(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661845
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】可搬式屋根材歩行体験装置
(51)【国際特許分類】
G09B 9/00 20060101AFI20150108BHJP
G09B 25/04 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
G09B9/00 K
G09B25/04
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-80054(P2013-80054)
(22)【出願日】2013年4月8日
(65)【公開番号】特開2014-202974(P2014-202974A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2013年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】領野 昌治
(72)【発明者】
【氏名】阪本 晃弘
【審査官】
植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】
特許第4760659(JP,B2)
【文献】
特許第4784545(JP,B2)
【文献】
登録実用新案第3125281(JP,U)
【文献】
実用新案登録第2520299(JP,Y2)
【文献】
特開2003−3614(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3173879(JP,U)
【文献】
素晴らしき現場力 −安全・訓練編1−,Raisers 2009年2月号,一般社団法人情報通信エンジニアリング協会,2009年,第8−10頁,URL,http://itea.or.jp/works/pdf/genba07_0902-03_anzenkunren.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 9/00
G09B25/04
E04D 1/00− 1/36
E04D13/00−15/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根材の踏み抜きを体験するための可搬式屋根材歩行体験装置であって、
板状の屋根材と、
前記屋根材の上面部に配設可能な歩み板と、
垂直方向に延びる支持柱と、前記支持柱にスライド自在に配設された第1の水平部と、前記第1の水平部の上方の前記支持柱にスライド自在に配設された第2の水平部とを有し、前記屋根材を支持する支持手段と、
を備え、
前記支持柱に前記第1の水平部および前記第2の水平部を所定の間隔で配設し、前記第1の水平部と前記第2の水平部とによって、前記屋根材の一端側と前記屋根材の上面部に配設した歩み板の一端側とを狭持する、
ことを特徴とする可搬式屋根材歩行体験装置。
【請求項2】
前記屋根材の上面部には、前記歩み板の移動を規制する規制手段、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の可搬式屋根材歩行体験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば屋根用のスレート板を含む屋根材を傾斜させて、その上を歩行することによって、屋根材の踏み抜きを体験する可搬式屋根材歩行体験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力会社における配電作業において、家屋の屋根に上って作業をする場合がある。屋根の上での作業は、足場が不安定な高所作業となるため、高度な注意力を要する。ところが、家屋の形状や地域的特性などによって屋根材は異なっており、例えば、瓦や、スレート板や軟鋼板の波板や平板などが使用されており、屋根の傾斜の差異や、屋根材の材質の差異によって体感される高さや、滑り易さが異なる。
【0003】
そこで、屋根に上って安全に作業するためには、屋根材の上を歩いて屋根の滑り易さや強度を把握しておく必要がある。このためには、屋根の傾斜を変えたり、屋根材を交換したりして、屋根の滑り易さや強度を体験しておくことが有効である。
【0004】
ところで、家屋への屋根材の施工については、瓦葺木造勾配屋根の瓦葺下地工事における雨漏り防止方法に関する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この技術は、従来より大型の大型ひっかけ桟を使用し、両面粘着コーキング剤を下面にはさんだコーキングメヨセのところでのみ野地板をとおして、たる木に釘打ち固定するようにし、ひっかけ桟瓦の釘もアスファルトルーフィングを傷つけない寸のものにするものである。また、勾配屋根の改修方法、及び勾配屋根に関する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この技術は、屋根材の支持金物を確実に垂木に固定することで支持金物の堅固な固定が可能になるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−008556号公報
