特許第5661980号(P5661980)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニューコムテクノ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5661980-指定位置検出装置 図000031
  • 特許5661980-指定位置検出装置 図000032
  • 特許5661980-指定位置検出装置 図000033
  • 特許5661980-指定位置検出装置 図000034
  • 特許5661980-指定位置検出装置 図000035
  • 特許5661980-指定位置検出装置 図000036
  • 特許5661980-指定位置検出装置 図000037
  • 特許5661980-指定位置検出装置 図000038
  • 特許5661980-指定位置検出装置 図000039
  • 特許5661980-指定位置検出装置 図000040
  • 特許5661980-指定位置検出装置 図000041
  • 特許5661980-指定位置検出装置 図000042
  • 特許5661980-指定位置検出装置 図000043
  • 特許5661980-指定位置検出装置 図000044
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5661980
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】指定位置検出装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20150108BHJP
   G06F 3/046 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
   G06F3/041 420
   G06F3/041 520
   G06F3/046 R
【請求項の数】8
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-543647(P2014-543647)
(86)(22)【出願日】2014年2月18日
(86)【国際出願番号】JP2014000817
【審査請求日】2014年9月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506210211
【氏名又は名称】ニューコムテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082740
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 恵基
(72)【発明者】
【氏名】関沢 康史
(72)【発明者】
【氏名】田原 研二
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−209485(JP,A)
【文献】 特開平08−202491(JP,A)
【文献】 特開2001−043006(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01〜048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
XY座標系を構成する複数のループコイルを配設してなる座標位置指定面上を、電磁結合方式の位置指定具によって位置を指定したとき、当該指定された位置にある上記ループコイルのうち、上記位置指定具に電磁結合したループコイルから指定座標検出出力を得る指定位置検出装置であって、
上記複数のループコイルのうち、内側領域を囲む端縁部領域にある第1のループコイルから得られる第1の位置検出出力値と、上記第1のループコイルの内側に隣接する内側領域にある第2のループコイルから得られる第2の位置検出出力値と、上記第1及び第2のループコイル間の第1のコイルピッチとによって、上記第1のループコイルから上記指定座標検出出力の頂点座標値までの座標ずれ値を補間演算することによって上記位置指定具によって指定された位置座標を検出し、上記第1のコイルピッチは上記内側領域にある上記第2のループコイル相互間の第2のコイルピッチの値とは異なる値を有する
ことを特徴とする指定位置検出装置。
【請求項2】
上記第1及び第2の位置検出出力値並びに上記第1のコイルピッチは、必要とする有効な座標検出範囲に応じて、上記第1及び第2のループコイルから得た実測値若しくはシミュレーションによって高い座標精度が得られる範囲に設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の指定位置検出装置。
【請求項3】
上記座標ずれ値の補間演算値を上記第1及び第2のループコイル間の第1のコイルピッチの大きさに基づいて補正する
ことを特徴とする請求項2に記載の指定位置検出装置。
【請求項4】
上記内側領域にある互いに隣接する3本のループコイルから得られる内側領域の位置検出出力値によって、当該内側領域の上記指定座標検出出力の頂点座標値までの座標ずれ値を補間演算する
ことを特徴とする請求項1に記載の指定位置検出装置。
【請求項5】
上記内側領域の上記指定座標検出出力の頂点座標値までの座標ずれの補間演算は、2次関数式を用いた近似演算である
ことを特徴とする請求項4に記載の指定位置検出装置。
【請求項6】
上記座標位置指定面の上記端縁部領域に、タッチボタン表示を形成し、上記位置指定具によって上記タッチボタン表示に位置指定されたとき、上記第1のループコイルから得られる上記第1の位置検出出力値によって上記タッチボタン表示に対する位置指定出力を決める
ことを特徴とする請求項1に記載の指定位置検出装置。
【請求項7】
上記座標位置指定面の上記端縁部領域の外周縁部において、タッチボタン表示がタブレット表示板部の外周縁部の離れた位置に形成されており、上記位置指定具によって上記タッチボタン表示に位置指定されたとき、上記タッチボタン表示の表示位置に配設された第3のループコイルから得られる第3の位置検出出力値によって上記タッチボタン表示に対する位置指定出力を決める
ことを特徴とする請求項1に記載の指定位置検出装置。
【請求項8】
請求項1〜7に記載の指定位置検出装置において、ループコイルをタブレット表示領域に収め、タブレットの表示領域外の額縁を狭額縁、若しくは額縁なしの構成を有するタブレットとする
ことを特徴とする指定位置検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は指定位置検出装置に関し、例えばタブレット表示面を有する情報処理装置に適応して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
タブレット表示面を有する情報処理装置は、ユーザがタブレット表示面上の特定の表示位置を指定することにより、当該指定された表示位置に対応する情報の処理を簡便に実行できる手段として多用されている。
【0003】
この種の情報処理装置については、ユーザがXY座標系によって形成されているタブレット表示面上に指定した位置を検出する検出手段として、表示面に設けられた多数のループコイルに対して、並列共振回路や磁性体などを内蔵する位置指定具を表示面上に近接させることにより、当該近接した座標位置をユーザの指定位置として検出する構成のものが、電磁結合方式として提案されている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−44304
【特許文献2】特開2010−85378
