統合失調症やアルツハイマー病の認知機能障害、さらには、うつ病、不安障害などの治療薬として有用であるとともに(E. S. Mitchell et al.著、 Pharmacology & Therapeutics、 2005年、 108号, p320−333.等参照)、肥満や代謝疾患の治療にも有用であると考えられている (D. J. Heal et al.著、 Pharmacology & Therapeutics、 2008年、 117号、 p207−231.等参照)。したがって、これらの受容体に高い結合親和性を併せ持つ化合物は、統合失調症の陽性症状、陰性症状、ならびに認知機能障害に高い有効性を発揮することが期待される。一方で、アドレナリンα1受容体拮抗作用は、過鎮静や起立性低血圧など従来の統合失調症治療薬の副作用発現に関与すると考えられており、本作用を乖離することにより、α1受容体拮抗作用を介する副作用の軽減が期待できる。
【0203】
それゆえ、本発明の化合物は、例えば、統合失調症治療薬作用、認知機能改善作用、抗うつ作用、抗不安作用等を有し、特に、統合失調症、躁うつ病、躁病、大うつ病、気分障害、不安障害、摂食障害、注意欠陥多動性障害、認知症およびその随伴症状等の治療薬として有用である。
【実施例】
【0204】
実施例1−8のマスデ−タを表1に示す。
【0205】
【表1】
合成手法は以下の通りである。
【0206】
実施例1
(S)-(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(6-メチル-1H-インドール-2-イル)メタノン
【0207】
【化24】
中間体1(0.45g, 1.20mmol)と6-メチルインドール-2-カルボン酸(0.21g, 1.20 mmol)のジメチルホルムアミド溶液(4.00mL)に、トリエチルアミン(0.85mL, 1.32mmol)とHBTU(0.50g, 1.32 mmol)を加えた。室温で15時間攪拌した後、水と酢酸エチルを加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=98/2〜85/15)で精製し表題化合物を得た(0.37g, 0.80mmol, 67%)。
MS (ESI+) 462 (M++1, 100%)
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 9.18 (brs, 1H), 7.99-7.94(m, 2H), 7.54 (d, 1H, J=7.8Hz), 7.21 (brs, 1H) , 7.21 (t, 2H, J=6.7Hz), 6.97 (d, 1H, J=8.0Hz), 6.84 (brs, 1H), 4.41 (brs, 1H), 3.86-4.00 (m, 2H), 3.18-3.34 (m, 1H), 3.04-3.17 (m, 2H), 2.47-2.68 (m, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.38-1.78 (m, 10H).
【0208】
実施例2
(S)-(2-(2-(4-(1H-インダゾール-3-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(6-メチル-1H-インドール-2-イル)メタノン
【0209】
【化25】
中間体8を用いて、実施例1と同様の手法により、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 457 (M++1, 100%)
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 9.29 (brs, 1H), 7.61-7.84(m, 2H), 7.22 (brs, 1H), 7.04 (m, 3H), 6.84 (brs, 1H), 4.53-4.39(m, 1H), 3.99-3.70(m, 2H), 3.25-3.05 (m, 1H), 3.08-2.96 (m, 2H), 2.52 (s, 3H), 2.65-2.40(m, 2H), 2.36-1.62(m, 12H).
【0210】
実施例3
(S)-(2-(2-(4-(5-フルオロインドリン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(6-メチル-1H-インドール-2-イル)メタノン
【0211】
【化26】
中間体9を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 475 (M++1, 100%)
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 9.29 (brs, 1H), 7.84-7.61(m, 2H), 7.22 (brs, 1H), 7.04 (m, 3H), 6.95-6.88 (t, 1H, J=6.0Hz), 6.23 (ddd, 1H, J=12.0, 9.0, 3.0Hz), 3.78-3.68 (brs, 1H), 3.43 (d, 2H, J=9.0Hz), 3.20-3.17 (m, 3H), 3.05-2.97 (m, 2H), 2.89 (t, 2H, J=9.0Hz), 2.80 (s, 3H), 2.37 (brs, 2H), 2.04-1.82 (m, 12H).
【0212】
実施例4
(S,E)-3-(ベンゾ[d][1,3] -5-ジオキソリル)-1-(3-(2-(4-(ベンゾ[d]イソチアゾ-3-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)ピペリジン-1-イル)-2-プロペン-1-オン
【0213】
【化27】
中間体11を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 505 (M++1, 100%)
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 7.77-7.50 (m, 2H), 7.08-6.98 (m, 5H), 6.95-6.85 (m, 2H), 6.00 (brs, 2H), 3.96-3.89 (m, 4H), 3.50-3.35 (m, 4H), 3.05-2.86 (m, 6H), 2.20-1.58 (m, 11H).
【0214】
実施例5
(S)-(2-(2-(4-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピペリジン-1-イル)(6-メチル-1H-インドール-2-イル)メタノン
【0215】
【化28】
中間体12を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 473 (M++1, 100%)
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 9.24 (brs, 1H), 8.07 (brs, 1H), 7.59-7.50(m, 2H), 7.22 (s, 1H), 7.05-6.83(m, 2H), 4.51-4.39(m, 1H), 4.00-3.72(m, 2H), 3.27-3.00(m, 2H), 2.88-2.75(m, 1H), 2.70-2.52(m, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.40-1.65 (m, 12H).
【0216】
実施例6
(S)-(2-(2-(4-(6-フルオロベンゾ[d]イソキサゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(6-メチル-1H-インドール-2-イル)メタノン
【0217】
【化29】
中間体13を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 475 (M++1, 100%)
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 9.25 (brs, 1H), 7.66-7.71(m, 1H), 7.55 (d, 1H, J=9.0Hz), 7.22 (s, 1H), 7.04 (m, 3H), 6.84 (s, 1H), 4.53-4.39(m, 1H), 4.02-3.70(m, 2H), 3.25-2.98(m, 3H), 2.47 (s, 3H), 2.65-2.40(m, 2H), 2.36-1.92 (m, 10H), 1.90-1.59 (m, 2H).
【0218】
実施例7
(R)-(3-(2-(4-(1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)モルフォリノ)(5-フルオロ-1H-インドール-2-イル)メタノン
【0219】
【化30】
中間体59を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 475 (M++1, 100%)
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 9.24 (brs, 1H), 8.10 (brs, 1H), 7.44-7.33 (m, 2H), 7.29-7.00 (m, 2H), 7.10-6.77 (m, 2H), 4.44-4.32 (m, 1H), 4.05-3.55 (m, 2H), 3.29-3.00 (m, 2H), 2.74-2.55 (m, 1H), 2.66-2.52 (m, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.30-2.11 (m, 4H), 2.05-1.88 (m, 4H), 1.70-1.35 (m, 4H).
【0220】
実施例8
(S)-(2-(2-(4-(ベンゾフラン-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(5-メチル-1H-インドール-2-イル)メタノン
【0221】
【化31】
中間体14を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 456 (M++1, 100%)
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 9.08 (brs, 1H), 7.77-7.39 (m, 2H), 7.25 (s, 1H), 7.15 (brs, 1H), 7.22-6.88(m, 2H), 4.47 (brs, 1H), 4.11-3.54 (m, 2H), 3.21-2.88 (m, 2H), 2.70-2.44 (m, 4H), 2.48 (s, 3H), 2.27-2.10 (m, 4H), 1.98-1.80 (m, 2H), 1.73-1.60 (m, 2H), 1.50-1.32 (m, 4H).
