特許第5661854号(P5661854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661854
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】茶飲料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23F 3/38 20060101AFI20150108BHJP
   A23F 3/16 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
   A23F3/38
   A23F3/16
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-93766(P2013-93766)
(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公開番号】特開2014-212743(P2014-212743A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2014年2月28日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391058381
【氏名又は名称】キリンビバレッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100143971
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 宏行
(72)【発明者】
【氏名】辻 亮 平
(72)【発明者】
【氏名】塩 野 貴 史
【審査官】 福澤 洋光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−231719(JP,A)
【文献】 特開平06−142405(JP,A)
【文献】 特開2007−089561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23F 3/00−5/50
CA/MEDLINE/BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus(JDreamIII)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶水抽出物に、酸性白土と、陽イオンとを接触させる工程を含み、茶水抽出物に酸性白土を接触させる工程が、pH4.5〜5.9で処理され、該陽イオンがカリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、およびマグネシウムイオンからなる群から選択される一種または二種以上であり、かつ茶水抽出物に接触させる陽イオンの濃度が、茶水抽出物に対して、0.01〜10mMとなるように加えられる、茶飲料の製造方法。
【請求項2】
茶水抽出物に、活性白土と、陽イオンとを接触させる工程を含み、茶水抽出物に活性白土を接触させる工程が、pH4.0〜5.4で処理され、該陽イオンがカリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、およびマグネシウムイオンからなる群から選択される一種または二種以上であり、かつ茶水抽出物に接触させる陽イオンの濃度が、茶水抽出物に対して、0.01〜10mMとなるように加えられる、茶飲料の製造方法。
【請求項3】
茶水抽出物に陽イオンを接触させる工程が、茶水抽出物に塩化カルシウムおよび/または塩化マグネシウムを加える工程である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
茶水抽出物に、白土と、陽イオンとを接触させる工程が、茶水抽出物と、陽イオンを加えた白土とを接触させる工程である、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
茶水抽出物に、酸性白土と、陽イオンとを接触させることを特徴とし、茶水抽出物に酸性白土を接触させる工程が、pH4.5〜5.9で処理され、該陽イオンがカリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、およびマグネシウムイオンからなる群から選択される一種または二種以上であり、かつ茶水抽出物に接触させる陽イオンの濃度が、茶水抽出物に対して、0.01〜10mMとなるように加えられる、茶飲料の濁度低減方法。
【請求項6】
茶水抽出物に、活性白土と、陽イオンとを接触させることを特徴とし、茶水抽出物に活性白土を接触させる工程が、pH4.0〜5.4で処理され、該陽イオンがカリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、およびマグネシウムイオンからなる群から選択される一種または二種以上であり、かつ茶水抽出物に接触させる陽イオンの濃度が、茶水抽出物に対して、0.01〜10mMとなるように加えられる、茶飲料の濁度低減方法。
【請求項7】
茶水抽出物に、酸性白土と、陽イオンとを接触させることを特徴とし、茶水抽出物に酸性白土を接触させる工程が、pH4.5〜5.9で処理され、該陽イオンがカリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、およびマグネシウムイオンからなる群から選択される一種または二種以上であり、かつ茶水抽出物に接触させる陽イオンの濃度が、茶水抽出物に対して、0.01〜10mMとなるように加えられる、茶飲料の香味低減抑制方法。
【請求項8】
