(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係るテーブルタップ1の外観図である。
【0013】
このテーブルタップ1は、コンセントプラグ2、電源コード3、下部筐体5、及び上部筐体6を備える。
【0014】
このうち、上部筐体6には、コンセントプラグ7に対応して複数のプラグ差込部1aが設けられる。コンセントプラグ7は、外部の電気機器が備えるものであって、第1のプラグ刃8、第2のプラグ刃9、及びアース端子10を有する。
【0015】
そして、上記の各プラグ差込部1aには、第1のプラグ刃8が挿入される第1の挿入口6aと、第2のプラグ刃9が挿入される第2の挿入口6bと、アース端子10が挿入される第3の挿入口6cが設けられる。
【0016】
このようなテーブルタップ1においては、壁面等にある既設コンセントにコンセントプラグ2を差し込むことで、既設コンセントの電源電圧が各プラグ差込部1aに供給されることになる。
【0017】
図2は、各筐体5、6を取り外したときのテーブルタップ1の外観図である。
【0018】
図2に示されるように、テーブルタップ1には第1〜第3のバスバー11〜13が設けられる。これらのバスバー11〜13は、例えば、真鍮板等の金属板を型抜きしてそれを曲げ加工して作製され得る。
【0019】
各バスバー11〜13のうち、第1のバスバー11と第2のバスバー12は、それぞれ第1の電源線と第2の電源線として供されるものであり、電源コード3(
図1参照)を介してそれぞれ交流電源ACの両極A
+、A
-に電気的に接続される。そして、第3のバスバー13は電源コード3を介して接地電位に維持される。
【0020】
また、第1のバスバー11は、コンセントプラグ7の第2のプラグ刃9を受容する複数の第1のコンタクト11aを有する。
【0021】
一方、第2のバスバー12は、その延在方向に沿って一定間隔で挟持片12aを有する。
【0022】
挟持片12aの各々は分岐バー17を挟持しており、その分岐バー17の端部には一対の第2のコンタクト17aが設けられる。
【0023】
第2のコンタクト17aは、既述の第1のコンタクト11aと対をなしており、コンセントプラグ7の第1のプラグ刃8を受容する。
【0024】
そして、第3のバスバー13は、コンセントプラグ7のアース端子10を受容する複数の第3のコンタクト13aを有する。
【0025】
各分岐バー17の下方には第1の回路基板20が設けられる。
【0026】
第1の回路基板20には、分岐バー17からコンセントプラグ7に供給される電流を測定する複数の電流測定部30が設けられる。
【0027】
図3は、電流測定部30とその近傍の拡大斜視図である。
【0028】
電流測定部30は、分岐バー17の各々に対応して第1の回路基板20に固着された磁性体コア21を有する。磁性体コア21は、分岐バー17を流れる電流の周囲に発生する磁界を収束すべく形成され、その磁界の経路に沿って概略リング状に形成される。磁性体コア21の材料は特に限定されないが、本実施形態では入手が容易なフェライトを使用する。
【0029】
また、電流測定部30は、磁性体コア21のギャップ21a内に設けられたホール素子22を有する。そのホール素子22は、ギャップ21a内の磁界の強さから分岐バー17を流れる電流の瞬時値I(t)を測定するのに使用され、はんだ付け等によって第1の回路基板20上に実装される。
【0030】
電流測定部30は、このように第1の回路基板20に磁性体コア21やホール素子22を取り付けるだけで作製することができるので、テーブルタップ1の部品点数や組み立てコストの増大を抑制できる。
【0031】
図4は、ホール素子22の回路図である。
【0032】
図4に示されるように、ホール素子22は、ガリウム砒素系の感磁部23と作動増幅器24とを有する。
【0033】
感磁部23は、電源端子22aと接地端子22bとの間に電圧Vccが与えられた状態で磁界に曝されると、その磁界の強さに応じた電位差ΔVを発生する。その電位差ΔVは、差動増幅器24において増幅された後、出力端子22cから電流センサ電圧V
sとして外部に出力される。
【0034】
図5は、ホール素子22の平面図である。
【0035】
図5に示すように、感磁部23は、感磁面P
Mの面内に位置するように、樹脂26によって封止される。そして、ホール素子22は、感磁部23を貫く磁界のうち、感磁面P
Mに垂直な成分を検出し、その成分の大きさに相当する電流センサ電圧V
sを上記の出力端子22cから出力する。
【0036】
なお、各端子22a〜22cは、はんだ付け等により、第1の回路基板20(
図3参照)内の配線と電気的に接続される。
【0037】
上記のようなホール素子22は、カレント・トランスのような他の磁界測定素子と比較して素子の大きさが小さいので、テーブルタップの大型化を招くおそれがない。
【0038】
更に、カレント・トランスは、磁界の時間的変動に伴って発生する誘導電流を利用して磁界の大きさを測定するため測定対象が交流磁界に限定されてしまうが、ホール素子22は静磁界の強さも測定できるという利点がある。
