【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有する装置と、請求項12による方法とにより、達成される。
【0009】
従属クレームで記される特徴は、本発明の有利な実施形態及び進歩を得るために用いられ得る。
【0010】
本発明による、この目的の解決法は、浸透されるガスの、調査ガススペース、供給室、または蒸気空間とも呼ばれるテストガススペースからの、バリアエレメントを通じた、中空の伝導エレメント及び浸透シンクを備えた後続する計測チャンバーへの対流的な質量移動が、拡散が制御される質量移動により置き換えられる、という事実を考慮する。これは、浸透物質(テストガススペースからバリアエレメントを通じて浸透される物質)が、不活性ガス雰囲気へ流入することなく、既知の長さの拡散経路に沿って、浸透シンクまで拡散し、拡散シンクで吸収され、または除去されることを意味する。ここで、浸透シンクは、浸透物質の一定で低い濃度を保証する。浸透シンクの結果として、拡散経路に亘って、濃度勾配が形成される。ここで、濃度勾配は、拡散の推進力及び原因となる。
【0011】
フィックの第一法則(1)によれば、
(1) J=−D*ΔC/Δx
拡散方向とは逆方向の浸透物質の濃度勾配(ΔC/Δx)は、粒子束密度J(拡散経路を通じた浸透物質の流速)に比例する。ここで、比例定数Dは、浸透物質の拡散係数である。
【0012】
浸透されるガスのバリアエレメントを通じた一定の浸透の場合、バリアエレメントを通る浸透物質の質量流束M
Bは、拡散経路におけるガス雰囲気を通る浸透物質の質量流束M
Gに等しい。この場合、一定の濃度プロファイルが成り立つ。
【0013】
一般に、質量流束Mは、単位時間当たりに断面積Aを通過する質量を意味する。
【0014】
例えば、バリアエレメントの場合のような固形物に対しては、浸透物質の質量流束M
Bは、式(2)に従って、固形物の浸透率PR
Bと固形物の浸透面積A
Bとの積から得られる。
(2) M
B=PR
B*A
B
【0015】
後続して隣接する、浸透物質が拡散可能な拡散経路の、ガス雰囲気を考慮する場合、浸透物質の質量流束M
Gは、式(3)に従って、粒子束密度J(単位時間毎に拡散束に垂直な断面積を通って拡散する粒子)と拡散が生じ得る拡散経路の関連する各
内部クリア断面積A
Gとから得られる。
(3) M
G=J*A
G
【0016】
全体系において一定の浸透物質の質量流束Mの場合(M
B=M
G)、以下が当てはまる。
(4) PR
B*A
B=J*A
G
(5) PR
B*A
B=−D*Δc/Δx*A
G
(6) PR
B=−D*Δc/Δx*A
G/A
B
従って、固形物(バリアエレメント)の浸透率PR
Bは、拡散経路のガス雰囲気において形成される濃度勾配Δc/Δxの情報を用いる式(6)を用いて算出することができる。この場合に、バリアエレメントに亘る浸透物質の濃度変化は、拡散経路に亘る浸透物質の濃度変化よりも100倍大きく、従って、バリアエレメントを通じる浸透は、計測に影響されない、ということが当てはまる。
【0017】
浸透物質の濃度を計測するために、計測が非侵襲で行われる計測法が利用される。ここで、浸透物質の濃度は、浸透物質が使い切られず、浸透物質の濃度が影響されない方法で計測される。光学的なセンサー/検出器が用いられる必要があるのは、これが理由である。
【0018】
バリアエレメントまたは超バリアエレメントの浸透率を測定する、本発明による対応する装置は、バリアエレメントによりテストガススペ−スから分離される、計測チャンバーを有する。浸透されるガスは、テストガススペースに含まれ、及び/または、該ガスは、連続して供給され、除去される。ここで、浸透される各ガスの一定の分圧が、常に維持される。
【0019】