茶水抽出物に、活性白土と、陽イオンとを接触させることを特徴とし、茶水抽出物に活性白土を接触させる工程が、pH4.0〜5.4で処理され、該陽イオンがカリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、およびマグネシウムイオンからなる群から選択される一種または二種以上であり、かつ茶水抽出物に接触させる陽イオンの濃度が、茶水抽出物に対して、0.01〜10mMとなるように加えられる、茶飲料の香味低減抑制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は茶飲料の製造方法に関し、さらに詳細には茶抽出物に、白土と、陽イオンとを接触させる工程を含む茶飲料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
茶飲料やコーヒー飲料に含まれるカフェインは、その薬理作用により積極的に摂取して眠気を抑えたい等のニーズがある一方で、カフェイン摂取により睡眠や入眠を妨げられる可能性を懸念して、消費者の中にはカフェイン入り飲料、特に、茶飲料やコーヒー飲料を敬遠する者もいる。
【0003】
このため、茶抽出物からのカフェインの低減を目的とした様々な方法が検討されてきている。例えば、特許文献1には、カフェインを含有する水溶液を活性白土または酸性白土と接触させることにより、水溶液からカテキンの減少を抑えながらカフェインを除去する方法が開示されている。また、特許文献2には、茶抽出物とエタノール水溶物とを混合し、活性炭、酸性白土、または活性白土から選ばれる1種以上と接触させる工程と、タンナーゼで処理する工程を経て得られる風味が改良された精製緑茶抽出物が開示されている。さらに、特許文献3には、茶抽出物をアルカリ性条件下で活性白土および/または酸性白土と接触させることにより、白土から茶抽出物へのミネラル成分の溶出を抑制した精製茶抽出物の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−142405号公報
【特許文献2】特開2007−104967号公報
【特許文献3】特開2012−231719号公報
【発明の開示】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術を用いて茶飲料を製造すると、ミネラル成分の茶抽出物への溶出に伴い、得られた茶飲料の外観や香味が、カフェイン低減処理が施されていない本来の茶飲料と比較して劣る場合があることが判明した。また、特許文献2や特許文献3のような技術を用いて茶飲料を製造する場合は、使用した有機溶媒を除去する際の香気損失や、アルカリ性条件にするためのpH調整剤の香味に対する影響などを考慮する必要があった。また特許文献3において添加するアルカリ物質やpHの条件によっては、白土の膨潤や白土の沈降性の低下などにより濁度が上昇する可能性もある。
【0006】
本発明は、外観や香味が通常の茶飲料と遜色ない、カフェインが低減された茶飲料をより簡便に製造する方法を提供することを目的とする。本発明はまた、外観や香味が通常の茶飲料と遜色ない程度に維持される、茶飲料の濁度低減方法や香味低減抑制方法を提供することも目的とする。
【0007】
本発明者らは、茶飲料の製造方法において、茶抽出物に、白土と、陽イオンとを接触させる工程を含むことにより、カフェイン含有量を低減させつつ、通常の茶飲料と比較して遜色ない外観や香味を維持できることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)茶抽出物に、白土と、陽イオンとを接触させる工程を含む、茶飲料の製造方法。
(2)茶抽出物に接触させる陽イオンの濃度が、茶抽出物に対して、0.01〜50mMとなるように加えられる、(1)に記載の製造方法。
(3)茶抽出物に接触させる陽イオンの濃度が、茶飲料に対して、0.004〜20mMとなるように加えられる、(1)に記載の製造方法。
(4)陽イオンが、飲食品として許容される1価および/または2価の陽イオンである、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)陽イオンが、カリウムイオン、カルシウムイオン、およびマグネシウムイオンからなる群から選択される一種または二種以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(6)茶抽出物に陽イオンを接触させる工程が、茶抽出物に塩化カルシウムおよび/または塩化マグネシウムを加える工程である、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(7)茶抽出物に白土を接触させる工程が、pH4.0〜5.9で処理される工程である、(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8)白土が酸性白土である、(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法。
(9)茶抽出物に、白土と、陽イオンとを接触させる工程が、茶抽出物と、陽イオンを加えた白土とを接触させる工程である、(1)〜(8)のいずれかに記載の製造方法。
(10)茶抽出物に、白土と、陽イオンとを接触させることを特徴とする、茶飲料の濁度低減方法。
(11)茶抽出物に、白土と、陽イオンとを接触させることを特徴とする、茶飲料の香味低減抑制方法。
【0009】
本発明の製造方法により製造された茶飲料は、カフェイン含有量が低減されつつも、白土処理による濁度上昇といった外観上の問題が抑制され、合わせて香味は通常の茶飲料と遜色ないことから、カフェインの摂取を控えつつ、茶飲料本来の香味を味わえる茶飲料をより簡便に製造できる点で有利である。
【発明の具体的説明】
【0010】
茶飲料の製造方法