【0039】
また、ホール素子22は、カレント・トランスと比較して安価であるため、テーブルタ
ップの高コスト化を防止できる。
【0040】
図6は、ホール素子22の感磁面P
Mと分岐バー17との位置関係について説明するための斜視図である。
【0041】
感磁面P
Mは、分岐バー17の延在方向D
1に平行になるように設定される。このようにすると、分岐バー17を流れる電流から発生する磁界H
1が感磁面P
Mを略垂直に貫くようになり、ホール素子22の電流検出感度が向上する。
【0042】
また、本実施形態では、分岐バー17の延在方向D
1を第2のバスバー12の延在方向D
2と非平行にしたので、第2のバスバー12で発生した磁界H
2が感磁面P
Mを垂直に貫くことがない。よって、分岐バー17で発生した磁界H
1を測定すべく設けられたホール素子22が、第2のバスバー12で発生した磁界H
2を誤って検出する危険性を低減できる。これにより、ホール素子22の磁界検出結果にH
1以外の磁界の影響が含まれるクロストークを防止でき、ホール素子22による磁界H
1の測定精度が向上する。
【0043】
特に、分岐バー17の延在方向D
1を第2のバスバー12の延在方向D
2に垂直にすると、感磁面P
Mも延在方向D
2に垂直になる。そのため、第2のバスバー12で発生した磁界H
2が感磁面P
Mに垂直な成分を有さなくなり、ホール素子22がその磁界H
2を誤って検出する危険性を更に低減できる。
【0044】
図7は、上部筐体6を外した状態でのテーブルタップ1の外観図である。
【0045】
図7に示すように、下部筐体5には、第2の回路基板25を収容する送信回路部27が区画される。
【0046】
第1の回路基板20と第2の回路基板25の各々にはコネクタ35、36が設けられ、これらのコネクタ35、36には通信ケーブル37が接続される。
【0047】
通信ケーブル37は、電源コード3から取り込まれた各ホール素子22(
図3参照)の駆動に必要な電力を第1の回路基板20に供給したり、各ホール素子22の出力信号を第
2の回路基板25に送信したりする機能を有する。
【0048】
図8は、送信回路部27の機能ブロック図である。
【0049】
図8に示すように、送信回路部27は、ADコンバータ32、演算部33、出力ポート34、電圧測定部50、及び温度測定部60を有する。
【0050】
このうち、ADコンバータ32は、各ホール素子22から出力されたアナログ値の電流センサ電圧V
sをデジタル化してデジタル電流信号V
IDを生成し、それを演算部33に出力する。
【0051】
演算部33は、例えばMPU(Micro Processing Unit)であり、後述のようにプラグ差込部1aの各々の消費電力値を算出する。その算出結果は、出力データS
outとして演算部33から出力された後、演算部33と電気的に接続された出力ポート34を介して外部に出力される。
【0052】
また、温度測定部60は、電圧測定部50の周囲の温度を測定するものであり、一端に電圧Vccが印加されたサーミスタ61を備える。電圧Vccの印加によりサーミスタ61には温度センサ電流I
Tが流れるが、その温度センサ電流I
Tの大きさは周囲の温度により変化し、サーミスタ61の他端に現れる温度センサ電圧V
Tも変わる。その温度センサ電圧V
Tを監視することで周囲の温度を把握することができる。
【0053】
その温度センサ電圧V
Tは、上記のADコンバータ32によりデジタル化され、デジタル温度信号V
TDとして演算部33に出力される。
【0054】
一方、電圧測定部50は、第1のフォトカプラ41、第2のフォトカプラ42、第1のインバータINV
1、及び第2のインバータINV
2を備える。
【0055】
このうち、第1のフォトカプラ41は、第1の発光ダイオード41aとその光を受光する第1のフォトトランジスタ41bとを備え、第1の発光ダイオード41aのカソードが第2のバスバー12に電気的に接続される。また、第1の発光ダイオード41aのアノードは、第1の抵抗R
1を介して第1のバスバー11と電気的に接続される。
【0056】
その第1の抵抗R
1は、各バスバー11、12から第1の発光ダイオード41aに過大電流が流れるのを防止するように機能する。
【0057】
第1のフォトトランジスタ41bのエミッタには第3の抵抗R
3を介して電圧Vccが印加され、第1のフォトトランジスタ41bのコレクタは接地電圧に維持される。
【0058】
これらエミッタ−コレクタ間にはエミッタ電流I
eが流れるが、そのエミッタ電流I
eの大小により第3の抵抗R
3での電圧降下量が変わり、エミッタ電圧V
eも変わる。
【0059】
例えば、第1のフォトカプラ41がオフ状態の場合には第1のフォトトランジスタ41bがオフ状態となるため、第3の抵抗R
3にはエミッタ電流I
eが流れず、エミッタ電圧V
eは電圧Vccと同じハイレベルとなる。
【0060】
一方、第1のフォトカプラ41がオン状態の場合には第1のフォトカプラ41bがオン状態になる。そのため、第3の抵抗R
3にエミッタ電流I
eが流れるようになり、エミッタ電圧V
eは第3の抵抗R
