(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態に係るサンシェード装置10について説明する(
図1、
図2参照)。
【0022】
本サンシェード装置10は、ウインドウ1を遮蔽するための装置である。このサンシェード装置10は、スリット4が形成されたウインドウ周辺部材の内側に配設され、スリット4を通じてシェード20を引出収納するようになっている(
図4参照)。そして、サンシェード装置10は、シェード20の収納状態において、スリット4を全体的に塞ぐことができるように構成されている(
図3参照)。
【0023】
説明の便宜上、サンシェード装置10を適用するウインドウ1について説明する。
【0024】
ここでは、サンシェード装置10が自動車のリアウインドウであるウインドウ1に適用される例で説明する。このウインドウ1は、対向する短辺と長辺とを有する略等脚台形状に形成されているものとする(
図1、
図2参照)。
【0025】
そして、サンシェード装置10は、ウインドウ1の長辺側(自動車の床側)に位置するウインドウ周辺部材としてのリアパッケージトレイ3(ハッチバック式の場合にはウインドウ下方のトリム等の内装部材)の内側に配設される。このリアパッケージトレイ3には、車室内に開口するシェード20引き出し用のスリット4が形成されている。このスリット4は、車体の幅方向に沿って略直線状に延びる幅狭な貫通孔状に形成されている。以下、説明の便宜上、スリット4について、車体の幅方向をスリット4の長手方向といい、当該長手方向に直交する方向(短い寸法の方向)を幅方向という。より具体的には、スリット4は、長手方向において、ウインドウ1の長辺と略同じ寸法(後述するシェード20との関係ではその長辺端部24より大きい寸法)に設定されている。また、スリット4の幅寸法は、後述するステイ40を内側に配設可能な程度の寸法に設定されている。ここでは、スリット4は、リアパッケージトレイ3に形成されている溝部3aの一壁面で開口するように形成されている。そして、このスリット4は、ウインドウ1に対して、略直交する面上に開口縁部が位置する姿勢で形成されている(
図7、
図8参照)。
【0026】
もっとも、サンシェード装置10は、上記のような自動車のリアウインドウに限らず、自動車のサイドウインドウ等、その他のウインドウに対しても適用可能である。そして、これらのウインドウに適用される場合には、サンシェード装置10はウインドウ周辺部材としてのトリム、その他の内装部材等の内側に配設され、各部にはスリットが形成されていればよい。
【0027】
本サンシェード装置10は、シェード20と、巻取装置30と、ステイ40と、カバー体50と、連動機構60とを備えている。
【0028】
シェード20は、メッシュ状等の布材、樹脂シート等を裁断、縫製等して、ウインドウ1を遮蔽可能な大きさ及び形状に形成されている。より具体的には、シェード20は、対向する短辺端部22と長辺端部24とを有する形状(ここでは、略等脚台形状)に形成されている(
図1、
図2参照)。
【0029】
もっとも、シェード20は、短辺端部22と長辺端部24とを有し、ウインドウ1を遮蔽可能であれば、等脚台形以外の台形状、又は、側端部が曲線等であるような形状等であってもよい。
【0030】
上記シェード20は、巻取装置30に対して引出収納可能に取り付けられている。巻取装置30は、ベース32と、回転支持部33と、巻取シャフト34等を有している(
図1、
図2参照)。
【0031】
ベース32は金属板を切断、屈曲等して形成された部材、或いは、金属を押出成形して形成された部材である。
【0032】
巻取シャフト34は、長尺円筒状部材であり、ベース32に対して回転支持部33により軸周りに回転可能に支持されている。この巻取シャフト34の外周面には、その軸方向に沿ってシェード20の長辺端部24が取り付けられている。これにより、巻取シャフト34が回転されると、シェード20が巻取シャフト34に対して巻き取られる。
【0033】
また、巻取シャフト34は、図示省略の付勢部材(コイルバネ等)により、回転支持部33に対してシェード20を巻き取る向き(巻取方向R)に回転付勢されている。
【0034】
この巻取装置30は、ウインドウ1の長辺側に位置するリアパッケージトレイ3の内側に配設される。より具体的には、巻取装置30の位置は、巻取シャフト34に巻き取られるシェード20を、スリット4を通じて車室内側に引き出し可能な位置である。すなわち、シェード20は、巻取装置30に対してスリット4を通じて引出収納可能になっている。そして、この巻取装置30は、ベース32がネジ止め等により車体、内装部材(リアパッケージトレイ3も含む)、ドアのインナーパネル等に固定されることにより上記位置に支持される。
【0035】
シェード20の短辺端部22には、シェード20引き出し用のステイ40が取り付けられている(
図1、
図2参照)。ステイ40は、長尺棒状部材の両端部に端末部材42が取り付けられた形状である。このステイ40に対して、シェード20の短辺端部22が弛みなく取り付けられる。ここでは、ステイ40の長尺方向寸法は、シェード20の短辺端部22と略同寸法に設定されている。
【0036】
