(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661935
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】ユーザのための方法及びウェアラブル装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0489 20130101AFI20150108BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
G06F3/048 610
G06F3/02 A
【請求項の数】23
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-529750(P2013-529750)
(86)(22)【出願日】2011年9月21日
(65)【公表番号】特表2013-541095(P2013-541095A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】IB2011054150
(87)【国際公開番号】WO2012038909
(87)【国際公開日】20120329
【審査請求日】2013年5月1日
(31)【優先権主張番号】12/889,222
(32)【優先日】2010年9月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】398012616
【氏名又は名称】ノキア コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】アシュブルック ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】トニー アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト ショーン・マイケル
【審査官】
萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/024971(WO,A1)
【文献】
特開平11−327433(JP,A)
【文献】
特開2010−108273(JP,A)
【文献】
特表2010−537302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048 − 3/0488
G06F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの身に着けられるように構成されるデバイスの処理手段がプログラムコードを実行することにより、前記デバイスが遂行する方法であって、
前記デバイスの第1のセンサ情報を受け取ることと;
前記第1のセンサ情報により示される第1のタッチ入力を決定すること、ただし前記第1のタッチ入力は第1のタッチタイプに関連する、前記決定することと;
前記第1のタッチ入力に少なくとも部分的に基づいて第1の機能を決定することと;
前記第1の機能が実行されることを引き起こすことと;
前記デバイスの第2のセンサ情報を受け取ることと;
前記第2のセンサ情報により示される第2のタッチ入力を決定すること、ただし前記第2のタッチ入力は前記第1のタッチタイプとは異なる第2のタッチタイプに関連する、前記決定することと;
前記第2のタッチ入力に少なくとも一部基づいて、前記第1の機能とは異なる第2の機能を決定することと;
前記第2の機能が実行されることを引き起こすことと;
を含み、前記デバイスはリング状デバイスであって、前記第1のセンサ情報または前記第2のセンサ情報の少なくとも一方は、前記デバイスの軸方向の変形を検知することで受け取られる、方法。
【請求項2】
前記第1のタッチタイプはシングルポイントのタッチを含み、前記第2のタッチタイプはマルチポイントのタッチを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のセンサ情報が第1の物に関連することを決定することと;
前記第2のセンサ情報が第2の物に関連することを決定することと;
を含み、ここで前記第1の物は前記第2の物とは異なる少なくとも一つの物理的特性を有する、方法。
【請求項4】
前記第1のタッチ入力は、タッチシーケンス又はタッチの長さのいずれかを少なくとも含むタッチパターンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の機能は前記第1のタッチ入力と第3の機能との関連付けを生成することと、前記第1のタッチ入力と前記第3の機能との関連付けが格納されることを引き起こすこととを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の機能は、他のデバイスに命令が送信されることを引き起こすことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記デバイスは、実質的に指を囲むように指に装着されるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも一つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つのメモリとを備える装置であって、前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも一つのプロセッサに実行されることにより、前記装置に少なくとも:
ユーザの身に着けられるように構成されるデバイスの第1のセンサ情報を受け取ることと;
前記第1のセンサ情報により示される第1のタッチ入力を決定すること、ただし前記第1のタッチ入力は第1のタッチタイプに関連する、前記決定することと;
前記第1のタッチ入力に少なくとも部分的に基づいて第1の機能を決定することと;
前記第1の機能が実行されることを引き起こすことと;
前記デバイスの第2のセンサ情報を受け取ることと;
前記第2のセンサ情報により示される第2のタッチ入力を決定すること、ただし前記第2のタッチ入力は前記第1のタッチタイプとは異なる第2のタッチタイプに関連する、前記決定することと;
前記第2のタッチ入力に少なくとも一部基づいて、前記第1の機能とは異なる第2の機能を決定することと;
前記第2の機能が実行されることを引き起こすことと;
を実行させるように構成され、前記デバイスはリング状のデバイスであって、前記第1のセンサ情報または前記第2のセンサ情報の少なくとも一方は、前記デバイスの軸方向の変形を検知することで受け取られる、装置。
【請求項9】
前記第1のタッチタイプはシングルポイントのタッチを含み、前記第2のタッチタイプはマルチポイントのタッチを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも一つのプロセッサに実行されることにより、前記装置に、
前記第1のセンサ情報が第1の物に関連することを決定することと;
前記第2のセンサ情報が第2の物に関連することを決定することと;
を実行させるように構成され、ここで前記第1の物は前記第2の物とは異なる少なくとも一つの物理的特性を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のタッチ入力は、タッチシーケンス又はタッチの長さのいずれかを少なくとも含むタッチパターンを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の機能は、前記装置に、前記第1のタッチ入力と第3の機能との関連付けを生成することと、前記第1のタッチ入力と前記第3の機能との関連付けが格納されることを引き起こすことを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の機能は他のデバイスに命令が送信されることを引き起こすことを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記デバイスは、実質的に指を囲むように指に装着されるように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
装置の処理手段に実行されることにより、前記装置に:
ユーザの身に着けられるように構成されるデバイスの第1のセンサ情報を受け取らせるように構成されるプログラムコード命令と;
前記第1のセンサ情報により示される第1のタッチ入力を決定させるように構成されるプログラムコード命令であって、前記第1のタッチ入力は第1のタッチタイプに関連する、前記プログラムコード命令と;
前記第1のタッチ入力に少なくとも部分的に基づいて第1の機能を決定させるように構成されるプログラムコード命令と;
前記第1の機能を実行させるように構成されるプログラムコード命令と;
前記デバイスの第2のセンサ情報を受け取らせるように構成されるプログラムコード命令と;
前記第2のセンサ情報により示される第2のタッチ入力を決定させるように構成されるプログラムコード命令であって、前記第2のタッチ入力は前記第1のタッチタイプとは異なる第2のタッチタイプに関連する、前記プログラムコード命令と;
前記第2のタッチ入力に少なくとも一部基づいて、前記第1の機能とは異なる第2の機能を決定させるように構成されるプログラムコード命令と;
前記第2の機能を実行させるように構成されるプログラムコード命令と;
を備え、前記デバイスはリング状のデバイスであって、前記第1のセンサ情報または前記第2のセンサ情報の少なくとも一方は、前記デバイスの軸方向の変形を検知することで受け取られる、コンピュータプログラム。
【請求項16】
前記第1のタッチタイプはシングルポイントのタッチを含み、前記第2のタッチタイプはマルチポイントのタッチを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記処理手段に実行されることにより、前記装置に:
