(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661912
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】安定なボルテゾミブ製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/69 20060101AFI20150108BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20150108BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20150108BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
A61K31/69
A61K9/08
A61K47/10
A61P35/00
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-500229(P2013-500229)
(86)(22)【出願日】2011年3月18日
(65)【公表番号】特表2013-522320(P2013-522320A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】US2011029003
(87)【国際公開番号】WO2011116286
(87)【国際公開日】20110922
【審査請求日】2013年4月5日
(31)【優先権主張番号】61/315,080
(32)【優先日】2010年3月18日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512219987
【氏名又は名称】イノファーマ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ソッピマス、 クマーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ペジャバー、 サティシュ
(72)【発明者】
【氏名】パテル、 カナイヤラル アール.
(72)【発明者】
【氏名】ダサラディ、 ラッカラジュ
(72)【発明者】
【氏名】ソダム、 ラーマ
(72)【発明者】
【氏名】デシュ、 ハリ
(72)【発明者】
【氏名】プーリ、 ナブニート
【審査官】
天野 貴子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−336041(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/096229(WO,A1)
【文献】
国際公開第2010/114982(WO,A1)
【文献】
国際公開第2010/089768(WO,A1)
【文献】
特表2004−517931(JP,A)
【文献】
特表2004−517932(JP,A)
【文献】
特表2003−508436(JP,A)
【文献】
特表2007−513084(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/134864(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/69
A61K 9/08
A61K 47/10
A61P 35/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルテゾミブを含む液状製剤を含む薬学組成物であって、
前記液状製剤は注射用であって水の総含有量が15体積%以下である溶媒系であり、
前記溶媒系の非水成分はプロピレングリコールからなり、
前記ボルテゾミブは少なくとも1 mg/mlの濃度で存在し、
前記液状製剤は、前記液状製剤を環境条件において少なくとも3ヶ月以上貯蔵した場合にボルテゾミブの減成が10重量%未満のレベルである、
薬学組成物。
【請求項2】
前記溶媒系が100体積%のプロピレングリコールを含む、請求項1に記載の薬学組成物。
【請求項3】
ボルテゾミブを含む液状製剤を含む薬学組成物であって、
前記液状製剤は注射用であって水の総含有量が15体積%以下である溶媒系であり、
前記溶媒系の非水成分は、25体積%以下の量のエタノール、およびプロピレングリコールからなり、
前記ボルテゾミブは少なくとも1 mg/mlの濃度で存在し、
前記液状製剤は、前記液状製剤を環境条件において少なくとも3ヶ月以上貯蔵した場合にボルテゾミブの減成が10重量%未満のレベルである、
薬学組成物。
【請求項4】
前記溶媒系が20体積%以下の量のエタノールを含む、請求項3に記載の薬学組成物。
【請求項5】
前記溶媒系がエタノールおよびプロピレングリコールからなる、請求項3または4に記載の薬学組成物。
【請求項6】
