特許第5661799号(P5661799)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661799
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】自動ドア用センサ
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/20 20060101AFI20150108BHJP
   E05F 15/632 20150101ALI20150108BHJP
【FI】
   G01V9/04 Q
   E05F15/14
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-546828(P2012-546828)
(86)(22)【出願日】2011年11月25日
(86)【国際出願番号】JP2011077184
(87)【国際公開番号】WO2012073821
(87)【国際公開日】20120607
【審査請求日】2013年4月2日
(31)【優先権主張番号】特願2010-270226(P2010-270226)
(32)【優先日】2010年12月3日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501397920
【氏名又は名称】旭光電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090310
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 正俊
(72)【発明者】
【氏名】神吉 久幸
(72)【発明者】
【氏名】入場 徹
(72)【発明者】
【氏名】池田 真也
(72)【発明者】
【氏名】神田 恭孝
(72)【発明者】
【氏名】西垣 健司
(72)【発明者】
【氏名】北田 安輝
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
【審査官】 田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−274517(JP,A)
【文献】 特開平06−200672(JP,A)
【文献】 特開2002−131450(JP,A)
【文献】 特開2000−356334(JP,A)
【文献】 特開2006−065886(JP,A)
【文献】 特開2003−051076(JP,A)
【文献】 特開2011−215122(JP,A)
【文献】 特開2006−225874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00−13/00
E05F 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア近傍の床面に二次元に配列された複数の検知スポットを構成し、前記各検知スポットは、人または物体を赤外線によりそれぞれ独立して検知可能である検知手段と、
前記各検知スポットのうち前記人または物体を検知した複数の検知スポットによって構成される領域を、認識する認識手段と、
前記認識された領域が移動する方向を判断する判断手段と、
前記認識された領域の移動方向が、前記ドアに向かう方向であるとき、前記ドアを開く信号を出力する出力手段とを、
有し、
前記認識された領域が複数存在する場合、それぞれの領域を独立して前記認識手段が認識し、
前記判断手段が、前記認識された複数の領域が移動する方向を独立して判断し、
前記出力手段が、前記独立して認識された複数の領域のいずれかの移動方向が、前記ドアに向かう方向であるとき、前記ドアを開く信号を出力する自動ドア用センサ。
【請求項2】
請求項1記載の自動ドア用センサにおいて、前記判断手段は、前記認識された領域の移動方向を、前記認識された領域の重心位置を基に算出する自動ドア用センサ。
【請求項3】
請求項2記載の自動ドア用センサにおいて、前記出力手段は、前記認識された領域の移動方向が、前記ドアに向かう方向であるときであって、前記認識された領域の重心位置と、この重心位置の時間変化に基づいて算出された移動速度とに基づいて、前記重心位置が所定時間内に前記ドアの開口を通過することが予測できるとき、前記ドアを開く信号を出力する自動ドア用センサ。
【請求項4】
請求項2記載の自動ドア用センサにおいて、前記出力手段は、前記認識された領域の重心位置が、前記ドアの直近の所定エリア内で停止しているときにも、前記ドアを開く信号を出力する自動ドア用センサ。
【請求項5】
請求項2記載の自動ドア用センサにおいて、前記出力手段は、前記認識された領域の重心位置が前記ドアの直近の所定エリアにあるときにも、前記ドアを開く信号を出力する自動ドア用センサ。
【請求項6】
請求項4または5記載の自動ドア用センサにおいて、前記所定エリアは、前記ドアの開口の幅に応じて予め設定されている自動ドア用センサ。
【請求項7】
請求項2乃至6いずれか記載の自動ドア用センサにおいて、前記認識された領域の重心位置は、前記認識された領域の図心である自動ドア用センサ。
【請求項8】
ドア近傍の床面に二次元に配列された複数の検知スポットを構成し、前記各検知スポットは、人または物体を赤外線によりそれぞれ独立して検知可能である検知手段と、
前記各検知スポットのうち前記人または物体を検知した複数の検知スポットによって構成される領域を、認識する認識手段と、
前記認識された領域が移動する方向を判断する判断手段と、
前記認識された領域の移動方向が、前記ドアに向かう方向であるとき、前記ドアを開く信号を出力する出力手段とを、
有し、
前記判断手段は、前記認識された領域の移動方向を前記認識された領域の重心位置を基に算出し、
前記認識された領域の重心位置は、前記認識された領域の図心を所定量だけ前記検知手段側にオフセットさせたものである
自動ドア用センサ。
【請求項9】
ドア近傍の床面に二次元に配列された複数の検知スポットを構成し、前記各検知スポットは、人または物体を赤外線によりそれぞれ独立して検知可能である検知手段と、
前記各検知スポットのうち前記人または物体を検知した複数の検知スポットによって構成される領域を、認識する認識手段と、
