(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5662017
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】プラスチックボトル
(51)【国際特許分類】
B65D 1/02 20060101AFI20150108BHJP
B65D 25/20 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
B65D1/02 221
B65D25/20 Q
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2009-278480(P2009-278480)
(22)【出願日】2009年12月8日
(65)【公開番号】特開2011-121597(P2011-121597A)
(43)【公開日】2011年6月23日
【審査請求日】2012年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】391026058
【氏名又は名称】ザ コカ・コーラ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Coca‐Cola Company
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(72)【発明者】
【氏名】松岡 建之
【審査官】
渋谷 善弘
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−011942(JP,A)
【文献】
特開2009−057082(JP,A)
【文献】
特開平11−348960(JP,A)
【文献】
特開平10−203521(JP,A)
【文献】
特開2009−096511(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0187354(US,A1)
【文献】
特開平9−272523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/02
B65D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計4つのコーナー部がそれぞれ円弧からなる方形の横断面からなる筒状の胴部を備えたプラスチックボトルにおいて、
前記胴部に周方向に凹みが連続するようにして形成された複数の連続溝と、
前記胴部に周方向に凹みが断続するようにして形成された少なくとも一つの断続溝と、を備え、
前記断続溝は、前記胴部の高さ方向において互いに隣り合う連続溝と連続溝との間に位置し、かつ、前記各コーナー部の円弧の中心部では、凹みが存在しないように形成され、 前記連続溝は、前記断続溝よりも、深さ及び高さの少なくとも一つが大きい、プラスチックボトル。
【請求項2】
前記断続溝は、前記各コーナー部の円弧の中心部を除く円弧部分には、凹みが存在するように形成されている、請求項1に記載のプラスチックボトル。
【請求項3】
前記連続溝は、縦断面が正三角形からなり、且つ、その正三角形の頂点のうち最もボトル内方に位置する頂点が円弧からなる、請求項1又は2に記載のプラスチックボトル。
【請求項4】
前記断続溝は、縦断面が半円弧形からなり、且つ、当該縦断面が前記連続溝の縦断面とは異なる、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のプラスチックボトル。
【請求項5】
前記胴部の領域のうち、前記断続溝における凹みが途切れている領域に、ラベルが貼着されている、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のプラスチックボトル。
【請求項6】
前記断続溝は、前記高さ方向において複数があり、
前記連続溝と前記断続溝とは、前記高さ方向において交互に並ぶように配置される、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のプラスチックボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状の胴部を備えたプラスチックボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料用のPETボトルなどのプラスチックボトルでは、近年、環境への配慮の観点から、ボトル素材資源(樹脂)の使用量をできるだけ少なくし、それによりボトルを軽量化することが進められている(例えば、特許文献1及び2参照。)。しかし、軽量化によって薄肉化したボトルは、機械的強度が低下し、つぶれ易くなる。そのため、ボトルには商品価値としての強度を持たせる工夫が施されており、その一つとして、ボトル胴部に周状凹溝を形成することがある。例えば特許文献3では、ボトル胴部に周状凹溝を複数、高さ方向において形成することで、強度を高さ方向でバランス良く確保しようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−247393号公報
【特許文献2】特開2006−137463号公報