本発明の製造方法は、茶抽出物に、白土と、陽イオンとを接触させる工程を含む茶飲料の製造方法である。本発明の茶飲料の製造方法は、好ましくは、カフェイン低減茶飲料の製造方法である。
【0011】
本発明の製造方法は、茶飲料中の濁度を低減できればどのような態様であってもよく、茶抽出物に、白土と、陽イオンとをどのような順序で接触させてもよい。この順序には、逐次および同時が含まれる。
【0012】
本発明の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、(a)陽イオンを加えた(接触させた)茶抽出物と、白土とを接触させる製造方法、(b)茶抽出物と、陽イオンを加えた白土とを接触させる製造方法、(c)白土を接触させた茶抽出物に、陽イオンを加える(接触させる)製造方法、または(d)茶抽出物と、白土と、陽イオンとを同時に接触させる製造方法が挙げられる。
【0013】
これらの中でも、本発明の製造方法は、前記(b)の態様が好ましい。陽イオンを白土に加える工程と、茶抽出物と、陽イオンを加えた白土とを接触させる工程との間隔は、本発明の効果を奏する限り特に限定されるものではないが、例えば、10秒〜7時間、好ましくは10秒〜2時間である。前記(b)の態様により製造された茶飲料は、カフェイン含有量を低減させつつ、通常の茶飲料と比較して遜色ない外観や香味をより維持できる。
【0014】
本発明の製造方法に用いられる茶抽出物は、特に限定されないが、通常の茶抽出液の調製に用いられている方法を用いて製造される茶抽出液やその濃縮液を用いることができる。例えば、茶葉と水(0〜100℃)を混合接触させるか、あるいは、茶エキスや茶パウダーなどの茶抽出液の濃縮物や精製物を水(0〜100℃)に混合または溶解させることにより、本発明の製造方法に用いられる茶抽出物を得ることができる。また、上記の茶抽出液と、上記の茶エキスや茶パウダーを混合したものを茶抽出物として本発明の製造方法に用いてもよい。茶葉と水を混合接触させた場合には、遠心分離や濾過などの分離手段を用いて茶葉と茶抽出液を分離することができる。
【0015】
茶抽出液の調製に用いられる茶葉は、特に限定されないが、Camellia sinensisに属する茶葉を用いることができ、煎茶、玉露、抹茶、釜炒り茶、番茶、ほうじ茶等の緑茶葉のような不発酵茶に限らず、烏龍茶のような半発酵茶や、紅茶のような発酵茶、プーアル茶のような後発酵茶等も用いることができる。また、抽出液の調製に際し茶葉以外の任意の原料を配合してよい。本発明の製造方法に用いられる茶抽出物に用いられる茶葉は、上記のような茶葉であれば特に限定されるものではないが、好ましくは緑茶、烏龍茶、または紅茶であり、より好ましくは緑茶である。
【0016】
茶エキスや茶パウダーなどの茶抽出液の濃縮物や精製物としては、ポリフェノン(三井農林社製)やサンフェノン(太陽化学社製)、テアフラン(伊藤園社製)などの市販品を用いることができる。また、これらの茶濃縮物や茶精製物は、そのまま又は水で溶解もしくは希釈したものを単独で使用しても、複数の種類を混合して用いても、茶抽出液と混合して用いてもよい。
【0017】
本発明の製造方法において、茶抽出物に白土を接触させる方法は、茶抽出物が白土と接触する限り、特に限定されるものではないが、例えば、接触タンクにより一定量を逐次処理するバッチ処理や、配管内でのドージングおよびホールディングによる処理や白土充填カラムを通液させるカラム処理などの連続処理が挙げられる。
【0018】
本発明の製造方法において用いられる白土は、酸性白土、活性白土、ベントナイト、活性ベントナイトおよびこれらの一部または全部の組合せが挙げられる。好ましくは、酸性白土および活性白土並びにこれらの組合せを用いることができ、より好ましくは酸性白土を用いることができる。
【0019】
本発明の製造方法の好ましい態様において用いられる酸性白土および活性白土は、共に一般的な化学成分として、SiO2 、Al23 、Fe23 、CaO、MgOなどを有するが、本発明の製造方法に使用する場合、SiO2 /Al23 比は、3〜12、好ましくは3〜8が好ましい。また、酸性白土および活性白土中に、Fe23 2〜5質量%、CaO 0〜1.5質量%、MgO 1〜7質量%などを含有する組成のものが好ましい。
【0020】
本発明に使用する酸性白土および活性白土の比表面積(m/g)は、酸性白土の場合には50m/g以上150m/g未満、活性白土の場合には70m/g以上300m/g未満であるものが好ましい。
【0021】
本発明に使用する白土のうち好ましいものとしては、比表面積(m/g)が50以上150未満で、かつ、SiO/Al比が3以上8未満である酸性白土や、比表面積(m/g)が200以上300未満で、かつ、SiO/Al比が3以上11未満である活性白土が挙げられる。
【0022】
上記のような好ましい酸性白土としては、例えば、ミズカエース#20やミズカエース#200、ミズカエース#400、ミズカエース#600、ミズライト(水澤化学社製)などの市販品を用いることができる。また、上記のような好ましい活性白土としては、例えば、ガレオンアースNVZやガレオンアースV2、ガレオンアースNF2(水澤化学社製)などの市販品を用いることができる。また、Clarit100GやClarit125G、Tonsil531N(ズードケミー触媒社製)などの市販ベントナイトも白土として用いることができる。
【0023】
本発明の製造方法において、茶抽出物と、白土との接触時間、接触時の温度、および接触させる白土の量は特に限定されるものではなく、茶抽出物中のカフェインを除去できれば、接触時間、接触時の温度、および接触させる白土の量はどのようなものであってもよいが、例えば、茶抽出物と、白土との接触時間は1秒〜30分間であり、茶抽出物と、白土との接触時の温度は0〜30℃であり、また茶抽出物と接触させる白土の量は、茶葉10gから抽出された茶抽出液からなる茶抽出物400gに対して、2〜40gであり、好ましくは、茶抽出物と、白土との接触時間は1秒〜10分間であり、茶抽出物と、白土との接触時の温度は0〜25℃であり、また茶抽出物と接触させる白土の量は、茶葉10gから抽出された茶抽出液からなる茶抽出物400gに対して、4〜20gである。