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タブレット表示面を有する情報処理装置においては、ユーザの表示面上の指定位置を、できるだけ簡易な構成によって、できるだけ高い検出精度を維持できるように検出することが、情報処理装置の実用性を向上させる手段として有効である。
【0006】
特に、電磁結合方式の指定位置検出装置の場合は、表示面上に多数のループコイルを配設して、当該ループコイルと位置指定具との間の電磁結合を利用してループコイルから位置指定信号を得るように構成されているので、タブレット表示面の端縁位置にあるループコイルから得られる位置検出信号は、不安定になる傾向があるので、これを補間演算によって有効な位置検出信号として取り出す必要がある。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、位置検出すべきループコイルのうち、特に端縁部領域に配設されたループコイルから得られる検出信号を補間演算処理することにより、高い精度の位置検出信号を得ることができるようにした指定位置検出装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明においては、XY座標系を構成する複数のループコイルX1〜XN、Y1〜YMを配設してなる座標位置指定面3上を、電磁結合方式の位置指定具5によって位置を指定したとき、当該指定された位置にあるループコイルX1〜XN、Y1〜YMのうち、位置指定具5に、電磁結合したループコイルX1〜XN、Y1〜YMから指定座標検出出力を得る指定位置検出装置4であって、内側領域を囲む端縁部領域にある第1のループコイルJ4から得られる第1の位置検出出力値V4と、第1のループコイルJ4の内側に隣接する内側領域にある第2のループコイルJ3から得られる第2の位置検出出力値V3と、第1及び第2のループコイル間の第1のコイルピッチK02とによって、第1のループコイルJ3から指定座標検出出力W0の頂点座標値pまでの座標ずれ値を補間演算することによって位置指定具5によって指定された位置座標を検出するようにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内側領域を囲む端縁部領域を有する座標位置指定面のうち、上記端縁部領域の第1のループコイル及び隣接する上記内側領域の第2のループコイルの検出出力と、当該第1及び第2のループコイル間のコイルピッチとによって、第1のループコイルから指定座標検出出力の頂点座標値までの座標ずれを検出するようにしたことにより、位置指定具による指定位置座標を端縁部領域まで高い精度で拡大できる指定位置検出装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る指定位置検出装置を含む情報処理装置を示す略線図である。
図2図1の指定位置検出部の詳細を示す略線的接続図である。
図3】指定位置検出動作を示す信号波形図である。
図4】(A)及び(B)は3本のループコイル及び2本のループコイルの配設構成を示す略線図である。
図5】(A)及び(B)は内側領域及び縁端部領域から得られる検出出力の想定波形を示す信号波形図である。
図6】内側領域の補間演算の説明に供する略線図である。
図7】2次関数の平行移動の説明に供する信号波形図である。
図8】端縁部領域の補間演算の説明に供する略線図である。
図9】端縁部領域の補間演算に用いる実測信号波形を示す信号波形図である。
図10】コイルピッチの大小の影響の説明に供するグラフである。
図11】(A)及び(B)はコイルピッチに対する補正の効果について、K11が大きい場合及びK11が小さい場合の説明に供する信号波形図である。
図12】端縁部領域に拡大された有効領域の説明に供する略線図である。
図13】タッチボタン専用のループコイルの説明に供する略線図である。
図14】タブレット表示板部の額縁の説明に供する略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)情報処理装置の全体構成
図1において、1は全体として情報処理装置を示し、中央処理ユニット2がタブレット表示板部3との間に情報の交換をすることにより、タブレット表示板部3を含む指定位置検出部4において、ユーザが当該タブレット表示板部3のXY表示面上の特定の位置を、位置指定具5によって指定したとき、その指定位置を表す指定位置検出信号S1を指定位置検出制御部6から中央処理ユニット2に出力し、中央処理ユニット2が対応する情報の処理を実行するようになされている。
【0013】
タブレット表示板部3は、その表示面全体が重なり合うように配設されたX軸ループコイル板部11及びY軸ループコイル板部12を有し、Y軸ループコイル板部12を指定位置検出制御部6によって制御される駆動信号入力部13によって制御することにより、タブレット表示板部3上のY軸方向の信号入力制御を行うようになされている。
【0014】
これに加えて、X軸ループコイル板部11を指定位置検出制御部6によって制御をされる検出信号出力部14を用いて制御することにより、X軸方向についての位置検出制御をするようになされている。
【0015】
(2)指定位置検出部
X軸ループコイル板部11は、図2に示すように、X軸方向(図2の横方向)に複数N本分(例えば32本分)のX軸ループコイルX1、X2……XNが、縦方向に縦長に延長しながら互いに平行になるように、順次配設されている。
【0016】
X軸ループコイルX1、X2……XNはそれぞれ直線状の導電性線材を縦方向に縦長な長方形状になるように、1回巻回された構成を有し、これによりX軸ループコイルX1、X2……XNのX軸方向における中心位置が、XY表示面上においてX軸方向に互いに等間隔にN個の座標位置を特定できるようになされている。
【0017】
この実施の形態の場合、X軸ループコイルX1、X2……XNは、X軸方向について、隣り合うX軸ループコイルに対して横幅方向にずれて一部が重なり合う関係(例えば図4に示すように、4本のループコイルJ1〜J4がオーバーラップする関係)に位置決めされており、当該オーバーラップしたループコイルからそれぞれ得られる位置検出信号をX軸方向に補間演算することにより、指定位置の検出精度を高めるようになされている。
【0018】
これに対してY軸ループコイル板部12には、図2において縦方向に複数M本分(例えば20本分)のY軸ループコイルY1、Y2……YMが、横方向に横長に延長しながら互いに平行になるように、順次配設されている。
【0019】
Y軸ループコイルY1、Y2……YMは、それぞれ直線状の導電性線材を横方向に縦長な長方形状になるように、1回巻回された構成を有し、これによりY軸ループコイルY1、Y2……YMのY軸方向における中心位置が、XY表示面上においてY軸方向に互いに等間隔にM個の座標位置を特定できるようになされている。
【0020】
この実施の形態の場合、Y軸ループコイルY1、Y2……YMは、Y軸方向について、隣り合うY軸ループコイルに対して横幅方向にずれて一部が重なり合う関係(例えば図4について上述したと同様に、4本のループコイルJ1〜J4がオーバーラップする関係)に位置決めされており、当該オーバーラップしたループコイルから得られる位置検出信号をY軸方向に補間演算することにより、指定位置の検出精度を高めるようになされている。
【0021】
実際上X軸ループコイル板部11及びY軸ループコイル板部12は、間に絶縁材料層を挟んで互いに重ね合されており、これによりX軸ループコイルX1、X2……XNとY軸ループコイルY1、Y2……YMとが互いに格子状に直交するように位置決めされている。