【特許文献3】特開平9−240647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、周状凹溝の数は多ければいいというものではない。多過ぎると、それだけ外部と接触するボトル胴部の接触面積が減る。このため、例えば運搬時や陳列時に並列したボトル同士で互いの接触圧力が大きくなり、それによりボトルが変形するおそれがある。また、周状凹溝が多過ぎると、ボトル胴部の外面の一部に、商品情報を印刷したラベルを貼って巻きつける場合に、ラベルを貼着する面積を広く確保し難いという問題もある。一方で、このような問題に鑑みて、単純に周状凹溝の数を減らしたのでは、ボトルの強度を損ない、本末転倒になりかねない。
【0005】
本発明は、軽量化した場合にも、つぶれないような強度の確保と、接触面積や貼着面積などのための面構成の確保とを両立することが可能なプラスチックボトルを提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するべく、本発明のプラスチックボトルは、
計4つのコーナー部がそれぞれ円弧からなる方形の横断面からなる筒状の胴部を備えたものにおいて、胴部に周方向に凹みが連続するようにして形成された複数の連続溝と、胴部に周方向に凹みが断続するようにして形成された少なくとも一つの断続溝と、を備え、断続溝は、胴部の高さ方向において互いに隣り合う連続溝と連続溝との間に位置
し、かつ、前記各コーナー部の円弧の中心部では、凹みが存在しないように形成され、前記連続溝は、前記断続溝よりも、深さ及び高さの少なくとも一つが大きいものである。
【0007】
本発明によれば、断続溝の凹みがある部分ではリブとしての補強効果が図られ、断続溝の凹みが途切れている部分では面としての領域が確保される。これにより、全ての凹溝を連続溝とする場合に比べて、ボトルを並列させたときの接触面積やラベルの貼着面積等のための面構成を広く確保することができる。しかも、胴部全体としてみれば、連続溝及び断続溝の凹みによる本来の補強効果も犠牲にせずに済む。また、連続溝、断続溝及び連続溝の順で位置するので、強度及び面構成を効率的に確保することが可能となる。このように、本発明によれば、例えば既存のボトルの周状凹溝の数を減らさなくとも、全体として、軽くてもつぶれないような強度を確保しながら、面構成をできるだけ広く確保することが可能となる。
【0008】
また、本発明では、連続溝は、断続溝よりも、深さ及び高さの少なくとも一つが大きい
。
これにより、連続溝ではリブとしての補強効果が大きくなるので、連続溝に本来期待される強度を奏させることができる。また、一般に凹溝の深さ又は高さが小さいほど、凹みではない部分(すなわち、面)を広く確保し易いので、断続溝のまわりでは面構成を広く確保することができる。
【0009】
さらに、本発明では、断続溝は、各コーナー部の円弧の中心部では、凹みが存在しないように形成される
。
例えば、ボトルにラベルを貼る場合に、コーナー部の円弧の中心部から貼ることができるため、貼着面積を広く確保することができる。一方で、横断面のうち、コーナー部は他の部分よりも本来的に強度が大きいので、その中心部に断続溝の凹みがなかったとしても、ボトル全体としてみれば、それほど強度を犠牲にしなくて済む。
【0010】
より好ましくは、断続溝は、各コーナー部の円弧の中心部を除く円弧部分には、凹みが存在するように形成されるとよい。
こうすることで、直線状の2次元的な凹み形状でなく、弓状の凹み形状が実現でき、三次元的に強度を向上することができる。
【0011】
好ましくは、連続溝の縦断面は正三角形からなり、その正三角形の頂点のうち最もボトル内方に位置する頂点が円弧からなるとよい。
これにより、ボトルに上下方向の力が作用した場合にも、その力が分散されるようなスプリング効果が連続溝にて奏されるようになる。よって、縦方向の強度を向上することができる。
【0012】
好ましくは、断続溝の縦断面は、半円弧形からなり、且つ、連続溝の縦断面とは異なるとよい。
このような断続溝であれば、面を確保するためにできるだけ細い断続溝を形成する場合の成形のし易さや、そのための金型の作製のし易さの観点で有用となる。
【0013】
好ましくは、胴部の領域のうち、断続溝における凹みが途切れている領域に、ラベルが貼着されるとよい。
これにより、貼着面積が広く確保された領域にラベルを貼ることができ、高いラベル接着強度を保つことができる。
【0014】
好ましくは、断続溝は高さ方向において複数があり、連続溝と断続溝とは高さ方向において交互に並ぶように配置されるとよい。
これにより、強度及び面を高さ方向で局所的に小さくさせずに済む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1(a)及び(b)は、実施形態に係るプラスチックボトルをそれぞれ別の角度からみた斜視図である。
【
図3】
図2のIII−III線で切断した横断面図である。
【
図4】
図2のIV−IV線で切断した縦断面図であり、ハッチングを省略して切断箇所の輪郭を示すものである。
【
図5】
図5(a)及び(b)は、それぞれ、実施形態に係るプラスチックボトルにラベルを巻いた状態を示す正面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係るプラスチックボトルを説明する。
