(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の一実施形態に係るパチンコ機について
図1〜
図46を用いて説明する。
なお、本明細書において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、
図1の状態に遊技機枠1Aを置いて矢印Aで示す前側から見た場合に特定される方向である。
【0008】
図43に示すように、本実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技機枠1A、遊技機枠1Aの遊技盤取付部3aに取付けられた遊技盤3、遊技盤取付部3aの後面に取付けられた可動役物装置13、可動役物装置13の後面に取付けられた画像表示装置14、図外の制御装置を備えて構成される。
【0009】
図43,
図1に示すように、遊技機枠1Aは、遊技場の島と呼ばれる図外の遊技設置構造体に取付けられる外枠と呼ばれるような固定枠1と、固定枠1に開き戸状に開閉自在に取付けられた内枠と呼ばれるような開閉枠2と、開閉枠2に開き戸状に開閉自在に取付けられた前扉4及び皿構造体5とを備える。例えば、固定枠1は木枠により形成され、開閉枠2、前扉4、皿構造体5は合成樹脂により形成される。
開閉枠2は、例えば、左側のヒンジ2a,2aで前側横方向に片開き可能かつ着脱可能(交換可能)に固定枠1に取付けられる。前扉4は、例えば、左側上部のヒンジ2b,2bで前側横方向に片開き可能かつ着脱可能(交換可能)に開閉枠2に取付けられる。皿構造体5は、例えば、左側下部のヒンジ2c,2cで前側横方向に片開き可能かつ着脱可能(交換可能)に開閉枠2に取付けられる。
前扉4は、前後方向に開放された窓4aを囲む額縁形状の枠部4bを備え、ガラス又は合成樹脂からなる光透過性を有する前面パネル4cが窓4aを後方から覆うように枠部4bの後面に取付けられた構成である。
皿構造体5は、発射操作機構(発射ハンドル)6、受皿7等を備える。
【0010】
図43,
図12に示すように、開閉枠2の内側上部には、例えば合成樹脂製の遊技盤取付部3aが、開閉枠2と一体に又は図外の取付手段により開閉枠2に着脱可能に設けられる。遊技盤取付部3aは、盤取付板3zと盤取付板3zの外周より前方に突出する外周壁3yとを備え、盤取付板3zの前面と外周壁3yとで区画されて開閉枠2の前面より後方に窪んだ遊技盤収容凹部3xを備える。遊技盤3は、遊技盤収容凹部3x内に収容された状態で図外の取付手段により盤取付板3zの前面に取付けられる。開閉枠2の内側下部には、発射装置109等が設けられる。盤取付板3zには、盤取付板3zの前面と後面とに貫通する貫通孔3cが設けられる。
【0011】
図43に示すように、遊技盤3は、化粧板と呼ばれる遊技基板3bと、遊技基板3bの前面に取付けられた前板3fとにより構成される。
遊技基板3bは、例えば所定厚さの合成樹脂板やベニヤ板等により形成され、遊技基板3bの前面にはその遊技盤の遊技テーマにあわせた多種多様の装飾が施されるとともに、それらの装飾には複数の多色発光ダイオード(発光素子)が取付けられ、遊技状態や演出状態に対応した複数の色で発光して表示されるよう構成されている。遊技基板3bの中央部には遊技基板3bの前面と後面とを貫通する逃孔として機能する貫通孔3Dが形成されて、画像表示装置14の表示画面14aがこの貫通孔3Dから見えるよう構成されている。
前板3fは、透明アクリル板等の合成樹脂からなる光透過性を有した透明板により形成され、前板3fの中央部には前板3fの前面と後面とを貫通する逃孔として機能する貫通孔3Fが形成されて、画像表示装置14の表示画面14aがこの貫通孔3Fから見えるよう構成されている。
遊技基板3bの前面に設けられた装飾は、遊技基板3bの前面に施された模様や絵等の平面装飾、遊技基板3bの前面より突出する立体形状に形成された立体装飾を含んでいる。この立体装飾を避けるように前板3fが遊技基板3bの前面より離れた位置に設けられる。即ち、前板3fと遊技基板3bとが所定の間隔を隔てて互いに平行に配置された状態で図外の連結具により互いに連結される。
【0012】
図43,
図45に示すように、遊技基板3bの前面には、前記複数の多色発光ダイオードが配された装飾の一部として、遊技盤取付部3aに取付けられた状態の遊技盤3の前方に向かって発光するように設けられた遊技盤3の発光部としての複数の固定発光部501〜516を備える。複数の固定発光部501〜516は、例えば、貫通孔3Dの中心Oを中心として放射状に延長するように設けられる。複数の固定発光部501〜516の後述する導光前面カバー602が遊技基板3bの前面より前方に突出する立体装飾を形成する。
【0013】
前板3fの前面には、多数の遊技釘3Cの他、例えば、役物装置としての中央部装飾ユニット10、入賞部品16,17,18,19,20、ガイドレール8等の遊技部品が取付けられ遊技領域9が形成されている(
図44参照)。
中央部装飾ユニット10は、透明又は半透明の合成樹脂材料を遊技テーマに合わせて所定の形状に成型し、所望の個所には所望の着色を施し、また、必要な個所は切り欠くことにより、これら透明材料、半透明材料、着色材料、切り欠き部等の各部材を通して、遊技基板3b上に施された各種装飾が垣間見えるように構成されている。そのため、これら中央部装飾ユニット10を形成する各部材を通して垣間見える遊技基板3b上に配設された装飾は、遊技者側から見ると中央部装飾ユニット10内の部材及び装飾の一部を構成することとなる。そして、遊技基板3b上に配設された固定発光部501〜516の該当個所の発光素子からの光を中央部装飾ユニット10の対応個所から遊技盤3の前方に向けて遊技者に視認可能に透過させることにより、遊技基板3b上の他の固定発光部501〜516の該当個所から放出され前板3fを透過する光と協働して効果的な演出を実行することができる。
中央部装飾ユニット10は、前板3fの貫通孔3Fを介して遊技基板3bの貫通孔3D内に入り込んで貫通孔3Dの孔壁に対向する筒壁を有した筒部10aと、筒部10aの後端に設けられて筒部10aの後端開口を塞ぐ透明パネル3dと、筒部10aの前端より筒部10aの径方向外側に延長して筒部10aの前縁開口を取り囲む装飾部10Wと、前板3fの前面に接触した状態で止ねじなどの取付具で前板3fの前面に取付けられる取付フランジ部10cとを備える。画像視認用の貫通孔として機能する筒部10aの筒孔10xと透明パネル3dとで遊技盤3における画像視認用の窓11が構成される。
中央部装飾ユニット10は、前板3fの前側から筒部10aが筒部10aの後端側より貫通孔3F,3D内に挿入され、取付フランジ部10cが前板3fの前面に接触した状態で止ねじ3kなどの取付具で前板3fの前面に取付けられることにより、前板3fに取付けられる。
【0014】
前板3fに取付けられている入賞部品としては、第1始動入賞部品16、第2始動入賞部品17、通過チャッカーと呼ばれる普通図柄始動部品18、アタッカーや大入賞口と呼ばれる可変入賞部品19、一般入賞部品20,20がある(
図44参照)。
第1始動入賞部品16、第2始動入賞部品17、可変入賞部品19、一般入賞部品20は、球を遊技領域から取り込んで遊技基板3bの後面側に排出する図外の球通路を備えた構造であり、当該球通路に球を検出するための球検出器を備えるとともにそれぞれ前板3fへの取付フランジ部16a,17a,19a,20aを備える。これら入賞部品は、前板3f及び遊技基板3bの前面と後面とに貫通するように前板3f及び遊技基板3bに形成された図外の逃孔内に球通路が挿入され、取付フランジ部16a,17a,19a,20aが前板3fの前面に接触した状態で止ねじなどの取付具で前板3fの前面に取付けられることにより、前板3fに取付けられる。
普通図柄始動部品18は、球を遊技領域9から取り込んで遊技領域9に排出する図外の球通路を備えた構造であり、当該球通路に球を検出するための球検出器を備えるとともに前板3fへの取付フランジ部18aを備える。普通図柄始動部品18は、取付フランジ部18aが前板3fの前面に接触した状態で止ねじなどの取付具で前板3fの前面に取付けられることにより、前板3fに取付けられる。
図42に示すように、第1始動入賞部品16に設けられる球検出器を第1始動入賞口センサ100と呼び、第2始動入賞部品17に設けられる球検出器を第2始動入賞口センサ101と呼び、普通図柄始動部品18に設けられた球検出器を始動ゲートセンサ106と呼び、可変入賞部品19に設けられる球検出器を大入賞口センサ107と呼び、一般入賞部品20に設けられる球検出器を一般入賞口センサ108と呼ぶ。
ガイドレール8は、内ガイドレール8aと外ガイドレール8bとを備え、前板3fの前面に取付けられた多数の遊技釘3Cや他の遊技部品10,16,17,18,19,20を取り囲むように前板3fの前面に図外の取付部材により取付けられる。
【0015】
即ち、遊技盤3は、前板3fの前面に中央部装飾ユニット10の装飾部10W、各入賞部品16,17,18,19,20の入賞部品等を有し、遊技基板3bと前板3fとの間に遊技基板3bの前面に設けられて遊技基板3bの前方に突出する立体装飾を備え、この立体装飾が透明な前板3fを通して目視可能に構成されている。
【0016】
ガイドレール8で囲まれた遊技領域9に各種遊技部品10,16,17,18,19,20が組付けられ遊技釘3Cが打ち込まれた状態の前板3fが遊技基板3bに取付けられることによって、
図44に示すような遊技盤3が完成する。