前記認識された領域が移動する方向を判断する判断手段と、
前記認識された領域の移動方向が、前記ドアに向かう方向であるとき、前記ドアを開く信号を出力する出力手段とを、
有し、
前記認識手段は、前記認識された領域が所定面積以下の時、当該領域を削除する自動ドア用センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドア用センサに関し、特に二次元に複数の検知エリアを構成したものに関する。
【背景技術】
【0002】
二次元に複数の検知エリアを構成した自動ドア用センサには、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。特許文献1の技術では、自動ドア装置のドアの近傍の床面に、スポット光を投光手段によってマトリクス状に照射する。各スポット光の床面からの反射光を受光手段によって受光する。いずれかのスポット光が遮断されたことによって、人が検知されたと判断し、その判断結果に従ってドアを開放する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特許公開公報第2007−277829号
【特許文献2】日本国特許公開公報平成11−311060号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スライド式自動ドアを利用する通行者の安全性の向上を図るために日本国の全国自動ドア協会(Japan Automatic Door Association)において策定された自動ドア安全ガイドライン(スライド式自動ドア編)によれば、自動ドア用センサの検知エリア(自動ドアパネルの開閉時、ドアパネルの走行部およびドアパネル直近の通行者を、連続的にまたは一定時間検出することを、目的としたセンサの検出範囲)は、その奥行きがドアパネルの厚さ方向の中心から1000mm以上の位置まで、かつ幅の端がドアパネルの有効開口幅(自動ドアの開口部の通行可能幅)の外方端から150mm以上外側に存在するように、定められている。このように比較的広い範囲を検知エリアとしているので、自動ドアを通過する意思の無い人がドアパネルの前をドアパネルに平行に通っただけでも、ドアパネルが不用意に開閉したり、ドアが開放状態のままになったりする。この場合、自動ドアを設置している建物内の温度管理を空気調和設備によって行っているにも拘わらず、温度管理が損なわれることがある。また建物内の静粛性が損なわれることもある。即ち、上述したような有効開口幅が使用されていると、環境負荷の増加につながる。なお、ドアパネルが閉じているときには検知エリアを安全ガイドラインを満たした検知エリアよりも狭くし、ドアパネルが開いているときには安全ガイドラインを満たした検知エリアの広さに変更することによって、ドアパネルが不用意に開くことを解消することができる。しかし、ドアパネルが閉じている状態において、人を検知してからその人がドアに到達するまでの時間が短くなるので、人がドアパネルの前に到達しているのにドアパネルがまだ開かず、通行性が悪くなる。但し、この場合であっても、一旦ドアパネルが開いてしまうと、ドアパネルの前をドアパネルに平行に通過する人がいる限り、ドアパネルは開放状態を維持してしまう。
【0005】
そこで、例えば特許文献2に開示されているように、人がドアパネルに近づいた場合にのみ、ドアパネルを開くようにすれば、上記の問題は解決される。しかし、特許文献2の技術では、人がドアパネルに近づいているか否かの方向検知を次のようにして行っている。ドアパネルに平行に間隔をおいて複数の監視領域を持つ監視列が、ドアパネルから離れる方向に間隔をおいて複数光センサによって形成される。これら複数の監視列のうちドアパネルに対して遠いものから近いものに順に、人を検知している監視領域を持つ監視列が変化する場合に、人がドアパネルに近づいていると判断している。そして、上述した安全ガイドラインに従えば、これら監視列それぞれの端は、有効開口幅の外方端から150mm以上外側に存在するものとなる。従って、ドアパネルの中央に向かわずに、ドアパネルの両側にある固定壁に向かって監視列の外方端付近を通行する人も、ドアパネルに人が近づいていると誤判断する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記の安全ガイドラインの規定を満たしつつ、人や物体がドアに近づいていないのに近づいていると誤検知することが無い自動ドア用センサを提供し、その結果、通行性を確保しつつ、環境負荷を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の自動ドアセンサは、検知手段を有している。この検知手段は、ドア近傍の床面に二次元に配列された複数の検知スポットを構成する。前記各検知スポットは、人または物体を赤外線によりそれぞれ独立して検知可能である。検知手段は、例えば赤外線の投光手段と、受光手段とによって構成することもできるし、赤外線の受光手段のみによって構成することもできる。検知手段は、例えばドアの無目に取り付けることもできるし、天井に取り付けることもできる。各検知スポットは、人または物体の床面への投影よりも面積が同等もしくは小さく構成されている。従って、人または物体は、全検知スポット数よりも少ない複数の連続する検知スポットまたは単一の検知スポットによって同時に検知される。また、人または物体の移動に伴い、人または物体を検知する検知スポットは変化する。前記各検知スポットのうち前記人または物体を検知した検知スポットによって構成される領域を、認識手段が認識する。前記認識された領域が移動する方向を判断手段が判断する。前記認識された領域の移動方向が、前記ドアに向かう方向であるとき、出力手段が、前記ドアを開く信号を出力する。前記認識された領域が複数存在する場合、それぞれの領域を独立して前記認識手段が認識し、前記判断手段が、前記認識された複数の領域が移動する方向を独立して判断し、前記出力手段が、前記独立して認識された領域のいずれかの移動方向が、前記ドアに向かう方向であるとき、前記ドアを開く信号を出力する。
【0008】