以下の説明では、ボトル口部が存在する方を上側とし、ボトル底部が存在する方を下側とする。高さとは、ボトルの中心軸の方向(上下方向)に沿った長さを意味する。横断面とは、中心軸に直交する平面における断面形状を意味する。縦断面とは、中心軸を含む平面における断面形状を意味する。
【0017】
図1及び
図2に示すように、プラスチックボトル1(以下、「ボトル1」という。)は、上側から順に、口部2、肩部3、胴部4及び底部5を有する。これらの部分(2,3,4及び5)は、一体に形成され、内部に飲料を貯留するための有底筒状のボトル壁を構成する。飲料としては、水、緑茶、ウーロン茶、ブレンド茶、スポーツドリンク又は果汁等の非炭酸飲料を挙げることができる。他の実施態様では、ゼリー飲料又はソース等の食品を貯留することもできる。
【0018】
ボトル1は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を主材料として、二軸延伸ブロー成形等の延伸成形法により成形される。
ボトル1の製造工程の一例を説明する。先ず、金型内に熱可塑性樹脂を射出し、プリフォームを射出成形する。プリフォームは、口部2と同形状の口部と、その下側に連なる有底の筒状部と、で構成される。射出成形後は、プリフォームをブロー成形機にセットして、プリフォームの筒状部を加熱する。そして、延伸ロッドによって筒状部を縦方向に延伸させると共に、圧縮空気を吹き込んで筒状部を横方向に延伸させる。延伸させた筒状部の部位を金型の内面に押し付け、その後固化させる。これにより、肩部3、胴部4及び底部5が成形され、ボトル1の一連の成形が完了する。ボトル1のサイズの一例を示すと、高さは約210mm、満注容量は約1000mlであり、プリフォームの重量は20.5gである。
【0019】
口部2は、上端が開口しており、飲料の注ぎ口として機能する。口部2の開口は、図示省略したキャップにより開閉される。肩部3は、横断面が下方にかけて徐々に拡大してなり、ボトル1において最小径の口部2を、ボトル1において最大幅を構成する胴部5の上端に連続させる。底部5は、底壁21及び周壁22で構成される。周壁22は、下方にかけて僅かにすぼめられてなり、胴部4の下端を底壁21に連続させる。口部2、肩部3及び底部5の形状は、特に限定されるものではなく、適宜設計することができる。
【0020】
図2及び
図3に示すように、胴部4は、正方形の横断面からなる筒状の部分である。詳細には、
図3に示すように、胴部4の横断面は、正方形の計4つのコーナー部31(二辺の交差する角部。)が円弧からなり、隣り合うコーナー部31,31の間にストレート部33を有する。ストレート部33は、胴部4の平坦な外表面を構成する。
【0021】
図2に示すように、胴部4を上下方向に3つのエリアで区分けすると、胴部4は、互いに同じ横断面の上側胴部41及び下側胴部42と、これらの間にある中間胴部43と、からなるといえる。中間胴部43は、消費者がボトル1を把持し易いように、くびれ部50及び窪み部52を有する。くびれ部50は主として各コーナー部31にあり、また、窪み部52は主として各ストレート部33にあり、それぞれ、ボトル1に飲料を満充填させたときの重心の近傍に形成される。別の実施態様では、くびれ部50及び窪み部52の態様を適宜設計変更することができ、例えば、くびれ部50及び窪み部52を省略することもできる。
【0022】
胴部4は、複数の連続溝61及び複数の断続溝63を有する。連続溝61及び断続溝63は、いずれも胴部4の横強度を高めるのに機能するが、その効果としては、連続溝61の方が断続溝63よりも大きい。連続溝61は、胴部4に周方向に亘って凹みが連続するようにして形成される一方、断続溝63は、胴部4に周方向に亘って凹みが断続するようにして形成される。
【0023】
連続溝61は、上側胴部41に4つ形成され、そのうちの2つが肩部3及び中間胴部43との境界に位置する。また、連続溝61は、下側胴部42にも2つ形成され、それぞれが中間胴部43及び底部5との境界に位置する。断続溝63は、上側胴部41に3つが、下側胴部42に1つが形成されており、それぞれ、互いに隣り合う連続溝61、61の間に位置する。特に本実施形態では、連続溝61と断続溝63とは、ボトル1の高さ方向において胴部4に交互に配置され、上側胴部41においては両者の間隔は均等になっている。
【0024】
連続溝61及び断続溝63は、それぞれの縦断面が異なる。具体的には、
図4に示すように、連続溝61の縦断面は、三角形からなり、好ましくは正三角形からなる。そして、連続溝61の縦断面のうち、ボトル内方に位置する三角形の頂点は、円弧の形状からなる。これにより、ボトル1に高さ方向の圧縮力が作用した場合に、その力が分散されるようなスプリング効果が連続溝61にて奏されるようになる。一方、断続溝63の縦断面は、円弧形からなり、好ましくは半円弧形からなる。また、断続溝63は、連続溝61よりも、深さ及び高さの少なくとも一つが小さく形成され、ここでは両方とも小さく形成されることが好ましい。一例を挙げると、断続溝63の深さは連続溝61の深さの約1/2であり、断続溝63の高さは連続溝61の高さの約1/3である。
【0025】
断続溝63は、胴部4の各コーナー部31の一部において、凹みが途切れるように周状に形成される。詳細には、