3での電圧降下量分だけ電圧Vccよりも低くなり、ローレベルとなる。
【0061】
そのようなエミッタ電圧V
eは、後段の第1のインバータINV
1において電圧レベルが反転されて第1の出力信号S
1となる。
【0062】
ここで、第1のフォトカプラ41は、第1の発光ダイオード41aに印加される順電圧が正の第1の閾値V
1を超えた場合にオン状態となるように設定される。そのため、第1の出力信号S
1の電圧レベルを監視することで、各バスバー11、12間の電源電圧の瞬時値V(t)が第1の閾値V
1を超えたか否かを判断できる。
【0063】
なお、第1のインバータINV
1は、電圧Vccと接地電位との間で駆動する。電圧Vccの入力ノードには第1のキャパシタC
1の一方の電極が接続され、これにより第1のインバータINV
1に入力される電圧Vccが安定化する。
【0064】
一方、第2のフォトカプラ42は、第2の発光ダイオード42aとその光を受光する第2のフォトトランジスタ42bとを備え、第2の発光ダイオード42aのカソードが第1のバスバー11に電気的に接続される。また、第2の発光ダイオード42aのアノードは、第2の抵抗R
2を介して第2のバスバー12と電気的に接続される。
【0065】
第2のフォトカプラ42とその後段の第2のインバータINV
2の各機能は、上記した第1のフォトカプラ41と第1のインバータINV
1の各機能に類似している。
【0066】
例えば、第2のフォトカプラ42がオフ状態のときは、エミッタ電圧V
eが電圧Vccと同様にハイレベルとなり、それを反転したローレベルの電圧が第2のインバータINV
2から第2の出力信号S
2として出力される。
【0067】
そして、第2のフォトカプラ42がオン状態のときは、第4の抵抗R
4における電圧降下が原因でエミッタ電圧V
eが電圧Vccよりも低くなり、第2の出力信号S
2がハイレベルになる。
【0068】
なお、第2のインバータINV
2においても、電圧Vccの入力ノードに設けられた第2のキャパシタにより、電圧Vccの安定化が図られる。また、第2のフォトカプラ42の前段に第2の抵抗R
2を設けることで、各バスバー11、12から第2の発光ダイオード42aに過大電流が流れるのを防止することができる。
【0069】
上記の第2のフォトカプラ42は、第2の発光ダイオード42aに印加される順電圧が正の第2の閾値V
2を超えた場合にオン状態となるように設定される。そのため、第2の出力信号S
2の電圧レベルを監視することで、各バスバー11、12間の電源電圧の瞬時値V(t)が第2の閾値V
2を超えたか否かを判断できる。
【0070】
更に、本実施形態では、各フォトダイオード41a、42aをそれぞれ逆の極性で各バスバー11、12に電気的に接続するので、瞬時値V(t)の正側を第1のフォトダイオード41aで監視し、瞬時値V(t)の負側を第2のフォトダイオード42aで監視できる。
【0071】
また、第1のフォトカプラ41は、その入力側と出力側とが電気的に隔離されているので、サージにより瞬時値V(t)が大きく変動しても出力側の第1のフォトダイオード41bが破損する危険性が少ない。これと同様の理由で第2のフォトカプラ42もサージで破損する危険性が少ない。
【0072】
これにより、本実施形態では、電圧測定部50のサージ耐性を高めることができる。
【0073】
次に、上記した送信回路部27の詳細な動作について説明する。
【0074】
図9は、上記した第1の出力信号S
1、第2の出力信号S
2、及び電源電圧の瞬時値V(t)のタイミングチャートである。なお、
図9では、第1の出力信号S
1と第2の出力信号S
2とを合成した合成信号S
3も併記してある。
【0075】
また、電源電圧V(t)は、第1のバスバー11と第2のバスバー12の電位が同じときを0とし、第1のバスバー11の電位が第2のバスバー12よりも高いときを正としている。
【0076】
図9に示されるように、第1の出力信号S
1は、電源電圧の瞬時値V(t)が第1の閾値V
1を超えたときにハイレベルとなる。
【0077】
一方、第2の出力信号S
2は、瞬時値V(t)が第2の閾値V
2よりも低くなったときにハイレベルとなる。
【0078】
これにより、演算部33は、第1の出力信号S
1がハイレベルのときは瞬時値V(t)が正側にあると認識し、第2の出力信号S
2がハイレベルのときには瞬時値V(t)が負側にあると認識することができる。
【0079】
更に、演算部33は、各出力信号S
1、S
2のいずれか一方が常にローレベルにあるときは、瞬時値V(t)が常に正側と負側のいずれか一方にあると認識でき、電源電圧が太陽電池や直流配電設備から供給された直流電圧であると判断することができる。
【0080】
一方、これらの各信号S
1、S
2を合成してなる合成信号S
3は、各信号S
1、S
2のいずれもがローレベルであるときにローレベルとなる。
【0081】
演算部33は、このような各信号S
1、S
2の特性を利用して、以下のように瞬時値V(t)の値を推定する。
【0082】
図10は、テーブルタップ1の実使用下における瞬時値V(t)と合成信号S