このように構成された自動ドア用センサでは、ドアに平行に形成した監視列に人や物体が存在するか否か判断するのではなく、人または物体を検知している単一または複数の検知スポットによって構成された領域を認識し、この認識された領域の移動方向を2次元的に判断しているので、ドアの傍の壁に向かって移動している人や物体を、ドアに向かって移動していると誤って判定することがなく、環境負荷を低減させることができる。更に、複数の人や物体がドアの近傍に存在しても、それぞれの人や物体の移動に応じて、ドアの開閉を適正に制御することができる。
【0009】
前記判断手段は、前記認識された領域の移動方向を、前記認識された領域の重心位置を基に算出するものに構成することができる。認識された領域の重心位置の変化を基に算出しているので、認識されている領域の形状や領域を構成する検知スポットの数などが、時間経過と共に変化しても、移動方向を正確に検知することができる。
【0010】
前記出力手段は、前記出力手段は、前記認識された領域の移動方向が、前記ドアに向かう方向であるときであって、前記認識された領域の重心位置と、この重心位置の時間変化に基づいて算出された移動速度とに基づいて、前記重心位置が所定時間内に前記ドアの開口を通過することが予測できるとき、前記ドアを開く信号を出力するものに構成することができる。このように構成すると、ドアの開放時間を最小限に抑えることができるので、環境負荷を一層低減することができる。
【0011】
或いは、前記出力手段は、前記認識された領域の重心位置が、前記ドアの直近の所定エリア内で停止しているとき(時系列でみて所定時間以上、重心位置がほぼ動いていないと判断されたとき)にも、前記ドアを開く信号を出力するものとすることができる。また、前記出力手段は、前記認識された領域の重心位置が前記ドアの直近の所定エリアにあるとき(時系列ではなく、ある時点で重心位置が存在したとき)にも、前記ドアを開く信号を出力するように構成することもできる。これらのように構成すると、仮に人や物体の移動方向の検出がうまくできない状況になっても、ドアを通過しようとしている人や物体(ドアの直近の所定エリア内で停止していたり、所定エリア内に存在したりする場合には、その可能性が高い)の通行性を確保することができる。
【0012】
前記所定エリアは、前記ドアの開口の幅に応じて予め設定されているものとすることができる。このように構成することによって、通行性を確保しつつ、所定エリアは狭い範囲で構わないため、無駄なドアの開閉を行うことなく、その結果、環境負荷を低減することができる。
【0013】
前記認識された領域の重心位置を、前記認識された領域の図心とすることもできる。例えば検知手段がドアの無目に取り付けられているような場合、検知手段が床面を向く関係上、検知スポットが検知手段と反対側に形成された人や物体の影を検知していることがある。このような影を検知している検知スポットも含めた状態で認識手段が認識した領域の図心を、認識された領域の重心と判定すると、人や物体の位置を正確に検知することができず(例えば、実際よりも遠くにあると判断される)、ドアの開動作が遅れたり、本来必要な時間よりも長い時間にわたって、ドアを開放したりする可能性がある。しかし、天井に検知手段を設けた場合、上述したような影の影響を受けることがないので、認識された領域の図心を、重心としている。
【0014】
本発明の他の態様も、検知手段を有している。この検知手段は、上記態様と同様に、ドア近傍の床面に二次元に配列された複数の検知スポットを構成する。前記各検知スポットは、人または物体を赤外線によりそれぞれ独立して検知可能である。検知手段は、例えば赤外線の投光手段と、受光手段とによって構成することもできるし、赤外線の受光手段のみによって構成することもできる。検知手段は、例えばドアの無目に取り付けることもできるし、天井に取り付けることもできる。各検知スポットは、人または物体の床面への投影よりも面積が同等もしくは小さく構成されている。従って、人または物体は、全検知スポット数よりも少ない複数の連続する検知スポットまたは単一の検知スポットによって同時に検知される。また、人または物体の移動に伴い、人または物体を検知する検知スポットは変化する。前記各検知スポットのうち前記人または物体を検知した検知スポットによって構成される領域を、認識手段が認識する。前記認識された領域が移動する方向を判断手段が判断する。前記認識された領域の移動方向が、前記ドアに向かう方向であるとき、出力手段が、前記ドアを開く信号を出力する。前記認識された領域の重心位置は、前記認識された領域の図心を所定量だけ前記検知手段側にずらしたものである。例えば検知手段がドアの無目に取り付けられているような場合、検知手段が床面を向く関係上、検知スポットが検知手段と反対側に形成された人や物体の影を検知していることがある。このような影を検知している検知スポットも含めた状態で認識手段が認識した領域の図心を、認識された領域の重心と判定すると、人や物体の位置を正確に検知することができず(例えば、実際よりも遠くにあると判断される)、ドアの開動作が遅れたり、本来必要な時間よりも長い時間にわたって、ドアを開放したりする可能性がある。そこで、この影の影響を除去するために、領域の重心位置を、検知手段側に図心をずらしている。
【0015】
本発明の別の態様も、検知手段を有している。この検知手段は、上記両態様と同様に、ドア近傍の床面に二次元に配列された複数の検知スポットを構成する。前記各検知スポットは、人または物体を赤外線によりそれぞれ独立して検知可能である。検知手段は、例えば赤外線の投光手段と、受光手段とによって構成することもできるし、赤外線の受光手段のみによって構成することもできる。検知手段は、例えばドアの無目に取り付けることもできるし、天井に取り付けることもできる。各検知スポットは、人または物体の床面への投影よりも面積が同等もしくは小さく構成されている。従って、人または物体は、全検知スポット数よりも少ない複数の連続する検知スポットまたは単一の検知スポットによって同時に検知される。また、人または物体の移動に伴い、人または物体を検知する検知スポットは変化する。前記各検知スポットのうち前記人または物体を検知した検知スポットによって構成される領域を、認識手段が認識する。前記認識された領域が移動する方向を判断手段が判断する。前記認識された領域の移動方向が、前記ドアに向かう方向であるとき、出力手段が、前記ドアを開く信号を出力する。前記認識手段は、前記認識された領域が所定面積以下の時、当該領域を削除する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明の1実施形態の自動ドア用センサを取り付けた自動ドアの正面図である。
