特許第5661937号(P5661937)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーファウ・グループ・ゲーエムベーハーの特許一覧

<>
  • 特許5661937-ウェハコーティング装置 図000002
  • 特許5661937-ウェハコーティング装置 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661937
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】ウェハコーティング装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20150108BHJP
   B05C 11/08 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
   H01L21/30 564C
   B05C11/08
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-534169(P2013-534169)
(86)(22)【出願日】2010年10月19日
(65)【公表番号】特表2013-543267(P2013-543267A)
(43)【公表日】2013年11月28日
(86)【国際出願番号】EP2010006372
(87)【国際公開番号】WO2012052039
(87)【国際公開日】20120426
【審査請求日】2013年6月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】510246138
【氏名又は名称】エーファウ・グループ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンナ・バーテル
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・ホルツライトナー
(72)【発明者】
【氏名】レイムンド・ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】フランツ・シュランク
(72)【発明者】
【氏名】ヨルディ・テヴァ
【審査官】 関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−054394(JP,A)
【文献】 特表2008−525996(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/062321(WO,A1)
【文献】 特開平08−107063(JP,A)
【文献】 特開2001−104861(JP,A)
【文献】 特開平08−141478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
B05C 7/00−21/00、
G03C 3/00、
G03F 7/00、 7/004−7/07、7/075− 7/115、
7/12− 7/14、 7/16− 7/18、
7/26− 7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハ(2)の表面(2o)にコーティングする装置であって、
保持面(19)上に前記ウェハ(2)を設置し、コーティング中に前記ウェハ(2)を回転させる保持システム(16)と、
前記ウェハ(2)にコーティングするノズルシステム(10)と、
を備え、前記ウェハ(2)にコーティングするときにコーティング表面を拡張するために、前記ウェハ(2)の側周面(2a)上に、内周面(4i)で前記ウェハ(2)を包囲するリング(4)を配設できること、
前記リング(4)が、前記ウェハ(2)に対して、前記保持面(19)に直交するように向けられたZ方向において、Z調節システム(7)によって調節することが可能であること、および、
前記リング(4)は、前記保持面(19)上で傾斜しないように、前記Z調節システム(7)の複数のピン(17)によって保持されていること、
を特徴とする装置。
【請求項2】
ウェハ(2)の表面(2o)にコーティングする装置であって、
保持面(19)上に前記ウェハ(2)を設置する保持システム(16)と、
前記ウェハ(2)にコーティングするノズルシステム(10)と
を備え、前記ウェハ(2)にコーティングするときにコーティング表面を拡張するために、前記ウェハ(2)の側周面(2a)上に、内周面(4i)で前記ウェハ(2)を包囲するリング(4)を配設できること、
前記リング(4)が、前記ウェハ(2)に対して、前記保持面(19)に直交するように向けられたZ方向において、Z調節システム(7)によって調節することが可能であること、および、
前記リング(4)は、横断面がL形であり、前記リング(4)の内側区間(13)は、前記ウェハ(2)の中心の方向に向かって、前記ウェハ(2)と接触することなく、前記ウェハ(2)の前記側周面(2a)を超えて広がること、
を特徴とする装置。
【請求項3】
