特許第5661867号(P5661867)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5661867流体コネクタおよびマイクロ流体システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661867
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】流体コネクタおよびマイクロ流体システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/08 20060101AFI20150108BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
   G01N35/08 A
   G01N37/00 101
【請求項の数】38
【外国語出願】
【全頁数】53
(21)【出願番号】特願2013-128406(P2013-128406)
(22)【出願日】2013年6月19日
(62)【分割の表示】特願2010-506310(P2010-506310)の分割
【原出願日】2008年5月1日
(65)【公開番号】特開2013-213827(P2013-213827A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2013年7月18日
(31)【優先権主張番号】60/927,640
(32)【優先日】2007年5月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512265308
【氏名又は名称】オプコ・ダイアグノスティクス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】OPKO DIAGNOSTICS,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100068526
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 恭生
(74)【代理人】
【識別番号】100138863
【弁理士】
【氏名又は名称】言上 惠一
(74)【代理人】
【識別番号】100132252
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 環
(72)【発明者】
【氏名】ビンセント・リンダー
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・スタインミラー
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル・ケー・シア
【審査官】 谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−526291(JP,A)
【文献】 特表平09−509498(JP,A)
【文献】 特表2006−517652(JP,A)
【文献】 特表2007−500850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/08
G01N 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの入口および1つの出口を含む、第1のマイクロ流体チャネルと、少なくとも1つの入口および1つの出口を含む、第2のマイクロ流体チャネルとを備える、マイクロ流体システムと、
該第1のマイクロ流体チャネルに配置された第1の試薬であって、液体試薬である、第1の試薬と、
該第1のマイクロ流体チャネルの中に該第1の試薬を格納するように、該第1のマイクロ流体チャネルの入口を覆うシールおよび該第1のマイクロ流体チャネルの出口を覆うシールと、
該第2のマイクロ流体チャネルに配置された第2の試薬であって、実質的に乾燥試薬である、第2の試薬と、
該マイクロ流体システムに接続することができる流体コネクタであって、該流体コネクタは流路入口および流路出口を含む流路を備え、接続時に、該流路入口は、該第1のマイクロ流体チャネルの該出口に接続することにより、該流路と該第1のマイクロ流体チャネルとの間の流体連通を可能にし、該流路出口は、該第2のマイクロ流体チャネルの該入口に接続することにより、該流路と該第2のマイクロ流体チャネルとの間の流体連通を可能にする、流体コネクタと
を備え、
該第1のマイクロ流体チャネルおよび該第2のマイクロ流体チャネルは、該流体コネクタがないと相互に流体連通しない、装置。
【請求項2】
前記第1のマイクロ流体チャネルは、さらに、該第1のマイクロ流体チャネルの中に格納される第3の試薬を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の試薬および該第3の試薬は、該第1の試薬および該第3の試薬と混合しない流体によって分離される流体試薬である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第3の試薬は、液体試薬であり、該第1の試薬および該第3の試薬と混合しない前記流体は、気体である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第2のマイクロ流体チャネルの前記少なくとも1つの入口および1つの出口が密閉されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第2のマイクロ流体チャネルの中の前記第2の試薬は、該第2のマイクロ流体チャネルの表面に吸収される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置はさらに、前記第1のマイクロ流体チャネルおよび前記第2のマイクロ流体チャネルを封入するカバーを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2のマイクロ流体チャネルと流体連通している反応域を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記反応域は、少なくとも第1の蛇行チャネル領域を備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
直列に接続される、少なくとも第1および第2の蛇行チャネル領域を備える反応域を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも第1および第2の蛇行チャネル領域の各々は、化学的反応および/または生物学的反応を受けることができる、化学的種および/または生物学的種を備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも第1および第2の蛇行チャネル領域の各々は、該領域の中で化学的反応および/または生物学的反応を実行する際に、該領域の各々の中での単一の均質な信号の検出を可能にする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の蛇行チャネル領域と整列した第1の検出器をさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記第2の蛇行チャネル領域と整列した第2の検出器をさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記マイクロ流体システムは、2つより少ないチャネル交差を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記流路は、第1の体積を有し、前記マイクロ流体システムへの前記流体コネクタの接続前に、該流路の中への制御された体積の流体の導入を可能にする、体積制御要素をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
出口に接続されることができる真空源をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記流体コネクタは、前記マイクロ流体システムの特徴を補完する少なくとも1つの非流体特徴を備えることにより、接続時に該流体コネクタと該マイクロ流体システムとの間に非流体接続を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記流体コネクタは、前記マイクロ流体システムの特徴を補完する少なくとも1つの特徴を備えることにより、該流体コネクタと該マイクロ流体システムとの間に不可逆的な接続を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記流体コネクタはさらに、生物学的実体から流体試料を受容することができる、試料採取要素を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記流体コネクタは、前記生物学的実体から前記流路への流体の移動を可能にすることができる、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記流体コネクタは、前記マイクロ流体システムの特徴を補完する少なくとも1つの非流体特徴を含むスナップ式機構をさらに備えることにより、接続時に、該流体コネクタと該マイクロ流体システムとの間に非流体接続を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記流体コネクタの前記流路は、抗凝固剤を含む試薬を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記試薬は、ヘパリンを含む、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記流体コネクタの前記流路は、自身の中に配置される一連の試薬を含有する、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記流体コネクタの前記流路は、前記マイクロ流体システムへの該流体コネクタの接続前に、自身の中に配置される試料を含有する、請求項1に記載の装置。
【請求項27】
前記第1のマイクロ流体チャネルは、少なくとも10:1の、長さ対平均断面寸法を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項28】
前記マイクロ流体システムと関連する整列要素であって、該マイクロ流体システムから延在し、該流体コネクタを受容および係合して、それにより、該マイクロ流体システムに対する所定の設定構成に該コネクタを配置するように構成および配設される、空洞を備える、整列要素を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項29】
前記流体コネクタが第1の係合構成要素を備え、
前記装置が、該マイクロ流体システムと関連する整列要素であって、流体コネクタを受容および係合し、それにより、該マイクロ流体システムに対する所定の設定構成に該コネクタを配置するように構成および配設される、整列要素を備え、
該整列要素は、該流体コネクタの該第1の係合構成要素の形状を補完する形状を有する第2の係合構成要素を備え、該第1および第2の係合構成要素は、相互に係合して、該整列要素に対する該流体コネクタの移動への実質的な抵抗を生成するように構成および配設され、
該第1および第2の係合構成要素はスナップ式機構を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項30】
前記マイクロ流体システムと関連し、該マイクロ流体システムとほぼ垂直に延在する、整列要素を備え、
該整列要素は、該流体コネクタに係合して、それにより、該流体コネクタの該流路が該マイクロ流体システムとほぼ垂直である、該マイクロ流体システムに対する所定の設定構成に該コネクタを配置するように構成および配設される、請求項1に記載の装置。
【請求項31】
前記マイクロ流体システムが、1つの基板層を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項32】
前記マイクロ流体システムが、2つ以上の基板層を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項33】
前記流体コネクタが、摺動運動によって前記整列要素に挿入されるように適合される、請求項30に記載の装置。
【請求項34】
流体コネクタをマイクロ流体システムに接続する工程であって、前記マイクロ流体システムは、少なくとも1つの入口および1つの出口を有する第1のマイクロ流体チャネルと、少なくとも1つの入口および1つの出口を有する第2のマイクロ流体チャネルとを含み、
第1の試薬が該第1のマイクロ流体チャネルに配置され、該第1の試薬は液体試薬であり、
該第1のマイクロ流体チャネルの中に該第1の試薬を格納するように、シールが該第1のマイクロ流体チャネルの入口を覆っており、シールが該第1のマイクロ流体チャネルの出口を覆っており、
第2の試薬が該第2のマイクロ流体チャネルに配置され、該第2の試薬は実質的に乾燥試薬である、工程を含む方法であって、
前記接続工程は、該流体コネクタを該マイクロ流体システムに接続することにより該第1のマイクロ流体チャネルおよび該第2のマイクロ流体チャネルを相互に流体連通させることを含み、該流体コネクタは流路入口および流路出口を含む流路を備え、接続時に、該流路入口は、該第1のマイクロ流体チャネルの該出口に接続することにより、該流路と該第1のマイクロ流体チャネルとの間の流体連通を可能にし、該流路出口は、該第2のマイクロ流体チャネルの該入口に接続することにより、該流路と該第2のマイクロ流体チャネルとの間の流体連通を可能にし、
前記第1のマイクロ流体チャネルおよび第2のマイクロ流体チャネルは、前記流体コネクタがないと相互に流体連通しない、方法。
【請求項35】
前記接続工程の前に、試料を前記流体コネクタに導入する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記マイクロ流体システムの出口に真空を適用し、それにより、該マイクロ流体システムにおける流体流動が起こる、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記第1のマイクロ流体チャネルが、該第1のマイクロ流体チャネルの中に格納される第3の試薬を備え、前記第1の試薬および前記第3の試薬は、該第1の試薬および第3の試薬と混合しない流体で分離される流体試薬である、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記第3の試薬が液体試薬であり、前記第1の試薬および第3の試薬と混合しない流体が気体であり、前記方法が、前記第1の試薬、前記混合しない流体、および前記第3の試薬を、前記流体コネクタを介して、前記第1のマイクロ流体チャネルから前記第2のマイクロ流体チャネルへと、連続的に流すことを含む、請求項37に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国仮特許出願第60/927,640号(名称「Fluid Connectors and Microfluidic Systems」、2007年5月4日出願)の米国特許法第119条第(e)項の優先権を主張し、この出願は本明細書に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、マイクロ流体システムおよびそれらの構成要素に関し、より具体的には、マイクロ流体システムによって分析を行うための流体コネクタ、方法、および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
流体の送達は、化学、微生物学、および生化学等の分野で重要な役割を果たす。これらの流体は、液体または気体を含んでもよく、化学または生物学的プロセスに試薬、溶剤、反応物、または洗浄剤を提供してもよい。マイクロ流体検定等の、種々のマイクロ流体装置および方法が、安価で高感度かつ正確な分析プラットフォームを提供することができる一方で、マイクロ流体装置の操作がしばしば、装置自体と外界との間で流体を交換する能力を必要とするために、プラットフォームへの流体送達は、費用および精巧さのレベルを追加し得る。場合によっては、装置の操作は、試料の導入、試薬の導入、オフチップ分析用の流体の抽出、1つのチップから次のチップへの流体の移動のうちの1つまたは組み合わせを含む。
【0004】
マイクロ流体装置がスケール法則から利益を享受するために、ほとんどの用途は、卓上の対照物と比較して、検定を実行するために微量の流体しか必要としない。これらの微小システムの開発とともに、マイクロ流体業界は、マイクロ流体装置と実験室界との間のインターフェースを設計するのに多くの労力をつぎ込んできた。外界とチップとの接続と関連する主要な問題は、作業台で典型的に取り扱われる体積(例えば、マイクロリットルからリットル)に対する、チップ上で使用される体積(例えば、フェムトリットルからマイクロリットル)の間の不一致である。例えば、多くの外界とチップとのコネクタは、死空間、例えば、コネクタ自体の芯に位置する場合がある、使われていない体積を有する。例えば、マイクロチャネル(例えば、直径10−200μm)に接続する、小さい内径(例えば、少量の流体を注入するための200μm)を有する管類の場合、管類の縁とマイクロチャネルの入口との間に間隙が残存し得る。その間隙によって画定される体積は、死空間と呼ばれ、場合によっては、分析される試料の全体積と同程度となり得る。実際、多くの装置の死空間はしばしば、チップによって分析される試料の体積よりも大きくなり得る。このことは、少ない試料/試薬の消費量に依存する用途に対して望ましくない効果である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、例えば、死空間を低減し、および/または、マイクロ流体システムと使用者との間の容易なインターフェースを可能にし得る、当該分野の進歩が有益となるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
マイクロ流体システムで分析(例えば、免疫学的検定)を行うための流体コネクタ、方法、および装置を提供する。本発明の一側面では、一連の装置が提供される。
【0007】
一実施形態では、装置は、少なくとも1つの入口および1つの出口を含む、第1のマイクロ流体チャネルと、少なくとも1つの入口および1つの出口を含む、第2のマイクロ流体チャネルとを備える、基板に形成されるマイクロ流体システムを含む。装置はまた、基板に接続することができる流体コネクタも含む。流体コネクタは、流路入口および流路出口を含む流路を備え、接続時に、流路入口は、第1のマイクロ流体チャネルの出口に接続して、流路と第1のマイクロ流体チャネルとの間の流体連通を可能にし、流路出口は、第2のマイクロ流体チャネルの入口に接続して、流路と第2のマイクロ流体チャネルとの間の流体連通を可能にする。流路は、基板への流体コネクタの接続前に、その中に配置される試薬(例えば、試料または一連の試薬等の1つ以上の流体)を含有してもよい。場合によっては、マイクロ流体システムは、システム中の流体の再循環なしで動作するように構成および配設される。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1および第2のマイクロ流体チャネルは、第1の使用前に相互に流体連通しておらず、第1の使用時に、第1および第2のマイクロ流体チャネルは、相互に流体連通させられる。
【0009】
第1のマイクロ流体チャネルは、基板への流体コネクタの接続前に、その中に配置される第1の試薬を含有してもよい。第1のマイクロ流体チャネルはさらに、基板への流体コネクタの接続前に、その中に配置される第2の試薬を備えてもよい。第1および第2の試薬は、該第1および第2の試薬と混合しない流体によって分離される流体試薬であってもよい。第1および第2の試薬は、例えば、液体試薬であってもよく、該第1および第2の試薬と混合しない流体は、気体であってもよい。いくつかの実施形態では、第2のマイクロ流体チャネルは、その中に配置される試薬を含有する。第2のマイクロ流体チャネル中の試薬は、第1の使用前に乾燥させられてもよく、場合によっては、第2のマイクロ流体チャネルの表面に吸収される。装置はさらに、第1および第2のマイクロ流体チャネルを封入するよう基板に隣接して配置される、カバー(例えば、テープ)を備えてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、装置はさらに、第1および/または第2のマイクロ流体チャネルと流体連通している反応域を備え、反応域は、反応域中の化学および/または生物学的反応の検出を可能にする。場合によっては、反応域は、直列に接続される、少なくとも2つの蛇行チャネル領域を備える。少なくとも2つの蛇行チャネル領域は、化学および/または生物学的反応を受けることができる、化学および/または生物学的種を備えることができる。少なくとも2つの蛇行チャネル領域のそれぞれは、該領域中で化学および/または生物学的反応を実行する際に、該領域のそれぞれの中での単一の均質な信号の形成および/または検出を可能にしてもよい。
【0011】
装置はさらに、第1の蛇行チャネル領域と整列した第1の検出器を備えてもよい。いくつかの実施形態では、装置は、第2の蛇行チャネル領域と整列した第2の検出器を備える。
【0012】
マイクロ流体システムは、任意の好適な数のチャネル交差を含んでもよい。例えば、システムは、2つより少ないチャネル交差を含んでもよい。一実施形態では、マイクロ流体システムは、チャネル交差を全く含まない。
【0013】
