特許第5661927号(P5661927)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5661927発展型ユニバーサル移動通信無線アクセスネットワークシステム及びそのタスク追跡方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661927
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】発展型ユニバーサル移動通信無線アクセスネットワークシステム及びそのタスク追跡方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/00 20090101AFI20150108BHJP
【FI】
   H04W24/00
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-518933(P2013-518933)
(86)(22)【出願日】2010年12月21日
(65)【公表番号】特表2013-531441(P2013-531441A)
(43)【公表日】2013年8月1日
(86)【国際出願番号】CN2010080076
(87)【国際公開番号】WO2012003701
(87)【国際公開日】20120112
【審査請求日】2013年5月14日
(31)【優先権主張番号】201010225129.4
(32)【優先日】2010年7月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティアン ウエイ
【審査官】 阿部 圭子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−306341(JP,A)
【文献】 ZTE,Potential problem on propagating multiple traces for one UE via HO,3GPP TSG RAN WG3 #68, R3-101539,2010年 5月14日
【文献】 ZTE,Support multiple trace references for one UE via HO,3GPP TSG-RAN3 Meeting #68, R3-101540,2010年 5月14日
【文献】 ZTE,Support multiple trace references for one UE via HO,3GPP TSG-RAN3 Meeting #68, R3-101541,2010年 5月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じユーザを追跡するための複数のタスクのパラメータを載せる一つのメッセージを作成することと、
発展型基地局eNodeBが前記パラメータに基いて前記複数のタスクを作成して前記ユーザを追跡するように、前記メッセージを前記eNodeBに送信することと、を含み、
前記メッセージに同じユーザを追跡するための複数のタスクのパラメータをのせることは、前記メッセージにトレースアクティベーションリストtrace activation list インフォメーションエレメントを設置することを含み、中には、trace activation list インフォメーションエレメントは、個数を指示するtrace activation インフォメーションエレメント個数フィールドと、前記個数のtrace activation インフォメーションエレメントと、を含み、各trace activation インフォメーションエレメントが、前記複数のタスクにおける一つのタスクのパラメータを載せる、又は、
前記メッセージに同じユーザを追跡するための複数のタスクのパラメータを携帯することは、前記メッセージに複数のtrace activation インフォメーションエレメントを設置することを含み、中には、各trace activation インフォメーションエレメントは、前記複数のタスクにおける一つのタスクのパラメータと、最後の追跡インフォメーションエレメントであるか否かのIsLastRecordフィールドと、を含み、該IsLastRecordフィールドが、前記IsLastRecordフィールドを載せているtrace activation インフォメーションエレメントが前記メッセージにおける最後のtrace activation インフォメーションエレメントであるか否かを指示する
ことを特徴とする発展型ユニバーサル移動通信無線アクセスネットワークE-UTRANシステムのタスク追跡方法。
【請求項2】
前記eNodeBが前記メッセージを受信することと、
前記eNodeBが前記メッセージをデコーディングして前記trace activation インフォメーションエレメント個数フィールドを獲得し、また前記trace activation インフォメーションエレメント個数フィールドから前記複数のtrace activation インフォメーションエレメントの個数を確定することと、
前記eNodeBが前記メッセージをデコーディングして前記個数の前記複数のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得することと、
前記eNodeBが、それぞれ、前記複数のtrace activation インフォメーションエレメントにおけるパラメータに基いて前記複数のタスクを作成することと、
前記ユーザを追跡するように前記eNodeBが前記複数のタスクを実行することと、を更に含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記eNodeBが前記メッセージを受信することと、
