特許第5661926号(P5661926)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661926
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】折り畳み式のソーラーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H02S 30/20 20140101AFI20150108BHJP
   H02S 20/30 20140101ALI20150108BHJP
【FI】
   H02S30/20
   H02S20/30 D
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-516901(P2013-516901)
(86)(22)【出願日】2011年6月1日
(65)【公表番号】特表2013-529849(P2013-529849A)
(43)【公表日】2013年7月22日
(86)【国際出願番号】AT2011000249
(87)【国際公開番号】WO2012000004
(87)【国際公開日】20120105
【審査請求日】2014年4月24日
(31)【優先権主張番号】A1097/2010
(32)【優先日】2010年6月29日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】512330662
【氏名又は名称】スマート フラワー エナジー テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】SMART FLOWER ENERGY TECHNOLOGY GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー スヴァテク
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ シェーンドアファー
(72)【発明者】
【氏名】エルマー シュテーガー
【審査官】 濱田 聖司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0000592(US,A1)
【文献】 国際公開第2009/070422(WO,A1)
【文献】 米国特許第5090399(US,A)
【文献】 特開2009−290214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 10/00−40/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の薄板状のソーラーパネル(10)を備え、該ソーラーパネル(10)は、1つの共通の軸(11)周りに旋回可能に縦長の支持体(3)に支承され、これらのソーラーパネル(10)が実質的に合同にかつ前記支持体(3)に対して平行に重なり合わせに位置する第1の位置と、これらのソーラーパネル(10)が前記軸(11)周りに扇状に展開して実質的に隣り合わせに位置する第2の位置との間で移動可能であるソーラーモジュール(1)であって、
前記支持体(3)は、該支持体(3)を前記ソーラーパネル(10)とともに前記第1の位置で格納するハウジング(2)から外に、該ハウジング(2)の閉鎖可能な開口部(5)を介して作動可能であり、前記ハウジング(2)は、平たいボックス形状をなしており、該ボックスの上面に前記開口部(5)が位置しており、前記支持体(3)は、前記ハウジング(2)内に旋回可能に支承されており、格納位置においては、前記上面に対して平行に、かつ前記上面の下側に位置し、作動位置においては、前記開口部(5)を通して旋回していることを特徴とする、ソーラーモジュール。
【請求項2】
前記ハウジング(2)は、地面に対して上面が面一となるように地中に組み付けるための密な槽を形成する、請求項1記載のソーラーモジュール。
【請求項3】
前記ハウジング(2)は、建造物のファサード又はルーフに対して上面が面一となるようにファサード又はルーフに組み付けるための手段を有する、請求項1記載のソーラーモジュール。
【請求項4】
前記開口部(5)は、前記ハウジングの上面に対して略平行に滑動する少なくとも1つのカバー(6)により閉鎖可能である、請求項1からまでのいずれか1項記載のソーラーモジュール。