【0024】
本発明の製造方法において、茶抽出物と、白土との接触時のpHは、茶抽出物中のカフェインを除去できれば特に限定されるものではないが、pH4.0〜5.9であることが好ましい。従って、茶抽出物に白土を接触させる工程は、好ましくはpH4.0〜5.9で処理される工程である。また、白土が酸性白土の場合には、茶抽出物と酸性白土とを接触させる場合のpHは4.5〜5.9であることが好ましく、白土が活性白土である場合には、茶抽出物と活性白土とを接触させる場合のpHは4.0〜5.4であることが好ましい。
【0025】
本発明の製造方法において、茶抽出物に接触させる陽イオンは、本発明の効果を奏し、飲食品として許容されるものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは、1価の陽イオン(例えば、カリウムイオン、ナトリウムイオン)、2価の陽イオン(例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン)、および3価の陽イオン(例えば、アルミニウムイオン)であり、これらの中でも飲食品として許容される1価の陽イオンおよび/または2価の陽イオンがより好ましく、2価の陽イオンが特に好ましい。1価の陽イオンの中でも、カリウムイオンが好ましい。また、2価の陽イオンの中でも、カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンが好ましく、カルシウムイオンがより好ましい。
【0026】
本発明の製造方法において、茶抽出物に接触させる陽イオンとして、塩として加え(添加され)、陽イオンが茶抽出物中に存在するようにしてもよい。塩は、無機塩および有機塩のいずれでもよいが、例えば、塩化物、グルコン酸塩(例えば、グルコン酸カルシウム)、アスコルビン酸塩(例えば、アスコルビン酸カルシウム)、および乳酸塩(例えば、乳酸カルシウム)が挙げられ、好ましくは、塩化カルシウムおよび/または塩化マグネシウムであり、より好ましくは、塩化カルシウムである。
【0027】
本発明の製造方法において、茶抽出物に接触させる陽イオンの濃度は、本発明の効果を奏する限り特に限定されるものではないが、好ましくは、茶抽出物に対して、0.01〜50mM、より好ましくは0.01〜10mM、さらに好ましくは0.01〜1mMとなるように加えられる。
【0028】
また、本発明の製造方法で得られた茶飲料は、配合工程、充填工程、殺菌工程などの工程を経て容器詰め茶飲料として提供することもできる。茶抽出物に接触させる陽イオンの濃度は、本発明の効果を奏する限り特に限定されるものではないが、好ましくは、茶飲料に対して、0.004〜20mM、より好ましくは0.004〜10mM、さらに好ましくは0.004〜1mMとなるように加えられる。
【0029】
本発明の製造方法で得られた茶飲料は、処理前の茶抽出物と比較してカフェイン含有量が60%以上(好ましくは、90%以上)低減されたものとすることができる。また、茶抽出物や茶飲料のカフェイン含有量は、高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)により測定することができる。また、本発明の製造方法で得られた茶飲料のカフェイン含有量(濃度)は、例えば10mg/100ml以下、好ましくは、2mg/100ml以下、さらに好ましくは1mg/100ml以下である。
【0030】
本発明の製造方法で得られた茶飲料は、陽イオンを加えずに白土処理した場合の外観よりも濁度が低減して、好ましいものとなる。すなわち、本発明の茶飲料の濁度値は、陽イオンを加えずに白土処理した場合の濁度値より低い値が期待できるものである。濁度の低減は、陽イオン無添加の茶飲料の濁度と、陽イオン添加の各種茶飲料の濁度とを測定し、陽イオン無添加試験区の濁度値から陽イオン添加試験区の濁度値を減じ、この減じた値を陽イオン無添加試験区の濁度値で除して得られた濁度低減率により評価することができる。濁度の測定は当業者に周知であり、例えば、市販されている分光光度計により測定することができる。本発明の製造方法で得られた茶飲料は、その濁度低減率を10%以上とすることができる。
【0031】
本発明の製造方法で得られた茶飲料は、陽イオン添加の際に陰イオンも添加される場合には、陰イオンの含有量が通常の茶飲料より高濃度で含まれている可能性があり、本発明の製造方法により製造された茶飲料と考えることもできる。本発明の製造方法で得られた茶飲料中の陰イオンの含有量は各種分析装置を用いて測定することができる。
【0032】
本発明の製造方法で得られた茶抽出物は、カフェインが低減されつつ、茶飲料本来の香味や外観が維持され、香味や外観は通常の茶飲料と比較して遜色がないものである。従って、本発明の製造方法で得られた茶飲料はそのまま飲料として提供することができるが、配合工程、充填工程、殺菌工程などの工程を経て容器詰め飲料として提供することができる。すなわち、本発明によれば、本発明の製造方法により茶飲料を製造し、次いで、該茶飲料を配合する工程を含む、容器詰め茶飲料の製造方法が提供される。
【0033】
上記配合工程では、容器詰め茶飲料に配合されうる各種任意成分(例えば、酸化防止剤、pH調整剤、保存料、香料)を添加してもよい。また、茶濃縮物や茶精製物を白土処理した場合には、容器詰め飲料に適した水を添加して茶飲料に適した濃度まで該茶抽出物を希釈してもよい。