図2図2図1の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
図3図3図1の自動ドア用センサによって形成される検知スポットを示す平面図である。
図4図4図1の自動ドア用センサのブロック図である。
図5図5図1の自動ドア用センサの動作を示すメインフローチャートである。
図6図6図4に示す領域認識手段30が実行する処理を示すフローチャートと、その処理の説明図である。
図7図7図4に示すスポット判断手段32が実行する処理を示すフローチャートと、その処理の説明図である。
図8図8図4に示す領域位置特定手段36が実行する処理を示すフローチャートと、その処理の説明図である。
図9図9は領域位置特定手段36の別の例1が実行する処理を示すフローチャートと、その処理の説明図である。
図10図10は領域位置特定手段36の別の例2が実行する処理を示すフローチャートと、その処理の説明図である。
図11図11は領域位置特定手段36の別の例3が実行する処理を示すフローチャートと、その処理の説明図である。
図12図12は領域位置特定手段36の別の例4が実行する処理を示すフローチャートと、その処理の説明図である。
図13図13は領域位置特定手段36の別の例5が実行する処理を示すフローチャートと、その処理の説明図である。
図14図14は領域位置特定手段36の別の例6が実行する処理を示すフローチャートと、その処理の説明図である。
図15図15図4に示す通行者同定手段38が実行する処理を示すフローチャートである。
図16図16図4に示す通行者速度算出手段40が実行する処理を示すフローチャートである。
図17図17図4に示す通行者立ち止まり判定手段42が実行する処理を示すフローチャートである。
図18図18図4に示す通行者移動判定手段44が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1の実施形態の自動ドアセンサ2は、図1に示すように、自動ドア4の無目6に取り付けられている。自動ドア4は、間隔をおいて配置された固定壁8、8間のドア開口10(図3参照)を、ドアパネル12、12が開閉するものである。ドアパネル12、12は、固定壁8、8側に位置する状態からドア開口10の中央側に向かってそれぞれスライドすることによって、ドア開口10を閉じる。ドアパネル12、12がドア開口10の中央側に位置する状態から固定壁8、8側に移動することによってドア開口10を開く。
【0019】
図4に示すように、自動ドアセンサ2は、検知部14を有し、検知部14は、投光手段、例えば投光部16と、受光手段、例えば受光部18とを備えている。投光部16では、無目6の中央に、図2に示すように、複数、例えば2つの投光器16a、16bがドアパネル12、12の開閉方向に沿って間隔をおいて並べて設けられている。これら投光器16a、16bは、例えば近赤外線を所定の周期を持ったパルス状に発光するものである。投光器16aは、ドアパネル12、12の移動方向に3個、ドアパネル12、12の高さ方向に4個の合計12個の投光素子(図2(a)に符号1乃至12を付した丸で示してある)をマトリクス状に配置してある。投光器16bは、ドアパネル12、12の移動方向に3個、ドアパネル12、12の高さ方向に2個の合計6個の投光素子(図2(a)に符号13乃至18を付した丸で示してある)をマトリクス状に配置してある。投光器16bの投光素子のうち符号13乃至15を付したものは、投光器16aの投光素子の符号7乃至9を付したものよりも幾分低い位置に設けられ、投光器16bの投光素子のうち符号16乃至18を付したものは、投光器16aの投光素子の符号10乃至12を付したものよりも幾分低い位置に設けられている。
【0020】
これら投光器16a、16bの前面には、これら投光器16a、16bにそれぞれ対応して複数、例えば2つの光学素子、例えば分割レンズ20a、20bが配置されている。これら分割レンズ20a、20bは、複数、例えば4つの領域に分割され、各領域の光軸がドア開口幅方向(ドアパネル12、12の移動方向)に対してそれぞれ異なる角度をなしている。その結果、図3に示すように、投光器16a、16bの合計18個の投光素子からの光によって、基準面例えば床面に4つの検知エリア22a乃至22dが形成されている。これら検知エリア22a乃至22dは、いずれもが18個の検知スポットからなる。図3の各検知エリア22a乃至22dに示した丸が検知スポットを示し、これら領域内に示した数字は、この領域にスポット光を投光した投光素子を表している。各検知スポットは、ドア開口幅方向に12個、これらと床面において直角な方向に6個の合計72個形成されている。これら検知スポットは、検知エリア22a乃至22dを通過することがある人や物体(以下、総称して「通行者」という。)の床への投影面積とほぼ同等か、小さく設定される。検知エリア22a乃至22dは、ドア開口幅方向に沿って並んで形成され、かつドアパネル12、12の高さ方向及びドア開口幅方向に直交している。
【0021】
図2に示すように、投光部16のドア開口幅方向の両側に、2個ずつ受光部18の受光器18a乃至18dが設けられている。各受光器18a乃至18dは、いずれもドア開口幅方向に3個ずつ配置した受光素子を有している。図2(a)において丸の中にA1乃至A3の符号を付したものが受光器18aの受光素子を表し、同じくB1乃至B3の符号を付したものが受光器18bの受光素子を表し、C1乃至C3の符号を付したものが受光器18cの受光素子を表し、D1乃至D3の符号を付したものが受光器18dの受光素子を表す。受光素子の総数は、上述した検知スポットの開口幅方向の配置数と等しい12個である。