学習プロセスによってタッチ入力を学習させるためのコンピュータプログラムコード命令を備える請求項15に記載のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムコード命令はさらに:
前記第1のセンサ情報が第1の物に関連することを決定させるように構成されるプログラムコード命令と;
前記第2のセンサ情報が第2の物に関連することを決定させるように構成されるプログラムコード命令と;
を備え、ここで前記第1の物は前記第2の物とは異なる少なくとも一つの物理的特性を有する、コンピュータプログラム。
【請求項18】
前記第1のタッチ入力は、タッチシーケンス又はタッチの長さのいずれかを少なくとも含むタッチパターンを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
前記処理手段に実行されることにより、前記装置に:
前記第1の機能は、前記第1のタッチ入力と第3の機能との関連付けを生成することと、前記第1のタッチ入力と前記第3の機能との関連付けが格納されることを引き起こすことを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
前記第1の機能は、他のデバイスに命令が送信されることを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項21】
前記デバイスは、複数の実質的に変形可能ではない部分と、少なくとも一つの変形可能な部分を有し、前記変形可能な部分は、前記デバイスの軸方向に沿って前記実質的に変形可能ではない部分の間に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記デバイスは、複数の実質的に変形可能ではない部分と、少なくとも一つの変形可能な部分を有し、前記変形可能な部分は、前記デバイスの軸方向に沿って前記実質的に変形可能ではない部分の間に配置される、請求項8に記載の装置。
【請求項23】
前記デバイスは、複数の実質的に変形可能ではない部分と、少なくとも一つの変形可能な部分を有し、前記変形可能な部分は、前記デバイスの軸方向に沿って前記実質的に変形可能ではない部分の間に配置される、請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的実施形態は、一般的には情報技術に関し、より詳細には、ユーザの身に付けて使用されるユーザ入力デバイスに関する装置及び方法に関する。
【0002】
現在の通信技術は有線及び無線ネットワークの著しい拡大をもたらしてきた。コンピュータネットワークやテレビジョンネットワーク、電話ネットワークは、需要に支えられて、かつてないほどの技術的拡大を経験している。このようなネットワークの能力の拡大や通信速度の向上に伴って、これらのネットワークを使用するデバイスも、その能力や機能、ユーザインタフェースに関して技術的に著しい前進を経験した。これらのデバイスは、リモート入力デバイスやBluetooth(登録商標)ヘッドセット、有線のヘッドセットのような、特定の機能を有するアクセサリを使用する場合がある。これらのネットワークを用いるデバイス通信は非常に多様な目的のために使用されうるものであり、例えばショートメッセージサービス(SMS)やインスタントメッセージサービス(IM)、E-mail、音声通話、音楽録音や再生、ビデオ録画や再生、インターネットの閲覧のような目的にも使用されうる。このような機能は、誰かと連絡を絶やさずコミュニケーションをとり続けたいと願っている者に対して、デバイスを非常に好ましいものとしている。
【0003】
車を運転中は携帯デバイスを手で持って使用することを禁止する法律が制定されたことから、ハンズフリーデバイスを使用する例が増えてきている。ハンズフリーデバイスは、コミュニケーションの間も手を自由にしておきたいと望むユーザにとっても好ましいものである。ハンズフリーデバイスには、携帯デバイスに物理的に接続される有線ヘッドセットや、Bluetooth(登録商標)ヘッドセットのような、PAN(Personal Area Network)接続を通じて携帯デバイスに接続するものが含まれる。またBluetooth(登録商標)車載アクセサリは、ユーザの携帯デバイスを使って通信を行うために、車のなかでスピーカやマイクロホンを使用することを可能にする。このようなデバイスは、ユーザが携帯デバイスを手に持つことなく音声通信を続けていくことを可能にする。さらに、Bluetooth(登録商標)ヘッドセットや車載アクセサリは、ハンドバッグやポケットの中、グローブボックスの中ように、ユーザの近くにあるがすぐには取り出せないような場所にデバイスがあっても、音声通信を続けることを可能にする。このようなBluetooth(登録商標)デバイスやヘッドセット、またその他の通信プロトコルを使用する車載アクセサリは、これらがペアリングしたり同期したりするデバイスに対して特定の機能を有している。例えばBluetoothヘッドセットはスピーカのボリュームを調節したり、着信に応答したり通話終了したりする能力を有している。
【0004】
既存のアクセサリは通話を続けたり、音楽を聞くことを続けたり、音声コマンドを提供したりするが、ほとんどアクセサリは、ペアリングしたデバイスに対して限定的な機能以上のものは提供しない。
【0005】
一般的に、本発明の例示的実施形態は、ユーザのデバイスに入力を与える改良された方法を提供する。特に、例示的実施形態に係る方法は、ユーザの身に着けられるように構成されるデバイスの第1のセンサ情報を受け取ることと;前記第1のセンサ情報により示される第1のタッチ入力であって、第1のタッチタイプに関連するタッチ入力を決定することと;前記第1のタッチ入力に少なくとも部分的に基づいて第1の機能を決定することと;前記第1の機能が実行されることを引き起こすことと;ユーザの身に着けられるように構成される前記デバイスの第2のセンサ情報を受け取ることと;前記第2のセンサ情報により示される第2のタッチ入力を決定すること、ただし前記第2のタッチ入力は前記第1のタッチタイプとは異なる第2のタッチタイプに関連する、前記決定することと;前記第2のタッチ入力に少なくとも一部基づいて、前記第1の機能とは異なる第2の機能を決定することと;前記第2の機能が実行されることを引き起こすことと;を含む。前記第1のタッチタイプはシングルポイントのタッチを含み、第2のタッチタイプはマルチポイントのタッチを含んでもよい。前記方法はさらに、前記第1のセンサ情報が第1の物に関連することを決定することと;前記第2のセンサ情報が第2の物に関連することを決定することと;を含んでもよく、ここで前記第1の物は前記第2の物とは異なる少なくとも一つの物理的特性を有する。前記第1のタッチ入力は、タッチシーケンス又はタッチの長さのいずれかを少なくとも含むタッチパターンを含んでもよい。前記第1の機能は前記第1のタッチ入力と第3の機能との関連付けを生成することと、前記第1のタッチ入力と前記第3の機能との関連付けが格納されることを生じさせることとを含んでもよい。前記第1の機能は、他のデバイスに命令が送信されることを引き起こすことを含んでもよい。前記デバイスは指に装着されるように構成されてもよく、そのようなデバイスは実質的に指を囲んでもよい。
【0006】
本発明の別の実施形態に従い提供される装置は、少なくとも一つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つのメモリとを備え、前記少なくとも一つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも一つのプロセッサを用いて、前記装置に少なくとも:ユーザの身に着けられるように構成されるデバイスの第1のセンサ情報を受け取ることと;前記第1のセンサ情報により示される第1のタッチ入力であって、第1のタッチタイプに関連するタッチ入力を決定することと;前記第1のタッチ入力に少なくとも部分的に基づいて第1の機能を決定することと;前記第1の機能が実行されることを引き起こすことと;ユーザの身に着けられるように構成される前記デバイスの第2のセンサ情報を受け取ることと;前記第2のセンサ情報により示される第2のタッチ入力を決定すること、ただし前記第2のタッチ入力は前記第1のタッチタイプとは異なる第2のタッチタイプに関連する、前記決定することと;前記第2のタッチ入力に少なくとも一部基づいて、前記第1の機能とは異なる第2の機能を決定することと;前記第2の機能が実行されることを引き起こすことと;を実行させるように構成される。前記第1のタッチタイプはシングルポイントのタッチを含み、前記第2のタッチタイプはマルチポイントのタッチを含んでもよい。前記装置はさらに、前記第1のセンサ情報が第1の物に関連することを決定することと;前記第2のセンサ情報が第2の物に関連することを決定することと;を引き起こすことができるように構成されてもよく、ここで前記第1の物は前記第2の物とは異なる少なくとも一つの物理的特性を有する。前記第1のタッチ入力は、タッチシーケンス又はタッチの長さのいずれかを少なくとも含むタッチパターンを含んでもよい。前記第1の機能は、前記第1のタッチ入力と第3の機能との関連付けを生成することと、前記第1のタッチ入力と前記第3の機能との関連付けが格納されることを生じさせることとを前記装置に引き起こさせることを含んでもよい。前記第1の機能は、他のデバイスに命令が送信されることを引き起こすことを含んでもよい。前記デバイスは指に装着されるように構成されてもよく、そのようなデバイスは実質的に指を囲んでもよい。
【0007】
本発明のさらに別の実施形態に従い提供されるコンピュータプログラム製品は、コンピュータ実行可能なプログラムコード命令を格納する少なくとも一つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備え、
【0008】