図3に示すように、断続溝63は、前後対称及び左右対称に、4つのへこんだ部分65と、隣り合うへこんだ部分65,65の間にある計4つの平らな部分67と、からなる。これらの部分65,67の長さは、補強効果及び面構成の確保が可能な範囲に設定するのであれば特に限定されるものではないが、補強効果が十分に発揮されるためには、へこんだ部分65の長さは平らな部分67の長さよりも大きいことが好ましい。面構成の確保に適した寸法の一例を挙げると、胴部4の最大幅が85mmである場合には、平らな部分67の長さは8mm以上であることが好ましい。
【0026】
へこんだ部分65は、ストレート部33に亘って形成されると共に、ストレート部33の両側のコーナー部31、31の一部に形成される。一方、平らな部分67は、コーナー部31の一部にのみ形成される。したがって、断続溝63を含む横断面では、円弧のコーナー部31の中心部(中心軸から最も遠い部分を含む。)では、断続溝63の凹みが存在せず、且つ、コーナー部31の中心部の両側にある部分では、断続溝63の凹みが存在するように形成されている。この点について、胴部4の外周面に着目して説明すれば、断続溝63の凹みが存在しない面は、例えば隣り合う連続溝61,61間の面など、他の面と同一平面となるように平らな面となっている。
【0027】
以上説明したボトル1は、商品名や原材料名等を印刷したラベル70により覆われて(
図5参照)、市場に提供される。ラベル70は、胴部4の外周面に貼着されることで設けられており、その貼着力は、消費者が飲用後にラベル70を胴部4から剥がして、分離することができる程度となっている。ここでは、ラベル70として、ミシン目を有しない巻きラベルが用いられる。このようなラベル70を胴部4に設けるには、先ず、ラベル70の一端部の内面を胴部4の外周面に貼着し、この貼着された部分を起点にしてラベル70の他の部分を胴部4の周りに巻く。そして、一巻きしたラベル70の他端部の内面をその内側にある既に巻かれたラベル70の外面部分に貼着する。これにより、ラベル70の貼着が完了する。一方、貼着されたラベル70を分離するには、貼着手順とは逆の手順をふむように、ラベル70の他端部側から剥がしていけばよい。
【0028】
図5に示すように、ラベル70は、上側胴部41にある肩部3側の連続溝61直下から中間胴部43側の連続溝61の直上にかけて設けられる。別の観点で換言すると、胴部4の外周面は、複数(3つ)の断続溝63を含む領域に、ラベル70を設けるためのラベル範囲を有するといえる。そして、このラベル範囲のうち、断続溝63における凹みが途切れている領域(すなわち、平らな部分67)を含む貼着領域72(
図1(a)参照)に上記したラベル70の一端部が貼着されることになる。貼着領域72は、
図1(a)に示すような例えば縦長の方形の領域であり、ここを起点としてラベル70が貼り付けられて巻かれることになる。
【0029】
以上説明した本実施形態のボトル1の作用効果を説明する。
【0030】
1.強度及び面構成の確保の両立
ボトル1は、胴部4に形成する周状凹溝の態様として、連続溝61のみならず、断続溝63も採用している。断続溝63によって、その凹みがある領域では連続溝61と同様にリブとしての補強効果が奏される一方、凹みがない領域では平らな面を構成する。したがって、胴部4全体としてみれば、断続溝63の凹みによる本来の補強効果をそれほど犠牲にすることなく、断続溝63の凹みが無い領域の分だけ、面構成を広く確保することができる。
【0031】
それゆえ、ボトル1を軽量化した場合であっても、つぶれないような強度を確保することが可能となる。と同時に、貼着領域72において面構成を広く確保することができるので、ラベル70の接着性を向上することができる。また、ボトル1の接触面積が広く確保されるので、例えば運搬時や陳列時にボトル1を並列させたときであっても、受ける接触圧力が小さくなり、ボトル1の変形が抑制される。
【0032】
特に、本実施形態によれば、断続溝63は高さ方向において連続溝61と交互に配置されるので、強度及び面構成が高さ方向で局所的に小さくならないように配慮される。また、断続溝63の深さ及び高さを連続溝61よりも小さくしているので、これらを同等にする場合と比べて、断続溝63のまわりで面構成を広く確保することができる。これと同時に、連続溝61については、リブとしての補強効果を向上することができる。加えて、断続溝63の凹みがない領域を、本来的にストレート部33よりも強度が大きいコーナー部31に設定しているので、胴部4全体としてみれば、それほど強度を犠牲にすることなく断続溝63を形成することができる。
【0033】
2.成形性
断続溝63は連続溝61に比べて細くて浅いが、このような断続溝63の態様である場合に、断続溝63の縦断面を連続溝61と同様に三角形とすると、断続溝63の成形が難しくなる。上記のとおり、断続溝63の縦断面を半円弧形とした場合には、細くて浅い断続溝63についても成形のし易さを向上することができる。これは、延伸成形法で使用する金型の作製もし易くなるというメリットがある。
【0034】
本実施形態の変形例について説明する。
胴部4の横断面は、正方形のみならず、長方形であってもよい
。
断続溝63及び連続溝61は、胴部4に周方向において直線的に延在していなくともよい。例えば、断続溝63及び連続溝61は、高さ方向において腹と節が交互に繰り返す波のように、胴部4に周方向に延在するものであってもよい。
【符号の説明】
【0035】
1:ボトル、 4:胴部、 31:コーナー部、 61:連続溝、 63:断続溝、 70:ラベル