前記eNodeBが前記メッセージをデコーディングして前記複数のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得することと、
前記eNodeBが、それぞれ、前記複数のtrace activation インフォメーションエレメントにおけるパラメータに基いて前記複数のタスクを作成することと、
前記ユーザを追跡するように前記eNodeBが前記複数のタスクを実行するステップと、を更に含み、中には、
前記eNodeBが前記メッセージをデコーディングして前記複数のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得することは、
前記eNodeBが前記メッセージをデコーディングして現在のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得する時、前記現在のtrace activation インフォメーションエレメントにおけるIsLastRecordフィールドに基いて前記現在のtrace activation インフォメーションエレメントが前記メッセージにおける最後のtrace activation インフォメーションエレメントであるか否かを判断し、
もし最後のtrace activation インフォメーションエレメントでないと判断すると、前記メッセージをデコーディングして最後のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得するまで、前記メッセージをデコーディングし続けて次のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得し、最後のtrace activation インフォメーションエレメントであるか否かを判断し続けることを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
MMEが前記メッセージをS1インタフェースの一番目のダウンリンクメッセージとして前記eNodeBに送信し、或は、eNodeB間のハンドオーバーが発生する時、前記メッセージをハンドオーバーメッセージとして前記eNodeBに送信することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
同じユーザを追跡するための複数のタスクのパラメータを載せる一つのメッセージを作成する作成ブロックと、
前記メッセージを発展型基地局eNodeBに送信する送信ブロックと、
前記ユーザを追跡するように前記パラメータに基いて前記複数のタスクを作成する前記eNodeBと、を含み、
前記作成ブロックは、前記メッセージにトレースアクティベーションリストtrace activation list インフォメーションエレメントを設置することに用いられ、中には、trace activation list インフォメーションエレメントは、個数を指示するtrace activation インフォメーションエレメント個数フィールドと、前記個数の複数のtrace activation インフォメーションエレメントと、を含み、各trace activation インフォメーションエレメントは、前記複数のタスクにおける一つのタスクのパラメータを載せる、及び/又は
前記作成ブロックが、前記メッセージに複数のtrace activation インフォメーションエレメントを設置することに用いられ、中には、各trace activation インフォメーションエレメントは、前記複数のタスクにおける一つのタスクのパラメータと、最後の追跡インフォメーションエレメントであるか否かのIsLastRecordフィールドと、を含み、該IsLastRecordフィールドは、前記IsLastRecordフィールドを載せているtrace activation インフォメーションエレメントが前記メッセージにおける最後のtrace activation インフォメーションエレメントであるか否かを指示する
ことを特徴とする発展型ユニバーサル移動通信無線アクセスネットワークE-UTRANシステム。
【請求項6】
前記eNodeBは、
前記メッセージを受信する受信ブロックと、
前記メッセージをデコーディングして前記trace activation インフォメーションエレメント個数フィールドを獲得し、また前記trace activation インフォメーションエレメント個数フィールドから前記複数のtrace activation インフォメーションエレメントの個数を確定する第1のデコーディングブロックと、
前記メッセージをデコーディングして前記個数の前記複数のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得する第2のデコーディングブロックと、
それぞれ、前記複数のtrace activation インフォメーションエレメントにおけるパラメータに基いて前記複数のタスクを作成するタスク作成ブロックと、
前記ユーザを追跡するように前記複数のタスクを実行する実行ブロックと、を含むことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記eNodeBは、
前記メッセージを受信する受信ブロックと、
前記メッセージをデコーディングして前記複数のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得するデコーディングブロックと、