前記溶媒系が10体積%以下の量の水を含む、請求項1に記載の薬学組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の薬学組成物を含む容器であって、バイアル、アンプル、静注用バッグ、又は注射器であり、任意で複数回使用容器としての構成を有する、容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年3月18日に出願された米国仮出願第61/315,080号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、安定性の向上したボルテゾミブ製剤(formulations)に関する。
【背景技術】
【0003】
ボルテゾミブ((N-(2-ピラジン)カルボニル-L-フェニルアラニン-L-ロイシンボロン酸);Velcade(登録商標)の名でMillennium Pharmaceuticals社から販売されている)は、26Sプロテアソーム阻害剤であり、様々な腫瘍性疾患の治療(特に、再発した多発性骨髄腫及びマントル細胞リンパ腫の治療)における使用が認可されている。ボルテゾミブ中のホウ素原子がプロテアソームの触媒部位に結合し、結果としてプロテアソームの阻害及びアポトーシス促進性因子分解の減少がもたらされ、そのことにより処置細胞においてアポトーシスが誘発されると考えられている。ボルテゾミブ及び関連化合物が米国特許第5780454号、第6083903号、第6297217号、第6617317号、第6713446号、第6747150号、第6958319号、第7119080号に記載されている。これらの米国特許及び本明細書で言及する他の外部資料はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。組み入れられた参照文献における用語の定義や用法が本明細書におけるその用語の定義と一致せず、あるいは相反する場合には、本明細書で提供される定義が適用され参照文献における定義は適用されない。
【0004】
残念ながら、アミノアルキルボロン酸の多く(ボルテゾミブを含む)は、遊離のα-アミノ基の不安定性のために自発的に1,3-転位反応をして同族アミンになってしまう。これらの化合物は、分解されてホウ酸及びアルコールを生じ、酸化反応を起こし、この酸化反応によりC-B結合(対応するC-C結合と比べてより長く、より弱い)が容易に壊される(例えば、Adele Bolognese, Anna Esposito, MicheleManfra, Lucio Catalano, Fara Petruzziello, Maria CarmenMartorelli, Raffaella Pagliuca,VittoriaMazzarelli, Maria Ottiero, Melania Scalfaro, 及びBruno Rotoli. Advances in Hematology, 2009 (2009) 1-5を参照のこと)。ボルテゾミブのストレステスト及び加速安定性試験においてもそのような不安定性は裏付けられており、注射用水溶液中のボルテゾミブは本質的に不安定であるという知見が確立されている。例えば、エタノール:標準生理食塩水(2:98、pH 2.8)中では、ボルテゾミブ(0.5mg/mL)は25℃において1ヶ月で20%分解し、プロピレングリコール:エタノール:水(50:10:40)中ではこの化合物の安定性は改善したがそれでも25℃で8ヶ月間貯蔵したところ20%分解した。その他の要因の中でも、PEG300は自動酸化を起こすと同時にペルオキシドを生成することが知られていることから、PEG300:EtOH:H2O (40:10:50)溶媒中で見られたボルテゾミブの分解はペルオキシドの存在によるものと推測された(Journal of Pharmaceutical Sciences, 89, 2000 758-765)。
【0005】
別の研究では、ボルテゾミブは多くの実験条件下で酸化分解を受けること、及び、アルキルボランの酸化(ホウ酸エステルを生じる)もまたアルキル過酸、アルキルペルオキシド、又は酸素ラジカル種との反応により起こり得ることが報告されている(Brown HC. 1972. Boranes in organic chemistry. Ithaca, NY: Cornell University Press)。最初の酸化はペルオキシド又は分子状酸素及びそのラジカルに起因すると考えることができ、通常は、光、金属イオン、及びアルカリ性条件が酸化を促進する。従ってこれらの条件はボルテゾミブあるいはその他のアルキルボロン酸誘導体の安定性にとっては好ましくないものであると考えられる(Hussain MA, Knabb R, Aungust BJ, Kettner C.1991. Anticoagulant activity of a peptide boronic acid thrombin inhibitor by various routes of administration in rats. Peptides 12:1153-1154)。
【0006】