【0022】
この結果、位置指定具5によってユーザがタブレット表示板部3上の任意のXY座標位置を指定したとき、当該指定位置の座標を、X軸方向についてX軸ループコイルX1、X2……XNの配置位置に基づいて決めることができると共に、Y軸方向についてY軸ループコイルY1、Y2……YMの配置位置によって特定できるようになされている。
【0023】
Y軸ループコイル板部12のY軸ループコイルY1、Y2……YMの一端は、駆動信号入力部13に設けられた駆動入力スイッチ21Y1、21Y2……21YMを介して接地に接続されている。
【0024】
この駆動入力スイッチ21Y1、21Y2……21YMはそれぞれ指定位置検出制御部6から与えられる順次切換信号S2Y1、S2Y2……S2YMによって、図3(B1)、(B2)……(BM)に示すタイミングでオンオフ制御される。
【0025】
この実施の形態の場合、Y軸ループコイルY1、Y2……YMには、図3(A)に示すように、所定の長さの位置検出動作期間TY1、TY2……TYMが順次割り当てられ、その前半区間を駆動入力期間TY11、TY21……TYM1として順次切換信号S2Y1、S2Y2……S2YMがオン制御レベルに動作することにより(図3(B1)、(B2)……(BM))、当該前半区間においてY軸ループコイルY1、Y2……YMに駆動パルス信号S4Y1、S4Y2……S4YM(図3(C1)、(C2)……(CM))を供給する。
【0026】
Y軸ループコイルY1、Y2……YMの一端は駆動信号入力部13に設けられたパルス駆動スイッチ22を通じて指定位置検出制御部6から電源VDDを受ける電源端子に接続される。
【0027】
パルス駆動スイッチ22は、指定位置検出制御部6から供給されるパルス制御信号S3によって所定のパルス周期でオンオフ制御され、これにより図3(B1)、(B2)……(BM)に示すように、駆動入力信号S2Y1、S2Y2……S2YMによって駆動入力スイッチ21Y1、21Y2……21YMがそれぞれオン制御されたとき、図3(C1)、(C2)……(CM)で示すタイミングで駆動パルス信号S4Y1、S4Y2……S4YMを共通接続線P1を介して順次Y軸ループコイルY1、Y2……YMに供給する。
【0028】
パルス駆動スイッチ22とY軸ループコイルY1、Y2……YMとの共通接続線P1は、入力側共振用コンデンサ25を通じて接地に接続され、これにより駆動パルス信号S4Y1、S4Y2……S4YMがY軸ループコイルY1、Y2……YMに供給されたとき、Y軸ループコイルY1、Y2……YMがそれぞれ入力側共振用コンデンサ25と共に並列共振回路を形成する。
【0029】
Y軸ループコイルY1、Y2……YM及び入力側共振用コンデンサ25によって形成される並列共振回路の共振周波数は、パルス駆動スイッチ22を通じて与えられている電源VDDのオンオフ周波数に選定され、これにより、各Y軸ループコイルY1、Y2……YMが各並列共振回路を形成したときそれぞれ大電流を流すことができ、その結果位置検出動作期間TY1、TY2……TYMの前半部の駆動入力期間TY11、TY12……TYM2において、Y軸ループコイルY1、Y2……YMから強い駆動磁界を発生させることができる。
【0030】
X軸ループコイル板部11のX軸ループコイルX1、X2……XNの一端は、位置検出信号出力部14にそれぞれ対応するように設けられた位置検出出力スイッチ33X1、33X2……33XNを通じ、さらに共通接続ライン34L1を通じて出力用差動増幅回路32の非反転入力端に接続されていると共に、X軸ループコイルX1、X2……XNの他端は、互いに共通に接続されて共通接続ライン34L2を通じて出力用差動増幅回路32の反転入力端に接続されている。
【0031】
位置検出出力スイッチ33X1、33X2……33XNには、指定位置検出制御部6から供給される順次切換信号S5X1、S5X2……S5XNが与えられ、図3(D1)、(D2)……(DM)に示すように、位置検出動作期間TY1、TY2……TYMの後半の検出出力期間TY12、TY22……TYM2において順次オン動作したとき、X軸ループコイルX1、X2……XNに生じた誘導電圧が位置検出出力スイッチ33X1、33X2……33XNをそれぞれ通じて出力用差動増幅回路32の非反転入力端及び反転入力端間に入力される。
【0032】
この実施の形態の場合、X軸ループコイルX1、X2……XNの一端及び他端の共通接続ライン34L1及び34L2間には、出力側共振用コンデンサ31が接続されており、これによりX軸ループコイルX1、X2……XNが順次オン動作したとき当該X軸ループコイルX1、X2……XN及び出力側共振用コンデンサ31が順次並列共振回路を形成して行き、このとき出力側共振用コンデンサ31の両端に生成された誘導共振電圧が出力用差動増幅回路32の非反転入力端及び反転入力端に位置検出出力として与えられる。
【0033】
位置指定具5は、同調用コイル41及び同調用コンデンサ42でなる共振ループで構成され、図3について上述したように、Y軸ループコイルY1、Y2……YMについて設けられた位置検出動作期間TY1、TY2……TYMにおいて、それぞれ駆動入力期間TY11、TY21……TYM1において駆動入力S2Y1、S2Y2……S2YMが与えられてY軸ループコイルY1、Y2……YMに共振電流が流れることにより磁界が発生したとき、当該磁界に同調する同調共振電流が同調用コイル41及び同調用コンデンサ42に流れることにより、同調共振エネルギーが蓄えられる。
【0034】
この実施の形態の場合、同調用コイル41及び同調用コンデンサ42の同調周波数は、Y軸ループコイルY1、Y2……YMの共振電流の共振周波数と一致する値に選定され、これによりY軸ループコイルY1、Y2……YMの共振電流の共振エネルギーを効率良く同調共振ループに蓄積できる。
【0035】
これにより同調用コイル41及び同調用コンデンサ42には、同調用コイル41及び同調用コンデンサ42によって決まる共振周波数の同調共振電流が、駆動入力期間TY11、TY21……TYM1に続く検出出力期間TY12、TY22……TYM2において流れ続けることにより、当該同調共振電流に基づく誘導起電力をX軸ループコイルX1、X2……XNに誘導させる。
【0036】
当該X軸ループコイルX1、X2……XNに誘導された誘導電流は、図3(D1)、(D2)……(DM)について上述したように、各検出出力期間TY12、TY22……TYM2において、位置検出出力スイッチ33X1、33X2……33XNがオン動作したとき、それぞれ出力側共振用コンデンサ31と共に共振動作し、その結果出力側共振用コンデンサ31の両端に得られる共振電圧が、出力用差動増幅回路32を介し、さらに同期検波回路37を介して、位置検出出力信号S6として順次送出される。
【0037】
(3)指定位置検出動作
以上の構成において、ユーザが位置指定具5によってタブレット表示板部3のX軸ループコイル板部11及びY軸ループコイル板部12のXY座標のうち、例えば座標位置(Xn、Y2)位置に近接させることにより位置を指定すると、Y軸ループコイル板部12について、指定位置検出制御部6が駆動信号入力部13の順次切換信号S2Y2によって駆動入力スイッチ21Y2をオン動作させると共に、パルス駆動スイッチ22をパルス出力駆動動作させることにより、図3の位置検出動作期間TY2の前半部分である駆動入力期間TY21においてY軸ループコイルY2と入力側共振用コンデンサ25とによって共振入力電流をY軸ループコイルY2に流す。
【0038】