このステイ40を巻取装置30の巻取力に反して巻取シャフト34の軸方向に略直交する方向に移動操作することによって、スリット4を通じてシェード20を引き出すことができる。ここで、シェード20は、ウインドウ1に沿って引き出される。そして、シェード20が引出収納される方向を引出収納方向Pという。また、ウインドウ1全体を遮蔽するまでシェード20を引き出した状態を、シェード20の引出状態という(
図2、
図4参照)。
【0037】
また、ステイ40を引出操作しない状態では、シェード20は巻取装置30の巻取力によって巻取シャフト34に巻き付けられた収納状態に維持される(
図1、
図3参照)。この状態で、ステイ40は、スリット4内(スリット4の開口縁部に囲まれた位置)に配設され、スリット4を長手方向において部分的に(ここでは中央部分を)塞ぐようになっている。もっとも、このスリット4内とは、厳密にその開口縁部に囲まれた位置に限られず、それより僅かに収納側(リアパッケージトレイ3の内側)の位置も含むものとする。すなわち、シェード20の収納状態では、ステイ40が、スリット4より僅かに収納側に進入する場合もある。
【0038】
ここで、ステイ40がスリット4を塞いだ状態とは、スリット4をその幅方向において完全に覆った状態に限らず、リアパッケージトレイ3の内部の構造(巻取装置30も含む)が外部から隠れる程度に塞がれていればよい。好ましくは、ステイ40とスリット4との大きさの関係は、ステイ40がスリット4内に配設された状態で、スリット4の開口縁部が位置する平面上において、スリット4の幅寸法よりステイ40が僅かに幅狭であるとよい。
【0039】
そして、ステイ40は、後述するスライド部材62を押動した位置(シェード20の収納状態)でシェード20がそれ以上巻き取られないように移動規制されるようになっている。シェード20の収納状態でステイ40を移動規制する構成としては、例えば、スライド部材62の収納側移動停止位置でスライド部材62自体に係止する構成、巻取装置30又はリアパッケージトレイ3にステイ40係止用のストッパを設けた構成等を採用することができる。
【0040】
上記のように、短辺端部22と長辺端部24とを有するシェード20を用いたサンシェード装置10においては、長辺端部24(シェード20の引出状態でスリット4内に位置する部分)を通過可能なように、スリット4は長辺端部24より長尺に形成されている。一方、ステイ40は、シェード20の長辺端部24より短い短辺端部22に対応して形成され、スリット4の長尺方向寸法より小さい長尺方向寸法になっている。
【0041】
このため、シェード20の収納状態で、スリット4内に配設されるステイ40の長手方向側方(ここでは両側方)位置に、ステイ40により塞がれない箇所ができる。これにより、スリット4は、シェード20の収納状態においても、ステイ40より長尺な分だけ部分的に開放されたままの状態となってしまう。
【0042】
そこで、本サンシェード装置10においては、シェード20の収納状態で、スリット4を全体的に塞ぐような構成を採用している。
【0043】
なお、上記のように、本課題は短辺端部22と長辺端部24とを有するシェード20の形状に起因するものであり、ウインドウ1の形状に直接関わるものではない。すなわち、通常、シェード20は、ウインドウ1の形状に対応した形状に(台形であれば台形というように)形成されるが、短辺と長辺とを有しないようなウインドウであっても、短辺端部22と長辺端部24とを有するシェード20が用いられてもよい。つまり、本サンシェード装置10は、上述した短辺と長辺とを有する形状以外のウインドウにも適用することができる。
【0044】
以下、シェード20の収納状態においてスリット4を全体的に塞ぐ構成について説明をする。
【0045】
カバー体50は、スリット4を部分的に塞ぐ閉状態(
図3、
図5、
図7参照)と、スリット4を開放する開状態(
図4、
図6、
図8参照)との間で切替動作可能に構成されている。そして、このカバー体50は、閉状態で、シェード20の収納状態におけるステイ40と共にスリット4を全体的に塞ぐことが可能である(
図3参照)。より具体的には、カバー体50の閉状態とはスリット4のうちシェード20の収納状態におけるステイ40の長手方向側方を塞ぐ状態である。また、カバー体50の開状態とは引出状態のシェード20の側端部26に干渉しない程度に閉状態から退避した状態である。この開状態は、スリット4を全く遮ってない状態に限られない。ここでは、シェード20の収納状態において、ステイ40がスリット4の長手方向中央部分を塞ぐように構成されているため、スリット4のうちステイ40の両側方の開放箇所をそれぞれ塞ぐように、2つのカバー体50が設けられている。
【0046】
もっとも、カバー体50は、シェード20の収納状態においてスリット4のうちステイ40の長手方向側方で開放されている部分を覆うことができればよい。すなわち、シェード20の収納状態において、ステイ40がスリット4の長手方向一方側に寄って配設される場合(例えば、一つの角が直角を成す台形に形成されたシェードの場合)、ステイ40の長手方向他方側だけに設けられてもよい。なお、後述する連動機構60の数もカバー体50の数によって決定される。
【0047】
また、カバー体50は、スリット4より収納側、すなわち、リアパッケージトレイ3の内側において動作可能に配設されている。なお、スリット4より収納側とは、スリット4内すなわちスリット4の開口縁部の内側の位置も含むものとする。
