(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の筐体と、表面に設定され、操作部が設けられた複数の所定の領域の少なくともいずれか1つが露出するよう前記第1の筐体と重ね合わされた第2の筐体とから成る通信機器において、
前記所定の領域のいずれが露出しているかを検知し、
前記検知結果を受け取り、前記露出している領域に応じて前記操作部の機能の設定を行い、
前記設定された機能を前記操作部に表示する、
ことを特徴とする通信機器の機能表示方法であって、
前記操作部はキーボードであり、
前記設定された機能は、前記キーボードのキーボタン上に表示され、
前記キーボタンのうち、
前記所定の領域のうち第1の領域が露出した場合に操作可能となる第1の部分は、前記操作部としての機能が固定された第1の前記キーボタンと、前記機能表示手段により前記機能が表示される第2の前記キーボタンと、を備え、
前記第1の領域以外の領域が露出した場合に操作可能となる第2の部分は、前記操作部としての機能が固定された第3の前記キーボタンと、前記機能表示手段により前記機能が表示される第4の前記キーボタンと、を備え、
前記第2及び前記第4の前記キーボタンは、前記第1の部分と前記第2の部分とが重複する領域にあるキーボタンであり、
前記第2及び前記第4の前記キーボタンは、タッチパネルセンサと液晶表示手段とを備え、
前記検知結果に基づいて設定された前記第2及び前記第4の前記キーボタンの機能が、前記液晶表示手段によって表示される、
ことを特徴とする通信機器の機能表示方法。
第1の筐体と、表面に設定され、操作部が設けられた複数の所定の領域の少なくともいずれか1つが露出するよう前記第1の筐体と重ね合わされた第2の筐体とから成る通信機器のプログラムを記録した、コンピュータ読取り可能な通信機器のプログラムの記録媒体であって、
前記プログラムは、前記通信機器のコンピュータに、
前記所定の領域のいずれが露出しているかを検知する処理と、
前記検知結果を受け取り、前記露出している領域に応じて前記操作部の機能の設定を行う処理と、
前記設定された機能を前記操作部に表示する処理と、
をコンピュータに実行させ、
前記操作部はキーボードであり、
前記設定された機能は、前記キーボードのキーボタン上に表示され、
前記キーボタンのうち、
前記所定の領域のうち第1の領域が露出した場合に操作可能となる第1の部分は、前記操作部としての機能が固定された第1の前記キーボタンと、前記機能表示手段により前記機能が表示される第2の前記キーボタンと、を備え、
前記第1の領域以外の領域が露出した場合に操作可能となる第2の部分は、前記操作部としての機能が固定された第3の前記キーボタンと、前記機能表示手段により前記機能が表示される第4の前記キーボタンと、を備え、
前記第2及び前記第4の前記キーボタンは、前記第1の部分と前記第2の部分とが重複する領域にあるキーボタンであり、
前記第2及び前記第4の前記キーボタンは、タッチパネルセンサと液晶表示手段とを備え、
前記設定された機能を前記操作部に表示する処理において、前記検知結果に基づいて設定された前記第2及び前記第4の前記キーボタンの機能が、前記液晶表示手段によって表示される、
ことを特徴とする通信機器のプログラムの記録媒体。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明の通信機器の一実施形態である携帯通信機器に関して詳細に説明する。なお、以下に述べる第1から第3の実施形態は、本発明の好適な実施形態である。従って、実施形態には技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態における、携帯通信機器1の外観図である。
図1に示すように、携帯通信機器1は、筐体2及び筐体3を備える。筐体2は、筐体3に対して筐体2の長手方向(以下、「縦方向」という。)と、縦方向とは直交する第2方向(以下、「横方向」という。)とに変位(以下、「スライド」という。)する。
筐体2が縦方向または横方向のどちらにスライドしたかは、後述するスライド動作検出部6によって検出信号として検出される。そして、その検出信号により、携帯通信機器1は、筐体3に装備された操作部の機能を設定する。第1の実施形態においては、操作部は縦操作キーボード4或いは横操作キーボード5である。このとき、新しく設定された機能があれば、その機能もキーボードに表示される。
このようにして、筐体の縦方向と横方向とのスライド動作を検出することによって、キーボードの配置と表示とを設定することが可能となる。その結果、ユーザにとって、どちらのスライド方向においても、ユーザの習慣と同じ操作でキーボードを操作することができる。
図2は、携帯通信機器1のブロック図である。
図3は、筐体3におけるキーボードの構成例を示す。
図4は、筐体2を縦方向にスライドさせた例を示す。
図5は、筐体2を横方向にスライドさせた例を示す。