【請求項5】
前記カバー(6)は、浅い植栽可能な槽を形成する、請求項記載のソーラーモジュール。
【請求項6】
少なくとも1つのソーラーパネル(10)の背面に、ソーラーパネル(10)の扇状の運動時に下位のソーラーパネル(10)上を滑動する払拭リップ(22)が設けられている、請求項1からまでのいずれか1項記載のソーラーモジュール。
【請求項7】
最下位のソーラーパネル(10)を除くすべてのソーラーパネル(10)に前記払拭リップ(22)が設けられている、請求項記載のソーラーモジュール。
【請求項8】
前記ハウジング(2)の開口部(5)に、前記支持体(3)の作動時に前記重なり合わせに位置するソーラーパネル(10)の最上位のソーラーパネル(10)上を滑動する払拭リップ(24)が設けられている、請求項1からまでのいずれか1項記載のソーラーモジュール。
【請求項9】
前記カバー(6)に、カバー(6)の開放時に前記重なり合わせに位置するソーラーパネル(10)の最上位のソーラーパネル(10)上を滑動する払拭リップが設けられている、請求項からまでのいずれか1項記載のソーラーモジュール。
【請求項10】
前記支持体(3)は、該支持体(3)の一端に、前記ソーラーパネル(10)を支承する旋回ヘッド(9)を有する、請求項1からまでのいずれか1項記載のソーラーモジュール。
【請求項11】
前記支持体(3)に、かつ/又は前記支持体(3)が旋回ヘッド(9)を有する場合は該旋回ヘッド(9)に、太陽位置に基づいて制御され、前記ソーラーパネル(10)を自動的に太陽に追従させる駆動装置(15〜19)が設けられている、請求項1から10までのいずれか1項記載のソーラーモジュール。
【請求項12】
前記ソーラーパネル(10)は、電動式駆動装置(15〜19)により前記位置間で移動可能であり、前記支持体(3)は、電動式駆動装置(15〜19)により格納及び作動可能である、請求項1から11までのいずれか1項記載のソーラーモジュール。
【請求項13】
前記電動式駆動装置(15〜19)は、駆動される前記軸(11)に設けられたリングギヤ(17)に噛み合うウォームドライブ(16)を有する、請求項12記載のソーラーモジュール。
【請求項14】
各々のソーラーパネル(10)は、光起電力形のソーラーセル(12)の面状のアレイにより形成されている、請求項1から13までのいずれか1項記載のソーラーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の薄板状のソーラーパネルを備え、ソーラーパネルは、1つの共通の軸周りに旋回可能に縦長の支持体に支承され、これらのソーラーパネルが実質的に合同にかつ支持体に対して平行に重なり合わせに位置する第1の位置と、これらのソーラーパネルが前記軸周りに扇状に展開して実質的に隣り合わせに位置する第2の位置との間で移動可能であるソーラーモジュールに関する。
【0002】
この種のソーラーモジュールは、例えば米国特許出願公開第2004/0069341号明細書、欧州特許出願公開第1885038号明細書、中華人民共和国実用新案登録第2893950号明細書又は中華人民共和国実用新案登録第201252107号明細書において公知であり、携帯電話やラップトップ等の小型の電気機器へ可搬式に給電するために用いられる。公知の装置は、手持ち形又は卓上形の装置として形成されている。ソーラーパネルは、扇子のように展開し、持ち運ぶ目的で折り畳み可能である。
【0003】
これに対して本発明の課題は、例えば戸建て住宅用のエネルギ供給設備として、屋外での定置の使用に好適なソーラーモジュールを提供することである。
【0004】
この課題は、本発明により、冒頭で述べた形態のソーラーモジュールであって、支持体が、支持体をソーラーパネルとともに第1の位置で格納するハウジングから外に、ハウジングの閉鎖可能な開口部を介して作動可能であり、ハウジングは、平たいボックス形状をなしており、ボックスの上面に開口部が位置しており、支持体は、ハウジング内に旋回可能に支承されており、格納位置においては、上面に対して平行に、かつ上面の下側に位置し、作動位置においては、開口部を通して旋回していることを特徴とするソーラーモジュールによって解決される。こうして、外的な影響を被りやすい敏感なソーラーパネルは、夜間、又は例えば嵐、落雷、雹、豪雨等の悪天候時に、損傷から保護するために格納あるいは収納可能である。その際、本発明に係るソーラーモジュールは、組み付け時、小さな奥行きを有している。小さな奥行きは、地中又は建造物のファサード又は覆い内への組み付けを容易にする。