バリアエレメントは、計測チャンバーに対して、少なくとも部分的に、既知の浸透性の断面積A
Bの分離を形成する。浸透シンクを備える少なくとも一つの中空の伝導エレメントが、浸透物質が拡散可能な流れの自由な拡散経路が前記バリアエレメントから始まり前記中空の伝導エレメントを通じて前記浸透シンクに至るように、そのような計測チャンバーに接して配置または形成される。中空の伝導エレメントは、チャネル状またはパイプ状のエレメントにより形成されてもよく、加熱装置を有してもよい。中空の伝導エレメントの端部は、浸透シンクへ開口する。浸透物質は、浸透シンクにおいて、吸着物質及び/または吸収物質により、連続的に除去可能である。例えば、水蒸気の浸透物質が用いられる場合、水蒸気を除去するために、ゼオライトを用いることができる。さらに、例えば大きい断面積を備えるT状部品として一体化され、浸透物質を含まない乾性ガスを用いて連続して排出される、浸透シンクが用いられてもよい。
【0020】
少なくとも計測チャンバーと中空の伝導エレメントとは、周囲雰囲気に対して、圧力密閉状態及び流体密閉状態で密閉され、平衡質量流束を形成するために、または、浸透物質の一定の濃度勾配を形成するために、自由な流れのガス雰囲気が拡散経路内に設定され、拡散物質が拡散経路を通じた拡散の結果としてのみ、浸透シンクに達することを保証する。特に、水蒸気の侵入をもたらす、各エレメントの接続点での漏えい箇所は、濃度勾配の形成が干渉状態で重畳されるため、あってはならない。
【0021】
中空の伝導エレメントの内部クリア断面積A
Gは、少なくとも一つの位置で、断面積A
Bより小さくても大きくてもよい。ここでは、小さい内部クリア断面積A
Gが好ましい。
【0022】
前述した、全体系において一定の浸透物質の質量流束の場合(M
B=M
G)に対して、バリアエレメントから始まり浸透シンクの方向へ向かう浸透物質の濃度勾配が、拡散経路に沿って、形成される。
【0023】
拡散経路に沿う少なくとも一つの位置で、中空の伝導エレメントは、バリアエレメントの浸透性の断面積A
Bとは異なる、内部クリア断面積A
Gを有する。拡散経路に沿う内部断面の変化は、この場合、急激であっても、例えば、円錐形状または部分的な傾斜の結果として、連続的であってもよい。
【0024】
さらに、中空の伝導エレメントは、ステンレス鋼で作られてもよく、たとえば電解研磨された表面等の、表面処理が成された内壁を有してもよい。また、中空の伝導エレメントの内部クリア断面積A
Gは、既知の
内部クリア断面積A
Gを備える、様々な内部断面形状(円形、多角形、または不規則な形状)を有してもよい。
【0025】
中空の伝導エレメントの有利な実施形態では、拡散経路に沿う
内部クリア断面積A
Gは、例えば、ダイアフラムの場合では、栓の開口を変化させることで調整されてもよい。少なくとも一つのそのような栓が、中空の伝導エレメントの内部の拡散経路に沿う少なくとも一つの位置に配置されてもよい。ここで、そのような栓は、拡散経路が圧力密閉状態及び流体密閉状態であり得るように形成されてもよい。
【0026】
漏えい率の危険性を低減するために、計測チャンバー、中空の伝導エレメント、及び、テストガススペースの、すべての接続点は、例えばはんだ付けまたは溶接により、圧力密閉状態及び流体密閉状態で接続される必要がある。
【0027】
さらに、中空の伝導エレメントは、拡散経路の延長を達成できるように、蛇行する外形構造を有してもよい。ここで、拡散経路の長さは、計測チャンバーと浸透シンクとの間の距離よりも大きくてもよい。その結果、よりコンパクトなデザインを可能とし、浸透物質の濃度の計測を容易にすることができる。
【0028】