遊技盤3が遊技盤取付部3aに取付けられて前扉4が閉じられた状態において、遊技盤3の前面とガイドレール8と前扉4の前面パネル4cとで囲まれた領域が、遊技球が打ち込まれてパチンコ遊技が行われる遊技領域9となる。
【0017】
次に遊技盤取付部3aに取付けられた状態の遊技盤3の前面構成について
図43,
図44を参照して説明する。
発射装置109により発射された球を遊技領域9に導く発射通路8cが、遊技盤3の前面の左側において遊技盤3の中央寄りに位置する内ガイドレール8aと内ガイドレール8aの外側に位置する外ガイドレール8bとで挟まれた通路により形成される。
中央部装飾ユニット10における筒部10aの筒壁の下部内壁面にはステージと呼ばれる球転動部15が設けられる。
中央部装飾ユニット10における装飾部10Wは、上部にパチンコ機Pの固有名称を示したネーム部(図では消去)などを有した主要装飾部10Aを備え、右部にサーチライトを模した複数の発光装置10Bを備え、下部に球転動部15から第1始動入賞部品16の入賞口に球を誘導する誘導部10Cを備え、左部に球転動部15への球導入部10Dを備える。
中央部装飾ユニット10における装飾部10Wは、前板3fの前面より前方に突出する。遊技盤3が遊技盤取付部3aに取付けられて前扉4が閉じられた状態において、中央部装飾ユニット10の装飾部10Wの上部、右部、左側上部の外周壁の前端と前面パネル4cとの間の距離は1個の球(パチンコ球)の直径よりも小さく形成され、これにより、遊技領域9に発射された球は、中央部装飾ユニット10の上部、右部、左側上部を経由して球転動部15には入り込めないようになっている。中央部装飾ユニット10の装飾部10Wの右部の外周壁とガイドレール8との間で形成される球通路9aの通路幅は、1個の球の直径寸法R1より大きく、かつ、R1×2よりも小さい寸法に形成される。
球転動部15の中央部の下方に位置する遊技領域9には、第1始動入賞部品16と第2始動入賞部品17とが上下縦一列に並んで設けられている。第1始動入賞部品16は例えば上面に入賞孔が開口される単純構造の始動入賞部品である。第2始動入賞部品17は例えば一対の開閉体により入賞口が開閉する電動チューリップ構造の始動入賞部品である。
中央部装飾ユニット10の左側方の遊技領域9には普通図柄始動部品18が設けられている。
【0018】
図43に示すように、可動役物装置13は、ケース22と、回転板23と、可動体としての扉状役物を構成する扉部材40Aと、扉部材駆動機構40Bと、回転板回転駆動機構40C、回転姿勢検出機構40Dを備える。ケース22、回転板23、扉部材40Aは例えば合成樹脂により形成される。
【0019】
ケース22は、取付板22bと、取付板22bの外周より前方に突出する外周壁22cとを備え、取付板22bの前面と外周壁22cとで区画されて、扉部材40A、扉部材駆動機構40B、回転板回転駆動機構40C、回転姿勢検出機構40Dを収納するための収納部としての部材収容凹部22xを備える。取付板22bは、板の中央部に板の前面と後面とに貫通する貫通孔22aを有する。
【0020】
回転板23は、表示画面14aの中心と一致する回転中心Oを中心として遊技盤3の盤面(遊技盤3の前板3fの前面や遊技基板3bの後面における平坦面)に平行な面内で回転駆動されるよう構成される。
回転板23は、円弧状の外周を有した板の中央部に板の前面と後面との貫通する貫通孔33を有し、円弧状の外周にリングギヤ36を備えた構成である。回転板23の前面には回転板23の前面の大部分を覆う例えば合成樹脂により形成された装飾カバー38が設けられる。
図5に示す90は、回転板23とこの回転板23の前面の大部分を覆う装飾カバー38との組立品である。
【0021】
扉部材駆動機構40Bは、回転板23の後面に取付けられる。扉部材駆動機構40Bの詳細については後述する。
扉部材40Aは、回転板23の後面に配置された第1の可動体としての左扉部材40と第2の可動体としての右扉部材41とにより構成され、左扉部材40と右扉部材41とが扉部材駆動機構40Bにより回転板23の貫通孔33の左右の中心位置を基準として左右に移動可能に構成され、ケース22内のそれぞれの部材収容凹部22xと貫通孔33の中心位置との間を出没する。左扉部材40と右扉部材41とが、回転板23の貫通孔33の左右の中心位置(回転板23の回転中心Oを含む)を通る垂線L(
図3参照)を中心として左右線対称な形状である。例えば、左扉部材40及び右扉部材41は、上下長が回転板23の貫通孔33の上下長よりも長く、左右長が回転板23の貫通孔33の左右長の1/2よりも短い縦長長方形状に形成される。
扉部材駆動機構40Bにより、左扉部材40が右方向に移動して右扉部材41が左方向に移動することによってこれら左扉部材40と右扉部材41とが回転板23の貫通孔33の左右の中心位置を通る垂線Lの位置で互いに接触し、かつ、左扉部材40が左方向に移動することによって左扉部材40のすべてが貫通孔33の後側に位置しないように移動し、右扉部材41が右方向に移動することによって右扉部材41のすべてが貫通孔33の後側に位置しないように移動する。つまり、左扉部材40及び右扉部材41は、垂線Lの位置と回転板23の後側に隠れてパチンコ機の前方から視認できない位置との間を左右に往復移動可能に構成される。即ち、左扉部材40及び右扉部材41は、それぞれ、回転板23の貫通孔33の左右の中心位置と回転板23の後側に隠れる位置との間で往復移動可能に構成されることによって、遊技盤取付部3aに取付けられた状態の遊技盤3の前方から見た場合に、回転板23の貫通孔33の内外に出没可能に制御される可動体である。
つまり、遊技盤3に形成されて表示画面14aを目視可能とする筒孔10x及び貫通孔33の内外に出没して遊技盤3の前方から見た場合に表示画面14aの少なくとも一部である中央部を遮る状態と表示画面14aを遮らない状態とに移動可能な左扉部材40及び右扉部材41を備えたので、演出制御装置103により、左扉部材40及び右扉部材41の動きと表示画面14aに表示される画像とによる効果的な多重演出を行える。
また、可動体としての扉部材40Aは、遊技盤取付部3aに取付けられた状態の遊技盤3の前方に向かって発光するように設けられた可動体の発光部として、
図31〜
図36,
図42に示すように、直線状発光部としての第1小発光部301,302、第2小発光部401,402、第1縁発光部303、第2縁発光部403を備えるとともに、
図32,
図42に示すように、点状発光部としての第1小発光部305、第2小発光部405を備える。
前面に装飾カバー38を備えるとともに後面側に扉部材駆動機構40B及び扉部材40Aを備えた回転板23は、回転板23の後面とケース22の取付板22bの前面とが向き合う状態で取付板22bの前面に回転可能に取付けられる。この回転板22と取付板22bとの回転可能な取付構造については後述する。
【0022】
回転板回転駆動機構40C及び回転体姿勢検出機構40Dは、取付板22bの前面に設けられる。
回転板回転駆動機構40Cは、回転板23に設けられたリングギヤ36と、回転駆動源としての回転駆動モータ29と、回転駆動モータ29の回転力を回転板23のリングギヤ36に伝達する回転力伝達手段としての減速ギヤ列30とにより構成される。
回転姿勢検出機構40Dは、回転板23の後面の外周縁に設けられた被検出体としての遮光板37と、ケース22の取付板22bの前面に設けられた検出器としてのフォトインタラプタ25,26(
図14参照)とにより構成される。
【0023】
画像表示装置14は、表示画面14aがケース22の貫通孔22aの後側に位置するように、例えば取付フランジ14bを介して止ねじ14c等の取付具でケース22の取付板22bの後面に取付けられる。本実施形態では、画像表示装置14には、表示画面14aの大きさが12インチの液晶表示画面を備えた液晶表示装置を用いて構成している。
【0024】
盤取付板3zの貫通孔3cの形状及び大きさは、遊技盤収容凹部3xの後方に設置される画像表示装置14の表示画面14aの形状及び大きさと対応するように形成され、かつ、画像表示装置14の表示画面14aの中心が遊技盤収容凹部3xの貫通孔3cの中心と一致するように、画像表示装置14が配置される。
また、中央部装飾ユニット10の筒部10aの筒断面形状及び大きさ、前板3fの貫通孔3Fの形状及び大きさ、遊技基板3bの貫通孔3Dの孔の形状及び大きさ、回転板23の貫通孔33の孔の形状及び大きさ、ケース22の貫通孔22aの孔の形状及び大きさが、遊技盤収容凹部3xの貫通孔3cの孔の形状及び大きさと対応するように形成され、かつ、中央部装飾ユニット10の筒部10aの中心、前板3fの貫通孔3Fの中心、遊技基板3bの貫通孔3Dの中心、回転板23の貫通孔33の中心、ケース22の貫通孔22aの中心が、遊技盤収容凹部3xの貫通孔3cの中心と一致するように、これら部品が配置される。
具体的には、例えば、前板3fの貫通孔3F、遊技基板3bの貫通孔3D、遊技盤収容凹部3xの貫通孔3c、回転板23の貫通孔33、ケース22の貫通孔22aが、同じ形状及び大きさに形成されて、かつ、画像表示装置14の表示画面14aよりも一回り小さい大きさに形成される。中央部装飾ユニット10の筒部10aが前板3fの貫通孔3F、遊技基板3bの貫通孔3Dに挿入可能な大きさに形成される。
そして、中央部装飾ユニット10の筒部10a、前板3fの貫通孔3F、遊技基板3bの貫通孔3D、遊技盤収容凹部3xの貫通孔3c、回転板23の貫通孔33、ケース22の貫通孔22aの中心と表示画面14aの中心と回転板23の回転中心Oとが一致するように、これらが配置される。