Kuivilaらは、ジオール及びポリオールからボロン酸エステルを形成することを報告しており、マンニトールやソルビトールのような糖類及びカテコールやピナコールのような1,2-ジオールと反応させてフェニルボロン酸のエステルを数種類調製したことを報告している(J. Org. Chem. 1954, 8, 780-783)。水中でボロン酸とポリオールとを相互作用させることによってボロン酸エステルを可逆的に形成することはLorandとEdwardsによって最初に見出された(J. Org. Chem. 1959, 24, 769-774)。米国特許第7119080号、第6713446号、第6958319号、第6747150号、及び第6297217号は、凍結乾燥後にボロン酸官能基とマンニトールとのジエステルが形成されることを開示している。そのようにして形成されたエステルから、注射用に生理食塩水中で薬剤製品を再構成する際に、活性ボロン酸が得られる。同様に、クエン酸のようなアルファヒドロキシ、ベータカルボン酸とボロン酸のエステルを、充填剤及びバッファーとあわせて製剤化する試みがWO 2009/154737に開示されている。
【0007】
ボルテゾミブの溶液中安定性の問題を回避するために、化合物を凍結乾燥しておいて注射の前に再構成することができる。しかしながらそのようなアプローチでは、ボルテゾミブの安定性にまつわる問題は解決されるとしても、未使用の再構成溶液は数時間中あるいは数日中に注射しなければならない(例えば、Stability of unused reconstituted bortezomib in original manufacturer vials; J Oncol Pharm Pract. 2010 Oct 6、又はStability of bortezomib 1-mg/mL solution in plastic syringe and glass vial; Ann Pharmacother. 2005 Sep;39(9):1462-6を参照のこと)。同様に、マンニトールのボルテゾミブエステルは、再構成されると、室温で保存する場合は8時間以内の投与にしか適さない。さらに別の既知のアプローチとしては、WO2008075376A1に記載されているように安定性の向上した特定の多形型を単離すること、及びWO2010089768A2に記載されているようにトロメタミンを用いて凍結乾燥状態とすること、が挙げられる。WO2010039762A2には、特定の有機溶媒とその他の成分とを有するさらに別の製剤が記載されている。残念ながら、このような既知の組成物のすべてあるいはその殆どは、ボルテゾミブに顕著な安定性、特に製剤が液状である場合の貯蔵安定性を与えるには至っていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、当該技術分野では多くのボルテゾミブ製剤が知られてはいるが、そのすべてあるいはその殆どは、ボルテゾミブを溶液とする際に安定性が限られてくるという問題を有している。その結果、現在使用されている製品は投薬(dosing)の融通が利かず、特に、長期安定性を有する多回投与用製剤を実現できていない。従って、より安定性の優れた改良型代替液状ボルテゾミブ製剤を提供することが依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ボルテゾミブの長期安定性が著しく向上したボルテゾミブ組成物及びボルテゾミブについての方法に関する。最も好ましい態様において、企図される製剤は実質的に非水性の液状製剤であり、及び/又は、ボルテゾミブがヘテロ二官能性ルイス塩基供与体化合物と共に製剤化されてルイス供与体‐受容体複合体を形成している製剤である。
【0010】
本発明の好ましい一実施態様では、ボルテゾミブを含有する液状製剤を含む単回使用及び複数回使用の両方のための容器として、多回投与用薬学組成物が製造され、この液状製剤は注射に適した実質的に非水性の溶媒系であり、この溶媒系は主成分としてプロピレングリコールを含む。最も好ましくは、そのような製剤中には、ボルテゾミブが薬学的に有効な濃度で、かつ、独立した少なくとも2回分の投薬量として十分な量で存在しており、また溶媒系は、液状製剤が環境条件において少なくとも3ヶ月以上貯蔵されたときにボルテゾミブの分解が10重量%未満(より典型的には8重量%以下、最も典型的には2〜6重量%以下)のレベルに維持されるように調製されている。
【0011】
実質的に非水性であるこの溶媒系は、少なくとも50体積%、より好ましくは少なくとも75体積%、最も好ましくは100体積%のプロピレングリコールを含むことが特に好ましい。そのような製剤において、実質的に非水性であるこの溶媒系は50体積%以下、より好ましくは25体積%以下、最も好ましくは15体積%以下の極性溶媒を含むことがさらにまた好ましい。その他の選択肢がある中で、極性溶媒はエタノールであることが最も好ましい。あるいは、実質的に非水性であるこの溶媒系は、15体積%以下、より典型的には10体積%以下の極性溶媒を含んでいてもよい。そのような場合には極性溶媒は水であることが好ましい。