一定に維持される流速を有する必要があるパージガスが、浸透シンク内を流れてもよい。ここで、流速は、負圧(“ウォータービームポンプ効果”)または乱流が、計測チャンバー及び中空の伝導エレメントにおいて生じないように、設定される必要がある。濃度勾配の干渉を低減するために、浸透物質に対して浸透性のある膜、例えば、多孔質材料またはフィルターが、中空の伝導エレメントの開口部(浸透シンクへの接続点)に配置されてもよい。
【0029】
少なくとも一つの放射源からの放射で、各浸透物質の吸収波長に対応する少なくとも一つの波長を有しながら、一浸透物質のそのような吸収波長の周辺の厳密に区切られた波長帯域に少なくともある放射が、中空の伝導エレメントにおけるウィンドウエレメントを通って、及び/または、少なくとも部分的に光学的に透明な中空の伝導エレメントをとって、放出されてもよい。
【0030】
放射は、既知の長さの拡散経路の体積エレメントdを通じて、バリアエレメントから、または、浸透シンクから、既知の距離の、拡散経路に沿う位置x
iで、ガイドされ、浸透物質の少なくとも一つの各吸収波長の強度の計測に適した、少なくとも一つの光学的検出器に向けられる必要がある。ここで、バリアエレメントから、または、浸透シンクからの、距離x
iは、拡散経路の絶対経路長に相当する。放射は、垂直にまたは平行に、拡散経路の体積エレメントを通じてガイドされてもよい。
【0031】
中空の伝導エレメントの有利な実施形態では、プリズム、レンズ、またはファイバー等の、光学エレメントが、中空の伝導エレメント内での放射のビームガイドとして用いられてもよい。さらに、放射源及び検出器は、中空の伝導エレメント内に配置されてもよく、そこでは、中空の伝導エレメントの内壁が、反射エレメントとして用いられてもよい。
【0032】
例えば、拡散経路に沿う放射の位置及びガイドは、放射源及び検出器を線形ユニット上でずらすことにより、または、ファイバー結合される光学ユニット及び光学マルチプレクサーにより、変更されてもよい。
【0033】
装置のさらなる実施形態では、中空の伝導エレメントと浸透シンクとを共に備える計測チャンバーは、例えば、調整後に、差し替え型システムにより交換されてもよく、または、気候チャンバーから装置に手動で挿入されてもよい。このために、計測チャンバー及び/または中空の伝導エレメントは、周囲の雰囲気に対して圧力密閉状態及び流体密閉状態となるためのバルブを備えてもよい。従って、中空の伝導エレメントと浸透シンクとに接続される計測チャンバーは、装置が、計測される多数のサンプル(中空の伝導エレメントと浸透シンクとを備える多数の計測チャンバー)を備えることができるように、自律型ユニットとして一体化されてもよい。ここで、放射源及び検出器を用いた多数のサンプルの計測は、同時に行われてもよい。
【0034】
装置の特有の実施形態では、互いに異なる内部クリア断面積A
Gを備える少なくとも二つの中空の伝導エレメントが、計測チャンバーと浸透シンクとの間に平行に配置される。ここで、中空の伝導エレメントの内部クリア断面積A
Gは、断面積A
Bと異なってもよい。さらに、各中空の伝導エレメントは、拡散経路の圧力密閉状態及び流体密閉状態に役立つ、バルブまたは栓を有してもよい。
【0035】
さらなる有利な実施形態では、既知の浸透性/浸透率を備える第二のバリアエレメントが、第一の計測チャンバーに続いて配置され、第二の計測チャンバーが、第二のバリアエレメントに続いて配置される。この実施形態では、第二のバリアエレメント及び第二の計測チャンバーの配置は、第一の計測チャンバーの拡散経路の代替品として用いられる。従って、第二のバリアエレメントの既知の浸透/拡散抵抗を、第一のバリアエレメントの浸透率を測定するために用いることができる。例えば、未知のバリアエレメントの水蒸気の浸透性WDD
2を、既知のバリアエレメントを通じた質量流束m´