このとき位置指定具5は、Y軸ループコイルY2に近接した位置に位置決めされていることにより、Y軸ループコイルY2に流れる駆動共振電流によって発生される磁界に同調用コイル41が電磁結合することにより、位置指定具5に駆動入力エネルギーが与えられる。
【0039】
この状態において、図3(D2)に示すように、Y軸ループコイルY2の位置検出動作期間TY2の検出出力期間TY22において、位置検出信号出力部14が順次切換信号S5X1、S5X2、……S5Xn、……S5XNによって位置検出出力スイッチ33X1、33X2、……33Xn、……33XNを順次オン動作させていく。
【0040】
このとき位置指定具5の同調用コイル41はユーザによって指定されたX軸ループコイルXnに同調共振電流を発生させるのに対して、他のX軸ループコイルX1、X2、……Xn−1、Xn+1、……XNは位置指定具5には近接しない位置に位置決めされていることにより、当該X軸ループコイルXn以外のX軸ループコイルについては同調共振電流を生じさせる状態にはなっていない。
【0041】
そこで、位置検出信号出力部14の位置検出出力スイッチ33Xがオン動作されたとき、当該X軸ループコイルXnに誘導された誘起電流が出力側共振用コンデンサ31によって誘導共振電流を流す状態を維持する。
【0042】
そこで位置検出信号出力部14の出力側共振用コンデンサ31の両端には共振動作によって大きな誘導共振電圧が形成されることにより、これが出力用差動増幅回路32を介し、さらに同期検波回路37を介して位置検出出力信号S6として送出される。
【0043】
これに対して、位置検出出力スイッチ33Xを除く他の位置検出出力スイッチ33X1、33X3、……33XNがオン動作したとき、対応するX軸ループコイルX1、X3、……XNには位置指定具5の同調用コイル41及び同調用コンデンサ42の共振電流に基づいて生ずる誘導共振電圧は反転入力端の電圧に対して大きい値にならないので、出力用差動増幅回路32の出力端の電圧レベルは小さくなる。
【0044】
また、位置指定具5が指定された座標(Xn、Y2)以外のY軸ループコイルY1、Y3……YMについて、駆動入力スイッチ21Y1、21Y2……21YMがオン動作して入力側共振用コンデンサ25から共振電流が流れたとしても、位置指定具5が当該Y軸ループコイルY1、Y3、……YMに近接した位置に位置決めされていないので、位置指定具5の同調用コイル41が同調動作をすることができないために、同調用コイル41及び同調用コンデンサ42に十分な値の同調共振電流を流す状態が得られない。
【0045】
従って、これらのY軸ループコイルY1、Y3、……YMについて、位置検出出力スイッチ33X1、33X3、……33XNがオン動作して出力側共振用コンデンサ31との共振回路が形成されても、位置指定具5の同調用コイル41及び同調用コンデンサ42から当該X軸ループコイルX1、X3、……XNと出力側共振用コンデンサ31との間に形成される並列共振回路に十分な大きさの誘起共振電流が流れることはないので、実質上、出力用差動増幅回路32から検出出力が得られることはない。
【0046】
この結果、位置検出信号出力部14からは、図3(E)に示すように、位置指定具5が指定した座標(Xn、Y2)に対応するY軸ループコイルY2と鎖交するX軸ループコイルXnについて、検出出力期間TY22の期間内のうち、X軸ループコイルXnがオン動作したタイミングで位置検出出力信号S6(Xn、Y2)が出力されることになる。
【0047】
ここで、出力用差動増幅回路32に得られるX軸ループコイルX1、X2……XNから得られる検出出力は、X軸ループコイルX1、X2……XN及びY軸ループコイルY1、Y2……YMの横幅内の指定位置の中央位置からの偏り方によって指定位置近傍の複数のX軸ループコイルから複数の検出出力が得られるので、中央処理ユニット2に設けられた座標位置補間手段によって当該検出出力から補間演算することにより、指定された位置に対応する指定位置検出信号を求める。
【0048】
以上の構成によれば、タブレット表示板部3上の座標位置をユーザが位置指定具5によって指定したとき、当該指定位置にある位置指定具5の同調用コイル41及び同調用コンデンサ42に対して駆動信号入力部13から同調エネルギーを供給することによって位置指定具5から位置検出信号出力部14に接続されたX軸ループコイルXnに同調共振電流を誘起させるようにしたことにより、位置指定具5が指定した座標位置(Xn、Y2)を表す検出出力を得ることができる。
【0049】
かくするにつき、入力側のY軸ループコイルY1、Y2、……Yn、……YM側の入力側共振用コンデンサ25から共振電流を流すことにより簡易な構成によって位置指定具5に対して大きなエネルギーを与えることにより同調共振動作をさせることができると共に、当該位置指定具5の同調共振動作によって出力用のX軸ループコイルX1、X2、……XNが出力側共振用コンデンサ31との誘導共振動作によって、位置決めした座標位置(Xn、Y2)に対応する大きな値の検出出力を確実に得ることができる。
【0050】
これにより全体として比較的簡易な構成によって高い精度で位置指定具5によって指定された座標位置(Xn、Y2)を表す位置検出出力信号S6を得ることができる。
【0051】
(4)ループコイルの検出出力信号
位置指定検出部4のX軸ループコイルX1、X2……XN及びY軸ループコイルY1、Y2……YMは、図4に示すように隣接するループコイル同士がX方向及びY方向に重複して配設され(これをオーバーラップと呼ぶ)、各ループコイルから図5に示すような検出出力信号を得る。
【0052】
図4(A)の場合は、X軸ループコイル板部11の内側領域にある4本のX軸ループコイルJ1、J2、J3及びJ4について、着目して示すように、3本のループコイルJ2、J3及びJ4の検出出力信号によって補間演算を実行する状態を示すと共に、図4(B)はX軸ループコイル板部11の内側領域とこれを囲む端縁部領域について、着目する4本のループコイルJ1〜J4のうち外側の2本のループコイルJ3及びJ4によって補間演算を実行する状態を示す。
【0053】
各ループコイルJ1〜J4はそれぞれコイル幅L1〜L4を有すると共に、その中心位置について、ループコイルJ1及びJ2間、J2及びJ3間及びJ3及びJ4間の距離を表すコイルピッチK1、K2及びK3が形成されている。
【0054】
従って、このように配設されたループコイルJ1、J2、J3及びJ4について、位置指定具5をX軸方向に位置指定動作させた場合を想定すると、図5(A)及び(B)に示すように、横軸の想定座標位置の移動に従って、ループコイルJ1、J2、J3及びJ4から検出出力信号V1、V2、V3及びV4が得られる。
【0055】
各検出出力信号V1、V2、V3及びV4の出力レベルは、コイル幅L1、L2、L3及びL4の中心位置を示す想定座標位置において頂点をもつ2次関数式に近似した山型の波形を呈するような変化をする。
【0056】
ここで隣接する波形のうち最も出力レベルが大きい座標範囲L0(図5において例えばループコイルJ3について示す)を有するループコイルが位置指定具5によって位置指定を受けたループコイルであり、当該座標範囲L0内に、実際に位置指定具5が指定した位置が含まれている。
【0057】
実際上、指定位置検出部4について、図6に示すように、中心のループコイルJ3の検出出力信号V3の出力レベルが隣接するループコイルJ2及びJ4の検出出力信号V2及びV4より大きい座標範囲において、指定位置検出波形W0を想定したとき、当該座標範囲において実際に検出できる頂点座標点Pの座標位置は、ループコイルJ3の中心座標位置又はその座標位置からずれた座標位置にあることが実験的に分っている。