【0012】
本発明の別の好ましい態様においては、薬学組成物はボルテゾミブとヘテロ二官能性ルイス塩基とを含有し、ここで、これらのボルテゾミブとヘテロ二官能性ルイス塩基は、共にルイス供与体‐受容体複合体の形態で存在し、特に好ましいヘテロ二官能性ルイス塩基は少なくとも2つの異なる供与基(最も好ましくは-NH
2、-SH、COOH、及び-OHの中から選択される)を有する。そのような企図される製剤は凍結乾燥させるか又は溶液とすることが好ましい。
【0013】
そのような製剤においては、ボルテゾミブとヘテロ二官能性ルイス塩基が1:200の比率で、より好ましくは5:80の比率で、最も好ましくは20:40の比率で存在していることが一般的に好ましい。最も典型的には、好ましいヘテロ二官能性ルイス塩基として、アミノ酸(例えば天然アミノ酸又はN-アセチル化アミノ酸)、ペプチド(例えば天然又は合成のジペプチドもしくはトリペプチド)、及び置換ポリエチレングリコールが挙げられる。特に好ましい置換ポリエチレングリコールは式Iの構造を有する。
【化1】
【0014】
上記式中、nは2〜5,000の整数であり、それぞれのAは独立して水素、-NH2、-SH、-COOH、及び-OHからなる群から選択される。組成物が凍結乾燥される場合には、バッファー剤、凍結乾燥保護剤(lyoprotectant)、凍結保護剤(cryoprotectant)、保存剤、及び/又は抗酸化剤が製剤に含まれることが好ましい。
【0015】
本発明の様々な目的、特徴、態様、及び利点は、以下に記載する好ましい実施態様の詳細な説明からより明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は一般的に、薬学組成物と、治療上有効な濃度のボルテゾミブを含有する液状の及び凍結乾燥状の製剤を調製する方法とに関し、この製剤は著しく改善されたボルテゾミブの安定性を提供する。製剤が凍結乾燥されるか又は注射に適した濃度を超えて濃縮される場合には、企図される組成物は、一つ以上の薬学的に許容される希釈剤で組成物を再構成した後に投与され、薬学的に許容される抗酸化剤、安定化剤、保存剤、及び/又は共溶媒をさらに含ませてもよい。
【0017】
本発明の特定の態様においては、企図される製剤は、ボルテゾミブとヘテロ二官能性ルイス塩基供与体とを含んで供与体‐受容体複合体を形成し、別の態様では、企図される製剤は液状製剤であって少なくとも二成分からなる非水性溶媒系を含む。さらにまた別の態様では、ボルテゾミブ及び/又はボルテゾミブ供与体‐受容体複合体は、薬学的に許容される送達システム又は担体システムに、特にリポソーム、ミセル、ナノ粒子、ミクロスフィア、エマルジョン、及び/又は懸濁物よって封入されていてもよい。企図される製剤は、具体的な調製形態に関わらず、安定化剤、バッファー成分、抗酸化剤、等張調整剤、及び凍結乾燥保護剤をさらに含んでいてもよい。
【0018】
企図される医薬製剤は、最も典型的には、窒素で上部空間を満たした褐色バイアル中で貯蔵した場合に、環境条件(すなわち、25 ℃、60 %相対湿度)において数ヶ月間安定である。最も典型的には、企図される製剤は滅菌フィルター処理され、凍結乾燥された場合には、食塩水、デキストロース、又は水のような静注用希釈剤で再構成することによって注射用とすることができる。
【0019】
例えば、好ましい一態様では、本発明の薬学組成物は、注射に適した実質的に非水性の溶媒系中にボルテゾミブを含む液状製剤を含み、この溶媒系はプロピレングリコールを主成分として含む。「実質的に非水性の溶媒系」という用語は、水なしでもボルテゾミブを完全に溶解でき、水の総含有量が15体積%以下である溶媒系を表す。所望する場合は、抗酸化剤を製剤に含ませてもよい。別の好ましい例では、企図される薬学組成物は、ボルテゾミブとヘテロ二官能性ルイス塩基とがルイス供与体‐受容体複合体を形成する製剤を含む。最も典型的には、このヘテロ二官能性ルイス塩基は少なくとも二つの異なる供与基(好ましくは-NH
2、-SH、COOH、及び-OHからなる群の中から選択される)を有し、この製剤は凍結乾燥状態又は溶液状態である。本明細書で用いられる「供与体‐受容体複合体」という用語は、非共有性かつ非イオン性の会合であって、共有結合及びイオン結合の中間の安定性を有するものを表す。
【0020】
最も好ましくは、ボルテゾミブとヘテロ二官能性ルイス塩基とは1:100〜1:200の比率で、より典型的には1:10〜1:100の比率で、最も典型的には1:1〜1:10の比率で存在する。本明細書中に記載されるすべての数値範囲は、文脈において別解釈が示されない限り、その両端の値を含むものとして解釈するべきであり、上限又は下限が指定されない数値範囲は商業上実用的な数値を含むものとして解釈するべきである。同様に、すべての数値のリストは、文脈において別解釈が示されない限り、中間の値を包含するものとみなすべきである。
【0021】