参考例
【0222】
中間体1
(S)-(4-フルオロフェニル)(1-(2-(ピロリジン-2-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)メタノン塩酸塩
【0223】
【化32】
中間体2(10.4g, 248mmol)と4-(4-フルオロベンゾイル)-ピペリジン塩酸塩(12.4g, 51.2mmol)のテトラヒドロフラン溶液(200mL)に、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(11.3g, 53.6mmol)を加えた。室温で3時間攪拌した後、飽和重曹水と酢酸エチルを加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=98/2〜90/10)で精製し表題化合物のBoc体を得た(19.7g, 48.6mmol, 99%)。
MS (ESI+) 405(M++1, 100%)
得られたBoc体(19.7g, 48.6mmol)のメタノール溶液(200mL)に、塩酸-ジオキサン溶液(4N, 25.0mL)を加えた。80℃で2時間攪拌した。減圧濃縮し、酢酸エチルと水を加えた。水層を水酸化ナトリウム水溶液でpH=8〜9に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層に4N-塩酸ジオキサン溶液(24mL)を加え、減圧濃縮して表題化合物を得た(16.1g, 42.8mmol, 88%)。
MS (ESI+) 305(M++1, 100%)
【0224】
中間体2
(S)-tert-ブチル2-(2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0225】
【化33】
オキサリルクロリド(0.33mL, 3.80mmol)のジクロロメタン溶液(10.0mL)に、-78℃でジメチルスルホキシド(0.43mL, 6.0mmol)のジクロロメタン溶液(2.0mL)を滴下した。30分間攪拌した後、中間体3(0.53g, 2.5mmol)のジクロロメタン溶液(2.0mL)を滴下し、さらに30分後にトリエチルアミン(1.8mL, 13.0mmol)を滴下した。0℃で2時間攪拌した後、水を加え、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=98/2〜90/10)で精製し表題化合物を得た(0.50g, 2.30mmol, 93%)。
MS (ESI+) 214(M++1, 100%)
【0226】
中間体3
(S)-tert-ブチル2-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0227】
【化34】
中間体4 (0.57g, 2.50mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に、ボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.0M, 7.5mL)を加えた。室温で17時間攪拌した後、メタノールを加え、減圧濃縮した。水とクロロホルムを加え、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して表題化合物を得た(0.53g, 2.50mmol, quant.)。
MS (ESI+) 230(M++1, 100%)
【0228】
中間体4
(S)-2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)アセチックアシッド
【0229】
【化35】
中間体5(35.2g, 167mmol)のメタノール(167mL)溶液に水酸化ナトリウム水溶液(30%w/v, 167mL)を加え、100℃に加熱した。3時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣に塩酸水溶液を加えてpH4〜5にし、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮することで表題化合物を得た(28.8g, 125mmol, 75%)。
MS (ESI+) 230(M++1, 100%)
【0230】
中間体5
(S)-tert-ブチル 2-(シアノメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0231】
【化36】
中間体6(90.4g, 255mmol)のジメチルスルホキシド(255mL)溶液にシアン化ナトリウム (16.2g, 331mmol)を加え、100℃に加熱した。4時間攪拌した後、水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=70/30〜30/70)で精製し表題化合物を得た(35.2g, 168mmol, 66%)。
MS (ESI+) 211(M++1, 100%)
【0232】
中間体6
(S)-tert-ブチル2-(トシロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0233】
【化37】
N-Boc-L-プロリノール (51.2g, 254mmol)のジクロロメタン(250mL)溶液を0℃に冷却し、p-トルエンスルホニルクロライド(53.4g, 280mmol)、トリエチルアミン(30.9g, 42.6mL, 305mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(5.00g, 40.9mmol)を加えた。室温で終夜攪拌した後、水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=70/30〜30/70)で精製し表題化合物を得た(89.7g, 250mmol, 99%)。
MS (ESI+) 356(M++1, 100%)
【0234】
中間体7
(S)-tert-ブチル2-(2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0235】
【化38】
中間体2と同様の手法により、表題化合物を合成した。
【0236】
中間体8
(S)-3-(4-2-(ピロリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-1H-インダゾール
【0237】
【化39】
3-(ピペラジン-1-イル)-1H-インダゾールを用いて、中間体1と同様の手法により、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 300 (M++1, 100%)
【0238】
中間体9
(S)-5-フルオロ-1-(1-(2-(ピロリジン-2-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)インドリン
【0239】
【化40】
中間体10を用いて、中間体1と同様の手法により、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 318 (M++1, 100%)
【0240】
中間体10
5-フルオロ-1-(ピペリジン-4-イル)インドリン
【0241】
【化41】
5-フルオロインドリン(1.0g, 7.30mmol)とN-Boc-4-ピペリドン(1.60g, 7.50mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10.0mL)に、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(1.80g, 7.50mmol)を加えた。室温で3時間攪拌した後、飽和重曹水と酢酸エチルを加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=98/2〜90/10)で精製し表題化合物のBoc体を得た。MS (ESI+) 321 (M++1, 100%)
得られたBoc体のメタノール溶液(10.0mL)に、塩酸-ジオキサン溶液(4N, 3.0mL)を加えた。70℃で2時間攪拌した後、減圧濃縮し、酢酸エチルと水を加えた。水層を水酸化ナトリウム水溶液でpH=8〜9に調整し、酢酸エチルで抽出し、減圧濃縮して表題化合物を得た(1.50g, 6.81mmol, 93%)。
MS (ESI+) 221 (M++1, 100%)
【0242】
中間体11
(S)-3-(4-(2-(ピペリジン-3-イル)エチル)ピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]イソチアゾール
【0243】
【化42】
中間体55を用いて、中間体18と同様の手法により、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 331 (M++1, 100%)
【0244】
中間体12
(S)-3-(1-(2-(ピペリジン-2-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール
【0245】
【化43】
中間体7を用いて、中間体1と同様の手法により、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 312 (M++1, 100%)
【0246】
中間体13
(S)-5-フルオロ-3-(1-(2-(ピロリジン-2-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]イソキサゾール
【0247】
【化44】
中間体1と同様の手法により、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 318 (M++1, 100%)
【0248】
中間体14
(S)-4-(ベンゾフラン-3-イル)-1-(2-(ピロリジン-2-イル)エチル)ピペリジン
【0249】
【化45】
中間体1と同様の手法により、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 299 (M++1, 100%)
【0250】
中間体15
(S)-6-フルオロ-3-(1-(2-(ピロリジン-2-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)-1H-インダゾール
【0251】
【化46】
中間体1と同様に表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 317 (M++1, 100%)
【0252】
中間体16
(S)-6-フルオロ-3-(1-(2-(ピロリジン-2-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]イソキサゾール
【0253】
【化47】
中間体1と同様に表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 318 (M++1, 100%)
【0254】
中間体17
(S)-6-フルオロ-3-(1-(2-(ピロリジン-2-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール塩酸塩
【0255】
【化48】
中間体1と同様に表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 316 (M++1, 100%)
【0256】
中間体18
(S)-3-(1-(2-(ピロリジン-2-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール
【0257】
【化49】
中間体19(500 mg, 1.30mmol)のクロロホルム溶液(10.0mL)に、メタノール(10.0mL)および4N塩酸ジオキサン溶液(10.0mL)を添加した。室温で5時間攪拌した後、減圧濃縮して、表題化合物を得た(501mg, 1.30mmol, 86%)。
MS (ESI+) 298(M++1, 100%),
1H-NMR(300MHz, DMSO-d6) δ 10.8-9.2 (brm, 2H), 7.68(d, 1H, J=7.5Hz), 7.34(d, 1H, J=8.1Hz), 7.30-7.10 (m, 3H), 3.30-2.90 (m, 6H) , 2.40-1.70 (m, 9H), 1.70-0.30 (m, 5H).
【0258】
中間体19
(S)-tert-ブチル2-(2-(4-(1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0259】
【化50】
中間体20(0.60g, 1.50mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10.0mL)に、ボラン・テトラヒドロフラン溶液(0.90mol/L溶液として8.10mL, 7.30mmol)を5分程度で滴下した。室温で1日間攪拌した後、反応液を氷冷しメタノール(10.0mL)を滴下した。室温まで昇温した後、さらに4時間加熱還流した。減圧下、反応溶媒を溜去した後、得られた残渣に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで分液抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=100/0〜80/20)で精製し表題化合物を得た(0.50g, 1.30mmol, 86%)。
MS (ESI+) 398(M++1, 60%)
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 7.99(brs, 1H), 7.63 (d, 1H, J=7.5Hz), 7.34 (d, 1H, J=7.8Hz), 7.20-7.05 (m, 2H), 6.96 (m, 1H), 3.90-2.70 (m, 6H), 2.50-2.30 (m, 2H), 2.20-1.30 (m, 21H).
【0260】
中間体20
(S)-tert-ブチル2-(2-(4-(1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0261】
【化51】
中間体4(0.30g, 1.30mmol)と3-ピペリジン-4-イル-1H-インドール(0.31g, 1.30mmol)のジメチルホルムアミド溶液(10 .0mL)に、トリエチルアミン(0.55mL, 3.90mmol)とHBTU(0.54g, 1.40mmol)を加えた。室温で1日間攪拌した後、水と酢酸エチルを加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=50/50〜10/90)で精製し表題化合物を得た(0.60g, 1.30mmol, 99%)。
MS (ESI+) 412(M++1, 25%)
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 8.14(brs, 1H), 7.59 (d, 1H, J=7.5Hz), 7.35 (d, 1H, J=8.1Hz), 7.30-7.00 (m, 2H), 6.93 (m, 1H), 4.85-4.60 (m, 1H), 4.30-3.90 (m, 2H), 3.50-2.50 (m, 6H), 2.40-1.30 (m, 18H).