3のタイミングチャートである。
【0083】
図10に示すように、実使用下では各プラグ差込部1a(
図1参照)に接続する外部機器の負荷が原因で瞬時値V(t)のピーク値V
mはV
m(A)、V
m(B)、V
m(C)のように変動する。
【0084】
そして、ピーク値が変動すると、瞬時値V(t)が各閾値V
1、V
2を越えるタイミングも変わるため、合成信号S
3がローレベルとなる期間の長さXもX(A)、X(B)、X(C)のように変動する。
【0085】
そのため、当該期間の長さXは、ピーク値V
mや電源電圧の実効電圧値V
rmsを推定する目安に利用することができる。
【0086】
本実施形態では、その期間の長さXと電源電圧の実効電圧値V
rmsとが線形関係にあるとし、次の式(1)により実効電圧値V
rmsを推定する。
【0087】
【数1】
【0088】
なお、式(1)におけるa、bは、実験的に予め求めておく定数である。
【0089】
このように実効電圧値V
rmsが算出されると、次の式(2)のように電源電圧の瞬時値V(t)を算出することができる。
【0090】
【数2】
【0091】
なお、式(2)において、ωは電源電圧の角振動数であって、テーブルタップ1の使用地域において定められた値を使用し得る。
【0092】
上記では合成信号S
3がローレベルとなる期間の長さXを利用して実効電圧値V
rms(式1)や瞬時値V(t)(式2)を計算したが、本実施形態はこれに限定されない。
【0093】
例えば、
図10に示されるように、ピーク値V
mが変動すると、第1の出力信号S
1がローレベルである期間の長さX
0もX
0(A)、X
0(B)、X
0(C)のように変わるので、当該長さX
0を利用して実効電圧値V
rmsや瞬時値V(t)を推定してもよい。
【0094】
その場合、期間の長さX
0と電源電圧の実効電圧値V
rmsとが線形関係にあると仮定し、次の式(3)により実効電圧値V
rmsを推定し得る。
【0095】
【数3】
【0096】
式(3)において、α、βは、実験的に予め求めておく定数である。
【0097】
式(3)を式(2)の中辺に代入することで、次の(4)式のように瞬時値V(t)を推定し得る。
【0098】
【数4】
【0099】
本実施形態では、式(2)や式(4)のように瞬時値V(t)を求め、それを後述のように電力値の計算に使用する。瞬時値V(t)や実効電圧値V
rmsは負荷の状態等により絶えず変動するので、このように実際に瞬時値V(t)を求めることで、電力値を正確に求めることができる。
【0100】
特に、インバータINV
1、INV
2(
図8参照)から出力される上記の各出力信号S
1、S
2やそれを合成してなる第3の出力信号S
3は、各フォトカプラ41、42のエミッタ電圧V
eと比較して、そのエッジの立ち上がりと立下りが明確である。そのため、上記の各期間の長さX、X
0を精度良く求めることができ、式(2)や式(4)による瞬時値V(t)の算出精度が向上する。
【0101】
ところで、第1のフォトカプラ41と第2のフォトカプラ42はいずれも半導体素子であるため、周囲の温度が変化するとそれらに設定された第1の閾値V
1や第2の閾値V
2も変動する。
【0102】
図11は、このように第1の閾値V
1や第2の閾値V
2が変動した場合における、瞬時値V(t)と合成信号S
3のタイミングチャートである。
【0103】
図11に示すように、周囲の温度の上昇と共に各閾値V
1、V
2の絶対値は大きくなる。そして、このような各閾値V
1、V
2の変動に伴い、合成信号S
3がローレベルにある期間の長さXも変動する。
【0104】
こうなると、その長さXを利用して式(1)から得られる実効電圧値V
rmsや式(2)から得られる瞬時値V(t)の信頼性が低下してしまう。
【0105】
そこで、本実施形態では、温度測定部60で測定された温度Yを利用して、式(1)の定数aを次の式(5)のように補正する。
【0106】
【数5】
【0107】
なお、式(5)におけるc、dは、実験により予め求めておく定数である。
【0108】
式(5)を式(1)に代入すると次の式(6)が得られる。
【0109】
【数6】
【0110】
この式(6)より、周囲の温度Yを加味した実効電圧値V
rmsを算出することができる。更に、この式(6)を式(5)に代入すると、次の式(7)が得られる。
【0111】
【数7】
【0112】
式(7)より、周囲の温度Yを加味した瞬時値V(t)を算出することができる。
【0113】
なお、式(3)を用いて実効電圧値V
rmsを推定する場合は、式(5)と同じ理由で、式(3)中のαを次の式(8)で補正し得る。
【0114】
【数8】
【0115】
なお、式(8)におけるγ、δは、実験により予め求めておく定数である。
【0116】
そして、式(8)を式(3)に代入することで、次の式(9)のように周囲の温度Yを加味した実効電圧値V
rmsを算出することができる。
【0117】
【数9】
【0118】
更に、この式(9)を式(4)に代入すると、次の式(10)が得られる。
【0119】
【数10】
