特許第5662008号(P5662008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5662008
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】負荷への電力供給の制御システム
(51)【国際特許分類】
   H02P 27/06 20060101AFI20150108BHJP
   H02P 5/74 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
   H02P7/63 302Z
   H02P7/74 G
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2009-95946(P2009-95946)
(22)【出願日】2009年4月10日
(65)【公開番号】特開2010-252411(P2010-252411A)
(43)【公開日】2010年11月4日
【審査請求日】2012年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000202420
【氏名又は名称】草津電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094248
【弁理士】
【氏名又は名称】楠本 高義
(74)【代理人】
【識別番号】100129207
【弁理士】
【氏名又は名称】中越 貴宣
(72)【発明者】
【氏名】下村 徹
(72)【発明者】
【氏名】北村 愼悟
【審査官】 高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−019150(JP,A)
【文献】 特開2003−319693(JP,A)
【文献】 特開平11−149308(JP,A)
【文献】 特開2005−218240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 27/06
H02P 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷に対する電力供給を制御する制御システムであって、
電力線と、
前記電力線に接続され、負荷に電力を供給しながら負荷の駆動を制御するドライバ回路と、
前記電力線を介してドライバ回路に負荷の駆動の指令データを送る指令器と、
前記電力線に接続され、指令データの内容に応じて極性反転するパルスを生成する回路と、
を備え、
前記ドライバ回路が、
複数のスイッチング素子を備えたインバータ回路と、
および前記指令器からの指令データに応じて、スイッチング素子のスイッチングを制御するコントローラと、
前記インバータ回路およびコントローラに直流電圧を供給するための整流回路と、
を備え、
前記整流回路よりも指令器側から分圧抵抗を介してコントローラにパルスを供給する制御システム。
【請求項2】
1つの前記指令器に対して電力線が複数に分岐されることによって前記負荷およびドライバ回路が複数であり、ドライバ回路ごとにアドレスを設け、指令データにアドレスのデータを含めることによって、動作を制御する負荷を判別する請求項1の制御システム。
【請求項3】
前記分圧抵抗が指令データの検出回路として機能する請求項1または2の制御システム。
【請求項4】
前記パルスを生成する回路が、複数のスイッチを備えたHブリッジ型のインバータ回路を含む請求項1から3のいずれかの制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータをはじめとした負荷への電力供給を制御する制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機やプラントなどの装置にモータが使用されている(非特許文献1参照)。図5に示すように、モータ14の動作を制御するために、制御システム50には、ドライバ回路16bおよび指令器18が使用される。ドライバ回路16bは、交流電源から直流電源を生成する整流回路26および平滑コンデンサC1と、モータ14に交流電流を供給するインバータ回路22と、インバータ回路22のスイッチングを制御するコントローラ24とを備える。指令器18がコントローラ24にスイッチングのタイミングの指令データを送信し、コントローラ24が指令データにしたがってインバータ回路22のスイッチングを制御することにより、所定のタイミングで交流電流がモータ14に供給される。
【0003】
モータ14の数が増加するとドライバ回路16bの数も増加する。指令器18から各ドライバ回路16bに接続する必要があり、配線数が増加する。モータ14およびその周辺回路の設置と保守の負担が大きくなる。下記の特許文献1であれば、モータに対して専用の配線を使用して指令を送っているため、設置や保守の負担が大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献1】http://www.hitachi-ies.co.jp/products/motion/ad/ada_sc.htm
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、設置や保守が容易な負荷の制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の負荷の制御システムは、電力線と、前記電力線に接続され、負荷に電力を供給しながら負荷の駆動を制御するドライバ回路と、前記電力線を介してドライバ回路に負荷の駆動の指令データを送る指令器とを備える。
【0007】
本発明の制御システムは、指令器から電力線を介してドライバ回路に指令データを送信する。指令器とドライバ回路との間に専用の配線を設けない。
【0008】
前記ドライバ回路が、複数のスイッチング素子を備えたインバータ回路と、前記指令器からの指データに応じて、スイッチング素子のスイッチングを制御するコントローラとを備える。
【0009】
前記電力線に接続され、指令データの内容に応じて極性反転するパルスを生成する回路を備える。前記パルスは、調歩同期式を利用したり、指令データに応じてパルス幅を異ならせる。
【0010】
前記ドライバ回路は、インバータ回路およびコントローラに直流電圧を供給するための整流回路を備え、整流回路よりも指令器側からコントローラにパルスを供給する。
【0011】
1つの前記指令器に対して電力線が複数に分岐されることによって前記負荷およびドライバ回路が複数であり、ドライバ回路ごとにアドレスを設け、パルスにアドレスのデータを含めることによって、動作を制御するモータを判別する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、負荷に電力を供給するための電力線を指令データの送信に使用するため、設置や保守が容易になる。負荷の設置台数が増加すればするほど、従来と比べて設置や保守の負担の差が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の負荷の制御システムの構成を示す図である。
図2】指令データをパルスに変換した一例を示す図である。