ある実施形態では、流路は、第1の体積を有し、マイクロ流体システムへの流体コネクタの接続前に、流路の中への第1の体積より少ない制御された体積の流体の導入を可能にすることができる、体積制御要素をさらに備えてもよい。流体コネクタは、接続時に流体コネクタと基板との間に非流体接続を形成するよう基板の特徴を補完する、少なくとも1つの非流体特徴を備えてもよい。流体コネクタは、流体コネクタと基板との間に不可逆的接続を形成するよう基板の特徴を補完する、少なくとも1つの特徴を備えてもよい。流体コネクタはさらに、生物学的実体から流体試料を受容することができる、試料採取要素を備えることができる。流体コネクタは、生物学的実体から流路への流体の移動を可能にしてもよい。
【0014】
場合によっては、装置はさらに、出口に接続することができる真空源を備える。
【0015】
一実施形態では、装置は、入口および出口を含む、第1のマイクロ流体チャネルと、入口および出口を含む、第2のマイクロ流体チャネルとを備える、基板に形成されるマイクロ流体システムを備える。装置はまた、流路入口および流路出口を含む流路を備える、基板に接続することができる流体コネクタも含み、接続時に、流路入口は、第1のマイクロ流体チャネルの出口に接続し、流路出口は、第2のマイクロ流体チャネルの入口に接続する。流体コネクタはさらに、接続時に、流体コネクタと基板との間に非流体接続を形成するよう基板の特徴を補完する、少なくとも1つの非流体特徴を備える。
【0016】
場合によっては、マイクロ流体システムは、システム中の流体の再循環なしで動作するように構成および配設される。いくつかの実施形態では、第1および第2のマイクロ流体チャネルは、第1の使用前に相互に流体連通しておらず、第1の使用時に、第1および第2のマイクロ流体チャネルは、相互に流体連通させられる。
【0017】
一実施形態では、装置は、基板に形成され、その中に配置される第1の試薬を含有する、第1のマイクロ流体チャネルと、基板に形成され、その中に配置される第2の試薬を含有する、第2のマイクロ流体チャネルとを備え、第1および第2のマイクロ流体チャネルは、第1の使用前に相互に流体連通しておらず、第1の使用時に、前記第1および第2のマイクロ流体チャネルは、相互に流体連通させられる。第1のマイクロ流体チャネルはさらに、第3の試薬を備えてもよく、第1および第3の試薬は、該試薬と混合しない流体によって分離される。第2の試薬は、第1の使用前に乾燥させられる。
【0018】
一実施形態では、装置は、入口および出口を含む、第1のマイクロ流体チャネルと、入口および出口を含む、第2のマイクロ流体チャネルとを備える、基板に形成されるマイクロ流体システムを備える。装置はまた、基板に接続することができる流体コネクタも含み、流路入口および流路出口を含む、流路をさらに備えてもよく、接続時に、流路入口は、第1のマイクロ流体チャネルの出口に接続して、流路と第1のマイクロ流体チャネルとの間の流体連通を可能にし、流路出口は、第2のマイクロ流体チャネルの入口に接続して、流路と第2のマイクロ流体チャネルとの間の流体連通を可能にする。流路はさらに、マイクロ流体システムへの流体コネクタの接続前に、流路の中への第1の体積より少ない制御された体積の流体の導入を可能にすることができる、体積制御要素を備える。場合によっては、体積制御要素は、フリットである。
【0019】
一実施形態では、装置は、入口および出口を含む、第1のマイクロ流体チャネルと、入口および出口を含む、第2のマイクロ流体チャネルとを備える、基板に形成されるマイクロ流体システムを備える。装置はまた、基板に接続することができ、流路入口および流路出口を含む流路を備えてもよい、流体コネクタも備え、接続時に、流路入口は、第1のマイクロ流体チャネルの出口に接続し、流路出口は、第2のマイクロ流体チャネルの入口に接続する。流体コネクタはさらに、生物学的構成要素を穿刺することができる、試料採取要素を備える。生物学的構成要素は、ヒト皮膚であってもよい。試料採取要素は、生物学的構成要素から流体試料を受容するために使用されてもよい。流体コネクタは、生物学的実体から流路への流体の移動を可能にしてもよい。
【0020】
本発明の別の側面では、一連の方法が提供される。一実施形態では、試薬を格納する方法は、基板に形成される第1のマイクロ流体チャネルの中に第1の試薬を配置するステップと、基板に形成される第2のマイクロ流体チャネルの中に第2の試薬を配置するステップとを含み、第1および第2のマイクロ流体チャネルは、配置するステップの間に相互に流体連通していない。方法はまた、第1のマイクロ流体チャネルの中に第1の試薬を格納するよう、第1のマイクロ流体チャネルの入口および/または出口を密閉するステップと、第2のマイクロ流体チャネルの中に第2の試薬を格納するよう、第2のマイクロ流体チャネルの入口および/または出口を密閉するステップとを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、密閉する前に、第1のマイクロ流体チャネルは、その中に配置される第3の試薬を含有し、第1および第3の試薬は、該試薬と混合しない流体によって分離される。第2の試薬は、第2のマイクロ流体チャネルの入口を密閉する前に乾燥させられてもよい。
【0022】
一実施形態では、方法は、基板に形成され、第1の使用前にその中に配置される第1の試薬を含有する、第1のマイクロ流体チャネルを提供するステップと、基板に形成され、第1の使用前にその中に配置される第2の試薬を含有する、第2のマイクロ流体チャネルを提供するステップとを含む。第1および第2のマイクロ流体チャネルは、第1の使用前に相互に流体連通しておらず、第1の使用時に、第1および第2のマイクロ流体チャネルは、相互に流体連通させられる。方法はまた、第1および第2のマイクロ流体チャネルを相互に流体連通させるステップも含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、流体連通させるステップは、第1と第2のマイクロ流体チャネルとの間の流路を接続するステップを含む。流路は、その中に配置される試料を含有してもよい。試料は、例えば、流体試料であってもよい。
【0024】
本発明の他の利点および新規の特徴は、添付図と併せて考慮すると、本発明の種々の非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明白となるであろう。本明細書および参照することにより組み込まれる文書が、相反する、および/または一貫性のない開示を含む場合、本明細書が規制するものとする。参照することにより組み込まれる2つ以上の文書が、互いに対して相反する、および/または一貫性のない開示を含む場合は、発効日が遅い文書が規制するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
概略的であり、一定の縮尺で描かれることを目的としない、添付図を参照して、本発明の非限定的な実施形態を一例として説明する。図中、図示された各同一またはほぼ同一の構成要素は、典型的には、単一の数字によって表される。明確にするために、当業者が本発明を理解することを可能にするために図示が必要ではない場合は、全ての図で全ての構成要素が標識化されるわけではなく、示される本発明の各実施形態の全ての構成要素もまた、標識化されるわけでもない。
図1図1Aおよび1Bは、本発明の実施形態による、流体コネクタを含むマイクロ流体装置の概略図である。
図2図2は、本発明の実施形態による、格納した試薬を含有してもよく、化学および/または生物学的反応を行うために使用することができる、マイクロ流体システムのブロック図である。
図3図3A−3Dは、本発明の実施形態による、流体コネクタを含み、化学および/または生物学的反応を行うために使用される格納した試薬を含有する、マイクロ流体システムの概略図である。
図4図4A−4Dは、本発明の実施形態による、流体コネクタを含み、化学および/または生物学的反応を行うために使用される格納した試薬を含有する、マイクロ流体システムの概略図である。
図5図5A−5Fは、本発明の実施形態による、化学および/または生物学的反応を行うために使用される流体コネクタを含む、マイクロ流体装置の写真である。
図6図6は、本発明の実施形態による、マイクロ流体システムのブロック図である。
図7図7A−7Dは、本発明の実施形態による、化学および/または生物学的反応を行うために開放端流体装置とともに使用することができる、マイクロ流体装置の概略図である。
図8図8A−8Dは、本発明の実施形態による、開放端流体装置および流体コネクタの概略図である。
図9図9A−9Fは、本発明の実施形態による、一体型流体コネクタの概略図である。
図10A図10Aおよび10Bは、本発明の実施形態による、別の流体コネクタの概略図である。
図10B図10Aおよび10Bは、本発明の実施形態による、別の流体コネクタの概略図である。
図11A図11Aおよび11Bは、本発明の実施形態による、直角に、またはマイクロ流体システムのチャネルと同じ平面上に接続することができる、流体コネクタの概略図である。
図11B図11Aおよび11Bは、本発明の実施形態による、直角に、またはマイクロ流体システムのチャネルと同じ平面上に接続することができる、流体コネクタの概略図である。
図12A図12A−12Eは、本発明の実施形態による、流体コネクタを基板に取り付けるために使用することができるクリップを含む、流体コネクタの概略図である。
図12B図12A−12Eは、本発明の実施形態による、流体コネクタを基板に取り付けるために使用することができるクリップを含む、流体コネクタの概略図である。
図12C図12A−12Eは、本発明の実施形態による、流体コネクタを基板に取り付けるために使用することができるクリップを含む、流体コネクタの概略図である。
図12D図12A−12Eは、本発明の実施形態による、流体コネクタを基板に取り付けるために使用することができるクリップを含む、流体コネクタの概略図である。
図12E図12A−12Eは、本発明の実施形態による、流体コネクタを基板に取り付けるために使用することができるクリップを含む、流体コネクタの概略図である。
図13図13は、本発明の実施形態による、例えば、コネクタと基板との間の取付けを固定するように流体コネクタおよび/または基板の上に含むことができる、特徴の概略図である。
図14図14Aおよび14Bは、本発明の実施形態による、整列要素と、流体コネクタと、基板とを含む、装置の斜視図を示す、概略図である。
図15図15Aおよび15Bは、本発明の実施形態による、単一部品として形成される整列要素および基板を含む、装置の断面図を示す、概略図である。
図16図16Aおよび16Bは、本発明の実施形態による、別個の部品として形成される整列要素および基板を含む、装置の断面図を示す、概略図である。
図17図17A−17Cは、本発明の実施形態による、蛇行領域の形の検出帯を含む、装置の概略図である。
図18図18Aおよび18Bは、本発明の実施形態による、装置の検出帯において構成要素を検出するための光学システムの概略図である。
図19図19は、本発明の実施形態による、装置の異なる検出帯において構成要素を検出するための光学システムの概略図である。
図20図20は、本発明の実施形態による、光学ライトと、装置の各検出帯と整列した検出器とを含む、光学システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
マイクロ流体システムで分析(例えば、免疫学的検定)を行うための流体コネクタ、方法、および装置を提供する。いくつかの実施形態では、2つの独立チャネルの間の流体連通を可能にするように、基板に形成される2つの独立チャネルを接続するために、流路を有する流体コネクタが使用される。独立チャネルの一方または両方は、分析を行うために使用することができる試薬(例えば、抗体溶液、洗浄緩衝剤、および増幅試薬)によって事前充填されてもよい。これらの試薬は、使用前に長期間の時間量(例えば、1年)にわたって基板のチャネルに格納されてもよい。流体コネクタおよび基板の接続前に、流路は、試料(例えば、血液)で充填されてもよい。試料は、例えば、血液が指から流路の中へ引き込まれる(例えば、毛細管力によって)までユーザの指を刺すことによって、取得されてもよい。流体コネクタおよび基板のチャネルの接続時に、試料は、基板の第1のチャネル内の反応域を通過することができる。このプロセスは、試料の構成要素が反応域中に配置される構成要素と相互作用することを可能にできる。その後、第2のチャネルからの試薬は、流路を介して反応域へ流れることができ、反応域中の構成要素が処理される(例えば、検出可能な信号を発出するように増幅される)ことを可能にする。次いで、種々の検出方法を使用して、反応域中の構成要素を判定することができる。
【0027】
本明細書で説明されるマイクロ流体システムは、(a)試料の無駄が少ししかないか、または全くない、少量の試料の使用、(b)装置に格納される化学および/または生物学的試薬の長期安定性、(c)格納した試薬の間および/または試料と試薬との間の交差汚染の低減、(d)試料計測、(e)訓練を受けていないユーザにとって、装置に試料を導入するための使用の容易性、(f)試薬の効率的な混合、および(g)検定の信頼性等の、1つ以上の利点により、化学および/または生物学的反応、特に、免疫学的検定を行うために有用であってもよい。これらおよび他の利点を、説明および図に関連して説明する。
【0028】
本明細書で説明される部品、システム、および方法は、それぞれ、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、2004年12月20日出願の「Assay Device and Method」と題された国際特許公報第WO2005/066613号(国際特許出願第PCT/US2004/043585号)、2005年1月26日出願の「Fluid Delivery System and Method」と題された国際特許公報第WO2005/072858号(国際特許出願第PCT/US2005/003514号)、および2006年4月19日出願の「Fluidic Structures Including Meandering and Wide Channels」と題された国際特許公報第WO2006/113727号(国際特許出願第PCT/US06/14583号)で説明されているものと組み合わせられてもよい。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態による、マイクロ流体装置10を示す。この例示的実施形態に示されるように、装置10は、マイクロ流体システム22を含む基板20、および基板の2つの独立マイクロ流体チャネルを接続するために使用することができる流体コネクタ40といった、2つの取付け可能なユニットを備える。基板20のマイクロ流体システム22は、入口26および出口28を有するチャネル24、ならびに、入口36および出口38を有するチャネル34を含む。図1Aの例示的実施形態に示されるように、チャネル24および34は接続されない、つまり、チャネルの間には流体連通がない。以下でさらに詳細に説明されるように、各チャネルの中に異なる試薬を格納するため等のように、ある場合においては、接続されていないチャネルが有利であってもよい。例えば、チャネル24は、乾燥試薬を格納するために使用されてもよく、チャネル34は、湿潤試薬を格納するために使用されてもよい。チャネルを相互から物理的に分離させると、例えば、湿潤形態で格納される試薬によって発出される場合がある湿気から、乾燥形態で格納される試薬を保護することによって、各チャネルのそれぞれに格納される試薬の長期安定性を向上することができる。
【0030】
示されるように、流体コネクタ40は、入口46および出口44を有する流路42を含む。流体コネクタ40は、例えば、入口および出口を介して、基板20に接続することができる。接続時に、流路入口46は、マイクロ流体チャネル34の出口38に接続し、流路出口44は、マイクロ流体チャネル24の入口26に接続する。この接続は、流路42を介したチャネル24と34との間の流体連通を引き起こす。部品の入口および出口と基板との間の接続は、流体密封シールを形成して接続点における漏出を防止してもよい。したがって、図1Bに図示されるように、流体が矢印56の方向に流れる場合、チャネル34中の流体の少なくとも一部分は、流路42に流れ込み、次いで、チャネル24に流れ込んで、任意的に、出口28において退出することができる。
【0031】
図1Aは、マイクロ流体システム22を形成する2つの別個のチャネルのみを示すが、他の実施形態では、マイクロ流体システムは、3つ以上の別個のチャネルを含んでもよく、基板の3つ以上のそのようなチャネルを接続するために、流体コネクタを使用することができる。そのような実施形態では、流体コネクタは、基板のいくつかの異なるマイクロ流体チャネルに接続することができる、複数の流路(相互接続されるか、または独立していてもよい)および/または複数の入口および/または出口を有してもよい。加えて、図1は、同じ基板上の2つの別個のチャネル24および34を示すが、部品40は、異なる基板上のチャネルを接続するために使用することができる。
【0032】
図1Bに示されるように、流体コネクタを使用する基板の2つの独立チャネルの接続によって形成される、マイクロ流体システムは、「開ループ」システムの一例である。本明細書で使用されるような、「開ループ」システムは、マイクロ流体システム内を流体の再循環無しで動作するように構成および配設される。換言すれば、マイクロ流体システム内の第1の位置において出発する流体部分は、その位置を離れた後に第1の位置を再び通らない。その代わり、流体部分は、出口において装置から退出してもよい(例えば、流体部分がマイクロ流体システムの中で保有されるか、または使い果たされない限り)。例えば、図1Bに図示されるように、最初は位置「A」にあり、矢印56の方向に流れる流体部分は、流路42に流れ込み、次いで、チャネル24に流れ込み、任意的に、出口28において退出してもよい。しかしながら、マイクロ流体システムの設計は、流体部分がチャネル34に再進入すること、および位置「A」を再び通過することを可能にしない。同様に、最初は位置「B」にあり、矢印56の方向に流れる流体部分は、出口28から退出してもよい。この流体部分は、該位置「B」を再び通過することを可能にするように、チャネル34または24の中へ進入することができない。場合によっては、マイクロ流体システムは、システム内の流体の再循環を可能にしない(例えば、目的の使用中に)。
【0033】
他の実施形態では、「閉ループ」システムを形成するために流体コネクタを使用することができる。本明細書で使用されるような、「閉ループ」システムは、マイクロ流体システム内の第1の位置において出発する流体部分が、その位置を離れた後に第1の位置を再び通ることができるように、マイクロ流体システム内の流体の再循環を可能にしてもよい。例えば、図1Bの基板20の入口36および出口28を接続するために、第2の流体コネクタ(例えば、流体コネクタ40と同様のもの)が使用された場合、閉ループシステムが形成される。代替として、チャネル24と34とが単一の連続チャネルを形成するように入口36と出口28とが接合されるように、マイクロ流体システム22が設計された場合、入口38と出口26との流体コネクタ40の接続は、閉ループシステムを形成する。
【0034】
また、本明細書で説明される装置は、2つ以上の流体コネクタを含んでもよいことも理解されたい。複数の流体コネクタは、1つ以上の基板の複数のチャネル(またはチャネルの各部分)を接続するために有用である。
【0035】
ある実施形態では、基板の単一マイクロ流体チャネルの2つ(以上)の部分を接続するために、流体コネクタが使用されてもよい。基板の少なくとも第1および第2の別個の(独立した)チャネルが本明細書で説明される場合、同様の実施形態を接続するために流体コネクタが使用されてもよいが、第1のチャネルの少なくとも一部分は、流体コネクタを使用する接続の前に、(例えば、単一の相互接続チャネルを形成するように)第2のチャネルの少なくとも一部分と流体連通していることに理解されたい。
【0036】
任意的に、以下でさらに詳細に説明されるように、流体コネクタ40は、流路の接続時に、流体コネクタと基板との間に非流体接続を形成するように基板の特徴を補完する、少なくとも1つの非流体特徴52を含んでもよい。この非流体接続は、流体コネクタと基板との間の接続をさせるのに役立つことができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、基板20のマイクロ流体システムに1つ以上の流体(例えば、血液、血清、血漿、涙液、唾液、尿、精液、痰等の試料、または緩衝剤等の任意の他の関心流体)を導入するために、流体コネクタ40を使用することができる。このことは、試料(または他の流体)が基板の少なくとも1つのチャネルを迂回することを可能にできる。例えば、試料が最初に流路42に導入され、次いで、流体コネクタ40が図1Bに示されるように基板20に接続される場合、矢印56の方向の流体流動は、流路42に含有される試料が、チャネル34ではなくチャネル24に流れ込むことを可能にする。そのような設計は、流路42を介して送達される試料が汚染されるか、あるいはチャネル34内の1つ以上の構成要素に悪影響を及ぼす場合に有用であってもよい。しかしながら、流体コネクタは、装置に流体を導入するために使用される必要はないが、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の装置の少なくとも2つのチャネルを単純に流体的に接続するために使用できることを理解されたい。
【0038】