【0058】
この実施の形態においては、当該座標ずれ量を特定できるような補間演算式を、内側領域の補間演算の場合は1本のループコイルJ3と、その両側に隣接する2本のループコイルJ2及びJ4(図4(A)及び図5(A))の関係から求め、又端縁領域補間演算の場合は隣接する2本のループコイルJ3及びJ4(図4(B)及び図5(B))の関係から求める。
【0059】
(5)内側領域の補間演算
図4(A)及び図5(A)の場合、X軸ループコイル板部11のループコイルJ1〜J4の加えてコイルピッチK12、K23及びK34の値は、互いに等しい値K01に選定されており、これにより中央処理ユニット2は次式
【0060】
【数1】
【0061】
のように3本のループコイルJ3並びにJ2及びJ4に基づいて位置指定具5によって指定された指定位置座標Xを演算する。
【0062】
(1)式において、V3は3本のループコイルJ2〜J4のうち中心のループコイルJ3の検出出力値、V2は中心のループコイルJ3の内側に隣接するループコイルJ2の検出出力値、V4は中心のループコイルJ3の外側に隣接するループコイルJ4の検出出力値、K01は中心のループコイルJ3からループコイルJ2及びJ4までの間のコイルピッチである。
【0063】
(1)式の第1項は、中心となるループコイルJ3の中心座標から位置指定具5の指定位置座標までの座標ずれ量を表わす。
【0064】
また(1)式の第2項は、中心となるループコイルJ3のX軸ループコイル板部11上の座標を表している。
【0065】
(5−1)内側領域についての指定位置座標演算式の導出の仕方
(1)式による座標演算は、図6に示す指定位置検出波形W0として中央処理ユニット2において3本のループコイルJ3並びにJ2及びJ4から得られる検出出力V3並びにV2及びV4に基づいて、その頂点Pの座標(p、q)を求めるにつき、各検出出力V3並びにV2及びV4(図5A)の頂点近傍の座標位置に対する変化が2次曲線に近似していることから、指定位置検出波形W0の頂点Pの座標pを2次関数式を近似換算関数として用いて演算する。
【0066】
すなわち、位置検出信号出力部14から得られる位置検出信号S6は、図5(A)について上述したように、2次関数に近似するような変化を呈する3つのループコイルJ3並びにJ2及びJ4からの検出出力信号V3並びにV2及びV4の合成予測値から求めることができることに基づいて、指定位置検出波形W0は次式
【0067】
【数2】
【0068】
のようにxy座標系において変数xの変化に対して2次方程式によって換算結果yを求めることができる。
【0069】
この(2)式の2次方程式は、図7に示すように、
【0070】
【数3】
【0071】
で表される基本的な2次曲線をx軸方向に座標pだけ平行移動させると共に、y軸方向に座標qだけ平行移動させることにより、次式
【0072】
【数4】
【0073】
に変形させることができる。
【0074】
この変形処理により(2)式から(4)式に変形処理することを「方形完成」と呼ぶ。
【0075】
ところで、(2)式によって表される一般の2次関数式は、次の手順で、次式
【0076】
【数5】
【0077】
のように方形完成式に変形できる。
【0078】
この(5)式の2次曲線の頂点(p、q)は次式
【0079】
【数6】
【0080】
となり、平行移動された曲線の軸は次式
【0081】
【数7】
【0082】
として表される。
【0083】
ところで、この(7)式で表わされる直線xは、X軸ループコイル板部11上に位置指定具5によって指定されたX軸方向の座標位置を、特定するために必要な情報を、3本のループコイルJ3並びにJ2及びJ4から得られる検出出力V3並びにV2及びV4によって表現することが必要であることから、(7)式の未知数a及びbを両側の2本のループコイルJ2及びJ4の条件から求めれば良い。
【0084】
そこで中心位置のループコイルJ3を両側から挟む2本のループコイルJ2及びJ4に対応する2次方程式
【0085】
【数8】
【0086】
【数9】
【0087】
について、未知数a及びbを求める。
【0088】
ここで、中心にあるループコイルJ3を基準に考えると、X軸ループコイル板部11上においてX座標値が大きい右側のループコイルJ4については、中心にあるループコイルJ3を基準にして正方向に平行移動したものと考えることができるので、次式
【0089】
【数10】
【0090】
の2次方程式が成り立つのに対して、X座標値が小さい左側のループコイルJ2については中心にあるループコイルJ3を基準にして負方向に平行移動したものと考えることができるので、次式
【0091】
【数11】
【0092】
の2次方程式が成り立つ。
【0093】
そこで(10)式の両辺から(11)式の両辺を互いに減算すると、次式
【0094】
【数12】
【0095】
の関係があることが分かる。
【0096】
この(12)式の関係から未知数bを求めれば、
【0097】
【数13】
【0098】
のように、両側のループコイルJ2及びJ4から得られる検出信号値V2及びV4によって求めることができる。
【0099】
このとき3本のループコイルJ3並びにJ2及びJ4のコイル幅の中心位置の座標x3並びにx2及びx4は、xが可変であるのに対して、固定値であるから、次式
【0100】
【数14】
【0101】
【数15】
【0102】
【数16】
【0103】
のように、中心のループコイルJ3の座標がx=0で、左及び右側のループコイルJ2及びJ4の中心座標がx=−1及びx=1である場合にも、それぞれの2次方程式が成り立つ。
【0104】
そこで、中心のループコイルJ3についての次式
【0105】
【数17】
【0106】
についてx=0を代入すると、
【0107】
【数18】
【0108】
の計算の結果、
【0109】
【数19】
【0110】
のように、y3(=V3)は、未知数cであることが分かる。
【0111】
上述の(2)式〜(19)式についての式の解析によって、3本のループコイルJ3並びにJ2及びJ4から得られる位置検出信号値V3並びにV2及びV4が2次関数に近似した変化を呈することを利用して、指定位置検出波形W0を表す2次関数の未知数b及びcが検出信号値V3並びにV2及びV4によって表し得ることが分る。
【0112】
ここで変数xは、ループコイルJ3並びにJ2及びJ4についての座標値に対応するが、これは同時に中心となるループコイルJ3と両側のループコイルJ2及びJ4との間のコイルピッチK1、K2及びK3(図4(A))の距離K01を表している。
【0113】
この観点から、上記(9)式を用いて、当該コイルピッチK01から未知数aを求める。
【0114】
すなわち、(13)式から求めた未知数bと、(19)式から求めた未知数cを、上記(9)式に代入して、次式
【0115】
【数20】
【0116】
を得、当該(20)式から次式
【0117】
【数21】
【0118】
によって未知数aを含む関係式を抽出し、この(21)式から
【0119】
【数22】
【0120】
のように未知数aを求める。
【0121】
かくして上記(6)式において求めたxy座標系の頂点座標値(p、q)の未知数a、b及びcを全て特定できたことにより、x座標値pは、
【0122】
【数23】
【0123】
によって、指定位置検出波形W0を表するXY座標系の頂点におけるX座標を
【0124】
【数24】
【0125】
として求めることができ、これを整理すると
【0126】
【数25】
【0127】
となる。
【0128】