図6は、スライド動作に伴うキーボード設定処理を示すフローチャートである。
携帯通信機器1は、筐体2と筐体3とを備える2層構造で構成される(
図1参照)。2層構造の一方はディスプレイ(表示部10)を備える筐体2で、他方キーボード(操作部11)を備える筐体3である。表示部10は、携帯通信機器1を操作する際にデータ(電子メール、電話番号や画像データ等)を表示する。操作部11は、携帯通信機器1を操作する際にデータを入力する入力機器である。
図1に示すように、上の筐体2は下の筐体3に対して、縦方向及び横方向にスライドすることができる。携帯通信機器1は、縦スライド動作と横スライド動作を行うためのスライド機構を備える。
図2は、携帯通信機器1の機能ブロック図である。携帯通信機器1は、表示部10、操作部11、スライド動作検出部6、キーボード機能設定部7、キーボード機能表示部8を備える。
スライド動作検出部6は、携帯通信機器1の筐体2が筐体3に対してスライドされた方向を検出する。
筐体3は、
図3に示すように、筐体2が筐体3に対して縦方向にスライドされた際に現れる操作部分(縦操作キーボード4、
図4参照)と、筐体2が筐体3に対して横方向にスライドされた際に表れる操作部分(横操作キーボード5、
図5参照)とを備える。縦操作キーボード4の一部は、横操作キーボード5と重複する。この重複する領域(以下、「設定部分」という。)では、操作状況に応じてキーボードの機能表示が切り替えられる。設定部分9の範囲は、
図3に示されている。
次に、キーボード機能設定部7及びキーボード機能表示部8について説明する。
キーボード機能設定部7は、スライド動作検出部6の検知結果(縦方向のスライド、または横方向のスライド)に応じて、キーボード機能表示部8に表示するキーボードの各キーの位置、表示内容及び機能を設定する。
キーボード機能表示部8は、キーボード機能設定部7によって設定された内容に従い、キーボード(操作部)を表示する。
このようにして、携帯通信機器1が縦方向スライド状態にある場合、キーボード機能部7は、キーボード機能表示部8に、
図4に示すようにキーボードを表示させる。また、携帯通信機器1が横方向スライド状態にある場合、キーボード機能設定部7は、キーボード機能表示部8に、
図5に示すようにキーボードを表示させる。
次に、本発明の第1の実施形態におけるスライド動作に伴うキーボード設定の処理について
図6を用いて説明する。
図6は、第1の実施形態における、スライド動作に伴うキーボード機能の設定処理を示すフローチャートである。
まず、携帯通信機器1において、ユーザにより、縦方向スライド動作或いは横方向スライド動作が行われる(ステップS1)。スライド動作検出部6は、筐体2のスライド動作を検知して、当該スライド動作の方向が縦方向か横方向かを判断する(ステップS2)。
スライド動作検出部6は、判断したスライド動作の方向に関する情報を、キーボード機能設定部7及びキーボード機能表示部8に送る。キーボード機能設定部7は、スライド動作の方向に応じてキーボード機能を設定する。キーボード機能表示部8は、キーボード機能をボタンに表示する(ステップS3〜S10)。
以上の作用により、第1の実施形態は、以下の効果を生じる。
携帯通信機器1は、筐体2が筐体3に対して縦方向スライド及び横方向スライドのいずれもが可能な構造を有している。そして、キーボード表示は、スライド動作検出部6で検知したスライド方向に適したように、切り替えられる。このため、ユーザが縦方向或いは横方向のいずれのスライド操作を行っても、ユーザは慣れた手順でキーボードを操作することができる。その結果、操作が容易な通信機器を、簡単な構造で安価に実現することが可能ユーザの利便性が高くなる。たとえば、携帯通信機器を縦方向で使用するときは、縦操作キーボード4のキー配置は通常の携帯電話器と同様となる。この表示は、電話をかける時などに非常に便利である。また、携帯通信機器を横方向で使用するときは、横操作キーボード5は情報機器で広く使われているQWERTYキーボード配置とすることができる。この表示形態は、例えば携帯通信機器を用いて、ユーザが文書の作成やインターネットアクセスを行うことを容易とする。
また、第1の実施形態の携帯通信機器は、スライド方向に応じてキーボードのボタンの機能を設定・表示する。このため、1つのキーボードユニットを、ユーザの使用状況に合わせて、縦方向へのスライド時と横方向へのスライド時との両方で使うことができる。この構成により、携帯通信機器の表面を有効に使用でき、また、機器のコストも押えられる。なお、キーボードのボタンの機能表示は、設定された機能を、キーボードのボタン上に表示することによって実現する。
さらに、第1の実施形態は、無線通信機器、携帯電話機、スライド式携帯電話機、折り畳み式携帯電話機等、キーボード機能を備える装置であれば広く応用されうる。そして、第1の実施形態が応用された形態においても、操作状況に応じてボタン機能を設定・表示する機能が実現される。機能を設定できるボタンの数が少なくとも、ユーザは、この機能によって、これらの機器のより多くの機能をキーから操作することが可能になる。そして、ボタンに機能を表示することによって、これらの機器の操作性も向上する。