上記のように、流体は、入口46(または、流体導入の目的で入口の役割を果たしてもよい出口44)を介して流路42に導入されてもよい。流路42の全体または一部分は、流体で充填されてもよい。任意的に、流体コネクタ40は、入口50を流路42に接続する二次流路48を含んでもよい。この設計は、例えば、流体コネクタが基板に接続される(例えば、図1Bに示されるように)前または後に、入口50および二次流路48を介した流体流路42への流体の導入を可能にすることができる。代替として、流体コネクタと基板との接続の前に、入口50を介して流路42に流体を導入することができる。いくつかの実施形態では、入口50および二次流路48を介して流路42に流体を導入した後に、入口50および二次流路48を封鎖することができる(例えば、プランジャにより、または任意の他の好適な方法を使用して)。この封鎖は、装置の操作中にマイクロ流体システムのチャネル交差の数を減少させることができ、下記の理由で有利となり得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、以下で説明されるマイクロ流体システム(装置基板および流体コネクタを含む)は、装置の第1の使用前および/または装置への試料の導入前に、格納した試薬を含有する。格納した試薬の使用は、装置を操作するためにユーザが行わなければならないステップの数を最小化するため、ユーザによるマイクロ流体システムの使用を単純化することができる。この単純性は、本明細書で説明されるマイクロ流体システムが、治療点の環境のユーザ等の訓練を受けていないユーザによって使用されることを可能にすることができる。マイクロ流体装置中の格納した試薬は、免疫学的検定を行うように設計された装置に特に有用である。
【0040】
図2は、格納した試薬を含有してもよく、化学および/または生物学的反応(例えば、免疫学的検定)を行うために使用することができる、マイクロ流体システムのブロック図60である。マイクロ流体装置は、例えば、1つ以上のチャネルおよび/または貯蔵部を含んでもよい、試薬格納域64と流体連通している試薬入口62を含む。装置はまた、試薬格納域64を反応域68に接続することができる流体コネクタ等の、試料搭載域66を含んでもよい。試料の構成要素を検出するための1つ以上の領域(例えば、検出区域)を含んでもよい、反応域は、廃棄物域70と流体連通し、出口72に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、反応域68は、免疫学的検定域である。
【0041】
図2に示される例示的実施形態では、セクション80は、試薬入口と、試薬格納域とを備え、セクション82は、反応域と、廃棄物域と、出口とを備える。試薬は、セクション80および82の一方または両方に格納されてもよい。例えば、1つの特定の実施形態では、試薬は、セクション80の試薬格納域64に流体(例えば、液体または気体)の形で格納され、乾燥被膜の形の試薬は、セクション82の反応域68に格納される。
【0042】
いくつかの実施形態では、セクション80および82は、装置への試料の導入前に、相互に流体連通している(例えば、試料搭載域66を介して)。例えば、試料搭載域66が図1の流体コネクタ40を含む場合、セクション80と82との間の流体連通を引き起こすように、流体コネクタを基板に接続することができる。その後、試料は、入口50および二次流路48を介して装置に導入されてもよい。
【0043】
他の実施形態では、セクション80および82は、装置への試料の導入前に、相互に流体連通していない。例えば、試料搭載域66が、入口50または二次流路48を持たない図1の流体コネクタ40を含む場合、流体コネクタは、試料で充填され、次いで、セクション80と82との間の流体連通を引き起こすように基板に接続されてもよい。この例では、流体連通がセクション80と82との間で形成される時(または直後)に、試料が基板のチャネルに導入される。そのような場合において、セクション80と82とは、装置の第1の使用前に相互に流体連通しておらず、第1の使用時に、セクションは相互に流体連通させられる。
【0044】
本明細書で説明されるように、化学および/または生物学的反応で使用されてもよい、1つ以上の試薬は、第1の使用前および/または装置への試料の導入前に、装置に(例えば、装置基板および/または流体コネクタに)格納および/または配置されてもよい。そのような試薬は、流体および/または乾燥形態で格納および/または配置されてもよく、格納および/または配置の方法は、特定の用途に依存してもよい。試薬は、例えば、液体、気体、ゲル、複数の粒子、または被膜として格納および/または配置することができる。試薬は、任意的に、試薬格納域の一部であってもよい、チャネルの中、貯蔵部の中、表面上、および膜の中あるいは上を含むが、それらに限定されない、装置の任意の好適な部分の中に配置されてもよい。試薬は、任意の好適な方式でマイクロ流体システム(またはシステムの構成要素)と関連してもよい。例えば、試薬は、マイクロ流体システム内で、表面上に架橋結合(例えば、共有結合的またはイオン的に)、吸収、または吸着(物理吸着)されてもよい。1つの特定の実施形態では、チャネルの全体または一部分(流体コネクタの流路または装置基板のチャネル等)は、抗凝固剤(例えば、ヘパリン)で被覆される。場合によっては、第1の使用前および/または装置への試料の導入前に、液体が装置のチャネルまたは貯蔵部内に含有される。
【0045】
いくつかの実施形態では、乾燥試薬は、マイクロ流体装置の1つのセクションに格納され、湿潤試薬は、マイクロ流体装置の第2のセクションに格納される。代替として、装置の2つの別個のセクションは、両方とも、乾燥試薬および/または湿潤試薬を含有してもよい。第1と第2のセクションとは、場合によっては、第1の使用前および/または装置への試料の導入前に、相互に流体連通していてもよい。他の場合においては、セクションは、第1の使用前および/または装置への試料の導入前に、相互に流体連通していない。第1の使用中、格納した試薬は、装置の1つのセクションから別のセクションへ通ってもよい。例えば、流体の形で格納された試薬は、第1と第2のセクションとが流路(例えば、流体コネクタ)を介して接続された後に、装置の第1のセクションから第2のセクションへ通ることができる。他の場合においては、乾燥物質として格納された試薬は、流体で水和され、次いで、セクションの接続時に、第1のセクションから第2のセクションへ通る。さらに他の場合においては、乾燥物質として格納された試薬は、流体で水和されるが、セクションの接続時に、1つのセクションから別のセクションへ通らない。試薬を格納する方法を、以下でさらに詳細に説明する。
【0046】
ブロック図60によって表されるマイクロ流体システムは、2つのセクション80および82のみを含むが、マイクロ流体装置は、他の実施形態では付加的なセクションを含んでもよいことを理解されたい。加えて、試薬格納域64、試料搭載域66、および反応域68の間の流体流動の順序は、いくつかの装置では異なってもよい。例えば、流体流動は、試薬格納域から反応域へ方向付けられてもよく、その後、試料搭載域から反応域への流体流動が続く。他の配設も可能である。
【0047】
図3A−3Dは、流体コネクタを含み、化学および/または生物学的反応で使用することができる、格納した試薬を含有する、マイクロ流体装置の一例を示す。装置100は、チャネル112の形であり、入口116および出口118を含む、試薬格納域110を含む第1のセクション106を含む。特定の用途に応じて、異なる試薬がチャネル112に格納されてもよい。例えば、免疫学的検定を行うために装置が使用されるならば、チャネルは、その中で、順次、洗浄流体120、抗体流体122、洗浄流体124、標識抗体流体126、および洗浄流体128を格納していてもよい。必要に応じて、付加的な試薬および洗浄流体もまた、存在してもよい。これらの試薬は、非混合性流体栓130(気体(例えば、空気、窒素、またはアルゴン)または油(例えば、フッ化炭素または炭化水素)等の分離流体)によって相互から分離される、栓(例えば、液体栓)の形であってもよい。図3Aでは、入口116および出口118は、格納した試薬の蒸発および汚染を防止するよう密閉される。
【0048】
装置100はまた、入口154、出口156、チャネル158、反応域160、および廃棄物域174を有する、第2のセクション150も含む。反応域は、いくつかの検出区域162、164、166、および168を含んでもよい。検出区域は、任意の好適な構成および/または配設を有してもよい。一実施形態では、検出区域のそれぞれは、以下で、かつその全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、2006年4月19日出願の「Fluidic Structures Including Meandering and Wide Channels」と題された国際特許公報第WO2006/113727号(国際特許出願第PCT/US06/14583号)でさらに詳細に説明されるような、蛇行(蛇行性)チャネルの形である。検出区域は、例えば、試料の異なる構成要素を検出するように配設されてもよく、または、陽性および/または陰性対照として使用されてもよい。場合によっては、検出区域のうちの1つ以上は、その中に格納された試薬を含有する。1つの特定の実施形態では、免疫学的検定を行うために使用される装置は、一連の格納した乾燥試薬を含む。試薬は、蛇行チャネルの表面上に物理吸着されてもよい。例えば、検出区域162は、陰性対照(例えば、タンパク質の接着を防止することが知られている洗剤)を含んでもよく、検出区域164および166は、試料の構成要素に結合してもよい、異なる濃度の抗体(または、試料の異なる構成要素に結合することができる、2つの異なる抗体)を含んでもよく、検出区域168は、陽性対照(例えば、試料から判定されることが予期される同じ抗原)を含んでもよい。陽性対照は、定性的対照として使用されてもよく、例えば、信号がある閾値に到達した場合に、試験を有効と見なすことができる。加えて、および/または代替として、陽性対照は、定量化手段として使用することができ、例えば、信号の強度は、オンチップ較正プロセスの一部となり得る。
【0049】
図3Aに図示される実施形態に示されるように、セクション150内の領域のそれぞれは、相互に流体連通しているが、いずれもセクション106の構成要素のうちのいずれかとは流体連通していない。ある実施形態では、以下でさらに詳細に説明されるように、この構成が各セクション中の試薬のそれぞれの長期格納を推進することができるため、格納した乾燥試薬を含有するセクション150および格納した湿潤試薬を含有するセクション106は、第1の使用前に相互に流体連通しないように構成される。
【0050】
図3Bに示されるように、セクション106と150とは、流体コネクタ178を使用して接続することができ、セクション106と150とを相互に流体連通させる。出口118および入口154が図3Aのシール(例えば、生体適合性テープ)で覆われる場合、この接続は、出口および入口を覆う密閉を穿孔させる、破れさせる、または除去させることができる。
【0051】
流体コネクタ178は、試料搭載のために使用されてもよく、その中に含有される試料180を含んでもよい。本明細書に説明されるように、試料180は、好適な方法によって流体コネクタ178に導入されてもよく、場合によっては、セクション106と150との間で流体連通する前に、流体コネクタに導入される。
【0052】
図3Cに図示される実施形態に示されるように、試薬格納域110中の流体および試料180は、セクション106からセクション150に向かって流れてもよい。流体流動は、例えば、入口116に陽圧を適用することによって(例えば、プランジャ、重力、またはポンプを使用して)、または出口156に真空を適用することによって起こってもよい。そのような実施形態では、陽圧および/または真空源は、それぞれ、1つ以上の入口および/または出口に接続されてもよい。
【0053】
試料180は、最初に、反応域160(図3C)に流れ込み、次いで、廃棄物域174(図3D)に流れ込む。検出区域を通る試料の通過は、試料の1つ以上の構成要素(例えば、抗原)と反応域中の1つ以上の構成要素(例えば、抗体)との間の相互作用(例えば、結合)を可能にする。本明細書で説明されるように、反応域の構成要素は、第1の使用前に、反応域に格納される乾燥試薬の形であってもよい。この相互作用は、結合対錯体等の生成物を形成してもよい。場合によっては、この相互作用が単独で、マイクロ流体システムに連結される検出器によって判定される(例えば、測定される)信号を引き起こす。他の場合においては、正確な信号が検出器によって判定されるために、生成物は、試薬格納域110からの1つ以上の試薬によって処置される。例えば、試薬格納域110に格納される試薬は、試料の抗原と相互作用する標識抗体であってもよい。この相互作用は、生成物が標識化されること、または生成物からの信号が増幅されることを可能にすることができる。
【0054】
免疫学的検定を伴う、1つの特定の実施形態では、格納域中の格納した試薬は、酵素増幅溶液および沈殿染料(例えば、ジアミノベンジジン、DAB)を含む。試薬格納域110からの1つ以上の試薬は、検出区域のそれぞれを通過させることができる。これらの試薬は、例えば、信号を増幅するように、および/または、図3Dの検出区域164および168で描写されるように錯体を標識化するように、さらに結合対錯体等と相互作用してもよい。
【0055】
試薬格納域中の試薬のそれぞれの間で非混合性流体(分離流体)を維持することによって、格納した流体を試薬格納域から順に送達する一方で、格納した流体のうちのいずれかとの接触を回避することができる。格納した試薬を分離する非混合性流体は、反応域の状態を改変せずに、反応域に適用されてもよい。例えば、抗体・抗原結合が反応域の検出区域のうちの1つで発生した場合、発生した結合に対する最小の影響を伴って、または全く伴わずに、空気を部位に適用することができる。
【0056】
本明細書で説明されるように、マイクロ流体システムに試薬を格納することにより、後続プロセス(例えば、反応域中の信号を増幅する)用の特定の順番で、試薬が分注されることを可能にすることができる。試薬への暴露の特定の時間が所望される場合では、マイクロ流体システム中の各流体の量は、試薬が下流反応域に暴露される時間量に比例してもよい。例えば、第1の試薬に対する所望の暴露時間が第2の試薬に対する所望の暴露時間の2倍であれば、チャネル中の第1の試薬の体積は、チャネル中の第2の試薬の体積の2倍であってもよい。チャネルから反応域に試薬を流す際に、一定の圧力差が適用された場合、および流体の速度が同じまたは同様である場合、反応域等の特定の点における各流体の暴露時間は、流体の相対体積に比例してもよい。チャネル形状、圧力、または粘度等の因子もまた、チャネルからの特定の流体の流速を変更するように改変することができる。
【0057】
加えて、順に、試薬、特に増幅試薬を格納するという、この策略は、広範な化学性質に適応することができる。例えば、検出器による信号の検出を可能にするために、光信号(例えば、吸光度、蛍光性、グローまたは閃光化学発光、電気化学発光)、電気信号(例えば、無電解プロセスによって生成される金属構造物の抵抗または伝導度)、または磁気信号(例えば、磁気ビーズ)を発出する種々の増幅化学性質を使用することができる。
【0058】
試薬を分離するための気体(例えば、空気)栓の使用は、全体的なマイクロ流体装置が多くの気泡に適合することを要求する。気泡は、種々の方法を使用してマイクロ流体装置内で安定化および/または制御されてもよいが、本明細書で説明される、ある実施形態で使用される1つの特定の方法は、システムにおけるチャネル交差の数を限定するステップを含む。したがって、本明細書で説明されるマイクロ流体装置は、わずか(例えば、5、4、3、または2未満)、1つ、またはゼロのチャネル交差を有するように設計されてもよい。本明細書で使用されるような、チャネル交差は、単一点で交差する(例えば、「Y」字を形成する)少なくとも3つのチャネル(または1つ以上のチャネルの各部分)を含む。例えば、図3の装置100は、チャネル交差を全く含まず、図4の装置200は、1つのチャネル交差219しか持たない。チャネル交差を全く含まない装置は、例えば、試薬(例えば、格納した試薬)の混合を必要としない反応を行うために有用であってもよい。
【0059】
図4A−4Dは、流体コネクタを含み、化学および/または生物学的反応で使用することができる格納した試薬を含有する、マイクロ流体装置の別の例を示す。これらの例示的実施形態に示されるように、装置200は、試薬格納域204を備える第1のセクション202を含む。試薬格納域は、上部分205および下部分206といった、2つの部分を有する。上部分は、それに接続される入口216を有するチャネル208と、それに接続される入口217を有するチャネル209とを含む。チャネル208と209とは、上部分で分離され、下部分のチャネル212に接続される交差219で交わる。チャネル212は、出口218に接続される。それぞれ異なるチャネルに接続される、2つの入口216および217を有する、装置200は、例えば、2つの試薬が装置上で別々に格納される必要があるが、使用中または使用直前に混合を必要とする、反応を行うために有用であってもよい。
【0060】
1つの特定の実施形態では、装置200は、信号増幅の銀強化を使用する、ヒトIgGの免疫学的検定を行うために使用される。銀塩の溶液がチャネル208に格納され、ヒドロキノンの溶液がチャネル209に格納される。混合時に信号増幅を発出することができる、これらの2つの構成要素は、別個のチャネル中に位置するため、流動が両方の溶液を交差219に向かって駆動するまで相互に混合することができない。
【0061】
相互に混合される必要がない試薬は、試薬格納域の下部分206に格納することができる。これらの試薬は、必要に応じて、例えば、洗浄流体、抗体流体、および他の流体を含むことができる。試薬は、非混合性流体栓230(気体(例えば、空気)または油等の分離流体)によって相互に分離される栓の形であってもよい。図4Aでは、入口216および217、ならびに出口218は、格納した試薬の蒸発および汚染を防止するよう密閉される。
【0062】
装置200はまた、入口254、出口256、チャネル258、反応域260、および廃棄物域274を有する、第2のセクション250も含む。反応域はまた、検出区域262、264、266、および268を含んでもよい。任意的に、1つ以上の検出区域は、本明細書で説明されるように、蛇行チャネル領域の形であってもよい。検出区域は、例えば、試料の異なる構成要素を検出するように配設されるか、または陽性および/または陰性対照として使用されてもよい。場合によっては、検出区域のうちの1つ以上は、その中に格納された試薬を含有する。一実施形態では、免疫学的検定を行うために使用される装置は、一連の格納した乾燥試薬を含む。試薬は、検出区域の蛇行チャネルの表面上に物理吸着されてもよい。
【0063】
装置200が、ヒトIgGの免疫学的検定を行うために使用され、信号増幅の銀強化を使用する、1つの特定の実施形態では、反応域の蛇行チャネルの1つ以上の表面は、BSA(ウシ血清アルブミン)またはTween、陰性対照(例えば、タンパク質の接着を防止することが知られている洗剤)、試料の構成要素に結合してもよい異なる濃度の抗体(例えば、抗ヒトIgG)、ヒトIgG、陽性対照(例えば、試料から判定されることが予期される同じ抗原)等の、生体分子によって修飾される。これらの試薬は、入口254および出口256を密閉することによって、使用前にセクション250に格納される。
【0064】
図4Bに示されるように、セクション202と250とは、流体コネクタ278を使用して接続することができ、セクション202と250とを相互に流体連通させる。流体コネクタ278は、試料搭載のために使用されてもよく、その中に含有された試料280(例えば、血液)を含んでもよい。本明細書で説明されるように、試料280は、好適な方法によって流体コネクタ278に導入されてもよく、場合によっては、セクション202と250との間で流体連通する前に、流体コネクタに導入される。
【0065】
図4Cに図示される実施形態に示されるように、試薬格納域204中の流体および試料280は、セクション250に向かって流れてもよい。流体流動は、例えば、入口216および217に陽圧を適用することによって(例えば、プランジャ、重力、またはポンプを使用して)、または出口256に真空を適用することによって起こってもよい。試料280は、最初に反応域260(図4C)に流れ込み、次いで、廃棄物域274(図4D)に流れ込む。検出区域を通る試料の通過は、試料の1つ以上の構成要素と反応域に格納された1つ以上の構成要素との間の相互作用(例えば、結合)を可能にする。この相互作用は、例えば、結合対錯体等の生成物を形成してもよい。試薬格納域から検出区域を越えた流体の後続流動は、生成物の標識化および/または信号増幅を引き起こし得る。
【0066】