【0048】
このカバー体50は、カバー移動部材52と、カバー回転部材57と、回転付勢部材59とを有している(
図10参照)。より具体的には、カバー移動部材52の先端部に、連結軸周りに相対回転可能にカバー回転部材57が連結され、カバー移動部材52に対してカバー回転部材57を連結軸周りの一方(カバー回転方向C)に回転させるように回転付勢部材59が設けられている。そして、スリット4の長手方向両端側部分を、カバー回転部材57を姿勢変更させることにより、主としてカバー回転部材57で塞ぐようになっている。
【0049】
本実施形態に係るサンシェード装置10は、リアウインドウであるウインドウ1に適用され、リアパッケージトレイ3の溝部3aの一壁部で開口するように形成されたスリット4からシェード20を引き出す構成である。このため、スリット4が形成されている溝部3aの一壁部より車体の天井側(
図7、
図8の上側)には、リアパッケージトレイ3の上面部が延在している。このような箇所にサンシェード装置10を適用する場合、カバー体50をスリット4の開口縁部が延在する平面に沿って直線移動させるだけの構成では、カバー体50の退避スペースを確保できないこともある。上記カバー体50の構成は、このようにリアパッケージトレイ3の内側等の限られたスペースで動作させるために採用されるものである。
【0050】
カバー移動部材52は、略矩形板状の部分の一端部にカバー回転部材57連結用の連結部52aを有し、一側端部に後述する連動機構60の第2歯車66と噛み合う第2ラック53を有する構成である(
図5、
図6参照)。このカバー移動部材52は、巻取シャフト34の軸方向と略直交する方向に沿って、閉位置と開位置との間で直線移動可能である(
図7、
図8参照)。より具体的には、カバー移動部材52は、案内部36を有する支持部35により、直線移動可能に巻取装置30に対して支持されている。
【0051】
支持部35は、巻取装置30のベース32に対してネジ止め等により固定可能に形成された部材である(
図10参照)。そして、支持部35は、ベース32に固定された状態で、案内部36を下記の姿勢及び位置に保持するように構成されている。
【0052】
案内部36は、カバー移動部材52を、巻取シャフト34の軸方向と略直交する方向に沿って閉位置と開位置との間で案内可能に構成されている。より具体的には、案内部36は、カバー移動部材52を、リアパッケージトレイ3の上面部に略沿った姿勢でスリット4に対して接離させる方向に案内可能である。ここでは、案内部36は、矩形板状に形成され、巻取シャフト34の軸方向に略直交する方向に沿って(ここでは、リアパッケージトレイ3の上面部に略沿って)延在すると共に、幅方向が巻取シャフト34の軸方向に略平行となる姿勢で設けられている。また、ここでは、案内部36は、巻取シャフト34に対してリアパッケージトレイ3の上面部側の位置に保持されている。すなわち、案内部36は、巻取シャフト34とリアパッケージトレイ3の上面部との間の位置で、カバー移動部材52を移動させるように案内する。
【0053】
これに対して、カバー移動部材52は、案内部36に対してその延在方向に沿って移動可能に嵌合する被案内部56を有している(
図9参照)。より具体的には、被案内部56は、開口側を対向させる姿勢で設けられた一対の溝状部分で、カバー移動部材52の略矩形板状の部分の一主面上に設けられている。ここでは、被案内部56は、カバー移動部材52がその一端部と他端部とを結ぶ方向に沿って移動するように、当該一端部と他端部とを結ぶ方向に沿って延在するように形成されている。
【0054】
そして、カバー移動部材52は、案内部36に被案内部56を嵌合させた状態で、案内部36の延在方向すなわち巻取シャフト34の軸方向に略直交し且つスリット4に対して接離する方向に沿って移動可能とされると共に、巻取装置30のベース32に対して支持される。このカバー移動部材52は、スリット4に対して近接して一端部がスリット4内或いはスリット4より僅かに収納側に位置する閉位置と、スリット4に対して離間した開位置との間で移動される。
【0055】
カバー回転部材57は、スリット4のうち収納状態のステイ40の側方で開放される部分を塞ぐことが可能な形状に形成されている。ここでは、カバー回転部材57は、扁平な略直方体状に形成されている。このカバー回転部材57の形状は、スリット4の開口縁部が延在する平面に沿った姿勢で、スリット4内或いはそれより収納側に配設された状態で、スリット4を長手方向に部分的に(ここでは、ステイ40の側方部分を)塞ぐことができる形状である(
図3、
図7参照)。また、カバー回転部材57は、基端部にカバー移動部材52連結用の連結部57aを有している。
【0056】
上記カバー回転部材57は、カバー移動部材52に対して、巻取シャフト34の軸方向と略平行な連結軸周りに相対回転可能に連結されている。カバー移動部材52とカバー回転部材57とは、連結部52aと連結部57aとが連結されることにより連結される。ここでは、連結部52a及び連結部57aには幅方向に沿って貫通孔が形成されている。そして、連結部52a及び連結部57aの各貫通孔の中心軸を一致させた状態で、両貫通孔に連結軸部材が挿通されることにより、カバー移動部材52とカバー回転部材57とが連結軸部材の軸(連結軸)周りに相対回転可能に連結されている。