【0034】
また、上記配合工程で得られた配合液を常法に従って殺菌し、容器に充填することができる。殺菌は容器への充填前であっても充填後であってもよい。
【0035】
容器詰め飲料の容器とは、内容物と外気との接触を断つことができる密閉容器を意味し、例えば、PETボトルや瓶等の透明容器や、缶や製紙容器等の不透明容器が挙げられる。本発明の茶飲料は、茶飲料の色合いを、容器を通して需要者に演出するため、透明あるいは半透明のPETボトル容器詰め飲料とすることが好ましい。
【0036】
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、緑茶抽出物に対して0.01〜50mMとなるように1価および/または2価の陽イオンを加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させる工程を含む、緑茶飲料の製造方法が提供される。
【0037】
本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、緑茶抽出物に対して0.01〜50mMとなるようにカリウムイオン、カルシウムイオン、およびマグネシウムイオンからなる群から選択される一種または二種以上を加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させる工程を含む、緑茶飲料の製造方法が提供される。
【0038】
本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、緑茶抽出物に対して陽イオン濃度が0.01〜50mMとなるように塩化カルシウムおよび/または塩化マグネシウムを加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させる工程を含む、緑茶飲料の製造方法が提供される。
【0039】
本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、緑茶飲料に対して0.004〜20mMとなるように1価および/または2価の陽イオンを加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させる工程を含む、緑茶飲料の製造方法が提供される。
【0040】
本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、緑茶飲料に対して0.004〜20mMとなるようにカリウムイオン、カルシウムイオン、およびマグネシウムイオンからなる群から選択される一種または二種以上を加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させる工程を含む、緑茶飲料の製造方法が提供される。
【0041】
本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、緑茶飲料に対して陽イオン濃度が0.004〜20mMとなるように塩化カルシウムおよび/または塩化マグネシウムを加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させる工程を含む、緑茶飲料の製造方法が提供される。
【0042】
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、緑茶抽出物と、1価および/または2価の陽イオンを加えた活性白土を、pH4.0〜5.4で接触させる工程を含む、緑茶飲料の製造方法が提供される。
【0043】
茶飲料の濁度低減方法および香味低減抑制方法
本発明の茶飲料の濁度低減方法は、茶抽出物に、白土と、陽イオンとを接触させることを特徴とする、茶飲料の濁度低減方法である。本発明の茶飲料の濁度低減方法は、好ましくは、カフェイン低減茶飲料の濁度低減方法である。本発明の方法を用いることにより、茶飲料の外観が通常の茶飲料と遜色ない程度に維持される。本発明の茶飲料中の濁度は、例えば分光光度計を用いて測定することができる。
【0044】
本発明の茶飲料の香味低減抑制方法は、茶抽出物に、白土と、陽イオンとを接触させることを特徴とする、茶飲料の香味低減抑制方法である。本発明の茶飲料の香味低減抑制方法は、好ましくは、カフェイン低減茶飲料の香味低減抑制方法である。本発明の方法により得られた茶飲料は、該茶飲料中のカフェイン含有量が低減され、かつ通常の茶飲料と遜色ない程度に茶飲料の香味が維持される。本発明において、香味とは茶が有する本来の香味を意味する。
【0045】
本発明の茶飲料の濁度低減方法および香味低減抑制方法によれば、カフェイン含有量を処理前の茶抽出物と比較して60%以上(好ましくは、90%以上)低減させることができるとともに、白土処理によって生じる濁度の上昇が抑制され、香味や外観の変化が抑制される点で有利である。本発明の茶飲料の濁度低減方法および香味低減抑制方法は、上記の本発明の茶飲料の製造方法に関する記載に従って実施することができ、例えば工業的生産の際にも処理前の茶抽出物と比較したカフェイン含有量の低減割合(カフェイン除去率)を維持しながら実施することができる。
【0046】
本発明の茶飲料の濁度低減方法の好ましい態様によれば、緑茶抽出物に対して0.01〜50mMとなるように1価および/または2価の陽イオンを加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させることを特徴とする、緑茶飲料の濁度低減方法が提供される。
【0047】
本発明の茶飲料の濁度低減方法の別の好ましい態様によれば、緑茶抽出物に対して0.01〜50mMとなるようにカリウムイオン、カルシウムイオン、およびマグネシウムイオンからなる群から選択される一種または二種以上を加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させることを特徴とする、緑茶飲料の濁度低減方法が提供される。