【0262】
中間体21
3-(1-(2-((2R,4R)-4-メトキシピロリジン-2-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)1H-インドール
【0263】
【化52】
中間体22(40.0mg, 0.07mmol)のテトラヒドロフラン溶液(1.0mL)に、ボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.0M, 0.17mL)を加えた。室温で2時間攪拌した後、メタノールを加え、70℃で4時間攪拌した。飽和重曹水と酢酸エチルを加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=80/20〜20/80)で精製し表題化合物のBoc体を得た(26.0mg, 0.05mmol, 67%)。
MS (ESI+) 528(M++1, 100%)
得られたBoc体(25.0mg, 47.0μmol)のメタノール溶液(1mL)に、塩酸-ジオキサン溶液(4N, 0.20mL)を加えた。40℃で6時間攪拌した。減圧濃縮し、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 328(M++1, 100%)
【0264】
中間体22
tert-ブチル3-(1-(2-((2S,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-メトキシピロリジン-2-イル)アセチル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0265】
【化53】
中間体23 (85.0mg, 0.16mmol)のジメチルホルムアミド溶液(1.0mL)に、水素化ナトリウム (13.0mg, 0.32mmol)とヨウ化メチル(20μL, 0.32mmol)を加えた。室温で30分間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=80/20〜40/60)で精製し表題化合物を得た(40.0mg, 0.07mmol, 46%)。
MS (ESI+) 542(M++1, 100%)
【0266】
中間体23
tert-ブチル3-(1-(2-((2S,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)アセチル)ピペリジン-4-イル)-1Hインドール-1-カルボキシレート
【0267】
【化54】
中間体24(1.90g, 3.60mmol)のアセトニトリル溶液(20.0mL)に、ジ-tert-ジブチルカーボネート(0.96g, 4.40mmol)とジメチルアミノピリジン(45.0mg, 0.36mmol)を加えた。60℃で80分間攪拌した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=80/20〜30/70)で精製し表題化合物のベンジル体を得た(2.14g, 3.46mmol, 94%)。
得られたベンジル体(2.14g, 3.46mmol)のエタノール溶液(30.0mL)に、水酸化パラジウム(0.49g, 0.68mmol)を加えた。水素雰囲気下において室温で2時間攪拌した。セライトでパラジウム触媒をろ過し、酢酸エチルで洗浄した。有機層を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=80/20〜10/90)で精製し表題化合物(0.6g, 1.14mmol, 33%)を得た。
MS (ESI+) 528 (M++1, 100%)
【0268】
中間体24
(2S,4R)-tert-ブチル2-(2-(4-(1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル)-4-(ベンジロキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0269】
【化55】
2-((2S,4R)-4-(ベンジロキシ)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)アセチックアシッドを用いて、中間体20と同様の手法により合成した。
MS (ESI+) 518(M++1, 100%)
【0270】
中間体25
1-(4-(1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-((2S,4R)-4-(2-エトキシエトキシ)ピロリジン-2-イル)エタノン
【0271】
【化56】
中間体26を用いて、中間体18と同様の手法により表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 386(M++1, 100%)
【0272】
中間体26
tert-ブチル3-(1-(2-((2S,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(2-エトキシエトキシ)ピロリジン-2-イル)アセチル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0273】
【化57】
中間体23を用いて、中間体22と同様の手法により表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 600(M++1, 100%)
【0274】
中間体27
(3R,5R)-5-(2-(4-(1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-3-イルエチルカルバメート
【0275】
【化58】
中間体28を用いて、中間体18と同様の手法により、表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 385(M++1, 100%)
【0276】
中間体28
tert-ブチル3-(1-(2-((2S,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(エチルカルバモイロキシ)ピロリジン-2-イル)アセチル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-1-カルボキシレート
【0277】
【化59】
中間体23を用いて、中間体22と同様の手法により、表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 599(M++1, 100%)
【0278】
中間体29
(3R,4R)-5-(2-(4-(1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-3-オール
【0279】
【化60】
中間体24(0.70g, 1.40mmol)を中間体19と同様の手法により還元し、引き続き、得られたベンジル体のエタノール溶液(30.0mL)に、水酸化パラジウム(0.50g, 0.70mmol)を加えた。水素雰囲気下において40℃で8時間攪拌した。セライトでパラジウム触媒をろ過し、酢酸エチルで洗浄した。有機層を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=100/0〜88/12)で精製し表題化合物の脱ベンジル体を得た(0.16g, 0.39mmol, 2工程27%)。
MS (ESI+) 414 (M++1, 100%)
得られた脱ベンジル体(0.16g, 0.39mmol)のメタノール溶液(5mL)に、塩酸-ジオキサン溶液(4N, 0.58mL)を加えた。室温で3時間攪拌した。減圧濃縮し、表題化合物を得た(0.17g, 0.39mmol, 99%)。
MS (ESI+) 313(M++1, 100%)
【0280】
中間体30
3-(1-((2S,5R)-5-(ピリジン-3-イル)ピロリジン-2-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール
【0281】
【化61】
中間体31(0.15g, 0.50mmol)、3-ピペリジン-4-イル-1H-インドール(0.10g, 0.50mmol)、HBTU(0.23g, 0.60mmol)とトリエチルアミン(0.2mL, 1.50mmol)のジメチルホルムアミド溶液(3.0mL)を室温で終夜攪拌した。飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製し、表題化合物の前駆体を得た(0.24g, 0.50mmol, 100%)。
MS (ESI+) 489(M++1, 58%)
得られた前駆体をTHF(1.5mL)に溶解し、ボラン-テトラヒドロフラン錯体のTHF溶液(1.0M, 2.0mL)を加えた。80℃で4時間攪拌し、室温に冷却後メタノールを加え、再び80℃で1時間攪拌した。4N-塩酸ジオキサン溶液(1mL)を加え、1時間80℃で攪拌した。室温に戻した後、減圧濃縮し、表題化合物を得た(0.19g, 0.44mmol, 87%)。
MS (ESI+) 375(M++1, 100%)
【0282】
中間体31
2-((2S,5R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-(ピリジン-3-イル)ピロリジン-2-イル)アセチックアシッド
【0283】
【化62】
中間体32を用いて、中間体4と同様の手法により、表題化合物を合成した(1.40g, 4.70mmol, 89%)。
MS (ESI+) 308(M++1, 86%)
【0284】
中間体32
(2S,5R)-tert-ブチル2-(シアノメチル)-5-(ピリジン-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0285】
【化63】
中間体33を用いて、中間体5と同様の手法により、表題化合物を合成した(1.50g, 5.30mmol, 88%)。
1H-NMR(CDCl3) δ 1.19(br,9H), 1.94-2.03(m, 1H), 2.03-2.12(m, 1H), 2.22-2.31(m, 1H), 2.33-2.41(m, 1H), 2.94(br, 2H), 4.19-4.25(m, 1H), 4.70-4.80(m, 1H), 7.28(dd, J= 8.3Hz, 5.1Hz, 1H), 7.66(br, 1H), 8.500(s, 1H), 8.504(dd, J=4.9Hz, J=1.5Hz, 1H)
【0286】
中間体33
(2R,5S)-tert-ブチル2-(ピリジン-3-イル)-5-(トシロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0287】
【化64】
中間体34をTHF(100mL)に溶解し、トリエチルアミン(2.10mL, 15.0mmol)を加えた。ジ-tert-ブチルカーボネート(2.60g, 12.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、酢酸エチルに溶解し、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=4/1)で精製した。得られた化合物をエタノール(250mL)に溶解し、0℃に冷却した。塩化カルシウム(1.80g, 16.0mmol)を加え、溶解した後、水素化ホウ素ナトリウム(1.2g, 33mmol)を加えた。室温までもどし、終夜攪拌した。炭酸カリウム水溶液(2M, 65mL)を加え、減圧濃縮した。残渣を水に溶解し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた化合物を塩化メチレン(40.0mL)に溶解し、トリエチルアミン(2.4mL, 17.0mmol)を加えた。0℃でp-トルエンスルホニルクロリド(1.60g, 8.40mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/3)で精製し、表題化合物を得た(2.60g, 6.00mmol, 2工程73%)。
MS (ESI+) 433(M++1, 86%)
【0288】
中間体34