【0022】
これら受光器18a乃至18dの前面には、ドア開口幅方向の異なる位置からの光を同じ受光器に集光する光学素子、例えばシリンドリカルレンズ24a乃至24dがそれぞれ配置されている。シリンドリカルレンズ24aの働きによって、受光器18aの受光素子A1には、図3にA1の符号を付した枠内の6つの検知スポットからの反射光が入射する。同様に、受光素子A2には、シリンドリカルレンズ24aの働きによって、図3にA2の符号を付した枠内の6つの検知スポットからの反射光が入射する。A3には、シリンドリカルレンズ24aの働きによって、図3にA3の符号を付した枠内の6つの検知スポットからの反射光が入射する。以下、同様に、シリンドリカルレンズ24b乃至24dによって、受光素子B1乃至D3には、図3にB1乃至D3の符号を付した枠内の6つの検知スポットの反射光が入射される。なお、各検知スポットは、検知されない領域が発生しないように所定の密度で、配置されている。なお、各検知スポットから構成される検知エリアの範囲は、少なくともドアが開いているときに安全ガイドラインを満たすように設定されていれば、ドアが閉じているときと開いているときとで異なっていても構わない。
【0023】
検知部14の物体検知手段26が、投光部16及び受光部18を制御して、図5に示すように、検知エリア22a乃至22dへの投受光を行う(ステップS2)。
【0024】
具体的には、投光器16a、16bの18個の投光素子は、時分割的に1つだけ順に投光することを繰り返す。即ち、図2に示すように、符号1が付されたものから符号18が付されたものまで1つだけ順に投光することを繰り返す。各受光器18a乃至18dの各受光素子A1乃至D3も、投光器16a、16bの18個の投光素子の投光に同期して、受光素子A1、B1、A2、B2、A3、B3、C1、D1、C2、D2、C3、D3の順に1つだけ受光可能となることを繰り返す。
【0025】
これによって、まず、受光素子A1が、検知エリア22aの符号1が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子B1が、同検知エリア22aの符号2が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子A2が、検知エリア22aの符号3が付された検知スポットの反射光を受ける。次に、受光素子B2が検知エリア22bの符号1が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子A3が検知エリア22bの符号2が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子B3が検知エリア22bの符号3が付された検知スポットの反射光を受ける。受光素子C1が、検知エリア22cの符号1が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子D1が検知エリア22cの符号2が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子C2が検知エリア22cの符号3が付された検知スポットの反射光を受ける。受光素子D2が、検知エリア22dの符号1が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子C3が検知エリア22dの符号2が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子D3が検知エリア22dの符号3が付された検知スポットの反射光を受ける。
【0026】
再び、受光素子A1が、検知エリア22aの符号4が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子B1が、同検知エリア22aの符号5が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子A2が、検知エリア22aの符号6が付された検知スポットの反射光を受ける。次に、受光素子B2が検知エリア22bの符号4が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子A3が検知エリア22bの符号5が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子B3が検知エリア22bの符号6が付された検知スポットの反射光を受ける。受光素子C1が、検知エリア22cの符号4が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子D1が検知エリア22cの符号5が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子C2が検知エリア22cの符号6が付された検知スポットの反射光を受ける。受光素子D2が、検知エリア22dの符号4が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子C3が検知エリア22dの符号5が付された検知スポットの反射光を受け、受光素子D3が検知エリア22dの符号6が付された検知スポットの反射光を受ける。
【0027】
以下、同様にして、合計72個の検知スポットの光が、受光器18a乃至18dの各受光素子A1乃至D3によって受光されることが繰り返される。
【0028】
次に、物体検知手段26が、検知スポット毎に物体検知判定を行う(ステップS4)。 検知エリア22a乃至22d内に通行者が存在するとき、各検知スポットのうちいずれか複数の連続するもの、または単一のものに投光される光は通行者によって反射または吸収されており、受光器18a乃至18dの受光素子A1乃至D3の受光量は、通行者がいないときと比べて異なるものとなっている。この得られた受光量を、物体検知手段26において予め定めた閾値と比較することによって、いずれの検知スポットで通行者が検知されているかが判明する。この検知情報は、演算部28に供給される。なお、演算部28と物体検知手段26とは、例えばCPUと、CPUで実行されるプログラムを記憶した記憶手段、例えばメモリによって実現できる。
【0029】