それぞれ、前記複数のtrace activation インフォメーションエレメントにおけるパラメータに基いて前記複数のタスクを作成するタスク作成ブロックと、
前記ユーザを追跡するように前記複数のタスクを実行する実行ブロックと、を含み、
中には、前記メッセージをデコーディングして現在のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得する時、前記現在のtrace activation インフォメーションエレメントにおけるIsLastRecordフィールドに基いて前記現在のtrace activation インフォメーションエレメントが前記メッセージにおける最後のtrace activation インフォメーションエレメントであるか否かを判断し、もし最後のtrace activation インフォメーションエレメントでないと判断すると、前記メッセージをデコーディングして最後のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得するまで、前記メッセージをデコーディングし続けて次のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得し、最後のtrace activation インフォメーションエレメントであるか否かを判断し続けることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記作成ブロックと前記送信ブロックは一つのMMEに存在し、前記MMEは前記メッセージをS1インタフェースの一番目のダウンリンクメッセージとして前記eNodeBに送信し、又は、前記作成ブロックと前記送信ブロックはもう一つのeNodeBに存在し、eNodeB間のハンドオーバーが発生する時、前記もう一つのeNodeBによりX2インタフェースを介して前記メッセージを前記eNodeBに送信することを特徴とする請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に関し、具体的に、E-UTRAN(Evolved UMTS Radio Access Network、発展型UMTS(Universal Mobile Telecommunication System、ユニバーサル移動通信システム)無線アクセスネットワーク)システム及びそのタスク追跡(tracking)方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信ネットワークサービスと技術の複雑化、及び市場競争の激化に伴い、ネットワークのメンテナンス作業は徐々に元のネットワーク装置向けからサービス向け、顧客の感知を重要視する方向に変わってきた。商用ネットワークアプリケーションの技術から見ると、追跡機能はこのような管理の必要に適応する重要技術である。
【0003】
移動通信ネットワークにおける追跡ツールは、ネットワーク管理システムの補助ツールであり、故障位置の確定と日常のオペレーションメンテナンスにおいて、重要な役割を果たしており、現場を記録し、問題の位置を確定する機能を持っている。メンテナンス担当者がリアルタイムな呼び出し過程を便利的に観察できるようになり、フォアグラウンド開発者が故障の位置を確定し、フォアグラウンドプログラムをデバッグし易くなる。
【0004】
現在、LTE(Long Term Evolution、ロングタームエボリュ−ション)は、36.413と36.423で追跡のプロセスに対して説明し、S1 AP(S1 Application Protocol、S1アプリケーションプロトコル)でMME(Mobile Management Entity、移動管理エンティティ)とeNodeB(Evolved NodeB、発展型基地局)の間のトラッキングインタラクションプロセスに対して説明し、X2 AP(X2 Application Protocol、X2アプリケーションプロトコル)でeNodeBの間をハンドオーバーする時のトラッキングインタラクションプロセスに対して説明した。
【0005】
中には、ネットワークエレメントの間において、trace activation(トレースアクティベーション)インフォメーションエレメントを介して追跡タスクを送信する。Trace activation インフォメーションエレメントのプロトコルにおける説明は、以下のとおりである。
【0006】
表1

【0007】
中には、E-UTRAN Trace IDは追跡のタスク番号を指し、E-UTRAN Trace IDは総計8つのバイトであり、6バイトのTrace Referenceプラス2バイトのTrace Recording Session Referenceに等しい。中には、Trace Referenceは追跡参照号であり、Trace Recording Session Referenceは一つの追跡タスクでの呼び出しの異なる参照号番号を指す。
【0008】
但し、発明者は、Trace activationの結構から以下のことを発見した。従来、trace activation インフォメーションエレメントを含むメッセージは、一つのみの追跡タスクを載せられるが、二つ或は二つ以上の追跡タスクが同時に一つのユーザを追跡する必要がある場合、従来のプロトコルは支援できない。これで、複数のタスクが同時に一つの指定ユーザに対して追跡することを実現できなくなる。但し、例えば、同時に二つ或は複数の追跡ツールをオンにして同時に一つの指定ユーザを追跡する等のような、複数のタスクが同時に一つの指定ユーザを追跡する場合は多い。同時に、もう一つの問題がある。即ち、ユーザがX2ハンドオーバーする時、trace activationの制限が原因で、複数のタスクがターゲットセルにもたらされないことにより、ターゲットセルが追跡タスクを作成することができなくなって、追跡異常が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