断面がL形である前記リング(4)を、前記ウェハ(2)と同心状に、前記内周面(4i)と前記側周面(2a)の間の間隙Hが、100μmから2000μmの間になるように配設することが可能である請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
対称のリング(4)の上部リング表面(4o)を、前記保持面(19)の上方に、前記表面(2o)と整列して、またはその上方に配設することが可能である請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記リング(4)が、X−Y調節システムによって、前記保持面(19)に平行に延びるX−Y面において前記ウェハ(2)に対して調節可能である請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記Z調節システム(7)が、Z方向において、前記X−Y調節システムにおいて、スライド式に案内される請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記リング(4)が、前記ウェハ(2)上に非接触で、Z方向において実質的に等距離に、および/または前記ウェハ(2)の周方向と直交して、配設することが可能である請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記コーティング表面が、前記表面(2o)と、前記Z方向に向けられた、前記リング(4)の前記上部リング表面(4o)と、から形成されるように、前記リング(4)を配設することが可能である請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
ウェハ(2)の表面(2o)にコーティングする装置であって、
保持面(19)上に前記ウェハ(2)を設置するための保持システム(16)と、
前記ウェハ(2)にコーティングするノズルシステム(10)と、
前記ウェハ(2)にコーティングするときに、コーティング表面を拡張するためのリング(4)であって、内周面(4i)で前記ウェハ(2)を包囲し、前記ウェハ(2)の側周面(2a)上に配設することが可能であり、前記保持面(19)に直交して延びるZ方向において、前記ウェハ(2)に対して、Z調節システム(7)によって調節が可能である、リング(4)と、
を備え、前記保持面(19)と平行に延びるX−Y方向に、前記ウェハ(2)を固定するための固定リング(3)を備えるX−Y固定手段(6)を有すること、および
前記リング(4)は、前記保持面(19)上で傾斜しないように、前記Z調節システム(7)の複数のピン(17)によって保持されていること
を特徴とする装置。
【請求項10】
ウェハ(2)の表面(2o)にコーティングする装置であって、
保持面(19)上に前記ウェハ(2)を設置するための保持システム(16)と、
前記ウェハ(2)にコーティングするノズルシステム(10)と、
前記ウェハ(2)にコーティングするときに、コーティング表面を拡張するためのリング(4)であって、内周面(4i)で前記ウェハ(2)を包囲し、前記ウェハ(2)の側周面(2a)上に配設することが可能であり、前記保持面(19)に直交して延びるZ方向において、前記ウェハ(2)に対して、Z調節システム(7)によって調節が可能である、リング(4)と、
を備え、前記保持面(19)と平行に延びるX−Y方向に、前記ウェハ(2)を固定するための固定リング(3)を備えるX−Y固定手段(6)を有すること、および
前記ウェハ(2)は、前記固定リング(3)に設けられた真空システム(15)により、前記X−Y固定手段(6)に対して固定されていること、
を特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のウェハの表面にコーティングする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エナメル噴霧(spray-enameling)工場においてウェハにコーティングするときに、今では非常に大表面の、例えば、直径が300mmのウェハ上にコーティング剤、特にペイントを均一に塗布するという問題がある。ウェハのエッジ領域における一様なコーティングは、特に問題であることがわかっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、ウェハにコーティングする装置であって、特に、ウェハのエッジ領域における、コーティングがより均一となる装置を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的は、請求項1の特徴によって達成される。本発明のさらなる有利な展開が、従属請求項に示されている。本明細書、請求項および/または図面に示された特徴の少なくとも2つの組合せのすべても、本発明の範囲内に含まれる。示された値の範囲である場合には、上記の限界内の値も、境界値として開示するものであり、任意の組合せで特許請求することができる。
【0005】