従って、別の見方をすると、本発明は、安定な液状投与形態中に、又は、安定な凍結乾燥製品として、ボルテゾミブを含む組成物及び医薬製剤に関する。本発明者らは、ほとんどの場合、液状形態で安定なものは、環境条件において少なくとも2ヶ月、より典型的には6ヶ月、さらに典型的には12ヶ月、最も典型的には24ヶ月あるいはそれ以上の期間にわたってボルテゾミブの安定性を提供することを企図する。下記にさらに示すように(実施例を参照のこと。さらなるデータもあるが本明細書には示していない)、企図される製剤は多様な溶媒系中でボルテゾミブに著しい安定性を付与し、好ましい溶媒系は、液状製剤を環境条件で少なくとも3ヶ月以上貯蔵したときにボルテゾミブの分解が10重量%以下、より典型的には8重量%以下、さらに典型的には6重量%以下、最も典型的には4重量%以下、さらには2重量%以下に維持されるように調製された。同様に、ボルテゾミブが凍結乾燥形態である場合にも、企図されるものは環境条件で少なくとも2ヶ月、より典型的には6ヶ月、最も典型的には12ヶ月あるいはそれ以上、ボルテゾミブの安定性を提供する。ボルテゾミブは企図される医薬製剤中に適切な如何なる量において含まれていてもよく、最も好ましくは再構成後の注射に適した量において含まれ得ることは理解されるべきである。従って、別の見地からいえば、ヒト又はヒト以外の哺乳類における腫瘍性(又はその他の)状態を治療するために有効な量においてボルテゾミブが含まれる。好ましい態様では、癌を治療するために有効な量においてボルテゾミブが含まれる。典型的には、ボルテゾミブは組成物全体の約0.01%から約99 %(w/w)の量において含まれる。
【0022】
特に好ましい態様では、上記非水性溶媒系は単一溶媒系又は二成分溶媒系であり、バッファーをさらに含んでいてもよい。様々な代替溶媒が本発明における使用に適していると考えられるが、特に好ましい溶媒及び溶媒系としては、プロピレングリコール、一種以上の短鎖アルコール(C
1-C
6)、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、及びグリセロールが挙げられる。別の見方をすれば、好適な溶媒としては、特に極性の非プロトン性及びプロトン性溶媒が挙げられる。溶媒系が二成分系である場合には、この溶媒は短鎖アルコール(例えばエタノールやtert-ブチルアルコール)、アリールアルコール(例えばベンジルアルコール)、グリコール(特にプロピレングリコール)、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、及びジメチルスルホキシドのうちの二つ以上であることが好ましい。
【0023】
思いがけないことに、発明者らは、ある溶媒が安定な液状製剤を形成できたとしても、密接に関連する他の溶媒では急速な分解が起こることがあることも見出した。例えば、下記でさらに示すように、プロピレングリコールはボルテゾミブの安定な溶液を形成することができたが、ポリエチレングリコールを用いた溶液では通常ボルテゾミブの急速な分解が見られた。同様に、比較的低濃度(例えば25体積%以下、より典型的には20体積%以下)のエタノールでは安定な製剤ができたが、25体積%を超える量のエタノールでは著しい分解が起こった。特に好ましい溶媒(例えば、プロピレングリコール、エタノール)では、製剤中に水が少量しかなかったり(例えば15体積%以下)全くなかったりしてもエステル又はジエステル形成を起こさないということも理解されるべきである。
【0024】
同様に、ボルテゾミブは(ヘテロ)二官能性ルイス塩基供与体分子と共にエステル又はジエステルを形成しないということにも留意するべきである。そのかわり、ボルテゾミブは、ほとんどの場合、イオン結合と共有結合の中間の安定性を有する供与体‐受容体複合体を形成する。従って、ボロン酸部分は、溶液中でも凍結乾燥状態でもエステルを形成することなく保護され続け、顕著に向上した安定性がもたらされる。例えば、好適なヘテロ二官能性ルイス塩基供与体としては、-OH、-SH、-COOH、及び/又は-NH2基を二つ以上有する化合物が挙げられ、それらの基は最も典型的には互いに隣接する基であるか、又は互いに離れているとしても4原子以内の直線距離にある。例えば、好適なヘテロ二官能性ルイス塩基供与体としては、2つのヘテロ二官能基が-OHと-SH、-OHと-NH2、-SHと-NH2、-COOH と-NH2、及び-COOHと-SHである諸化合物が挙げられる。
【0025】
多種多様なヘテロ二官能性ルイス塩基供与体が当該技術分野において知られており、特に好ましい供与体としては、数多くのアミノ酸(例えば、タンパク質構成アミノ酸、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、化学修飾アミノ酸、合成アミノ酸、ベータ‐、ガンマ‐アミノ酸、等)が挙げられ、これらはいずれもD型であってもL型であってもよい。例えば、企図されるアミノ酸としては、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、アルギニン、システイン、グルタミン、グリシン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、ロイシン、フェニルアラニン、メチオニン、セリン、プロリン、トリプトファン、トレオニン、チロシン、及びバリンが挙げられる。