前記コンピュータ実行可能なプログラムコード命令は、ユーザの身に着けられるように構成されるデバイスの第1のセンサ情報を受け取るためのプログラムコード命令と;前記第1のセンサ情報により示される第1のタッチ入力を決定するためのプログラムコード命令であって、前記第1のタッチ入力は第1のタッチタイプに関連する、前記プログラムコード命令と;前記第1のタッチ入力に少なくとも部分的に基づいて第1の機能を決定するためのプログラムコード命令と;前記第1の機能が実行されることを引き起こすためのプログラムコード命令と;前記デバイスの第2のセンサ情報を受け取るためのプログラムコード命令と;前記第2のセンサ情報により示される第2のタッチ入力を決定するためのプログラムコード命令であって、前記第2のタッチ入力は前記第1のタッチタイプとは異なる第2のタッチタイプに関連する、前記プログラムコード命令と;前記第2のタッチ入力に少なくとも一部基づいて、前記第1の機能とは異なる第2の機能を決定するためのプログラムコード命令と;前記第2の機能が実行されることを引き起こすためのプログラムコード命令と;を備える。前記第1のタッチタイプはシングルポイントのタッチを含み、第2のタッチタイプはマルチポイントのタッチを含んでもよい。前記コンピュータプログラム製品はさらに、前記第1のセンサ情報が第1の物に関連することを決定するためのプログラムコード命令と;前記第2のセンサ情報が第2の物に関連することを決定するためのプログラムコード命令と;を備えてもよく、ここで前記第1の物は前記第2の物とは異なる少なくとも一つの物理的特性を有する。前記第1のタッチ入力は、タッチシーケンス又はタッチの長さのいずれかを少なくとも含むタッチパターンを含んでもよい。前記第1の機能は前記第1のタッチ入力と第3の機能との関連付けを生成することと、前記第1のタッチ入力と前記第3の機能との関連付けが格納されることを生じさせることとのためのプログラムコード命令を含んでもよい。前記第1の機能は、他のデバイスに命令が送信されることを引き起こすためのプログラムコード命令を含んでもよい。
【0009】
さらに別の例示的実施形態に従うと、例示的実施形態は、ユーザの身に着けられるように構成されるデバイスの第1のセンサ情報を受け取る手段と;前記第1のセンサ情報により示される第1のタッチ入力であって、第1のタッチタイプに関連するタッチ入力を決定する手段と;前記第1のタッチ入力に少なくとも部分的に基づいて第1の機能を決定する手段と;前記第1の機能が実行されることを引き起こす手段と;ユーザの身に着けられるように構成される前記デバイスの第2のセンサ情報を受け取る手段と;前記第2のセンサ情報により示される第2のタッチ入力を決定する手段であって、前記第2のタッチ入力は前記第1のタッチタイプとは異なる第2のタッチタイプに関連する前記決定手段と;前記第2のタッチ入力に少なくとも一部基づいて、前記第1の機能とは異なる第2の機能を決定する手段と;前記第2の機能が実行されることを引き起こす手段と;を提供する。前記第1のタッチタイプはシングルポイントのタッチを含み、第2のタッチタイプはマルチポイントのタッチを含んでもよい。前記方法はさらに、前記第1のセンサ情報が第1の物に関連することを決定する手段と;前記第2のセンサ情報が第2の物に関連することを決定する手段と;を含んでもよく、ここで前記第1の物は前記第2の物とは異なる少なくとも一つの物理的特性を有する。前記第1のタッチ入力は、タッチシーケンス又はタッチの長さのいずれかを少なくとも含むタッチパターンを含んでもよい。前記第1の機能は前記第1のタッチ入力と第3の機能との関連付けを生成する手段と、前記第1のタッチ入力と前記第3の機能との関連付けが格納されることを生じさせる手段とを含んでもよい。前記第1の機能は、他のデバイスに命令が送信されることを引き起こす手段を含んでもよい。前記デバイスは指に装着されるように構成されてもよく、そのようなデバイスは実質的に指を囲んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明を一般的に説明してきたが、ここで添付の図面を参照する。なお図面のスケールは正確であるとは限らない。
【
図1】本発明の例示的実施形態に従う携帯端末の略ブロック図である。
【
図2】本発明の例示的実施形態に従うユーザ入力デバイスを描いたものである。
【
図3】ユーザの身に装着された、ユーザ入力デバイスの例示的実施形態を描いたものである。
【
図4】本発明に従うユーザ入力デバイスの例示的実施形態の断面である。
【
図5】本発明に従うユーザ入力デバイスの別の例示的実施形態の断面である。
【
図6】本発明の例示的実施形態に従い、ユーザがデバイスを身に付ける場所を描いた図である。
【
図7】本発明の別の例示的実施形態に従うユーザ入力デバイスの略ブロック図である。
【
図8】本発明の別の例示的実施形態に従うユーザ入力デバイスの略ブロック図である。
【
図9】本発明の更に別の例示的実施形態に従うユーザ入力デバイスの略ブロック図である。
【
図10】本発明に従うユーザ入力デバイスの例示的実施形態の断面である。
【
図11】本発明の例示的実施形態を実装する方法のフローチャートである。
【
図12】本発明の例示的実施形態を実装する別の方法のフローチャートである。
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明のいくつかの例示的実施形態をより詳細に説明する。なお本発明の全ての実施形態が紹介されるわけではない。実際、本発明は様々な形態で実施されることができるので、本発明の実施形態がここで紹介される実施形態に限定されると考えてはならない。むしろここで紹介される実施形態は、本明細書が法的な要件を充足するために紹介されるものである。本明細書および図面を通じて同様の符号は同様の要素を表す。本明細書で使用されるとき、"データ"や"コンテンツ"、"情報"又は同様の用語は、本発明の実施形態において送信されたり受信されたり、保存されたりしうるデータを言い表すために互いに代替しうるように使用される。
【0012】
また、本明細書において「回路網(circuitry)」との用語は、(a)ハードウェアのみにより実装される回路(例えばアナログ回路及び/又はデジタル回路による実装)や、(b)一つ又は複数のコンピュータ読み取り可能なメモリに記録されるソフトウェア及び/又はファームウェアと回路との組合せであって、本明細書に記載の一つ又は複数の機能を協働して装置に実行させる組み合わせ、(c)例えば一つ又は複数のマイクロプロセッサや、一つ又は複数のマイクロプロセッサの部分であるような、一つ又は複数の回路であって、動作するために、(たとえ物理的には存在しないものであっても)ソフトウェア又はファームウェアを必要とするような回路、を言い表す。「回路網(circuitry)」のこの定義は、本明細書及び特許請求の範囲の全体にわたって適用されるべきものである。更なる例として、本明細書で使用されるとき、「回路網(circuitry)」との用語は、一つ又は複数のプロセッサ及び/又はこれらの一つ又は複数の部分と、これらに付随するソフトウェア及び/又はファームウェアを含む実装を含む。更なる例として、本明細書で使用されるとき、「回路網(circuitry)」との用語は、例えば、携帯電話におけるベースバンドICやアプリケーションプロセッサIC、サーバやセルラネットワークデバイス、その他のネットワークデバイス、及び/又はその他のコンピューティングデバイスにおける同様のICを含む。
【0013】
本明細書及び図面において、ユーザデバイスのいくつかの実施形態が、例示のために紹介されまた説明されるが、別のタイプのデバイスも本発明の実施形態を採用することがあり得る。そのような別のタイプのデバイスには、PDAやポケットベル、携帯テレビ、ゲーム機、コンピュータ(どのようなタイプのコンピュータであってもよく、例えばラップトップコンピュータや携帯コンピュータであってもよい)、カメラ、オーディオ/ビデオ再生機、ラジオ、GPSデバイス、これら組み合わせ、またこれ以外のタイプの情報デバイスが含まれる。説明されるように、ユーザデバイスは、本発明の実施形態に従う一つ又は複数の機能を実行するためにさまざまな手段を備えていてもよく、それらのうちのいくつかは、本明細書で詳細に示される。ただし、ユーザデバイスは、本発明の思想や範囲を逸脱することなく、一つ又は複数の同様の機能を遂行するための別の手段を備えていてもよいことは注意されたい。
【0014】
図1に描かれるユーザデバイス10は、送信機34及び受信機36と協働するアンテナ32又は複数のアンテナを備えてもよい。ユーザデバイスはさらに、送信機及び受信機との間でそれぞれ信号を提供したり信号を受信したりするような、プロセッサ40のような装置を備えてもよい。この信号は、利用可能なセルラシステムの無線インタフェース規格に従うシグナリング情報を含んでいてもよく、及び/又は、ユーザの音声や受信したデータ、ユーザが生成したデータなどを含んでいてもよい。これに関してユーザデバイスは、一つ又は複数の無線インタフェース規格や通信プロトコル、変調タイプ、アクセスタイプによって動作する能力を有していてもよい。例ではあるが、ユーザデバイスは、第1世代、第2世代、第3世代、第4世代、及び同様の通信プロトコルのうちいずれか一つ以上で動作することが可能であってもよい。例えばユーザデバイスは、第2世代(2G)の無線通信プロトコルであるIS-136やGSM、IS-95に従って動作する能力を有していてもよく、第3世代(3G)の通信プロトコルであるUMTSやCDMA2000、WCDMA、TD-SCDMAに従って動作する能力を有していてもよく、3.9Gの無線通信プロトコルであるE-UTRANや第4世代(4G)の無線通信プロトコルなどのような規格に従って動作する能力を有していてもよい。ユーザデバイスはさらに、無線パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)を介して通信する能力を有していてもよい。WPANの例としては、IEEE802.15,Bluetooth,Bluetoothの低消費電力バージョン,赤外線(IrDA)、超広帯域通信(UWB),Wibree,Zigbee等がある。