以上により、遊技者が、遊技盤3の画像視認孔として機能する中央部装飾ユニット10の筒部10aの筒孔10x、及び、回転板23の画像視認孔として機能する貫通孔33を通して、回転板23及び扉部材40Aによる動き演出と表示画面14aに表示される画像演出とを目視可能なパチンコ機となる。
【0025】
扉部材駆動機構40B及び扉部材40Aを後面側に有した回転板23を取付板22bの前面に備え、かつ、画像表示装置14を取付板22bの後面に備えたケース22が、遊技盤取付部3aの遊技盤収容凹部3xの後面に取付けられ、かつ、遊技盤3が遊技盤取付部3aに取付けられたパチンコ機Pは、前扉4が閉じられた状態において、遊技者が画像視認孔としての筒孔10x及び貫通孔33を介して画像表示装置14の表示画面14aに表示された画像を目視できるとともに、回転板23の回転や扉部材40Aの位置によって遊技者が目視可能な表示画面14aの領域が変動する構成を備える。
【0026】
図7に示すように、回転板23は、大径部23sと小径部23tとが一体に形成されたものである。大径部23sには貫通孔33が例えば横長の矩形状に形成されている。回転板23の前面には全体的にリブが張り巡らされている。具体的には、大径部23sの外周縁に沿って円弧状に並んだ格子状の複数のリブ74、貫通孔33から外周側に放射状に延びたリブ75、小径部23tと同心に形成されて径方向に並んだ円弧状の複数のリブ76、小径部23tの中央で貫通孔33側から上方に延びた2条のリブ77、貫通孔33の下方において形成された矩形枠状の複数のリブ78等が、回転板23の前面に形成されている。
【0027】
図3に示すように、装飾カバー38には回転板23の貫通孔33と略同じ形状寸法に形成された貫通孔39が設けられている。装飾カバー38には、その貫通孔39の上下左右の4辺全体から回転板23の方向(後方向)に突出した前面視矩形状の枠部38a(
図6参照)が形成されている。
図6における38a1,38a2,38a3はそれぞれ、枠部38aを前面視した場合の上辺、右辺、下辺に当たる部分である。同
図6に示すように、枠部38aの回転板23側の端部は、回転板23の貫通孔33の縁部を形成している回転板23の前面に当接して位置する。装飾カバー38は枠部38aの近傍の複数個所において回転板23にネジ止めされている。
図7において、80はネジが挿通される挿通孔であり、これらの挿通孔80の位置で回転板23と装飾カバー38とがネジ止めされている。
【0028】
また、回転板23には多数の嵌入孔81が形成されている。装飾カバー38は、それら多数の嵌入孔81のそれぞれに対向する個所に、枠部38と同寸法だけ回転板23の方向に突出して形成された図外の円柱部を有する。これら円柱部の突端には嵌入孔81に嵌入する図外の突起が形成されており、この突起が嵌入孔81に嵌め入れられている。
【0029】
図3に示すように、回転板23はケース22の取付板22bの上部、左下部及び右下部の3個所に係合して設けられた下ガイド部34A,34B及び上ガイド部34Cにより回転可能に支持されている。大径部23sの外周縁には、下ガイド部34A,34Bによりガイドされる円弧状の第1被ガイド部23eが形成されている。小径部23tの外縁には上ガイド部34Cによりガイドされる円弧状の第2被ガイド部23fが形成されている。第1被ガイド部23eの円弧と第2被ガイド部23fの円弧は同心で、第2被ガイド部23fの円弧は第1被ガイド部23eの円弧よりも小径に設定されている。第1被ガイド部23eと第2被ガイド部23fとの間には、第1被ガイド部23eの左端から左方向に延びた平坦な段差部23cと、第1被ガイド部23eの右端部から右方向に延びた段差部23dとが形成されている。
【0030】
下ガイド部34A,34C及び上ガイド部34Cは、ケース22の取付板22bに略直交する軸周りに回転自在に設けられたガイドローラである。これら下ガイド部34A,34B及び上ガイド部34Cの構造は同じであり、その構造は2個のローラ部材を軸方向に並べたダブルローラ構造である。このダブルローラ構造について回転板23の左下部を支持する下ガイド部34Aを例にとって説明する。
【0031】
図8に示すように、回転板23の左下部を支持する下ガイド部34Aは、ケース22の取付板22bから前方に突起して設けられた支軸35と、この支軸35を中心として回転自在に設けられた前側ローラ部材34a及び後側ローラ部材34bとを有する。第1被ガイド部23eは肉厚部23e1と、この肉厚部23e1の外周端から外周側に突出した肉薄の鍔部23e2とを有する。鍔部23e2は、この鍔部23e2の外周縁と前側ローラ部材34aの軸受部34a1との間に間隙S1を形成した状態で、前側ローラ部材34aと後側ローラ部材34bとの間に挿入されており、鍔部23e2の前後に位置する肉厚部23e1の外周端は、前側ローラ部材34a及び後側ローラ部材34bの両方の外周端に当接している。つまり、第1被ガイド部23eは前側ローラ部材34a及び後側ローラ部材34bに対し、径方向では非接触となっている。鍔部23e2が前側ローラ部材34a及び後側ローラ部材34bの両方の外周端に挟まれてガイドされることで、回転板23は、前後方向の移動が規制されて回転可能である。即ち、回転板23が、回転板23の外周に設けられた鍔部23e2をガイドする前側ローラ部材34a及び後側ローラ部材34bによって回転可能に保持された取付構造を備える。
【0032】
回転板23の右下部をガイドする下ガイド部34Bも下ガイド部34Aと同じ構造である。このようにダブルローラ構造の下ガイド部34A,34Bによって回転板23の左右両下部を支持すると、回転板23を確実に支持した上で、第1被ガイド部23eと下ガイド部34A,34Bとの間に生じる摩擦抵抗を低減して回転板23をスムーズに回転させることが可能になる。なお、回転板23の上部中央を支持する上ガイド部34Cの構造も、前側ローラ部材及び後側ローラ部材の径寸法が下ガイド部34Aの前側ローラ部材34a及び後側ローラ部材34bよりも小さいだけで、下ガイド部34Aと同じダブルローラ構造となっている。ただし、上ガイド部34Cには回転板23の重量が作用しないのでダブルローラ構造でなくてもよい。つまり、径方向において鍔部に接触されるローラであってもよい。
【0033】
図3に示すように、回転板23よりも下方に位置するケース22の個所には落下防止片24が一体形成されている。この落下防止片24は回転板23の回転中心Oを通る垂線L上に位置する。落下防止片24と回転板23の外周縁とは所定間隔をあけて位置しており、落下防止片24が回転板23の回転動作を妨げないようになっている。ただし、回転板23を支持している下ガイド部34A,34Bが破損したり、外部からの衝撃等によって回転板23が下ガイド部34A,34Bから外れた場合、回転板23の外周縁が落下防止片24の上端に当接した時点でそれ以上の動きが規制されるため、回転板23の落下事故を確実に防止することができる。
【0034】
回転板23よりも下方に位置するケース22の個所には、回転駆動モータ29が取付けられている。回転板23の前面側の下部外周縁には当該下部外周縁に沿った円弧状のリングギヤ36が設けられている。このリングギヤ36は回転板23の回転中心を中心として例えば90度の範囲に渡って設けられる。このリングギヤ36と回転駆動モータ29の間には減速ギヤ列30が介在している。減速ギヤ列30は、回転駆動モータ29の出力軸に固着された最初段ギヤ30aと、ケース22の取付板22bに平行な面内で回転自在に設けられた複数のギヤによって構成されている。減速ギヤ列30の最終段ギヤ30bは落下防止片24の近傍に位置している。この最終段ギヤ30bは、回転板23の回転中心Oを通る垂線Lの近傍で、リングギヤ36と噛み合っている。つまり、回転駆動モータ29の回転力が回転力伝達手段としての減速ギヤ列30を介して回転板23のリングギヤ36に伝達されることによって回転板23が回転する。
【0035】
本実施形態の場合、回転板23は、
図9に示す回転板23の姿勢を回転角度0°の初期姿勢として時計方向と反時計方向のそれぞれの方向に45°を上限角度として制御される。
【0036】
ケース22と回転板23との間には、回転板23の時計方向の回転及び反時計方向の回転のそれぞれについて、回転板23の回転の限界角度を規定するストッパ構造が設けられている。
図9に示すように、時計方向の回転に対するストッパ構造は、ケース22の取付板22bの上部中央の左側近傍で前方に突出して設けられたストッパ部27と、前記段差部23cとから構成されている。反時計方向の回転に対するストッパ構造は、ケース22の外周壁22cの上部中央の右側近傍で前方に突出して設けられたストッパ部28と、前記段差部23dとから構成されている。ストッパ部27,28は、回転板23の回転中心Oの上側においてその回転中心Oから第1被ガイド部23eの半径と同じ距離までの範囲内の位置に設定されているとともに、回転板23の回転中心Oを通る垂線Lを挟んで対向して位置する。つまり、
図10に示すように、回転板23の時計方向の回転の限界角度は、ストッパ部27に対して段差部23cが当接する角度である。また、
図11に示すように、回転板23の反時計方向の回転動作の限界角度は、ストッパ部28に対して段差部23dが当接する角度である。
【0037】
前記両ストッパ構造は、回転板23の回転の限界角度を、制御上の上限角度45°よりも若干大きく設定されている。つまり、ストッパ部27と段差部23cは、回転板23が時計方向に上限角度45°を超えて過剰に回転することを防止し、ストッパ部28と段差部23dは、回転板23が反時計方向に上限角度45°を超えて過剰に回転することを防止する。