E-UTRANシステム及びそのタスク追跡方法を提供して、少なくとも複数のタスクが同時に一つの指定ユーザを追跡することができない既存技術における問題を解決することをその主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一方面によると、E-UTRANシステムのタスク追跡方法を提供する。該方法は、同じユーザを追跡するための複数のタスクのパラメータを載せる一つのメッセージを作成することと、eNodeBがパラメータに基いて複数のタスクを作成してユーザを追跡するように、メッセージをeNodeBに送信することとを含む。
そして、前記メッセージに同じユーザを追跡するための複数のタスクのパラメータをのせることは、前記メッセージにトレースアクティベーションリストtrace activation list インフォメーションエレメントを設置することを含み、中には、trace activation list インフォメーションエレメントは、個数を指示するtrace activation インフォメーションエレメント個数フィールドと、前記個数のtrace activation インフォメーションエレメントと、を含み、各trace activation インフォメーションエレメントが、前記複数のタスクにおける一つのタスクのパラメータを載せる、又は、
前記メッセージに同じユーザを追跡するための複数のタスクのパラメータを携帯することは、前記メッセージに複数のtrace activation インフォメーションエレメントを設置することを含み、中には、各trace activation インフォメーションエレメントは、前記複数のタスクにおける一つのタスクのパラメータと、最後の追跡インフォメーションエレメントであるか否かのIsLastRecordフィールドと、を含み、該IsLastRecordフィールドが、前記IsLastRecordフィールドを載せているtrace activation インフォメーションエレメントが前記メッセージにおける最後のtrace activation インフォメーションエレメントであるか否かを指示することを特徴とする。
【0011】
本発明の他の方面によると、E-UTRANシステムを提供する。該システムは同じユーザを追跡するための複数のタスクのパラメータを載せる一つのメッセージを作成する作成ブロックと、メッセージをeNodeBに送信する送信ブロックと、ユーザを追跡するようにパラメータに基いて複数のタスクを作成するeNodeBとを含む。
前記作成ブロックは、前記メッセージにトレースアクティベーションリストtrace activation list インフォメーションエレメントを設置することに用いられ、中には、trace activation list インフォメーションエレメントは、個数を指示するtrace activation インフォメーションエレメント個数フィールドと、前記個数の複数のtrace activation インフォメーションエレメントと、を含み、各trace activation インフォメーションエレメントは、前記複数のタスクにおける一つのタスクのパラメータを載せる、及び/又は
前記作成ブロックが、前記メッセージに複数のtrace activation インフォメーションエレメントを設置することに用いられ、中には、各trace activation インフォメーションエレメントは、前記複数のタスクにおける一つのタスクのパラメータと、最後の追跡インフォメーションエレメントであるか否かのIsLastRecordフィールドと、を含み、該IsLastRecordフィールドは、前記IsLastRecordフィールドを載せているtrace activation インフォメーションエレメントが前記メッセージにおける最後のtrace activation インフォメーションエレメントであるか否かを指示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のE-UTRANシステム及びそのタスク追跡方法は一つのメッセージに同じユーザを追跡するための複数のタスクのパラメータを載せる。よって、既存技術における複数のタスクが同時に一つの指定ユーザを追跡することができない問題を解決でき、更に複数のタスクが同時に一つの指定ユーザを追跡することを保証する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
ここで説明する図面は本発明を理解させるためのもので、本発明の一部を構成し、本発明における実施例と共に本発明を解釈し、本発明を不当に限定するのではない。
図1】は、本発明の実施例に係わるE-UTRANシステムのタスク追跡方法を示すフローチャートである。
図2】は、本発明の実施例に係わるE-UTRANシステムのブロック図である。
【発明の実施の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら実施例を結合して本発明を詳しく説明する。ここで、互いに衝突しないかぎり、本明細書における実施例及び実施例に記載の特徴を互いに結合することができる。
【0015】