【0120】
式(10)より、周囲の温度Yを加味した瞬時値V(t)を算出することができる。
【0121】
次に、本実施形態に係る電力測定方法について説明する。
【0122】
図12は、その電力測定の対象となる電源電圧の瞬時値V(t)と電流の瞬時値I(t)のタイミングチャートである。
【0123】
なお、
図12では、電圧と電流の瞬時値V(t)、I(t)の位相が一致している場合を例示しているが、負荷の種類によっては各瞬時値V(t)、I(t)の位相がずれることもある。
【0124】
また、このタイミングチャートには、各ホール素子22から出力されるデジタル電流信号V
IDも併記してある。デジタル電流信号V
IDは、電流の瞬時値I(t)の測定値に対応するものであり、当該瞬時値I(t)と同期している。
【0125】
更に、このタイミングチャートには既述の各信号S
1〜S
3も併記してある。
【0126】
図13〜
図16は、本実施形態に係る電力測定方法について説明するためのフローチャートである。特に断らない限り、これらのフローチャートにおける各ステップは、演算部33が実行するものである。
【0127】
演算部33は、以下のように温度測定(
図13)、電流測定(
図14)、電圧測定(
図15)、及び電力測定(
図16)を行う。
【0128】
図13の最初のステップP1では、演算部33が、所定のサンプリング周波数Fでデジタル温度信号V
TDを取り込む。
【0129】
サンプリング周波数Fは特に限定されない。本実施形態では、演算部33が第1の出力信号S
1の周期T(
図12参照)を認識し、当該周期Tを均等に64分割することにより、サンプリング周波数Fとして64/Tを採用する。
【0130】
次いで、ステップP2に移り、演算部33がデジタル温度信号V
TDに基づいて温度Yを算出する。本ステップは、例えば、予めデジタル温度信号V
TDと温度Yとのテーブルを作成しておき、演算部33がそのテーブルを参照してデジタル温度信号V
TDに対応する温度Yを求めることで実行し得る。
【0131】
次に、ステップP3に移り、既述の式(5)を利用することにより、演算部33が定数aをa=cY+dと補正する。
【0132】
なお、既述のように、式(5)は式(1)で実効電圧値V
rmsを算出するときの補正式である。式(1)ではなく式(3)で実効電圧値V
rmsを算出するときは、式(8)のように演算部33がαをα=γY+δと補正すればよい。
【0133】
以上により、温度測定は終了する。
【0134】
次に、
図14を参照し、電流測定について説明する。
【0135】
最初のステップP10では、上記のサンプリング周波数F(=64/T)で演算部が既述のデジタル電流信号V
IDを取り込む。
【0136】
次に、ステップP11に移り、デジタル電流信号V
IDに基づいて、演算部33が複数のプラグ差込部1a毎に電流Iの瞬時値I(t)を算出する。
【0137】
本ステップは、例えば、予め作成しておいたデジタル電流信号V
IDと瞬時値I(t)とのテーブルを参照し、サンプリング時刻におけるデジタル電流信号V
IDに対応する瞬時値I(t)を読み取ることで実行し得る。
【0138】
次いで、ステップP12に移り、複数のプラグ差込部1a毎に電流Iの実効値I
rmsを算出する。実効値I
rmsは、ステップP11で算出した瞬時値I(t)の最大値を電流のピーク値I
mとして同定し、次の式(11)により計算し得る。
【0139】
【数11】
【0140】
以上により、電流測定を終了する。
【0141】
次に、
図15を参照して、電圧測定について説明する。
【0142】
まず、ステップP20において、テーブルタップ1の使用を開始する。これにより、第1の発光ダイオード41a(
図8参照)の両端に電源電圧が印加されることになる。
【0143】
また、これと同時に、ステップP21において、第2の発光ダイオード41bの両端にも電源電圧が印加される。
【0144】
次いで、ステップP22に移り、演算部33が、第1の出力信号S
1がローレベルである期間の長さX
0(
図12参照)を算出する。
【0145】
そして、ステップP23に移り、合成信号S
3がローレベルである期間の長さX(
図12参照)を算出する。
【0146】
長さXを算出するに際し、演算部33は合成信号S
3を利用する必要はない。例えば、演算部33は、第1の出力信号S
1の上昇エッジと第2の出力信号S
2の下降エッジとの間隔を長さXとして算出し得る。
【0147】
次いで、ステップP24に移り、演算部33が実効電圧値V
rmsを推定する。
【0148】
実効電圧値V
rmsは、ステップP23で求めた期間の長さXを利用して、式(1)からV
rms=aX+bと推定し得る。或いは、ステップP22で求めた期間の長さX
0を利用して、式(3)から実効電圧値V
rmsをV
rms=αX
0+βと推定してもよい。
【0149】
次に、ステップP25に移り、演算部33が電源電圧の瞬時値V(t)を推定する。
【0150】
瞬時値V(t)の推定には、ステップP24で算出した実効電圧値V
rmsを利用する。
【0151】