【特許文献2】特開2012−122271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2に記載された技術はいずれも、実際の家屋の屋根を施工するための技術であり、すなわち、恒久的に屋根を施工するための技術である。
【0007】
屋根の傾斜を変えたり、屋根材を交換したりして高さや滑り易さを体験するためには、傾斜の異なる屋根や屋根材の種類が異なる屋根に上る必要があり、手間と時間とを要するものであった。そこで、本願の発明者は、屋根材の歩行体験するために、簡易な構成で、傾斜を変えたり、屋根材を交換したりして歩行体験をするために、傾斜が変更自在で、屋根材の着脱が容易な可搬式屋根材歩行体験装置を考えるにいたった。ここで、可搬式とするのは、場所を選ばず、どこでも屋根材歩行体験をできるようにするためである。
【0008】
そこで、この発明は、前記の課題を解決し、屋根材の着脱が容易な可搬式屋根材歩行体験装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、屋根材の踏み抜きを体験するための可搬式屋根材歩行体験装置であって、板状の屋根材と、前記屋根材の上面部に配設可能な歩み板と、垂直方向に延びる支持柱と、前記支持柱にスライド自在に配設された第1の水平部と、前記第1の水平部の上方の前記支持柱にスライド自在に配設された第2の水平部とを有し、前記屋根材を支持する支持手段と、を備え、前記支持柱に前記第1の水平部および前記第2の水平部を所定の間隔で配設し、前記第1の水平部と前記第2の水平部とによって、前記屋根材の一端側と前記屋根材の上面部に配設した歩み板の一端側とを狭持する、ことを特徴とする可搬式屋根材歩行体験装置である。
【0010】
この発明によれば、支持柱に第1の水平部および第2の水平部を所定の間隔で配設し、第1の水平部と第2の水平部とによって、屋根材の一端側と屋根材の上面部に配設した歩み板の一端側とが狭持される。すなわち、支持柱によって屋根材の一端側と歩み板の一端側が支持されて傾斜を有するので、支持された屋根材および歩み板の上を歩行可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の可搬式屋根材歩行体験装置において、前記屋根材の上面部には、前記歩み板の移動を規制する規制手段、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、支持柱に第1の水平部および第2の水平部を所定の間隔で配設し、第1の水平部と第2の水平部とによって、屋根材の一端側と屋根材の上面部に配設した歩み板の一端側とが狭持される。すなわち、支持柱によって屋根材の一端側と歩み板の一端側が支持されて傾斜を有するので、支持された屋根材および歩み板の上を歩行可能となる。
【0013】
第1の水平部と第2の水平部は、支持柱にスライド自在で高さ調節自在なので、屋根材および歩み板の傾斜が変更自在である。これにより、傾斜を変えて屋根材の踏み抜きを体験することができる。また、第1の水平部と第2の水平部の高さを変える際に、その間隔を変えることができるので、狭持する屋根材および歩み板の厚さを変えることができる。また、屋根材に歩み板を重ねた状態、歩み板を外して屋根材のみの状態で、踏み抜きを体験して強度を比較することも可能である。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、規制手段によって、屋根材の上面部において歩み板の移動が規制されるので、設置が容易で、かつ、より安全に踏み抜きを体験することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明の実施の形態に係る可搬式屋根材歩行体験装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1の可搬式屋根材歩行体験装置のスレート板の斜視図である。
【
図3】
図2のスレート板に歩み板を配設した状態を示す斜視図である。
【
図4】
図1の可搬式屋根材歩行体験装置の架台の正面図である。
【
図5】
図4の可搬式屋根材歩行体験装置の架台の側面図である。
【
図6】
図1の可搬式屋根材歩行体験装置からスレート板を取り外した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
つぎに、この発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。
【0017】
図1ないし
図6は、この発明の実施の形態を示している。可搬式屋根材歩行体験装置1は、例えば屋根用のスレート板を含む屋根材を傾斜させて、その上を歩行することによって、屋根材の踏み抜きを、場所を選ばずに体験するものであり、
図1に示すように、主として、屋根材としてのスレート板2と、歩み板3と、支持手段としての架台4とを備えている。
【0018】
スレート板2は、家屋などの屋根材であり、例えば、幅約700〜1000mm、長さ約1800〜2500mmの波型に形成されている。ここでは、スレート板2は、屋根材として加工された形状、大きさのままで使用するものとする。スレート板2には、
図2に示すように、上面部に後述する歩み板3の移動を規制するためのストッパ21、22、23、24が着脱自在に配設されている。
【0019】