図3】制御システムに使用されるパルス生成回路の一例を示す図である。
図4】複数の負荷に本発明の制御システムを適用した図である。
図5】従来の負荷の制御システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の負荷の制御システムについて図面を使用して説明する。負荷としてはモータを使用して説明するが、モータに限定されることはない。
【0015】
図1の制御システム10は、電力線12と、モータ14の駆動を直接制御するドライバ回路16と、ドライバ回路16にモータ14の駆動の指令データを送る指令器18とを備える。
【0016】
電力線12は電源20からの電力や指令データの伝送に使用される。従来、電力線12はモータ14やドライバ回路16への電力供給にのみ使用されていたが、本発明では指令データの伝送にも使用する。
【0017】
ドライバ回路16は、モータ14に電力を供給しながらモータ14の駆動を制御するものである。ドライバ回路16には、複数のスイッチング素子を備えたインバータ回路22と、スイッチング素子のスイッチングを制御するコントローラ24とを備えている。スイッチング素子に対するスイッチングのタイミングを制御することによって、出力される交流電圧のタイミングが制御され、モータ14の駆動を制御される。コントローラ24としては、マイコンなどが挙げられる。
【0018】
また、ドライバ回路16はインバータ回路22やコントローラ24に直流電圧を供給するために、インバータ回路22とコントローラ24の前段に整流回路26を備える。整流回路26は複数のダイオードを用いたものである。整流回路26によって直流化された電圧のリップルを取り除くために、整流回路26の後段に平滑コンデンサC1を備える。必要に応じて整流回路26とコントローラ24の間にDC/DCコンバータを設けて、コントローラ24を駆動させる所望の電圧に変換する構成であってもよい。
【0019】
指令器18は、モータ14を所定の回転数などで駆動させるために指令データを生成する装置である。指令器18としては、コンピュータが挙げられ、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれら両方によって指令データを生成する。
【0020】
指令データを伝送するために、電力線12の途中に、指令データの内容に応じてパルスを生成するパルス生成回路28を設ける。パルス生成回路28は、電源20から出力された交流電圧を極性の反転するパルスに変換する。パルスの種類としては、例えば、スタートビット、モータ14の回転数などの情報を含むデータビット(通常8ビットで必要に応じてパリティビットを含む)、ストップビットで構成される調歩同期式が挙げられる(図2)。情報に応じて適宜データ数を設定する。また、他の方式として、パルス幅に応じてモータ14の回転数を変更するようにしてもよい。
【0021】
パルス生成回路28の構成は、交流電源20の出力を直流化するための整流平滑回路30と、パルスを生成するHブリッジ型のインバータ回路32とを備える(図3)。Hブリッジ型のインバータ回路32は複数のスイッチSW1〜SW4を有しており、指令器18が直接または間接的にスイッチSW1〜SW4のスイッチングを制御することによってパルスが生成できる。スイッチSW1とSW4をペアとし、スイッチSW2とSW3をペアにオン・オフを制御することによって、極性(プラス電位とマイナス電位)の反転するパルスが生成できる。スイッチSW1〜SW4としては、トランジスタなどが挙げられる。パルスの極性が反転しているため、整流回路26や平滑コンデンサC1は従来と同じものが使用できる。高性能なICを使用せず、単純な回路で簡単に構成できる。
【0022】
なお、交流電源20を使用したため、パルス生成回路28に整流平滑回路30を使用したが、直流電源であれば整流平滑回路30はのぞかれる。
【0023】
指令データとなったパルスをコントローラ24に入力する必要がある。このとき、整流回路26を介してしまうとパルスが直流化されるため、コントローラ24に指令データを入力することはできない。そこで、整流回路26よりもパルス生成回路28側からコントローラ24にパルスを入力する。パルスの電位を調節するため、分圧抵抗R1,R2を介してコントローラ24にパルスを入力する。分圧抵抗R1,R2が指令データの検出回路の機能を有しており、高性能で高周波駆動のICを必要とせず、単純な回路で指令データを検出できる。
【0024】
なお、制御システム10の起動と同時に指令データを送信するとコントローラ24への電力供給と指令データの入力がほぼ同時になる。制御が不安定になるおそれがあるため、起動直後は電力供給のみにするのが好ましい。
【0025】
制御システム10の動作は、(1)指令器18から指令データをパルス生成回路28に送信する。(2)パルス生成回路28は指令データに応じたパルスを生成し、電力線12を介してドライバ回路16に送信する。パルスはコントローラ24に指令データとして入力され、かつ、整流回路26で直流化されて使用される。(3)コントローラ24は指令データに基づいてインバータ回路22のスイッチングを制御する。スイッチングによってモータ14に対して指令データに基づいた電力供給ができる。
【0026】
また、モータ14を複数台設置する場合に、1つの電源20から複数の電力線12に分岐させる場合がある(図4)。この場合、電力線12の分岐点よりも電源20側にパルス生成回路28と指令器18とを設ける。ドライバ回路16に備えられるコントローラ24ごとにアドレスを設け、指令データの内容にアドレスを含める。全てのコントローラ24に指令データが送信されるが、コントローラ24は自己のアドレスを含む指令データのみを実行する。
【0027】
以上のように、本発明の制御システム10は、指令器18とドライバ回路16のコントローラ24とを接続するための専用の配線がないため設置および保守の負担が小さい。モータ14の設置台数が増加すればするほど、従来との設置および保守の負担の差が大きくなる。また、回路構成は、従来と比較して電力線12を使用した伝送をおこなうための回路が増加するだけであり、回路の複雑化はほとんどない。
【0028】
以上、本発明について実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、ドライバ回路16が、照明器具の点灯回路に利用されたり、誘導加熱用の高周波電力発生装置に利用されたりする場合、モータ14の代わりに蛍光灯や誘導加熱用コイルになる。
【0029】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【符号の説明】
【0030】
10:制御システム
12:電源線
14:モータ(負荷)
16:ドライバ回路
18:指令器
20:電源
22:インバータ回路
24:コントローラ
26:整流回路
28:パルス生成回路
30:整流平滑回路
32:Hブリッジ型インバータ回路
C1:平滑コンデンサ
R1,R2:分圧抵抗
SW1,SW2,SW3,SW4:スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5