(2S,5R)-エチル5-(ピリジン-3-イル)ピロリジン-2-カルボキシレート
【0289】
【化65】
中間体35をジオキサン(20.0mL)に溶かし、4N-塩酸ジオキサン溶液(31.0mL)を加え、室温で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残渣を水に溶解し、酢酸エチルを加えた。その後飽和重曹水を加え、水層をpH10とした。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をイソプロピルアルコール(30.0mL)に溶解し、パラジウム/カーボン(250mg, 10%, 50%wet)を加え、水素雰囲気下、15時間攪拌した。セライトろ過により不溶物を除き、ろ液を減圧濃縮し、表題化合物を得た(2.20g, 9.80mmol, 82%)。
MS (ESI+) 221(M++1, 100%)
【0290】
中間体35
(S)-エチル-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-5-(ピリジン-3-イル)ペンタネ-ト
【0291】
【化66】
ジエチルエ-テル(75.0mL)にブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M, 21.0mL, 33.0mmol)を加え、-78℃で3-ブロモピリジン(5.20g, 33.0mmol)のジエチルエ-テル溶液(25.0mL)を20分かけて滴下し、1時間攪拌した。続いてN-Boc-(S)-エチルピログルタメ-ト(5.60g, 22.0mmol)のジエチルエ-テル溶液(15.0mL)を-78℃で滴下し、-78℃で2時間、室温で2時間攪拌した。溶液を0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を滴下、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、表題化合物を得た(3.80g, 11.2mmol, 51%)。
MS (ESI+) 337(M++1, 100%)
【0292】
中間体36
3-(1-(2-(アゼパン-2-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール
【0293】
【化67】
中間体37を用い、中間体1と同様の手法を用いて、表題化合物を得た。
MS (ESI+) 325(M++1, 100%)
【0294】
中間体37
tert-ブチル2-(2-(4-(1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)アゼパン-1-カルボキシレート
【0295】
【化68】
中間体38のテトラヒドロフラン溶液(15.0mL)に、ボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.0M, 12.0mL)を加えた。室温で17時間攪拌した後、メタノールを加え、60℃に加熱して5時間攪拌した後、減圧濃縮した。得られた残渣のテトラヒドロフラン溶液(10.0mL)に、ジ-tert-ブチルカルボネ-ト(1.75g, 8.00mmol)とトリエチルアミン(0.85mL, 5.90mmol)を加えた。室温で16時間攪拌した後、減圧濃縮した。得られた残渣に水と酢酸エチルを加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=100/0〜90/10)で精製し、表題化合物を得た(0.47g, 1.12mmol, 56%)。
MS (ESI+) 426(M++1, 100%)
【0296】
中間体38
7-(2-(4-(1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル)アゼパン-2-オン
【0297】
【化69】
中間体39を用い、中間体20と同様の手法を用いて、表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 354(M++1, 100%)
【0298】
中間体39
2-(7-オキサゼパン-2-イル)アセチックアシッド
【0299】
【化70】
中間体40(0.66g, 2.52mmol)のメタノール溶液(30.0mL)に、パラジウム/カーボン(0.30g)を加えた。水素雰囲気下において室温で18時間攪拌した。セライトでパラジウム触媒をろ過し、酢酸エチルで洗浄した。有機層を減圧濃縮し、表題化合物を得た(0.39g, 2.27mmol, 90%)。
MS (ESI+) 173(M++1, 100%)
【0300】
中間体40
ベンジル2-(7-オキサゼパン-2-イル)アセテ-ト
【0301】
【化71】
中間体41(3.12g, 7.89mmol)のメタノール溶液(50.0mL)に、パラジウム/カーボン(1.50g)とギ酸アンモニウム(5.00g, 79.0mmol)を加えた。80℃で4時間攪拌した。セライトでパラジウム触媒をろ過し、酢酸エチルで洗浄した。有機層を減圧濃縮し、得られた残渣に水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=100/0〜90/10)で精製し表題化合物を得た(0.66g, 2.52mmol, 32%)。
MS (ESI+) 262(M++1, 100%)
【0302】
中間体41
ジベンジル2-(7-オキサゼパン-2-イル)マロネ-ト
【0303】
【化72】
アゼパン-2-オン(4.05g, 35.8mmol)とHMPA(25.0mL)のテトラヒドロフラン溶液(120mL)に、-78℃でN-ブチルリチウム(30.0mL, 47.4mmol)を滴下した。15分間攪拌した後、N-tert-ブチルベンゼンスルフィンイミドイルクロリド(10.0g, 46.3mmol)のテトラヒドロフラン溶液(50.0mL)を滴下し、さらに30分間攪拌した後、ジベンジルマロネ-ト(15.3g, 53.7mmol)を滴下した。室温で15時間攪拌した後、減圧濃縮した。得られた残渣に水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜30/70)で精製し表題化合物を得た(5.86g, 14.8mmol, 41%)。
【0304】
中間体42
5-(2-(4-(1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)-1,4-オキサゼパン
【0305】
【化73】
中間体43を用い、中間体1と同様の手法を用いて表題化合物を得た。
MS (ESI+) 402(M++1, 100%)
【0306】
中間体43
tert-ブチル5-(2-(4-(1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)-1,4-オキサゼパン-4-カルボキシレート
【0307】
【化74】
中間体44を用いて、中間体1と同様の手法を用いて、表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 428(M++1, 100%)
【0308】
中間体44
tert-ブチル5-(2-オキソエチル)-1,4-オキサゼパン-4-カルボキシレート
【0309】
【化75】
中間体45(0.27g, 1.13mmol)のメタノール溶液(10.0mL)に、水(5.0mL)と四酸化オスミウム(2.5% tert-ブタノール溶液, 85.0μL)を加えた。室温で30分間攪拌した後、過ヨウ素酸ナトリウム(0.72g, 3.50mmol)を加えて、室温で2時間攪拌した。セライトろ過した後にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して (0.27g, 1.13mmol, quant.)を得た表題化合物。
MS (ESI+) 244(M++1, 100%)
【0310】
中間体45
tert-ブチル5-アリル-1,4-オキサゼパン-4-カルボキシレート
【0311】
【化76】
窒素雰囲気下-78℃にてトリフルオロボラン/ジエチルエ-テル(0.55mL, 4.40mmol)のジクロロメタン溶液(8.0mL)に、中間体38(1.15g, 3.97mmol)のジクロロメタン溶液(5.0mL)を滴下した。10分間攪拌した後、アリルトリメチルシラン(0.8mL, 5.0mmol)のジクロロメタン溶液(5.0mL)を滴下した。0℃で4時間攪拌した後、飽和食塩水を加えた。水層をクロロホルムで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=100/0~90/10)で精製し表題化合物(96.0mg)と脱シリル体を得た。脱シリル体のテトラヒドロフラン溶液(5.0mL)にジ-tert-ブチルカルボネ-ト(0.87g, 4.0mmol)とトリエチルアミン(0.56mL, 4.0mmol)を加えた。室温で12時間攪拌し、水を加え、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=100/0〜90/10)で精製し表題化合物を併せて(0.17g, 1.23mmol, 28%)得た。
MS (ESI+) 242(M++1, 100%)
【0312】
中間体46
tert-ブチル5-(トリメチルシリルオキシ)-1,4-オキサゼパン-4-カルボキシレート
【0313】
【化77】
中間体47(2.15g, 10.0mmol)のジクロロメタン溶液(50.0mL)に、-78℃でジイソブチルアルミニウムヒドリド(1.0M, 14.0mL)を滴下した。15分間攪拌した後、ピリジン(2.4mL, 3.00mmol)とトリメチルシリルトリフレート(4.5mL, 2.50mmol)を滴下した。3時間攪拌した後、15%酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加えた。水層をクロロホルムで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜30/70)で精製し表題化合物 (1.50g, 5.20mmol, 52%)を得た。
MS (ESI+) 290(M++1, 100%)
【0314】
中間体47
tert-ブチル5-オキソ-1,4-オキサゼパン-4-カルボキシレート
【0315】
【化78】
1,4-オキサゼパン-5-オン(6.9g, 60.0mmol)のジクロロメタン溶液(120.0mL)に、ジ-tert-ブチルカルボネ-ト(1.75g, 8.00mmol)とジメチルアミノピリジン(7.90g, 65.0mmol)を加え、トリエチルアミン(12.5mL, 90.0mmol)を滴下した。室温で16時間攪拌した後に水を加え、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜0/100)で精製し表題化合物を得た(7.30g, 37.2mmol, 62%)。
MS (ESI+) 216(M++1, 100%)
【0316】
中間体48
(S)-3-(1-(2-(アゼチジン-2-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)-6-フルオロベンゾ[d]イソキサゾール
【0317】
【化79】
中間体49を用いて、中間体18と同様の手法により、表題化合物を合成した。
1H-NMR(CDCl3) δ 5.76(1H, s), 4.49-4.60(1H, m), 3.71-3.94(2H, m), 2.36-2.53(1H, m), 2.16-2.33(1H, m), 1.41(9H, s)
【0318】
中間体49
(S)-tert-ブチル2-(2-(4-(6-フルオロベンゾ[d]イソキサゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル)アゼチジン-1-カルボキシレート
【0319】
【化80】
中間体50を用いて、中間体20と同様の手法により、表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 418(M++1, 100%)
【0320】