1つの特定の実施形態では、装置200は、ヒトIgGの免疫学的検定を行うために使用され、信号増幅の銀強化を使用する。流体コネクタから反応域へのヒトIgGを含有する試料の送達後に、ヒトIgGと格納した乾燥試薬である抗ヒトIgGとの間の結合が起こり得る。この結合は、検出区域中で結合対錯体を形成することができる。次いで、試薬格納域204の下部分206からの格納した試薬は、この結合対錯体を越えて流れることができる。格納した試薬のうちの1つは、検出される抗原(例えば、ヒトIgG)に特異的に結合する金属コロイド(例えば、金共役抗体)の溶液を含んでもよい。この金属コロイドは、検出区域の表面上の金属(例えば、銀)の層等の、不透明材料の沈積のための触媒表面を提供することができる。金属の層は、チャネル208に格納することができる金属前駆体(例えば、銀塩の溶液)、およびチャネル209に格納することができる還元剤(例えば、ヒドロキノン)といった、2つの構成要素系統を使用することによって、形成することができる。陽または陰圧差がシステムに適用されると、銀塩およびヒドロキノン溶液は、最終的に交差219において融合し、そこで、チャネル212に沿ってゆっくりと混合し(例えば、拡散により)、次いで、反応域を越えて流れる。したがって、抗体・抗原結合が反応域中で発生する場合、該領域を通る金属前駆体溶液の流動は、抗体・抗原錯体と関連する触媒金属コロイドの存在による、銀層等の不透明層の形成をもたらすことができる。不透明層は、1つ以上の波長における光の透過率に干渉する物質を含んでもよい。マイクロ流体チャネルに形成される、任意の不透明層は、例えば、抗体または抗原を含まない領域の一部分と比較して、反応域の一部分(例えば、蛇行チャネル)を通る光線透過率の低減を測定することによって、光学的に検出することができる。代替として、被膜が検出区域に形成されているため、時間の関数として光線透過率の変動を測定することによって、信号を取得することができる。不透明層は、不透明層を形成しない技術と比較すると、検定の感度の増加を提供してもよい。
【0067】
図5A−5Fは、本発明の一実施形態による、ヒトIgG免疫学的検定を行うために使用される装置の画像を示し、実施例の項でさらに詳細に説明する。
【0068】
免疫学的検定が主に説明されているが、本明細書で説明される装置は、任意の好適な化学および/または生物学的反応に使用されてもよく、例えば、タンパク質または他の生体分子(例えば、DNA、RNA、炭水化物)または非自然発生分子の間の親和性反応を伴う、他の固相検定を含んでもよいことを理解されたい。
【0069】
また、本明細書で説明される多くの実施形態は、2つのチャネルまたはチャネルの2つの部分を接続するための流体コネクタの使用を含むが、本明細書の実施形態はまた、流体コネクタを使用せずに、マイクロ流体システムに試料を導入するための部品および方法も含む。例えば、いくつかの実施形態では、マイクロ流体システムに試料を導入するために、開放端流体装置(すなわち、一方の端のみがマイクロ流体システムに接続される装置)が使用されてもよい。
【0070】
図6は、試料導入に開放端装置を使用するステップに適合する、マイクロ流体装置のブロック図560を示す。マイクロ流体装置は、格納した試薬を含有してもよく、化学および/または生物学的反応(例えば、免疫学的検定)を行うために使用することができる。マイクロ流体装置は、例えば、1つ以上のチャネルおよび/または貯蔵部を含んでもよい、試薬格納域564と流体連通している試薬入口562を含む。装置はまた、試料入口565と、試料搭載域566と、反応域568とを含んでもよい。試料の構成要素を検出するための1つ以上の領域を含んでもよい、反応域は、廃棄物域570と流体連通していてもよく、かつ出口572に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、反応域568は、免疫学的検定域である。
【0071】
図7A−7Dは、図6で説明される特徴を有する、マイクロ流体システムの一例を示す。マイクロ流体システム590は、システムに試料を導入するための開放端流体装置に適合する。図7Aでは、流体試薬は、試薬格納域564に格納され、乾燥試薬は、反応域568に格納される。入口562および565、ならびに出口572は、使用前に密閉される。図7Bに図示される実施形態に示されるように、試料入口565を覆うシールは、試料592が試料入口565に導入されることを可能にし、空の蛇行チャネル594を含んでもよい試料搭載域566に流れ込むことができるように、穿孔する、破る、または除去することができる。試料の流動は、最初は、毛細管力によって起こってもよい。任意的に、シールが試料入口565を覆って設置されてもよく、出口に向かった流体流動を引き起こすように、真空を出口572に適用することができる(図7C)。試料は、反応域568に流れ込み、その後に、試薬格納域564からの格納した流体試薬が続く。図7Dに示されるように、試薬の全ては、反応域を通過した後に、廃棄物域570に含有されてもよい(または、任意的に、出口を介して装置の外へ退出してもよい)。
【0072】
本明細書で説明されるように、流体(例えば、試料)は、開放端流体装置および/または流体コネクタ等の種々の装置を使用して、マイクロ流体装置に導入することができる。そのような装置のいくつかの構成が図8−13に示されているが、本発明は、これらの構成に限定されず、他の構成および/または配設が可能であることを理解されたい。加えて、試料導入構成要素(例えば、開放端流体装置および流体コネクタ)を伴う、本明細書の説明は、マイクロ流体基板への試料の導入を主に説明しているが、そのような構成要素は、試薬(例えば、緩衝剤、増幅試薬、2部系統の構成要素)、気体、および粒子等の任意の好適な物質を導入するために使用することができる。
【0073】
ポイントオブケア環境で使用される装置については、試料導入構成要素は、職業上の危険からユーザを保護するように設計されてもよい。加えて、試料取り扱いステップの複雑性は、医療実験室外の装置の使用を可能にするように最小化されてもよい。これらの因子は、試料導入構成要素の特定の設計を選択する時に考慮されてもよい。
【0074】
開放端流体装置および流体コネクタ等の試料導入構成要素は、その中に配置された流路を有する、任意の好適な部品を含んでもよい。試料導入構成要素(ならびにマイクロ流体システムの他のチャネル)は、一貫した、または可変性の内径を有してもよく、例えば、10対1以上、50対1以上、または100対1以上の長さ対内径の比を有してもよい。用途に応じて、任意の直径の試料導入構成要素(またはマイクロ流体チャネル)が使用されてもよく、多くの用途では、例えば、1cm未満、5mm未満、1mm未満、500ミクロン未満、200ミクロン未満、100ミクロン未満、または50ミクロン未満の内径を有してもよい。より大きい長さ対内径の比を伴う試料導入構成要素(またはマイクロ流体チャネル)は、構成要素(またはマイクロ流体チャネル)に含有される各流体の量を視覚的に示すのに有用であってもよい。例えば、既知の内径の流体装置または流体コネクタ中の流体栓の直線的測定は、流体の体積または相対体積の正確な指示をもたらしてもよい。いくつかの実施形態では、試料導入構成要素は、管を備える。管は、異なる直径、長さ、および材料で容易に入手可能である。管は、可撓性であってもよく、半透明または透明であってもよい。管の中の流体栓は、栓の体積の指示として直線的に測定されてもよい。
【0075】
試料導入構成要素は、管または別の形状であっても、相互に、かつ構成要素の残りの内部と流体連通していてもよい、2つ以上の分岐またはセクションを含んでもよい。いくつかの実施形態では、管は、相互接続されてもよい、2、3、4、またはそれ以上の分岐を有してもよい。分岐および分岐接合点は、弁を含んでも含まなくてもよい。弁は、管の残りの部分から、1つ以上の分岐およびその中に含有された液体を一時的に隔離するために使用されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、開放端流体装置または流体コネクタ等の試料導入構成要素は、体積制御要素を含む。体積制御要素は、流体が、試料導入構成要素の流路の全体ではないが一部を充填することを可能にすることができる。体積制御要素は、マイクロ流体システムへの導入のために、流体の特定の体積を計測するために使用することができる。一実施形態では、体積制御要素は、流体が特定の体積に到達した後に、さらなる流体が流路の内側に導入されることを阻止するように、試料導入構成要素の流路の内側に設置することができる、フリットである。試料導入構成要素中の流体(例えば、試料)の体積は、流体導入のための進入点(例えば、入口)とフリットとの間の流路の体積によって画定することができ、残りの体積は、空気によって占められてもよい。
【0077】
一実施形態では、体積制御要素は、どのポイントまで流体が流路に導入されるべきかを示す、1つ以上の計測マークを含む。流路中の流体の体積は、ユーザによって制御されてもよい。
【0078】
さらに別の実施形態では、体積制御要素は、試料導入構成要素内の流路の直径の変化(例えば、拡大)を含む。例えば、開放端流体装置または流体コネクタは、第1端(例えば、開口部)と、第1の直径を有する流路の第1の部分と、第2端(例えば、開口部)が後に続く、第2の直径を有する流路の第2の部分とを含んでもよい。第2の直径は、第1の直径より大きくてもよい。第1の直径は、毛細管力を介して流路に流体を流れ込ませるために有利であってもよい一方で、第2の直径は、毛細管作用にあまり有利ではなくてもよい(または不適切である)。したがって、流体は、第1端を介して流路の第1の部分に進入してもよく、流体は、流路の第2の部分に到達すると、流路に進入するのをやめてもよい。この実施形態では、試料導入構成要素中の流体(例えば、試料)の体積は、流路の第1の部分の体積によって画定することができ、残りの体積(流路の第2の部分)は、空気によって占められてもよい。当業者であれば、毛細管作用に有利である、またはあまり有利ではない、流路の直径を判定する方法を知っている。
【0079】
さらに別の実施形態では、体積制御要素は、試料導入構成要素の流路内のパターン化表面を含む。例えば、試料導入構成要素は、第1端(例えば、開口部)と、第1の親水性表面を有する流路の第1の部分と、第2端(例えば、開口部)が後に続く、第2の疎水性表面を有する流路の第2の部分とを含んでもよい。第1の親水性表面は、毛細管力を介して流路に親水性流体(例えば、水性流体)を流れ込ませるために有利であってもよい一方で、第2の疎水性表面は、毛細管作用にあまり有利ではない。したがって、流体は、第1端を介して流路の第1の部分に進入してもよく、流体は、流路の第2の部分に到達すると、流路に進入するのをやめてもよい。この実施形態では、試料導入構成要素中の流体(例えば、試料)の体積は、流路の第1の部分の体積によって画定することができ、残りの体積(流路の第2の部分)は、空気によって占められてもよい。1つの特定の実施形態では、流路の親水性部分は、抗凝固剤(例えば、ヘパリン、キレート剤(例えば、エチレンジアミン4酢酸、EDTA)、またはクエン酸塩)の存在によって画定され、流路の疎水性部分は、抗凝固剤の欠如(または1つ以上の疎水性分子の存在)によって画定される。流路の表面をパターン化するための方法および材料は、当業者によって公知である。
【0080】
いくつかの実施形態では、開放端流体装置または流体コネクタ等の試料導入構成要素は、上記のもの等の体積制御要素の組み合わせを含むことができる。1つ以上の体積制御要素を含む試料導入構成要素は、毛細管力、真空の適用、陽圧の適用、または弁の使用等による、任意の好適な方法を使用して充填することができる。
【0081】
以下でさらに詳細に説明されるように、試料導入構成要素は、種々の方法を使用して基板に接続することができる。例えば、試料導入構成要素および/または基板は、圧力嵌合、摩擦嵌合、ネジ嵌合等のネジ式コネクタ、スナップ嵌合、接着嵌合、クリップ、磁気コネクタ、または他の好適な連結機構のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0082】
図8Aは、装置の入口(例えば、図7Aの試料入口565)に試料を導入するために使用することができる、開放端毛細管700(例えば、開放端流体装置)の一例を示す。管700は、開放端704(例えば、装置の入口に挿入するため)を有してもよく、端702は、開放または閉鎖のいずれかであってもよい。図8Bに示されるように、毛細管710はまた、例えば、図3に関連して説明されるように、マイクロ流体システムの2つのチャネル(またはチャネルの各部分)を接続するために、流体コネクタとして使用することもできる。管710は、開放端712および714を含むことができる。「U」字形を形成するように屈曲した毛細管の使用は、2つのチャネル(またはチャネルの各部分)を接続するために使用することができる、多くの可能な装置のうちの1つである。
【0083】
図8Aおよび8Bの装置は、任意の好適な材料(例えば、ポリマーまたはセラミック)で作ることができ、剛性または可撓性であってもよい。そのような材料の非限定的な例は、ガラス、石英、シリコン、PTFE(テフロン(登録商標))、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ(ジメチルシロキサン)、PMMA、ポリスチレン、シクロオレフィン共重合体(COC)、およびシクロオレフィンポリマー(COP)を含む。管が可撓性材料で形成される、ある実施形態では、管は、その最終形状で管を維持するように、十分に剛性の材料のホルダの中に設置されてもよい。例えば、図8Cに図示される実施形態に示されるように、管720は、管の形状を維持するように、ホルダ730の溝732の中に配置されてもよい。任意的に、ホルダを覆うためにカバー734が使用されてもよく、例えば、密閉すること、糊付けすること、結合すること、接着剤を使用すること、または機械的な取付け(例えば、ホルダに挟み込む)によって、ホルダに取り付けられてもよい。他の実施形態では、溝の中に管を配置する代わりに、ホルダは、管を固定するための隆起特徴(例えば、クリップ)を含んでもよい。端722および724は、マイクロ流体システムの1つ以上のチャネルへの接続を可能にするように露出されてもよい(図8D)。
【0084】
一実施形態では、開放端流体装置(例えば、毛細管)または流体コネクタの一部分は、熱または紫外線光への暴露時に硬化する可撓性プラスチック等の放射線感受性材料で作ることができる。所望の形状(例えば、「U」字形)で装置を折り畳むか、または屈曲させた後、適切な放射線への暴露は、毛細管にその新しい形状を維持させることができる。
【0085】
さらに別の実施形態では、U字形設計を形成するように直線の毛細管を屈曲させる代わりに、開放端流体装置または流体コネクタを、その最終形状で直接製造することができる。一例は、マイクロ流体装置上への搭載、および/またはチャネルまたはチャネルの各部分の間の流体接続を可能にすることができる、湾曲形状に膨れた、ガラスでできている毛細管を含む。プラスチックの射出成形または押出を含む、他の製造技術および材料もまた、使用することができる。
【0086】
図9A−9Fに図示される実施形態に示されるように、中空の細長い体積(例えば、マイクロチャネル804)を有する一体型装置800および830が、流体コネクタとして使用されてもよい。装置は、剛性であってもよく(例えば、ユーザが毛細管を屈曲させる必要性を回避するため)、任意的に、簡単な取り扱いのためのハンドル(例えば、図9Bに示されるような垂直ハンドル810、または図9Eに示されるような側面ハンドル812)を含んでもよい。そのような実施形態では、U字形毛細管の管のループは、基板816に形成される任意の好適な寸法を有する、マイクロチャネル804に置換することができる。マイクロチャネルの寸法は、流体の広範囲の体積(例えば、1から1,000μL)を収容するように同調することができる。そのような装置は、流体(例えば、試料)で完全に充填することができ、または、流体で部分的に充填されてもよい(例えば、流路中の流体の量を計測するために体積制御要素を使用して)。また、マイクロチャネルの寸法はまた、毛細管力によるチャネル中の流体の導入を可能にするように選択することもでき、または代替として、流体は、真空を使用して吸引することができる。
【0087】
チャネルは、例えば、ブロック、接着被膜、またはテープであってもよい、カバー(例えば、カバー820および822)によって覆われてもよい。図9A−9Cに表される装置は、カバー820と基板816との間の結合ステップ(例えば、接着剤の使用による)を必要としてもよい。いくつかの実施形態では、そのような結合ステップは、装置の表面を覆う接着被膜(例えば、テープ)等のカバー822を適用することによって、回避されてもよい(図9D−9F)。
【0088】
図9Aおよび9Dに図示されるように、装置800および830は、流体が流路に導入されること、および/またはマイクロ流体システムのチャネル(またはチャネルの各部分)の間の流体連通を可能にすることができる、アクセスポート806および808(例えば、入口および出口)を含んでもよい。アクセスポートは、マイクロ流体システムのポートによる密封の形成を可能にするように、任意の好適な形状を有することができる。図9に図示される実施形態に示されるように、ポートは、マイクロ流体装置の円錐開口を補完する、円錐形を有してもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、いったん流体コネクタがマイクロ流体装置(例えば、図1、3、および4に示される装置)に接続されると、システムにおいて流体流動を引き起こすように、真空が装置の出口に適用される。これらの実施形態では、真空は、補完ポートの間のシールの質を増強してもよい。
【0090】
流体コネクタの別の例は、図10Aおよび10Bに示されている。図10Aおよび10Bに図示される実施形態では、流体コネクタ852は、2つの部品850を組み立てることによって整備される。流体コネクタ852は、剛性基板858による流路855の実装を示すが、他の実施形態では、蛇行チャネル構成を含む、任意の形状を使用することができる。入口および出口ポート862および864は、マイクロ流体チップの円錐開口とともに気密シールを形成するように、円錐突起部865の一部であってもよい。以下でさらに詳細に説明されるように、スナップ式機構または非円錐嵌合等の、より精巧な接続システムを実装することができる。流体コネクタは、所望であれば、ユーザの簡単な取り扱いを可能にするように最適化することができる(設計へのハンドルの追加を含む)。
【0091】
本明細書で説明される、いくつかの実施形態では、流体コネクタは、基板のマイクロチャネルの直上に位置するアクセス穴に流体コネクタのポートを挿入することによって、マイクロ流体装置(例えば、その中に配置されたマイクロ流体チャネルを含む基板)に接続される。結果として、流体コネクタの流路は、図11Aに示されるように、基板のマイクロチャネルの平面に対して直角の平面内にあってもよい。しかしながら、いくつかの用途では、(例えば、側面接続を使用して)マイクロチャネルネットワークと同じ平面内に流体コネクタを設置することの利点がある。この構成の1つの利点は、(例えば、高度並列検定のために)マイクロ流体装置の観察に利用可能な領域を最大限化することであってもよい。別の利点は、相互の最上部上に多数の装置を積層することを可能にする一方で、各装置が流体分注器または他の器具にアクセス可能となることを可能にすることであってもよく、これは、器具の格納スペースを節約することができる。そのような実施形態では、流体コネクタ872は、基板880の端部分876に接続されてもよい。他の場合においては、流体コネクタは、90−180度の間または0−90度の間の角度で基板に接続されてもよい。したがって、本明細書で説明される流体コネクタは、任意の好適な構成で基板に接続されてもよい。
【0092】
流体コネクタとマイクロ流体基板との間で良好な(例えば、流体密封の)シールを形成することの信頼性および単純性は、ポイントオブケア環境で使用するための装置の決定的な設計側面である。その点について、流体コネクタまたは基板自体は、ユーザがマイクロ流体基板の上または中に装置を挿入するのに役立つように、付加的な特徴を含むことができる。例えば、一実施形態では、流体コネクタは、取付け時に流体コネクタと基板との間に非流体接続を形成するよう、基板の特徴を補完する少なくとも1つの非流体特徴を含む。非流体補完特徴は、例えば、流体コネクタの突出特徴、およびマイクロ流体基板の対応する補完空洞であってもよく、ユーザが流体コネクタを基板に整列させるのに役立つことができる。また、これらの誘導特徴はまた、装置を適所に維持するのに役立つこともできる。他の場合においては、基板は、流体コネクタの空洞を補完する突出特徴を含む。さらに別の実施形態では、装置は、基板と関連し、かつ流体コネクタと係合し、それにより、基板に対する所定の設定構成にコネクタを配置するように構成および配設される、整列要素を含む。これらおよび他の特徴の例を、以下でさらに詳細に説明する。
【0093】
図12A−12Eは、接続を形成するように2つの構成要素をスナップ留めすることによってマイクロ流体基板への流体コネクタの取付けを可能にする、実施形態を図示する。スナップ式機構が構成要素間の良好な密閉を可能にしてもよく、かつユーザが診断的検査の取り扱いを誤る可能性を減少させてもよいため、この構成は、ポイントオブケア診断を伴う用途に特に有用であってもよい。流体コネクタを基板にスナップ留めしている間にユーザが経験する音および/または感触は、構成要素の取付けの成功のためのガイドまたは制御として使用することができる。
【0094】
図12Aに図示されるように、流体コネクタ900は、相互に対して両方の半分を閉鎖する際に流路912を形成する、2つの同一の第1の部分910(1つしか示されていない)を含むことができる。他の場合においては、流体コネクタは、その中に配置された流路912を含む、単一の一体部品を含む。流路の端部分916および918(例えば、入口および出口)は、基板の特徴を補完してもよい、特徴922および924を介して、マイクロ流体基板(図示せず)に接続されてもよい。流体コネクタはまた、挿入クリップ934用の開口部930を含んでもよい。クリップは、2つ以上のスナップ特徴(例えば、くぼみ)936および938を含んでもよく、これらの特徴は、任意の好適な材料(例えば、ポリマー)で形成されてもよく、クリップおよび/または基板の材料と同じ、または異なる材料で形成されてもよい。特徴938は、クリップを第1の部分910に接続するために使用されてもよく、特徴936は、クリップをマイクロ流体基板に接続するために使用されてもよい。そのような特徴は、クリップが流体コネクタおよび/または基板に不可逆的に取り付けられることを可能にしてもよい。図12Bは、クリップの拡大図を図示する。他の実施形態では、流体コネクタは、直接的に910の一部となり得る、スナップ特徴を伴って製造することができる。例えば、流体コネクタは、クリップ934の使用なしで特徴936を含んでもよい(図示せず)。