ストッパ21は、ねじで構成されており、スレート板2の波型凸部の、長手方向の一端部側(下端部から数cm上方)に形成された挿通孔(図示略)を介して配設されている。このストッパ21は、スレート板2の上面部の波型凸部から軸部が約数cm露出するように配設されており、軸部が歩み板3の側方外縁部と当接することによって、移動を規制するようになっている。
【0020】
ストッパ22、23、24は、ストッパ21と同様に構成されている。ストッパ22は、スレート板2の波型凸部の長手方向の一端部側でストッパ21と対向する位置に形成された挿通孔(図示略)を介して配設されている。ストッパ23は、スレート板2の波型凸部の長手方向の他端部側から所定距離下方(上端部から数10cm下方)に形成された挿通孔(図示略)を介して配設され、ストッパ24は、スレート板2の波型凸部の長手方向の他端部側から所定距離下方でストッパ23と対向する位置に形成された挿通孔(図示略)を介して配設されている。このようなストッパ21、22、23、24は、歩み板3の側方外縁部と当接するように配設されている。
【0021】
歩み板3は、
図1、
図3に示すように、スレート板2の上面部に着脱自在に配設可能なものであり、スレート板2より短い長さ、狭い幅の木材で形成された板材である。歩み板3は、スレート板2に加わる荷重が集中することを防ぎ、荷重を分散することによって、スレート板2の破損を防ぐことができるものである。
図3に示すように、歩み板3をスレート板2の上面部に配設する際は、ストッパ21、22、23、24の内側に位置するように配設する。
【0022】
架台4は、
図4、
図5に示すように、主として、台座41と、支持柱42、43と、第1の狭持部44、第2の狭持部45とを有している。台座41は、平面形状が略コの字型に形成されており、地面上に置かれるものである。台座41は、
図1に示すように、T型継手41aの両端部の接続口と接続された直管41b、41cとによってコの字型の一辺が形成され、T型継手41dの両端部の接続口と接続された直管41e、41fとによって対向するコの字型の他の一辺が形成されている。さらに、直管41cの自由端側と接続されたL型継手41gと、直管41fの自由端側と接続されたL型継手41hとが、直管41iによって接続されて、コの字型が形成されている。
【0023】
支持柱42は、T型継手41aの他の接続口に接続され、垂直方向に延びる直管である。支持柱43は、支持柱42と同様に構成されており、T型継手41dの他の接続口に接続されている。支持柱42、43の間隔は、スレート板2の幅よりも数cm程度広く設定されている。すなわち、支持柱42、43は、第1の狭持部44と第2の狭持部45の間に差し込んだスレート板2が短手方向にずれることを抑制するようになっている。
【0024】
第1の狭持部44は、支持柱42、43にスライド自在に配設され、水平方向に延びる直管である。
【0025】
第2の狭持部45は、第1の狭持部44と同様に構成されており、第1の狭持部44の上方の支持柱42、43にスライド自在に配設され、水平方向に延びる直管である。
【0026】
第1の狭持部44と第2の狭持部45との間隔は、
図1に示すように、スレート板2と歩み板3の厚さよりも広く設定されている。すなわち、スレート板2と歩み板3を重ねて下端側を地面上に置かれたスレート板2と歩み板の上端部側を第1の狭持部44と第2の狭持部45によって狭持して支持するようになっている。スレート板2は、第2の狭持部45上に載置されて下方から支持され、歩み板3は第1の狭持部44の下端部と当接して上方への跳ね上がりを防止されている。また、スレート板2と歩み板3を重ねて下端側を地面上に置いた状態で、第1の狭持部44と第2の狭持部45とを支持柱42、43に対してスライドすることにより傾斜を変えることができる。具体的には、第1の狭持部44と第2の狭持部45とを支持柱42、43に対して上方にスライドすると傾斜が大きくなり、第1の狭持部44と第2の狭持部45とを支持柱42、43に対して下方にスライドすると傾斜が小さくなる。
【0027】
つづいて、可搬式屋根材歩行体験装置1を用いた屋根材の踏み抜き体験方法について説明する。
【0028】
まず、スレート板2と、歩み板3と、架台4とが体験場所まで運搬される。そして、体験場所に到着すると、架台4が地面上に設置され、第1の狭持部44と第2の狭持部45が、支持柱42、43に対してスライドされて所望の高さに設定される。このとき、例えば、体験する傾斜が安全な傾斜となるように高さが設定される。
【0029】
そして、スレート板2の上面部に配設されたストッパ21、22、23、24の内側に接するように歩み板3が配設される。
【0030】
そして、第1の狭持部44と第2の狭持部45の間に、スレート板2と歩み板3とが差し込まれる。このとき、スレート板2と歩み板3の傾斜が所定の傾斜となるように、スレート板2の地面上の置き位置が設定されており、
図1に示すように、スレート板2の上端部は第1の狭持部44と第2の狭持部45から数10cmが突出しており、歩み板3の上端部は第1の狭持部44と第2の狭持部45よりもわずかに上方に突出した状態となっている。
【0031】