中間体50
(S)-2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-2-イル)アセチックアシッド
【0321】
【化81】
中間体51を用いて、中間体4と同様の手法により表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 216(M++1, 100%)
【0322】
中間体51
(S)-tert-ブチル2-(2-メトキシ-2-オキソエチル)アゼチジン-1-カルボキシレート
【0323】
【化82】
中間体52(1.40g, 6.22mmol)のメタノール(60.0mL)溶液に、安息香酸銀 (0.13g, 0.60mmol)、トリエチルアミン(2.60mL, 18.7mmol)を加えた。60℃で1日間攪拌した後、セライトでろ過した。飽和食塩水と酢酸エチルを加え、水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜75/25)で精製し表題化合物を得た(0.53g, 2.30mmol, 37%)。
MS (ESI+) 130(M++1, 100%)
【0324】
中間体52
(S)-tert-ブチル2-(2-ジアゾアセチル)アゼチジン-1-カルボキシレート
【0325】
【化83】
(S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-2-カルボキシリックアシッド(1.80g, 8.95mmol)のテトラヒドロフラン(90.0mL)溶液を0℃に冷却し、クロロギ酸イソブチル (1.30mL, 9.85mmol)、トリエチルアミン(1.50mL, 10.7mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、アンモニウム塩をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をアセトニトリル(90.0mL)に溶解し、トリメチルシリルジアゾメタン(13.5mL, 26.8mmol)を加えた。室温で7時間攪拌した後、飽和重曹水と酢酸エチルを加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜75/25)で精製し表題化合物を得た(1.40g, 6.22mmol, 69%)。
MS (ESI+) 226(M++1, 100%)
【0326】
中間体53
(S)-6-フルオロ-3-(1-(2-(ピペリジン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾ[d]イソキサゾール
【0327】
【化84】
中間体54を用いて、中間体18と同様の手法により表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 405(M++1, 100%)
【0328】
中間体54
(S)-tert-ブチル3-(2-(4-(6-フルオロベンゾ[d]イソキサゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0329】
【化85】
中間体55を用いて、中間体20と同様の手法により、表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 446(M++1, 100%)
【0330】
中間体55
(S)-2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-3-イル)アセチックアシッド
【0331】
【化86】
中間体56を用いて、中間体4と同様の手法により、表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 244(M++1, 100%)
【0332】
中間体56
(S)-tert-ブチル3-(シアノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0333】
【化87】
中間体57を用いて、中間体5と同様の手法により、表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 225(M++1, 100%)
【0334】
中間体57
(R)-tert-ブチル3-(トシロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0335】
【化88】
(R)-tert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを用い、中間体6と同様の手法により、表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 370(M++1, 100%)
【0336】
中間体58
(R)-3-(2-(4-(1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)モルフォリン
【0337】
【化89】
中間体59を用いて、中間体1と同様の手法により、表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 314(M++1, 100%)
【0338】
中間体59
(R)-tert-ブチル3-(2-オキソエチル)モルフォリン-4-カルボキシレート
【0339】
【化90】
中間体60を用いて、中間体2と同様の手法により、表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 230(M++1, 100%)
【0340】
中間体60
(R)-tert-ブチル3-(2-ヒドロキシエチル)モルフォリン-4-カルボキシレート
【0341】
【化91】
窒素雰囲気下、中間体59(5.92g, 26.8mmol)の酢酸エチル溶液(134mL)に、水酸化パラジウム/カーボン(5.60g, 8.03mmol)とジ-tert-ブチルカルボネ-ト(7.59g, 34.8mmol)を加えた。水素雰囲気下、室温で15時間攪拌した。セライトでパラジウム触媒をろ過し、酢酸エチルで洗浄した。有機層を減圧濃縮し、得られた残渣に水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜30/70)で精製し表題化合物を得た(5.67g, 24.5mmol, 92%)。
MS (ESI+) 232(M++1, 100%)
【0342】
中間体61
(R)-2-(4-ベンジルモルフォリン-3-イル)エタノール
【0343】
【化92】
窒素雰囲気下、0℃で中間体60(6.44g, 29.4mmol)のメタノール溶液(120mL)に、水素化ホウ素ナトリウム(1.33g, 35.2mmol)を加えた。室温で30分間攪拌し、酢酸エチルと水を加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮し、表題化合物を得た(6.50g, 29.4mmol, quant.)。
MS (ESI+) 222(M++1, 100%)
【0344】
中間体62
(R)-2-(4-ベンジルモルフォリン-3-イル)アセトアルデヒド
【0345】
【化93】
窒素雰囲気下、-78℃で中間体61(6.90g, 31.9mmol)のトルエン溶液(160mL)に、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(47.4mL, 47.9mmol)を加えた。90分間攪拌した後、メタノールを加え、さらに2規定塩酸を加えた。水層を塩基性に調整し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜30/70)で精製し表題化合物を得た(7.00g, 31.9mmol, quant.)。
MS (ESI+) 220(M++1, 100%)
【0346】
中間体63
(R)-2-(4-ベンジルモルフォリン-3-イル)アセトニトリル
【0347】
【化94】
中間体62を用いて、中間体5と同様の手法により、表題化合物を合成した。
MS (ESI+) 217(M++1, 100%)
【0348】
中間体64
(S)-4-ベンジル-3-(クロロメチル)モルフォリン
【0349】
【化95】
中間体65(9.60g, 46.3mmol)のジクロロメタン溶液(230mL)に、塩化チオニル(60.0mL, 69.5mmol)を加えた。15時間攪拌した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えた。水層を2規定塩酸で中和した後、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して表題化合物を得た(10.4g, 46.3mmol, quant.)。
MS (ESI+) 226(M++1, 100%)
【0350】
中間体65
(R)-(4-ベンジルモルフォリン-3-イル)メタノール
【0351】
【化96】
中間体66 (12.6g, 53.6mmol)のテトラヒドロフラン溶液(200mL)に、ボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.0M, 348mL)を加えた。室温で6時間攪拌した後、メタノールを加え、80度に加熱して2時間攪拌した。飽和重曹水と酢酸エチルを加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜10/90)で精製し、表題化合物を得た(9.60g, 46.0mmol, 86%)。
MS (ESI+) 208 (M++1, 100%)
【0352】
中間体66
(S)-4-ベンジル-5-オキソモルフォリン-3-カルボキシリックアシッド
【0353】
【化97】
窒素雰囲気下、0℃で(S)-2-(ベンジルアミノ)-3-ヒドロキシプロパノイックアシッド(40.0g, 205mmol)のテトラヒドロフラン溶液(600mL)に、炭酸カリウム水溶液(85.0g, 600mL)を加え、さらにクロロアセチルクロリド(29.0mL, 369mmol)を加えた。室温で2時間攪拌した後、30%水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH13に調整した。ジエチルエ-テルを加えて、有機層を分離後、濃塩酸を加えて、pH1に調整し、0℃に冷却した。析出した結晶を濾取し、表題化合物を得た(29.0g, 123mmol, 60%)。
MS (ESI+) 236 (M++1, 100%)
【0354】
中間体67
3,6-ジフルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸
【0355】
【化98】
6−フルオロインドール−2−カルボン酸エチル(0.48 mmol, 0.10 g)をアセトニトリル(5mL)に溶解した。酸化マグネシウム(0.96 mmol, 0.039 g)を室温で加えた。Selectfluor(0.58 mmol, 0.21 g)を室温で徐々に加え、室温で終夜攪拌した。減圧乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(アミンシリカゲル)で精製し(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→5/1)、白色固体22.5 mgを得た(収率21%)。その固体をエタノール(1 mL)に溶解した。水酸化リチウム水溶液(2 M, 0.3 mmol, 0.15 mL)を室温で加え、室温で終夜攪拌した。減圧乾固し、残滓を水に溶解した。塩酸水溶液(1 M)を加え、析出した固体を濾取し、表題化合物を得た(14.7 mg, 収率75%)。MS (ESI+) 198 (M++1, 14%)
【0356】
中間体68
5-フルオロ-4-メトキシ-1H-インドール-2-カルボン酸
【0357】
【化99】