次に、演算部28の領域認識手段30が、物体を検知している領域を特定する(ステップS6)。具体的には、図6(a)に示すように、まずラベリングが行われる(ステップS8)。ラベリングでは、同図(b)に示すように、通行者を検知したと判定された各検知スポットのうち、つながっている全ての検知スポット(連結検知スポット)に同じラベルが付けられ、異なった連結検知スポットには異なったラベルが付けられる。同図(b)では、領域1、領域2、領域3、領域4がラベリングによって得られた4つの連結検知スポットを示している。次に、所定面積以下(領域の検知スポット数が所定数以下)の領域が削除される(ステップS10)。削除が行われるのは、所定面積以下の領域が通行者を検知していない可能性が高いからである。例えば、所定面積を3検知スポット分の面積と設定すると、同図(b)に示す1検知スポット分の面積である領域3、2検知スポット分の面積である領域4とが削除され、領域1、2が物体を検知している領域と認識される。ステップS10の処理の終了によって領域認識手段30による領域特定が終了する。
【0030】
次に、演算部28のスポット判断手段32によって通行者ありか、通行者無しかの判断が、特定された領域ごとに行われる(ステップS12)。具体的には、図7(b)に示すように、ドアパネル12、12の中央に最も接近した連続する複数、例えば4つの検知スポットが即時判定エリアと予め設定され、この即時判定エリアの周囲を取り囲むように複数の継続判定エリアが予め設定されている。そして、同図(a)に示すように、即時判定エリア内の検知スポットのうち1つでも、領域認識手段30によって認識された領域に属しているか判断される(ステップS14)。この判断の答えがイエスであると、通行者がドアパネル12、12の非常に近傍に位置している、すなわちドアパネル12、12が開くのを通行者が待っていると判断されるので、通行者ありと判断される(ステップS16)。ステップS14の判断の答えがノーの場合、継続判定エリア内の1つの検知スポットでも、領域認識手段30によって認識された領域に属しているか判断される(ステップS18)。この判断の答えがノーであると、継続判定エリア及び即時判定エリアには、通行者がいないと判断されるので、このスポット判断が終了する。ステップS18の判断の答えがイエスの場合、継続判定エリア内の検知スポットが、領域認識手段30によって認識された領域に属してから、予め定めた時間が経過しているか判断される(ステップS20)。この判断の答えがイエスの場合、ドアパネル12の近傍で所定時間以上停止している通行者が存在すると判断可能であるので、ステップS16によって通行者ありと判断し、このスポット判断が終了する。
【0031】
このようにスポット判断手段32によって通行者ありと判断されると、図4に示すように、演算部28から、ドアコントローラ34に通行者が存在することを示す信号を出力する(ステップS22)。これによって、ドアパネル12、12が開かれる。なお、ステップS22が終了すると、再びステップS2が実行される。ステップS22が出力手段に該当する。
【0032】
スポット判断手段32によって通行者無しと判断されると、演算部28の領域位置特定手段36が各領域の位置を特定する(ステップS24)。具体的には、まず図8(a)に示すように、各領域の図心が算出される(ステップS26)。例えば、同図(b)に示すように、領域1を構成している各検知スポットの図心が算出される。次に、各領域における自動ドア用センサ2に近い所定エリアの図心が算出される(ステップS28)。例えば所定エリアを4検知スポット分とすると、領域1において自動ドア用センサに近い4検知スポット(同図(b)において破線で囲んだ領域内の4検知スポット)の図心位置が算出される。次に、同図(b)に示すように、自動ドア用センサ2と、領域、例えば領域1の図心とを、繋ぐ直線が引かれ、自動ドア用センサ2の位置を中心とし、自動ドア用センサ2と上記所定エリアの図心との距離rを半径とする円が描かれ、この円と、前記直線との交点が算出される(ステップS30)。この交点位置が通行者の位置と設定される(ステップS32)。即ち、領域1の図心よりも自動ドア用センサ2側にずらした位置を通行者の位置、即ち領域の重心と設定している。他の領域についても同様に行われる。
【0033】
同図(c)に示すように、無目6に自動ドア用センサ2を取り付けていると、投光部16及び受光部18は、床面側を向くように斜めに設けられている。そのため、領域認識手段30によって認識された領域には、自動ドア用センサ2とは反対側にできた影が含まれている。この影を含めた状態で算出された領域の図心を、そのまま通行者位置と設定すると、その通行者位置は誤差(本来の通行者の位置よりも自動ドア用センサ2から遠い位置を通行者位置とした誤差)を含むことになる。そこで、例えば、通行者の大きさとして通常考えられる大きさを基に、領域位置特定手段36が特定した領域内において自動ドア用センサ2に近い位置に上記所定エリアを設定して、その所定エリアの図心を求める。但し、この所定エリアから自動ドア用センサ2を見た方向は、実際に通行者から自動ドア用センサ2を見た方向とは、ずれている可能性がある。ところが、通行者の影を含んだ領域から自動ドア用センサ2を見た方向は、同図(b)から明らかなように、正しく通行者から自動ドア用センサ2を見た方向と一致している。そこで、所定エリアの図心の位置を、通行者の影を含んだ領域から自動ドア用センサ2に引いた直線上に移動させることによって、自動ドア用センサ2に対して正しい方向性を持たせている。なお、所定エリアは、通行者の大きさとして通常考えられる大きさを基に4検知スポットとし、処理の過程においてこの4検知スポットの図心を算出することで、平均化による位置の安定性を確保しているが、通行者の位置に連動するものであれば、4検知スポットの図心算出に限られない。
【0034】