【0048】
本発明の茶飲料の濁度低減方法の別の好ましい態様によれば、緑茶抽出物に対して陽イオン濃度が0.01〜50mMとなるように塩化カルシウムおよび/または塩化マグネシウムを加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させることを特徴とする、緑茶飲料の濁度低減方法が提供される。
【0049】
本発明の茶飲料の濁度低減方法の別の好ましい態様によれば、緑茶飲料に対して0.004〜20mMとなるように1価および/または2価の陽イオンを加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させることを特徴とする、緑茶飲料の濁度低減方法が提供される。
【0050】
本発明の茶飲料の濁度低減方法の別の好ましい態様によれば、緑茶飲料に対して0.004〜20mMとなるようにカリウムイオン、カルシウムイオン、およびマグネシウムイオンからなる群から選択される一種または二種以上を加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させることを特徴とする、緑茶飲料の濁度低減方法が提供される。
【0051】
本発明の茶飲料の濁度低減方法の別の好ましい態様によれば、緑茶飲料に対して陽イオン濃度が0.004〜20mMとなるように塩化カルシウムおよび/または塩化マグネシウムを加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させることを特徴とする、緑茶飲料の濁度低減方法が提供される。
【0052】
本発明の茶飲料の濁度低減方法の別の好ましい態様によれば、緑茶抽出物と、1価および/または2価の陽イオンを加えた活性白土を、pH4.0〜5.4で接触させることを特徴とする、緑茶飲料の濁度低減方法が提供される。
【0053】
本発明の茶飲料の香味低減抑制方法の好ましい態様によれば、緑茶抽出物に対して0.01〜50mMとなるように1価および/または2価の陽イオンを加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させることを特徴とする、緑茶飲料の香味低減抑制方法が提供される。
【0054】
本発明の茶飲料の香味低減抑制方法の別の好ましい態様によれば、緑茶抽出物に対して0.01〜50mMとなるようにカリウムイオン、カルシウムイオン、およびマグネシウムイオンからなる群から選択される一種または二種以上を加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させることを特徴とする、緑茶飲料の香味低減抑制方法が提供される。
【0055】
本発明の茶飲料の香味低減抑制方法の別の好ましい態様によれば、緑茶抽出物に対して陽イオン濃度が0.01〜50mMとなるように塩化カルシウムおよび/または塩化マグネシウムを加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させることを特徴とする、緑茶飲料の香味低減抑制方法が提供される。
【0056】
本発明の茶飲料の香味低減抑制方法の別の好ましい態様によれば、緑茶飲料に対して0.004〜20mMとなるように1価および/または2価の陽イオンを加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させることを特徴とする、緑茶飲料の香味低減抑制方法が提供される。
【0057】
本発明の茶飲料の香味低減抑制方法の別の好ましい態様によれば、緑茶飲料に対して0.004〜20mMとなるようにカリウムイオン、カルシウムイオン、およびマグネシウムイオンからなる群から選択される一種または二種以上を加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させることを特徴とする、緑茶飲料の香味低減抑制方法が提供される。
【0058】
本発明の茶飲料の香味低減抑制方法の別の好ましい態様によれば、緑茶飲料に対して陽イオン濃度が0.004〜20mMとなるように塩化カルシウムおよび/または塩化マグネシウムを加えた酸性白土を、pH4.5〜5.9で接触させることを特徴とする、緑茶飲料の香味低減抑制方法が提供される。
【0059】
本発明の茶飲料の香味低減抑制方法の好ましい態様によれば、緑茶抽出物と、1価および/または2価の陽イオンを加えた活性白土とを、pH4.0〜5.4で接触させることを特徴とする、緑茶飲料の香味低減抑制方法が提供される。
【実施例】
【0060】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【0061】
(カフェイン量の測定方法)
試料溶液をメンブレンフィルター(アドバンテック(株)製DISMIC 親水性PTFE、0.45μm)でろ過して、下記表1に示す高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法にてカフェイン量を定量した。HPLC分析条件を下記表1に示した。
【表1】
【0062】
[試験1](イオン添加濃度と濁度低減効果)
緑茶葉100gに対して70℃の熱水3600gを添加し、6分間抽出した。抽出後、固液分離し、得られた濾液を20℃まで冷却した後にイオン交換水で3600gとし、緑茶抽出液を得た。得られた緑茶抽出液360gに対し、酸性白土(ミズライト:水澤化学社製)8gを0.1mM〜1Мの塩化カリウム溶液、または塩化カルシウム溶液40gにそれぞれ懸濁させた液を添加後、室温(25℃)で10分間接触させた。接触後に遠心分離処理を行い、比較例1および実施例1〜12の白土処理緑茶抽出液を得た。