【0095】
図12Cに図示される実施形態に示されるように、いったんクリップが開口部930に挿入されると(例えば、特徴938が開口部930−Bに交わる時)、クリップは、流体コネクタの部分910に取り付けられてもよい。同様に、図12Dに図示されるように、流体コネクタは、基板への流体コネクタの取付け(図9E)を引き起こすように、マイクロ流体基板940の一部分に挿入されてもよい。スナップ特徴は、流体コネクタをマイクロ流体基板における正しい位置に誘導することができる。以下でさらに詳細に説明されるように、基板への流体コネクタの取付けは、可逆的または不可逆的であってもよい。この取付けは、流路912を介して、基板の位置942における第1のチャネルと基板の位置944における第2のチャネル(または第1のチャネルの一部分)との間の流体連通を引き起こすことができる。本明細書で説明されるように、流体コネクタは、取付けの前または後に試料を搭載してもよい(例えば、端部分916または918を介して)。
【0096】
図12A−12Eに関して説明されるスナップ式機構の代案として、図13に図示されるようなジップタイ機構を使用して、流体コネクタをマイクロ流体基板に取り付けることができる。図13は、特徴962(例えば、くぼみ)を含む部分960を補完する、特徴956(例えば、突起部)を含む構成要素955を示す。構成要素955は、流体コネクタの一部であってもよく、部分960は、マイクロ流体基板の一部であってもよい。場合によっては、構成要素955は、その中に配置された流路958を含む。
【0097】
図9、10、12、および13に示されるもの等の、部品および基板を接続するための部品は、流体コネクタおよび基板に関連して説明されているが、そのような特徴はまた、装置の他の部品を接続するために使用されてもよい。例えば、そのような特徴は、開放端流体装置および基板、基板およびカバー、および/または装置の複数の基板層等の構成要素を接続するために使用されてもよい。
【0098】
基板の特徴を補完する、少なくとも1つの特徴を備える部品(例えば、流体コネクタ)を伴う、本明細書で説明される実施形態では、特徴は、部品と基板との間の可逆的な接続を形成するように設計されてもよい。そのような実施形態は、例えば、再利用可能な装置に有用であってもよい。他の実施形態では、そのような補完特徴は、部品と基板との間の不可逆的な接続を形成する。不可逆的な接続は、部品および基板を一体化して接続させてもよい。本明細書で使用されるように、「一体化して接続される」という用語は、2つ以上の物体を参照する時に、通常の使用プロセス中に相互から分離されない、例えば、手動で分離することができない物体を意味し、分離は、例えば、接着剤または工具を介して供に締結された構成要素を破る、剥がす、または分離することによる、少なくとも道具の使用、および/または、構成要素のうちの少なくとも1つに損傷を引き起こすことを必要とする。不可逆的な接続を形成する特徴を含む装置は、例えば、1回限り使用の(例えば、使い捨て)装置に有用であってもよい。そのような装置は、ユーザが接続後に装置において行われている化学および/または生物学的反応に干渉できないように、不可逆的な接続を形成してもよい。
【0099】
図12および13に図示される例は、流体コネクタとマイクロ流体基板との間に3つ以上の接続(例えば、流体または非流体接続)を含む。この特性は、追加接続(例えば、非流体接続)点が機械的応力(例えば、ユーザの取り扱いによる)および衝撃(例えば、装置の不適正な使用)に対する取付けの安定性を増加させることができるため、有用であってもよい。加えて、各追加接続点が流体コネクタと基板との間の接触域を増加させることができる一方で、流体コネクタと基板との間に流体密封シールを形成するステップと関連する領域は不変のままとなることができる。代替として、単一の非流体接続は、良好な密閉性質を生じるのに十分であってもよい。
【0100】
本明細書で説明される多くの実施形態は、単一流路を有する試料導入構成要素(例えば、流体コネクタ)を含むが、試料導入構成要素は、2つ以上の流路および/または分岐流路を含んでもよいことを理解されたい。例えば、図12Eに図示される実施形態に示されるように、流体コネクタ900は、任意的に、入口947を流路912に接続する、二次流路946を含んでもよい。この設計は、例えば、流体コネクタ900が基板に接続された後に、入口947および二次経路946を介した流体流路912への流体の導入を可能にすることができる。代替として、流体は、流体コネクタおよび基板の接続前に、入口947を介して流路912に導入することができる。
【0101】
加えて、本明細書で説明される流体コネクタ等の試料導入構成要素は、生物学的実体から流体試料を受容するために使用される、1つ以上の試料採取要素を含んでもよい。試料採取要素は、例えば、針または綿棒の形であってもよい。試料採取要素は、試料導入構成要素に可逆的または不可逆的に取り付けられてもよい。場合によっては、試料採取要素は、生物学的構成要素を穿刺することができる。例えば、図12Eに図示される実施形態に示されるように、流体コネクタ900は、ヒト皮膚等の構成要素を穿刺するために使用されてもよい、例えば、中空の鋭い先端(例えば、針)の形の(滅菌)試料採取要素948を含んでもよい。この構成は、試料採取要素が生物学的構成要素から流体試料を受容することを可能にすることができ、生物学的実体から流路912への流体の移動(例えば、毛細管力による)を可能にすることができる。流体が入口947に導入された後、二次流路946は、例えば、流路946の形状を補完する形状を有してもよい、構成要素949を使用して、封鎖することができる。この封鎖は、流動のための流路が1つしかないように、流体が二次流路に再進入することを防止することができる。この配設はまた、ユーザが試料採取要素948にさらに暴露されることを防止することもできる。
【0102】
一実施形態では、試料を取得するために、構成要素949(任意的に流路を含む)を使用することができ、二次流路946への構成要素の挿入時に、試料を構成要素から流路912へ移動させることができる。ある実施形態では、構成要素の挿入は、流動のための流路が1つしかないように、流体が二次流路に再進入することを防止する。
【0103】
いくつかの実施形態では、試料導入構成要素は、1次流路に直接接続される試料採取要素を含む。例えば、図10に図示される実施形態では、マイクロ流体基板の特徴を補完してもよい、円錐突起部865は、生物学的構成要素の穿刺を可能にすることができる、端における試料採取要素を含んでもよい。試料採取要素はまた、本明細書で説明される開放端流体装置(例えば、図8Aに示されるような)および/または他の流体コネクタ(例えば、図8B)の一部として存在してもよい。
【0104】
本明細書で説明される装置は、任意的に、基板と関連する整列要素を含んでもよい。整列要素は、流体コネクタと係合し、それにより、基板に対する所定の設定構成に流体コネクタを配置するように構成および配設されてもよい。図14Aおよび14Bに図示される実施形態に示されるように、装置964は、基板966と、流体コネクタ968と、整列要素980とを含んでもよい。基板966は、例えば、図1−7、11、17−18に示されるような、本明細書で説明されるもの等のマイクロ流体システムを含んでもよい。マイクロ流体システムは、例えば、少なくとも、入口および出口を含む第1のマイクロ流体チャネルと、入口および出口を含む第2のマイクロ流体チャネル(図示せず)を備えてもよい。本明細書で説明されるような構成を有してもよい、流体コネクタ968は、基板への接続に一致するために構成されてもよい。流体コネクタは、流路入口972および流路出口974を有する流路970を含んでもよい。基板への流体コネクタの接続時に、流路入口は、基板の第1のマイクロ流体チャネルの出口に接続してもよく、流路出口974は、基板の第2のマイクロ流体チャネルの入口に接続してもよい。この接続は、基板の第1と第2のマイクロ流体チャネルとの間の流体連通をもたらすことができる。
【0105】
図14Aおよび14Bの例示的実施形態に示されるように、装置は、基板と関連し、基板とほぼ垂直に延在する、整列要素980を含んでもよい。例えば、基板966(ならびに第1および第2のマイクロ流体チャネル)は、概して、矢印975と977との間で画定される平面内に位置するが、整列要素980は、矢印975と976とによって画定される平面内で、基剤と略垂直に延在する。他の実施形態では、整列要素は、基板にほぼ平行に延在してもよい。
【0106】
図示されるように、整列要素980は、流体コネクタを受容および係合し、それにより、基板に対する所定の設定構成にコネクタを配置するように構成および配設される、空洞981を含む。空洞は、例えば、少なくとも0.5cm、少なくとも1cm、少なくとも1.5cm、少なくとも2cm、または少なくとも3cmの深さ(例えば、流体コネクタおよび整列要素の係合時に流路入口および/または流路出口の位置から測定されるような)を有してもよい。空洞は、流体コネクタの高さと同様または平等な深さを有してもよい。空洞は、流体コネクタを受容および係合し、それにより、基板に対する所定の設定構成にコネクタを配置するように構成および配設される限り、必ずしも流体コネクタの全側面を包含する必要はない。
【0107】
いくつかの実施形態では、整列要素および流体コネクタの構成は、摺動運動によって、整列要素への流体コネクタの挿入を可能にするように適合されてもよい。例えば、流体コネクタは、流体コネクタが整列要素に挿入されると、整列要素の1つ以上の表面に対して摺動してもよい。
【0108】
整列要素は、流体コネクタに係合するための任意の好適な構成を有してもよい。いくつかの実施形態では、整列要素(または整列要素の空洞)は、係合時に、流体コネクタの1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の表面、例えば、表面984、985、986、および/または987と接触していてもよい。流体コネクタと接触している整列要素の1つ以上の表面は、例えば、矢印976と977との間、矢印976と975との間、およびそれらの間で画定される平面に沿って、基板から延在してもよい。
【0109】
加えて、整列要素の全体または一部分は、例えば、基板の厚さ979の少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍等以上であってもよい、高さ、厚さ、または深さ(例えば、流体コネクタの進入のため)を有してもよい。整列要素は、例えば、少なくとも0.5cm、少なくとも1cm、少なくとも1.5cm、少なくとも2cm、または少なくとも3cmの高さまたは厚さ(例えば、流体コネクタおよび整列要素の係合時に流路入口および/または流路出口の位置から測定されるような)を有してもよい。整列要素のより大きい高さ/厚さは、いくつかの実施形態では、整列要素の中への流体コネクタのさらなる安定化および/または誘導を可能にしてもよい。寸法は、変動することができ、流体コネクタおよび基板の寸法等の種々の因子に依存してもよい。
【0110】
任意的に、整列要素は、流体コネクタの一部分に係合してもよい、1つ以上の係合構成要素を含んでもよい。図14Aは、係合構成要素982を有する流体コネクタを示す。係合構成要素は、例えば、流体コネクタおよび整列要素の係合時に流路入口および/または流路出口の位置から測定されるような、少なくとも0.5cm、少なくとも1cm、少なくとも1.5cm、または少なくとも2cmの高さを有してもよい。
【0111】
場合によっては、整列要素は、流体コネクタの係合構成要素を補完する係合構成要素を含む。係合構成要素は、例えば、溝または他のくぼみ、突起部(例えば、図13に示されるような)、および/または、少なくとも部分的に変形可能であってもよいOリング等の機構を含んでもよい。係合構成要素は、任意の好適な形状および/または形態を有してもよいことを理解されたい。場合によっては、係合構成要素は、整列要素が流体構成要素を受容する時(例えば、整列要素への流体構成要素の挿入時)、および/または装置の目的の使用中に、基板および/または整列要素に対する流体コネクタの移動への多大な抵抗を生成する。例えば、整列要素980の空洞に流体コネクタ968を挿入する1回の行為は、流体コネクタおよび整列要素の構成要素の係合を相互作用させ、それにより、基板および/または整列要素に対する流体コネクタの移動への多大な抵抗を生成してもよい。したがって、ある実施形態では、別個のクランプまたは他の締結機構、および/または締結するための二次ステップは、必要とされない。
【0112】
いくつかの実施形態では、係合構成要素は、整列要素を一体化して接続させる。1つの特定の実施形態では、係合構成要素は、整列要素(または流体コネクタ)の特徴に挟み込んでもよいスナップ特徴である。そのような特徴および他の特徴は、いくつかの実施形態では、流体コネクタが整列要素および/または基板に不可逆的に取り付けられる(例えば、一体化して接続される)ことを可能にすることができる。他の場合においては、整列要素および流体コネクタは、相互に可逆的に取り付けられるように設計される。したがって、係合構成要素は、それらの接続時に、基板に対する所定の設定構成で流体コネクタおよび基板の係合を促進してもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、整列要素の空洞および/または係合表面の構成は、流体コネクタの流路を基板とほぼ垂直に(したがって、基板内のマイクロ流体チャネルとほぼ垂直に)位置させる。例えば、図14Aおよび14Bに図示されるように、流路970は、矢印975および976によって画定される平面内で基板とほぼ垂直である。他の実施形態では、流体コネクタの流路は、基板に対して90−180度の間または0−90度の間の角度で位置する。
【0114】
図14Aおよび14Bは、基板の一方の端に配置された整列要素980を示すが、他の実施形態では、整列構成要素は、例えば、基板の対向端に向かって、基板の長さLに沿って延在することができる。例えば、整列構成要素は、基板と同様の長さおよび幅を有するブロックであってもよいが、流体コネクタが挿入される空洞を含んでもよい。さらに、図14Aおよび14Bは、2つの構成要素の形の整列要素980を示すが、いくつかの実施形態では、整列要素は、単一構成要素の形であってもよい。他の実施形態では、整列要素は、3つ以上の構成要素の形である。
【0115】
いくつかの実施形態では、整列要素および基板は、例えば、射出成形によって、場合によっては1ステップで加工することができる、材料の単一断片の形である。例えば、図15Aおよび15Bの例示的実施形態に示されるように、整列要素990は、マイクロ流体システムを含有する基板991の一部であってもよい。
【0116】
対照的に、図16Aおよび16Bの例示的実施形態に示されるように、マイクロ流体システムを含む基板992および整列要素994は、使用前に結合することができる、別個の部品である。整列要素および基板は、例えば、図12Aおよび12Bに関連して説明されるように、基板の各部分にクリップ934を挿入することによって接続されてもよい。この接続は、装置を使用してユーザが受容する前に行われてもよい。他の場合においては、ユーザは、基板に整列要素を挿入し、その後、整列要素に流体コネクタを挿入することができる。代替として、ユーザは、整列要素に流体コネクタを挿入し、その後、基板に整列要素を挿入してもよい。
【0117】
図14および15はまた、流体コネクタの係合構成要素982と係合する、係合構成要素983を含む、整列要素も示す。装置は、流体コネクタ969を矢印978の方向で整列要素に挿入する一方で、挿入後に整列要素からの流体構成要素の除去(例えば、矢印978の反対方向で)を防止または抑制することができるように、構成されてもよい。
【0118】
整列要素は、本明細書で説明される他の特徴と組み合わせられてもよいことを理解されたい。例えば、整列要素は、例えば、図1および12に関連して説明されるように、取付け時に流体コネクタと基板との間に非流体接続を形成するよう、基板の特徴を補完する少なくとも1つの非流体特徴を含む、流体コネクタと関連してもよい。
【0119】
特に、装置において化学および/または生物学的反応(例えば、免疫学的検定)を行う時に、流体コネクタとともにマイクロ流体装置を使用することのいくつかの利点がある。したがって、本明細書で説明される装置は、(a)試料の無駄が少ししかないか、または全くない、少量の試料の使用、(b)装置に格納される化学および/または生物学的試薬の長期安定性、(c)格納した試薬の間および/または試料と試薬との間の交差汚染の低減、(d)試料計測、(e)訓練を受けていないユーザにとって、装置に試料を導入するための使用の容易性、(f)試薬の効率的な混合、および(g)検定の信頼性等の、1つ以上の利点を有してもよい。いくつかの実施形態では、装置は、上記に記載される利点の全てを有する。
【0120】
流体コネクタ(ならびに開放端流体装置)は、化学および/または生物学的反応を行うために必要とされる試料の量に一致する内部体積を有するように設計することができるため、試料の無駄が少ししかないか、または全くない、少量の試料の使用を使用することができる。このことは、システムの死空間の量を低減することができる。任意的に、上記のように、流体コネクタおよび開放端流体装置は、特定量の試料の収集を可能にするように、1つ以上の体積制御要素を含むことができる。
【0121】
本明細書で説明される装置は、ポイントオブケア用途に使用されてもよく、第1の使用の数ヶ月(または数年)前に製造することができる。第1の使用前に装置の中で構成要素の格納を必要とする、いくつかの実施形態では、製造時に導入される全ての生体分子および試薬が、長期間にわたって残存することが重要である。例えば、反応域中で、捕捉抗体をマイクロチャネルの表面に物理吸着することができ、安定剤(例えば、トレハロース)を使用して乾燥形態で安定させることができる。
【0122】
空隙によって分離された液体栓の形の試薬の格納が、長期間にわたって安定したと以前に実証されている(例えば、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、2005年1月26日出願の「Fluid Delivery System and Method」と題された国際特許公報第WO2005/072858号(国際特許出願第PCT/US2005/003514号)を参照)。
【0123】
液体および乾燥試薬の両方は、単一のマイクロ流体基板上に格納されてもよい。本明細書で説明されるように、いくつかの実施形態では、特定の環境(例えば、格納)条件によっては、試薬を含有するチャネルが相互に流体連通している場合に、水蒸気の輸送が湿潤試薬を乾燥させ、乾燥分子を水和させ得るため、液体試薬を含有するチャネルは、乾燥試薬を含有するチャネルと流体連通していない。このことは、ある装置上に格納される全ての試薬の長期安定性に影響を及ぼすことができる。物理的に分離され(例えば、異なるチャネル中にある)、湿潤視野買うと流体連通していない乾燥試薬を含む、流体コネクタおよびマイクロ流体基板の使用を伴うシステムは、マイクロ流体装置の使用時のみに流体連通を可能にすることができる。この構成は、長期格納のために試薬の安定性を強化することができる。しかしながら、他の実施形態では、液体および乾燥に流体連通して格納することができる(例えば、短期格納)。
【0124】
本明細書で説明されるマイクロ流体装置の別の利点は、格納した試薬の間および/または試料と試薬との間の交差汚染の低減であってもよい。交差汚染は、ある実施形態では、試薬の栓が巻き込まれ得る、マイクロ流体チャネルの間の交差において発試薬は、相互生する場合がある。これらの試薬は、同じ交差を流れ過ぎる後続試薬を汚染し得る。流体コネクタの使用は、マイクロチャネルネットワークを大いに単純化し、装置上の交差の数、したがって、潜在的な交差汚染の問題を低減するか、または未然に防ぐことができる。
【0125】
試料計測は、多くのマイクロ流体用途にとって別の重要な要件である。しばしば、これはオフチップで行われ、体積全体が装置の内側に流れることを望んで、正確な試料体積がチップ上に搭載される。本明細書で説明される流体コネクタにより、マイクロ流体装置の内側に導入することができる試料の量を正確に測定することができ、試料の体積全体を装置の反応域に送ることができる。
【0126】
本明細書で説明されるように、試料導入構成要素(例えば、流体コネクタおよび開放端流体装置)のいくつかの設計は、訓練を受けていないユーザによって使用することができる(例えば、図8−16に関連して説明される実施形態を参照)。これらの構成要素は、試料搭載手順を促進するように、かつマイクロ流体基板への流体コネクタの簡単な取付けを可能にするように設計することができる。そのような装置は、訓練を受けていないユーザによるポイントオブケア環境で特に有用であってもよい。
【0127】