1の初期設定に基づいて、算出することができる。
(7) m´
1=WDD
1*Δc
1*A
1/d
1
ここで、WDD
1は、既知のバリアエレメントの水蒸気の浸透性であり、Δc
1は、既知のバリアエレメントに亘る濃度変化であり、A
1は、既知のバリアエレメント
の断面積であり、d
1は、既知のバリアエレメントの厚みである。
【0036】
Δc
1(既知のバリアエレメントに亘る濃度変化)<<Δc
2(計測される未知のバリアエレメントに亘る濃度変化)の仮定の下で、未知のバリアエレメントを通じた水蒸気の浸透性WDD
2が、以下の式により、簡単に確定可能である。
(8) WDD
2=m´
1*A
2(m´
1=m´
2が当てはまる場合)
【0037】
また、計測される未知のサンプルに亘って、計測により生じる、より小さい濃度勾配を除去するために、以下の式により、補正計算を行うこともできる。
(9) WDD
2=WDD
1*Δc
1、
2/
(Δc
1、
2−Δc
1)
ここで、WDD
2は、計測される未知のバリアエレメントの水蒸気の浸透性であり、WDD
1は、既知のバリアエレメントの水蒸気の浸透性であり、Δc
1、
2は、両バリアエレメントに亘る濃度変化であり、Δc
1は、既知のバリアエレメントに亘る濃度変化である。
【0038】
バリアエレメントの浸透率を測定する本発明による方法の場合、少なくとも一つの浸透されるガスが、テストガススペースにおいて、連続的に供給され、及び/または、一定の分圧で維持される。
【0039】
凝縮性、非凝縮性、有毒性、及び可燃性のすべての気体物質、及び、蒸気、及び/または、上記混合物が、浸透物質として問題となる。例えば、これは、CO、CO
2、NH
3、SF
6、気化ガソリン、ベンゼン、芳香類、気化溶剤(アセトン、2−プロパノール)、及び、それらの同位体に当てはまる。しかしながら、バリアエレメントの浸透率の測定には、浸透物質として、好ましくは、水蒸気が用いられる。
【0040】
バリアエレメントの断面積A
Bを通って浸透された浸透物質は、計測チャンバーに達し、計測チャンバーから、拡散経路に沿って、断面積A
Bとは異なる少なくとも一つの内部クリア断面積A
Gを備えた少なくとも一つの中空の伝導エレメントを通じて、浸透シンクへ拡散し、浸透シンクにおいて、検出限界以下の一定の浸透濃度が浸透シンクで設定されるように、乾性のパージガスにより、吸着され、及び/または、吸収され、及び/または、除去される。ここで、浸透シンクにおける浸透物質の濃度は、ゼロに等しくてもよい。
【0041】
同時に、各浸透物質の少なくとも一つの吸収波長を有し、少なくとも一つの放射源により放出される、放射が、計測チャンバー、及び/または、少なくとも一つの中空の伝導エレメントを通って方向が定められ、
単一位置での計測の場合、少なくとも一つの既知の位置x
iでの拡散経路の体積エレメントdを通じてガイドされ、及び、複数位置での計測の場合、少なくとも二つの既知の位置x
i、x
iiでの拡散経路の各体積エレメントd
i、d
iiを通じてガイドされ、
少なくとも一つの光学的検出器に向けられ、
測定プロセスにおいて、
浸透物質の濃度の結果としての放射の強度変化が検出され、それにより、浸透濃度cが確定される。
【0042】
単一位置での計測の場合、拡散経路に沿う既知の位置x
iは、位置x
iとバリアエレメントまたは浸透シンクとの間の、拡散経路の絶対経路長に相当する。
【0043】
続いて、位置x
iでの浸透物質の濃度c
i、または、複数位置での計測の場合、位置x
i及びx
iiでの濃度c
i及びc
iiが、ランベルト・ベールの法則に基づいて確定される。
(10) −l
g(I
1/I
0)=ε*c*d
【0044】
最初に記述したように、平衡状態(M
B=M