4−メトキシインドール−2−カルボン酸エチル(1.46 mmol, 0.30 g)をアセトニトリル(15 mL)に溶解した。飽和重曹水(3 mL)を加え、0℃に冷却した。Selectfluor(2.2 mmol、0.78g)を徐々に加え、室温で5時間攪拌した。水を加え、酢酸エチルで三回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン/ジエチルエーテル=100/0→3/1)、白色固体92.1 mgを得た(収率28%)。その固体をメタノール(2 mL)に溶解した。水酸化リチウム水溶液(2 M, 1.23 mmol, 0.62 mL)を室温で加え、40℃で3時間攪拌した。減圧乾固し、残滓を水に溶解した。塩酸水溶液(1 M)を加え、析出した固体を濾取し、表題化合物を得た(79.2 mg, 収率92%)。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 4.03(d, J= 1.2 Hz, 3H), 7.05-7.15 (m, 3H), 11.9(s, 1H)
【0358】
中間体69
3-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-2-カルボン酸
【0359】
【化100】
中間体68と同様の手法で合成した。
MS (ESI+) 264 (M++1, 53%)
【0360】
中間体70
3-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸
【0361】
【化101】
中間体68と同様の手法で合成した。
MS (ESI+) 180 (M++1, 38%)
【0362】
中間体71
(4-フルオロフェニル)(1-(2-((2S,5S)-5-メチルピロリジン-2-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)メタノン塩酸塩
【0363】
【化102】
中間体72(0.62g, 2.73mmol)と4-(4-フルオロベンゾイル)-ピペリジン塩酸塩(0.66g, 2.73mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(0.75g, 3.55mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、飽和重曹水と酢酸エチルを加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノ-ル=98/2〜90/10)で精製し表題化合物のBoc体を得た(1.15g, 2.73mmol, quant)。
MS (ESI+) 419(M++1, 100%)
得られたBoc体(1.15g, 2.73mmol)のメタノ-ル溶液(150mL)に、塩酸-ジオキサン溶液(4N, 1.3mL)を加えた。90℃で2時間攪拌した。減圧濃縮し、酢酸エチルと水を加えた。水層を水酸化ナトリウム水溶液でpH=8〜9に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層に4N-塩酸ジオキサン溶液(24mL)を加え、減圧濃縮して表題化合物を得た(0.98g, 2.73mmol, quant)。
MS (ESI+) 432(M++1, 100%)
【0364】
中間体72
(2S,5S)-tert-ブチル2-メチル-5-(2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0365】
【化103】
SO3/Py(1.30g, 8.19mmol)のクロロホルム溶液(10.0mL)にジメチルスルホキシド(1.50mL)、トリエチルアミン (2.0mL)を滴下した。その混合物に、中間体73(0.63g, 2.73mmol)のクロロホルム溶液(2.0mL)を滴下した。室温で1時間攪拌した後、0℃に冷却し、飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し表題化合物を得た(0.62g, 2.73mmol, quant.)。
MS (ESI+) 228(M++1, 100%)
【0366】
中間体73
(2S,5S)-tert-ブチル2-(2-ヒドロキシエチル)-5-メチルピロリジン-1-カルボキシレート
【0367】
【化104】
中間体74 (0.80g, 3.28mmol)のテトラヒドロフラン溶液(15.0mL)に、ボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.0M, 10.9mL)を加えた。室温で30分間攪拌した後、メタノ-ルを加え、90℃で2時間攪拌した。減圧濃縮し、酢酸エチルと水を加えた。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノ-ル=98/2〜90/10)で精製し表題化合物を得た(0.63g, 2.73mmol, 83%)。
MS (ESI+) 230(M++1, 100%)
【0368】
中間体74
2-((2S,5S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-メチルピロリジン-2-イル)アセチックアシッド
【0369】
【化105】
中間体75(1.43g, 6.40mmol)のメタノ-ル(50.0mL)溶液に水酸化ナトリウム水溶液(30%w/v, 7.0mL)を加え、100℃に加熱した。3時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣に塩酸水溶液を加えてpH4〜5にし、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮することで表題化合物を得た(1.30g, 5.34mmol, 83%)。
MS (ESI+) 244(M++1, 100%)
【0370】
中間体75
(2S,5S)-tert-ブチル 2-(シアノメチル)-5-メチルピロリジン-1-カルボキシレート
【0371】
【化106】
中間体76(2.63g, 7.12mmol)のジメチルスルホキシド(20.0mL)溶液にシアン化ナトリウム (0.38g, 7.82mmol)を加え、70℃に加熱した。3時間攪拌した後、水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=70/30~30/70)で精製し表題化合物を得た(1.43g, 6.40mmol, 90%)。
MS (ESI+) 225(M++1, 100%)
【0372】
中間体76
(2S,5S)-tert-ブチル2-メチル-5-(トシロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0373】
【化107】
中間体77 (1.62g, 7.53mmol)のクロロホルム(30.0mL)溶液を0℃に冷却し、p-トルエンスルホニルクロライド(1.90g, 9.79mmol)、トリエチルアミン(1.70mL, 12.0mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(0.16g)を加えた。室温で6時間攪拌した後、水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=70/30~30/70)で精製し表題化合物を得た(2.63g, 7.12mmol, 94%)。
MS (ESI+) 370(M++1, 100%)
【0374】
中間体77
(2R,5S)-tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)-5-メチルピロリジン-1-カルボキシレート
【0375】
【化108】
中間体78(4.15g, 12.0mmol)をエタノ-ル(130mL)に溶解し、0℃に冷却した。塩化カルシウム(7.10g, 63.6mmol)を加え、溶解した後、水素化ホウ素ナトリウム(4.53g, 120mmol)を加えた。室温までもどし、終夜攪拌した。炭酸カリウム水溶液(2M, 65mL)を加え、減圧濃縮した。残渣を水に溶解し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得た(1.62g, 7.53mmol, 63%)。
MS (ESI+) 216(M++1, 100%)
【0376】
中間体78
(2R,5S)-1-tert-ブチル2-エチル5-メチルピロリジン-1,2-ジカルボキシレート
【0377】
【化109】
中間体79(3.10g, 15.4mmol)をクロロホルム(40mL)に溶解し、トリエチルアミン(5.40mL, 38.7mmol)を加えた。ジ-tert-ブチルカーボネート(3.90g, 17.8mmol)を加え、室温で1日間攪拌した。減圧濃縮後、酢酸エチルに溶解し、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=4/1)で精製して表題化合物を得た(4.15g, 15.4mmol, quant.)。
MS (ESI+) 258(M++1, 86%)
【0378】
中間体79
(2S,5R)-エチル5-メチルピロリジン-2-カルボキシレート
【0379】
【化110】
中間体80(2.32g, 15.4mmol)をエタノール(160mL)に溶解し、パラジウム/カーボン(1.10g, 10%, 50%wet)を加え、水素雰囲気下、2日間攪拌した。セライトろ過により不溶物を除き、ろ液を減圧濃縮し、表題化合物を得た(3.10g, 15.4mmol, quant.)。
MS (ESI+) 158(M++1, 100%)
【0380】
中間体80
(S)-エチル5-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキシレート
【0381】
【化111】
中間体81(4.30g, 15.4mmol)をテトラヒドロフラン(50.0mL)に溶かし、4N-塩酸ジオキサン溶液(10.0mL)を加え、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮して表題化合物を得た(2.32g, 15.4mmol, quant.)。
MS (ESI+) 156(M++1, 100%)
【0382】
中間体81
(S)-エチル-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ヘキサネ-ト
【0383】
【化112】
-78℃にて(S)-1-tert-ブチル2-エチル5-オキソピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(7.00g, 27.4mmol)のテトラヒドロフラン溶液(100mL)に、メチルグリニャール試薬(ジエチルエーテル溶液3M, 9.60mL, 28.8mmol)のを20分かけて滴下し、1時間攪拌した。0℃で2時間攪拌した後、飽和重曹水を滴下、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮して表題化合物を得た(7.60g, 26.5mmol, 97%)。
MS (ESI+) 274(M++1, 100%)
【0384】
実施例および参考例に記載した手法で合成した化合物のデータを表2〜7に示す。
【0385】
【表2】
【0386】
【表3】
【0387】
【表4】
【0388】
【表5】
【0389】
【表6】
【0390】
【表7】
【0391】
実施例159
(S)-(6-フルオロ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン
【0392】
【化113】
中間体1と市販原料を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 9.53-9.64 (m, 1H), 7.96 (dd, 2H, J=8.4Hz, 5.5Hz), 7.57-7.69 (m, 1H), 7.08-7.16 (m, 3H), 6.86-6.94 (m, 2H), 4.42-4.57 (m, 1H), 3.84-3.98 (m, 2H), 3.18-3.28 (m, 1H), 3.03-3.12 (m, 2H) , 2.51-2.53 (m, 2H), 2.01-2.22 (m, 6H), 1.60-1.88 (m, 6H).