【0063】
得られた白土処理緑茶抽出液について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC:日本分光社製)を用いてカフェイン量を定量し、分光光度計(日立社製、U−3310)を用いて濁度測定を行った。また、白土処理緑茶抽出液400gを0.2μmメンブランフィルターで濾過し、得られた濾液にL−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを添加後、イオン交換水で1000gとして、緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について、訓練されたパネリスト6名によって香味について官能評価を行った。香味評価は陽イオン無添加区(比較例1)を対照(4点)とし、緑茶飲料としての総合的な香味を5段階評価で相対評価した。評価基準は以下に示したとおりである。陽イオン無添加区に対するカフェイン除去率および比較例1に対する濁度低減率、香味評価結果を下記表2に示した。下記表2中の「処理pH」は、緑茶抽出物と、白土との接触時のpHを表す。
【0064】
官能評価基準
5点:香味が良好になっている
4点:対照(比較例1)と同等である
3点:対照(比較例1)よりわずかに劣っている
2点:対照(比較例1)より明らかに劣っている
1点:対照(比較例1)よりかなり顕著に劣っている
【0065】
評価点はさらに以下の評価基準でレベル分けした。◎が比較例1の緑茶飲料(陽イオン無添加区)の香味に最も近く、○、△、×の順に従って、比較例1の緑茶飲料(陽イオン無添加区)からの香味の変化が大きくなるものである。
◎:(5段階評価で3.5点以上)
○:(5段階評価で3.0点以上3.5点未満)
△:(5段階評価で2.5点以上3.0点未満)
×:(5段階評価で2.5点未満)
【0066】
【表2】
【0067】
白土処理時に塩化カリウムまたは塩化カルシウムを添加することによって、緑茶飲料中のカフェインが十分除去されるとともに、緑茶飲料中の濁度が低減された。濁度低減は陽イオンの添加濃度が高いほど、その効果が顕著であった。
【0068】
[試験2](陽イオンの違いによる濁度低減効果)
緑茶葉100gに対して70℃の熱水3600gを添加し、6分間抽出した。抽出後、固液分離し、得られた濾液を20℃まで冷却した後にイオン交換水で3600gとし、緑茶抽出液を得た。得られた緑茶抽出液360gに対し、酸性白土(ミズライト:水澤化学社製)8gを10mMの塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、または塩化マグネシウム溶液40gにそれぞれ懸濁させた液を添加後、室温(25℃)で10分間接触させた。接触後に遠心分離処理を行い、比較例2および実施例13〜16の白土処理緑茶抽出液を得た。
【0069】
得られた白土処理緑茶抽出液について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC:日本分光社製)を用いてカフェイン量を定量し、分光光度計(日立社製、U−3310)を用いて濁度測定を行った。また、白土処理緑茶抽出液400gを0.2μmメンブランフィルターで濾過し、得られた濾液にL−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを添加後、イオン交換水で1000gとして、緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について、上記試験1と同じ評価基準により、香味評価を行った(ただし、対照を比較例2とした)。陽イオン無添加区に対するカフェイン除去率および比較例2に対する濁度低減率を下記表3に示した。下記表3中の処理pHは、緑茶抽出物と、白土との接触時のpHを表す。
【0070】
【表3】
【0071】
白土処理時に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、または塩化マグネシウムを添加することによって、茶飲料中のカフェインが十分除去されるとともに、茶飲料中の濁度が低減された。特に、1価の陽イオンの中では、カリウムイオンが濁度をより低減できることがわかる。
【0072】
[試験3](カルシウム塩の違いによる濁度低減効果)
緑茶葉100gに対して70℃の熱水3600gを添加し、6分間抽出した。抽出後、固液分離を行い、得られた濾液を20℃まで冷却した後にイオン交換水で3600gとし、緑茶抽出液を得た。得られた緑茶抽出液360gに対し、酸性白土(ミズライト:水澤化学社製)8gを10mMのグルコン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、または乳酸カルシウム溶液40gにそれぞれ懸濁させた液を添加後、室温(25℃)で10分間接触させた。接触後に遠心分離処理を行い、比較例3および実施例17〜19の白土処理緑茶抽出液を得た。
【0073】
得られた白土処理緑茶抽出液について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC:日本分光社製)を用いてカフェイン量を定量し、分光光度計(日立社製、U−3310)を用いて濁度測定を行った。また、白土処理緑茶抽出液400gを0.2μmメンブランフィルターで濾過し、得られた濾液にL−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを添加後、イオン交換水で1000gとして、緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について、上記試験1と同じ評価基準により、香味評価を行った(ただし、対照を比較例3とした)。陽イオン無添加区に対するカフェイン除去率および比較例3に対する濁度低減率を表4に示した。下記表4中の処理pHは、緑茶抽出物と、白土との接触時のpHを表す。