【0057】
カバー回転部材57は、閉姿勢と開姿勢とで姿勢変更可能である。カバー回転部材57の閉姿勢とは、スリット4の開口縁部に沿った姿勢、より具体的には、開口縁部が延在する面に対して一主面が略平行となる姿勢である(
図7参照)。また、カバー回転部材57の開姿勢とは、カバー回転部材57がカバー移動部材52に対して側面視略直線上に位置する(リアパッケージトレイ3の上面部に略沿った)姿勢である(
図8参照)。すなわち、この開姿勢では、カバー移動部材52の一端部と他端部とを結ぶ方向と、カバー回転部材57の先端部と基端部とを結ぶ方向とが平行となっている。なお、カバー回転部材57の閉姿勢は、開姿勢よりカバー回転方向Cに向けて回転された姿勢である。
【0058】
また、カバー回転部材57は、閉姿勢及び開姿勢で姿勢を維持可能なように、当該閉姿勢及び開姿勢から、それ以上カバー回転方向C又はその逆向きに回転するのを規制されているとよい。例えば、回転を規制するためには、カバー回転部材57が閉姿勢の状態でカバー移動部材52にカバー回転方向C後方側から当接する構成、及び、カバー回転部材57が開姿勢の状態でカバー移動部材52にカバー回転方向C前方側から当接する構成を、カバー回転部材57に設けることができる。
【0059】
また、カバー回転部材57は、回転付勢部材59により、カバー移動部材52に対して、開姿勢から閉姿勢に姿勢変更する向き(カバー回転方向C)に回転付勢されている(
図10参照)。より具体的には、回転付勢部材59は、カバー移動部材52のカバー回転部材57との連結軸周りに、カバー回転方向Cに向けて付勢力を作用させるバネである。ここでは、回転付勢部材59として、ねじりコイルばねを採用している。もっとも、回転付勢部材59としては、他にも、板バネ、ぜんまいバネ等を採用することができる。そして、カバー移動部材52及びカバー回転部材57には、それぞれ回転付勢部材59を配設するための凹部59a、59bが形成されている。
【0060】
ここで、カバー移動部材52が閉位置に位置し、且つ、カバー回転部材57が閉姿勢となっている状態が、カバー体50の閉状態(
図7参照)である。この状態で、カバー体50は、スリット4のうちシェード20の収納状態におけるステイ40の側方を塞ぐ(
図3参照)。また、カバー移動部材52が開位置に位置し、且つ、カバー回転部材57が開姿勢となっている状態が、カバー体50の開状態である(
図8参照)。この状態で、カバー体50は、スリット4のうちシェード20の収納状態におけるステイ40の側方を開放する(
図4参照)。
【0061】
このような閉状態と開状態との間で切替動作されるカバー体50は、カバー移動部材52の直線移動に連動してカバー回転部材57が回転することにより動作するようになっている。より具体的には、回転付勢部材59の付勢力によるカバー回転部材57の回転を規制可能な回転規制部38が備えられている(
図7、
図8参照)。この回転規制部38は、カバー移動部材52の移動に伴って変化するカバー回転部材57の位置によって、カバー回転部材57に対して接触又は非接触状態となることにより、カバー移動部材52の移動に対応させてカバー回転部材57の開姿勢から閉姿勢に向かう回転を規制可能な部材である。
【0062】
回転規制部38は、カバー回転部材57の連結軸より先端側の部分に対して、カバー回転方向C前方側から当接可能な規制面38fを有している。そして、回転規制部38は、規制面38fが、カバー移動部材52が開位置にある状態でカバー回転部材57に接触して回転を規制し、カバー移動部材52が閉位置にある状態でカバー回転部材57に非接触となって回転の規制を解除する。すなわち、カバー回転部材57は、規制面38fに接触する位置で、規制面38fに接触した姿勢でカバー回転方向Cの回転が規制され、規制面38fに非接触の位置で、閉姿勢に姿勢変更可能となる。
【0063】
ここでは、回転規制部38は、案内部36の延在方向前方(スリット4側)で支持部35に固定されることにより、巻取装置30のベース32に対して支持されている。そして、規制面38fは、カバー移動部材52の移動方向及び巻取シャフト34の軸方向に対して略平行な平面部分を有している。すなわち、この平面部分にカバー回転部材57の連結軸から先端側の部分が接触している状態では、カバー回転部材57は、開姿勢のまま回転を規制される。
【0064】
また、規制面38fは、平面部分の先端側に連続して形成され、スリット4側に向かうにつれて、スリット4の開口縁部が延在する面に対する平行面に徐々に漸近していく曲面部分を有している。すなわち、この曲面部分にカバー回転部材57の連結軸から先端側の部分が接触している状態では、カバー回転部材57は、開姿勢と閉姿勢との間で、接触する曲面部分の平面部分に対する傾斜角に対応した姿勢となるように回転を規制される(
図13参照)。なお、カバー回転部材57は、規制面38fのうち、スリット4の開口縁部が延在する面に対して平行な部分に接触している状態では、閉姿勢となる。
【0065】