本明細書で説明されるシステムおよび方法の別の利点は、装置上の試薬の効率的な混合を含んでもよい。効率的な混合の一例は、触媒(例えば、貴金属)による還元剤(例えば、ヒドロキノン)による銀イオンの還元に基づく銀強化学反応に関連して、本明細書で説明されている。免疫学的検定を伴う実施形態では、二次抗体は、金コロイド(触媒)で標識化することができる。銀イオンおよびヒドロキノンの混合物の存在下で、金コロイドの表面に銀の複数の層を生成することができ、コロイドのサイズを増加させる。10分間の増幅後、コロイドのサイズは、例えば、約1,000という因数だけ増加させることができ、光学装置で観察することができる銀の粒子を表面上に生じる。良好な増幅結果(例えば、背景の増幅が少ししかない大きな信号増幅)を達成するために、例えば、分離したチャネルまたは容器の中で、増幅試薬を別々に格納し、使用の直前のみに混合することができる。マイクロ流体装置において、チャネルの断面寸法は、小さくてもよく、流動は、層流であってもよく、これは、混合が主に拡散によって発生することを意味し、典型的には不十分で遅い。しかしながら、流路が基板のマイクロチャネルの断面寸法よりも比較的大きい断面寸法(したがって、比較的大きい体積)を有してもよいため、試薬の流動の層流特性は、流体コネクタの流路を通って進行する時に減少させられてもよい。したがって、ある実施形態では、各流体コネクタは、カオス混合器としての役割を果たすことができ、2つ以上の試薬の混合を有意に向上させることができる。上記の例では、この混合は、増幅化学反応の再現性を向上させることができる。
【0128】
本明細書で説明される、いくつかの実施形態では、マイクロ流体装置は、使用時に(例えば、流体コネクタおよび基板の取付け時)5つ、4つ、3つ、2つ、または1つ未満のチャネル交差を有する単一の相互接続チャネルのみを含む。流体がマイクロ流体チップを横断して進行するために1つしか可能な流路がないため、最小の交差を有するか、交差を有しない単一チャネルに基づくレイアウトに信頼性があってもよい。これらの構成では、装置において行われる化学および/または生物学的反応の信頼性は、多くの交差を有する設計と比較して多いに向上される。各交差(例えば、3方向以上の交差)において、流体が間違ったチャネルに進入する可能性があるため、この向上が生じる。チャネル交差無しで試料を搭載する能力は、流体が間違ったチャネルに進入する危険性を排除することができる。交差が製品開発において考慮しなければならない危険因子を示す場合があるため、各相互接続における正しい流体挙動を保証するために、制御(オンチップ、または外部点検に基づく)を設定しなければならない。本明細書で説明される、ある実施形態では、そのような付加的な制御の必要性を軽減することができる。
【0129】
上記のように、試薬は、種々の方法を使用してマイクロ流体装置に格納することができる。そのような方法は、少なくとも部分的に、試薬が格納される形態(例えば、乾燥または湿潤)、マイクロ流体システム内のチャネルの構成(例えば、チャネルが相互接続されるか、または接続されないか)、格納の時間の長さ、および/または特定の用途に依存してもよい。
【0130】
図2を再び参照すると、いくつかの実施形態では、第1の試薬(または一連の試薬)は、試薬格納域64のチャネルまたは貯蔵部の中等の、基板に形成される第1のチャネルの中に配置される。第2の試薬(または一連の試薬)は、免疫学的検定域68のチャネルまたは貯蔵部の中等の、基板に形成される第2のチャネルの中に配置されてもよい。場合によっては、第1および第2のチャネルは、試薬を配置する間に、相互に流体連通していない。第1および/または第2の試薬は、最初に、チャネルの中で試薬を流し、次いで、チャネルの入口および/または出口を密閉することによって、それらの各チャネルの中に配置されてもよい。
【0131】
第1および/または第2の試薬は、それらの各チャネルの中に配置された後に、大幅に改変されてもよい。例えば、場合によっては、第1および/または第2の試薬は、チャネルの中で試薬を流した後に乾燥させられる。任意的に、乾燥試薬は、例えば、検定の実行中に非特異的吸収を低減してもよい、第3の試薬(例えば、遮断薬)で処置されてもよい。乾燥試薬は、マイクロ流体チャネルの1つ以上の入口および/または出口を密閉することによってチャネルに格納されてもよい。
【0132】
場合によっては、試薬は、マイクロ流体チャネルシステムの完全な加工の前にチャネルの中に配置される。例えば、閉鎖チャネルを有するように設計されているシステムが、まだ完全に閉鎖してないチャネルを有する場合は、マイクロ流体チャネルシステムは完成していない。チャネルの少なくとも1つの部分が完全に封入された断面を有する場合、またはチャネル全体がその入口および/または出口を除く全長に沿って完全に封入されている場合に、チャネルは封入されている。
【0133】
いくつかの実施形態では、1つ以上の試薬は、検出区域(例えば、図3の検出区域162、164、166、および168)に試薬の液滴を設置することによって、基板の検出区域上に配置される。基板は、隣接する検出区域にわたる水性試薬の拡散を防止することができる、疎水性材料で形成されてもよい。検出区域における試薬は、乾燥させられてもよく、カバーは、チャネルシステムの加工を完成させるように基板に隣接して設置されてもよい。後に、チャネルの任意の入口および/または出口を密閉することができる。
【0134】
一実施形態では、1つ以上の試薬は、カバー上に配置され(例えば、パターン化される)、次いで、カバーは、基板に形成されるマイクロ流体チャネルシステムを封入するために使用される。カバー上の試薬は、マイクロ流体システム内のある領域と整列してもよい。例えば、1つの特定の実施形態では、試薬(例えば、抗体)は、図3の検出区域162、164、166、および168と一致する配設(例えば、形状および寸法)でパターン化される。試薬は、乾燥させることができ、次いで、カバーは、試薬がマイクロ流体システムの検出区域の中に配置されるように、基板に対して密閉することができる。カバーは、例えば、生体適合性接着剤(例えば、基板上で調製される)となり得て、ポリマー(例えば、PE、COC、PVC)または無機材料で作ることができる。いくつかの用途では、カバーの材料および寸法は、カバーが水蒸気に対して略不透過性となるように選択される。他の実施形態では、カバーは、非接着性となり得るが、熱、レーザエネルギー、または超音波エネルギーの直接適用によってマイクロ流体基板に熱的に結合されてもよい。チャネルの任意の入口および/または出口は、装置に試薬を導入した後に密閉することができる(例えば、入口および/または出口を覆って接着剤を設置することによって)。
【0135】
湿潤試薬は、典型的には、システムのチャネルが完全に覆われた後にマイクロ流体システムに格納される。システムに格納される流体試薬は、チャネルの入口に導入されてもよく、少なくとも部分的にチャネルを流体で充填した後に、例えば、流体を保持するように、および外部源からの汚染を防止するように、チャネルの入口および/または出口を密閉することができる。
【0136】
場合によっては、マイクロ流体システムに格納される1つ以上の流体は、容器(例えば、カートリッジ、管、または流体コネクタ)からマイクロ流体システムへ移動させられる。容器は、例えば、両者と混合しない第3の流体によって分離される、2つ以上の異なる流体を含有してもよい。任意の数の異なる流体が容器に含有されてもよい。例えば、一実施形態では、容器は、試薬溶液栓を含み、その後に空気栓が続き、その後に洗浄溶液栓が続く、管である。付加的な空気栓は、第2の洗浄溶液栓から第1の洗浄溶液栓を分離してもよい。液体栓は、管の中でそれらの相対位置を保持してもよく、間隔を置いた空気栓によって相互に接触できないようにされてもよい。マイクロ流体システムに流体を送達するための部品および方法は、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、2005年1月26日出願の「Fluid Delivery System and Method」と題された国際特許公報第2005/072858号(国際特許出願第PCT/US2005/003514号)でさらに詳細に説明されている。
【0137】
線形順序で流体栓を含有する容器を使用すると、特定の順序で容器からマイクロ流体システムへの流体の導入を可能にすることができる。次いで、これらの流体は、特定の順序でマイクロ流体システムに(例えば、試薬格納域に)格納することができる。流体を含有するチャネルの入口および/または出口は、例えば、流体を保持するように、および外部源からの汚染を防止するように、密閉することができる。いくつかの実施形態では、特定の一連の流体は、流体コネクタに含有される。例えば、特定の一連の流体は、直列に配置される試薬(例えば、試料、緩衝剤、試料と結合する構成要素等)を含んでもよく、任意的に、非混合性流体によって分離されてもよい。この一連の流体は、流体コネクタおよび基板を流体的に接続することによって、マイクロ流体基板に導入することができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、1つ以上の流体を格納するために、比較的大きい長さ対内径の比(または高い表面積対体積の比)を有するマイクロ流体チャネルまたは流体コネクタが使用される。この構成は、既知の内径の流体装置または流体コネクタ中の1つ以上の流体栓の直線的測定を可能にすることができ、流体の体積または相対体積の正確な指示をもたらしてもよい。この特徴は、特に、チャネル中の1つ以上の流体の長期または短期格納後に、正確な量または正しい量の流体がチャネルに含有されているかどうかを判定するために有用であってもよい。例えば、チャネルが比較的大きい長さ対内径の比(例えば、10以上対1、50以上対1、または100以上対1)を有する場合、流体の損失(例えば、蒸発による)がチャネル中の気泡または空き部分の存在をもたらし得るため、ユーザは、簡単な点検によって、正確な量または正しい量の流体がチャネルに含有されているかどうかを判定することが可能であってもよい。そのような気泡または空き部分が存在するか、またはチャネル中の流体の量が装置に示される範囲外である場合、ユーザは、装置を使用すべきではないと警告されてもよい(例えば、装置に付随する命令によって)。この目視点検は、流体を格納するための比較的小さい長さ対内径の比(または低い表面積対体積の比)を有する貯蔵部を有する、ある装置では、困難な場合がある。
【0139】
試薬は、種々の時間量にわたってマイクロ流体システムに格納することができる。例えば、試薬は、1時間以上、6時間以上、12時間以上、1日以上、1週間以上、1ヶ月以上、3ヶ月以上、6ヶ月以上、1年以上、または2年以上、格納されてもよい。任意的に、マイクロ流体システムは、格納を延長するために、好適な方式で処置されてもよい。例えば、その中に含有される、格納した試薬を有するマイクロ流体システムは、真空密閉され、暗室環境で格納され、および/または低温(例えば、0℃以下)で格納されてもよい。格納の長さは、使用される特定の試薬、格納した試薬の形態(例えば、乾燥または湿潤)、基板およびカバー層を形成するために使用される寸法および材料、基板およびカバー層を接着するための方法、および装置が全体として処置または格納される方法等の、1つ以上の因子に依存する。
【0140】
本明細書で説明されるように、特に反応域内のマイクロ流体チャネルまたは貯蔵部の異なるセクションは、それぞれ、チャネルまたは貯蔵部に格納することができる、異なる種(例えば、捕捉分子)で修飾することができるため、マイクロチャネルのチャネルを通って進行する試料は、種のそれぞれを越えて連続して進行することができる。マイクロ流体チャネルのセクションは、例えば、図2−7および14−17に関連して本明細書で説明されるような、検出区域(例えば、蛇行チャネル領域)であってもよい。いくつかの実施形態では、これらのセクションは、直列に接続される。他の実施形態では、セクションは、並列に接続される。さらに他の実施形態では、装置は、直列および並列に接続されるセクションの組み合わせを含んでもよい。直列に(および/または並列に)接続される検出区域を含む実施形態では、試料の複数の構成要素は、チャネルの検出区域のそれぞれにおいて個別に検査することができる。検出区域は、用途に応じて異なる構成を有してもよい。例えば、検出区域は、以下でさらに詳細に説明されるように、貯蔵部(支柱の配列によって支持されてもよい)または蛇行チャネル領域の形であってもよい。ある実施形態では、装置は、複数の(例えば、少なくとも2、4、6、8、10、またはそれ以上)セクションを含み、各セクションは、化学および/または生物学的反応を受けることができる(または、陰性対照と同様に、試料の特定の構成要素に対して反応しなくてもよい)化学および/または生物学的種を備える。1つのセクション中の化学および/または生物学的種は、別のセクションの種と同じである(例えば、同じ種および濃度)か、または異なってもよい(例えば、異なる種および/または濃度)。
【0141】
信号定量化を単純化するために、各検出区域(例えば、蛇行チャネル領域)は、システムのマイクロ流体チャネルの断面寸法と比較して、比較的広い面積を有してもよい。例えば、検出区域は、0.1mm以上、0.2mm以上、0.4mm以上、0.6mm以上、0.8mm以上、または1cm以上の面積を有してもよい。面積は、例えば、0.1mmから0.3mmの間、0.2mmから0.4mmの間、0.4mmから0.6mmの間、または0.5mmから1cmの間であってもよい。検出区域の異なる割合が、光学的検出経路を備えてもよい。例えば、検出区域の面積の少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、または少なくとも80%が、光学的検出経路を備えてもよい。検出区域が及ぶ面積は、各軸に沿った検出区域の最外点によって制約される長方形の面積によって画定されてもよい。検出区域で発出される信号は、広い面積にわたって均一に広げられてもよく、したがって、光学的読み出し装置の整列を単純化する。
【0142】
図17A−17Cに図示される実施形態に示されるように、装置1000は、いくつかの検出区域1012、1014、1016、および1018を有する、反応域1010を含んでもよい。これらの検出区域のそれぞれは、それぞれ、蛇行領域1012−A、1014−A、1016−A、および1018−Aの形であってもよい(図14B)。蛇行領域は、いくつかのチャネル区分1024を含む。蛇行領域は、マイクロ流体チャネル1020を介して、相互に接続することができる(すなわち、相互に流体連通している)。例えば、矢印1028の方向に、チャネル1020の中を流れる流体は、連続的に蛇行領域を通って流れることができる。
【0143】
本明細書で説明されるように、各蛇行領域中の蛇行チャネルの表面は、特定の用途のために、(例えば、格納した試薬の形の)1つ以上の生体分子で修飾することができる。オンチップ品質管理を提供するために、蛇行領域1018−Aは、検定の陰性基準を提供するように、BSAまたはTween 20等のブロッキング溶液で修飾することができる。同様に、蛇行領域1012−Aは、陽性対照で修飾することができる。これらの標準の選択は、成功した検定の完了後に、陰性標準が信号を示さず(または非常に弱い背景信号を示す)、陽性信号が明確な信号を示すようなものであってもよい。一般に、各蛇行領域中に固定化される試薬/生体分子の選択は、行われる特定の検査によって管理することができる。例えば、血清中の総ヒトIgGの測定のために、抗ヒト抗体を蛇行領域1014−Aおよび1016−Aで物理吸着することができる。
【0144】
図17Cは、蛇行領域で化学および/または生物学的反応を行った後の蛇行領域を示す、概略図である。陰性対照として使用される蛇行領域1018−Bは、弱い信号を有し、薄い灰色に見える。試料の構成要素を判定するために使用することができる、物理吸着し約を含んだ蛇行領域1014−Bおよび1016−Bは、検出可能な信号(例えば、灰色の被膜)を含んでもよい。陽性対照として使用される蛇行領域1018−Bは、強い信号(例えば、黒い被膜)を含んでもよい。
【0145】
図17A−17Cは、本明細書で説明されるマイクロ流体装置において行うことができる、多重検定の一例を示す。他の実施形態では、試料の付加的な構成要素の検出を可能にするように、付加的な蛇行領域(直列および/または並列に接続されてもよい、5、8、10、15、または20以上の蛇行領域)を装置上に含むことができる。
【0146】
検出区域(例えば、蛇行領域)で化学および/または生物学的反応を行った後、信号が検出区域に現れてもよい。信号の種類および強度は、標識の選択および/または使用される増幅化学反応に依存してもよい。一実施形態では、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、2004年12月20日出願の「Assay Device and Method」と題された国際特許公報第WO2005/066613号(国際特許出願第PCT/US2004/043585号)で説明されているもの等の、単純な検出器によって検出することができる信号を発出するために、銀強化化学反応を使用することができる。
【0147】
2つ以上の化学および/または生物学的反応(例えば、多重検定)が装置上で行われる時、各検出区域にわたって検出器を移動させることによって、信号取得を実行することができる。代替的なアプローチでは、単一の検出器が、検出区域のそれぞれで信号を同時に検出することができる。一実施形態では、分析器が、例えば、多数の並列光学センサ/検出器を含むことができ、それぞれ、検出区域と整列し、読取機の電子機器に接続される(例えば、図18Aおよび18B)。図18Aおよび18Bは、静止時(図18A)および測定中(図18B)の光学システム1050を図示する。図18Aに図示される実施形態に示されるように、光学システム1050は、検出区域1062、1064、および1066を含む検出域1060を有する、装置1054を含む。光学装置はまた、光源1072、1074、および1076の配列を備える部品1070、ならびに、検出器1082、1084、および1086の配列を備える部品1080も含む。いくつかの実施形態では、部品1070および1080は、分析器を形成するように組み合わせられる。光源および検出器は、装置の検出区域と整列してもよい。測定中、光学光源1072、検出区域1062、および検出器1082の間の光学経路1092は、検出区域中の信号の判定を可能にする。並列光学経路1094および1096は、それぞれ、検出区域1064および1066中の信号の同時判定を可能にすることができる。
【0148】
分析器の内部は、システムの各光学経路間の干渉なしで、全検出区域中の同時読み出し(例えば、信号の検出または判定)を可能にするように設計することができる。例えば、図19に図示される実施形態では、システム1100は、相互および検出区域1062と整列した光源1072および検出器1082を含む。加えて、光源1074は、検出区域1064および検出器1084と整列することができ、光源1076は、検出区域1066および検出器1086と整列することができる。光源および検出器は、制御ユニット1098(例えば、マイクロプロセッサ)と電気連通していてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の光学フィルタを、検出器と検出区域との間に配置することができる。加えて、および/または代替として、各検出器は、光の異なる波長をフィルタにかけるための電子フィルタを含んでもよい。光学経路間のクロストークをさらに低減するために、各光源からの光を、各光学経路について異なる周波数で変調することができる。つまり、光学経路1092、1094、および1096は、それぞれ、異なる波長の光を含んでもよい。光源1072によって生成される電子信号は、例えば、電子フィルタを使用することによって、隣接する光源1074および1076から発生する雑音信号と区別することができる。異なるアプローチでは、読み出しは、隣接する光源から発生する雑音信号を連続的に回避するように行うことができる。各検出区域に光源・検出器ペアを使用することは、光学構成要素が比較的単純および/または安価である時に有利であってもよい。
【0149】
いくつかの実施形態では、1つ以上の光学構成要素は、検出区域間で共有することができる。例えば、図20に図示される実施形態では、システム1120は、相互および検出区域1062と整列する、検出器1072および光学要素1122(例えば、光ファイバ等の収集光学素子)を含む。同様に、システムは、検出区域1064と整列する検出器1074および光学要素1124、ならびに検出区域1066と整列する検出器1076および光学要素1126を含む。光学要素は全て、光学スイッチ1130と、アバランシェフォトダイオードまたは光電子増倍管等の共通光検出器1132とに、接続されてもよい。共通検出器は、検出区域のそれぞれで信号を検出する(例えば、連続的に)ために使用されてもよい。各検出区域からの光は、各検出区域の下で整列することができる光学要素によって収集することができる。
【0150】
種々の判定(例えば、測定、定量化、検出、および適格化)技術が使用されてもよい。判定技術は、光透過率、光吸収度、光散乱、光反射、および視覚技術等の光学を用いた技術を含んでもよい。判定技術はまた、フォトルミネセンス(例えば、蛍光発光)、化学発光、生物発光、および/または電気化学発光等の発光技術を含んでもよい。当業者であれば、使用される判定技術に従ってマイクロ流体装置を修正する方法を知っている。例えば、判定に使用される化学発光種を含む装置については、不透明および/または暗い背景が好まれてもよい。金属コロイドを使用する判定については、透明な背景が好まれてもよい。さらに、任意の好適な検出器が、本明細書で説明される装置とともに使用されてもよい。例えば、単純化した光学検出器、ならびに従来の分光光度計および光学読取機(例えば、96ウェル読取機)を使用することができる。
【0151】
いくつかの実施形態では、判定技術は、伝導度を測定してもよい。例えば、伝導性材料、例えば、無電解沈積金属の沈積を測定するために、マイクロ流体チャネルの一部分の対向端に設置される微小電極が使用されてもよい。より多数の金属の個別粒子が成長し、相互に接触するにつれて、伝導度は増加し、該部分上に沈積された導体材料、例えば金属の量の指示を提供してもよい。したがって、伝導度および抵抗は、被分析物濃度の定量的尺度として使用されてもよい。