なお、
図6のフローチャートに示す処理を、CPU(Central Processing Unit)に実行させることも可能である。従って、
図6のフローチャートに示された処理をCPUで行うためのプログラムを記録した記録媒体も、本発明に含まれる。記録媒体としては、半導体記憶部や光学的及び/又は磁気的な記憶部等が用いられうる。さらに、このようなプログラム及び記録媒体を、前述した第1の実施形態とは異なる構成のシステムに読み込ませ、そのシステム上のCPUで上記プログラムを実行させることが可能である。このような構成を用いて通信機器を制御させることによっても、本実施形態と同様の効果が得られる。
続いて、本願発明を通信機器に適用した第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態における通信機器50は、第1の実施形態の携帯通信機器と同様に、第1の筐体および第2の筐体を備える2層構造で構成される。そして、表面に設定され、操作部が設けられた複数の所定の領域の少なくともいずれか1つが露出するよう第1の筐体と第2の筐体とが重ね合わされる。
図7は、通信機器50の内部機能のブロック図である。通信機器50は、操作部51スライド動作検出部56、機能設定部57、機能表示部58を備える。
スライド動作検出部56は、いずれの領域が露出しているかを検知する。
図8は、第2の実施形態の通信機器50に係る機能の設定処理を示すフローチャートである。
まず、通信機器50において、ユーザにより、所定の領域を露出させる操作が行われる(ステップS51)。スライド動作検出部56は、当該領域を露出させる操作を検知して、当該操作によりいずれの領域が露出したかを判断する(ステップS52)。
スライド動作検出部56は、露出した領域に関する情報を、機能設定部57及び機能表示部58に送る。機能設定部57は、露出した領域に応じて通信機器50の機能を設定する。また、機能表示部58は、露出した領域に応じた機能を、通信機器50に操作部51として表示する(ステップS53〜S60)。ユーザは、操作部51を用いて通信機器50を操作する。
以上の作用により、第2の実施形態の通信機器50も、第1の実施形態で説明した携帯通信機器1と同様の効果を奏する。すなわち、通信機器50の機能は、スライド動作検出部6が検知した領域に適したように設定され、操作部51として表示される。このため、ユーザがいずれの領域を露出させても、ユーザは慣れた手順で通信機器50を操作することができる。その結果、操作が容易な通信機器50を、簡単な構造で安価に実現することが可能になり、ユーザの利便性が高くなる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図9は、本発明の第3の実施形態における、携帯通信機器100の外観図である。
図9に示すように、携帯通信機器100は、筐体200と筐体300とを備える。筐体200は、筐体300に対して筐体200の縦方向と、横方向にスライドする。
筐体200が縦方向または横方向のどちらにスライドしたかは、後述するスライド動作検出部106によって検出信号として検出される。そして、その検出信号により、携帯通信機器100は、筐体300に装備された操作部の機能を設定する。第3の実施形態においては、操作部は縦操作キーボード324或いは横操作キーボード325である。このとき、新しく設定された機能があれば、その機能もキーボードに表示される。
このように、筐体の縦方向と横方向とのスライド動作を検出することによって、キーボードの配置と表示とを設定することが可能となる。その結果、ユーザにとって、どちらのスライド方向においても、ユーザの習慣と同じ操作でキーボードを操作することができる。
図10は、携帯通信機器100のブロック図である。
図11は、筐体300におけるキーボードの例を示す。
図12は、筐体200を縦方向にスライドさせた例を示す。
図13は、筐体200を横方向にスライドさせた例を示す。
図14は、スライド動作に伴うキーボード設定処理を示すフローチャートである。
図10は、携帯通信機器100の機能ブロック図である。携帯通信機器100は、表示部110、操作部111、スライド動作検出部106、キーボード機能設定部107、キーボード機能表示部108を備える。
携帯通信機器100は、筐体200と筐体300とを備える2層構造で構成される(
図9参照)。2層構造の一方はディスプレイ(表示部110)を備える筐体200で、他方はキーボード(操作部111)を備える筐体300である。表示部110は、ユーザが携帯通信機器100を使用する際にデータ(電子メール、電話番号や画像データ等)を表示する。操作部111は、携帯通信機器100を操作する際にデータを入力する入力機器である。