移動通信ネットワークにおける追跡ツールは、ネットワーク管理システムの補助ツールであり、故障位置の確定と日常のオペレーションメンテナンスにおいて重要な役割を果たしており、現場を記録し、問題の位置を確定する機能を持っている。メンテナンス担当者がリアルタイムな呼び出し過程を便利に観察できるようになり、フォアグラウンド開発者が故障の位置を確定し、フォアグラウンドプログラムをデバッグし易くなる。
【0016】
図1は、本発明の実施例に係わるE-UTRANシステムのタスク追跡方法を示すフローチャートであり、以下のようなことを含む。
【0017】
ステップS10:一つのメッセージを作成し、そのメッセージに同じユーザを追跡するための複数のタスクのパラメータが載せられる。
【0018】
ステップS20:eNodeBがパラメータに基いて複数のタスクを作成してユーザを追跡するように、メッセージをeNodeBに送信する。
【0019】
trace activation インフォメーションエレメントを含む既存技術のメッセージは、一つのみの追跡タスクを載せられるが、二つ或は二つ以上の追跡タスクが同時に一つのユーザを追跡する必要がある場合、従来のプロトコルは支援できない。但し、本実施例におけるタスク追跡方法により、一つのメッセージに同じユーザを追跡するための複数のタスクのパラメータが載せられる。よって、複数のタスクが同時に一つの指定ユーザを追跡することができないという既存技術における問題を解決でき、更に複数のタスクが同時に一つの指定ユーザを追跡することを保証する。
【0020】
好ましくは、ステップS10が、メッセージにtrace activation list インフォメーションエレメントを設置することを含み、中には、trace activation list インフォメーションエレメントは、個数Nを指示するtrace activation インフォメーションエレメント個数フィールドと、N個のtrace activation インフォメーションエレメントとを含み、各trace activation インフォメーションエレメントは、複数のタスクにおける一つのタスクのパラメータを載せる。新しいインフォメーションエレメントtrace activation listを増やし、trace activation list インフォメーションエレメントは、trace activation インフォメーションエレメントの数と、複数の具体的なtrace activation インフォメーションエレメントとを含み、以下の表に示すとおりである。
【0021】
表2
【0022】
該trace activation list インフォメーションエレメントは、構成が簡単であり、容易に実現できる。
【0023】
eNodeBが該trace activation list インフォメーションエレメントを利用して、デコーディングしてタスクを作成する過程は、eNodeBがメッセージを受信することと、eNodeBがメッセージをデコーディングしてtrace activation インフォメーションエレメント個数フィールドを獲得し、trace activation インフォメーションエレメント個数フィールドから複数のtrace activation インフォメーションエレメントの個数を確定することと、eNodeBがメッセージをデコーディングして前記個数の複数のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得することと、eNodeBがそれぞれ複数のtrace activation インフォメーションエレメントにおけるパラメータに基いて複数のタスクを作成することと、ユーザを追跡するようにeNodeBが複数のタスクを実行することとを含むことが好ましい。本実施例は既存のeNodeBに対する変更が小さくて容易に実現できる。複数の追跡タスクが同時に一つの指定ユーザを追跡する場合に、本実施例は、LTE既存のメッセージインタラクションプロセスによって複数のシグナル追跡タスクを同時に処理することができる。
【0024】
例えば、同じ指定ユーザを追跡する複数の追跡タスクが開始した後、MMEは、S1インタフェースの一番目のダウンリンクメッセージを介してtrace activation list インフォメーションエレメントを載せて、複数の追跡タスクのパラメータをeNodeBに提供する。eNodeBは、メッセージに対してデコーディングする時、trace activation list インフォメーションエレメントに載せられているtrace activation numberに基いて相応なtrace activation インフォメーションエレメントをデコーディングして、相応な追跡タスクを作成して追跡を行う。
【0025】
好ましくは、ステップS10が、メッセージに複数のtrace activation インフォメーションエレメントを設置することを含み、中には、各trace activation インフォメーションエレメントは、複数のタスクにおける一つのタスクのパラメータと、IsLastRecord(最後の追跡インフォメーションエレメントであるか否か)フィールドとを含み、IsLastRecordフィールドが、IsLastRecordフィールドを載せているtrace activation インフォメーションエレメントがメッセージにおける最後のtrace activation インフォメーションエレメントであるか否かを指示するためのものである。本実施例において、trace activation インフォメーションエレメントの後にtrace activation インフォメーションエレメントが存在するか否かを示すように、該trace activation インフォメーションエレメントの末尾に一つのフィールドを追加する。以下の表に示すとおりである。