この回転規制部38は、カバー移動部材52が開位置から閉位置に移動される際に、カバー回転部材57を、その先端部がスリット4を通じてリアパッケージトレイ3の外方になるべく進出されない位置で回転可能に形成されていることが好ましい。すなわち、カバー体50は、スリット4から収納側で動作される。ここでは、回転規制部38は、カバー移動部材52が開位置から閉位置に移動される前に、カバー回転部材57を開姿勢から閉姿勢に姿勢変更可能なように、回転規制するように設定されている。
【0066】
連動機構60は、カバー体50を、シェード20の収納状態で閉状態となるように、ステイ40の移動に連動して閉状態と開状態との間で切替動作させる構成である。より具体的には、ステイ40が移動する力の作用に連動させてカバー体50を動作させる。この連動機構60は、カバー体50を、シェード20の収納位置近傍、すなわち、スリット4内に進入したステイ40の移動に連動してカバー体50を動作させるように構成されている。ここでは、連動機構60は、カバー体50を、巻取シャフト34の軸方向と直交する方向からスリット4を塞ぐように動作させる。
【0067】
連動機構60は、スライド部材62と、スライド付勢部材64と、伝達機構とを有している(
図7、
図8参照)。ここでは、連動機構60は、支持部35に支持されている回転規制部38と一体に設けられている連動機構支持部39に対して、巻取シャフト34の中央側に支持されている。
【0068】
スライド部材62は、シェード20の引出収納方向Pに沿って移動可能で、スリット4内に進入したステイ40の移動経路上に設けられている。また、スライド部材62は、スライド付勢部材64により、引出収納方向P引出側に向けて付勢されている。すなわち、スライド部材62は、シェード20の引出収納方向P収納側に移動されてスリット4内に進入するステイ40により押動可能である。そして、スライド部材62は、ステイ40に押圧された状態からステイ40が引出側に移動されると、スライド付勢部材64の付勢力により引出側に押し戻されるようになっている。
【0069】
より具体的には、スライド部材62は、スライド付勢部材64の一端部を受けるバネ受け部62aと、そこからステイ40の移動経路上(巻取シャフト34の中央側)に突出する突出部62bと、後述する伝達機構の第1歯車65と噛み合う第1ラック63を有している。このスライド部材62は、連動機構支持部39に対して、シェード20の引出収納方向Pに沿って移動可能に支持されている。ここでは、連動機構支持部39は、バネ受け部62a及び第1ラック63を引出収納方向P(スリット4内に進入したステイ40の移動方向)に沿って案内する案内片39bを有している。この案内片39bは、引出収納方向Pに沿った案内面を有しており、バネ受け部62a及び第1ラック63それぞれが面接触した状態で、スライド部材62を引出収納方向Pに沿って案内可能である。
【0070】
また、連動機構支持部39には、スライド部材62のバネ受け部62aに対して収納側で対向する位置に、スライド付勢部材64の他端部を受けるバネ受け部39aが設けられている。そして、スライド部材62のバネ受け部62aと連動機構支持部39のバネ受け部39aとの間には、スライド付勢部材64が配設されている(
図8参照)。ここでは、スライド付勢部材64として圧縮コイルバネを採用している。もっとも、スライド付勢部材64は、一方向に拡大する付勢力を作用させることが可能な付勢部材であればよく、板バネ等を採用してもよい。
【0071】
伝達機構は、スライド部材62の移動に伴い、カバー体50を作動(ここでは、カバー移動部材52を移動)させるように構成されている。より具体的には、伝達機構は、第1歯車65と第2歯車66とを有している(
図7、
図8参照)。
【0072】
第1歯車65は、スライド部材62の第1ラック63に噛み合う平歯車である。また、第2歯車66は、カバー体50のカバー移動部材52の第2ラック53に噛み合う平歯車である。そして、第1歯車65と第2歯車66とは、回転軸を一致させて相対回転不能に設けられている。ここでは、第1歯車65及び第2歯車66は、連動機構支持部39に支持される一つの軸部材に対して支持されている。
【0073】
第1ラック63及び第2ラック53は、長尺の角棒に歯が形成されたラックである。第1ラック63は、スライド部材62のうち巻取シャフト34の軸方向外側の端部に設けられ、シェード20の引出収納方向Pに沿って延在している。また、第2ラック53は、カバー移動部材52のうち巻取シャフト34の軸方向中央側の端部に設けられ、カバー移動部材52の移動方向に沿って延在するように形成されている。
【0074】
また、第1ラック63と第2ラック53は、側面視において、歯が向かい合う姿勢(平行な姿勢に限られない)で設けられている。そして、第1ラック63と第2ラック53とは、巻取シャフト34の軸方向にずれた位置に設けられている。そして、伝達機構は、第1歯車65が第1ラック63に噛み合い、第2歯車66が第2ラック53に噛み合うように連動機構支持部39に支持されている。すなわち、側面視において、第1歯車65と第2歯車66とを支持する軸部材が、第1ラック63と第2ラック53との間に設けられている。
【0075】