【0026】
さらなる例では、ヘテロ二官能性ルイス塩基供与体はまた、合成又は天然ペプチドであってもよく、特に、ジペプチド、トリペプチド、又はオリゴペプチドであり得る。ペプチドの例としては、カルノシン、アンセリン、ホモアンセリン、キョートルフィン、バレニン、アスパルテーム、グロリン、バレッティン(barettin)、シュードプロリン、グリシルグリシン、イソロイシン‐プロリン‐プロリン(ipp)、グルタチオン、サイロトロピン放出ホルモン、メラノスタチン、オフタルミン酸、ロイペプチン、及びエイセニンが挙げられる。オリゴペプチドも、上記のものほどは好ましくないものの好適であると考えられる。
【0027】
本発明のさらに別の例では、ヘテロ二官能性ルイス塩基供与体はまた、ルイス塩基供与性基をペンダント基及び/又は末端基として有する様々なポリマーであってもよい。その他の好ましい選択肢
がある中でも、特に好適なものとしては、薬学的に許容されるポリマーが挙げられ、例えば式Iで表される構造を有する置換ポリエチレングリコールが挙げられる。
【化2】
【0028】
上記式中、nは2〜5,000の整数であり、それぞれのAは独立して水素、-NH
2、-SH、COOH、及び-OHからなる群から選択される。さらに別の好ましい態様では、このポリマーは二以上の異なるルイス供与性基で誘導体化された炭化水素骨格を含み得る。当然のことながら、すべてのポリマーは特に薬学的に許容できるものであることは理解されるべきである。
【0029】
ヘテロ二官能性ルイス塩基供与体とボルテゾミブとの複合体を形成させることは数多くの方法でできることにも言及されるべきであり、特に好適な方法としては、選択した溶媒中で適切な時間加熱することが挙げられる。あるいは、複合体又はエステルは溶媒の蒸発、塩析、又は沈殿(シード添加によって促進される)によっても調製することができる。特に好ましい別の方法は、ボルテゾミブとヘテロ二官能性ルイス塩基供与体とを一緒に凍結乾燥させる方法であり、これは通常、ボルテゾミブとモル過剰量のヘテロ二官能性ルイス塩基供与体とを含む水溶液から行われる。ある実施態様では、上記水溶液は(好ましくは水と混和性の)共溶媒をさらに含む。好適な共溶媒の例としてはtert-ブチルアルコール、メタノール、エタノール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロ二官能性ルイス塩基供与体のボルテゾミブに対するモル過剰の程度は広範囲であり得るが、1:1〜1:200、より典型的には1:100〜1:200、さらに典型的には1:10〜1:100、最も典型的には1:1〜1:10の過剰であることが一般的に好ましい。
【0030】
具体的な製剤によっては、企図される組成物は、凍結乾燥を促進させるために充填剤、凍結保護剤、又は凍結乾燥保護剤の一つ以上を含んでもよい。ある実施態様ではルイス塩基供与体分子が充填剤、凍結保護剤、凍結乾燥保護剤、及び/又は安定化剤としても機能し得る。別の好適な凍結乾燥保護剤としてはアミノ酸及びポリマーが挙げられる。好ましくは、アミノ酸はリシン、アラニン、グリシンの中から選ばれる。好適なポリマーとしては様々なタンパク質(例えばゼラチン、アルブミン、等)、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、及びデキストラン-40が挙げられる。最も典型的には、凍結乾燥保護剤は組成物全体の50%(w/w)未満を占め、組成物全体の1%(w/w)を超える濃度であれば製剤の安定性を高める上で有効であると考えられる。従って、凍結乾燥保護剤は組成物全体の少なくとも約5%(w/w)、少なくとも約10%(w/w)、又は少なくとも約20%(w/w)の量で存在し得る。
【0031】
本明細書で企図される組成物は等張化剤をさらに含んでいてもよく、好適な等張化剤としては塩化ナトリウム、グリセロール、チオグリセロールが挙げられる。企図される製剤は、さらに加えて、薬学的に許容される賦形剤、特にバッファー剤、保存剤、抗酸化剤、及びそれらの適切な混合物を含んでもよい。しかしながら、少なくともいくつかの製剤では、抗酸化剤を含まない(特にN-アセチルシステインを含まない)方が安定性が高いことを、発明者は思いがけなく見出した。
【0032】