【0038】
図14,
図15に示すように、ケース22の外周壁22cは、ストッパ部27,28に近接して位置する。ストッパ部27は、
図13,
図15,
図16を参照して分かるように、取付板22bから突出して形成された略円錐台状の基台部27aと、この基台部27aから遊技盤3の方向(前方向)に突出して設けられた本体部27bとを有する。本体部27bは回転板23の回転を阻止する際の段差部23cとの当接部位である。本体部27bは基台部27aの頂部に一体形成された心棒部27c(
図15に示す)と、この心棒部27cの外周面を覆って装着された円筒状のゴム部材27dとから構成されている。
【0039】
ストッパ部28もストッパ部27と同様に、取付板22bから突出して形成された略円錐台状の基台部28aと、この基台部28aから遊技盤3の方向に突出して設けられた本体部28bとを有する。本体部28bは回転板23の回転を阻止する際の段差部23dとの当接部位であり、基台部28aに一体に形成された心棒部28cと、この心棒部28cの外周面を覆って装着された円筒状のゴム部材28dとから構成されている。
【0040】
図15に示すように、基台部27a,28aはいずれも、ケース22の内方側の外周壁22cの面に結合するよう外周壁22cと一体に形成されている。具体的には、基台部27aでは、この基台部27aの外周面の上部が外周壁22cと一体に形成されている。また、基台部28aでは、この基台部28aの外周面の上部が連結部28eを介して外周壁22cと一体に連結されている。さらに、ストッパ部27,28に近接して位置する外周壁22cと、この外周壁22cの前端面に対向する遊技盤取付部3aとの間には、嵌合構造が設けられている。この嵌合構造は、
図16,
図17を参照して分かるように、外周壁22cの前端面に形成された嵌合突起部82,83と、遊技盤取付部3aに形成されて嵌合突起部82,83がそれぞれ嵌合する嵌合孔84,85とから構成されている。
【0041】
図14に示すように、落下防止片24の左斜め上方には回転姿勢検出機構40Dの検出器を構成する第1フォトインタラプタ25,第2フォトインタラプタ26が実装されている。
図18に示すように、回転板23の後面の外周縁には回転姿勢検出機構40Dの被検出体を構成する円弧状の遮光板37が取付けられている。この遮光板37には短尺な遮光壁37aと長尺な遮光壁37bが、ケース22の取付板22b側に突出して設けられている。これら遮光壁37a,37bのそれぞれの回転軌道上に、第1フォトインタラプタ25,第2フォトインタラプタ26がそれぞれ位置する。具体的には、回転板23が
図9に示す初期姿勢にあるとき、短尺な遮光壁37aは第1フォトインタラプタ25の光路を横切って位置し、長尺な遮光壁37bは第2フォトインタラプタ26の光路を横切って位置し、これらによって第1フォトインタラプタ25,第2フォトインタラプタ26の両方からオフ信号が出力される。また、回転板23が初期姿勢から時計方向へ回転すると、短尺な遮光壁37aは第1フォトインタラプタ25の光路から外れる位置へ移動し、長尺な遮光壁37bも第2フォトインタラプタ26の光路から外れる位置へ移動し、これらによって第1フォトインタラプタ25,第2フォトインタラプタ26の両方からオン信号が出力される。逆に、回転板23が初期姿勢から反時計方向へ回転すると、短尺な遮光壁37aは第1フォトインタラプタ25の光路から外れる位置へ移動し、長尺な遮光壁37bは第2フォトインタラプタ26の光路内を移動し、これらによって第1フォトインタラプタ25からオン信号が出力されるとともに第2フォトインタラプタ26からオフ信号が出力される。よって、演出制御装置103が、第1フォトインタラプタ25,第2フォトインタラプタ26からの信号の組合せを判別して回転板23の初期姿勢と回転方向を検知できる。
【0042】
図3に示すように、回転板23には、貫通孔33の後方において両開きの引き戸状に動作可能に上述した扉部材40Aを構成する1対の左扉部材40及び右扉部材41が設けられている。これら左扉部材40と右扉部材41は扉を模した可動体である。これら左扉部材40及び右扉部材41は、
図4に示すように、回転板23の後面側に位置する。また、回転板23には、左扉部材40の駆動手段を構成している第1モータ42及び第1スクリューシャフト43等と、右扉部材41の駆動手段を構成している第2モータ44及び第2スクリューシャフト45等とで構成された扉部材駆動機構40Bが取付けられている。つまり、回転板23は、可動体である左扉部材40及び右扉部材41と、これら左扉部材40及び右扉部材41の扉部材駆動機構40Bとが取付けられたベース部材である。
【0043】
図19に示すように、第1モータ42と第2モータ44は互いの出力軸が同軸上に位置するよう左右方向に並び、互いの反出力軸側の端部を向かい合わせて、回転板23の回転中心Oを通る垂線Lを対称軸として左右方向に線対称を成して位置する。第1スクリューシャフト43と第2スクリューシャフト45は、装飾カバー38の貫通孔39の下辺に平行に配置されているとともに、
図19,
図20を参照して分かるように垂線Lに直交する同一平面上で前後方向へ位置ずれしている。第1スクリューシャフト43が第2スクリューシャフト45よりも前方に位置する。第1スクリューシャフト43の右側部分と第2スクリューシャフト45の左側部分とは前後方向にオーバーラップしている。
【0044】
第1モータ42のモータケース42aと第2モータ44のモータケース44aは、第1スクリューシャフト43と第2スクリューシャフト45とがオーバーラップしている左右方向の範囲内に位置し、かつ、第1スクリューシャフト43と第2スクリューシャフト45とが位置する前後方向の範囲内に位置する。つまり、第1スクリューシャフト43は第1モータ42の出力軸側から第2モータ44側(左側)に向かって延出しており、第2スクリューシャフト45は第2モータ44の出力軸から第1モータ42側(右側)に向かって延出している。
【0045】
第1モータ42の出力軸には歯車46が固着されており、第1スクリューシャフト43の右端部には歯車48が固着されている。第1モータ42の回転力が、歯車46,中継歯車49,歯車48を介して第1スクリューシャフト43に伝達されるようになっている。第2モータ44の出力軸には歯車47が固着されており、第2スクリューシャフト45の左端部には歯車50が固着されている。第2モータ44の回転力が、歯車47,中継歯車51,歯車50を介して第2スクリューシャフト45に伝達されるようになっている。
【0046】
左扉部材40の下端部にはガイド筒体52が取付けられており、このガイド筒体52は第1スクリューシャフト43に嵌挿されている。ガイド筒体52の内周面には第1スクリューシャフト43の螺旋状溝と係合する図外の螺旋状突部が形成されている。よって、左扉部材40は、第1モータ42の回転に伴って第1スクリューシャフト43の軸線方向(X1−X2方向)、即ち、左右方向に往復移動可能に構成される。
【0047】
また、
図7に示すように、小径部23tと貫通孔33の間の位置にはガイド孔23gが形成されており、これらガイド孔23gは貫通孔33の上辺に沿って左右方向へ延びている。
図21等に示すように、左扉部材40の上端部には、L字状に折り曲げられた、即ち、後方に突出してその先端が上方に折れ曲がった突起40aが一体形成されており、この突起40aは回転板23に形成された一方のガイド孔23gの上縁の前面に摺動可能に係合している(
図6参照)。つまり、左扉部材40の上端部の後方向への移動が突起40aにより規制されつつ、同上端部の左右方向の移動が一方のガイド孔23gにより許容されている。
【0048】
同様に、右扉部材41の下端部にはガイド筒体54が取付けられており、このガイド筒体54は第2スクリューシャフト45に嵌挿されている。ガイド筒体54の内周面には第2スクリューシャフト45の螺旋状溝と係合する図外の螺旋状突部が形成されている。よって、右扉部材41は、第2モータ44の回転に伴って第2スクリューシャフト45の軸線方向(X1−X2方向)、即ち、左右方向に往復移動可能に構成される。
【0049】
また、右扉部材41の上端部には左扉部材40の突起40aと同様に、L字状に折り曲げられた突起41aが一体形成されており、この突起41aは回転板23に形成された他方のガイド孔23gの上縁の前面に摺動可能に係合している。つまり、右扉部材41の上端部の後方向への移動が突起41aにより規制されつつ、同上端部の左右方向の移動が他方のガイド孔23gにより許容されている。
【0050】
回転板23が初期姿勢を成した状態において、
図19,
図21に示すように左扉部材40と右扉部材41が最も離隔した退避位置に位置するとき、左扉部材40及び右扉部材41は、ケース22の貫通孔22aを全開状態にする。つまり、左扉部材40及び右扉部材41は、遊技者が窓11を通して目視できないように、ケース22の貫通孔22aの外側、即ち、ケース22の後面に隠れる位置に移動する。この全開状態で第1モータ42と第2モータ44が同期して一方向に回転すると、
図22に示すように、左扉部材40が第1スクリューシャフト43の軸線に沿って矢印X1方向へ移動するとともに、右扉部材41が第2スクリューシャフト45の軸線に沿って矢印X2方向へ移動し、左扉部材40と右扉部材41との間隔が次第に狭まっていく。さらに第1モータ42と第2モータ44の回転が継続すると、