【0026】
表3
【0027】
該trace activation インフォメーションエレメントは、構成が簡単であり、容易に実現できる。
【0028】
eNodeBが該trace activation インフォメーションエレメントを利用して、デコーディングしてタスクを作成する過程は、eNodeBがメッセージを受信することと、eNodeBがメッセージをデコーディングして複数のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得することと、eNodeBがそれぞれ複数のtrace activation インフォメーションエレメントにおけるパラメータに基いて複数のタスクを作成することと、ユーザを追跡するようにeNodeBが複数のタスクを実行することとを含み、中には、eNodeBがメッセージをデコーディングして複数のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得することは、eNodeBがメッセージをデコーディングして現在のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得する時、現在のtrace activation インフォメーションエレメントにおけるIsLastRecordフィールドに基いて現在のtrace activation インフォメーションエレメントがメッセージにおける最後のtrace activation インフォメーションエレメントであるか否かを判断し、もし最後のtrace activation インフォメーションエレメントでないと判断すると、メッセージをデコーディングして最後のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得するまで、メッセージをデコーディングし続けて次のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得し、それが最後のtrace activation インフォメーションエレメントであるか否かを判断し続けることを含むことが好ましい。本実施例は既存のeNodeBに対する変更が少なく、容易に実現できる。複数の追跡タスクが同時に一つの指定ユーザを追跡する場合に、本実施例はLTE既存のメッセージインタラクションプロセスによって複数のシグナル追跡タスクを同時に処理することができる。
【0029】
MMEは、メッセージをS1インタフェースの一番目のダウンリンクメッセージとしてeNodeBに送信し、或は、eNodeB間のハンドオーバーが発生する時に、メッセージをハンドオーバーメッセージとしてeNodeBに送信することが好ましい。
【0030】
例えば、同じ指定ユーザを追跡する複数の追跡タスクが開始された後、MMEは、S1インタフェースの一番目のダウンリンクメッセージを介して新しいtrace activation インフォメーションエレメントを載せて、複数の追跡タスクのパラメータをeNodeBに送信する。ここで、新しいtrace activation インフォメーションエレメントは、現在のプロトコルでのtrace activation インフォメーションエレメントの既存のフィールドと、現在の追跡タスクが最後の追跡タスクであるか否かを示す識別子IsLastRecordとを含む。
【0031】
或は、S1に基いてeNodeB間のハンドオーバーが発生される時、eNodeB_Aは、ハンドオーバーメッセージをMMEに送信して、MMEは、ハンドオーバーメッセージをeNodeB_Bに送信する。中には、MMEがeNodeB_Bに送信したハンドオーバー請求メッセージにはtrace activation インフォメーションエレメントが載せられている。
【0032】
X2に基いてeNodeB間のハンドオーバーが発生される時、eNodeB_Aは、ハンドオーバーメッセージを直接にeNodeB_Bに送信すると共に、trace activation インフォメーションエレメントを載せる。該eNodeBは、メッセージに対してデコーディングした後、IsLastRecordフィールドに基いて現在の追跡タスクが最後のタスクであるか否かを判断する。もし、現在の追跡タスクの後にさらに追跡タスクがあると、デコーディングし続ける。そうでない場合、該部分のデコーディングを停止する。最後に、eNodeBはデコーディングの結果に基いて相応な追跡タスクを作成し、追跡の結果をそれぞれ報告する。
【0033】
図2は、本発明の実施例に係わるE-UTRANシステムのブロック図であり、
同じユーザを追跡するための複数のタスクのパラメータを載せる一つのメッセージを作成する作成ブロック12と、
メッセージをeNodeB20に送信する送信ブロック14と、
ユーザを追跡するようにパラメータに基いて複数のタスクを作成するeNodeB20と、を含む。
【0034】
本実施例のE-UTRANシステムは、一つのメッセージに同じユーザを追跡するための複数のタスクのパラメータを載せる。従って、複数のタスクが同時に一つの指定ユーザを追跡することができないという既存技術における問題を解決でき、更に複数のタスクが同時に一つの指定ユーザを追跡することを保証する。
【0035】
作成ブロックは、メッセージにtrace activation list インフォメーションエレメントを設置することに用いられ、中には、trace activation list インフォメーションエレメントは、個数を指示するtrace activation インフォメーションエレメント個数フィールドと、前記個数の複数のtrace activation インフォメーションエレメントとを含み、各trace activation インフォメーションエレメントは、複数のタスクにおける一つのタスクのパラメータを載せることが好ましい。本実施例は容易に実現できる。