【0152】
別の分析技術は、前駆体がチャネルから退出するまで前駆体がマイクロ流体チャネルに進入する時間から、前駆体の変化する濃度を測定するステップを含んでもよい。例えば、銀塩溶液が使用される場合(例えば、硝酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、または酢酸塩)、銀感受性電極は、前駆体がチャネルを通過する際のチャネル中の銀の沈積による、銀濃度の損失を測定することが可能であってもよい。
【0153】
異なる光学検出技術は、反応(例えば、検定)結果を判定するための多数の選択肢を提供する。いくつかの実施形態では、透過率または吸光度の測定は、光源から発光されるのと同じ波長で光を検出できることを意味する。光源は、単一の波長で発光する狭帯域光源となり得るが、また、多くの不透明材料が広範囲の波長を効果的に遮断することができるため、一連の波長にわたって発光する、広帯域光源であってもよい。システムは、光学装置(例えば、単純化した光学検出器)を最小限に抑えて操作されてもよい。例えば、判定装置は、光電子増倍管を含まなくてもよく、回折格子、プリズム、またはフィルタ等の波長選択器を含まなくてもよく、カラムネータ等の光を方向付けるか、またはカラム化するための装置を含まなくてもよく、または拡大光学素子(例えば、レンズ)を含まなくてもよい。これらの特徴の排除または削減は、あまり効果ではなく、より頑丈な装置をもたらすことができる。
【0154】
一実施形態では、光源は、例えば、1,000Hzの周波数においてパルス変調することができる。パルス変調した光源に一致するために、検出器は、同じ周波数において動作するフィルタを含んでもよい。パルス変調した光源を使用することによって、システムは外因性光源に対して感受性が低くなり得ることが分かっている。したがって、検定は、既存の技術を使用することが実用的ではなくなる場合がある、白昼を含む種々の光条件下で、実行してもよい。実験結果は、パルス変調した光源およびフィルタを使用することによって、試験が実行される光条件にかかわらず、結果が一貫していることを示す。
【0155】
光源は、LED(発光ダイオード)またはレーザダイオードであってもよい。例えば、654nmで発光する、InGaAlP赤色半導体レーザダイオードが使用されてもよい。光検出器は、光源によって発光される光の透過を検出することが可能な、任意の装置であってもよい。光検出器の一種は、700nmにおいてピーク感度を有するフォトダイオードと、増幅器と、電圧調節器とを含む、光集積回路(IC)である。光源がパルス変調される場合、光検出器は、選択した周波数ではない光の効果を除去するように、フィルタを含んでもよい。複数および隣接する信号が同時に検出されると、各検出区域に使用される光源は、その隣接する光源の周波数とは十分に異なる周波数において変調することができる。この構成では、検出器は、(その属性光源と比較して)一致する熱さのフィルタと調和し、それにより、隣接する光学ペアからの干渉光を回避することができる。
【0156】
本明細書で説明されるように、反応域の蛇行チャネルは、整列時に蛇行チャネルの2つ以上の隣接区分を通して、検出器が単一信号を測定することができるように、検出器と整列するように構成および配設されてもよい。いくつかの実施形態では、検出器は、蛇行チャネルの第1の区分から測定される信号の第1の部分が、蛇行チャネルの第2の区分から測定される信号の第2の部分と同様となるように、蛇行チャネルの領域の少なくとも一部分内で、および蛇行チャネルの2つ以上の区分を通して、信号を検出することが可能である。そのような実施形態では、信号が蛇行チャネルの2つ以上の区分の一部として存在するため、検出器と検出区域との間の的確な整列の必要性がない。
【0157】
精度の必要性がない、検出区域(例えば、蛇行領域)を覆う検出器の位置決めは、顕微鏡、レンズ、および整列台等の外部(場合により高価な)機器が必要とされないため(しかし、ある実施形態では使用されてもよい)、有利である。その代わり、整列は、目測で、またはユーザによる整列ステップを必要としない低コスト方法によって、行うことができる。一実施形態では、蛇行領域を備える装置は、単純なホルダの中(例えば、装置と同じ形状を有する空洞の中)に設置することができ、測定域は、検出器の光線の中に自動的に配置することができる。例えば、個々のチップの変動、ホルダの中のチップの正確な場所、および装置の正常な使用法によって引き起こされる、不整列の考えられる原因は、測定域の寸法と比較して、ごくわずかである。結果として、蛇行領域は、光線内にとどまることができ、検出は、これらの変動によって中断されない。
【0158】
検出器は、検出区域(例えば、蛇行領域を含む)の全体または一部分内で信号を検出してもよい。換言すれば、蛇行領域の異なる量が光学検出経路として使用されてもよい。例えば、検出器は、検出区域の少なくとも15%内、検出区域の少なくとも20%、検出区域の少なくとも25%、検出区域の少なくとも50%内、または検出区域の少なくとも75%(しかし検出区域の100%未満)内で信号を検出してもよい。場合によっては、検出区域の100%が、検出器による検出(例えば、肉眼による透明チャネル中の検出)に使用される。検出区域が光学検出経路として使用される面積はまた、例えば、チャネルが加工される材料の不透明性(例えば、チャネルの全体または一部分が透明であるかどうか)、チャネルの一部分を覆ってもよい(例えば、保護カバーの使用を介する)不透明材料の量、および/または検出器および検出区域のサイズに依存してもよい。
【0159】
一実施形態では、反応によって発出される信号は、検出区域全体にわたって(例えば、蛇行チャネル領域全体にわたって)均一である。つまり、検出区域(例えば、蛇行チャネル領域)は、化学および/または生物学的反応を実行する際に(および、例えば、検出器による検出時に)、該領域中で単一の均一信号の発出および/または検出を可能にしてもよい。蛇行チャネル領域で反応を実行する前に、蛇行チャネルは、例えば、検出/判定される単一種(および種の濃度)を含んでもよい。種は、蛇行チャネルの表面に吸収されてもよい。一実施形態では、信号は、蛇行領域の各部分のみにわたって均一であってもよく、1つ以上の検出器該部分のそれぞれの内側で異なる信号を検出してもよい。ある場合においては、2つ以上の検出区域を直列に接続することができ、各検出区域は、異なる種を検出/判定するために使用することができる。
【0160】
いくつかの実施形態では、化学および/または生物学的反応は、結合を伴う。異なる種類の結合が、本明細書で説明される装置で発生してもよい。「結合」という用語は、生化学、生理学、および/または薬学的相互作用を含む、相互親和性または結合能力を示す、分子の対応するペア間の相互作用、典型的には、得意的または非特異的結合または相互作用を指す。生物学的結合は、タンパク質、拡散、糖タンパク質、炭水化物、ホルモン、および同等物を含む、分子のペア間で発生する相互作用の種類を定義する。具体例は、抗体/抗原、抗体/ハプテン、酵素/基板、酵素/阻害物質、酵素/補助因子、結合タンパク質/基質、担体タンパク質/基質、レクチン/炭水化物、受容体/ホルモン、受容体/エフェクタ、核酸の相補鎖、タンパク質/核酸抑制物質/誘導物質、リガンド/細胞表面受容体、ウイルス/リガンド等を含む。
【0161】
場合によっては、不均一反応(または検定)がチャネル中で発生してもよい。例えば、結合パートナーは、チャネルの表面と関連してもよく、相補的結合パートナーは、流体相で存在してもよい。「結合パートナー」という用語は、特定の分子との結合を受けることができる分子を指す。生物学的結合パートナーが例であり、例えば、タンパク質Aは、生体分子IgGの結合パートナーであり、その逆もまた同様である。同様に、抗体は、その光源の結合パートナーであり、その逆もまた同様である。他の場合においては、均一反応がチャネル中で発生してもよい。例えば、両方の結合パートナーが流体相で(例えば、2流体層流系統で)存在することができる。蛇行チャネルシステムで行うことができる、典型的な反応の非限定的な例は、化学反応、酵素反応、免疫に基づいた反応(例えば、抗原・抗体)、および細胞に基づいた反応を含む。
【0162】
本発明の一実施形態では、特定の臨床検査を行うために開発されたマイクロ流体装置は、検査特有の情報(例えば、検査名、バッチ特有データ、および有効期限)で標識化される。試料導入構成要素等の、システムの1つ以上の構成要素は、患者特有の情報で印付けられる(例えば、物理的または電子的に)ように設計される。マイクロ流体装置(例えば、任意的に他の(例えば、電子)構成要素と接続した、マイクロ流体基板)への試料導入構成要素の取付け時に、患者の情報は、装置および装置上で行われる特定の検査に結び付けることができる。場合によっては、例えば、使い捨てマイクロ流体装置(例えば、上記のようなジップタイまたはスナップ式機構)への試料導入構成要素の恒久的な取付けを伴う、ある実施形態については、2組の情報(試料導入構成要素からの情報およびマイクロ流体装置からの情報)を分離することができない。このことは、マイクロ流体装置上に患者の情報を追加するための安全な方法を提供することができる。例えば、一実施形態では、マイクロ流体装置は、検査特有の情報(例えば、検査名、検査較正のためのデータ、バッチ名および番号)で標識化され、試料導入構成要素は、患者の身元を指すコード(例えば、バーコード)を含有する標準サイズのステッカーを収容することができる表面を含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、マイクロ流体であってもよいが、ある実施形態では、本発明は、マイクロ流体システムに限定されず、他の種類の流体システムに関してもよい。本明細書で使用されるような、「マイクロ流体」とは、1mm未満の断面寸法および少なくとも3:1の長さ対最大断面寸法の比を有する、少なくとも1つの流体チャネルを含む、装置、装置、またはシステムを指す。本明細書で使用されるような、「マイクロ流体チャネル」とは、これらの基準を満たすチャネルである。
【0164】
チャネルの「断面寸法」(例えば、直径)は、流体流動の方向と垂直に測定される。本発明の構成要素中のほとんどの流体チャネルは、2mm未満、場合によっては1mm未満の最大断面寸法を有する。1組の実施形態では、本発明の実施形態を含有する全ての流体チャネルは、マイクロ流体的であるか、またはわずか2mmまたは1mmの最大断面寸法を有する。別の組の実施形態では、本発明の実施形態を含有するチャネルの最大断面寸法は、500ミクロン未満、200ミクロン未満、100ミクロン未満、50ミクロン未満、または25ミクロン未満である。場合によっては、チャネルの寸法は、流体が部品または基剤を通って自由に流れることが可能となるように選択されてもよい。チャネルの寸法もまた、例えば、チャネル中の流体のある体積または直線流速を可能にするように、選択されてもよい。当然ながら、チャネルの数およびチャネルの形状は、当業者に公知の任意の方法によって変動させることができる。場合によっては、2つ以上のチャネルまたは毛細管が使用されてもよい。
【0165】
本明細書で使用されるような、「チャネル」とは、流体の流動を少なくとも部分的に方向付ける、部品(基板)の上または中の特徴を意味する。チャネルは、任意の断面形状(円形、楕円形、三角形、不整形、正方形、長方形、または同等物)を有することができ、覆われた状態または覆われていない状態にすることができる。完全に覆われている実施形態では、チャネルの少なくとも1つの部分が、完全に封入された断面を有することができ、または、チャネル全体が、その入口および出口を除く全長に沿って完全に封入されてもよい。チャネルはまた、少なくとも2:1、さらに典型的には、少なくとも3:1、5:1、または10:1以上のアスペクト比(長さ対平均断面寸法)を有してもよい。開放チャネルは、概して、流体輸送の制御を促進する特性、例えば、構造的構成(細長いくぼみ)および/または物理的または化学的特性(疎水性対親水性)、または流体に力(例えば、含有力)を及ぼすことができる他の特性を含む。チャネル内の流体は、チャネルを部分的または完全に充填してもよい。開放チャネルが使用される場合によっては、流体は、例えば、表面張力(例えば、凹面または凸面メニスカス)を使用して、チャネル内で担持されてもよい。
【0166】
マイクロ流体基板は、マイクロチャネルを形成するために好適な任意の材料で加工することができる。材料の非限定的な例は、ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ(ジメチルシロキサン)、およびシクロオレフィン共重合体(COC))、ガラス、石英、およびシリコンを含む。当業者であれば、例えば、その剛性、それを通過させられる流体に対するその不活性(例えば、流体による分解が存在しない)、特定の装置が使用される温度におけるその頑丈性、および/または光に対するその透明性/不透明性(例えば、紫外および可視領域中)に基づいて、好適な材料を容易に選択することができる。いくつかの実施形態では、基板の材料および寸法(例えば、厚さ)は、基板が水蒸気に対して略不透過性となるように選択される。
【0167】
場合によっては、マイクロ流体基板は、上記に記載されるもの等の2つ以上の材料の組み合わせからなる。例えば、装置のチャネルは、第1の材料(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン))、に形成されてもよく、第2の材料(例えば、ポリスチレン)に形成されるカバーが、チャネルを密閉するために使用されてもよい。一実施形態では、装置のチャネルは、ポリスチレンまたは他のポリマーに形成されてもよく(例えば、射出成形によって)、生体適合性テープが、チャネルを密閉するために使用されてもよい。マイクロ流体チャネルまたはチャネルの各部分を密閉するために、接着剤の使用、糊付け、結合、または機械的方法(例えば、締め付け)によるものを含むが、それらに限定されない、種々の方法を使用することができる。
【0168】
以下の例は、本発明のある実施形態を例示することを目的とするが、限定的として解釈されるものではなく、本発明の全範囲を例示するわけではない。
【実施例】
【0169】
(実施例1)
(基板におけるマイクロ流体チャネルの加工)
マイクロ流体チャネルシステムを加工するための方法を説明する。
【0170】
チャネルシステムのレイアウトを、コンピュータ支援設計(CAD)プログラムで設計し、図3および4に図示する。SU8フォトレジスト(MicroChem,Newton,MA)に作られたマスタを使用するラピッドプロトタイピングによって、マイクロ流体装置を、ポリ(ジメチルシロキサン)Sylgard 184(PDMS,Dow Corning,Distrelec,Switzerland)に形成した。マスタは、シリコンウエハ上で生産し、PDMSに陰性パターンを複製するために使用した。マスタは、免疫学的検定域中のチャネルを画定する約50μmの厚さ(高さ)を伴う1つのレベル、および試薬格納および廃棄物域を画定する約250μmの第2の厚さ(高さ)といった、2つのレベルのSU8を含有した。マスタは、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリクロロシラン(ABC−R,Germany)でシラン化した。PDMSは、製造業者の指示に従って混合し、マスタ上に注いだ。重合化(4時間、65°)後、PDMSの複製をマスタから剥がし、尖らせた刃を伴う黄銅管(直径1.5mm)を使用してPDMSからアクセスポートを打ち抜いた。流体ネットワークを完成させるために、スライドガラス、シリコンウエハ、ポリスチレン表面、PDMSの平坦スラブ、または接着テープ等の、平坦な基板をカバーとして使用し、PDMS表面に対して設置した。カバーは、ファン・デル・ワールス力によって適所に担持するか、または接着剤を使用してPDMSに固定した。
【0171】
他の実施形態では、射出成形によってマイクロ流体チャネルをポリスチレンに作製した。この方法は、当業者に公知である。
【0172】
(実施例2)
(マイクロ流体システムに試薬を格納するステップ)
この実施例は、マイクロ流体システムに乾燥および液体試薬を格納するための方法を説明する。
【0173】
乾燥および湿潤試薬を、図3−5および14に示されるマイクロ流体システムに格納した。乾燥試薬を格納するために、生体分子の滴を基板の検出区域上に設置した。30分後、溶液を除去し、タンパク質で修飾された基板の表面を緩衝剤で洗い流した。表面を圧縮窒素で20秒間乾燥させ、次いで、基板をカバーに対して密閉した。カバーは、ポリスチレンの板(PDMS基板の場合)(NUNC Omnitray,VWR,Switzerland)または生体適合性接着剤(ポリスチレン基板の場合)のいずれかであった。生体適合性接着剤を使用した時、カバーの適用前にアクセス穴を取得するように、ポリスチレン基板にドリルで穴を開けた。異なるアプローチでは、射出成形機の空洞の内側の支柱を使用することによって、射出成形プロセス中に、熱可塑性物質に穴を形成した。マイクロ流体チャネルの表面を親水性にするように、および表面を遮断してマイクロチャネルの壁上のタンパク質の非特異的吸収を回避するように、試薬格納および免疫学的検定域のマイクロチャネルを含む、マイクロチャネルの全てを、ブロックング緩衝剤(Tween 20および/またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中のBSA)で充填した。ブロッキング溶液は、吸引によって除去し、装置は、真空下で室温にて乾燥させた。
【0174】
マイクロ流体システムに湿潤試薬を格納するために、免疫学的検定用の試薬を、最初に別個の容器(例えば、96ウェルプレートのウェル、または遠心分離管)の中で調製した。管の後部に接続された手動操作型注射器により、二次管(0.2mmの内径を伴うポリエチレン)の中へ、連続的液体栓の間の空気スペーサが後に続く液体栓として、試薬を連続的に吸引した。
【0175】
管の出口ポートをチャネルの入口の中へ接続することによって、試薬をマイクロ流体システム(実施例1で説明される方法によって加工された)の試薬格納域のチャネルに格納した。流体は、毛細管力によって、チャネルの出口に陰圧(例えば、真空)を適用することによって、または(注射器プランジャを使用して)管の入口に陽圧を適用することによって、管からチャネルへ流れた。試薬は、チャネルの試薬格納域中に存在した。
【0176】
次いで、入口および出口を覆って生体適合性接着剤を設置することによって、チャネルの入口および出口を密閉した。ポリスチレン基板の場合、カバーで修飾された表面とは反対の表面上に、この第2のテープを適用した。この密閉は、大気条件による分解/変性から格納した試薬を保護した。
【0177】
試薬は、定量免疫学的検定での試薬の使用によって検査されるように、分解/変性なしで3ヶ月間マイクロ流体チャネルに格納された。この実施例は、乾燥および液体試薬(タンパク質を含む)の両方を、マイクロ流体チャネルに長期間格納できることを示す。
【0178】
(実施例3)
(開放端毛細管を使用して試料を搭載することより免疫学的検定を行うステップ)
この実施例は、開放端毛細管を使用して試料を搭載し、マイクロ流体基板上に格納された試薬を使用することによって、免疫学的検定を行うことができることを示す。
【0179】
実施例1で説明される方法を使用して、図7のマイクロ流体システムを加工した。このシステムは、試薬格納域、試料搭載域、免疫学的検定、および廃棄物域といった、4つのセクションを含んだ。実施例2で説明される方法を使用して、抗体溶液、洗浄緩衝剤、および増幅試薬(酵素基質または銀増幅試薬のいずれか)といった、白血球中の総ヒトIgGの検出のための免疫学的検定を行うために必要とされる試薬で、試薬格納域を事前に充填した。これらの試薬は、空隙によって相互から分離された一連の液体栓として搭載された、使用の準備ができた水溶液として提示された。
【0180】
ドナーからの血液の試料を取得し、毛細管力によって(または、他の実験では、管の他方の端に適用された陰圧を使用して、毛細管に試料を吸引することによって)試料を毛細管(例えば、図8Aに示されるような)の中へ搭載した。毛細管の出口を基板の試料搭載ポートに嵌合し、プランジャで毛細管の端に向かって管内のフリットを除去することによって、試料をマイクロ流体システムに導入した。マイクロ流体基板の試薬入口が以前に密閉されていたため、試料の流動は、自動的に、通気された装置の出口に向かって、マイクロ流体チャネルの内側で方向付けられた。毛細管は適所に残され、フリット(試料で濡れている)は気密シールの役割を果たした。
【0181】
基板に試料を導入した後、入口および出口ポートを覆うシールを除去した。システムの出口における真空の適用は、試薬格納域内の内側に並ぶ試薬の順番によって事前定義された順序にしたがって、免疫学的検定域への試料および試薬の送達をもたらした。免疫学的検定域から退出する全ての流体は、最終的に廃棄物域の内側に閉じ込められた。検定の完了後、標的被分析物に特有の信号が、免疫学的検定域で観察可能であった。
【0182】
(実施例4)
(流体コネクタを使用して試料を搭載することにより免疫学的検定を行うステップ)
この実施例は、流体コネクタを使用して試料を搭載し、マイクロ流体基板上に格納された試薬を使用することによって、免疫学的検定を行うことができることを示す。
【0183】