図23に示すように、左扉部材40及び右扉部材41は、互いの対向面が回転板23の回転中心位置で接触するまで移動する。このとき、ケース22の貫通孔22aの中央部が左扉部材40及び右扉部材41によって遮蔽された状態となるとともに、ケース22の貫通孔22aの左右側は左扉部材40及び右扉部材41によって遮蔽されず、よって、遊技者は、窓11及びケース22の貫通孔22aの左右領域を通して表示画面14aに表示された画像を目視可能となる。
【0051】
図6に示すように、回転板23の前面と装飾カバー38の後面との間には、枠部38aにより空間S2が形成されている。
図7に示すように、回転板23の貫通孔33の下方には、前後方向に貫通した矩形状の第1挿入孔72及び第2挿入孔73が左右に並んで形成されている。
図4,
図7を参照して分かるように、第1挿入孔72内には第1モータ42が位置し、第2挿入孔73内には第2モータ44が位置する。
図24に示すように、第1モータ42は回転板23の裏側から、モータケース42aを略半分だけ第1挿入孔72に挿入されている。第2モータ44は回転板23の裏側から、モータケース44aを略半分だけ第2挿入孔73に挿入されている。第1スクリューシャフト43及び第2スクリューシャフト45のうち前側の第1スクリューシャフト43は空間S2内に位置し、後側の第2スクリューシャフト45は回転板23の後方に位置する。第1モータ42の出力軸に固定された歯車46の径方向の略半分、第1スクリューシャフト43に固定された歯車48の全体、中継歯車49の全体も、空間S2内に収容されている。つまり、空間S2に、左扉部材40及び右扉部材41のそれぞれの駆動手段の少なくとも一部が収容されている。なお、
図24における回転板23はリブを省略して描いたものである。
【0052】
第1モータ42、第1スクリューシャフト43、歯車46,48及び中継歯車49は、ブラケット70を介して回転板23に取付けられている。第2モータ44、第2スクリューシャフト45、歯車47,50及び中継歯車51は、ブラケット71を介して回転板23に取付けられている。
【0053】
図3に示すように、回転板23よりも右方に位置するケース22の取付板22bの個所には、ケーブルガイド31がネジ止め等によって固定されている。このケーブルガイド31には、図外の回路基板が収容されている。この回路基板は、例えば、ケース22の取付板22bの後面に設けられた演出制御装置103に電気的に接続されている。回路基板にはフラットケーブル32の一端部が電気的に接続されており、ケーブルガイド31に形成された図外の導出口から導出されている。回転板23の外周部にはコネクタ58が取付けられており、このコネクタ58にフラットケーブル32の他端が電気的に接続されている。コネクタ58は、回転板23に設けられた図外の回路基板及び電気ケーブルを介して、回転板23に搭載された第1モータ42、第2モータ44に対して電気的に接続されている。つまり、演出制御装置103から第1モータ42、第2モータ44への制御信号がフラットケーブル32を介して伝送されるようになっている。
【0054】
ケーブルガイド31の回転板23側の面と回転板23の外周縁との間には弧状空間S3が形成されている。フラットケーブル32はその弧状空間S3内に、垂線Lに直交する方向とフラットケーブル32の幅方向が一致した状態で、また、U字状の反転部32aを有した状態で配されている。反転部32aは、フラットケーブル32がケーブルガイド31から下方向に導出された後に、上方向に湾曲して形成されたものである。反転部32aは、回転板23の初期姿勢からの時計方向に45°回転したとき、
図10に示す位置まで移動し、逆に、反時計方向に45°回転したときには
図11に示す位置まで移動する。
【0055】
左扉部材40及び右扉部材41の電飾のための構成について左扉部材40を例に挙げて説明する。
【0056】
図25と
図27を参照して分かるように、左扉部材40は、この左扉部材40の前面を形成している光透過性を有した材料により形成された前板部201を有する装飾ケース200と、前板部201の後方に配され装飾ケース200に取付けられた回路基板202と、前板部201と回路基板202との間隔を保持するスペーサ203とを備えている。
【0057】
図28に示すように、回路基板202には前方に向かって発光する多数の発光素子(LED)が取付けられている。具体的には、回路基板202の右側(
図28の右下側)の縁部中央から左下方向に所定間隔を隔てて一直線状に並んだ7個の発光素子(LED)から成る発光素子列221と、同縁部中央から左上方向に所定間隔を隔てて一直線状に並んだ7個の発光素子(LED)から成る発光素子列231と、右側の縁部に沿って所定間隔を隔てて一直線状に並んで取付けられた17個の発光素子(LED)から成る発光素子列241とが設けられている。また、各々が接近して設置され十字状に配列された5個の発光素子から成る発光素子群250が、回路基板202の上部の2個所、中央部、下部の2個所に設けられている。
【0058】
図29に示すように、スペーサ203は装飾ケース200の前板部201と回路基板202との間に、発光素子列221、発光素子列231、発光素子列241、発光素子群250を配する間隔を保持するものである。このスペーサ203には、発光素子列221を構成する発光素子が配される切欠き203a又は丸孔203cと、発光素子列231を構成する発光素子が配される切欠き203b又は丸孔203dと、発光素子群250が配される丸孔203eが形成されている。発光素子列241はスペーサ203の右側方に配される。
【0059】
図30に示すように、装飾ケース200の前板部201には、発光素子列221に対向して位置し発光素子列221の光を前方に導く下側傾斜導光部222と、発光素子列231に対向して位置し発光素子列231の光を前方に導く上側傾斜導光部232と、発光素子列241の中央の発光素子に対向して位置し発光素子列241の中央の光を前方に導く中央導光部243と、同じく発光素子列241の中央よりも上側部分に対向して位置し発光素子列241の上側の光を前方に導く上側縦導光部242と、同じく発光素子列241の中央よりも下側部分に対向して位置し発光素子列241の下側の光を前方に導く下側縦導光部244とが設けられている。これら下側傾斜導光部222、上側傾斜導光部232、上側縦導光部242、中央導光部243、下側縦導光部244を除く装飾ケース200の前板部201の領域には、光がぼやけて前方に透過するよう微細な斑のある塗装が施されている。
【0060】
右扉部材41の電飾のための構成も左扉部材40と同様に構成されている。ただし、右扉部材41において、左扉部材40の発光素子列221、下側傾斜導光部222、発光素子列231、上側傾斜導光部232、発光素子列241、上側縦導光部242、中央導光部243、下側縦導光部244のそれぞれに相当するものらは、左扉部材40におけるそれらと略左右対称に位置するよう設けられている。
【0061】
左扉部材40の発光素子列221と下側傾斜導光部222は、
図31に黒く塗り潰して示すように、左扉部材40の前面から前方に向かって発光する直線状発光部としての第1小発光部301を構成している。右扉部材41において左扉部材40の発光素子列231及び上側傾斜導光部232に相当するものらは、右扉部材41の前面から前方に向かって発光する直線状発光部としての第2小発光部401を構成している。これら第1小発光部301と第2小発光部401は、
図32に示すように、左扉部材40と右扉部材41の当接状態において直線状に並び、全体として左扉部材40の左下縁部から右扉部材41の右上縁部に亘って延びた直線状を成すよう配されている。
【0062】
左扉部材40の発光素子列231と上側傾斜導光部232は、
図33に黒く塗り潰して示すように、左扉部材40の前面から前方に向かって発光する直線状発光部としての、前記第1小発光部301とは別の第1小発光部302を構成している。右扉部材41において左扉部材40の発光素子列221及び下側傾斜導光部222に相当するものらは、右扉部材41の前面から前方に向かって発光する直線状発光部としての、前記第2小発光部401とは別の第2小発光部402を構成している。これら第1小発光部302と第2小発光部402は、
図34に示すように、左扉部材40と右扉部材41の当接状態において直線状に並び、全体として左扉部材40の左上縁部から右扉部材41の右下縁部に亘って延びた直線状を成すよう配されている。
【0063】
左扉部材40の発光素子列241、上側縦導光部242、中央導光部243及び下側縦導光部244は、
図35に黒く塗り潰して示すように、左扉部材40の右扉部材41側の縁部に沿って位置する第1縁発光部303を構成している。この第1縁発光部303も、左扉部材40の前面から前方に向かって発光する直線状発光部である。右扉部材41において左扉部材40の発光素子列241、上側縦導光部242、中央導光部243及び下側縦導光部244に相当するものらは、右扉部材41の左扉部材40側の縁部に沿って位置する第2縁発光部403を構成している。この第2縁発光部403も、右扉部材41の前面から前方に向かって発光する直線状発光部である。これら第1縁発光部303と第2縁発光部403は、
図36に示すように、左扉部材40と右扉部材41の当接状態において近接して並列するよう配されている。
即ち、遊技盤3の前方に向かって発光するように設けられた直線状発光部は、回路基板202上に所定間隔を隔てて一直線上に設置された複数の発光部材としての発光素子と、発光素子の光を前方に透過させる前板部201とにより構成される。