図9(a)乃至(c)に領域位置特定手段36の他の例の1を示す。この例の領域位置特定手段36は、自動ドア用センサ2が天井に取り付けられている場合に適用するもので、図8に関連して説明したような影が、認識された領域に含まれない場合である。そのため、同図(a)に示すように領域の図心の算出が行われる(ステップS34)。同図(c)は、領域1の重心を示しており、この場合、領域1の重心は領域1の図心と一致している。次に、算出した図心位置を領域における通行者位置に設定する(ステップS36)。なお、同図(b)に示すように、複数の領域が認識されている場合には、全ての領域に対してステップS34、S36の処理が行われる。
【0035】
図10(a)乃至(c)に領域位置特定手段36の他の例2を示す。この例の領域位置特定手段36を使用する場合には、自動ドア用センサ2は、無目6に取り付けられている。各領域における自動ドア用センサ2に近い所定エリアの図心が算出される(ステップS38)。所定エリアを、例えば4検知スポット分とすると、領域1において自動ドア用センサに近い4検知スポット(同図(c)において破線で囲んだ領域内の4検知スポット)の図心位置が算出される。この図心位置を通行者の位置に設定する(ステップS40)。所定エリアは図8に関連して説明したのと同様に、人の大きさを基に定められるものであるので、所定エリアの重心が通行者の位置(=通行者の重心位置)に近い可能性が高い。よって、比較的正確かつ簡便に、領域における人の位置を算出することができる。なお、同図(b)に示すように、複数の領域が特定されている場合には、各領域に対して上述した処理が行われる。
【0036】
図11(a)乃至(c)に領域位置特定手段36の他の例3を示す。この例の領域位置特定手段を使用する場合には、自動ドア用センサ2は、無目6に取り付けられている。各領域における自動ドア用センサ2に近い所定エリアの図心ではなく、同図(c)に破線で囲んで示すように、ドアパネル12、12に近い所定エリアの図心が算出される(ステップS42)。算出した図心位置が領域における通行者位置に設定される(ステップS44)。この所定エリアは人の大きさを基に定められるものであり、所定エリアの図心位置が通行者の位置(=人の重心位置)に近い可能性が高い。またドア位置(=ドア平面)に基づいて判断するため、簡便でありながら、比較的正確に領域における通行者の位置を算出することができる。なお、同図(b)に示すように、複数の領域が認識されている場合には、全ての領域に対してステップS42、S44の処理が行われる。
【0037】
図12(a)乃至(c)に領域位置特定手段36の他の例4を示す。この例の領域位置特定手段36を使用する場合には、自動ドア用センサ2は、無目6に取り付けられている。この領域位置特定手段36でも、同図(a)に示すように各領域の図心が算出される(ステップS46)。次に、同図(c)に破線で囲んで示すように、自動ドア用センサ2に近い側であって、領域に隣接する領域外を含む所定エリアの図心が算出される(ステップS48)。次に、同図(c)に示すように、自動ドア用センサ2と、領域、例えば領域1の図心とを、繋ぐ直線が引かれ、自動ドア用センサ2の位置を中心とし、自動ドア用センサ2と上記所定エリアの図心との距離Rを半径とする円が描かれ、この円と、前記直線との交点が算出される(ステップS50)。この交点位置が通行者の位置に設定される(ステップS52)。
【0038】
通行者の位置の算出の原理は概ね図8の場合と同様であるが、図8の場合に比べ、検知スポットの感度を下げた場合であっても、所定エリアに含まれているけれども領域に含まれていない検知スポットも含めて、所定エリアの図心位置を算出しているので、適切にドアを開けることができる。なお、同図(b)に示すように、複数の領域が認識されている場合には、全ての領域に対してステップS46、S48、S50、S52の処理が行われる。
【0039】
図13(a)乃至(c)に領域位置特定手段36の他の例5を示す。この例の領域位置特定手段36を使用する場合、自動ドア用センサ2は、無目6に取り付けられている。この領域位置特定手段36も、図10に示したものと同様に各領域における自動ドア用センサ2に近い所定エリアの図心が算出される(ステップS54)。但し、所定エリアは、同図(c)に破線で囲んで示すように、領域に隣接する領域外の検知スポットも含むものである。この算出された所定エリアの図心位置が、領域における通行者位置に設定される(ステップS56)。このようにすると、所定エリアに含まれているが領域に含まれていない検知スポットも含めて所定エリアの図心位置を算出しているので、図10の場合に比べて、検知スポットの感度を下げた場合であっても、すなわち物体検知手段26において予め定めた閾値をあげた場合であっても、適切にドアを開閉することができる。感度を下げるのは、ノイズ対策などのために、通行者を検知しにくくするためである。なお、同図(b)に示すように、複数の領域が認識されている場合には、全ての領域に対してステップS54、S56の処理が行われる。
【0040】
図14(a)乃至(c)に領域位置指定手段36の他の例の6を示す。この例の領域位置指定手段36を使用する場合、自動ドア用センサ2は、無目6に取り付けられている。この例の領域位置指定手段36も、図11に示したものと同様に、ドアに近い領域内の所定エリアの図心を算出している(ステップS58)。但し、所定エリアは、同図(c)に破線で囲んで示すように、ドアパネル12、12に近い側であって、領域に隣接する領域外の検知スポットも所定エリアに含むものである。次に算出した図心位置が領域における通行者位置に設定される(ステップS60)。このようにすると、所定エリアに含まれているけれども領域に含まれていない検知スポットも含めて、所定エリアの図心位置を算出しているので、図11の場合に比べて、検知スポットの感度を下げた場合であっても、適切にドアを開閉することができる。なお、同図(b)に示すように、複数の領域が認識されている場合には、全ての領域に対してステップS58、S60の処理が行われる。
【0041】
上述したように領域位置指定手段36によって通行者の位置が指定されると、演算部28の通行者同定手段36によって、図5に示すように、現在の通行者の位置と過去の通行者の位置との対応付けが行われる(ステップS62)。具体的には、図15に示すように、現在の通行者位置から所定範囲内に、過去に得られた通行者位置が存在するか判断する(ステップS64)。この判断の答えがノーの場合、この処理を終了し、図示していないが、ステップS2が再び実行される。ステップS64の判断の答えがイエスの場合、現在の通行者位置に最も近いものを含む通行者位置と、現在の通行者位置とが関連づけられ、この処理を終了する(ステップS66)。なお、この関連づけは、複数の通行者位置が指定されていると、各通行者位置に対してそれぞれ行われる。