例えば、ステップP24で式(1)から実効電圧値V
rmsをV
rms=aX+bと算出した場合には、式(2)を利用して瞬時値V(t)をV(t)=√2(aX+b)sin(ωt)と推定し得る。
【0152】
一方、ステップP24で式(3)から実効電圧値V
rmsをV
rms=αX+βと算出した場合には、式(4)を利用して瞬時値V(t)をV(t)=√2(αX
0+β)sin(ωt)と推定し得る。
【0153】
いずれの場合でも、瞬時値V(t)のサンプリング周波数は、ステップP11(
図14参照)で電流Iの瞬時値I(t)を算出した際に使用したサンプリング周波数Fと同一の周波数とされる。また、サンプリング点についても、瞬時値V(t)と瞬時値I(t)とで同じ点が用いられる。
【0154】
以上により、電圧測定を終了する。
【0155】
次に、
図16を参照しながら、電力測定について説明する。
【0156】
まず、最初のステップP30では、演算部33が次の式(12)に基づいてプラグ差込部1a毎の有効電力値Pを算出する。
【0157】
【数12】
【0158】
なお、式(12)において、I(t)はステップP11(
図14参照)で求めた電流の瞬時値であり、V(t)はステップP26(
図15参照)で求めた電圧の瞬時値である。そして、式(12)の被積分関数としては、同一のサンプリング点における各瞬時値I(t)、V(t)の値が用いられる。
【0159】
このように同一のサンプリング点で各瞬時値I(t)、V(t)の積を算出するためには、演算部33により予め瞬時値V(t)のゼロクロス点を求めておくのが好ましい。
【0160】
図12に示すように、各閾値V
1、V
2の絶対値を等しく設定しておけば、ゼロクロス点Qは、各出力信号S
1、S
2が共にローレベルである期間の長さXの中点として求めることができる。
【0161】
そして、そのゼロクロス点Qを始点にして同一のサンプリング周波数Fで各瞬時値I(t)、V(t)のサンプリングを開始すれば、同一のサンプリング点における各瞬時値I(t)、V(t)を求めることができる。
【0162】
なお、このようにゼロクロス点Qを求める場合は、演算部33が隣接するゼロクロス点Qの間隔T
1を算出し、当該間隔T
1の二倍を周期Tとして求めてもよい。このようにすると、負荷が安定せず瞬時値V(t)の波形が不安定な場合でも周期Tを正確に求めることができるので、その周期Tから得られるサンプリング周波数F(=64/T)の正確性が増す。
【0163】
特に、プラグ差込部1aに接続される負荷がAC−DC電源の場合に瞬時値V(t)の波形が不安定になりがちなので、このようにゼロクロス点Qから周期Tを求める実益がある。
【0164】
次に、ステップP31に移り、演算部33が次の式(13)に基づいてプラグ差込部1a毎の皮相電力値Sを算出する。
【0165】
【数13】
【0166】
なお、式(13)において、I
rmsはステップP12(
図14参照)で求めた電流の実効値であり、V
rmsはステップP24(
図15)で求めた実効電圧値V
rmsである。
【0167】
次いで、ステップP32に移り、上記で算出した有効電力値Pと皮相電力値Sとを用いて、演算部が次の式(14)に基づいてプラグ差込部1a毎の力率cosθを算出する。
【0168】
【数14】
【0169】
なお、式(14)において、θは、電圧と電流の各々の実効値V(t)、I(t)の位相差である。
【0170】
以上により、電力測定を終了する。
【0171】
演算部33は、
図13〜
図16の各ステップを行った後、有効電力値P、皮相電力値S、及び力率cosθを含む出力データS
outを出力ポート34(
図8参照)に出力する。
【0172】
出力データS
outの規格は特に限定されず、USB(Universal Serial Bus)規格、有線LAN(Local Area Network)、及び無線LANのいずれかで出力データS
outをフォーマットし得る。
【0173】
更に、その出力データS
outには、電流の瞬時値I(t)、実効電流値I
rms、電源電圧の瞬時値V(t)、及び実効電圧値V
rms等も含ませるのが好ましい。
【0174】
なお、演算部33は、上記の電力測定の他に、次のようにして電源電圧が安定しているかどうかを判断することもできる。
【0175】
図17は、電源電圧の瞬時値V(t)が安定した正弦波である場合の第1の出力信号S
1と第2の出力信号S
2のタイミングチャートである。
【0176】
この場合は、第1の閾値V
1と第2の閾値V
2の各々の絶対値を同じに設定しておけば、第1の出力信号S
1がローレベルである期間の長さX
1と第2の出力信号S
2がローレベルでる期間のX
2の長さが同じになる。
【0177】
一方、
図18は、電源電圧の瞬時値V(t)が不安定な場合の第1の出力信号S
1と第2の出力信号S
2のタイミングチャートである。
【0178】
この例では、電源電圧の瞬時値V(t)の負側のピーク電圧が、正側のピーク電圧よりも低い場合を例示している。
【0179】
この場合は、第1の閾値V
1と第2の閾値V
2の各々の絶対値を同じに設定しておくと、長さX