【0064】
前板部201における上述した各導光部で挟まれた各導光部以外の部分と、当該部分の後方に位置されて当該部分を透過する光を発光する各発光素子群250とが、それぞれ、点状発光部としての第1小発光部305,第2小発光部405を構成する。
即ち、遊技盤3の前方に向かって発光するように設けられた点状発光部は、回路基板202上に接近して置された複数の発光部材としての発光素子と、発光素子の光を前方に透過させる前板部201とにより構成される。
点状発光部は、回路基板202上に点在するように設置された個々の発光素子と、これら発光素子の光を前方に透過させる前板部201とにより構成されてもよい。即ち、点状発光部は、1個の発光素子と前板部201とにより形成された構成でもよい。
【0065】
図2では、中央部装飾ユニット10の後側に位置する固定発光部のいくつかの図示を省略し、また固定発光部508以外の固定発光部の発光素子601の図示も省略してある。
図44では、固定発光部の図示を省略した。
そこで、
図45,
図46では、遊技盤3の中央部装飾ユニット10等の遊技部品や釘3Cなどを省略して遊技基板3bの前面に設けられた複数の固定発光部501〜516と表示画面14aと扉部材40Aとの関係がわかるようにパチンコ機Pの前方から見た状態を簡略化した図を示した。
複数の固定発光部501〜516は同様の構成である。固定発光部501〜516は、それぞれ、
図45に示すように、遊技基板3bの前面に設けられた凹部603と、凹部603の底面に設置された複数の発光素子601から構成された発光素子列600(
図45では、固定発光部501以外の固定発光部の発光素子601の図示を省略してある)と、発光素子列600を覆うように凹部603に取付けられた導光前面カバー602とにより構成される。凹部603は、遊技基板3bの前面上において例えば貫通孔3Dの中心(回転板23の回転中心O)より放射状に延長する線を中心線として貫通孔3Dの孔縁3Eより遊技基板3bの外周側に延長した構成である。凹部603の幅は、例えば、一定幅、又は、
図45に示すように貫通孔3Dの中心から遊技基板3bの外周側に向けて漸次幅広となるように形成される。発光素子列600は、例えば、複数の発光素子601が上記中心線上に所定間隔を隔てて配置された構成である。導光前面カバー602は発光素子の光を遊技盤3の前方に透過させる材料により形成される。導光前面カバー602は、例えば、凹部603に嵌め込まれて前面が、遊技基板3bの前面と同一面となるか又は遊技基板3bの前面より後方に位置するように設けられる。
例えば、遊技盤3が遊技盤取付部3aに取付けられた状態において、
図45に示すように、固定発光部501が貫通孔3Dの中心から真上に延長する線を中心線とした固定発光部に形成され、互いに隣り合う固定発光部の中心線と中心線とが貫通孔3Dの中心を中心として所定角度(例えば22.5°)を隔てた構成とされる。
尚、固定発光部516は、遊技盤3が遊技盤取付部3aに取付けられた状態において、
図45に示すように、例えば、貫通孔3Dの中心から真下に延長する線を中心線とし、かつ、第1始動入賞部品16の入賞口まで延長するような固定発光部に形成されてもよい。
【0066】
また、
図46に示すように、垂線Lの位置で右扉部材41と当接した状態の左扉部材40の第1小発光部301,302と連続する固定発光部508a,502a、垂線Lの位置で左扉部材40と当接した状態の右扉部材41の第2小発光部401,402と連続する固定発光部515a,509a、表示画面14aの中央部が目視されるように位置された左扉部材40の第1小発光部301,302及び右扉部材41の第2小発光部401,402のそれぞれと連続する固定発光部507a,503a,514a,510aを、遊技基板3bの前面に設けてもよい。また、
図46に示すように、点状発光部としての第1小発光部305や第2小発光部405は、扉部材40Aに細かく点在するように設けられてもよい。
【0067】
図4に示すように、左扉部材40及び右扉部材41の上端部のそれぞれからは、フラットケーブル271,272のそれぞれが導出されている。フラットケーブル271は、このフラットケーブル271の幅方向が左扉部材40の動作方向に略直交し、かつ左側(
図4では右側)に膨らんだU字状の反転部271aを有した状態で、電源に間接的に接続された電気部品であるコネクタ274aに電気的に接続されている。コネクタ274aは回転板23に固定された回路基板274に設けられおり、左扉部材40はコネクタ274aに対し移動可能である。フラットケーブル272は、このフラットケーブル272の幅方向が右扉部材41の動作方向に略直交し、かつ右側(
図4では左側)に膨らんだU字状の反転部272aを有した状態で、コネクタ274bに電気的に接続されている。このコネクタ274bも回路基板274に設けられたものである。回路基板274は、前記フラットケーブル32及びコネクタ58等を介して演出制御装置103に電気的に接続されている。
【0068】
フラットケーブル271の装飾ケース200側における配線構造について次に説明する。
図25に示すように、装飾ケース200の上部には前板部201の縁部から後方に突出して形成された壁部200aを有する。この壁部200aの右側には、切欠き状の導出部200bが設けられている。フラットケーブル271は、装飾ケース200の内部からその導出部200bを通じて装飾ケース200の上方に導出され、回路基板274上のコネクタ274aに接続されている。
図37に示すように、回路基板202と装飾ケース200の前板部201との間隔内にはコネクタ202aが配されている。このコネクタ202aは回路基板202の前面(
図37の下側の面)に取付けられており、発光素子列221,231,241及び発光素子群250のそれぞれを構成する発光素子のすべてに電気的に接続されている。
図38に示すように、コネクタ202aに対しフラットケーブル271の端部は、このフラットケーブル271の幅方向が装飾ケース200の前板部201に平行な状態で電気的に接続されている。スペーサ203は前記壁部200aに対向して位置する端部203fを有し、これら壁部200a及び端部203fによりフラットケーブル271を挟持する挟持部275が構成されている。この挟持部275には、回路基板274とコネクタ202aとの間に位置するフラットケーブル271の中間部が配される。
【0069】
図39において、271cは挟持部275よりもコネクタ202a側のフラットケーブル271の部分であり、271dは挟持部275よりも反転部271a側のフラットケーブル271の部分である。フラットケーブル271の中間部には、略直角(矢印M方向)に折り返された部分である折返し部271bが設けられ、この折返し部271bが挟持部275に配されることによって、フラットケーブル271はこのフラットケーブル271の幅方向が前板部201に略直交する状態で、即ち、左扉部材40の動作方向に略直交する状態で、導出部200bから装飾ケース200の外部に導出されている。
【0070】
図40に示すように、スペーサ203には、回路基板202側の面から装飾ケース200の前板部201の面に貫通した通し孔276が形成されている。さらに、その通し孔276よりも上方で前板部201に対向するスペーサ203の前面の個所には、保持溝277が形成されている。
図41に示すように、前板部201には保持溝277に挿入される突出部278が形成されている。回路基板202と前板部201との間に位置するフラットケーブル271の個所は、通し孔276及び保持溝277に挿通された状態に配線されている。これら通し孔276は、挟持部275とコネクタ202aの間の位置するフラットケーブル271の幅方向(左右方向)の移動を規制する位置決め部である。また、保持溝277と突出部278はフラットケーブル271を挟持する、前記挟持部275とは別の挟持部を構成している。
【0071】
左扉部材40側のフラットケーブル271の配線構造と同様の配線構造によりフラットケーブル272も右扉部材41に対して配線されている。
【0072】
本実施形態に係る可動役物装置13、第1小発光部301,302,305、第2小発光部401,402,405、第1縁発光部303、第2縁発光部403、固定発光部501〜516の制御に係る構成について
図42を用いて説明する。
【0073】
図42に示すように、制御装置は、主制御装置102、演出制御装置103、発射払出制御装置105等を備える。制御装置は、遊技機枠1Aの後面や遊技盤3の後面やケース22の後面などに取付けられる。
【0074】
主制御装置102は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラム及びデータを格納するROM(Read Only Memory)、CPUにより生成された処理情報の一時記憶及び記憶した処理情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等を備え、ROMに記憶された制御プログラム及びデータにより、パチンコ遊技に関する処理を実行するものである。この主制御装置102は、ROMに格納された制御プログラム及びデータにより、当り外れ抽選を行うよう、また、普通図柄抽選を行うよう設定されている以外に、当り外れ抽選で抽出された乱数値を、演出制御装置103に与えるようにも設定されている。