【0015】
プロセッサ40のような装置は、とりわけ、ユーザデバイス10の音声や論理機能を実装する回路を有していてもよいことは理解されたい。プロセッサは非常に多くの方法で具現化されることができる。例えばプロセッサは、処理回路、コプロセッサ、コントローラ、その他のさまざまな処理デバイスとして具現化されてもよい。そのような処理デバイスには、例えば、ASICやFPGA、ハードウェア・アクセラレータ、及び/又は同様のものがある。
【0016】
ある例示的実施形態において、プロセッサは、メモリデバイスに格納された命令を実行するように構成されてもよい。またはプロセッサは、自身がアクセス可能な命令を実行するように構成されてもよい。 従って、プロセッサは、
図11を参照してより詳細に説明される処理(又はその少なくとも一部)を実行するように構成されてもよい。プロセッサは、変調及び送信を行う前に、畳み込み的な符号化や、メッセージおよびデータのインタリーブを行う機能を有していてもよい。プロセッサは、さらに音声符号器やデータモデムを内蔵していてもよい。
【0017】
ユーザデバイス10はまた、出力デバイスであるイヤホンやスピーカ44や、リンガ42、マイクロホン46、ディスプレイ48、および、ユーザ入力インタフェースを含むユーザインタフェースを備えていてもよく、これら全てがプロセッサ20に接続される。ユーザ入力インタフェースはユーザデバイスがデータを受信することを可能にし、またユーザデバイスがデータを受信することを可能にするデバイスをいくつも備えてもよい。そのようなデバイスには、例えばキーパッド50やタッチディスプレイ、またその他の入力デバイスが存在する。キーパッドを含む実施形態において、当該キーパッドは、0−9の数字キーや関連するキー(#,*)、その他携帯端末10を操作するためのハードキーやソフトキーを有していてもよい。キーパッドは代替的に、一般的なQWERTY配列のキーパッドを備えていてもよい。キーパッドはまた、それぞれ機能に関連付けられた多くのソフトキーを備えていてもよい。それに加えて、又は代替的に、ユーザデバイスは、ジョイスティックまたはユーザ入力インタフェースのようなインタフェースデバイスを備えてもよい。ユーザデバイスはさらに、振動するバッテリパックのようなバッテリ54を備える。バッテリ34は、ユーザデバイスの動作に使用される様々な回路に電力を供給し、また実施形態によっては、検知可能な出力として機械的な振動を提供してもよい。
【0018】
ユーザデバイス10はさらに、通常スマートカードと称されうるユーザ識別モジュール(UIM)58を含んでいてもよい。UIMは、プロセッサを内蔵するメモリデバイスである。UIMには、例えば、加入者識別モジュール(SIM)や、UICCカード、USIM、R−UIM、及びその他のタイプのスマートカードが含まれる。UIMは加入者に関する情報要素を格納していてもよい。UIMに加えてユーザデバイスはメモリを備えていてもよい。例えばユーザデバイスは、データの一時的な保管のためのキャッシュ領域を備えるランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性メモリ60を備えてもよい。ユーザデバイス10は、内蔵の及び/又は着脱可能な不揮発性メモリ62を備えていてもよい。不揮発性メモリには、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリのようなものも含まれる。これらのメモリは、ユーザデバイス10の機能を実装するためにユーザデバイス10に使用されるいかなる数の情報片やデータを格納してもよい。例えばメモリは、ユーザデバイスをユニークに識別可能な国際移動体装置識別コード(IMEIコード)のような識別情報を格納していてもよい。さらにメモリは、セルID情報を決定するための命令を格納していてもよい。特にメモリは、プロセッサ40により実行されるアプリケーションプログラムであって、ユーザデバイスが通信中の現在セルの識別情報(例えばセルID識別子やセルID識別情報)を決定するアプリケーションプログラムを格納していてもよい。
【0019】
一般的に、本発明の例示的実施形態は、アクセサリデバイスを用いてユーザ入力をデバイスに入力する方法や装置、コンピュータプログラム製品を提供する。デバイス、特にセルラ電話のような携帯端末は、ユーザインタフェースを改善し、ユーザの日常的な活動にデバイスをよりシームレスに統合するための様々なアクセサリを使用するだろう。このようなアクセサリには、有線又は無線のヘッドセットが含まれるだろう。このアクセサリは、デバイスをユーザの耳元や口元に持っていかなくとも、ユーザが通話に没入することを可能にする。このようなアクセサリにはBluetoothヘッドセットが含まれる。Bluetoothヘッドセットは、ユーザがデバイスの近くにいるだけで、デバイスを通じて会話を継続することを可能にする。このようなアクセサリは、ユーザが運転をしているなど、両手を塞いでしまうような活動をしている場合に価値があるだろう。上述の有線及び無線ヘッドセットは、デバイスを用いて言葉によってコミュニケーションを図る方法を改良するものの、音声通話を開始したりデバイスのその他の機能を使うには、やはり実際にデバイスの操作することを必要とするだろう。
【0020】
本発明の例示的実施形態は、ユーザデバイス10などのデバイスのユーザに、デバイスを直接操作することなくデバイスとやり取りすることを可能にするだろう。本発明の例示的実施形態のユーザ入力デバイスは、ユーザが携帯電話から電話番号をダイヤルしたり、そのデバイスで利用可能なサービスでアプリケーションとやりとりを行ったり、そのほかのデバイス操作を行ったりすることを、有すデバイスを操作することなく可能にしてもよい。このようなユーザ入力デバイスは、ユーザが車を運転している時やジョギングをしている時に有用であろうし、また、ユーザが単に、ユーザデバイスの機能を実行するための簡単な方法を求めている時にも有用であろう。本明細書で説明されるユーザ入力デバイスは、ユーザデバイスを直接手に持ったり見たり、操作したりすることが礼儀に反したり不適当であったりするような状況において、ユーザデバイスを離れて操作するときにも有用であろう。そのような状況とは、ミーティングやフォーマルな儀式、食事中、映画館の中、その他場を乱すことがためらわれるような状況が含まれるだろう。本発明の例示的実施形態は、ユーザ入力デバイスとリモートでペアリング又は同期しているデバイスに入力を供給するために、ユーザの相対的な動きを利用してもよい。
【0021】
図2は、本発明の例示的実施形態に従うユーザ入力デバイスを描いている。描かれた実施形態は装置300を含む。この装置はリング状のデバイスであり、ユーザの指、親指、あるいはつま先に装着されるように構成される。例示された実施形態は、主にリング状の実施形態に関するものであるが、本発明にしたデバイスは、デバイスの保持するために好適な部位でユーザに装着されたり身に着けられたりするように構成される、様々な形状やサイズを有していてもよい。例えば、ユーザの首から吊り下げられるネックレスタイプの実施形態や、挟むタイプのイヤリングタイプの実施形態もある。
【0022】
イヤリングタイプの実施形態は、ユーザの耳に装着してもよい。ブレスレットタイプの実施形態であれば、ユーザの手首や腕、もも、足首に装着されるように構成されるであろうし、ベルトタイプのデバイスであれば、ユーザの腰や胴に装着されるように構成されるだろう。このように、本発明の例示的実施形態は、ユーザが装着したり身に付けたりすることのできるように如何ようにも構成されることができる。本発明の実施形態は、宝石や装飾品として昔から身に付けられてきた指輪の外観とはそれほど異なっていない。本発明の実施形態は、そのような外観から利益を得ることができてもよい。いくつかの例示的実施形態は、ただの装飾品に限定されず、ユーザ入力デバイスが機能的デバイスであることを明確に示す要素を含んでいてもよい。一方、別の実施形態においては、それなら機能的デバイスであることを明確に示さない方が好まれるであろう。
【0023】
本発明の様々な実施形態は、
図3に描かれるように、ユーザの身に装着されるように構成される装置300を含んでもよい。装置300は通信手段を備えていてもよく、この通信手段は、無線パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)を介して通信しうるように構成されてもよい。WPANの例としては、IEEE802.15,Bluetooth,Bluetoothの低消費電力バージョン,赤外線(IrDA)、超広帯域通信(UWB),Wibree,Zigbee等がある。図示されていないが、このような通信手段は、装置302内蔵されたプロセッサや送受信機、送信機、受信機、また同様のものを備えてもよく、またそれらに接続されるアンテナを備えてもよい。アンテナは装置300の周辺部に設けられてもよい。装置300はさらに、データを処理する手段を含んでもよい。データとは、例えば入力データやセンサのデータなどである。このような手段としては、本発明の例示的実施形態を実装するために必要な処理能力を有するプロセッサや回路がある。
【0024】
本発明のある例示的実施形態が
