(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5662239
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】折り畳みコンテナー
(51)【国際特許分類】
B65D 6/18 20060101AFI20150108BHJP
B65D 6/26 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
B65D6/18 D
B65D6/26 P
B65D6/26 A
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-107799(P2011-107799)
(22)【出願日】2011年5月13日
(65)【公開番号】特開2012-236641(P2012-236641A)
(43)【公開日】2012年12月6日
【審査請求日】2013年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】籔田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】和田 吉弘
【審査官】
長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−137713(JP,A)
【文献】
特開2006−206060(JP,A)
【文献】
実開平03−081826(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/18
B65D 6/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部フレームと、底部と、上部分割側壁と下部分割側壁とからなる分割側壁と、はね上げ側壁とを有する折り畳みコンテナーにおいて、
前記上部フレームは、相対する一対の短辺部と、相対する一対の長辺部とからなり、前記短辺部は、外側垂直板部と、当該外側垂直板部の上端から内側に延在する水平天板部と、当該水平天板部の先端から下方に、且つ、前記外側垂直板部と略平行に延在する内側垂直板部とを備え、
前記はね上げ側壁は、前記上部フレームの前記短辺部とヒンジ連結される上部水平縁部を備え、
前記上部フレームの短辺部には、前記水平天板部の下面から垂下された当接リブが設けられており、
折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態において、前記当接リブが、折り畳まれた状態の前記上部分割側壁に当接するように構成されており、
前記はね上げ側壁の上部水平縁部には凹部が形成されており、前記当接リブが折り畳まれた状態の前記上部分割側壁に当接した状態にあるとき、前記凹部に対し前記当接リブが嵌合するよう構成されていることを特徴とする折り畳みコンテナー。
【請求項2】
前記当接リブを、前記上部フレームと前記はね上げ側壁とのヒンジ連結部を外して設けたことを特徴とする請求項1に記載の折り畳みコンテナー。
【請求項3】
前記上部分割側壁の両側部には、突出部が設けられているとともに、
前記はね上げ側壁には、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際に、前記突出部が嵌合される嵌合凹部が設けられており、
前記当接リブは、折り畳まれた状態の前記上部分割側壁のうち、前記突出部に当接するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の折り畳みコンテナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の物品の保管、輸送或いは搬送等に使用される折り畳みコンテナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11〜
図15を用いて、背景技術について説明する。
【0003】
従来、
図11に示されているように、上部フレーム1と底部2とはね上げ側壁3と上部分割側壁4’と下部分割側壁4”とからなる折り畳みコンテナーが知られており、
図11に示されているように、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳むには、先ず最初に、略垂直状のはね上げ側壁3を、折り畳みコンテナーの内部方向に回動させて、
図12 に示されているように、略水平状態とし、次いで、上部分割側壁4’と下部分割側壁4”とをヒンジ連結しているヒンジ連結部を、折り畳みコンテナーの内部方向に移動させて、上部分割側壁4’と下部分割側壁4”とを重ねることにより、箱型状態の折り畳みコンテナーを、
図13に示されているように、高さの低いコンパクトな状態に折り畳むことができるように構成されている。このように、折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態においては、略水平状態の相対する一対のはね上げ側壁3が、上部フレーム1内に収納されることになる。また、底部2に対して上部フレーム1を持ち上げて、略水平状態に重ねられている上部分割側壁4’と下部分割側壁4”とを、互いに略面一になるように略垂直に立て、次いで、はね上げ側壁3を、略水平状態から垂直方向に回動させることにより、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを、
図11に示されているように、箱型に組み立てるように構成されている。
【0004】
また、
図14に示されているように、はね上げ側壁3の端部垂直フランジ3e付近には、端部垂直フランジ3eに沿って、且つ、上下方向に所定の間隔を置いて、外側が開口された一対の嵌合凹部3gが形成されており、更に、