【0005】
米国特許出願公開第20100000592号明細書において、複数の直動可能なソーラーパネルからなるソーラーモジュールを、固定的に取り付けられた伸縮アームにより車両から上方に持ち上げることが公知である。伸縮アームの収縮位置で、伸縮アームを取り巻く車両空間は未使用である。
【0006】
第1の好ましい態様において、ハウジングは、地面に対して上面が面一となるように地中に組み付けるための密な槽を形成する。その結果、ソーラーパネルは、格納された非作動位置において全方位で保護されており、地中の湿気からも保護されている。
【0007】
別の好ましい態様において、ハウジングは、建造物のファサード又はルーフに対して上面が面一となるようにファサード又はルーフに組み付けるための手段を有する。これにより、建造物に存在する面をエネルギの獲得のために利用することができる。
【0008】
本発明の別の好ましい態様において、開口部は、ハウジングの上面に対して略平行に滑動する少なくとも1つのカバーにより閉鎖可能である。このようなカバーの構成は、開放するのに必要なスペースが少なくて済み、開放された状態でソーラーパネルの作動及び運動を阻害しない。
【0009】
カバーは、浅い植栽可能な槽を形成すると、特に有利である。これにより、ソーラーモジュールは、目立たなくなり、保護された状態で庭の敷地又は緑地に組み込み可能である。カバーの植栽は、断熱材を兼ねる。
【0010】
本発明の別の好ましい態様において、少なくとも1つのソーラーパネルの背面に、ソーラーパネルの扇状の運動時に下位のソーラーパネル上を滑動する払拭リップ(Kehrlippe)が設けられている。こうして、いわばセルフクリーニング式のソーラーモジュールが形成される。展開時及び展開とは逆向きの運動時、1つのソーラーパネルの払拭リップが、隣接するソーラーパネルの表面から塵埃、雪、雨、落葉等を取り除く。その結果、ソーラーパネルの最適な効率が、変動する天候の影響時にも、かつ一年を通した経過中にも維持される。好ましくは、最下位のソーラーパネルを除くすべてのソーラーパネルにこのような払拭リップが設けられている。
【0011】
同じ目的で、本発明の別の態様においては、ハウジングの開口部に、支持体の作動時に重なり合わせに位置するソーラーパネルの最上位のソーラーパネル上を滑動する払拭リップが設けられていてもよい。これにより、最上位のソーラーパネルも自動的にクリーニングされる。
【0012】
別の態様において、このクリーニング機能は、カバーに、カバーの開放時に重なり合わせに位置するソーラーパネルの最上位のソーラーパネル上を滑動する払拭リップが設けられていることによって達成されてもよい。
【0013】
いずれにしても、支持体は、支持体の一端に、ソーラーパネルを支承する旋回ヘッドを有していると、特に好適である。これにより、ソーラーパネルを、扇状に展開した位置で正確に太陽の方向に向けることができる。このために好ましくは、一日を通してかつ一年を通して常に最適な効率を達成するために、支持体に、かつ/又は支持体が旋回ヘッドを有する場合は旋回ヘッドに、太陽位置に基づいて制御され、ソーラーパネルを自動的に太陽に追従させる駆動装置が設けられている。
【0014】
ソーラーパネルは、原理的には手動でハウジングから出され、扇状に展開され、かつ逆方向に、つまり扇状に折り畳まれ、ハウジング内に納められてもよい。しかし、ソーラーパネルが、電動式駆動装置により前記位置間で移動可能であり、支持体が、電動式駆動装置により格納及び作動可能であると、特に有利である。その結果、ソーラーモジュールの運転は自動化可能である。こうして、ソーラーパネルは、例えば太陽光が十分であり、天候がよいとき、自動的に作動して扇状に展開され、暗くなったり、天候が悪化したりしたときには、自動的に扇状に折り畳まれて格納され得る。
【0015】
好ましい態様において、電動式駆動装置は、駆動される軸に設けられたリングギヤに噛み合うウォームドライブである。このことは、モータ回転数と被動側回転数との間の高い変速比を有する省スペースの駆動装置を実現する。
【0016】