G)では、拡散経路に沿って、浸透物質の濃度勾配が形成される。拡散経路に沿う二つの異なる位置x
i及びx
iiでの浸透物質の濃度の測定により、浸透物質の濃度の変化Δcを確定することができる(二点位置での計測)。ここで、二つの位置x
i及びx
iiの間の拡散経路の絶対経路長は、拡散経路
の部位Δxに相当する。Δc及びΔxを知ることにより、浸透物質の濃度勾配を確定することができる。各浸透物質の拡散定数Dが、参考文献から不明である場合、浸透物質の濃度勾配は、既知の浸透率を備える基準となるバリアエレメントを用いて確定されてもよい。また、拡散定数Dは、相対的に大きい濃度勾配または相対的に大きい(バリアエレメントの)面積の場合、キャリアガス法に従う平衡計測により、もたらされてもよい。
【0045】
続いて、前記バリアエレメントの浸透率PR
Bが、
浸透物質の濃度勾配Δcと拡散経路の部位Δxの長さにより得られる、浸透物質の濃度勾配Δc/Δxと、拡散経路の部位Δxの
内部クリア断面積A
Gとバリアエレメントの浸透性の断面積A
Bとの割合(A
G/A
B)と、浸透物質の拡散定数Dの負の値との積で算出される。
【0046】
単一位置での計測の場合、放射は、平行または垂直に拡散経路の体積エレメントdを通じて、既知の位置x
iでの拡散経路を通じてガイドされる。浸透シンクでの浸透物質の濃度が連続的にゼロに等しいという仮定の下で、位置x
iで測定される浸透物質の濃度c
iは、浸透物質の濃度の変化Δcに相当する。それに応じて、位置x
iと浸透シンクとの間の、拡散経路の絶対経路長は、拡散経路の部位Δxに相当する。
【0047】
(複数の位置での)単独計測の場合に計測エラーを増大する、機器(放射源、補助的電子機器)に依存する計測エラーは、比較計測(同じビーム源の比較利用)により、最小化することができる。このために、ビーム源からの放射が、例えば、ビームスプリッターにより分割され、拡散経路を通じて、二か所で同時にガイドされ、二つの検出器に向けられてもよい。
【0048】
最適な計測の目的のために、浸透率の目標領域は、既知である必要がある。従って、適合パラメータA
G及びΔ
Xを備える、中空の伝導エレメント及び浸透シンクを備える、適切な計測チャンバーを、事前に選択してもよい。さらに、計測チャンバー及び中空の伝導エレメントにおける浸透物質の濃度は、調べを受けるバリアエレメントの断面積A
Bを変更することにより、設定されてもよい。このために、テストガススペースは、栓を有してもよく、それにより、断面積A
Bを変化させることができる。
【0049】
パラメータ(A
B、A
G、Δx)設定時のダイナミックレンジを増すために、未知のサンプルを調べる場合、互いに異なる内部クリア断面積A
Gを有する複数の中空の伝導エレメントが計測チャンバーから始まり浸透シンクの方向に向かって互いに平行に配置される、大きく異なるパラメータで並列(時間及び空間)に行われる計測が、あってもよい。計測される浸透物質の濃度が、計測範囲外にある場合、複数の中空の伝導エレメントが、バルブまたは栓を用いて、選択的に開かれまたは閉じられ、その結果、拡散経路の
内部クリア断面積A
G及び/または拡散断面積A
Bを変化させることができる。
【0050】
計測法として、レーザーダイオード分光法が用いられることが好ましい。しかしながら、放射源として、量子カスケードレーザー、鉛塩レーザー、または、ファイバーレーザーが用いられてもよい。異なるスペクトル範囲においての、FTIR分光法、キャビティリングダウン分光法、光音響分光法、及び、さらなる光学的な分光法(分散的、非分散的)の連携が、同様に有利である。原則として、非侵襲原理で動作し、浸透物質を使い切らない、または、浸透物質の濃度勾配に干渉しない、すべてのセンサー/検出器、例えば、容量性及び分光(光学的、マイクロ波、THz)センサーを、利用することができる。