この(25)式は、上記(1)式の第1項で表わされるように、3本のループコイルJ3並びにJ2及びJ4の検出出力V3並びにV2及びV4によって、中心となるループコイルJ3のコイル幅の中心座標からの座標ずれを表す補間演算値を表すことになる。
【0129】
以上の構成によれば、3本のループコイルJ3並びにJ2及びJ4の検出出力V3並びにV2及びV4を用いて、指定位置検出波形W0のX方向の頂点座標を、位置指定具5によって指定された位置として求めることができ、かくして指定位置検出部4のタブレット表示板部3について、内側領域内のループコイルに対して位置指定具5が指定された場合に、これを確実に補間して検出することができる。
【0130】
(5−2)実施例
図6の内側領域の補間演算の場合、ループコイルJ2、J3及びJ4のコイル番号が3、4及び5で、コイルピッチがK23=K34(=K01)=700、検出出力V2、V3及びV4が150、200及び100の場合に、指定位置検出波形W0の頂点Pの座標値pは
【0131】
【数26】
【0132】
のように中心のループコイルJ3(コイル番号=4)を中心としてコイルピッチK01=7.00[mm]の位置にある両側のループコイルJ2(コイル番号=3)及びJ4(コイル番号=5)の検出出力V3(=200)並びにV2(=150)及びV4(=100)を代入することによって頂点Pの座標値pが求められる。
【0133】
この場合の頂点Pの座標値p(=2450)は、中心のループコイルJ3の中心座標値として(26)式の第2項の値(2800)より小さい値になるので、座標が中心のループコイルJ3の中心座標から左側(内側領域側)にずれていることが分かり、そのずれ量は(26)式の第1項の値(=−52500÷150)によって知ることができる。
【0134】
(6)端縁部領域の補間演算
(6−1)実施の形態
端縁部領域の補間演算は、図4(A)について上述したように、内側領域について互いに等しいコイルピッチK1、K2については互いに等しいコイルピッチK01で配設するのに対して、図4(B)に示すように、内側領域を囲む端縁部領域に配設されるループコイルJ4と内側に隣接する、内側領域の最外側のループコイルJ3との間のコイルピッチK3を内側領域のコイルピッチK01より小さい値K3=K02に選定する。
【0135】
この結果、内側領域の最外側のループコイルJ3から得られる検出出力V4は、図5(B)に示すように、内側領域のループコイルJ1、J2及びJ3の検出出力信号V1、V2及びV3と相似形のレベル分布を有するので、端縁部領域のループコイルJ4とその内側に隣接するループコイルJ3の2本のループコイルを用いて位置指定具5によって指定された座標位置について、当該2本のループコイルJ4及びJ3から得られる検出出力V4及びV3によって端縁部領域の指定位置の補間演算を行う。
【0136】
この場合、図8に示すように、端縁部領域のループコイルJ4から検出出力信号V4が得られると共に、その内側に配設された内側領域のループコイルJ3及びJ2から得られる検出出力信号V3及びV2によって想定される、指定位置検出波形W0の頂点座標値(p、q)を補間演算によって求める。
【0137】
この場合、位置指定具5による指定位置は端縁部領域のループコイルJ4位置を指定しているので、その検出出力信号V4の信号レベルは、内側に隣接する内側領域のループコイルJ3の検出出力信号V3より大きくなるので、当該大きいループコイルJ4の検出信号V4により補間演算をすれば補間精度が高い補間結果が得られる。
【0138】
そこで、指定位置検出波形W0の頂点座標値pを次式
【0139】
【数27】
【0140】
によって補間演算することにより、位置指定具5による指定位置の検出精度を高めるようにする。
【0141】
(27)式において、第1項は有効な検出出力が得られる端縁部領域の基準のループコイルJ4から頂点座標値pまでの座標ずれ値を表すと共に、第2項ループコイルJ4のX軸ループコイル板部11上の座標値を表す。
【0142】
(27)式は、図9の信号波形V1〜V4によって示される実測信号波形V1〜V4の実測値に基づいて構成される。
【0143】
図9の信号波形V1〜V4は、X軸ループコイル板部11の端縁部領域のループコイルJ4と隣接する内側領域のループコイルJ1〜J3について、位置指定具5を実測座標位置1〜29に順次実験的に位置決めしたとき、位置検出信号出力部14(図2)から得られる位置検出出力信号S6の検出出力値を示したもので、内側領域のループコイルJ1及びJ2間、並びにJ2及びJ3間のコイルピッチK12並びにK23の値を等しい値K01に選定すると共に、内側領域の最外側のループコイルJ3と端縁部領域のループコイルJ4との間のコイルピッチK34を、内側領域のコイルピッチK01より小さい値(例えば1/3程度に)K11に選定する。
【0144】
この実測信号波形はコイル幅の中心位置において最大となり、隣のループコイルの検出出力と交わる範囲で山型の波形を順次連ねていくようになる。
【0145】
従って各波形についてピーク位置を検出すれば、各ループコイルJ1、J2、J3及びJ4のコイル幅の中心位置の座標を位置指定具5が指定したことが分かり、当該1つのピーク位置から隣のピーク位置までの間隔がコイルピッチであることが分かる。
【0146】
図9の実測信号波形V1〜V4のうち、特に端縁部領域に配設されたループコイルJ4と内側領域の最外側に配設されたループコイルJ3との間のコイルピッチK34(=K11)を、内側領域に配設されているループコイルJ3、J2及びJ1間のコイルピッチK3及びK34(=K01)より小さい値に選定した条件の下に、上述の(27)式によって頂点座標値pを求めれば、当該頂点座標値pは図8の指定位置検出波形W0の頂点座標値(p、q)を補間演算することができる。
【0147】
この頂点座標値(p、q)は端縁部領域に配設されているループコイルJ4が、その内側の内側領域に配設されているループコイルJ3の検出出力V4より大きい値をもっていることにより、当該端縁部領域に配設されたループコイルJ4の検出出力が有効範囲にあることになり、有効性の高い頂点座標値を補間することができ、かくしてX軸ループコイル板部11の指定位置検出範囲を内側領域から、これを囲む端縁部領域にまで拡大できたことを意味する。
【0148】
ここで、(27)式の実測値に基づく補間演算式の構成は、(1)式について上述した内側領域における3本のループコイルにおける近似換算による補間演算式と同じであり、当該(1)式は基準ループコイルを含むループコイルの検出出力及び指定位置検出波形W0が2次関数に近似するところから、2次関数の未知数をX軸ループコイル板部11のループコイルの設置条件に基づいて換算する近似演算式であるので、頂点座標の換算結果の精度は高いものと評価できる。
【0149】
これに対して、(27)式の換算式は、式の構成は2次関数の近似演算式と同様であるが、当該(27)式は予めX軸ループコイル板部11において実測値として得た図5(B)の検出出力信号に基づいて定義したもので、その換算結果の精度も実測値に適合するように高いと言い得る。
【0150】
(6−2)実施例
図8の2本のループコイルを用いた端縁部領域についての補間演算の実施例として、ループコイルJ2、J3及びJ4の検出出力レベルが50、150及び200であって、端縁部領域のループコイルJ4のコイル番号が9であり、かつループコイルJ4とその内側の内側領域のループコイルJ3との間のコイルピッチK34(=K11)が5.00[mm]であり、かつ当該内側のループコイルJ3とこれに隣接する内側のループコイルJ2との間のコイルピッチK23(=K01)が7.00[mm]であったとき、頂点座標値pは次式