また、ここでは、伝達機構は、第1歯車65の歯数より第2歯車66の歯数の方が多く設定されている。すなわち、スリット4内に進入したステイ40により押動されるスライド部材62の移動量に対して、カバー移動部材52の移動量が大きくなるように設定されている。もっとも、第1歯車65が、第2歯車66の歯数と同数に或いは第2歯車66の歯数より多く設定されていてもよい。すなわち、第1歯車65と第2歯車66との歯数比(減速比)は、スリット4内に進入したステイ40の移動量、スリット4の幅寸法、カバー体50の移動経路等に基づいて、実験的又は経験的に決定されるとよい。
【0076】
なお、ここでは、第1歯車65より直径が大きい第2歯車66が、軸方向において、連動機構支持部39に対して第1歯車65を挟んで設けられている。そして、スライド部材62は、第1ラック63が、第1歯車65に噛み合った状態で第1歯車65と案内片39bとの間に挟まれると共に、第1歯車65の側面と連動機構支持部39との間に挟まれて、スライド移動方向に直交する方向において位置規制されている。
【0077】
上記構成により、連動機構60は、カバー移動部材52を、巻取シャフト34の軸方向と直交する方向に沿って閉位置と開位置との間で直線移動させる。そして、カバー移動部材52が直線移動されることにより、カバー回転部材57が回転され、カバー体50は、閉状態と開状態との間で切替動作される。
【0078】
これまで、伝達機構について、第1歯車65と第2歯車66とを有する例で説明したが、これに限られるものではない。すなわち、カバー体50(カバー移動部材52)の必要な移動量に対して、スライド部材62(スリット4内に進入したステイ40)の移動量を同量或いは多く確保できる場合、伝達機構は1つの歯車で構成されていてもよい。この場合、スライド部材62の第1ラック63とカバー移動部材52の第2ラック53とを、巻取シャフト34の軸方向において同位置に設ければよい。
【0079】
また、スライド部材62と伝達機構とカバー移動部材52とが、ラックと歯車との組み合わせで動作する例で説明したが、これに限定されるものではない。例えば、伝達機構がゴムローラで構成され、このゴムローラがスライド部材及びカバー移動部材に対して接触するように設けられ、ゴムローラとスライド部材及びカバー移動部材との間の摩擦力により、スライド部材が移動するとゴムローラが回転されてカバー移動部材が移動されるように構成されていてもよい。
【0080】
以下、シェード20の引出収納動作に伴うカバー体50の移動動作について説明する。
【0081】
まず、シェード20を引き出す際の動作について説明する。初期状態として、シェード20が収納状態にあるものとする(
図11、
図12参照)。すなわち、スリット4は、閉状態の各カバー体50(主としてカバー回転部材57)及びステイ40によって塞がれた状態になっている(
図3参照)。より具体的には、この状態では、巻取装置30による巻取力によって収納側に引っ張られるステイ40により、スライド部材62が収納側に押圧され、スライド付勢部材64が押し縮められている。そして、カバー移動部材52が閉位置に位置すると共に、カバー回転部材57が閉姿勢となっている。
【0082】
はじめに、スリット4内に位置するステイ40をウインドウ1に沿って引出収納方向P引出側に移動させる。ステイ40が引出側に移動され始めると、巻取装置30の巻取力によって引っ張られているステイ40の端末部材42により押圧されているスライド部材62が、スライド付勢部材64の付勢力により押戻されていく。この動作中は、ステイ40の端末部材42がスライド部材62の突出部62bを押圧している状態となっている。すると、第1ラック63の引出側への移動により、第1歯車65及び第2歯車66が回転される。そして、第2歯車66に噛み合う第2ラック53を有するカバー移動部材52が、閉位置から開位置側に移動される。ここで、カバー回転部材57は、始めのうちは閉姿勢のまま維持されている。
【0083】
さらにステイ40を引出収納方向P引出側に移動させて、カバー回転部材57の連結軸から先端側の部分が回転規制部38の規制面38fに当接する位置までカバー移動部材52が移動されると、その当接した位置から、カバー回転部材57が閉姿勢から開姿勢に姿勢変更され始める。そして、カバー回転部材57は、規制面38fの曲面部分に当接している間、カバー移動部材52が開位置側に移動するのに伴って、規制面38fに沿って徐々に開姿勢に姿勢変更されていく(
図13、
図14参照)。
【0084】
カバー回転部材57の連結軸が規制面38fの曲面部分を越えて平面部分の位置(カバー回転部材57の連結軸から先端側の部分が平面部分に当接した直後の位置)までカバー移動部材52が移動されると、カバー回転部材57は開姿勢となる。
【0085】
そして、ステイ40を、スライド部材62を押圧しない位置(ステイ40とスライド部材62とが離間する直前の位置)まで移動させると、カバー移動部材52は開位置に位置し、カバー体50が開状態となる(
図15、
図16参照)。すなわち、スリット4のうち、カバー体50により塞がれていたステイ40の側方の部分は、開放された状態となる。なお、上記位置でも、スリット4のうち長手方向中心側部分は、スリット4内に残っているステイ40によりほぼ塞がれた状態となっている。
【0086】
そして、ステイ40がスリット4内から全体的に抜け出ると、スリット4は、全体的に開放された状態となる(
図4参照)。さらに、そこから、シェード20がウインドウ1を全体的に遮蔽する位置までステイ40を移動させると、シェード20の引出状態となる。