本発明は、本発明による装置において追加の構成要素を設けることによって、ウェハのコーティング表面を擬似拡張(quasi-expand)することが可能であるという着想に基づいており、それによって、ウェハのエッジ領域において、意外にも、本発明による装置によって塗布されたコーティング剤の均一性が、特にエッジ領域において改善されることが判明した。ウェハにコーティングするためのノズルシステムの観点からは、ウェハのエッジ領域は、ほとんどリングに達するまで動かされて、その結果として、ウェハの実際のエッジ、したがってウェハ全体が均一にコーティングされる。
【0006】
一実施形態によれば、ウェハの表面およびウェハの一面から形成されるコーティング表面を拡張するために、ウェハの側周面上でウェハを、それ自体の内周面でとり囲むリングを、一実施形態によれば、有利に置換して、それによってウェハの外側輪郭または形状および寸法に適合させることができる。円形ウェハの場合には、リングは、少なくともその内側輪郭、すなわち内周面において、相応して円形である。
【0007】
本発明の有利な一実施形態によれば、特に横断面がL形であるリングを、ウェハと同心状に、特に、内周面と側周面との間の間隙Hを100μmから2000μmの間、好ましくは100μmから500μmの間として、配設することが可能にされる。ウェハのエッジとリングとの間の、ウェハ直径に対する、ウェハの最小間隙Hは、ウェハがリングに固着するのを抑え、それに加えて、同時に、コーティング中のウェハの回転を可能にする。ウェハをリングに対して、またはリングをウェハに対して同心状に配設することによって、ウェハとリングとの間に一様な間隙Hが生成され、この一様な間隙によって、ウェハのエッジ領域における、より均一なコーティング結果が得られる。リングとウェハとの間を貫通するコーティング材料は、リングのL形構造によって集められ、その結果として、本発明による構成によれば、余剰のコーティング材料が主としてリング上に凝着することによって、装置の清浄化が非常に容易化されるとともに、リングだけを清浄化または置換することが必要であり、装置のその他の構成要素は、比較上、めったに清浄化しなくてもよい。
【0008】
リングの上部リング表面を、保持面の上方に、特に前記表面と整列して、またはその上方に配設することが可能である場合には、コーティング材料が、特にウェハのエッジ領域において、前記表面上、またはノズルシステムから出た後のコーティング剤表面上に一様に分布されるので、コーティング結果の均一性はさらに改善される。
【0009】
さらに、有利には、リングは、X−Y調節システムによって、X−Y面内で保持面に平行に延びるウェハに対して調節可能にされる。本発明によるこの対策によって、特に保持システム上に固定されるウェハに対して、同心状にリングを位置づけることが可能となる。
【0010】
代替案として、リングは装置内で、Z方向と直交するX−Y方向において固定される、すなわち、リングは、Z方向に1自由度だけを有することになる。この実施形態においては、ウェハのリングに対する同心状の位置づけは、ウェハがリングに対して同心状に装着されるか、またはウェハとリングとの間の間隙ができる限り一様に調節されることによって、ウェハが保持面上に保持されるときに実現される。ウェハのリングに対する位置づけは、光学検出手段によるか、または当該技術において知られている他の方法で行うことができる。
【0011】
本発明の別の有利な実施形態によれば、リングは、保持面に直交する方向に向けられたZ方向において、Z調節システムによって、ウェハに対して調節することが可能であるとともに、Z方向において、特にX−Y調節システムにおいて、スライド式に案内することが可能であるようにされている。本発明によるこの対策によって、リングの上部リング表面は、Z方向において、ウェハの表面に対して高さを調節することが可能であり、その結果として、前記表面の最適コーティングが可能になる。
【0012】
リングを、ウェハ上に非接触で、好ましくはZ方向において実質的に等距離に、および/またはウェハの周方向と直交して、配設することが可能であることによって、ウェハの表面のコーティングの均一性がさらに改善される。
【0013】
本発明の別の有利な実施形態において、コーティング表面が、前記表面と、前記Z方向に向けられた、前記リングの上部リング表面と、から形成されるように、リングを配設することが可能にされている。
【0014】
本発明のその他の利点、特徴、および詳細は、好適な実施形態についての後続の説明から、またそれに加えて図面に基づいて、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る装置の、模式的な切り欠き側面図である。
図2】本発明に係るリングの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1において、本発明に係るコーティング装置1が、一実施形態において示されており、この図によって、本発明に対して決定的に重要である、ウェハ2の左エッジ上での切り欠き部が拡大して示されている。
【0017】
ウェハ2は、図示されていないロボットアームで、保持システム16のチャック8上に載せられ、この保持システム16は、回転可能であるとともに、Z方向での高さを調節可能であって、ウェハ2は、保持システムの上に置かれて、設置される間、またはその後に、円形リング4に対して中心を合わせて位置づけされる。保持システム16の回転は、シャフト9によって、図示されていないシャフトドライブを用いて実施される。