図4に描かれている。この図に描かれているものは、ユーザ入力デバイス500の断面図である。ユーザ入力デバイス500は、センサ510、送受信機512、アンテナ514、プロセッサ520を備えてもよい。プロセッサ520は送受信機と信号のやりとりを行ってもよい。これらはユーザ入力デバイスの中に配置されてもよい。送受信機512及びアンテナ514はユーザ入力デバイスに内蔵され、ユーザ入力デバイスとワイヤレスでペアリングされたデバイスに、ユーザ入力を送信するように構成されてもよい。しかし、ユーザ入力デバイスが電気的な接続を介して物理的に接続されているような実施形態や、ユーザ入力デバイスがユーザデバイスの一部であるような実施形態においては、送受信機512やアンテナ514は必要ないであろう。図示されるセンサ510はトラックボールタイプのセンサであり、ユーザ入力デバイスがユーザの身に装着されている状態において、ユーザに対する少なくとも一つの方向での動きに対応するセンサ情報を受け取ってもよい。特に、センサ510は、指の周りの回転(例えば矢印530に沿った回転)に対応するセンサ情報を受け取るようにされてもよい。これは例えば、リングが装着されている指において、その指のまわりにリングが回転させられたときに、そのようなセンサ情報を受け取ってもよい。処理デバイス520はセンサ510と協働し、センサ510が受け取ったセンサ情報を動き入力であると解釈する。センサ510自体は動き入力を処理デバイス520に送信するだけであってもよい。場合によっては、センサは処理デバイスと共に配置されてもよい。さらに、センサ510は、指の軸に沿って(例えば矢印540に沿って)ユーザ入力デバイス500が動かされるときに、それに対応してセンサ情報を受け取ってもよい。センサ510は、複数の方向の組み合わせによる動きに対応するセンサ情報を受け取ってもよい。例えば、ユーザにおけるデバイスを保持する部位(例えば指)の長手方向に沿って延びる軸の周りの第1の方向における回転と、それに続く、当該デバイス保持部位の長手方向に沿った軸に垂直な軸の周りの回転のような組み合わせである。このような組み合わせは揺動や振動において生じる。
【0025】
センサ510によって受け取られたセンサ情報は、処理デバイス520によって動き入力であると決定されてもよい。その動き入力は、ある機能に関連付けられたものであると決定されてもよい。この機能には、ユーザ入力デバイスがコントロールするように構成されるユーザデバイスへ命令を送信することが含まれていてもよい。命令は、ボリュームを上げる、通話を終了する、着信に応答する、ラジオ局を変更するなどのような指示であってもよい。ユーザ入力デバイス500は動き入力が機能に関連付けられていることを判断してもよい。そのような機能は、ユーザデバイス命令が送信されるような結果を生じるものであってもよい。しかしながら、ユーザ入力デバイスはまた、ユーザデバイスが動き入力を機能に関連付けた場合のみ、動き入力がユーザデバイスに送信されるようにしてもよい。本発明のある実施形態に従う、動き入力と機能例の関連付けは、ユーザ入力デバイスを用いて行われてもよい。そのような関連付けには、例えば、指の周りにリングを回転させることによって、ボリューム(着信音量、通話音量、音楽再生音量など)を制御することが含まれてもよい。ある方向の回転はボリュームを上げ、反対方向の回転はボリュームを下げてもよい。別の機能には通話着信に応答することが含まれてもよい。例えば、ヘッドセットがユーザデバイスに接続され、ユーザが着信に応答するためにユーザデバイスを直接操作しなかったり操作できなかったりするときに、通話着信に応答することが含まれてもよい。本発明によれば、ユーザ入力デバイスに受け取られた入力を通じて何個の機能が実行されてもよい。このような機能はユーザが設定可能であり、ユーザ入力デバイスのどの動きがユーザデバイスのどの機能に対応するかをユーザが設定することができてもよい。単一ステージの動き(例えば単一の方向のセンサ情報)の数は限定されているが、単一ステージの動きを組み合わせることにより、例えば後退して前進するようなセンサ情報により、非常に多くの数を機能を達成することができる。動き入力と機能との関連付けはユーザデバイス又はユーザ入力デバイスのメモリに格納されてもよい。ユーザデバイスとユーザ入力デバイスとのいずれかが、受け取られた動き入力に少なくとも一部基づいて機能を決定してもよい。
【0026】
図4に描かれているセンサはトラックボールセンサである。これは、トラックボール表面にわたる動きに対応するセンサ情報を受け取り、検出した動きを電気信号に変換する。この電気信号は、トラックボールが経験した動き入力を決定するために使用される。本発明のユーザ入力デバイスにおいて使用されうるセンサタイプの一つの実施形態はトラックボールであるが、同様の結果を得るために、他の様々なセンサを使用してもよい。例えば、
図4のセンサ510は音センサに置き換えられてもよいし、また音センサと共に用いられてもよい。音センサは、特定のタイプの動きに関連付けられるノイズを検出することにより、ユーザ入力デバイスの動きに対応するセンサ情報を解釈してもよい。処理デバイス520は、音センサにより検出された信号を動き入力であると解釈し、それを機能に関連付けてもよい。同様に、装着されている指に対するユーザ入力デバイスの動きに対応するセンサ情報を受け取るために、光センサを使用してもよい。このようなセンサは、リングタイプのユーザ入力デバイスが指の周りに回転させられる場合、早く動いたときに、肌の表面のスクロールに対応するセンサ情報を受け取ってもよい。
【0027】
同様に、光センサは、肌の表面で振動パターンを観察することにより、揺動に対応するセンサ情報を受け取ってもよい。例えばリングタイプの実施形態において、揺動は、ユーザ入力デバイスを、それが装着されている指の長手方向軸に垂直な方向の軸のまわりに振ることによって生じてもよい。このような動きは、リングが装着されている手の親指をリングの上で揺動させるときに生じてもよい。また、別の手でリングを持って揺動するように操作されたり、例えばリングが装着されている指におよそ平行な軸に沿う面において手を前後に動かすなど、ある目的に集中している時に生じてもよい。さらなる実施形態では、センサは単独で使用されてもよいし、別のセンサと一緒に使用されてもよい。そのような別のセンサは、センサの2次元平面におけるようキー入力に対応するセンサ情報を受け取る方向性のタイプのものであってもよい。このような実施形態では、ある方向に方向性センサが持続的に押されると、リングが装着されている指のまわりにリングを安定的に回転させることができてもよい。本発明の実施形態で使用されるセンサのさらに別の実施形態は複数のセンサを含んでもよい。これらのセンサはそれぞれ異なる軸の動きを追うものであってもよい。また、冗長的なセンサであってもよく、そのようなセンサは、一つのセンサで動きを検出すると、その動きを他のセンサで観察された動きで確認する。
【0028】
本発明の例示的実施形態は、異なる軸に沿った又は異なる軸の周りの動きに関連するセンサ情報を受け取るために協働する複数のセンサを含んでもよい。また本発明の例示的実施形態は、他のセンサにより観察された動きを確認するためのセンサ情報を受け取る冗長的なセンサを含んでもよい。ユーザ入力デバイスのユーザに対する動きを決定するために協働する複数のセンサを使用することを含む本発明の例示的実施形態が、
図5に描かれている。この図にはユーザ入力デバイス550の断面図が描かれている。ユーザ入力デバイス550はホイールセンサ560,570,580を含んでいる。これらの各々は一つの軸(すなわちホイールセンサのハブ)のまわりの回転に関するセンサ情報を受け取る。ホイールセンサ560,570,580のホイールは、デバイスを装着するユーザの部位において、ユーザの表面と係り合っている。ユーザ入力デバイス550がユーザにおけるデバイス保持部位の上でユーザに対して動くと、センサ560,570,580はセンサ情報を受け取り、そのセンサ情報を動き入力に変換する。例えば、ユーザ入力デバイスが矢印592に沿って動かされると、センサ570は、ユーザのデバイス保持部位の長手方向に延びる軸に沿ったユーザ入力デバイスの動きに対応するセンサ情報を受け取るだろう。センサ560は、ユーザのデバイス保持部位の長手方向に延びる軸の周りのユーザ入力デバイスの動き、例えば矢印594の方向の動きに対応するセンサ情報を受け取るだろう。これら二つのセンサ560,570の間で、矢印592及び594の方向で、軸に沿った又は軸のまわりの動きが決定されるだろう。ここでセンサ580を含めることは、ユーザ入力デバイスは、矢印592に沿った動き(例えば指の長さ方向に沿った動き)と、矢印596の方向の動き(これは指の長さ方向の軸にだいたい垂直な軸のまわりの動きである)とを区別することを可能にするであろう。センサ570と580とを協力させることは、ユーザ入力デバイスに、上述のような揺動に対応するセンサ入力を受け取ることを可能にする。さらに、センサ570及び580の各々は、ユーザ入力デバイス550が矢印592に沿って動いたときに他のセンサが受け取るセンサ情報を確認してもよい。本発明の例示的実施形態によっては、
図5の例に描かれているように、さらなるセンサが、さらなる軸のまわりの動きに対応するセンサ情報を利用可能にしてもよく、それによって、ユーザ入力デバイスの機能的能力を拡大又は強化してもよい。
【0029】
本発明の例示的実施形態は、ユーザの指紋を読み取るためのセンサ情報を受け取る能力を有するセンサを備えていてもよい。このようなセンサには、光学センサや超音波センサ、パッシブ型の静電容量センサ、アクティブ型の静電容量センサなどがあり、ユーザ入力デバイスのリング型のフォームファクタの中に配置される。このようなセンサはデバイスを装着する者の指紋を決定する能力を備えていてもよい。例示的実施形態はセキュリティ機能を有していてもよく、それによってユーザ入力デバイスは、認識され承認されたユーザに装着されたときのみ正しく機能するように構成されてもよい。承認されたユーザは、携帯端末のようなユーザデバイスに提供される設定プログラムやウィザードを用いて、ユーザ入力デバイスに一つ又は複数の指紋を登録し、携帯端末にパスワードやキーシーケンスを入力して端末のロックを解除することと同じようにユーザ入力デバイスを使用することができるように構成してもよい。このような実施形態が、認識されないユーザ又は承認されないユーザの身に装着されるとき、ユーザ入力デバイスは動作しなくともよく、また限定された機能しか発揮しないようにされてもよい。
【0030】