2が長さX
1よりも長くなる。
【0180】
図17及び
図18のように、長さX
1、X
2は、瞬時値V(t)が安定しているか否かを判断する目安として使用し得る。これを利用して、演算部33は、以下のようにして電源電圧の安定性を判断することができる。
【0181】
図19は、電源電圧が安定しているかどうかを判断する手順について示すフローチャートである。
【0182】
最初のステップP40では、演算部33が、第1の出力信号S
1がローレベルである期間の長さX
1と第2の出力信号S
2がローレベルでる期間のX
2の長さが同じかどうかを判断する。
【0183】
ここで、同じである(YES)と判断された場合には、ステップP41に移り、
図17に示したように瞬時値V(t)は正弦波で安定していると判断する。
【0184】
一方、同じではない(NO)と判断された場合には、ステップP42に移り、
図18に示したように瞬時値V(t)は不安定であると判断する。
【0185】
以上により、この電源電圧の安定性を判断するための基本ステップを終了する。
【0186】
その判断結果は、演算部33が出力データS
outに含ませて出力ポート34(
図8参照)に送信する。
【0187】
次に、このテーブルタップ1を利用した電力測定システムについて説明する。
【0188】
図20は、本実施形態に係る電力測定システム80について説明するための模式図である。
【0189】
テーブルタップ1の使用に際しては、
図20に示すように、壁面コンセント78にプラグ2を差し込む。
【0190】
そして、テーブルタップ1の各プラグ差込部1aに、第1〜第4の電気機器71〜74のコンセントプラグ71a〜74aを差し込む。なお、全てのプラグ差込部1aを電気機器に接続する必要はなく、複数のプラグ差込部1aの中に未使用のものがあってもよい。
【0191】
更に、パーソナルコンピュータ等の電子計算機76とテーブルタップ1の出力ポート34とをUSBケーブル等の信号ケーブル75で接続する。
【0192】
このようにすると、既述の出力データS
outを介して、電気機器71〜74の各々における有効電力値P、皮相電力値S、及び力率cosθが電子計算機76に取り込まれる。
【0193】
これらの有効電力値P、皮相電力値S、及び力率cosθは、電気機器71〜74毎にモニタ77に表示される。
【0194】
ユーザは、モニタ77を監視することにより、各電気機器71〜74においてどの程度の電力が消費されているかをリアルタイムに把握することができ、省エネルギ化のために各電気機器71〜74の電力を低減すべきかどうかの判断材料を得ることができる。
【0195】
なお、ユーザの便宜に資するため、出力データS
outを利用してモニタ77に電源電圧の瞬時値V(t)や実効電圧値V
rmsを表示してもよいし、各プラグ差込部1aから供給されている電流の瞬時値I(t)や実効電流値I
rmsを表示してもよい。
【0196】
また、電子計算機76内にデータベース76aを設け、そのデータベース76aに各電器機器71〜74の所定期間内における総電力を格納してもよい。これにより、電力を低減すべきかどうかの判断材料を更に増やすことができる。
【0197】
以上説明した本実施形態によれば、
図20を参照して説明したように、テーブルタップ1に接続された各電気機器71〜74の電力値を個別にモニタすることができる。
【0198】
そして、
図8を参照して説明したように、電源電圧の瞬時値V(t)を監視するためにサージ耐性が高い第1のフォトカプラ41と第2のフォトカプラ42を使用しているので、サージにより電圧測定部50が破損する危険性が少ない。
【0199】
しかも、式(12)を参照して説明したように、有効電力値Pの算出に際しては、電源電圧の瞬時値V(t)と電流の瞬時値I(t)を使用する。これにより、実使用下における瞬時値V(t)、I(t)の変動が有効電力値Pに反映され、例えば実効電圧値V
rmsを100Vに固定して電力値を計算する場合と比較して、有効電力値Pの算出精度が向上する。
【0200】
更に、温度測定部60で測定された温度Yに基づき、式(7)や式(10)のように電源電圧の瞬時値V(t)を補正することで、テーブルタップ1の周囲の温度Yが変動した場合でも有効電力値Pを正しく算出することができる。
【0201】
また、
図3に示したように、電流の瞬時値I(t)については他の磁界測定素子よりも小さなホール素子22で測定するため、テーブルタップ1の大型化を招くことなく、テーブルタップ1内で電力値を算出することができる。
【0202】
(第2実施形態)
図21は、本実施形態に係るテーブルタップ101の外観図である。なお、
図21において、第1実施形態で説明したのと同一の機能を有する要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0203】
図21に示すように、このテーブルタップ101では、複数のプラグ差込部1aの各々に対応してスイッチ102を設ける。
【0204】
図22は、下部筐体5と上部筐体6を外した状態でのテーブルタップ101の斜視図である。