【0018】
ウェハ2は、その表面2oが、チャック8とは反対の方向を向いて、Z方向におけるノズルシステム10を指す面となるように、チャック8の上に載せられる。
【0019】
ノズルシステム10は、Z方向と交差して延びるX−Y面内で、表面2oに沿って移動して、表面2o全体をコーティング物質によって均一にコーティングすることができる。コーティング物質は、例えば、フォトレジストである。
【0020】
ウェハ2のコーティングがその中で行われる、コーティングスペース11は、コーティング装置1のハウジング壁5によって形成される。シャフト9は、ハウジング壁5の底部5bの中心を貫通し、保持システム16は、Z方向に移動可能である。
【0021】
ウェハ2の側周面2a上で、リング4の配設は、横断面がL形であるリング4の内周面4iを、内周面4iがウェハ2の側周面2aと対向するように、配設されるようにすることができる。リング4は、その外側区間(outer leg)12で、ウェハ2をその側周面2a上で完全に包囲する。X方向およびY方向において、外側区間12から保持システム16の方向を向いている、リングの内側区間(inner leg)13は、ウェハの中心の方向において、側周面2aを超えて広がり、リング開口4rを形成し、この開口4rを通って、とりわけ、チャック8が延びている。
【0022】
リング開口4rは、リング4の内側リング表面14によって形成される(図2を参照)。
【0023】
リング4の、X方向およびY方向、すなわちX−Y固定具6によるX−Y面においての固定は、X−Y方向において固定リング3を内側リング表面14に取り付けて、それによってX−Y固定具6から上方に突出する固定リング3を固定することによって行われる。
【0024】
固定リング3および/またはX−Y固定具6は、少なくとも3点で、リング4の周辺に分布させることができ、すなわち、閉鎖された周辺を有するように設計されていない。リング4へのX−Y固定具6が、X方向およびY方向、すなわちX−Y面における2自由度を占めるという事実は決定的に重要である。
【0025】
さらに、ウェハ2をX−Y固定具6に固定するのに使用される、真空システム15が、固定リング3内に設けられている。
【0026】
リング4の高さ調節のために、リング4の周辺上に配設されてZ方向に移動可能な、いくつかのピン17の形態で、Z調節システム7が設けられており、ピンは、上部リング表面4oとは反対側を向いている、リング4の下面4u上に静止している。ピン17は、Z調節システム7によって、Z方向に同期して移動させることにより、リング4が固定リング3上で傾斜するのを抑えることができる。
【0027】
ピン17は、X−Y固定具6のガイド穴18へと入り込み、その結果として、X−Y固定具6は、同時に、X方向およびY方向においてもピン17を固定する。
【0028】
内周面4iでのリング4の直径は、側周面2aでのウェハ2の直径よりも大きく、それによって、内周面4iと側周面2aとの間で、間隙Hを調節することができる。
【0029】
ウェハ2の厚さdが、コーティング装置1によって測定可能、または既知であるとともに、同時に内周面4iの高さtが指定されることによって、上部リング表面4oは、上部リング表面4oが表面2oよりも上に上がるか、またはX−Y面においてそれと整列されるように、表面2oに対して位置づけることができる。
【0030】
図1の実施形態によるコーティング装置1によるコーティングの順序は以下のとおりである。
・ リング4を、内周面4iをコーティングしようとするウェハ2に適合させて、挿入する。
・ ウェハ2をチャック8上に設置する。
・ ウェハ2とリング4との間、特に側周面2aと内周面4iとの間の間隙Hが、等距離となるように、ウェハ2をリング4と同心状に整列させる。
・ 任意選択で、ウェハ2が固定リング3上に静止するように、保持システム16を降下させる。
・ 任意選択で、ウェハ2を、特に真空システム15によって吸引することによって、固定することを含める。
・ 上部リング表面4oが表面2oと整列するか、またはそれよりも上に上がるように、リング4をZ方向に位置合わせする。
・ 表面2oを規則的に隔てることによって、ノズルシステム10を用いて、表面2oをコーティング材料でコーティングする。
・ 真空システム15の真空を解除する。
・ 保持システム16によってウェハ2をZ方向に持ち上げて、図示されていないロボットアームによって、チャック8からウェハ2を降下させる。
【符号の説明】
【0031】
1 コーティング装置
2 ウェハ
2o 表面
2a 側周面
3 固定リング
4 リング
4i 内周面
4o 上部リング表面
4r リング開口
5 ハウジング壁
5b 底部
6 X−Y固定具
7 Z調節システム
8 チャック
9 シャフト
10 ノズルシステム
11 コーティングスペース
12 外側区間
13 内側区間
14 内側リング表面
15 真空システム
16 保持システム
17 ピン
18 ガイド穴
19 保持面
H 間隙
t 高さ
d 厚さ
図1
図2