指紋読み取りセンサを採用する更なる実施形態は、ユーザ入力デバイスにより読み取られた指紋に基づいてその機能を異ならせるように構成されてもよい。このような機能性は、異なるユーザに装着される時にはユーザ入力デバイスの動作を異ならせるために使用されてもよい。例えばユーザは好みに応じてユーザ入力デバイスの機能をパーソナライズしてもよい。指紋認識は、ユーザの手のどこにデバイスが装着されたかによって、ユーザ入力デバイスの機能を変更するために使用されてもよい。
図6に描かれるように、各指の先端部610,中間部620,付け根部630の表面及び背面には固有の特徴があり、これらの部位の表面はそれらの特徴に基づいて一意に識別することが可能である。ユーザ入力デバイスは、これらの固有の特徴に対応するセンサ情報をセンサを通じて上述のように受け取ることができてもよく、それによって、ユーザ入力デバイスは、ユーザの手における位置に基づいてその機能を変更してもよい。
【0031】
肌の表面又は指紋は人によって異なり、また同じ人においても指によって必ず異なるため、本発明の例示的実施形態に従うユーザ入力デバイスは、そのような固有の特徴を学習する学習モードを有してもよく、それによって、ユーザの人差し指、中指、薬指、小指の各指節の表面及び背面の特徴を学習してもよい。学習モードは、ユーザ入力デバイスのユーザに、ユーザ入力デバイスを各指節に装着することを要求してもよく、デバイスを装着した指や指節を特定してもよい。学習のためのアプリケーションは、携帯端末のようなデバイスによって実行されてもよい。そのようなアプリケーションは、学習モードの間、キャリブレーションのために、どの指のどの指節、表面を接触させればよいかをユーザに教えることにより、ユーザを案内する。学習モードはユーザの指紋データ情報を格納する。それによって、新たに指紋が取得されるときは、その指紋データは格納されている指紋のデータと比較され、どの指のどの指節が取得された指紋データに一致するかが決定される。指紋データ情報はユーザ入力デバイスのメモリに格納されてもよい。指紋データはまた、ユーザ入力デバイスにヘ゜アリングされたユーザデバイスのメモリにも格納されてもよい。このとき、ユーザ入力デバイスのメモリには格納されても格納されなくてもよい。この場合、ユーザ入力デバイスは、指紋を取得すると指紋データをユーザデバイス送信する。ユーザデバイスは、どの指及びどの指節の指紋が読みとられたのかを決定し、どの機能を実行すべきかを決める。ユーザがこのような学習モードを完了すると、ユーザは、ユーザデバイスの機能に対応して、各指節に機能を割り当てることが可能になる。
【0032】
ここでは本発明の実施形態をリングタイプのユーザ入力デバイスである実施形態を用いて説明してきたが、本発明の実施形態はリングタイプのデバイスに限定されるわけではなく、例えばブレスレットやボタンなど、身に着けることが可能で、デバイスを身に着ける者に対して当該デバイスが動くことを許すような他のフォームファクタによっても実施されることが可能である。
【0033】
本発明の実施形態に従うユーザ入力デバイスは、例えば携帯端末のようなユーザデバイスとペアリングまたは同期されてもよい。例えば、ユーザ入力デバイスとユーザデバイスとの間でだけ共有されるユニークな通信経路を構築してもよい。ペアリングまたは同期は、例えばBluetooth接続のような無線パーソナルエリアネットワークを通じて行われてもよい。そのような接続は、ユーザ入力デバイスが他のユーザデバイスと干渉を生じることを防ぎ、他のユーザデバイスがペアリングされたユーザデバイスの入力と干渉を生じることを防ぐであろう。本発明の実施形態によっては、ユーザデバイスはユーザ入力デバイスと共に販売され、ペアリングは生産の際に行われてもよい。また、入力デバイスがアクセサリとして独立に販売される場合においては、ペアリングはユーザによって行われてもよい。
【0034】
本発明のユーザ入力デバイスの例示的実施形態によれば、ユーザ入力デバイスは、ユーザデバイスが使用中であるか否かに関わらず、ユーザの身に装着されてもよい。これに関して、偶然に生ずる入力を防止するために、入力デバイスを"起したり"アンロックしたりできるようにすることの必要性が存在するかもしれない。偶然には起こりそうもない動き又は動作のシーケンスが、デバイスを"起床"(wake up)させるためのシーケンスとして構成されてもよい。このような動き又は動作のシーケンスは、例えば、ユーザデバイス又はユーザ入力デバイスのメモリに格納されてもよい。この場合、動き又は動作のシーケンスを検出すると、ユーザデバイス又はユーザ入力デバイスは、その動き又は動作を、ユーザデバイス又はユーザ入力デバイスを"起床"させるために必要な動き又は動作と比較してもよい。
【0035】
さらに、動き又は動作のシーケンス別のものは、さらなる入力からユーザ入力デバイスをロックするように構成されてもよい。ロック状態は、"起床"のためのシーケンスが与えられてユーザ入力デバイスがアンロックされるまで続いてもよい。ロックという機能は、ユーザがユーザ入力デバイスを頻繁には使用せず、ユーザ入力デバイスの偶然な動きが意図しない入力を生じさせてしまうことを防止したいという場合に有用であろう。"起床"シーケンスは、ユーザ入力デバイスを前後に数回振り、ユーザ入力デバイスを360度完全に回転することを含んでもよい。"起床"シーケンスは、ユーザにより設定可能であってもよい。というのも、あるユーザが、他のユーザにおいては"起床"シーケンスとして作用しうる動きを意図せずに行ってしまう傾向があるかもしれないからである。
【0036】
図7はユーザ入力デバイスの別の例示的実施形態を描いたものであり、これは上述の例示的実施形態とは独立に、又は一緒に使用されることができるものである。
図7のユーザ入力デバイス700は、ユーザの身に装着されうるデバイスの表面外側に配された一つ又は複数のセンサ710を備えてもよい。これらのセンサは当業者に知られている既存のタイプのものであってもよく、限定するわけではないが、抵抗タッチセンサ、静電容量センサ、近接センサなどであることができる。例示される実施形態においては、ユーザ入力デバイスはリング状のデバイスであり、ユーザの指に装着されうるように構成される。例示される実施形態のセンサ710は、ユーザにとって明確に区別されうるものであってもよい。例えば、各センサは異なる記号や数などによってマークされていてもよい。また、これらセンサはデバイスのセンサではない部分715から区別することができないものであってもよい。ユーザ入力デバイスの複数センサがそれぞれ区別可能であることは、それぞれセンサが固有の機能に割り当てられている場合や、これらのセンサの特定のシーケンスが必要とされている場合に有用であろう。しかし、実施形態によっては、所望の入力を達成するために個々のセンサを区別する必要はなくてもよい。そのような実施形態は、ユーザはあるパターンをもってセンサにタッチすることを含んでもよい。このパターンは、例えば、ユーザ入力デバイス700の表面の周りを指でドラッグするようなものであってもよい。
図7に描かれた実施形態は、
図2に描かれた実施形態とだいたい同じように使用されてもよい。しかしながら、ユーザ入力デバイスを装着するデバイス保持部位又は指に対するユーザ入力デバイスの動き入力に対応するセンサ情報を受け取るのとは異なり、ユーザ入力デバイス700は、タッチ入力に関連するセンサ情報を検出したり、ユーザ入力デバイス700の外側をユーザの指や親指、または他の物が動くことに関するセンサ情報を検出したりしてもよい。このようにして、デバイス700は、デバイスを例えば指のまわりに回転させうるような動きをユーザが行っている時に対応するセンサ情報を検出してもよい。そのような動きとは、例えば、デバイス700の周縁部を、矢印720で示されているように指または親指で撫でるようなものであることができる。またはデバイス700は、例えば矢印730で示されるような、リングを前後に揺するような動きを生じさせていることに対応するセンサ情報を検出してもよい。
【0037】
図7の例示的実施形態に描かれたセンサによって受け取られたセンサ情報は、タッチ入力を決定するために使用されてもよい。タッチ入力はセンサに接触したことに関連してもよく、又は、センサに事実上ごく近くに接近したこと(例えば1cmや1mmなど)に関連してもよい。タッチ入力はタッチの種類及びタッチのパターンに関連していてもよい。タッチのパターンはタッチシーケンスやタッチの長さを含んでいてもよい。タッチシーケンスの例には、指や物により、ユーザ入力デバイス700の周縁部に配されたセンサ730をぐるりとドラックすることや、センサ730を繰り返してタップすることが含まれる。タッチの長さの例には、センサがタッチ情報をどのくらい長く検出したかという情報が含まれる。タッチのタイプは、接触点の数や、複数の同時タッチが検出されたこと、複数タッチの場所、センサに検出された物に関連付けられる物理的な特性、タッチ入力が接触に関するものであるか、タッチ入力が近接したことに関連するものであるか、センサにタッチする時に加えられた力などを含んでもよい。タッチのタイプやタッチのパターンを区別することは、異なる機能に関連付けられうる利用可能なタッチ入力の数を増やすことになるだろう。例えば、