図9に示すように、上の筐体200は下の筐体300に対して、縦方向及び横方向にスライドすることができる。携帯通信機器100は、縦スライド動作と横スライド動作を行うためのスライド機構を備える。
図15は、第3の実施形態における、筐体200及び筐体300が備えるスライド機構を示す。筐体200は、表示部110の反対側の面に溝部201、202と、磁石211とを備える。溝部201、202は、筐体200の縦方向及び横方向に形成される。磁石211は、筐体200の内部に埋め込まれている。筐体300は、操作部111を備える面に、突出した略円柱状の2箇所の凸部301、302を備える。なお、
図15〜
図19には、筐体200、300のスライド動作およびその検出に関する部分のみを記載している。
筐体300は、さらに、ホール効果スイッチであるスイッチ311、312を備える。ホール効果スイッチの出力論理は、スイッチを貫通する磁界の強度が一定値以上では「H」レベルとなり、スイッチを貫通する磁界の強度が一定値より弱い場合は「L」レベルとなる。スイッチ311、312は、筐体300に埋め込まれている。
携帯通信機器100は、筐体300の凸部301及び凸部302と、筐体2の溝部201及び溝部202とそれぞれ摺動可能なようにはめ込まれて、組み立てられる。
図16は、筐体200の溝部201、202に筐体300の凸部301,302がはめ込まれた状態を筐体200の側から見た図である。
図16において、筐体300は、筐体200と重なっている。ユーザが、筐体200を縦方向にスライドさせる場合には、溝部201、202の筐体200の長手方向の部分が、凸部301、302と摺動する。これにより、
図12に示す縦スライド動作が可能となる。また、ユーザが、筐体200を横方向にスライドさせる場合には、略L形の溝部201、202の筐体200の長手方向と直角な方向の部分が、凸部301、302と摺動する。これにより、
図13に示す横スライド動作が可能となる。
次に、スライド方向の検出方法について説明する。
図17は、筐体200と筐体300とが完全に重なっている場合の、磁石211とスイッチ311、312との位置関係を示す。
図17において、磁石211はスイッチ312の上にあるので、磁石211の磁界によりスイッチ312の出力論理は「H」となる。しかし、スイッチ311は磁石211から離れているので、スイッチ311の出力論理は「L」となる。
図18は、筐体200を縦方向にスライドさせた場合の磁石211とスイッチ311、312との位置関係を示す。この場合、磁石211はスイッチ311の上に位置するので、スイッチ311の出力論理は「H」となる。逆に、スイッチ312は、磁石211との距離が離れるため、スイッチ312の出力論理は「L」レベルとなる。
図19は、筐体200を横方向にスライドさせた場合の、磁石211とスイッチ311、312との位置関係を示す。筐体を横方向にスライド操作した場合は、スイッチ311及びスイッチ312は、いずれも磁石211と離れるので、いずれのスイッチの出力論理も「L」となる。
スライド動作検出部106は、上述したスイッチ311、312の出力論理を用いて、携帯通信機器100の筐体200がスライドされた方向を検出する。
筐体300は、
図11に示すように、筐体200が筐体300に対して縦方向にスライドされた際に現れる操作部分(縦操作キーボード324、
図12参照)と、筐体200が筐体300に対して横方向にスライドされた際に表れる操作部分(横操作キーボード325、
図13参照)とを備える。縦操作キーボード324の一部は、横操作キーボード325と重複する。この重複する領域(以下、「設定部分」という。)では、操作状況に応じてキーボードの機能表示が切り替えられる。設定部分309の範囲は、
図11に示されている。
次に、キーボード機能設定部107及びキーボード機能表示部108について説明する。
キーボード機能設定部107は、スライド動作検出部106の検知結果(縦方向のスライド、または横方向のスライド)に応じて、キーボード機能表示部108に表示する各キーの位置、表示内容及び機能を設定し、それらの情報を記憶する。キーボード機能表示部108は、キーボード機能設定部107によって設定された内容に従い、キーボード(操作部)を表示する。
図20は、第3の実施形態における、筐体300の操作部111及びキーボード機能表示部108の断面を示す。
図20においては、操作部111として、タッチパネルセンサ402が用いられる。また、キーボード機能表示部108として、液晶表示部401が用いられる。
図20に示すように、筐体300が備える液晶表示部401の上に、透明なタッチパネルセンサ402が配置されている。液晶表示部401は、キーボードの輪郭、文字及び記号を表示する。そして、ユーザが、液晶表示部401に表示された文字や記号を押すと、タッチパネルセンサ402は、押された位置を検出する。携帯通信機器100は、キーボード機能設定部107に記憶されているキーの設定情報、タッチパネルが検出した位置及びスライド動作検出部106の検知結果を用いて、ユーザが押した文字や記号を判別する。