【0151】
【数28】
【0152】
のように616.5の座標位置であることを検出できることになる。
【0153】
因に、端縁部領域のループコイルJ4の検出出力V4と、内側領域のループコイルJ3の検出出力V3とが等しいときは、位置指定具5による指定位置はループコイルJ4の中心座標値と演算するのに対して、検出出力V4がV3より小さいとき又は大きいときは、位置指定具5による指定位置はループコイルJ4の内側又は外側の座標値と演算する。
【0154】
(7)補間演算式の補正
上述のように、(27)式を用いれば、実測値に基づいて特定された補間演算式に基づいてX軸ループコイル板部11の端縁部領域に配設されたループコイルから有効範囲の検出出力信号を得ることができることにより、当該端縁部領域の内側に形成された内側領域において隣接するループコイルの検出出力を用いて位置指定具5が端縁部領域を指定した場合においても、補間演算を実行することにより、高い精度で指定位置の検出をすることができる。
【0155】
ところでこのような端縁部領域についての補間演算をするとき、当該(27)式において用いられている端縁部領域のループコイルJ4とその内側に配設された内側領域のループコイルJ3との間のコイルピッチK34を(=K11)について、その値を図10の曲線C1又はC2に示すように、大又は小の値に異ならせた場合には、補間演算した座標計算値が座標計算有効範囲VLXにおいて直線的に変化する結果になるため、上記(27)式に対して、次式
【0156】
【数29】
【0157】
のように補正係数H1によって補正演算座標値を補正すれば、さらに補正演算値の精度を高めることができる。
【0158】
図9について上述した実測信号波形V4(端縁部領域のループコイルJ4から得られる検出出力V4)について、実測座標値1〜17までを抜き取って図10において線で示すと、当該検出出力V4の波形のうち、有効レベルVAL1として2000以上の範囲Qを考えると、コイルピッチK11が大きい値=K11Aをもつ場合の座標計算曲線C1に対して、コイルピッチK11が小さい値K11Bをもつ場合の座標計算曲線C2を比較すると、座標計算の有効範囲Qに対応する両曲線はほぼリニアな関係で低下していき、実測座標値16及び17間(これは検出出力V4及びV3が交差する点、すなわち、座標計算有効範囲VLXの下限に相当する位置まで異なる傾斜で直線的に低下する。
【0159】
従って、実際上選定したコイルピッチK11A及びK11Bによって、2本による座標計算値を例えば当該直線的な傾斜の比率に基づいて補正すれば、2本による座標計算値の結果に対する影響を補正することができる。
【0160】
このコイルピッチK11A及びK11Bの補正の効果は、図11(A)及び(B)に示すように、端縁部領域に配設されたループコイルJ4と、その内側に配設されたループコイルJ3との間のコイルピッチK34(K=11)が大きい場合(図11(A))場合は、両者の検出出力V4及びV3が交差する実測座標位置P1から内側のループコイルJ3の検出出力V4が有効レベルVL2より低下するまでの演算有効範囲Q1が、図11(B)に示すように、コイルピッチK34(K=11)の値が小さい場合の有効範囲Q2とを比較すると、コイルピッチK34(=K11)が小さい場合のQ2の範囲が広くなる。
【0161】
この結果として、コイルピッチK34(=K11)が小さい場合の方が有効範囲Q2が広く、この方が実測座標位置がよりX軸ループコイル板部11の端の位置まで有効座標範囲が拡大することになる。
【0162】
このようにコイルピッチK34(=K11)の大小に応じて(29)式の補正係数H1を補正をすれば、補正演算範囲が端縁部領域の最外側の端の位置まで拡大するので補間演算の実効性が大きいことが分かる。
【0163】
尚、コイルピッチK34(=K11)が小さい場合の方が、端の位置まで有効座標範囲が拡大するのだが、コイルピッチが小さすぎても、補間計算の効果が薄れる。そこで、コイルピッチの限界値を、シミュレーションや実測でもって決定している。
【0164】
コイルピッチを小さくして有効座標範囲を拡大すると、タブレット表示板部3の外周縁部、つまりタブレットの表示領域を広げる効果と共に、ループコイルの外縁と表示領域との間の無効領域を狭めることができるので、ループコイルをタブレットの表示領域内により収める効果が期待できる。従来の技術では、座標精度を保つ為には、ループコイルをタブレットの表示領域からはみ出す必要があり、タブレット表示板部3の外周縁部に額縁が必要であった。本技術を用いれば、狭い額縁や額縁のない特徴を持つタブレットを構成できる。
【0165】
ここで図14を用いて、狭い額縁や額縁のない特徴を持つタブレットを構成できる根拠を示す。図14(A)は従来技術の場合であり、図14(B)は本発明の実施の形態の場合である。本図では、X軸のループコイルの一方の外端縁部を示しているが、他の外端縁部、Y軸のループコイルも同じである。
【0166】
図14(A)のコイル配置図では、X軸のループコイルJ11からJ13のそれぞれの検出信号がピークにくるループコイルの中心部をP11からP13で示している。各ループコイルの検出信号は、中段の検出出力信号図のV11からV13で示している。
【0167】
ここで、座標値を計算するには、少なくとも2つのループコイルからの検出出力信号を有効レベルVL2以上の検出値で得る必要があるため、端から2番目の検出出力V12が、有効レベルVL2以上である有効領域VAL1が、座標計算できる限界である。
【0168】
一方、有効領域VAL1より外側であり、コイルの外側G1との間に、無効領域UN1が存在する。無効領域UN1では、タブレット表示板部3では、表示領域15として使えず、ループコイルを装置に収める必要があるので、額縁16となる。
【0169】
図14(B)のコイル配置図では、X軸のループコイルJ21からJ24のそれぞれの検出信号がピークにくるループコイルの中心部をP21からP24で示している。各ループコイルの検出信号は、中段の検出出力信号図のV21からV24で示している。
【0170】
ここで、座標値を計算するには、少なくとも2つのループコイルからの検出出力信号を有効レベルVL2以上の検出値で得る必要があるため、端から2番目の検出出力V23が、有効レベルVL2以上である有効領域VAL2が、座標計算できる限界である。
【0171】
一方、有効領域VAL2より外側であり、コイルの外側G2との間に、無効領域UN2が存在する。無効領域UN2では、タブレット表示板部3では、表示領域15として使えず、ループコイルを装置に収める必要があるので、額縁16となる。
【0172】
ここで、図14(A)の従来の実施例及び図14(B)の本発明の実施の形態の無効領域UN1及び無効領域UN2の幅を比べて明らかの様に、図14(B)の無効領域UN2の方が幅が狭いことがわかる。更には、コイルピッチ及び有効レベルVL2を低く設定すれば、額縁16をなくし、表示領域内にループコイルを収めることも可能である。よって、狭い額縁や額縁のない特徴を持つタブレットを構成できることが明らかである。
【0173】
(8)作用効果
上述のX軸ループコイル板部11の構成について上述した事項はY軸ループコイル板部12についても同様であり、その内側領域について、3本のループコイルを用いて位置指定具5の指定位置について頂点座標値(p、q)の補間演算を実行すると共に、内側領域の外側を囲む端縁部領域に配設したループコイルJ4について、内側領域に配設したループコイルJ3との間のコイルピッチK34(=K11)を内側領域のループコイルJ3及びJ2、J2及びJ1間のコイルピッチK32、K21(=K01)より小さい値に選定したことにより、位置指定具5による指定位置を内側領域ばかりではなく端縁部領域についても高い精度で指定位置の検出をすることができる。