【0205】
各スイッチ102はロッカースイッチであって、ユーザがボタン102xをオン側やオフ側に押すことで、第2のバスバー12に各分岐バー17を電気的に接続させたり、第2のバスバー12から各分岐バー17を電気的に遮断したりすることができる。
【0206】
また、第1の回路基板20には、磁性体コア21(
図3参照)を収容するカバー108がネジ110により固定される。
【0207】
図23は、
図22の構造から第1の回路基板20、スイッチ102、及びカバー108を除いた状態での斜視図である。
【0208】
なお、
図23において、第1実施形態で説明したのと同じ機能を有する要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0209】
図23に示すように、本実施形態では、第2のバスバー12に第4のコンタクト12eを設けると共に、分岐バー17の先端に第5のコンタクト17eを設ける。
【0210】
更に、第1〜第3のバスバー11〜13の他に、各スイッチ102が内蔵するLED等の光源に電力を供給するための補助バー104を設ける。
【0211】
その補助バー104は、真鍮板等の金属板を型抜きしてそれを曲げ加工することで作製され、各スイッチ102に対応した複数の枝104aを有する。そして、その枝104aの先端には、枝104aの延在方向から垂直方向に屈曲した第6のコンタクト104eが形成される。
【0212】
図24は第1のバスバー11と補助バー104の斜視図である。
【0213】
図24に示すように、第1のバスバー11と補助バー104は、接続ケーブル110によって互いに電気的に接続され、互いに同電位にされる。
【0214】
一方、
図25は第2のバスバー12の斜視図であり、
図26は第3のバスバー13の斜視図である。
【0215】
これらのバスバー12、13も真鍮板等の金属板を型抜きしてそれを曲げ加工することで作製され得る。
【0216】
また、
図27は、本実施形態に係る分岐バー17の斜視図である。
【0217】
図27に示すように、分岐バー17の端部には、第2のコンタクト17aの延長部17yが設けられる。
【0218】
図28は、テーブルタップ101の分解斜視図である。
【0219】
図28に示すように、カバー108は、その内側に磁性体コア21を収容する大きさを有し、分岐バー17が挿通するスリット108aを備える。
【0220】
更に、そのカバー108の底部には二つの嵌合突起108bが設けられる。その嵌合突起108bは第1の回路基板20に設けられた嵌合孔20eに嵌合し、それによりカバー108と第1の回路基板20とが位置決めされる。
【0221】
このように磁性体コア21毎にカバー108を設け、ネジにより第1の回路基板20にカバー108を固定することで、第1の回路基板20上での磁性体コア21の安定性が向上する。
【0222】
一方、スイッチ102には第1〜第3の端子102a〜102cが設けられる。これらの端子102a〜102cは、それぞれ上記の第4のコンタクト12e、第5のコンタクト17e、及び第6のコンタクト104eに嵌合する。
【0223】
図29は、このスイッチ102を含むテーブルタップ101の回路図である。なお、
図30では、アース線となる第3のバスバー13については省いてある。
【0224】
図29に示すように、各スイッチ102は、光源120と二枚の導電刃118を有する。これらの導電刃118はボタン102x(
図22参照)と機械的に接続されており、ボタン102xの操作によりスイッチ102がオン状態になると、分岐バー17と枝104aとが同時に第2のバスバー12に電気的に接続される。
【0225】
このようにオン状態になると光源120が発光し、その光によって透光性のボタン102x(
図22参照)の全体が照らされて、スイッチ102がオン状態であることをユーザが知ることができる。
【0226】
なお、本実施形態に係るテーブルタップ101も、
図8と同じ回路構成の送信回路部27を有し、第1実施形態と同じ電力測定方法を行うことができる。
【0227】
以上説明した本実施形態によれば、
図21に示したように、各プラグ差込部1aの各々にスイッチ102を設ける。これにより、プラグ差込部1aに接続されている電気機器が不使用の場合、そのプラグ差込部1aに対応したスイッチ102をオフにすることで、プラグ差込部1aから電気機器に供給される電力を遮断して、当該電気機器の待機電力をカットすることができる。
【0228】
更に、
図28に示したように、カバー108の内側に磁性体コア21を収容し、第1の回路基板20にカバー108を固定することで、回路基板20上で磁性体コア21が位置ずれし難くなり、回路基板20への磁性体コア21の取り付けの安定性が向上する。
【0229】
以上、各実施形態について詳細に説明したが、各実施形態は上記に限定されない。
【0230】
例えば、上記では、
図1や
図21のようにテーブルタップ1、101に複数のプラグ差込部1aが設けられた場合について説明したが、一つのプラグ差込部1aのみをテーブルタップ1、101に設けるようにしてもよい。