【0051】
浸透率は、-20℃から85℃の温度範囲及び大気条件でのバリアエレメントの適用条件下で、計測される必要がある。計測は、浸透物質の濃度勾配が一定(質量流束が平衡M
B=M
G)の場合に、開始可能である。温度は、計測の間、一定に維持される必要があるが、これは、吸着及び脱着プロセスの温度依存性が高く、計測に影響を与え得るからである。同様に温度依存性である、各浸透物質の拡散定数Dは、既知であり、または、既知の浸透性を備える基準となるバリアエレメントに基づいて、確定することができる。
【0052】
拡散経路に沿う拡散は、非常に遅いため、平衡状態に達するまでの時間は、第一に、拡散経路の長さに依存し、第二に、吸着及び吸収プロセスに依存する。より小さい内部クリア断面積A
Gを備える中空の伝導エレメントの場合、浸透物質の粒子と計測チャンバー及び/または中空の伝導エレメントの壁の原子との衝突の数の比率が、浸透物質の粒子とさらなるガスの原子との衝突の数の比率に比べて増加する。また、脱着の確率が非常に低い(浸透物質の粒子が再び脱着されるまでの時間が非常に長い)ため、吸着の確率の増加をも伴い、その結果、拡散経路に沿う拡散は、速度が遅くなる。これは、浸透物質の質量流束が平衡になるまでに、非常に長い整定時間をもたらす。これに対処するために、中空の伝導エレメントは、乾性の不活性ガスでの排出、熱脱離、UV照射、または、反応性ガスにより、事前に状態が整えられてもよい。事前に状態を整える方法は、例えば、フィルム等のサンプルには適していないため、サンプルの交換の際に、計測チャンバー及び中空の伝導エレメントは、バルブまたは栓によって、密閉可能である。
【0053】
浸透物質の濃度勾配の形成は、乾性ガスにより継続的に排出される計測チャンバー及び中空の伝導エレメントにより、加速することができる。計測プロセスにおいて、計測チャンバー及び中空の伝導エレメント内の浸透物質の濃度は、同様に、継続的に、平衡状態に近づく。排出の間、乾性ガスは、浸透シンクから出発し、中空の伝導エレメントを通じてガイドされ、計測チャンバーのバリアエレメントの下に配置されるバルブを介して放出される。例えば、乾性ガスとして、空気、O
2、He、Ar、H
2、及び好ましくはN
2が用いられてもよい。
【0054】
計測感度は、拡散経路の長さ、拡散経路の部位Δxの長さ、放射により照射される拡散経路の体積エレメントdの経路長、及び/または、
内部クリア断面積の比率A
B/A
Gの変化により、影響され、設定可能である。従って、クリア断面積A
Bに対して
内部クリア断面積A
Gを低減することで、計測感度を上げることができる。さらに、計測感度は、単独で、または、拡散経路に沿う
内部クリア断面積A
Gの低減と組み合わせて、拡散経路を延ばすことで、上げることができる。しかしながら、計測感度を上げるために、拡散経路の部位Δxと
内部クリア断面積A
Gとの間の比率を変更してもよい。例えば、中空の伝導エレメントが部分的に毛細管として形成される場合、及び/または、拡散経路の部位Δxが増加する場合が、これに該当する。さらに、計測感度は、拡散経路の体積エレメントdを通る放射の光学的経路長を延ばすことで、上げることができる。しかしながら、ここで、内部クリア断面積A
Gが、拡散経路に沿って放射がガイドされる体積エレメントdに沿って、常に一定である、という、前提条件が、満たされる必要がある。さらに、10
-3g[H
2O]m
-2d
-1から10
-6g[H
2O]m
-2d
-1の範囲の浸透率が測定可能な計測感度に達するように、計測感度を変更するための前述した計測を組み合わせて用いてもよい。
【0055】
以下の記載において、本発明を、多数の典型的な実施形態に基づいて説明する。