図7のユーザ入力デバイス700は、二つ又はそれ以上の接触点(複数ポイントのタッチ)からのセンサ情報を受け取る場合、そのタッチ入力は、反対の手またはユーザ入力デバイス700を装着していない手から受けとったものである可能性は極めて高いであろう。ユーザ入力デバイス700が単一の点のみからのセンサ情報を受け取った場合(例えば単一ポイントのタッチ)、そのタッチは、ユーザ入力デバイスが装着された手によるものであるか、又は別のソースによるものであるかのいずれかであることもできるだろう。このようなタッチタイプは、タッチ入力を異なる手からのものであると区別することができてもよく、従って、異なる機能が実行されるようにされてもよい。タッチパターンは、上述のように、とりわけ、単一のセンサにおける複数回のタップや、隣接する複数のセンサを指がドラッグするときのタッチに対応してセンサ情報を受信する当該複数のセンサのシーケンス、1つまたは複数のタッチの長さを含んでもよい。各タッチパターンは異なる機能に関連付けられてもよく、受け取られたタッチのタイプやパターンに基づいて様々な入力が使用されることを可能にしてもよい。これらの多くのタッチタイプやタッチパターンは、例えば、ユーザ入力デバイスやユーザデバイスのメモリに記録されてもよい。ユーザ入力デバイスがタッチパターンやタッチタイプに関連するタッチ入力を受け取ると、そのタッチ入力は、例えばプロセッサによってメモリ内に存在するタッチ入力と比較され、どの機能と関連づけられているかが決定される。本発明の例示的実施形態によれば、タッチパターンやタッチタイプ、及びこれら両方を組み合わせることにより、利用可能な入力の数をさらに増やすことができてもよく、また、ユーザ入力デバイス700により達成されうる機能性のレベルをさらに向上させてもよい。
【0038】
図7の例示的実施形態又はそのバリエーションは、タッチ入力に関連するタッチタイプを識別するために使用されているセンサのタイプに基づいて、表面のテクスチャ及び/又は表面の色に対応するセンサ情報を受け取るように構成されてもよい。色分光計として動作するセンサは、異なる表面色に対応するセンサ情報を受け取ってもよく、また、センサが経験する異なる色のそれぞれを独立で区別可能なタッチタイプと解釈することができてもよい。
図7に描かれたものに似た実施形態で使用されうる他のセンサは、デバイスが接触する表面のテクスチャ又は種類に対応するセンサ情報を受け取ってもよい。このようなセンサには、デバイスが接触する表面のテクスチャを検出する光学センサや、デバイスが接触する表面の導電性を検出する抵抗センサが含まれる。さらなるセンサのタイプには、センサが面に衝突させられたときの振動応答の周波数に対応するセンサ情報を受け取る周波数センサが含まれる。周波数は、木やガラス、石のようなものを区別することができてもよく、これらの表面からタッチのタイプを区別することを可能にしてもよい。ユーザ入力デバイスの入力の能力を強化するために、単一のユーザ入力デバイスにおいて様々な種類のセンサが使用されてもよい。タッチのタイプには、検出される接触点またはタッチポイントの数が含まれてもよい。また、センサが接触する物又は表面の種類が含まれてもよい。例えば、色やテクスチャ、堅さなど、物又は表面の物理的な性質が含まれてもよい。処理デバイスが、タッチ入力に少なくとも一部基づいて機能を決定することができるように、ユーザ入力デバイス又はユーザデバイスは、タッチ入力と機能との関係を格納してもよい。タッチ入力に基づいて適切な機能が決定されると、ユーザデバイス又はユーザ入力デバイスは、その機能が実行されるようにする。機能が実行されるようにすることは、ユーザデバイスへコマンドを送信することをユーザ入力デバイスにさせることを含んでもよい。
【0039】
図8,9,10は、本発明の実施形態により実装されうるセンサ構成の三つの例示的実施形態を描いている。
図8−10に描かれる構成は、本明細書に開示される全ての実施形態とは独立に、または一緒に使用されることができる。
図8はリングタイプのユーザ入力デバイス800を描いている。ユーザ入力デバイス800は、触覚センサや回転ダイヤル、押しボタン、又はこれらの組合せとして構成される入力センサ810を備えている。例えば、センサ810が回転ダイヤルである実施形態において、回転ダイヤルは、入力を行うために、矢印820に沿って回転されてもよい。押しボタンのタイプの実施形態においては、センサ810は矢印830に沿って押されてもよい。機能性のレベルを向上するために、これらの実施形態は一緒に採用されることができる。
図9はリングタイプのユーザ入力デバイス900を描いている。ユーザ入力デバイス900は形を変えることが可能であり、例えば、矢印920及び930の方向に圧迫されるときに変形を受ける。変形の量や変形の方向は、マルチモードの機能性のために、入力を区別するために使用されうる。
図9の実施形態に似たような実施形態は、矢印940及び950の間で変形可能であってもよい。デバイスの変形能力はデバイス全体の材質に負ってもよい。またはデバイスは、実質的に変形可能ではない部分915の間に、910で示されるように変形可能な部分を有していてもよい。デバイスの変形可能な部分には応力センサ又は歪みセンサが搭載されてもよく、それによって応力や歪みのレベルが入力として解釈されてもよい。
【0040】
図10はセンサ構成のさらなる例示的実施形態の断面図である。このセンサ構成は、本発明の実施形態と共に用いられうる。描かれた実施形態はリング状のユーザ入力デバイス1000を示しており、これはインナーリング又は内輪1010と、アウターリングまたは外輪1020を備えている。アクターリングはベアリング1030に乗っている。ベアリング1030は、内輪と外輪の間に設けられたベアリング溝に配されている。センサは内輪1010と外輪1020の一方か又は両方に配されることができ、これらの相対的な動き(矢印1050に沿った動き)に対応するセンサ情報を受け取る。この相対的な動きは、上述のセンサ構成に関連して説明された入力として使用されうる。外輪1020が内輪1010に対して軸方向に(矢印1060に沿って)動くとき、内輪1010と外輪1020との間のさらなる相対的な動きが、これらの間に設けられたセンサによって識別されうる。
【0041】
本発明の例示的実施形態は、動き及びタッチの両方からセンサ情報を受け取るように更に構成されてもよい。ユーザ入力デバイスは、タッチ入力及び動き入力の両方の能力を有していてもよい。例えば、
図4及び
図5に関する実施形態は、
図7,8,9,10の実施形態に組み合わされてもよい。タッチ入力及び動き入力の両方のために構成されているユーザ入力デバイスは、ユーザのデバイス保持部位の長手方向に沿った動きのような、ユーザに対する動きを検知するように構成されると共に、ユーザ又は物によりユーザ入力デバイスをタッチすることを検知するように構成されてもよい。タッチ入力機能を動き入力機能に組み合わせることは、シングルモードでもマルチモードでも入力の数を強化し、多くの数の機能が実行されうるようにする。
【0042】
本発明の例示的実施形態に従うユーザ入力デバイスで利用可能なタッチ入力や動き入力のいずれかに関連付けられる機能はユーザにより設定可能であってもよく、ユーザは、それぞれの入力な実行する所望の機能を選択可能であってもよい。さらに、シングルモードの入力を多重化することを活用して、利用可能な入力の数が限定されている場合であっても多くの機能を構成することができてもよい。機能はユーザデバイスに依存するものであってもよく、ユーザ入力デバイスは複数のユーザデバイスを制御するように構成されてもよい。複数のユーザデバイスの各々について、異なる機能セットが使用されてもよい。例えば、ユーザ入力デバイスが携帯電話とペアリングされる場合、入力に対応する利用可能な機能は、着信に応答したり無視したり、音を消したりすることに関連していてもよい。ユーザ入力デバイスが音楽プレーヤデバイスとペアリングされる場合、利用可能な機能のセットは、とりわけ一時停止や再生、音量、早送り、巻き戻しを含んでもよい。
【0043】
携帯電話は音楽プレーヤデバイスでもあるなど、ユーザデバイスはしばしば複数の機能を有するので、ユーザ入力デバイスは、ユーザデバイスにおけるアクティブなアプリケーションに依存して、機能のセットを切り替えるような能力を有していてもよい。例えば、携帯端末が音楽再生モードにある場合、ユーザ入力デバイスは上述のように、ミュージックプレイヤーのコントローラとして機能してもよい。ユーザデバイスが、例えばBluetoothハンドセット共に電話通信モードにある場合、ユーザ入力デバイスは、電話通信機能に関連する別の機能セットによって動作してもよい。
【0044】
本発明の例示的実施形態に従うユーザ入力デバイスは、さらに、ユーザが、利用可能な動き入力又はタッチ入力を機能に関連付けるように構成されてもよい。ユーザは学習モード又は設定モードに入り、そこで、ユーザ入力デバイスをタッチしたり動かしたりして、動き入力やタッチ入力に対応するセンサ情報を供給する。そしてユーザは、動き入力又はタッチ入力との関連付けを生成したいと望む機能を選択してもよい。機能に関連付けられる動き入力又はタッチ入力は記憶されてもよい。それによって、ユーザが動き入力又はタッチ入力に対応する動きやタッチを再現するときに、動き入力又はタッチ入力に少なくとも一部基づいて適切な機能が決定される。
【0045】
さらに、ユーザ入力デバイスの機能は、ユーザ入力なしにユーザデバイスによって切り替えられてもよい。このような切り替えは、例えば、ミュージックプレイヤー機能が機能がアクティブになっていてユーザが音楽を聞いている時に、ユーザデバイスに電話着信があったときに生じてもよい。ユーザデバイスはユーザ入力デバイスの音楽プレイヤーモードから電話機能モードへと切り替えてもよい。実施形態によっては、音楽プレイヤーモードの最中の電話着信に対応する異なる機能セットがあってもよい。例えば、ユーザには特定の限られた機能又は電話通信に特化された機能だけが利用可能になってもよく、とりわけ例えば、"応答"及び"無視"が利用可能になってもよい。
【0046】
本発明の例示的実施形態において、ユーザ入力デバイスを操作している時はユーザデバイスのディスプレイは見えないかもしれないので、ユーザ入力デバイスが入力を受け取ったときに指示が受け取られたことを確認するために、ユーザ入力デバイスは、非視覚的なフィードバックをユーザに提供してもよい。このような非視覚的なフィードバックは可聴音や振動応答であってもよく、これらのフィードバックは、ユーザデバイスやユーザ入力デバイス、又はユーザの身に着けられたハンドセットなどの別のアクセサリから提供されてもよい。
【0047】
図2−9のユーザ入力デバイス及び/又は