【0087】
次に、シェード20を収納する際の動作について説明する。
【0088】
ステイ40をウインドウ1に沿って引出収納方向P収納側に移動させると、シェード20は、巻取装置30の巻取力により巻き取られて収納されていく。ステイ40が移動されてスリット4内に進入し、スライド部材62を押動し始めると、第1ラック63の収納側への移動により、第1歯車65及び第2歯車66が、シェード20の引出時とは逆向きに回転される。そして、カバー移動部材52が、開位置から閉位置側に移動される。ここで、カバー回転部材57は、始めのうちは開姿勢のまま維持されている。また、この状態で、スリット4のうち、長手方向中心側部分はステイ40によりほぼ塞がれ、ステイ40の側方は開放されたままの状態になっている。
【0089】
さらにステイ40を引出収納方向P収納側に移動させると、ステイ40によりスライド部材62の突出部62bが押動されて、スライド付勢部材64が押縮められていく。そして、カバー回転部材57の連結軸が規制面38fの平面部分を越えて曲面部分の位置(カバー回転部材57の連結軸から先端側の部分が曲面部分に当接した直後の位置)までカバー移動部材52が移動されると、カバー回転部材57は開姿勢に姿勢変更され始める。カバー回転部材57は、規制面38fの曲面部分に当接している間、カバー移動部材52が閉位置側に移動するのに伴って、規制面38fに沿って徐々に閉姿勢に姿勢変更されていく(
図13、
図14参照)。
【0090】
カバー回転部材57の連結軸から先端側の部分が回転規制部38の規制面38fから離間する位置までカバー移動部材52が移動されると、カバー回転部材57は、閉姿勢となる。
【0091】
そして、ステイ40が、スライド部材62を最後(スライド部材62のバネ受け部62aが連動機構支持部39のバネ受け部39aに当接する位置)まで押動した位置まで移動されると、カバー移動部材52は閉位置に位置し、カバー体50が閉状態となる(
図11、
図12参照)。そして、スリット4は、ステイ40とカバー体50とにより、全体的に塞がれた状態となる(
図3参照)。この状態では、ステイ40が巻取装置30の巻取力により収納側に引っ張られた状態となり、スライド部材62がステイ40に押圧されたままでカバー体50が閉状態に維持される。また、この位置までステイ40が収納側に移動されると、シェード20は収納状態となる。
【0092】
本実施形態に係るサンシェード装置10は、駆動機構部90により一対のアーム80を介してステイ40を移動させ、シェード20を自動で引出収納できるように構成されている(
図1、
図2参照)。
【0093】
一対のアーム80は、それぞれ、第1部材82と第2部材84とを有している。
【0094】
第1部材82の一端部と第2部材84の他端部とは相対回転可能に連結されている(第2連結部C2)。また、第1部材82の他端側の一部は巻取装置30のベース32の端部側部分に対して相対回転可能に連結されている(第1連結部C1)。また、第2部材84の一端部はステイ40の端末部材42に対して相対回転可能に連結されている(第3連結部C3)。例えば、各連結部C1〜C3としては、連結対象同士に形成した貫通孔部に連結軸部材を挿通することにより、連結対象同士を連結する構成を採用することができる。
【0095】
すなわち、一対のアーム80は、第2連結部C2の位置で折畳(
図1参照)、展開(
図2参照)されることによりステイ40をシェード20の引出収納方向Pに移動操作可能に構成されている。
【0096】
より具体的には、第1部材82は、アーム80の展開状態で、第1連結部C1からウインドウ1の側辺に向けて延びる枠向部83aと、枠向部83aの一端部から屈曲する態様でウインドウ1の側辺に沿って延びる枠沿部83bとを有する平板棒状の部材である。また、第2部材84は、略直線状の平板棒状の部材である。
【0097】
すなわち、第2連結部C2が巻取装置30の長手方向内側に移動して一対のアーム80が折り畳まれると、ステイ40はウインドウ1の短辺側から長辺側に移動されてシェード20が収納操作される。そして、アーム80が完全に折り畳まれた折畳状態で、シェード20が収納状態となる。
【0098】
また、第2連結部C2が巻取装置30の長手方向外側に移動して一対のアーム80が展開されると、ステイ40はウインドウ1の長辺側から短辺側に移動されてシェード20が引出操作される。そして、第1部材82の枠沿部83bと第2部材84とが直線状になったアーム80の展開状態で、シェード20がウインドウ1全体を覆った引出状態となる。
【0099】
駆動機構部90は、アーム80の第1部材82を第1連結部C1周りに回転駆動可能に構成されている。ここでは、駆動機構部90は、モータ92と、第1部材82の第1連結部C1より他端側の部分に連結された所定のリンク94とを有している。すなわち、駆動機構部90は、モータ92により所定のリンク94を介して一対のアーム80の各第1部材82を回転駆動するように構成されている。これにより、一対のアーム80を展開、折畳操作してステイ40をシェード20の引出収納方向Pに移動させ、シェード20を引出収納操作することができる。
【0100】