【0042】
関連づけが行われると、次に演算部28の通行者速度算出手段40が、各通行者の移動速度と移動方向を算出する(ステップS68)。具体的には、図16に示すように、現在対象としている通行者と同じ通行者の過去の通行位置と、現在対象としている通行者の現在の位置から、移動速度と移動方向を算出する(ステップS70)。
【0043】
このようにして通行者の移動速度と移動方向とが算出されると、演算部28の通行者立ち止まり判定手段42によって、図5に示すように通行者が立ち止まっているか判断される(ステップS72)。具体的には、図17に示すように、算出された通行者位置の移動速度が予め定めた所定値以下であるか判断される(ステップS74)。この判断の答えがノーの場合、立ち止まっている通行者は無いと判断され(ステップS76)、この処理を終了する。ステップS74の判断の答えがイエスの場合、立ち止まっている通行者が存在する可能性があるので、その算出された通行者位置は、予め定めた所定時間以上、検知エリア内の所定エリア、例えばドアパネル12、12の近傍内にとどまっているか判断される(ステップS78)。この所定エリアは、ドア開口10の幅に応じて設定され、上述した継続判定エリア及び即時判定エリアを内部に含んで設定されていてもかまわない。このステップS78の判断の答えがイエスの場合、立ち止まり通行者有りと判断され(ステップS80)、この処理が終了される。ステップS78の判断の答えがノーの場合、ステップS76が実行されて、立ち止まり通行者無しと判断される。
【0044】
ステップS72において立ち止まり通行者あり、すなわちドア開口10を通過したい通行者がいる可能性が高いと判断されると、図5に示すように、ステップS22が実行されて、自動ドアコントローラ34に、通行者が存在することを示す信号が出力される。従って、所定エリア、例えばドアパネル12、12の近傍以外の場所で立ち止まっていても、ドア開口10を通過したい通行者はいないものとして、ドアパネル12、12が開かれることはなく、環境負荷を低減させることができる。
【0045】
ステップS72において立ち止まり通行者無しと判断されると、演算部28の通行者移動判断手段44が、移動している通行者が存在するか判断する(ステップS82)。具体的には、図18に示すように、算出された通行者位置、速度及び方向から、予め定めた所定時間後に、その通行者がドア開口を通過することが予測されるか判断する(ステップS84)。この判断の答えがイエスの場合、通行者ありと判断され(ステップS86)、この処理が終了される。また、この判断の答えがノーの場合、通行者なしと判断され(ステップS88)、この処理が終了する。
【0046】
ステップS82において、通行者無しと判断されると、ステップS2が再び実行される。また、ステップS82において、通行者ありと判断されると、ステップS22が実行されて、自動ドアコントローラ34へ通行者が存在することを示す信号が出力され、その後、ステップS2が再び実行される。このように所定時間後にドア開口を通過することが予測される場合のみにドアパネル12、12を開くようにしているので、例えば固定壁8に向かって移動しようとしている通行者がいても、ドアパネル12、12は開放されることない。
【0047】
上記の実施形態では、2つのドアパネル12、12が、固定壁8、8側及びドア開口12の中央側に向かってそれぞれスライドしたが、1つだけドアパネルを設け、このドアパネルがドア開口10が開いている状態において、一方の固定壁8側から他方の固定壁8側にスライドしてドア開口10を閉じ、閉じた状態から1つのドアパネルが他方の固定壁8側から一方の固定壁8側にスライドしてドア開口10を開いてもよい。また、上記の実施形態では、投光部16及び受光部18は、検知スポットの数よりも少ない数の投光素子及び受光素子によって構成したが、検知スポットの数と等しい数の投光素子及び受光素子によって構成することもできる。また、上記の実施形態では、投光部16及び受光部18によって検知部14を構成したが、人体等が発する赤外線を受光する焦電センサを受光素子とする受光部のみによって検知部14を構成することもできる。上記の実施形態では、スポット判断手段32を設けたが、場合によっては、除去することもできる。上記の実施形態では、ドアを開くときを例にとって説明したが、ドアが開いているときも適用できることはいうまでもない。この場合、通行者がいるかぎり、ドアは開状態を維持されるが、単にドアの前を横切る者がいるだけの場合、ドアは閉動作を開始することになる。また、検知部14と演算部28とが一つの筐体に納められていても良いし、検知部14と演算部28とが独立してそれぞれ筐体に納められ、検知部14と演算部28とは、例えばCANバス等のデータバスで検知指令や検知情報等の各種情報をやり取りするように構成されていても良い。この場合、検知部14だけ外部に露出させ、演算部28を無目内部に配置させることができるので、自動ドアセンサ2が目立たず、外観に与える影響を最小限に抑えることができる。更にこの場合において検知部14から自動ドアコントローラに物体検知手段26による検知スポット毎の物体検知判定の結果を検知結果として出力する機能を付加すれば、通行者の移動方向等を判断するまでもなく、単に通行者の存在のみ検知できれば良い場合と、本願のように通行者の移動方向等まで判断する必要がある場合とで、検知部14を共用できるようになり、在庫管理等の手間が省ける。また検知部14のみ設置し、必要に応じて、後日、演算部28を追加することもでき、通行量等の設置環境の変化への対応が容易となるほか、既設の自動ドアセンサを取り外して廃棄する必要も無いため、地球環境に与える影響を最小限に抑えることもできる。
図1
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