図15に示されているように、上部分割側壁4’及び下部分割側壁4”には、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際に、はね上げ側壁3に形成された一対の嵌合凹部3gに、それぞれ嵌合される嵌合部4c2を有する嵌合部材4cが形成されている。このように、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際には、上部分割側壁4’及び下部分割側壁4”に形成された嵌合部材4cの嵌合部4c2が、はね上げ側壁3に形成された嵌合凹部3gに嵌合されているので、上部分割側壁4’及び下部分割側壁4”が、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内部に収納されている物品により、外側に変形しようとした際に、嵌合部材4cの嵌合部4c2が、嵌合凹部3gを形成する外側壁部3g1に当接し、上部分割側壁4’及び下部分割側壁4”の外側への湾曲変形を防止するように構成されている。
【0005】
上述した折り畳みコンテナーが、折り畳まれた状態においては、相対するはね上げ側壁3の先端部の先端部分同士が、
図13に示されているように、重なることになる。
【0006】
図11〜
図15に示されている折り畳みコンテナーは、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−137713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、上述したような折り畳みコンテナーのはね上げ側壁の高さを高くすることにより、折り畳みコンテナーの内容量を増加することが求められているが、はね上げ側壁3の高さを高くすると、折り畳みコンテナーが、折り畳まれた状態において、相対するはね上げ側壁3の先端部の先端部分同士の重なり部分が長くなり、上に位置するはね上げ側壁3の先端部が、上部フレーム1の上端面から突出し、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーが段積みされた際に、上に位置する折り畳みコンテナーの底部2が、下に位置する折り畳みコンテナーの上に位置するはね上げ側壁3の先端部を押圧し、上部フレーム1とはね上げ側壁3とのヒンジ連結部等が損傷するという問題があった。
【0009】
また、上述した問題を解決するために、略水平状態の相対する一対のはね上げ側壁3が、上部フレーム1内に収納されるように、上部フレーム1の高さを高くすると、折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態において、上部フレーム1内に収納されているはね上げ側壁3と上部分割側壁4’に形成された嵌合部材4cの嵌合部4c2との間に隙間ができ、上部分割側壁4’に形成された嵌合部材4cの嵌合部4c2とはね上げ側壁3の端部側水平部3cに形成された当接リブ3fとが当接することができないために、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーが段積みされた際に、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーが損傷したり、安定した状態で、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを段積みすることができないという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、上述した折り畳みコンテナーが有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述した目的を達成するために、上部フレームと
、底部と
、上部分割側壁と下部分割側壁と
からなる分割側壁と、はね上げ側壁とを有する折り畳みコンテナーにおいて、
前記上部フレームは、相対する一対の短辺部と、相対する一対の長辺部とからなり、前記短辺部は、外側垂直板部と、当該外側垂直板部の上端から内側に延在する水平天板部と、当該水平天板部の先端から下方に、且つ、前記外側垂直板部と略平行に延在する内側垂直板部とを備え、前記はね上げ側壁は、前記上部フレームの前記短辺部とヒンジ連結される上部水平縁部を備え、前記上部フレームの短辺部には、前記水平天板部の下面から垂下された当接リブが設けられており、 折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態において、
前記当接リブが、折り畳まれた状態の
前記上部分割側壁に当接するように構成されており、
前記はね上げ側壁の上部水平縁部には凹部が形成されており、前記当接リブが折り畳まれた状態の前記上部分割側壁に当接した状態にあるとき、前記凹部に対し前記当接リブが嵌合するよう構成されていることを特徴とする。
また、前記当接リブを、
前記上部フレームと
前記はね上げ側壁とのヒンジ連結部を外して設けた
こととしてもよい。
さらに、前記上部分割側壁の両側部には、突出部が設けられているとともに、前記はね上げ側壁には、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際に、前記突出部が嵌合される嵌合凹部が設けられており、前記当接リブは、折り畳まれた状態の前記上部分割側壁のうち、前記突出部に当接するように構成されていることとしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