【0174】
(9)他の実施の形態
(9−1)端縁部領域に設けた動作切換スイッチの操作
X軸ループコイル板部11の内側領域に配設されたループコイルの周囲を囲む端縁部領域について、上述の実施の形態においては当該端縁部領域を位置指定具5が指定した場合にも、内側領域のループコイルの座標位置補間機能を利用して高い精度で当該指定位置を検出するようにしたが、これに加えて当該端縁部領域に、タブレット表示板部3を利用して情報処理装置1の処理動作を切り換えるための動作切換スイッチを設けたとき、当該動作切換スイッチを検出できるようにする。
【0175】
(9−1−1)拡大した座標有効エリアの活用
図12には、上述の2本のループコイルにより端縁部領域に拡大された有効領域について、タブレット表示板部3の内側領域を囲む端縁部領域に、情報処理装置1に配する操作入力を入力できるタッチボタン指定操作に利用できるようにした変形例を示す。
【0176】
この場合図12(A)に示すように、3本のループコイルにより座標の指定をし得る有効領域VAL1の外側に、2本のループコイルにより座標位置を指定できるように拡大された有効領域VAL2をもつことを利用して、当該拡大された有効領域VAL2に対して図12(B)に示すようにタッチボタン表示DISの3つのタッチボタン座標位置TB1、TB2及びTB3を位置指定具5によって指定したとき、中央処理ユニット2は当該座標検出位置情報に基づいて、情報処理装置1にタッチボタン操作入力が入力されたものとして座標位置の検出を行う。
【0177】
この実施の形態の場合、タッチボタン表示DISを形成する3つのタッチボタンB1、B2及びB3のどれが位置指定具5によって指定されたか否かの検出は、X軸ループコイル板部11に重複するように形成されているY軸ループコイル板部12のループコイルから得られる検出出力信号によって特定する。そして、位置指定具の操作によって、タップ動作やスイッチ動作を行うことで、タッチボタンをタッチしたとする。
【0178】
かくして、従来タブレット表示板部3の外周縁部が利用できない装飾的な部位であると考えられていた表示領域について、2本のループコイルによる補間演算によって、位置指定具5の指定位置の検出をすることができるようにしたことを利用して、これを情報処理装置1に対するタッチボタン操作入力を検出できるような情報処理装置1を実現できる。
【0179】
(9−1−2)タッチボタン検出用のループコイル
図13は、タッチボタン検出用のループコイルJ5を端縁部領域の外に設けた場合の実施の形態を示すもので、タッチボタンがタブレット表示板部3の外周縁部の離れた位置に配置されている場合の実施例を示している。図12(A)の場合は、端縁部領域を、2本のループコイルのうち最外側のループコイルJ4によってタッチボタン表示DISについての指定座標を補間演算により検出するようにしたが、図13(A)の場合は、最外側のループコイルJ4の外側にタッチボタン検出専用のループコイルJ5を設け、これにより2本のループコイルJ3及びJ4によって拡大された有効領域VAL2の外側にさらにタッチボタン専用の有効領域VAL3を形成する。
【0180】
当該タッチボタン専用のループコイルJ5は、タブレット表示板部3の外枠部に相当する端縁部領域に表示されているタッチボタン表示DISを位置指定具5が指定したとき、検出出力を中央処理ユニット2に送出し、これによりタッチボタン表示DISを位置指定具5が指定したこと中央処理ユニット2に知らせる。
【0181】
この実施の形態の場合、タッチボタン表示DISを形成する3つのタッチボタンB1、B2及びB3のどれが位置指定具5によって指定されたか否かの検出は、タッチボタン検出専用のループコイルJ5の信号レベルが一定以上に達している時に、X軸ループコイル板部11に重複するように形成されているY軸ループコイル板部12のループコイルから得られる検出出力信号によって特定する。そして、位置指定具の操作によって、タップ動作やスイッチ動作を行うことで、タッチボタンをタッチしたとする。
【0182】
図13の構成によれば、中央部領域の3本のループコイルによる有効領域VAL1の外側に、2本のループコイルによる拡大された有効領域VAL2と、その外側にさらにタッチボタン専用のループコイルによる有効領域VAL3とが形成されることにより、タブレット表示板部3の外枠の位置まで位置指定具5が指定できる情報処理装置を実現できる。
【0183】
(9−2)上述の実施の形態においては、X軸ループコイル板部11及びY軸ループコイル板部12におけるループコイルの接続関係を固定にしたことにより、ループコイルのコイル幅およびコイルピッチを固定的に特定しているが、これに代え、ループコイルの接続関係を変更することができるようなX軸ループコイル板部およびY軸ループコイル板部を採用すれば、さらに座標補間精度を高めるようにすることができる。
【0184】
因みに、X軸ループコイル板部及びY軸ループコイル板部のループコイルの接続の変更については、先行技術として、PCT/JP2013/007081の図3において、X軸線板部及びY軸線板部についてX軸線及びY軸線の接続関係を変更する構成が示されており、この構成を用いて2本のループコイルのコイルピッチを、図10について上述した事項を適用することにより変更すれば、補間演算の結果得られる座標指定精度を一段と高めることができる。
【0185】
(9−3)上述の実施の形態においては、ループコイルのターン数を1ターンとした場合について述べたが、これに限らずターン数を増加させても、上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0186】
(9−4)上述の実施の形態においては、ループコイルのコイル幅を等しくした場合について述べたが、これに限らずループコイルの幅を変化させても、上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0187】
本発明は操作パネル表示面から指定した位置の位置情報を得る場合に利用できる。
【符号の説明】
【0188】
1……情報処理装置、2……中央処理ユニット、3……タブレット表示板部、4……指定位置検出部、5……位置指定具、6……指定位置検出制御部、11……X軸ループコイル板部、12……Y軸ループコイル板部、13……駆動信号入力部、14……位置検出信号出力部、21Y1〜21YM……駆動入力スイッチ、22……パルス駆動スイッチ、25……入力側共振用コンデンサ、31……出力側共振用コンデンサ、32……出力用差動増幅回路、33X1〜33XN……位置検出出力スイッチ、37……同期検波回路、41……同調用コイル、42……同調用コンデンサ、X1〜XN……X軸ループコイル、Y1〜YM……Y軸ループコイル。
【要約】
座標指定結果の精度を向上させようとする。
内側領域を囲む端縁部領域を有する座標位置指定面3のうち、端縁部領域の第1のループコイルJ4及び隣接する内側領域の第2のループコイルJ3の検出出力V4及びV3と、当該第1及び第2のループコイルJ4及びJ3間のコイルピッチK02とによって、第1のループコイルJ4から指定座標検出出力W0の頂点座標値pまでの座標ずれを検出するようにしたことにより、位置指定具5による指定位置座標を端縁部領域まで高い精度で拡大できる指定位置検出装置を実現できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14