主制御装置102は、当り外れ抽選を行うための抽選カウンタと、乱数値と当り外れ情報及び演出時間情報とが対応付けられた当り外れ参照テーブルとを備え、始動入賞信号の入力タイミングで抽選カウンタのカウント値を乱数値として取得し、この取得した乱数値を当り外れ参照テーブルに照らし合わせて当り外れ情報を取得する。
主制御装置102は、普通図柄抽選を行うための抽選カウンタと、乱数値と当り外れ情報とが対応付けられた普通図柄参照テーブルとを備え、遊技領域に発射された球の普通図柄始動部品への入賞信号の始動入賞の入力タイミングで抽選カウンタのカウント値を乱数値として取得し、この取得した乱数値を普通図柄参照テーブルに照合して普通図柄の当り外れ情報を取得する。普通図柄抽選により主制御装置102が普通図柄の当りの確定を認識した場合には、主制御装置102が例えば第2始動入賞部品17の電動チューリップの開閉体の開閉駆動源を作動させて開閉体を数回開閉させる(例えば、0.6秒間、2回開閉させる)。
【0075】
演出制御装置103は、CPU、ROM、RAM等を備え、ROMに記憶された制御プログラム及びデータにより、回転駆動モータ29、第1モータ42、第2モータ44、第1小発光部301,302,305、第1縁発光部303、第2小発光部401,402,405、第2縁発光部403、固定発光部501〜516、画像表示装置14などによる演出制御に係る処理を行う。つまり、演出制御装置103は、回転駆動モータ29、第1モータ42、第2モータ44、発光素子列221,231,241、画像表示装置14などを制御するための演出パターン情報と乱数値とが対応付けられた記憶テーブルである演出パターン参照テーブルを備え、始動入賞を契機として主制御装置102から送られてくる乱数値を演出パターン参照テーブルに照合して演出パターン情報を取得し、取得した演出パターン情報に基づいて、可動役物装置13、第1小発光部301,302,305、第1縁発光部303、第2小発光部401,402,405、第1縁発光部303、第2縁発光部403、固定発光部501〜516、画像表示装置14などの演出装置を制御する。
【0076】
回転駆動モータ29の制御は、第1フォトインタラプタ25,第2フォトインタラプタ26からのオン信号の有無と、回転駆動モータ29の制御信号のパルス数に基づいて行われる。回転板23の動作パターンとしては、例えば、回転板23が初期姿勢から時計方向に45°回転した後、反時計方向に回転して初期姿勢に戻る動作パターンや、これとは逆に初期姿勢から反時計方向に45°回転した後、時計方向に回転して初期姿勢に戻ったりする動作パターン、さらに、時計方向45°傾斜した姿勢と反時計方向45°傾斜した姿勢とに繰り返し姿勢を変化させる動作パターンなどがある。
【0077】
第1モータ42及び第2モータ44のそれぞれの制御は、制御信号のパルス数に基づいて行われる。左扉部材40及び右扉部材41の動作パターンとしては、例えば、左扉部材40と右扉部材41とがいずれも退避位置(
図21に示す)から互いに近接する方向に同期して移動し、左扉部材40と右扉部材41が互いに当接した状態(
図23に示す状態)で一時停止した後、互いに同期して退避位置に戻る動作パターン、左扉部材40及び右扉部材41の一方のみが退避位置から
図23に示す位置まで移動して一時停止した後に退避位置に戻る動作パターン、左扉部材40と右扉部材41が
図23に示すように当接して一時停止した後、左扉部材40及び右扉部材41の一方が先に退避位置に戻る動作パターン、左扉部材40と右扉部材41の両方が装飾カバー38の貫通孔39を通じて見える位置で離隔した半開状態で一時停止した後、即ち表示画面14aの画面のうち中央部のみが見える状態を一時的に維持した後、当接又は退避する動作パターンなどがある。
【0078】
演出制御装置103は、演出の際、演出パターン情報に基づいて、回転板23の動作パターンと、左扉部材40及び右扉部材41の動作パターンとが組み合わさった動作を可動役物装置13に行わせるとともに、画像表示装置14に画像演出を行わせる。
【0079】
また、演出制御装置103は、回転板23の回転角度が所定角度になり、かつ左扉部材40及び右扉部材41の少なくとも一方が回転板23の所定位置に位置するときに、第1小発光部301、第2小発光部401、第1小発光部302、第2小発光部402、第1縁発光部303、第2縁発光部403のいずれかと、固定発光部501〜516のいずれかとが線状に並んで発光した状態になるよう第1小発光部301、第2小発光部401、第1小発光部302、第2小発光部402、第1縁発光部303、第2縁発光部403、固定発光部501〜516の制御を行う。
【0080】
演出制御装置103は、大当り演出やスーパーリーチ演出を含む複数の演出パターン情報の中からある特定の演出パターン情報に基づいて、例えば
図45に示すように、回転板23を初期姿勢にし、かつ左扉部材40と右扉部材41とを垂線Lの位置で当接させた状態に制御するとともに、扉部材40Aに設けられた第1小発光部301,302,305、第2小発光部401,402,405、第1縁発光部303、第2縁発光部403によるすべての可動発光部(可動体の発光部)又は第1小発光部305、第2小発光部405を除いたすべての可動発光部、及び、遊技基板3bに設けられたすべての固定発光部(遊技盤の発光部)501〜516を発光させ、さらに、垂線Lの位置で当接した状態の左扉部材40と右扉部材41とからなる扉部材40Aの左右端と貫通孔3Dの孔縁3Eの左右端との間の間隔を介して遊技者が目視可能な左右の表示画面領域520,521に、固定発光部と連続する発光状態を示した画像522や、固定発光部及び可動発光部と連続する発光状態を示した画像523などを表示する制御を行う。
【0081】
演出制御装置103は、大当り演出やスーパーリーチ演出を含む複数の演出パターン情報の中からある特定の演出パターン情報に基づいて、左扉部材40と右扉部材41とを垂線Lの位置で当接させた状態から回転板23を回転させることで扉部材40Aを垂線Lに対して傾かせた状態とし、当該傾かせた状態において扉部材40Aに設けられた第1小発光部301,302、第2小発光部401,402を発光させるとともに、遊技盤取付部3aに取付けられた遊技盤3の前方から見て上記発光させる第1小発光部301及び第2小発光部401と連続する位置にある固定発光部、及び、上記発光させる第1小発光部302及び第2小発光部402と連続する位置にある固定発光部を発光させる制御を行う。
演出制御装置103は、大当り演出やスーパーリーチ演出を含む複数の演出パターン情報の中からある特定の演出パターン情報に基づいて、左扉部材40と右扉部材41とを垂線Lの位置で当接させた状態から回転板23を回転させることで扉部材40Aを傾かせた状態とし、当該傾かせた状態において扉部材40Aに設けられた第1縁発光部303、第2縁発光部403を発光させるとともに、遊技盤取付部3aに取付けられた遊技盤3の前方から見て上記発光させる第1縁発光部303及び第2縁発光部403と連続する位置にある固定発光部を発光させる制御を行う。
即ち、演出制御装置103は、遊技盤取付部3aに取付けられた遊技盤3の前方から見て扉部材40Aの可動発光部が遊技盤3の固定発光部と直線状又は曲線状に連続するように目視される特定位置に扉部材40Aを駆動制御するとともに、扉部材40Aが特定位置に位置された場合に、連続する扉部材40Aの可動発光部と遊技盤3の固定発光部とを共に発光させる協働光演出を行う。
【0082】
上記では左扉部材40と右扉部材41が当接状態である場合を説明したが、演出制御装置103は、ある特定の演出パターン情報に基づいて、左扉部材40のみが当接状態と同位置にある状態において、扉部材40Aに設けられた1つ以上の可動発光部を発光させるとともにこの発光させた可動発光部と連続する位置にある固定発光部を発光させる制御を行う。また、これと同様の制御を右扉部材41のみが当接状態と同位置にある場合にも行う。
即ち、扉部材40Aは、駆動手段としての扉部材駆動機構40Bにより、一方の扉部材が表示画面14aの前面で表示画面14aに平行に駆動演出され、他方の扉部材が収納部としての部材収容凹部22xに収納された状態で演出される場合がある。
つまり、可動体としての扉部材40Aの左扉部材40及び右扉部材41は、表示画面14aの前方(前面)で表示画面14aの少なくとも一部を遮る位置と表示画面14aを遮らない位置との間で移動可能に構成されるとともに、表示画面14aの少なくとも一部を遮る位置を移動しながら前方に向かって光を発光する発光素子を有した可動発光部を備えたものである。
【0083】
演出制御装置103は、ある特定の演出パターン情報に基づいて、例えば
図46に示すように、遊技者が表示画面14aの中央部を目視できるように左扉部材40と右扉部材41とが位置された場合に、左扉部材40と右扉部材41とで挟まれて遊技者が目視可能な中央の表示画面領域に演出画像を表示するとともに、左扉部材40や右扉部材41の直線状発光部や点状発光部による光演出を行う。演出制御装置103は、ある特定の演出パターン情報に基づいて、例えば
図45に示すように、表示画面14aの中央部で左扉部材40と右扉部材41とが当接する位置された場合に、遊技者が目視可能な左右の表示画面領域520,521に演出画像を表示するとともに、左扉部材40や右扉部材41の直線状発光部や点状発光部による光演出を行う。演出制御装置103は、ある特定の演出パターン情報に基づいて、左扉部材40あるいは右扉部材41のみが当接状態と同位置にある状態において、遊技者が目視可能な表示画面領域に演出画像を表示するとともに、左扉部材40や右扉部材41の直線状発光部や点状発光部による光演出を行う。