そして、傾斜角度が小さい状態で、スレート板2の上面部に配設された歩み板3の上を歩行者が歩行する。このとき、歩行者が歩行しても、スレート板2は、支持柱42、43と当接することによって短手方向の移動が規制され、スレート板2および歩み板3は、第1の狭持部44と第2の狭持部45と当接することによって上下方向の移動が規制される。さらに、歩み板3は、ストッパ21、22、23、24の軸部と当接することによって短手方向の移動が規制される。
【0032】
つぎに、スレート板2の傾斜角度を大きくして歩行体験する場合について説明する。
【0033】
まず、第1の狭持部44と第2の狭持部45の間にスレート板2と歩み板3とが差し込まれた状態で、第1の狭持部44と第2の狭持部45が、支持柱42、43に対して上方にスライドされて所望の高さに設定される。
【0034】
そして、傾斜角度を大きくした状態で、スレート板2の上面部に配設された歩み板3の上を歩行者が歩行する。このとき、傾斜角度が大きくなったことによって高度の違いや滑り易さが体感される。
【0035】
さらに、歩み板3を外して踏み抜き体験する場合について説明する。
【0036】
歩み板3をスレート板2の上面部から取り外して、スレート板2上を歩行者が歩行する。このとき、歩み板3がないことによって、スレート板2上の歩行者の荷重が集中して加わり、スレート板2は途中で踏み抜かれ折れてしまう。このとき、踏み抜かれたスレートは、下端側は地面と接触し、上端側は第1の狭持部44と当接して跳ね上がりが抑えられる。
【0037】
さらにまた、スレート板2や歩み板3の厚さを変えて体験する場合であっても、第1の狭持部44と第2の狭持部45の間隔の大きさを調節することができるので、適切な間隔に容易に設定できる。
【0038】
歩行体験の終了後は、スレート板2と歩み板3を架台4の第1の狭持部44と第2の狭持部45から引き抜いて取り外すことによって、コンパクトになった状態で運搬、収容される。
【0039】
このようにして、スレート板2と歩み板3は、架台4から抜き差しするだけで着脱できるので、高さを変えたり、厚さや形状を変えたりして踏み抜き体験が容易にできる。また、歩み板3を外した状態で、スレート板2上を歩行することで、歩み板3の安全性も体感できる。
【0040】
以上のように、この可搬式屋根材歩行体験装置1によれば、支持柱42、43に第1の狭持部44および第2の狭持部45を所定の間隔で配設し、第1の狭持部44と第2の狭持部45とによって、スレート板2の一端側とスレート板2の上面側に配設した歩み板3の一端側とが狭持される。すなわち、支持柱42、43によってスレート板2の一端側と歩み板3の一端側が支持されて傾斜するので、支持されたスレート板2および歩み板3の上を歩行可能となる。
【0041】
また、第1の狭持部44と第2の狭持部45は、支持柱42、43にスライド自在で高さ調節自在に配設されているので、スレート板2および歩み板3の傾斜が容易に変更自在である。これにより、傾斜を変えてスレート板2の踏み抜きを体験することができる。また、第1の狭持部44と第2の狭持部45の高さを変える際に、その間隔を変えることができるので、狭持するスレート板2および歩み板3の厚さを変えることができる。このため、スレート板2の厚さや屋根材の種類を変えて歩行体験することが容易にできる。さらにまた、スレート板2に歩み板3を重ねた状態、歩み板3を外しスレート板2のみの状態で、踏み抜きを体験して強度を比較することも可能である。
【0042】
さらに、ストッパ21、22、23、24によって、スレート板2の上面部において歩み板3の短手方向の移動が規制されるので、設置が容易で、かつ、より安全に踏み抜きを体験することができる。
【0043】
しかも、スレート板2や歩み板3の厚さを変えて体験する場合であっても、第1の狭持部44と第2の狭持部45の間隔の大きさを調節することができるので、適切な間隔に容易に設定できる。
【0044】
さらに、可搬式屋根材歩行体験装置1は、組立てに特殊な工具や技術が不要であり、誰でも容易に組み立てることができる。また、可搬式屋根材歩行体験装置1は、スレート板2と歩み板3と架台4に分解して省スペースとすることができるので、運搬や収納が容易になる。これにより、場所を選ばず、どこでも屋根材歩行体験が可能である。
【0045】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、歩み板3の移動を規制するための規制手段として、ストッパ21、22、23、24をスレート板2の上面部に配設するものとして説明したが、スレート板2に挿通孔を形成することが困難な場合には、スレート板2に歩み板3を重ねた状態で、例えば、下端部と上端部の外周をそれぞれバンドで締結することによって、歩み板3の移動を規制してもよい。
【0046】
また、支持柱42、43には、高さを示すメモリを配設することによって、第1の狭持部44と第2の狭持部45の位置調節が容易になるようにしてもよいことはもちろんである。
【0047】
さらにまた、図示を省略するが、架台4を2台用意して所定の距離を空けて向かい合うように配設し、同じ高さに設定した両方の架台4の第2の狭持部45間にスレート板2と歩み板3とを架け渡し、その上を歩行者が歩くことで高さ体験をする。
【符号の説明】
【0048】
1 可搬式屋根材歩行体験装置
2 スレート板(屋根材)
21、22、23、24 ストッパ(規制手段)
3 歩み板
4 架台(支持手段)
42、43 支持柱
44 第1の狭持部(第1の水平部)
45 第2の狭持部(第2の水平部)