ソーラーパネルは、原則、太陽光を利用可能なエネルギに変換可能な従来技術において公知のあらゆる任意の形態のソーラーパネル、例えばソーラーパネル内で循環する、太陽光により加熱される伝熱流体を有するソーラーパネルであってよい。しかし、直接電気エネルギを形成するために、各々のソーラーパネルが、光起電力形のソーラーセルの面状のアレイにより形成されていると有利である。光起電力形の態様では、電気的な接続のみが形成されればよいので、ソーラーパネル相互の接続や、支持体あるいは旋回ヘッドへの接続も容易にする。
【0017】
以下に、本発明について、添付図面に示した一実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】折り畳まれた格納位置で本発明に係るソーラーモジュールを示す斜視図である。
図2】扇状に展開された作動位置で本発明に係るソーラーモジュールを示す斜視図である。
図3図3a乃至3fは、支持体の作動及びソーラーパネルの展開を時系列で示す本発明に係るソーラーモジュールの斜視図である。
図4】ソーラーモジュールの駆動装置の1つの側面図である。
図5】重なり合わせに位置する2つのソーラーパネルを、両ソーラーパネル間に位置する払拭リップを図示するために断面して示す図である。
図6】ハウジングと、最上位のソーラーパネルのための払拭リップを備える開口部とを示す断面図である。
【0019】
図1乃至3に示すように、ソーラーモジュール1は、内部に縦長の支持体3が軸4を中心に旋回可能に支承されているハウジング2を有している。ハウジング2は、例えば平たいボックス形状をなしており、図示の実施の形態では、枠体(Fachwerkrahmen)として形成されている。ハウジング2は、上面に開口部5を有している。この開口部5を通して支持体3は、出し入れに際して、あるいは作動/格納に際して旋回運動する(図3c参照)。
【0020】
開口部5は、少なくとも1つのカバー6により閉鎖されている。カバー6は、支持体3を出すために、あるいは支持体3を作動させるために、フラップ状に旋回することによってか、又は図示の実施の形態のように側方にスライドすることによって開放可能である。この目的のために、カバー6は、ガイドレール7に滑動可能に支承されている(図3b参照)。ガイドレール7自体は、リニアガイド8を介して若干ハウジング2の上面を超える位置に持ち上げ可能である(図3a)。これにより、カバー6は、側方にハウジング2の縁部を超える位置にスライド可能である。
【0021】
支持体3を完全に外方に旋回させた後、カバー6は再び元の位置にスライド可能である(図3d)。この位置で、開口部5の、支持体3を出した状態で支持体3が延在することになる領域を閉鎖していた補助カバー6′は、フラップ状に旋回することで開放可能である。
【0022】
ハウジング2の上面は、地面又は建造物のファサード若しくはルーフと面一になるように組み付け可能である。地面に組み付ける場合、ハウジング2は、地中の湿気から保護するために、好ましくは密な槽、つまり気密あるいは液密な槽として形成されている。カバー6は、植栽可能な浅い槽を形成していてもよく、ソーラーモジュール1は、緑地に組み込み可能である。
【0023】
建造物のファサード又は家屋の屋根への面一の組み付けのために、ハウジング2には、ファサード又は屋根の対応する開口部に面一に据え付けるための接続部材が設けられてもよい。接続部材の例は、固定ラグ又は固定フランジ(図示せず)である。
【0024】
支持体3は、その支承軸4とは反対側の端部に、薄板状のソーラーパネル10一式を可動に支承する旋回ヘッド9を有している。ソーラーパネル10は、1つの共通の軸11を中心に旋回可能に支持体3に、厳密に言えば支持体3の旋回ヘッド9に支承されている。こうしてソーラーパネル10は、実質的に互いに合同に重なり合って、支持体3に対して平行に位置する第1の位置(図1及び図3a−d参照)から、軸11を中心に扇状に展開されて、これにより実質的に互いに隣り合って位置する第2の位置(図2及び図3f参照)へと移動可能であるとともに、逆方向に、つまり第2の位置から第1の位置へと移動可能である。看取可能であるように、各ソーラーパネル10は、好ましくは扇形をなしているので、扇状に展開した位置では相俟って1つの完全な円を形成する。
【0025】