具体的な添加成分に応じて製剤のpHは変わり得ることは理解されるべきである。しかしながら、製剤のpHは注射に適したものであることが一般的に好ましく、典型的には4.0〜9.0、より典型的には5.5〜8.0である。従って、pHを所望の値又は範囲で安定させるために、一以上のバッファー系を利用し得る。好適なバッファーとしてはクエン酸バッファー、酢酸バッファー、マレイン酸バッファー、リン酸バッファー、コハク酸バッファー、及び酒石酸バッファーが挙げられる。最も典型的には、バッファーの強度は5 mM〜150 mMであるが、それより高いか又はそれより低い強度でも本発明において好適に使用できると考えられる。安定性をさらにまた改善させるために、一以上の抗酸化剤を製剤に含ませてもよい。例えば、疎水性抗酸化剤としてはブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、及びα-トコフェロール、DL-トコフェロール、α-トコフェロールアセタート、トコフェロールポリエチレングリコールスクシナート(ビタミンE TPGS)、L-システインが挙げられ、あるいは、親水性抗酸化剤としてはEDTAナトリウム及びチオグリセロールが挙げられる。最も典型的には、抗酸化剤の濃度は組成物全体の0.005%〜5%(w/w)である。それに加えて、又はそれに代えて、企図される製剤は保存剤(例えばフェノール、チメロサール、クロロブタノール、ベンジルアルコール、m-クレゾール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、及びプロピルパラベン)を含んでもよく、その濃度は典型的には組成物全体の0.001%以上5%未満(w/w)、最も典型的には組成物全体の0.003 %〜2.0 %(w/w)である。
【0033】
企図される製剤は滅菌されることは理解されるべきであり、また、0.22ミクロンフィルターによるフィルター処理、熱滅菌、放射線(ガンマ、電子線、マイクロ波等)、及び/又はエチレンオキシド滅菌を含む、すべての既知の滅菌法が企図される製剤を滅菌するために本明細書において好適に使用できることは理解されるべきである。本発明の製剤が凍結乾燥される場合には、凍結乾燥ケーキ、凍結乾燥粉末、等として調製され得る。溶液又は凍結乾燥物は、当該技術分野で知られる標準的な静注用希釈剤で希釈及び/又は再構成することができる。本発明における使用に適した静注用希釈剤としては例えば水、食塩水、水中5%のデキストロース、注射用水、又は乳酸リンゲル液が挙げられる。
【0034】
具体的な製剤に関わらず、単回使用及び複数回使用の両方に適した容器に製剤を入れることが特に好ましい。従って、特に好ましい容器としては、アンプル、バイアル、事前充填注射器、及び静注用バッグが挙げられる。特に好ましい複数回使用容器は、少なくとも2回、より典型的には少なくとも5回、最も好ましくは少なくとも10回の別個の使用を可能とするのに適した量のボルテゾミブを含む。
【0035】
従って、企図される製剤は典型的には、環境条件下で、初回の使用後少なくとも1週間、より典型的には少なくとも2〜4週間、最も典型的には少なくとも1〜3ヶ月(あるいはそれ以上)、ボルテゾミブの著しい分解を伴うことなく(すなわち、分解を10%未満に抑えながら)ボルテゾミブを貯蔵することを可能にすることが理解されるべきである。従って、ヒト及び各種動物、特に哺乳類への投与用にボルテゾミブを配合することができる。製剤は例えば、注射用溶液(注射可能な多回投与用無菌組成物等)、あるいは無菌粉末組成物(凍結乾燥ケーキ、粉末、凍結乾燥粉末、等)の形態をとることができ、これらは希釈後又は再構成後に投与され得る。
【実施例】
【0036】
以下の実験は、本明細書に開示される発明の様々な態様を例示によって説明するために提供される。しかしながら、記載されたもの以外にも、本明細書に記載された当該発明コンセプトから逸脱することなく他の多くの変更が可能であることは当業者には明らかなはずである。
【0037】
非水性製剤(1):表1に示す各種成分から5種類の非水性製剤を調製した。より詳細には、D/L-トコフェロールのストック溶液は625 mgのD/L-トコフェロールを25 mlのエタノールに溶解することにより作製し、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)のストック溶液はそれぞれ15 mgを100 mlのエタノールに溶解することにより調製した。5種類の製剤はすべて、20 mgのボルテゾミブを10 mlの200プルーフエタノールに溶解し、100μlのDLトコフェロールのエタノールストック溶液、並びに0.2 mlのBHT及びBHAストックを表1に示すように添加して調製した。それから窒素で上部空間を満たした褐色バイアルにサンプルを入れ、各表に示す各種貯蔵条件で貯蔵した。
【表1】
【0038】
安定性についての結果を表2〜4に示す。表2は40℃、相対湿度75%におけるボルテゾミブの安定性試験の結果を表示しており、表3は25℃、相対湿度60%におけるボルテゾミブの安定性試験の結果を表示しており、表4は4℃におけるボルテゾミブの安定性試験の結果を表示している。
【表2】
【表3】
【表4】
【0039】