【0074】
【表4】
【0075】
いずれのカルシウム塩においても、白土処理時に添加することによって、茶飲料中のカフェインが十分除去されるとともに、濁度が低減された。
【0076】
[試験4](白土違いにおける、塩化カルシウム添加による濁度低減効果)
緑茶葉100gに対して70℃の熱水3600gを添加し、6分間抽出した。抽出後、固液分離し、得られた濾液を20℃まで冷却した後にイオン交換水で3600gとし、緑茶抽出液を得た。得られた緑茶抽出液360gに対し、酸性白土(ミズカエース#20、ミズカエース#400:水澤化学社製、Clarit100G、Tonsil531N:ズードケミー触媒社製)、または活性白土(ガレオンアースV2:水澤化学社製)8gを10mMの塩化カルシウム溶液40gにそれぞれ懸濁させた液を添加後、室温(25℃)で10分間接触させた。接触後に遠心分離処理を行い、比較例4〜8および実施例20〜24の白土処理緑茶抽出液を得た。
【0077】
得られた白土処理緑茶抽出液について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC:日本分光社製)を用いてカフェイン量を定量し、分光光度計(日立社製、U−3310)を用いて濁度測定を行った。また、白土処理緑茶抽出液400gを0.2μmメンブランフィルターで濾過し、得られた濾液にL−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを添加後、イオン交換水で1000gとして、緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について、上記試験1と同じ評価基準により、香味評価を行った(ただし、実施例20、21、22、23、および24に対する対照を、それぞれ比較例4、5、6、7、および8とした)。それぞれの使用白土の陽イオン無添加区に対するカフェイン除去率およびイオン無添加の比較例に対する濁度低減率を下記表5に示した。下記表5中の処理pHは、緑茶抽出物と、白土との接触時のpHを表す。
【0078】
【表5】
【0079】
いずれの白土においても、白土処理時に塩化カルシウムを添加することによって、茶飲料中のカフェインが十分除去されるとともに、濁度が低減された。
【0080】
[試験5](烏龍茶における、塩化カルシウム添加による濁度低減効果)
烏龍茶葉100gに対して80℃の熱水3600gを添加し、5分間抽出した。抽出後、固液分離し、得られた濾液を20℃まで冷却した後にイオン交換水で3600gとし、烏龍茶抽出液を得た。得られた烏龍茶抽出液360gに対し、酸性白土(ミズライト:水澤化学社製)8gを10mMの塩化カルシウム溶液40gに懸濁させた液を添加後、室温(25℃)で10分間接触させた。接触後に遠心分離処理を行い、比較例9および実施例25の白土処理烏龍茶抽出液を得た。
【0081】
得られた白土処理烏龍茶抽出液について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC:日本分光社製)を用いてカフェイン量を定量し、分光光度計(日立社製、U−3310)を用いて濁度測定を行った。また、白土処理烏龍茶抽出液320gを0.2μmメンブランフィルターで濾過し、得られた濾液にL−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを添加後、イオン交換水で1000gとして、烏龍茶飲料を得た。得られた烏龍茶飲料について、上記試験1と同じ評価基準により、香味評価を行った(ただし、対照を比較例9とした)。陽イオン無添加区に対するカフェイン除去率および比較例9に対する濁度低減率および香味の評価結果を下記表6に示した。下記表6中の処理pHは、烏龍茶抽出物と、白土との接触時のpHを表す。
【0082】
【表6】
【0083】
烏龍茶においても、白土処理時に塩化カルシウムを添加することによって、茶飲料中のカフェインが十分除去されるとともに、濁度が低減された。
【0084】
[試験6](紅茶における、カルシウム添加による濁度低減効果)
紅茶葉100gに対して80℃の熱水3600gを添加し、5分間抽出した。抽出後、固液分離し、得られた濾液を20℃まで冷却した後にイオン交換水で3600gとし、紅茶抽出液を得た。得られた紅茶抽出液360gに対し、酸性白土(ミズライト:水澤化学社製)8gを10mMの塩化カルシウム溶液40gに懸濁させた液を添加後、室温(25℃)で10分間接触させた。接触後に遠心分離処理を行い、比較例10および実施例26の白土処理紅茶抽出液を得た。
【0085】
得られた白土処理紅茶抽出液について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC:日本分光社製)を用いてカフェイン量を定量し、分光光度計(日立社製、U−3310)を用いて濁度測定を行った。また、白土処理紅茶抽出液320gを0.2μmメンブランフィルターで濾過し、得られた濾液にL−アスコルビン酸および炭酸水素ナトリウムを添加後、イオン交換水で1000gとして、紅茶飲料を得た。得られた紅茶飲料について、上記試験1と同じ評価基準により、香味評価を行った(ただし、対照を比較例10とした)。陽イオン無添加区に対するカフェイン除去率および比較例10に対する濁度低減率および香味の評価結果を下記表7に示した。下記表7中の処理pHは、紅茶抽出物と、白土との接触時のpHを表す。
【0086】
【表7】
【0087】
紅茶においても、白土処理時に塩化カルシウムを添加することによって、茶飲料中のカフェインが十分除去されるとともに、濁度が低減された。