実施例1で説明される方法を使用して、図5のマイクロ流体システムを加工した。装置300は、格納した湿潤試薬を含有するセクション302と、格納した乾燥試薬を含有するセクション350とを含む。図2で説明される方法を使用して、免疫学的検定域360を物理吸着分子で事前加工した。免疫学的検定域は、Tweenでパターン化された(PBS中のTweenの溶液を使用する)第1の検出区域362と、抗ヒトIgGでパターン化された(PBS中の抗ヒトIgGの溶液を使用する)第2および第3の検出区域364および366と、パターン化したヒトIgGを含む(PBS中のヒトIgGの溶液を使用する)第4の検出区域368とを含んだ。
【0184】
試薬格納域304を、白血球中の総ヒトIgGの検出のための免疫学的検定を行うために必要とされる試薬で事前に充填した(実施例2で説明される方法を使用して)。試薬は、一連の液体栓の形で充填され、液体栓のそれぞれは、気体スペーサによって分離された。試薬格納域の下部分306の中の試薬は、(免疫学的検定域への導入の順番で)3つの緩衝洗浄剤、金コロイドで標識化された抗ヒトIgGの1つの栓、3つの緩衝洗浄剤、および6つの水洗浄剤であった。試薬格納域の上部分305は、増幅溶液として使用される、無電解銀沈積用の溶液を含有した。これらの溶液は、チャネル308に格納された銀塩と、チャネル309に格納されたヒドロキノンとを含んだ。これらの溶液は、使用前に別々にしておいた。図5Aでは、以前に密閉されていた入口354および出口318が、この段階では非密閉であった。
【0185】
健常ドナーからの静脈血の試料を取得し、毛細管力によって(または、他の実験では、管の他方の端に適用された陰圧を使用して、毛細管に試料を吸引することによって)試料を流体コネクタの中へ搭載した。適切な長さの毛細管を選択すること(および毛細管の内部体積を知ること)によって、流体コネクタを既知の所定量の試料(15μL)で充填した。(この試料の体積は、真空源が−15kPaに設定された後に、試料培養を10分間持続するのに十分であった。)流体コネクタの一方の端が試薬格納域の出口318に嵌入し、他方の端が免疫学的検定域に至る入口354に嵌入するように、流体コネクタを屈曲させた(図5B参照)。流体コネクタは、セクション302と350との間の流体接続を可能にした。図5Aでは、以前に密閉されていた入口316および317ならびに出口356が、この段階では非密閉であった。
【0186】
システムの出口356における真空源390(−15kPa)の適用が、検定を開始した。試料は、検出区域362、364、366、および368を含む、免疫学的検定に進入し(図5C)、セクション302からの格納した試薬が後に続く(図5D)。セクション302からの格納した試薬は、反応域中のあらゆる残留非結合試料を洗い流した(図5D)洗浄試薬(例えば、緩衝剤)、ならびに、抗体溶液および増幅試薬を含んだ。
【0187】
検定の完了後、関心の被分析物に特有の光信号(金属銀の灰色がかかった被膜)が、免疫学的検定域の検出区域364、366、および368で観察可能であった(図5E)。上記のような検出区域中の一連の物理吸着生体分子を使用して、検定の終了時に以下の結果が観察された。1)Tween(タンパク質の接着を防止することが知られている洗剤)で修飾された検出区域が内部陰性基準の役割を果たすため、この検出区域には信号がない(検出区域362)、2)試料からのヒトIgGの結合を反映する、抗ヒトIgGで修飾された検出区域中の濃度依存性信号(検出区域364および366)、および3)内部陽性基準の役割を果たす、ヒトIgGで修飾された検出区域中の一定信号(検出区域368)。これらの観察が予期された。
【0188】
図5Fに示されるように、流体コネクタおよび真空源の除去後、信号は、装置の免疫学的検定域で永久に結合されたまま残り、直接観察し、データ記憶のために使用することができた。
【0189】
この実施例は、全血の試料中の総ヒトIgGを検出するために、試料を含有する流体コネクタによって接続される、その中に含有された格納した試薬を有するマイクロ流体システムを使用できることを実証する。
【0190】
本発明のいくつかの実施形態を本明細書で説明および例示したが、当業者であれば、機能を行うため、および/または、結果および/または本明細書で説明される利点のうちの1つ以上を取得するための、種々の他の手段および/または構造を容易に想定し、そのような変化例および/または修正のそれぞれは、本発明の範囲内であると見なされる。さらに概して、当業者であれば、本明細書で説明される全てのパラメータ、寸法、材料、および構成は、例示的となるように意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、本発明の教示が使用される1つまたは複数の特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者であれば、日常的な程度にすぎない実験を使用して、本明細書で説明される本発明の具体的実施形態の多くの同等物を認識するか、または確認することが可能となるであろう。したがって、前述の実施形態は、一例のみとして提示され、添付の請求項およびその同等物の範囲内で、本発明が、具体的に説明および請求されるのとは他の方法で実践されてもよいことを理解されたい。本発明は、本明細書で説明される、各個別特徴、システム、部品、材料、キット、および/または方法を対象とする。加えて、2つ以上のそのような特徴、システム、部品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、部品、材料、キット、および/または方法が相互に非一貫性でなければ、本発明の範囲内に含まれる。
【0191】
本明細書で定義および使用されるような、全ての定義は、辞書の定義、参照することにより組み込まれる文書中の定義、および/または定義された用語の通常の意味を支配すると理解されたい。
【0192】
本明細書および請求項で使用されるような、「1つの」といった不定冠詞は、明確にそれとは反対に示されない限り、「少なくとも1つの」を意味すると理解されたい。
【0193】
また、明確にそれとは反対に示されない限り、2つ以上のステップおよび行為を含む、本明細書で請求される任意の方法において、方法のステップまたは行為の順番は、必ずしも方法のステップまたは行為が記載される順番に限定されないことも理解されたい。
【0194】
請求項中、ならびに上記の明細書中において、「備える」、「含む」、「持つ」、「有する」、「含有する」、「伴う」、「担持する」、「から構成される」、および同等物等の、全ての移行部は無制約であり、すなわち、「を含むが、それに限定されない」ことを意味すると理解されたい。「から成る」および「から本質的に成る」という移行部のみが、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures、Section 2111.03において説明されているように、それぞれ制約的または半制約的な移行部となるものである。
本願発明は以下の態様を含む。
(態様1)
基板内に形成されるマイクロ流体システムであって、少なくとも1つの入口および1つの出口を含む、第1のマイクロ流体チャネルと、少なくとも1つの入口および1つの出口を含む、第2のマイクロ流体チャネルとを備える、マイクロ流体システムと、
流路入口および流路出口を含む流路を備える、該基板に接続することができる流体コネクタであって、接続時に、該流路入口は、該第1のマイクロ流体チャネルの該出口に接続することにより、該流路と該第1のマイクロ流体チャネルとの間の流体連通を可能にし、該流路出口は、該第2のマイクロ流体チャネルの該入口に接続することにより、該流路と該第2のマイクロ流体チャネルとの間の流体連通を可能にする、流体コネクタと
を備え、
該流路は、該基板への該流体コネクタの接続前に、自身の中に配置される試薬を含有し、
該マイクロ流体システムは、該システム内の流体の再循環なしで動作するように構成および配設される、装置。
(態様2)
前記第1および第2のマイクロ流体チャネルは、第1の使用前には、相互に流体連通しておらず、第1の使用時には、該第1および第2のマイクロ流体チャネルは、相互に流体連通させられる、態様1に記載の装置。
(態様3)
前記第1のマイクロ流体チャネルは、前記基板への前記流体コネクタの接続前に、自身の中に配置される第1の試薬を備える、態様1に記載の装置。
(態様4)
前記第1のマイクロ流体チャネルは、さらに、前記基板への前記流体コネクタの接続前に、自身の中に配置される第2の試薬を備える、態様3に記載の装置。
(態様5)
前記第1および第2の試薬は、該第1および第2の試薬と混合しない流体によって分離される流体試薬である、態様4に記載の装置。
(態様6)
前記第1および第2の試薬は、液体試薬であり、該第1および第2の試薬と混合しない前記流体は、気体である、態様5に記載の装置。
(態様7)
前記第2のマイクロ流体チャネルは、自身の中に配置される試薬を含有する、態様1に記載の装置。
(態様8)
前記第2のマイクロ流体チャネルの中の前記試薬は、第1の使用前に乾燥させられる、態様7に記載の装置。
(態様9)
前記第2のマイクロ流体チャネルの中の前記試薬は、該第2のマイクロ流体チャネルの表面に吸収される、態様7に記載の装置。
(態様10)
前記装置はさらに、前記第1および第2のマイクロ流体チャネルを封入するよう前記基板に隣接して配置される、カバーを備える、態様1に記載の装置。
(態様11)
前記カバーは、テープである、態様10に記載の装置。
(態様12)
前記第1および/または第2のマイクロ流体チャネルと流体連通している反応域をさらに備え、該反応域は、該反応域の中の化学および/または生物学的反応の検出を可能にする、態様1に記載の装置。
(態様13)
前記反応域は、少なくとも1つの蛇行チャネル領域を備える、態様12に記載の装置。
(態様14)
前記反応域は、直列に接続される、少なくとも2つの蛇行チャネル領域を備える、態様12に記載の装置。
(態様15)
前記少なくとも2つの蛇行チャネル領域の各々は、化学および/または生物学的反応を受けることができる、化学および/または生物学的種を備える、態様14に記載の装置。
(態様16)
前記少なくとも2つの蛇行チャネル領域の各々は、該領域の中で化学および/または生物学的反応を実行する際に、該領域の各々の中での単一の均質な信号の検出を可能にする、態様15に記載の装置。
(態様17)
前記第1の蛇行チャネル領域と整列した第1の検出器をさらに備える、態様13に記載の装置。
(態様18)
前記第2の蛇行チャネル領域と整列した第2の検出器をさらに備える、態様17に記載の装置。
(態様19)
前記マイクロ流体システムは、2つより少ないチャネル交差を含む、態様1に記載の装置。
(態様20)
前記マイクロ流体システムは、チャネル交差を全く含まない、態様1に記載の装置。
(態様21)
前記流路は、第1の体積を有し、前記マイクロ流体システムへの前記流体コネクタの接続前に、該流路の中への該第1の体積より少ない制御された体積の流体の導入を可能にする、体積制御要素をさらに備える、態様1に記載の装置。
(態様22)
出口に接続されることができる真空源をさらに備える、態様1に記載の装置。
(態様23)
前記流体コネクタは、前記基板の特徴を補完する少なくとも1つの非流体特徴を備えることにより、接続時に該流体コネクタと該基板との間に非流体接続を形成する、態様1に記載の装置。
(態様24)
前記流体コネクタは、前記基板の特徴を補完する少なくとも1つの特徴を備えることにより、該流体コネクタと該基板との間に不可逆的な接続を形成する、態様1に記載の装置。
(態様25)
前記流体コネクタはさらに、生物学的実体から流体試料を受容することができる、試料採取要素を備える、態様1に記載の装置。
(態様26)
前記流体コネクタは、前記生物学的実体から前記流路への流体の移動を可能にすることができる、態様25に記載の装置。
(態様27)
基板内に形成されるマイクロ流体システムであって、入口および出口を含む第1のマイクロ流体チャネルと、入口および出口を含む第2のマイクロ流体チャネルとを備える、マイクロ流体システムと、
流路入口および流路出口を含む流路を備える、該基板に接続することができる流体コネクタであって、接続時に、該流路入口は該第1のマイクロ流体チャネルの該出口に接続することにより、該流路出口は、該第2のマイクロ流体チャネルの該入口に接続する、流体コネクタと
を備え、該基板の特徴を補完する少なくとも1つの非流体特徴をさらに備えることにより、接続時に、該流体コネクタと該基板との間に非流体接続を形成する、装置。
(態様28)
前記マイクロ流体システムは、前記システム中の流体の再循環なしで動作するように構成および配設される、態様27に記載の装置。
(態様29)
前記第1および第2のマイクロ流体チャネルは、第1の使用前に、相互に流体連通しておらず、第1の使用時に、該第1および第2のマイクロ流体チャネルは、相互に流体連通させられる、態様27に記載の装置。
(態様30)
基板に形成され、自身の中に配置される第1の試薬を含有する、第1のマイクロ流体チャネルと、
該基板に形成され、自身の中に配置される第2の試薬を含有する、第2のマイクロ流体チャネルと
を備え、該第1および第2のマイクロ流体チャネルは、第1の使用前には、相互に流体連通しておらず、第1の使用時には、該第1および第2のマイクロ流体チャネルは相互に流体連通させられる、装置。
(態様31)
前記第1のマイクロ流体チャネルはさらに、第3の試薬を備え、前記第1および第3の試薬は、該試薬と混合しない流体によって分離される、態様30に記載の装置。
(態様32)
前記第2の試薬は、第1の使用前に乾燥させられる、態様30に記載の装置。
(態様33)
前記第1および第2のマイクロ流体チャネルは、第1の使用前に、相互に流体連通しておらず、第1の使用時に、該第1および第2のマイクロ流体チャネルは、相互に流体連通させられる、態様30に記載の装置。
(態様34)
基板に形成される第1のマイクロ流体チャネルの中に第1の試薬を配置することと、
該基板に形成される第2のマイクロ流体チャネルの中に第2の試薬を配置することであって、該第1および第2のマイクロ流体チャネルは、該配置することの間に相互に流体連通していない、ことと
該第1のマイクロ流体チャネルの中に該第1の試薬を格納するように、該第1のマイクロ流体チャネルの入口および/または出口を密閉することと、
該第2のマイクロ流体チャネルの中に該第2の試薬を格納するように、該第2のマイクロ流体チャネルの入口および/または出口を密閉することと
を含む、試薬を格納する方法。
(態様35)
密閉する前に、前記第1のマイクロ流体チャネルは、自身の中に配置される第3の試薬を含有し、前記第1および第3の試薬は、該試薬と混合しない流体によって分離される、態様34に記載の方法。
(態様36)
前記第2の試薬は、前記第2のマイクロ流体チャネルの前記入口を密閉する前に乾燥させられる、態様34に記載の方法。
(態様37)
基板に形成され、第1の使用前に自身の中に配置される第1の試薬を含有する、第1のマイクロ流体チャネルを提供することと、
該基板に形成され、第1の使用前に自身の中に配置される第2の試薬を含有する、第2のマイクロ流体チャネルを提供することであって、
該第1および第2のマイクロ流体チャネルは、第1の使用前に、相互に流体連通しておらず、第1の使用時に、該第1および第2のマイクロ流体チャネルは、相互に流体連通させられる、ことと、
該第1および第2のマイクロ流体チャネルを相互に流体連通させることと
を含む、方法。
(態様38)
前記流体連通させることは、前記第1と第2のマイクロ流体チャネルとの間の流路を接続することを含む、態様37に記載の方法。
(態様39)
前記流路は、自身の中に配置される試料を含有する、態様38に記載の方法。
(態様40)
前記試料は、流体試料である、態様39に記載の方法。
(態様41)
基板に形成されるマイクロ流体システムであって、入口および出口を含む、第1のマイクロ流体チャネルと、入口および出口を含む、第2のマイクロ流体チャネルとを備える、マイクロ流体システムと、
該基板に接続することができる流体コネクタであって、流路入口および流路出口を含む流路を備え、接続時に、該流路入口は、該第1のマイクロ流体チャネルの該出口に接続することにより、該流路と該第1のマイクロ流体チャネルとの間の流体連通を可能にし、該流路出口は、該第2のマイクロ流体チャネルの該入口に接続することにより、該流路と該第2のマイクロ流体チャネルとの間の流体連通を可能にする、流体コネクタと
を備え、
該流路は、該マイクロ流体システムへの該流体コネクタの接続前に、該流路の中への第1の体積より少ない制御された体積の流体の導入を可能にすることができる、体積制御要素をさらに備える、装置。
(態様42)
前記体積制御要素は、フリットである、態様41に記載の装置。
(態様43)
基板に形成されるマイクロ流体システムであって、入口および出口を含む、第1のマイクロ流体チャネルと、入口および出口を含む、第2のマイクロ流体チャネルとを備える、マイクロ流体システムと、
流路入口および流路出口を含む流路を備える、該基板に接続されることができる流体コネクタであって、接続時に、該流路入口は、該第1のマイクロ流体チャネルの該出口に接続し、該流路出口は、該第2のマイクロ流体チャネルの該入口に接続する、流体コネクタと、
生物学的構成要素を穿刺することができる、試料採取要素をさらに備える、装置。
(態様44)
前記生物学的構成要素は、ヒト皮膚である、態様43に記載の装置。
(態様45)
前記試料採取要素は、前記生物学的構成要素から流体試料を受容することができる、態様43に記載の装置。
(態様46)
前記流体コネクタは、前記生物学的実体から前記流路への流体の移動を可能にする、態様43に記載の装置。
(態様47)
前記試薬は、前記流路の表面を被覆する抗凝固剤を備える、態様1に記載の装置。
(態様48)
前記試薬は、ヘパリンを備える、態様47に記載の装置。
(態様49)
前記流体コネクタの前記流路は、前記基板への該流体コネクタの接続前に、自身の中に配置される一連の試薬を含有する、態様1に記載の装置。
(態様50)
前記流体コネクタの前記流路は、前記基板への該流体コネクタの接続前に、自身の中に配置される試料を含有する、態様1に記載の装置。
(態様51)
前記第1のマイクロ流体チャネルは、少なくとも10:1の、長さ対平均断面寸法を有する、態様3に記載の装置。
(態様52)
マイクロ流体システムを備える基板であって、該マイクロ流体システムは、入口および出口を含む、第1のマイクロ流体チャネルと、入口および出口を含む、第2のマイクロ流体チャネルとを含む、基板と、
該基板への接続に合致するように構成される流体コネクタであって、流路入口および流路出口を含む流路を含み、該基板への該流体コネクタの接続時に、該流路入口は、該第1のマイクロ流体チャネルの該出口に接続し、該流路出口は、該第2のマイクロ流体チャネルの該入口に接続する、流体コネクタと、
該基板と関連する整列要素であって、該基板から延在し、該流体コネクタを受容および係合して、それにより、該基板に対する所定の設定構成に該コネクタを配置するように構成および配設される、空洞を備える、整列要素と
を備え、該流体コネクタは、摺動運動によって該整列要素に挿入されるように適合される、装置。
(態様53)
前記空洞は、前記流体コネクタと前記整列要素との係合時に、前記流路入口および流路出口の位置から測定して少なくとも1cmの深さを有する、態様52に記載の装置。
(態様54)
前記整列要素は、前記基板とほぼ垂直に延在する、態様52に記載の装置。
(態様55)
前記流体コネクタは、前記整列要素の一部分を補完する形状および構成を有する、整列構成要素を備える、態様52に記載の装置。
(態様56)
マイクロ流体システムを備える基板であって、入口および出口を含む、第1のマイクロ流体チャネルと、入口および出口を含む、第2のマイクロ流体チャネルとを含む、基板と、
該基板への接続に合致するように構成される流体コネクタであって、流路入口および流路出口を含む流路を備え、該基板への該流体コネクタの接続時に、該流路入口は、該第1のマイクロ流体チャネルの該出口に接続し、該流路出口は、該第2のマイクロ流体チャネルの該入口に接続する、流体コネクタと、
該基板と関連する整列要素であって、流体コネクタを受容および係合し、それにより、該基板に対する所定の設定構成に該コネクタを配置するように構成および配設される、整列要素と
を備え、
該整列要素は係合構成要素を備え、該係合構成要素は、整列要素が該流体構成要素を受容する際に、該流体コネクタの一部分に係合して、該整列要素に対する該流体コネクタの移動への実質的な抵抗を生成するように構成および配設される、装置。
(態様57)
前記係合構成要素は、前記流体コネクタの係合構成要素を補完する、態様56に記載の装置。
(態様58)
前記整列要素は、前記基板とほぼ垂直に延在する、態様56に記載の装置。
(態様59)
前記整列要素は、少なくとも1cmの面積にわたって前記流体コネクタに接触する、態様56に記載の装置。
(態様60)
前記係合構成要素は、前記流体コネクタと前記整列要素との係合時に、前記流路入口および流路出口の位置から測定して少なくとも1cmの高さを有する、態様56に記載の装置。
(態様61)
マイクロ流体システムを備える基板であって、入口および出口を含む、第1のマイクロ流体チャネルと、入口および出口を含む、第2のマイクロ流体チャネルとを含む、基板と、
該基板への接続に合致するように構成される流体コネクタであって、流路入口および流路出口を含む流路を備え、該基板への該流体コネクタの接続時に、該流路入口は、該第1のマイクロ流体チャネルの該出口に接続し、該流路出口は、該第2のマイクロ流体チャネルの該入口に接続する、流体コネクタと、
該基板と関連し、該基板とほぼ垂直に延在する、整列要素と
を備え、
該整列要素は、該流体コネクタに係合して、それにより、該流体コネクタの該流路が該基板とほぼ垂直である、該基板に対する所定の設定構成に該コネクタを配置するように構成および配設される、装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20