【0036】
eNodeBは、メッセージを受信する受信ブロックと、メッセージをデコーディングしてtrace activation インフォメーションエレメント個数フィールドを獲得し、またtrace activation インフォメーションエレメント個数フィールドから複数のtrace activation インフォメーションエレメントの個数を確定する第1のデコーディングブロックと、メッセージをデコーディングして前記個数の複数のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得する第2のデコーディングブロックと、それぞれ、複数のtrace activation インフォメーションエレメントにおけるパラメータに基いて複数のタスクを作成するタスク作成ブロックと、ユーザを追跡するように複数のタスクを実行する実行ブロックとを含むことが好ましい。本実施例は容易に実現できる。
【0037】
作成ブロックは、メッセージに複数のtrace activation インフォメーションエレメントを設置することに用いられ、中には、各trace activation インフォメーションエレメントは、複数のタスクにおける一つのタスクのパラメータと、IsLastRecordフィールドとを含み、IsLastRecordフィールドは、IsLastRecordフィールドを載せているtrace activation インフォメーションエレメントがメッセージにおける最後のtrace activation インフォメーションエレメントであるか否かを指示することが好ましい。本実施例は容易に実現できる。
【0038】
eNodeBは、メッセージを受信する受信ブロックと、メッセージをデコーディングして複数のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得するデコーディングブロックと、それぞれ、複数のtrace activation インフォメーションエレメントにおけるパラメータに基いて複数のタスクを作成するタスク作成ブロックと、ユーザを追跡するように複数のタスクを実行する実行ブロックとを含くことが好ましい。中には、メッセージをデコーディングして現在のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得する時、現在のtrace activation インフォメーションエレメントにおけるIsLastRecordフィールドに基いて現在のtrace activation インフォメーションエレメントがメッセージにおける最後のtrace activation インフォメーションエレメントであるか否かを判断し、最後のtrace activation インフォメーションエレメントでないと判断すると、メッセージをデコーディングして最後のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得するまで、メッセージをデコーディングし続けて次のtrace activation インフォメーションエレメントを獲得し、最後のtrace activation インフォメーションエレメントであるか否かを判断し続ける。本実施例は容易に実現できる。
【0039】
作成ブロックと送信ブロックは一つのMMEに存在することができ、MMEは、メッセージをS1インタフェースの一番目のダウンリンクメッセージとしてeNodeBに送信し、又は、作成ブロックと送信ブロックはもう一つのeNodeBに存在することができ、eNodeB間のハンドオーバーが発生する時、もう一つのeNodeBによりX2インタフェースを介して該メッセージを該eNodeBに送信することが好ましい。本実施例は容易に実現でき、さまざまな異なる状況に適応することができる。
【0040】
上記の説明からわかるように、本発明は、複数の追跡タスクが同時に一つの指定ユーザを追跡する時、複数の追跡タスクを一つのS1メッセージに載せさせて該ユーザの実例プロセスに送信することができる。同時に、X2ハンドオーバー過程で、該ユーザのソースセルでの実例プロセスにおいてもハンドオーバー請求メッセージに複数の追跡タスクを載せさせてターゲットセルに提供することができて、ターゲットセルが相応な追跡タスクを正確に作成するようにする。
【0041】
当業者にとって、上述の本発明の各ブロック又は各ステップは共通の計算装置によって実現することができ、単独の計算装置に集中させることができれば、複数の計算装置から構成されるネットワークに分布させることもでき、さらに計算装置が実行可能なプログラムのコードによって実現することもできるので、それらを記憶装置に記憶させて計算装置によって実行することができ、ある状況では、ここで説明した順序と異なる順序で、示された或は説明されたステップを実行することができ、或いは、それらを夫々集積回路ブロックに製作し、又はそれらにおける複数のブロック又はステップを単独の集積回路ブロックに製作して実現することができることは明らかなことである。このように、本発明は如何なる特定のハードウェアとソフトウェアの結合にも限定されない。
【0042】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば本発明に様々な修正や変形が可能である。本発明の精神や原則内での如何なる修正、置換、改良などは本発明の保護範囲内に含まれる。
図1
図2