上部フレームと底部とはね上げ側壁と上部分割側壁と下部分割側壁とを有する折り畳みコンテナーにおいて、折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態において、上部フレームの短辺部に配設された当接リブが、折り畳まれた状態の上部分割側壁に当接するように構成したので、上部フレームに上方から負荷が加わった際に、上部フレームの短辺部に配設された当接リブが、折り畳まれた状態の上部分割側壁に当接するので、はね上げ側壁の強度や剛性を低下することなく、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの変形や損傷を防止することができる。
【0013】
また、当接リブを、上部フレームとはね上げ側壁とのヒンジ連結部を外して設けた
場合には、折り畳んだ状態で、上部フレームに上方から負荷が加わった際にも、上部フレームとはね上げ側壁とのヒンジ連結部の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、箱型に組み立てられた状態の本発明の折り畳みコンテナーの斜視図である。
【
図2】
図2は、組み立て途中或いは折り畳み途中の本発明の折り畳みコンテナーの斜視図である。
【
図3】
図3は、同じく、組み立て途中或いは折り畳み途中の本発明の折り畳みコンテナーの斜視図である。
【
図4】
図4は、折り畳まれた状態の本発明の折り畳みコンテナーの斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の折り畳みコンテナーを構成する上部フレームの斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の折り畳みコンテナーを構成する上部フレームの部分拡大斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁の斜視図である。
【
図8】
図8は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁の斜視図である。
【
図11】
図11は、上述した特許文献1に開示されている折り畳みコンテナーの箱型に組み立てられた状態の斜視図である。
【
図12】
図12は、上述した特許文献1に開示されている折り畳みコンテナーの組み立て途中或いは折り畳み途中の斜視図である。
【
図13】
図13は、上述した特許文献1に開示されている折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態の斜視図である。
【
図14】
図14は、上述した特許文献1に開示されている折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁3の斜視図である。
【
図15】
図15は、上述した特許文献1に開示されている折り畳みコンテナーを構成する分割側壁の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1〜
図4を用いて、本発明の実施例について説明する。
【0016】
本発明の折り畳みコンテナーも、上部フレーム1と、底部2と、上部分割側壁4と下部分割側壁5とからなる分割側壁3と、はね上げ側壁9とから構成されている。
【0017】
折り畳みコンテナーを、
図1に示されている箱型に組み立てられた状態から、
図4に示されているように折り畳む際には、先ず最初に、はね上げ側壁9を、
図2に示されているように、上部フレーム1方向に回動させ、はね上げ側壁9を、
図3に示されているように、水平状態とし、その後、上部分割側壁4と下部分割側壁5とを、ヒンジ連結部6を中心に回動させて重ねることにより、折り畳むことができるように構成されている。
【0018】
また、従来の課題を解決するためには、折り畳みコンテナーの内容量を増加するために、はね上げ側壁9の高さを高くすることになるが、本願においては、折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態のはね上げ側壁9の略大部分が重なるように構成されている。
【0019】
折り畳みコンテナーが、箱型に組み立てられた状態においては、ヒンジ連結部6を挟んで、ヒンジ連結部6付近に位置する上部分割側壁4の下部に形成された突出部4c及びヒンジ連結部6付近に位置する下部分割側壁5の上部に形成された嵌合突出部5cが、それぞれ、はね上げ側壁9に形成された嵌合凹部9aに嵌合するように構成されている。
【0020】
箱型に組み立てられた状態から、折り畳みコンテナーを折り畳むには、上述したように、先ず最初に、垂直状態のはね上げ側壁9を、上部フレーム1方向に回動させることになるが、この際、はね上げ側壁9の中央部の下端部に形成された嵌合部9cと、底部2に形成された係止部2cとの係合状態の解除を円滑に行うために、はね上げ側壁9の嵌合部9c付近を、作業者が、手で、押圧或いは殴打して、はね上げ側壁9と底部2との係合状態の解除するとともに、次いで、下部分割側壁5に形成された突出部5cを、はね上げ側壁9に形成された凹部9aから排出し、また、上部分割側壁4に形成された突出部4cを、はね上げ側壁9に形成された凹部9aから排出するように構成されている。
【0021】
次に、
図5及び
図6を用いて、上部フレーム1について説明する。
【0022】
上部フレーム1は、相対する短辺部1aと相対する長辺部1bとから略額縁状に形成されており、短辺部1aは、外側垂直板部1a1と、外側垂直板部1a1の上端から内側に延在する水平天板部1a2と、水平天板部1a2の先端から下方に、且つ、外側垂直板部1a1と略平行に延在する内側垂直板部1a3とから、短辺部1aの長手方向に対して垂直な断面形状が、略逆U字状に形成されているとともに、内側垂直板部1a3は、外側垂直板部1a1の半分程度まで垂下するように構成されている。
【0023】
H1は、上部フレーム1の短辺部1aに所定の間隔を置いて配設された公知の雌ヒンジ部材であり、雌ヒンジ部材H1は、水平天板部1a2の下面から垂下されているとともに、外側垂直板部1a1と内側垂直板部1a3とを架橋し、且つ、外側垂直板部1a1及び内側垂直板部1a3に略垂直な板状の支持片h1aと支持片h1aの下端から水平方向に延在するヒンジピン受け部h1bとから形成されており、ヒンジピン受け部h1bの上面には凹部が形成されている。