非水性製剤(2):実質的に非水性である5種類の製剤を、表5に示す各種成分を用いて調製した。製剤は以下のようにして調製した。注射用水(WFI)を脱気処理して、注射用水及びプロピレングリコール、高純度ポリエチレングリコール300、及び酢酸バッファー中の溶解酸素を除去する。必要量のボルテゾミブを秤量して混合容器に加え、撹拌することによって同容器内のPG又はPEGに溶解させる。薬剤が完全に溶解したら、残りの量のプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、バッファー等のべヒクルを加える。N-アセチルシステインを含む製剤の場合には、窒素下でN-アセチルシステインをバッファー液に加えて溶解し、上記薬剤溶液に加える。
【表5】
【0040】
安定性についての結果を表6〜8に示す。表6は、特定の貯蔵条件における2週間のボルテゾミブ安定性試験の結果を表示しており、表7は特定の貯蔵条件における6週間のボルテゾミブ安定性試験の結果を表示しており、表8は特定の貯蔵条件における2ヶ月間のボルテゾミブ安定性試験の結果を表示している。
【表6】
【表7】
【表8】
【0041】
薬剤がPEG中で不溶だったため、PEG を含む製剤Bは当該試験に含めなかった。上記の結果からわかるように、PGの存在下ではボルテゾミブの安定性が向上し、加速貯蔵条件で貯蔵した場合の%最大不純物は1%未満となる。水性バッファーを10%有する製剤も、PGだけを含む製剤に匹敵する安定性を示した。しかしながら、バッファーが増加すると分解産物の好ましくない増加が起こることが明らかとなった。N-アセチルシステインのような安定化剤/抗酸化剤の存在下でボルテゾミブの著しい分解が引き起こされたことは注目に値する。
【0042】
非水性製剤(3): 表9に示す各種成分を用いて、5種類の実質的に非水性である製剤を調製した。これらの製剤は以下のようにして調製した。WFIを脱気処理して、WFI及びプロピレングリコール、高純度ポリエチレングリコール300、及び酢酸バッファー中の溶解酸素を除去し、必要量のボルテゾミブを秤量して混合容器に加え、撹拌しながら同容器中のプロピレングリコール又はポリエチレングリコールに溶解させる。薬剤が完全に溶解したら、残りの量のプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びバッファー等のべヒクルを加える。N-アセチルシステイン、アスコルビン酸、及び重硫酸ナトリウムを含む製剤の場合には、これらの成分をすべて窒素下で酢酸バッファー液に溶解し、上記薬剤溶液中に拡散させて1 mg/mlの溶液を作る。
【表9】
【0043】
上の結果に基づくと、表6〜8の結果と対応する貯蔵条件下ではバッチA、B、D、及びEが最も高い安定性を供給しバッチCはいくらかの分解を示すであろうことが予測される。
【0044】
表10に示す各種成分及び各種条件で、実質的に非水性の製剤を有するいくつかのさらなる組成物を調製した。この例では、本質的に上記と同じ方法で、超高純度溶媒の使用がボルテゾミブの安定性に何らかの効果を及ぼす可能性について調べた。溶液は以下のようにして調製した。WFIを脱気処理して、WFI及びプロピレングリコール、高純度PG、高純度ポリエチレングリコール300(PEG)、及び酢酸バッファー中の溶解酸素を除去するために、必要量のボルテゾミブを秤量して混合容器に加え、撹拌しながら同容器中のPG及びPEG中に溶解させて2 mg/ml溶液を作る。残りの量のPG、PEG、及び酢酸バッファー等のべヒクルを加えることによってこのストック溶液を1 mg/mlにさらに希釈した。
【表10】
【0045】
これらの結果は、意外なことに、製剤で使われるPGの種類は何ら影響を有しないことを示している。しかしながら、本発明者らは、超高純度PEGの存在下ではボルテゾミブの著しい分解を観察した。このことは、プロピレングリコールの存在下ではボルテゾミブを安定化できるが、密接に関連した代替グリコール溶媒であるPEGの存在下では安定化できないということを示している。
【0046】
本明細書に記載されていないものであっても、本明細書に記載された当該発明のコンセプトを逸脱しない数多くの変更態様が可能であることは、当業者には明らかなはずである。従って、添付した特許請求の範囲内である限り、本発明は何ら限定されるものではない。また、明細書及び特許請求の範囲の解釈にあたっては、すべての用語はその文脈に合致した最も広い意味で解釈されるべきである。特に、「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」という用語は、構成要素、成分、又は工程を非排他的な意味で表しており、言及された構成要素、成分、又は工程は、明示的に言及されていない他の構成要素、成分、又は工程と共に存在していたり、使用されたり、組み合わせたりされ得ることを示していると解釈するべきである。明細書及び特許請求の範囲が、A、B、C…及びNからなる群から選択される何かの少なくとも一つ、と言う場合には、その文は群中の要素の一つだけを必要としており、AプラスNあるいはBプラスN等を必要としているわけではないと解釈すべきである。