各ソーラーパネル10は、図示の実施の形態では、光起電力形のソーラーセル12の面状のアレイにより形成されている。ソーラーセル12及びソーラーパネル10の電気的な端子あるいは配線は、図面の明りょう性を高めるために図示していない。例えばソーラーパネル10は、可撓性の接続ケーブルを介してか、又はすり接触子及び旋回ヘッド9に設けられた剛体のコンタクトリングを介して接続され、後続の電気エネルギ伝送系統に接続される。
【0026】
旋回ヘッド9は、鉛直の軸13及び水平の軸14を中心に旋回可能に支持体3に支承されているので、軸11あるいはソーラーパネル10を太陽に関して最適な方向に向けることができる。この目的で、例えばサーボドライブを用いたソーラーパネル10の自動的な太陽追従あるいは太陽追尾のための、適当な太陽位置センサ(図示せず)に基づいて制御される駆動装置が設けられてもよい。サーボドライブは、旋回ヘッド9の向きを回転軸13,14に関して調整する。
【0027】
このサーボドライブは、例えば電動モータにより駆動されるウォームドライブであってよい。ウォームドライブは、軸13,14に連結されているリングギヤに作用する。同様のウォームドライブは、好ましくは支持体3を内外に旋回させるためにも、ソーラーパネル10を扇状に開閉するためにも使用される。
【0028】
図4は、このような駆動装置の1つを示す詳細図である。電動モータ15は、ウォーム16を駆動する。ウォーム16は、リングギヤ17に噛み合う。リングギヤ17は、直接、玉軸受の一方の部分18と連結されている。玉軸受の他方の部分19は、位置固定に取り付けられている。上記一方の部分18は、その都度駆動したいコンポーネント、例えばハウジング2に対して駆動したい支持体3に、支持体3に対して駆動したい旋回ヘッド9に、ソーラーパネル10のための旋回ヘッド9のその他の部分に対して駆動したい旋回ヘッド9の支承部20に、あるいは支承部20に対して駆動したいソーラーパネル10に連結されている。軸11周りにソーラーパネル10を扇状に展開するためには、各ソーラーパネル10がその下位あるいは上位に位置するソーラーパネル10を引きずりフック又は引きずりストリップ21を介して引きずって連行するようになっている場合、例えば最上位又は最下位のソーラーパネル10のみを駆動するようになっていれば十分である(図5)。
【0029】
このような連行運動時のソーラーパネル10のずれ重なり運動は、ソーラーパネル10のクリーニングのために利用可能である。この目的で、図5に示すように、各ソーラーパネル10(最下位のソーラーパネル10を除く)の背面に、払拭リップ22が設けられている。払拭リップ22は、扇状の運動時に、それぞれ下位に位置するソーラーパネル10を払拭する。払拭リップ22の例は、ゴムリップ又はブラシリップである。
【0030】
払拭リップ22は、引きずりストリップ21を兼ねることもできる。引きずりストリップ21は、下位のソーラーパネル10上での運動の終期に、下位のソーラーパネル10に設けられたストッパストリップ23に衝突する。
【0031】
最上位のソーラーパネル10のためには、ハウジング2内に配置される別の払拭リップ24が、例えば図6に示すようにガイドレール7に配置されてもよい。この払拭リップ24は、最上位のソーラーパネル10を、支持体3がハウジング2に対して内外に旋回する際に払拭する。別の実施の形態では、別の払拭リップ24が、カバー6に配置され、カバー6の開放時に、カバー6によって最上位のソーラーパネル10に沿って運動するようになっていてもよい(図示せず)。
【0032】
本発明は、図示の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に属するすべての態様及び改変を包含する。例えば支持体3は、旋回によらずに、ハウジング2が適当に、例えば縦長の形態を備えて形成されているのであれば、直線運動でハウジング2から進出するようになっていてもよい。また、スライドするカバー6の代わりに、簡略化のために所望されるのであれば、フラップ式に旋回することにより開放可能なカバーが設けられていてもよい。さらに、ソーラーモジュール1は、屋上テラスか、又は陸上や水上で用いられる車両の表面、例えば移動住宅の屋根や船舶の甲板に、好ましくは面一に組み付けるためにも好適である。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図4
図5
図6