ここで、液晶表示部401及びタッチパネルセンサ402によってキーボードが構成される領域は筐体330の操作部全体(すなわち
図11に示された全てのキー)でもよい。あるいは、
図11に示した設定部分9のみを液晶表示部401及びタッチパネルセンサ402によって構成し、設定部分9に含まれないキーは、機能が固定されていてもよい。
このようにして、携帯通信機器100が縦方向スライド状態にある場合、液晶表示器401は、
図12に示すようにキーボードを表示する。また、携帯通信機器100が横方向スライド状態にある場合、液晶表示器401は、
図5に示すようにキーボードを表示する。
次に、本発明の第3の実施形態におけるスライド動作に伴うキーボード設定の処理について
図14を用いて説明する。
図14は、第3の実施形態における、スライド動作に伴うキーボード機能の設定処理を示すフローチャートである。
まず、携帯通信機器100において、ユーザにより、縦方向スライド動作或いは横方向スライド動作が行われる(ステップS101)。スライド動作検出部106は、筐体200のスライド動作を検知して、当該スライド動作の方向が縦方向か横方向かを判断する(ステップS102)。
スライド動作検出部106は、判断したスライド動作の方向に関する情報を、キーボード機能設定部107及びキーボード機能表示部108に送る。キーボード機能設定部107及びキーボード機能表示部108は、スライド動作の方向に応じてキーボード機能を設定し、キーボード機能をボタンに表示する(ステップS103〜S110)。
以上の作用により、第3の実施形態は、以下の効果を生じる。
携帯通信機器100は、筐体200が筐体300に対して縦方向スライド及び横方向スライドのいずれもが可能な構造を有している。そして、キーボード表示は、スライド動作検出部106で検知したスライド方向に適したように、切り替えられる。このため、ユーザが縦方向或いは横方向のいずれのスライド操作を行っても、ユーザは慣れた手順でキーボードを操作することができる。その結果、ユーザにとって、携帯通信機器の操作が容易になり、利便性が高くなる。たとえば、携帯通信機器を縦方向で使用するときは、縦操作キーボード324のキー配置は通常の携帯電話器と同様となる。この表示は、電話をかける時などに非常に便利である。また、携帯通信機器を横方向で使用するときは、横操作キーボード325は情報機器で広く使われているQWERTYキーボード配置とすることができる。この表示形態は、例えば携帯通信機器を用いて、ユーザが文書の作成やインターネットアクセスを行うことを容易とする。
また、第3の実施形態の携帯通信機器は、スライド方向に応じてキーボードのボタンの機能を設定・表示する。このため、1つのキーボードユニットを、ユーザの使用状況に合わせて、縦方向へのスライド時と横方向へのスライド時との両方で使うことができる。この構成により、携帯通信機器の表面を有効に使用でき、また、機器のコストも押えられる。なお、キーボードのボタンの機能表示は、設定された機能を、キーボードのボタン上に表示することによって実現する。
さらに、第3の実施形態は、無線通信機器、携帯電話機、スライド式携帯電話機、折り畳み式携帯電話機等、キーボード機能を備える装置であれば広く応用されうる。そして、第3の実施形態が応用された形態においても、操作状況に応じてボタン機能を設定・表示する機能が実現される。機能を設定できるボタンの数が少なくとも、ユーザは、この機能によって、これらの機器のより多くの機能をキーから操作することが可能になる。そして、ボタンに機能を表示することによって、これらの機器の操作性も向上する。
なお、
図14のフローチャートに示す処理を、CPU(Central Processing Unit)に実行させることも可能である。従って、
図14のフローチャートに示された処理をCPUで行うためのプログラムを記録した記録媒体も、本発明に含まれる。記録媒体としては、半導体記憶部や光学的及び/又は磁気的な記憶部等が用いられうる。さらに、このようなプログラム及び記録媒体を、前述した第1の実施形態とは異なる構成のシステムに読み込ませ、そのシステム上のCPUで上記プログラムを実行させることが可能である。このような構成を用いて通信機器を制御させることによっても、本実施形態と同様の効果が得られる。
以上、第1から第3の実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明の応用形態は、上記の実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2008年3月27日に出願された日本出願特願2008−084325を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。