【0393】
実施例160
(S)-(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(6-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-2-イル)メタノン
【0394】
【化114】
中間体1と市販原料を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 1.58-1.75(m, 3H), 1.78-2.08(m, 6H), 2.10-2.30(m, 4H), 2.52(br, 2H), 3.00-3.14(m, 2H), 3.13-3.25(m, 1H), 4.33-4.72(m, 2H), 7.02(d, J=8.0Hz, 1H), 7.14(t, J=8.0Hz, 2H), 7.35(br, 1H), 7.61-7.83(m, 1H), 7.90-8.10(br, 1H), 10.40(br, 1H). MS (ESI+) 532(M++1, 100%)
【0395】
実施例161
(S)-(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(6-イソプロピル-1H -インドール-2-イル)メタノン
【0396】
【化115】
中間体1と市販原料を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 1.32(d, J=7.0Hz, 6H), 1.80-1.88(m, 2H), 1.88-2.22(m, 8H), 2.29-2.36(m, 2H), 3.02(septet, J=7.0Hz, 1H), 3.07-3.20(m, 2H), 3.45-3.52(m, 1H), 3.84-3.99(m, 2H), 4.38-4.47(m, 1H), 6.84(s, 1H), 7.05(dd, J=8.3Hz, J=1.2Hz, 1H), 7.14(dd, J=8.7Hz, J=8.7Hz, 2H), 7.25(s, 1H), 7.58(d, J=8.5Hz, 1H), 7.94(dd, J=8.2Hz, J=5.7Hz, 2H), 9.16(s, 1H)
MS (ESI+) 491(M++1, 41%)
【0397】
実施例162
(S)-(5-フルオロ-4-メトキシ-1H -インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン
【0398】
【化116】
中間体1と中間体68を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 1.82-1.84(m, 5H), 2.02-2.13(m, 6H), 2.24-2.26(m, 1H), 2.46-2.49(m, 2H), 3.00-3.02(m, 1H), 3.08-3.11(m, 1H), 3.16-3.18(m, 1H), 3.90-3.99(m, 2H), 4.42(br, 1H), 6.96-7.08(m, 3H), 7.10-7.15(m,2H), 7.93-7.98(m, 2H), 9.43(br, 1H). MS (ESI+) 496(M++1, 100%)
【0399】
実施例163
(S)-(3,6-ジフルオロ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン
【0400】
【化117】
中間体1と中間体67を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 9.34 (brs, 1H), 7.95 (dd, J=8.9Hz, 5.4Hz, 2H), 7.57 (dd, J=8.9Hz, 5.2Hz, 1H), 7.13 (t, J=8.6Hz, 2H), 6.99-7.02 (m, 1H), 6.90 (dt, J=2.1Hz, 9.2Hz, 1H), 4.38 (brs, 1H), 3.80 (brs, 2H), 3.01-3.18 (m, 3H), 2.00-2.51 (m, 7H), 1.65-1.83 (m, 7H). MS (ESI+) 484 (M++1, 100%)
【0401】
実施例164
(S)-(3-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン
【0402】
【化118】
中間体1と中間体69を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 9.73-9.83 (m, 1H), 7.95 (dd, J=8.8Hz, 5.5Hz, 2H), 7.63 (d, J=8.8Hz, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.10-7.16 (m, 2H), 7.01 (d, J=8.8Hz, 1H), 4.41 (brs, 1H), 3.80 (brs, 2H), 3.00-3.18 (m, 3H), 2.01-2.54 (m, 7H), 1.67-1.84 (m, 7H). MS (ESI+) 550 (M++1, 100%)
【0403】
実施例165
(S)-(3-フルオロ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン
【0404】
【化119】
中間体1と中間体70を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 8.93 (brs, 1H), 7.95 (dd, J=8.8Hz, 5.6Hz, 2H)
7.63 (d, J=8.0Hz, 1H), 7.28-7.34 (m, 2H), 7.10-7.15 (m, 3H), 4.38 (brs, 1H), 3.81 (brs, 2H), 3.01-3.18 (m, 3H), 2.48 (m, 2H), 1.83-2.31 (m, 12H). MS (ESI+) 466 (M++1, 100%)
【0405】
実施例166
((2S,5S)-2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)-5-メチルピロリジン-1-イル)(6-メチル-1H-インドール-2-イル)メタノン
【0406】
【化120】
中間体71と市販原料を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 1.44(d, J=4.0Hz,3H), 1.53-2.08(m, 8H), 2.04-2.22(m, 2H), 2.45(s, 3H), 2.44-2.53(m, 2H), 2.57-2.77(m, 1H), 3.03-3.12(m, 2H), 3.16-3.29(m, 2H), 4.20-4.55(m, 2H), 6.90-6.99(m, 1H), 7.09-7.18(m, 3H), 7.30-7.36(m, 1H), 7.92-8.03(m, 2H), 9.70(br, 1H). MS (ESI+) 476(M++1, 100%)
【0407】
実施例167
((2S,5S)-2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)-5-メチルピロリジン-1-イル)(6-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-イル)メタノン
【0408】
【化121】
中間体71と市販原料を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
1H-NMR(300MHz, DMSO d6) δ 1.36(d, J=4.0Hz,3H), 1.30-1.40(m, 12H), 2.94-3.30(m, 5H), 3.50-3.76(m, 1H), 4.18-4.40(m, 1H), 7.07(br, 1H), 7.30-7.43(m, 3H), 7.73-7.84(m, 2H), 8.05-8.13(m, 2H), 12.02 (br, 1H). MS (ESI+) 530(M++1, 100%)
【0409】
実施例168
((2S,5S)-2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)-5-メチルピロリジン-1-イル)(6-(トリフルオロメチルチオ)-1H-インドール-2-イル)メタノン
【0410】
【化122】
中間体71と市販原料を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
1H-NMR(300MHz, DMSO d6) δ 1.36(d, J=8.0Hz,3H), 1.60-1.80(m, 1H), 2.02-2.23(m, 10H), 2.24-2.40(m, 1H), 2.97-3.23(m, 5H), 3.02-3.73(m, 1H), 4.19-4.25(m, 1H), 7.04(br, 1H), 7.31(d, J=8.0Hz, 1H), 7.33-7.42(m, 2H), 7.79-7.84(m, 2H), 8.04-8.12 (2H, m), 11.96 (br, 1H). MS (ESI+) 562(M++1, 100%)
【0411】
実施例169
(S)-(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(1-メチル-1H-インドール-5-イル)メタノン
【0412】
【化123】
中間体1と市販原料を用いて、実施例1と同じ手法により、表題化合物を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ 7.96 (brs, 2H), 7.82 (brs, 1H), 7.42-7.45 (m, 1H), 7.31 (d, J=8.3Hz, 1H), 7.09-7.17 (m, 3H), 6.52 (d, J=2.4Hz, 1H), 4.17-4.40 (m, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.51-3.59 (m, 2H), 3.04-3.20 (m, 2H), 2.13-2.53 (m, 3H), 1.66-1.86 (m, 12H). MS (ESI+) 462 (M++1, 95%)
【0413】
実施例170
(S)-(2-(2-(4-(6-フルオロベンゾ[d]イソキサゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)(3-フェニル-1H -ピラゾール-5-イル)メタノン 塩酸塩
【0414】
【化124】
中間体1と市販原料を用いて実施例1と同じ手法により得られた化合物を、実施例172と同様に処理し、表題化合物を得た。
1H-NMR(300MHz, DMSO d6) δ 1.90-2.01(m, 4H), 2.18-2.37(m, 5H), 3.11-3.17(m, 4H), 3.36-3.51(m, 2H), 3.62-3.77(m, 2H), 3.80-3.95(m, 2H), 4.24-4.32(m, 1H), 7.13(s, 1H), 7.32-7.36(m, 2H), 7.42-7.46(m, 2H), 7.73(dd, J= 9.0Hz, J=2.2Hz, 1H), 7.82-7.84(m, 2H), 8.14-8.21(m, 1H), 10.2-10.7(br, 1H)
MS (ESI+) 488(M++1, 100%)
【0415】
実施例171
(S)-(3-フルオロ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン 臭化水素酸塩
【化125】
実施例165で得られた化合物(2.99 g, 6.43 mmol) のメタノール(30 mL)懸濁液に、48%臭化水素酸水溶液(0.69 mL、6.10 mmol)を滴下し、得られた溶液を減圧濃縮した。残渣にエタノール/酢酸エチル混合溶媒を加え、析出した結晶を濾取し、表題化合物を得た(3.19 g, 5.84 mmol, 96%)。
1H-NMR(300MHz, DMSO-d6) δ 11.39 (s, 1H), 9.14 (brs, 1H), 8.09 (dd, J=8.7Hz, 5.6Hz, 2H), 7.59 (d, J=8.1Hz, 1H), 7.36-7.42 (m, 3H), 7.26 (t, J=7.7Hz, 1H), 7.10 (t, J=7.4Hz, 1H), 4.23-4.28 (m, 1H), 3.61-3.74 (m, 5H), 3.05-3.21 (m, 3H), 1.76-2.26 (m, 11H).