図1のユーザデバイスにより実行される処理を描いたフローチャートが
図11に示されている。フローチャートの個々のブロック及びフローチャートのブロックの組み合わせは様々な手段によって実施されることに留意されたい。そのような手段には、例えばハードウェアやファームウェア、プロセッサ、回路網、及び/又はソフトウェアの実行に関連付けられるデバイスが含まれる。また当該ソフトウェアは一つ又は複数のコンピュータプログラム命令を含む。例えば上述の一つ又は複数の手続きは、コンピュータプログラム命令により具現化されることができる。これに関して、本明細書で説明された処理を具現化するコンピュータプログラム命令は、装置のメモリデバイス60,62に格納され、装置のプロセッサ40により実行されてもよい。そのような装置は本発明の例示的実施形態を採用するものである。理解されるように、このようなコンピュータプログラム命令は、コンピュータや、
図1に描かれるようなプログラム可能な装置(例えばハードウェア)にロードされて機械を構成する。すなわち、命令がロードされたコンピュータ又はプログラム可能な装置は、一つ又は複数のフローチャートのブロックにより特定される機能を実装するための手段を具現化する。これらのコンピュータプログラム命令はコンピュータ読み取り可能なメモリに格納されてもよく、固有の方法でコンピュータ又はその他のプログラム可能な装置を機能させるべく命令してもよい。すなわち、コンピュータ読み取り可能なメモリに格納される命令は、実行されることにより、一つ又は複数のフローチャートのブロックにより特定される機能を実装する製品を形成する。コンピュータプログラム命令はコンピュータ又はその他のプログラム可能な装置にロードされ、一連の動作を前記コンピュータ又はその他のプログラム可能な装置で実行させることにより、コンピュータ実装プロセスを生成する。すなわち、コンピュータ又はその他のプログラム可能な装置で命令が実行されることにより、フローチャートブロックの一つ又は複数で特定される機能を実装する。
【0048】
従って、フローチャートのブロックは、特定された機能を実行する手段の組み合わせをサポートする。また、フローチャートの一つの複数のブロックや、フローチャートのブロックの組み合わせは、特定の機能を実行する専用のハードウェアベースのコンピュータシステムや、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装されうることにも留意されたい。本明細書で説明されるフローチャートの各処理の機能は、フローチャートの処理で説明された処理や変換を行わせるプロセッサより実行されてもよい。破線で示されるフローチャートのブロックやフローチャートの要素は選択的な処理であり、本発明の例示的実施形態から省略されることができるものである。
【0049】
図11のフローチャートに描かれる本発明の例示的実施形態に従う方法において、ユーザ入力デバイスの少なくとも一つのセンサのような手段が、ステップ1101においてセンサ情報を受け取る。受け取られるセンサ情報は、ユーザにおけるデバイス保持部位のセンサに対する動き(すなわちユーザ入力デバイスに対する動き)を表す情報を含んでいてもよい。そのようなセンサには、例示的実施形態に関連して上述したような様々なセンサの中でも、とりわけ、トラックボールセンサや静電センサ、ホイールセンサ、光学センサであってもよい。受け取られたセンサ情報により指示される動き入力がステップ1102で決定される。指示された動き情報を決定する手段には、
図4のプロセッサ510のような処理デバイスが含まれる。ステップ1103においては、動き入力が関連する機能に対応するかどうかが決定される。例えば、ユーザ入力デバイス及び/又はユーザデバイスは、センサ手段が受け取ったセンサ情報から決定された動き入力が、関連する機能に対抗するかどうかを決定するための、プロセッサ510及び/又はプロセッサ40のような決定手段を備えていてもよい。動き入力に関連する機能が存在しない場合は、ステップ1104において、ユーザデバイス又はユーザ入力デバイスのいずれかに対して不適切な動き入力であったことの、聴覚や視覚、触覚による通知を提供する手段が提供される。この手段は、聴覚フィードバックのためのスピーカ44、振動応答を提供するための振動要素、視覚的な通知を提供するためのディスプレイ48、又は、聴覚や視覚、触覚によるフィードバックを提供するための如何なる手段を含んでいてもよい。ステップ1102において、決定された動き入力に機能が関連づけられている場合、その機能は、例えばプロセッサ510又は42よって決定され(ステップ1105)、その機能が実行に移される(ステップ1106)。例えばデバイスはその機能を、例えば無線通信ネットワークを通じた無線信号を介して、通信手段によって実行してもよい。この機能は命令が他のデバイスに送信されることを引き起こすものであってもよい。他のデバイスとは、ユーザ入力デバイスと通信状態にある例えば携帯端末や他のデバイスである。入力が既定の機能と関連付けられたことの確認がステップ1107で与えられてもよい。この確認は、前述のいずれかの手段による聴覚や視覚、または触覚信号であってもよい。
【0050】
本発明の例示的実施形態に従う別の方法が
図12のフローチャートに描かれている。ここでは、ユーザの身に装着されるように構成されるデバイスのセンサ情報がステップ1210で受け取られる。このセンサ情報は、例えば静電センサや容量センサ、光学センサ、トラックボールセンサなどのセンサのような手段によって受け取られる。ステップ1220において、センサ情報を受け取る処理デバイスのような手段によって、受け取られたセンサ情報により示されたタッチ入力が決定される。ステップ1230においてはタッチ入力に関連するタッチタイプが決定される。タッチタイプは同時にタッチされたポイントの数(例えばシングルポイントのタッチまたはマルチポイントのタッチ)や、タッチの色、タッチの硬さ(例えばユーザ入力デバイスにタッチした物の硬さ)、タッチの速度などを含んでもよい。タッチタイプは処理デバイスのような手段によって決定されてもよく、当該処理デバイスは、センサ情報を受け取ってタッチタイプを決定してもよい。ステップ1240において、タッチ入力が関連する機能に対応する場合(例えばタッチ入力と機能との間の関連付けがメモリの中に存在することが決定された場合)、ステップ1260において、当該関連機能が例えば処理デバイスのような手段によって決定される。ステップ1240において、どの機能もタッチ入力に関連付けられていないことが決定された場合、ステップ1250において、タッチ入力が無効であることをユーザに知らせる通知が提供される。この通知は上述のように聴覚、資格、または触覚フィードバックであってもよい。ステップ1260においてタッチ入力に関連する機能が決定された後、その機能はステップ1270において実行に移されてもよい。機能を実行に移すことは、ユーザデバイスへ命令を送信することを提供することや、命令を実行に移すことを含んでもよい。そのような命令は、ユーザデバイスのアプリケーションのための指示であってもよい。機能を実行に移すための手段は処理デバイス及び/又は処理デバイスに関連付けられるトランスポンダー(transponder)を含んでいてもよい。ステップ1280において、機能が成功裏に実行に移されたことの確認が提供されてもよい。これは、聴覚、資格、または触覚によるフィードバックを通じてなされてもよい。ステップ1290は、ステップ1210において第2のセンサ情報が受け取られた場合の処理経路を示している。第2のセンサ情報を受け取る場合、受け取られた第2のセンサ情報により示されるタッチ入力の決定(ステップ1220)からの処理を繰り返す。ステップ1230において、第2のタッチ入力に関連する第2タッチタイプが決定されてもよい。ステップ1240において、第2のタッチ入力が、関連する格納された機能に対応するかどうかが決定される。第2のタッチタイプに関する第2のタッチ入力が格納されている機能に関連している場合、その機能はステップ1260において決定され、ステップ1270において第2の機能が実行に移される。第2の機能は、第2のタッチタイプに関する第2のタッチ入力に少なくとも一部基づいて決定されてもよい。
【0051】
本発明の実施形態はシステムや方法、電子機器として構成されてもよい。したがって、本発明の実施形態は、全体がハードウェアによるものや、ソフトウェアとハードウェアとの様々な組み合わせによるものを含む、様々な手段により構成されてもよい。さらに、本発明の実施形態は、触知可能な非一時的記憶媒体に具現化されるコンピュータ読み取り可能な命令(例えばコンピュータソフトウェア)を有するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態を採る場合もある。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体としては、ハードディスクやCD-ROM、光記憶装置や磁気記憶装置など、適切ないかなるものを利用してもよい。
【0052】
ここで説明された発明についての多くの変形その他の実施形態が、前述の説明や関連する図面に示される教示から利益を受けうる、本発明に関連する当業者に想起されるであろう。従って本発明は、ここで退治された特定の実施形態に制限されるものと理解されてはならず、上述の変形その他の実施形態も、添付の請求項の範囲に含まれるべきものである。さらに、上述の説明や関連する図面が要素や機能の或る例示的な組み合わせという文脈で例示的な実施形態を説明してきたが、別の実施形態では、添付の請求項の思想や範囲を逸脱せずに、要素や機能の異なる組み合わせも可能であることに留意されたい。ここで例えば、上で明示的に説明されている要素や機能の組み合わせ以外の組み合わせも、添付の請求項のいずれかに属するものと考えるべきである。本明細書では特定の語句が使用されているが、それは一般的かつ説明の意味で使われており、限定する目的で使われてはいない。