これらの際、演出制御装置103は、ある特定の演出パターン情報に基づいて、直線状発光部の複数の発光素子や点状発光部の複数の発光素子をすべて発光させる全発光演出、又は、直線状発光部の複数の発光部材や点状発光部の複数の発光素子のうちの個々の発光素子を単独で発光させる単独発光演出を行うので、発光素子による発光、消光、点滅による演出パターンを増やせ、これにより、左扉部材40や右扉部材41の所々で光の強弱や色や発光パターンなどの違いを出すことができるので、表示画面14aに表示する画像による画像演出と関連性のある光演出を行える可能性が増えるので、表示画面14aに表示する画像による画像演出と関連性や一体感のある効果的な光演出を行えるようになる。
【0084】
なお、通常の遊技状態では、回転板23が初期姿勢に保持され、かつ左扉部材40と右扉部材41は退避位置に保持され、第1小発光部301,302、第1縁発光部303、第2小発光部401,402、第2縁発光部403、固定発光部501〜516はいずれも消灯された状態に制御される。
【0085】
図42に示すように、発射払出制御装置105は、発射装置109及び払出機構110を制御する。即ち、発射操作機構6の図外の接触センサから主制御装置102に信号が送出されて手が発射操作機構6に接触して操作されていることを主制御装置102が認識した場合に発射装置109の発射力を制御し、また、主制御装置102からの入賞があったことを示す信号に基づいて払出機構110による球の払出を制御する。
【0086】
次にパチンコ機Pの遊技制御の流れを説明する。
主制御装置102が電力供給で起動し、受皿7に球が入れられた状態において、遊技者が発射操作機構6を操作すると、主制御装置102が発射装置109を駆動し、発射装置109が受皿7から供給された球を1個ずつ発射操作機構6による操作量に応じた発射力で遊技領域9に向けて発射する。
遊技領域9に発射された球が第1始動入賞部品16又は第2始動入賞部品17に入賞(始動入賞)すると、主制御装置102は、第1始動入賞口センサ100又は第2始動入賞口センサ101からの始動入賞検出信号を入力したタイミングで抽選カウンタから乱数値を取得し、取得した乱数値を当り外れ参照テーブルに照合して当り外れ情報及び演出時間情報を取得し、当該乱数値と当り外れ情報と演出時間情報とを記憶装置に記憶する。主制御装置102は、記憶装置に記憶された乱数値を演出制御装置103に送信する。
【0087】
演出制御装置103は、主制御装置102から送られてきた乱数値を演出パターン参照テーブルに照合して演出パターン情報を取得し、演出パターン情報に基づいて演出装置を制御する演出制御を行う。
【0088】
主制御装置102は、演出時間情報による演出時間が経過したことを認識した後に、記憶装置に記憶されている当り外れ情報が当りであるか外れであるかを判定し、当り外れ情報が当りであると判定した場合には、大当り遊技を行う。大当り遊技とは、主制御装置102が可変入賞部品19の開閉体を所定回数又は所定時間開閉する遊技である。大当り遊技では、開閉体が開いてから球が可変入賞部品19の大入賞口センサ107に特定数(例えば9個)入賞するか、開閉体が開いてから所定時間(例えば24秒)経過する度に、開閉体は一旦閉じられる。この一旦閉じるまでの間をラウンドといい、ラウンドは所定回数(例えば、15ラウンド)まで継続する。
【0089】
本実施形態に係るパチンコ機Pは、演出画像を表示画面14aに表示する画像表示装置14と、表示画面14aの前方に配置された遊技盤3と、遊技盤3と表示画面14aとの間に設けられて遊技盤3の盤面(遊技盤3の前板3fの前面や遊技基板3bの後面における平坦面)に平行な面内で回転駆動される回転板23とを備え、遊技盤3は、表示画面14aを目視可能とする画像視認孔としての筒孔10xを備え、回転板23は、表示画面14aを目視可能とする画像視認孔としての貫通孔33を備えるとともに、遊技盤3の前方から見た場合において遊技盤3及び回転板23の画像視認孔の内側及び外側に出没可能な可動体としての扉部材40Aを備え、扉部材40Aの可動発光部を発光させる光演出と遊技盤3の固定発光部を発光させる光演出とを制御して、遊技盤3の前方から見た場合に扉部材40Aの可動発光部による光演出と遊技盤3の固定発光部による光演出とが互いに協働して連続状発光表示形態となる協働光演出を行う演出制御装置103を備えたので、扉部材40Aの可動発光部による光演出と遊技盤3の固定発光部による光演出とが協働した一体感のある効果的な協働光演出を実現できるようになる。
さらに、演出制御装置103は、遊技盤3の前方から見て扉部材40Aの可動発光部が遊技盤3の固定発光部と直線状又は曲線状に連続するように目視される特定位置に扉部材40Aを駆動制御するとともに、扉部材40Aが特定位置に位置された場合に、連続する可動発光部と固定発光部とを共に発光させる協働光演出を行うので、扉部材40Aの動きと当該協働光演出とが関連した一連の連続した演出を実現できるようになる。
また、演出制御装置103は、扉部材40Aを、遊技者が画像視認孔を介して目視可能な位置と目視できない位置とに制御するとともに、回転板23を表示画面14aの前方で回転させるので、表示画面14aに表示される画像演出と扉部材40A及び回転板23の動き演出とによる一体感及び立体感のある演出を画像視認孔を介して遊技者に見せることが可能となる。
また、回転板23が回転制御されることにより遊技者が画像視認孔を介して目視可能な表示画面14aの領域が変動する。また、扉部材40Aが開閉制御されることで遊技者が画像視認孔を介して目視可能な表示画面14aの領域が変動する。よって、目視可能な表示画面14aの領域が変動するような演出を遊技者に見せることが可能となる。
【0090】
本実施形態に係るパチンコ機Pにおいて、可動体である左扉部材40と右扉部材41とは、回転板23に対して移動することで表示画面14aの前方で移動でき、回転板23の回転により表示画面14aの前方で回転できる。そして、回転板23の回転角度が所定角度になり、かつ左扉部材40及び右扉部材41の少なくとも一方が回転板23の所定位置に位置するときに、第1小発光部301、第2小発光部401、第1小発光部302、第2小発光部402、第1縁発光部303、第2縁発光部403のいずれかと、固定発光部501〜516のいずれかとが線状に並び、線状に並んだものの一部又は全部が発光することによって、表示画面14a側の領域と表示画面14aの外側の領域との間で連なる線状の光の演出が行われる。つまり、表示画面14aの前方において左扉部材40と右扉部材41の回転動作及びスライド動作の少なくとも一方が行われることによって、表示画面14aの外側における線状の固定発光部501〜516に関わる表示画面14a側の領域での演出の面白みを向上させることができる。
【0091】
本実施形態に係るパチンコ機Pは、左扉部材40に可動発光部としての第1小発光部301,302とを有し、右扉部材41に可動発光部としての第2小発光部401,402を有する。つまり、第1小発光部301と第2小発光部401とを線状に並べたり離隔させたりすることができ、第1小発光部302と第2小発光部402と線状に並べたり離隔させたりすることができる。これによって、表示画面14a側の領域における演出の趣向をさらに向上させることができる。
【0092】
本実施形態に係るパチンコ機Pは、左扉部材40に可動発光部としての第1縁発光部303を有し、右扉部材41に可動発光部としての第2縁発光部403を有する。つまり、第1縁発光部303と第2縁発光部403を近接させたり、離隔させることができる。これによっても、表示画面14a側の領域における演出の趣向をさらに向上させることができる。
【0093】
即ち、本実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技盤3の前方に向かって発光する発光素子を持つ発光部を有した可動体としての扉部材40Aを備え、扉部材40Aの発光素子を発光させる光演出と表示画面14aの画像演出とを制御する演出制御装置103を備えるので、光演出と画像演出とが互いに協働した演出を行うことができる。特に、扉部材40Aの発光部として、所定間隔を隔てて一直線上に設置された複数の発光素子を有した直線状発光部と、1個又は接近して設置された複数の発光素子を有した点状発光部とを備え、演出制御装置103は、直線状発光部の複数の発光素子や点状発光部の複数の発光素子をすべて発光させる全発光演出、又は、直線状発光部の複数の発光素子や点状発光部の複数の発光素子のうちの個々の発光部材を単独で発光させる単独発光演出を行うので、発光素子による発光、消光、点滅による演出パターンが増え、表示画面14aに表示する画像による画像演出と関連性や一体感のあるより効果的な光演出を行えるようになる。
【0094】
可動体は、回転板23の貫通孔33を上下に開閉する可動体、貫通孔33の4角からそれぞれ個別に貫通孔33の内外に出没するような可動体などであってもよい。
【0095】
回転板23及び可動体は、遊技基板3bの前面と中央部装飾ユニット10との間に設けたり、中央部装飾ユニット10の代わりに遊技基板3bの前面に設けてもよい。
また、回転板23を設けなくともよく、この場合、表示画面14aの前方に現れて表示画面14aの少なくとも一部を遮る状態と表示画面14aの前方より外れて表示画面14aを遮らない状態とに可動可能に構成された可動体を設ければよい。