【実施例】
【0035】
以下に本発明について図面をもとに説明するが、以下の説明は本発明の具体的な一実施例に基づく説明であって、本発明はこれに限定されるものではない。
また、本発明にあっては種々の変形が可能であって、かかる変形は、特許請求の範囲内に包含される変形である限り本発明の技術的範囲に包含されることに留意すべきである。
【0036】
図1に、本願発明が提供する、基本的態様である天面を開口部とする梱包箱内10に配置され、その内部に梱包される製品50を収納する内装箱構造体20について、製品50を収納した状態で梱包箱内に配置され、その一つの内装箱構造体20が梱包箱10から取り出された状態の概略斜視図を示した。
なお、図中では、荷崩れ防止リップは図示していない。
【0037】
本発明の内装箱構造体20は、その一側面が開放された直方体状の箱体からなっており、該直方体状の箱体の
開放面を側面として梱包箱10内に配置したとき生じる天面40に、当該内装箱構造体20を梱包箱10から引き出す際の掴み部分として、手穴または切り込み部22が設けられており、この手穴または切り込み部22により、製品50を収納した内装箱構造体20を梱包箱10より容易に引き出すことが可能となる。
さらに、天面40には取り出し方向23を表記してあり、これにより、製品50を内装箱構造体20のどちら側から取り出すかが一目瞭然として判明し、内装箱構造体20を引き出す際、予想外の方向から製品が出ることを防止できる。
なお、本例においては、梱包箱10内に内装箱構造体20が4個並べて配置されているが、製品50の大きさ、並びに梱包箱10の大きさ等によりその個数は適宜変更されることはいうまでもない。
【0038】
これにより、以下のような作用を有する。
(1)
図2は、上記で梱包箱内に収納した製品を取り出す場合の梱包箱に配置した内装箱構造体20を矢印A方向に引き出し、製品50を矢印B方向に取り出す状態の部分斜視図である。
なお、図中の符号は
図1と同様である。
図中に示すように、収納した製品50を、手に持てる可能な複数個の数量を容易に、そして素早く取り出すことができる。
(2)また、製品50の取り出しの際に、内装箱構造体20を少し傾けることにより、収納された製品50が自然に引き出され、強引に取り出す必要がないので、内容物の品質を低下させることはない。
【0039】
図3に、本発明の内装箱構造体20の内部に、さらに間仕切り30を備え、製品50を収納した状態の概略断面図を示した。
なお、図中、荷崩れ防止リップは図示していない。
例えば、製品50が積載荷重に対してデリケートな場合や、取り出す数量が毎回決まっている場合等にあっては、
図3が示すような間仕切り30を内装箱構造体20の内部に設け、個々の製品50に掛かる積載荷重を軽減させることができる。
この間仕切り30は、例えば、
図4に示すように製品の必要数量(図中にあっては3個)毎に間仕切りするよう設けることができ、段数分を引き出すだけで正確に、そして素早く製品を取り出すことができる。
【0040】
図5に、本発明の内装箱構造体20または間仕切り30に、荷崩れ防止リップを備え、製品50を収納した状態の概略断面図を示した。
図中、21は、内装箱構造体20に備えた荷崩れ防止リップであり、31は、間仕切り30に備えた荷崩れ防止リップである。
このような荷崩れ防止リップ21、31をそれぞれ備えることにより、製品50が滑り易い場合や不定形な軟包装材等で構成されている場合には、内装箱構造体20を梱包箱から引き出す際に、製品の荷崩れを起こすことなく、容易に、且つ素早く取り出すことができる。
【0041】
また、本発明にあっては、収納する製品が重量物である場合には、保管及び輸送時の梱包箱10の積み重ねを考慮し、圧縮強度の向上を図るため、
図6が示すような補強部材45を介して内装箱構造体20を梱包箱内に配置するのが好ましい(図中矢印方向)。
【0042】
以下に本発明について、具体的な実施の形態に基づき、図面を参照しながら、さらに詳細に説明する。
【0043】
[実施の形態1]
図7は、本発明の実施の形態1における梱包構造を示す梱包箱10内に内装箱構造体20を配置した状態の斜視図を示した。
本実施の形態1においては、梱包箱10は、K6×SCP125g×K6,A/Fのダンボールを素材としたA−1式輸送箱であり、当該梱包箱内に配置される内装箱構造体20は、C5×SCP160g×C5、B/Fのダンボールを素材としたワンタッチ式封緘部品の天面に掴み部分22と底面部に荷崩れ防止用リップ21を設けたものである。
この内装箱構造体20の内部には、内装箱構造体20を2個背中合わせで配置したものであるが、その内装箱構造体20の斜視図を
図8に示した。
内装箱構造体20には、内装箱構造体20と同じ材質でコの字の間仕切り30を付属部品内に備え、内装箱構造体20内部には、紙/Al/PEの積層フィルムで製袋したパップ剤55が下段に15袋、上段に10袋充填されている。