【0416】
実施例172
(S)-(3-フルオロ-1H-インドール-2-イル)(2-(2-(4-(4-フルオロベンゾイル)ピペリジン-1-イル)エチル)ピロリジン-1-イル)メタノン 塩酸塩
【化126】
実施例165で得られた化合物(20 mg、0.043 mmol)の酢酸エチル(2 mL)溶液に4N塩酸/酢酸エチル(500μL)を加え撹拌した後、酢酸エチルを減圧留去した。残渣を減圧乾燥させ、表題化合物を得た(20 mg)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 1.69-1.79 (m, 2H), 1.88-2.00 (m, 6H), 2.10-2.16 (m, 1H), 2.24-2.32 (m, 1H), 3.03-3.18 (m, 4H), 3.57-3.69 (m, 5H), 4.23−4.29 (m, 1H), 7.10 (dd, J=7.6Hz, J=7.6Hz, 1H), 7.23-7.27 (m, 1H), 7.37-7.41 (m, 3H), 7.59 (d, J=8.0Hz, 1H), 8.08 (dd, J=8.5Hz, J=5.4Hz, 2H), 10.13 (bs, 1H), 11.42 (s, 1H).
【0417】
実験例
<実験方法>
(1) ドパミンD2L受容体結合実験
2L受容体結合実験は、廣瀬らの方法(Japan. J. Pharmacol., 53, 321−329, 1990)を参考に実施した。50 μLの[3H]−spiperone(最終濃度0.5 nM)、1 μLの被験薬DMSO溶液、149 μLのヒトD2L受容体発現CHO細胞膜標品を含む全量200 μLの50 mM Tris−HCl(pH=7.6)緩衝液中で反応後、[3H]−spiperoneのヒトD2L受容体結合活性を測定した。反応液は、室温で60分間静置後、0.3% polyehyleneimine(PEI)でコーティングしたガラス繊維フィルタープレート(Multiscreen FB, ミリポア社製)上に速やかに添加し減圧濾過した。ガラス繊維フィルターを200 μLの氷冷50 mM Tris−HCl(pH=7.6)で2回洗浄、減圧濾過を繰り返した後、4 mLのエコシンチA(National Diagnostics社製)を含むバイアルに移した。ガラス繊維フィルター上に残存した放射活性は、液体シンチレーションカウンターで測定した。非特異的結合は、10 μMのspiperone存在下に測定し、被験薬10 nMにおける[3H]−spiperone結合阻害率を求めた。結合阻害率(%)の値が大きいほど被験薬のヒトD2L受容体に対する結合親和性が高いことを意味する。結果を表8〜13に示す。
【0418】
(2) セロトニン5-HT2A受容体結合実験
5−HT2A受容体結合実験は、廣瀬らの方法(Japan. J. Pharmacol., 53, 321−329, 1990)を参考に実施した。50 μLの[3H]−ketanserin(最終濃度1 nM)、1 μLの被験薬DMSO溶液、149 μLのヒト5−HT2A受容体発現CHO細胞膜標品を含む全量200 μLの50 mM Tris−HCl(pH=7.6)緩衝液中で反応後、[3H]−ketanserin のヒト5−HT2A受容体結合活性を測定した。反応液は、37℃で15分間静置後、0.05% Brij 35でコーティングしたガラス繊維フィルタープレート(Multiscreen FB, ミリポア社製)上に速やかに添加し減圧濾過した。ガラス繊維フィルターを200 μLの氷冷50 mM Tris−HCl(pH=7.6)で2回洗浄、減圧濾過を繰り返した後、4 mLの エコシンチA(National Diagnostics社製)を含むバイアルに移した。ガラス繊維フィルター上に残存した放射活性は、液体シンチレーションカウンターで測定した。非特異的結合は10 μMのMDL−100907存在下に測定し、被験薬1 nMまたは10 nMにおける[3H]−ketanserin結合阻害率を求めた。結果を表8〜13に示す。
【0419】
(3) セロトニン5−HT6受容体結合実験
50μLの[3H]−clozapine (最終濃度2 nM)、1 μLの被験薬DMSO溶液、149 μLのヒト5−HT6受容体発現CHO細胞膜標品を含む全量200 μLの50 mM Tris−HCl(pH=7.6)、4 mM CaCl2、0.5 mM EDTA緩衝液中で反応後、[3H]−clozapine のヒト5−HT6受容体結合活性を測定した。反応液は、室温で40分間静置後、0.3% polyehyleneimine(PEI)でコーティングしたガラス繊維フィルタープレート(Multiscreen FB, ミリポア社製)上に速やかに添加し減圧濾過した。ガラス繊維フィルターを200 μLの氷冷50 mM Tris−HCl(pH=7.6)で2回洗浄、減圧濾過を繰り返した後、4 mLの エコシンチA(National Diagnostics社製)を含むバイアルに移した。ガラス繊維フィルター上に残存した放射活性は、液体シンチレーションカウンターで測定した。非特異的結合は、10 μMのSB−258585存在下に測定し、被験薬100 nMにおける[3H]−clozapine結合阻害率を求めた。結果を表8〜13に示す。
【0420】
(4) アドレナリンα1D受容体結合試験
50 μLの[3H]−prazosin(最終濃度0.6 nM)、1 μLの被験薬DMSO溶液、149 μLのヒトα1D受容体発現CHO細胞膜標品を含む全量200 μLの50 mM Tris−HCl(pH=7.6)緩衝液中で反応後、[3H]−prazosinのヒトα1D受容体結合活性を測定した。反応液は、室温で30分間静置後、0.3% polyehyleneimine(PEI)でコーティングしたガラス繊維フィルタープレート(Multiscreen FB, ミリポア社製)上に速やかに添加し減圧濾過した。ガラス繊維フィルターを200 μLの氷冷50 mM Tris−HCl(pH=7.6)で2回洗浄、減圧濾過を繰り返した後、4 mLの エコシンチA(National Diagnostics社製)を含むバイアルに移した。ガラス繊維フィルター上に残存した放射活性は、液体シンチレーションカウンターで測定した。非特異的結合は、1 μMのprazosin存在下に測定し、被験薬100 nMにおける[3H]−prazosin結合阻害率を求めた。結果を表8〜13に示す。
【0421】
【表8】
【0422】
【表9】
【0423】
【表10】
【0424】
【表11】
【0425】
【表12】
【0426】
【表13】
【産業上の利用可能性】
【0427】
本発明のN−アシル環状アミン誘導体またはその医薬上許容される塩は、統合失調症における陽性症状、陰性症状、および認知機能障害に高い有効性を発揮し、従来の統合失調症治療薬で見られる副作用リスクを軽減するとともに、統合失調症以外の認知機能障害を伴う中枢神経疾患に対しても優れた効果を示す治療薬として有用である。