この駆動機構部90は、モータ92の駆動を操作可能な図示省略の操作部を設けて、当該操作部の操作により引出収納駆動するように構成されているとよい。
【0101】
もっとも、一対のアーム80は、第1部材82が枠向部83aと枠沿部83bとを有する構成に限られるものではない。すなわち、アームが、第1部材も略直線状に形成され、展開状態で第1部材と第2部材とが全体として略直線状になるように構成されていてもよい。
【0102】
これまで、サンシェード装置10について、駆動機構部90に駆動される一対のアーム80を介してステイ40を移動させ、シェード20を引出収納させる例で説明したが、ステイ40が手動で操作されるものであってもよい。
【0103】
また、サンシェード装置10は、カバー体がカバー移動部材52のみで構成されるものであってもよい。すなわち、スリット4の開口縁部が延在する平面上でカバー移動部材52を直線移動により退避させるスペースを確保できるような場合、カバー体としてのカバー移動部材が、スリット4を部分的に塞ぐ閉位置と開放する開位置との間で移動される構成を採用してもよい。
【0104】
また、サンシェード装置は、カバー体50が巻取シャフト34の軸方向に沿って移動されるように構成されていてもよい。例えば、伝達機構を傘歯車と2つの平歯車とで構成し、スライド部材の第1ラックに噛み合う第1の平歯車の回転力を、傘歯車を介して巻取シャフト34の軸方向に直交する軸周りに回転する第2の平歯車の回転力として伝達し、巻取シャフト34の軸方向に延在するようにカバー体に設けたラックを第2の平歯車に噛み合わせてカバー体を移動させる構成を採用できる。
【0105】
上記構成に係るサンシェード装置10によると、スリット4を部分的に塞ぐ閉状態と、スリット4を開放する開状態との間で切替動作可能で、閉状態でシェード20の収納状態におけるステイ40と共にスリット4を全体的に塞ぐことが可能なカバー体50を、連動機構60により、シェード20の収納状態で閉状態となるように、ステイ40の移動に連動して閉状態と開状態との間で切替動作させるように構成されている。このため、短辺端部22と長辺端部24とを有するシェード20が用いられる場合でも、シェード20の収納状態でスリット4を全体的に塞ぐことができる。
【0106】
また、スリット4をステイ40と一対のカバー体50とで塞ぐため、ステイ40を軽量、コンパクトにできる。これにより、一対のアーム80、巻取装置30等の強度を高くすることを要さず、コストアップを避けることができる。また、ステイ40を移動させる駆動機構部90に加わる負荷も小さくすることができる。
【0107】
また、カバー体50がスリット4より収納側で動作可能に配設されているため、車内側からの見栄えがよく、車内側から人又は物がカバー体50に対して接触することを抑制できる。
【0108】
また、連動機構60が、カバー体50を、巻取シャフト34の軸方向と直交する方向からスリット4を塞ぐように動作させるため、巻取シャフト34の軸方向においてカバー体50を移動させるスペースを省略して巻取装置30を車幅いっぱいに配設することができ、当該軸方向にスペースを確保することが困難な場合でも適用することができる。
【0109】
また、スライド部材62が、スリット4内に進入したステイ40により押動されるように設けられると共に、スライド付勢部材64によりシェード20の引出方向に付勢されている。そして、伝達機構により、スライド部材62の移動を、カバー体50におけるカバー移動部材52の移動として伝えるように構成されている。このため、シェード20の収納時に移動されるステイ40の引出収納方向P収納側に向かう移動力を利用してカバー移動部材52の開閉動作を行うことができる。
【0110】
また、相対回転不能に設けられた第1歯車65と第2歯車66とが、それぞれ、スライド部材62の第1ラック63とカバー体50の第2ラック53に噛み合うように構成されている。このように、ギア同士の噛み合いでカバー体50のカバー移動部材52が移動されるため、カバー体50を正確にステイ40の移動に対して連動させて移動させることができる。また、第1歯車65と第2歯車66とのギア比を変更することにより、容易にスライド部材62の移動量に対するカバー体50の移動量を調節できる。すなわち、カバー体50の移動について設計自由度が大きくなる。
【0111】
また、カバー体50が、連動機構60により開位置と閉位置との間で直線移動されるカバー移動部材52と、カバー移動部材52に対して相対回転可能に連結されて開姿勢と閉姿勢とで姿勢変更可能なカバー回転部材57とを有している。このように、スリット4の幅方向とカバー移動部材52の移動方向とが平行でない場合にもスリット4を塞ぐことができるため、スリット4の幅方向側方にカバー体50を直線移動により退避させるスペースを確保することが困難な場合にも適用することができる。
【0112】
また、案内部36によりカバー移動部材52が直線移動するように案内されると共に、回転規制部38によりカバー移動部材52の位置によってカバー回転部材57の回転が規制、許容されるため、カバー体の開閉動作を安定してより正確に行うことができる。
【0113】
また、カバー体50及び連動機構60が、巻取装置30に固定された支持部35に支持されているため、サンシェード装置10単体でスリット4を開閉する構成が完結されるため、車両に対する組付性もよい。