【0044】
以上のように構成された本実施の形態1の梱包形態について、以下その使用方法を説明する。
まず、内装箱構造体20の掴み部22を持ち、引き上げることで内部に収納した製品の取り出し口が現れ、そこから任意の製品を取り出す。
製品を大量に取り出す際は、更に内装箱構造体を引き上げるが、荷崩れ防止リップ付近で止めることで製品の荷崩れが防止されつつ容易に取り出せる。必要数量の製品を取り出した段階で内装箱構造体20を元に戻すことにより、残りの製品が荷崩れすることなく、梱包箱内に収納されることとなる。
【0045】
本発明の実施の形態1は、上記のように構成されていることにより、以下の作用を有する。
梱包箱10から引き出した内装箱構造体20に出現した取り出し口より、片手で容易にそして素早く製品であるパップ剤を取り出すことができる。
この時更に内装箱構造体20を取り出し口側に若干傾けることで、更に容易に製品であるパップ剤を取り出すことができる。この取り出し方は、製品(パップ剤)の荷崩れが生じさせず、また製品を強引に掴む必要も無いので、数量違いや内袋の傷又は破れを引き起こすことはなく、取り出し時の手指を負傷することもない。
したがって、本実施の形態においては、梱包箱10が本来必要な強度を有していながら、正確かつ速やかに収納した製品の取り出しを行えるものであり、収納した製品の品質や安全性にも配慮された梱包構造ということができる。
【0046】
[実施の形態2]
図9に、本発明の実施の形態2における梱包構造を示す梱包箱10に内装箱構造体20配置した状態の斜視図を示した。
本実施の形態2においては、梱包箱は、K6×SCP160g×K6,A/Fのダンボールを素材としたA−1式輸送箱である。
この梱包箱内には、内装箱構造体20が、それぞれ背中合わせに2個ずつ4個配置されており、内装箱構造体20は、C5×SCP160g×C5、B/Fのダンボールを素材としたワンタッチ式封緘部品の天面に掴み部分22と取り出し口表示23、底面部に荷崩れ防止用リップ21を設け、さらに内装箱構造体20と同じ材質で荷崩れ防止用リップ31が付いた間仕切り30を付属部品内に装填している。
このときの製品の包装強度は、梱包箱10のA/Fと内装箱構造体20のB/Fの二重構造となり、保管及び輸送に適した強度を有することになる。
図10に本実施の形態2で使用した内装箱構造体20の概略斜視図を示した。
図9においては、この内装箱構造体20内部に、セロハン/Al/PEの積層フィルムで製袋したプラスター剤が下段に25袋、上段に25袋充填され、4個の内装箱構造体20が、取り出し口表示が互いに梱包箱の内壁方向に向くように配置されている。
【0047】
[実施の形態3]
図11に、本発明の実施の形態3における梱包構造を示す梱包箱10内に内装箱構造体20を配置した状態の斜視図を示した。
本実施の形態3における梱包箱10は、KS×SCP125g×K6、B/Fのダンボールを素材としたラップラウンド式輸送箱であり、この梱包箱10内に補強部材45を介して本発明の内装箱構造体20が4個配置されている。
図12に、本実施の形態3における梱包箱内に配置する内装箱構造体20の概略斜視図を示した。
内装箱構造体20は、K6×SCP125g×K6、B/Fのダンボール素材からなり、天面に掴み部分22と取り出し口表示23を、さらに底面部に荷崩れ防止用リップ21を設けている。
本実施の形態3において、補強のために使用される補強部材45は、C5×SCP125g×C5、B/Fのダンボールを素材とした十字型の仕切りであり、この補強部材を装着することにより包装強度は梱包箱10のB/Fと内装箱構造体20のB/F及び補強部材B/Fの三重構造となり、保管及び輸送に適した強度を有することになる。
なお、本実施の形態3において、内装箱構造体20内部に、PET/Al/PEの積層フィルムで製袋したプラスター剤が50袋充填されており、4個の内装箱構造体20にあっては、それぞれの製品の取り出し口が互いに梱包箱本体の中央、すなわち十字仕切り側を向くように配置されている。
【0048】
以上のように構成された本実施の形態2並びに実施の形態3において、梱包箱内に収納した製品であるプラスター剤の取り出しに方法については実施の形態1と同様であり、したがって、梱包箱10から引き出した内装箱構造体20に出現した取り出し口より、片手で容易にそして素早く製品であるプラスター剤を取り出すことができる。
この時更に内装箱構造体20を取り出し口側に少し傾けることで、更に容易に製品であるプラスター剤が取り出すことができるため、荷崩れすることがなく、製品を強引に掴む必要も無いので、数量違いや内袋の傷又は破れを引き起こすことはなく、取り出し時の手指を負傷することもない。
すなわち、梱包箱10が本来必要な強度を有していながら、正確かつ速やかに収納した製品の取り出しを行えるものであり、収納した製品の品質や安全性にも配慮された梱包構造ということができる作用を発揮するのである。