【0024】
1cは、上部フレーム1の短辺部1aに所定の間隔を置いて配設された、折り畳まれた状態の上部分割側壁4が当接する当接リブであり、縦長の方形状の当接リブ1cは、水平天板部1a2の下面から垂下されているとともに、外側垂直板部1a1と内側垂直板部1a3とを架橋し、且つ、外側垂直板部1a1の略下端まで延在している。このような、当接リブ1cは、上部フレーム1とはね上げ側壁9とのヒンジ連結部を外して設けられている。このように、当接リブ1cは、上部フレーム1とはね上げ側壁9とのヒンジ連結部を外して設けることにより、折り畳んだ状態で、上部フレーム1に上方から負荷が加わった際にも、上部フレーム1とはね上げ側壁9とのヒンジ連結部の損傷を防止することができる。
【0025】
1dは、当接リブ1cと同様に、上部フレーム1の短辺部1aに所定の間隔を置いて配設された補強リブであり、補強リブ1dも、水平天板部1a2の下面から垂下されているとともに、外側垂直板部1a1と内側垂直板部1a3とを架橋し、且つ、補強リブ1dには、はね上げ側壁9の上端部が嵌合するような切欠き凹部1d’が形成されている。また、1eは、上部フレーム1の短辺部1aに所定の間隔を置いて配設された、上部フレーム1にヒンジ連結されたはね上げ側壁3の水平移動を抑制するための嵌合片である。
【0026】
次に、
図7及び
図8を用いて、はね上げ側壁9について説明する。
【0027】
はね上げ側壁9は、上部フレーム1とヒンジ連結されるヒンジ部9f’が形成されている上部水平縁部9fと、嵌合部9cが形成されている下部水平縁部9gと、嵌合凹部9aが形成されている相対する垂直縁部9hと、上部水平縁部9fと下部水平縁部9gと相対する垂直縁部9hとにより囲まれ板状部9iとから構成されている。
【0028】
はね上げ側壁9の板状部9iの相対する垂直縁部9h付近を、板状部9iの外壁面(折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際に、外側に位置する面)9i1から、板状部9iの内壁面(折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際に、内側に位置する面)9i2方向に凹ますことにより、垂直縁部9h付近の板状部9iには、側部縦溝状凹部9jが形成されている。また、板状部9iの中央領域の上部を、板状部9iの外壁面9i1から、板状部9iの内壁面9i2方向に凹ますことにより、板状部9iの中央領域の上部には、略方形状の上部凹部9kが形成されており、また、板状部9iの中央領域の下部を、板状部9iの外壁面9i1から、板状部9iの内壁面9i2方向に凹ますことにより、板状部9iの中央領域の下部には、上部凹部9kと同じ幅を有する略方形状の下部凹部9mが形成されている。
【0029】
側部縦溝状凹部9jは、相対する傾斜側壁9j1と奥壁9j2と天板9j3と底板9j4とを有しており、側部縦溝状凹部9jは、相対する傾斜側壁9j1を架橋する複数の水平補強リブ9j5により区画されている。
【0030】
略方形状の上部凹部9kは、相対する傾斜側壁9k1と奥壁9k2と天板9k3と傾斜底板9k4とを有しており、天板9k3の直下には、上部水平リブ9k5が形成されている。また、略方形状の下部凹部9mは、相対する傾斜側壁9m1と奥壁9m2と傾斜天部9m3と底板9m4とを有しており、底板9m4の直上には、適当数の下部水平リブ9m5が形成されている。
【0031】
上部凹部9kを形成することにより、上部凹部9kと側部縦溝状凹部9jとの間には、相対する上部垂直凸条10が形成されることになる。また、下部凹部9mを形成することにより、下部凹部9mと側部縦溝状凹部9jとの間には、相対する下部垂直凸条11が形成されることになる。更に、上部凹部9kと下部凹部9mを形成することにより、上部凹部9kと下部凹部9mとの間には、相対する上部垂直凸条10と相対する下部垂直凸条11との境界凸部12を連結する水平凸条13が形成されることになる。
【0032】
上述した上部垂直凸条10は、側部縦溝状凹部9jを構成する相対する傾斜側壁9j1のうち、上部凹部9k側に位置する傾斜側壁9j1と外壁面9i1と上部凹部9kを構成する一方の傾斜側壁9k1とから構成されている。また、上述した下部垂直凸条11は、側部縦溝状凹部9jを構成する相対する傾斜側壁9j1のうち、下部凹部9m側に位置する傾斜側壁9j1と外壁面9i1と下部凹部9mを構成する一方の傾斜側壁9m1とから構成されている。更に、水平凸条13は、上部凹部9kを構成する傾斜底板9k4と下部凹部9mを構成する傾斜天部9m3と外壁面9i1とから構成されている。
【0033】
上部垂直凸条10を形成することにより、板状部9iの内壁面9i2側には、上部垂直凸条10に対応して、上部垂直凹部10’が形成されることになり、また、下部垂直凸条11を形成することにより、板状部9iの内壁面9i2側には、下部垂直凸条11に対応して、下部垂直凹部11’が形成されることになり、更に、水平凸条13を形成することにより、板状部9iの内壁面9i2側には、水平凸条13に対応して、水平凹部13’が形成されることになり、なお更に、上部垂直凸条10と下部垂直凸条11との境界凸部12に対応して、板状部9iの内壁面9i2側には、境界凹部12’が形成されることになる。なお、上部垂直凹部10’や下部垂直凹部11’には、上部垂直凹部10’や下部垂直凹部11’を区画する複数の水平補強リブ14を形成することもでき、また、水平凹部13’には、水平凹部13’を区画する複数の垂直補強リブ15を形成することもできる。
【0034】
上述したように、側部縦溝状凹部9jを形成することにより、垂直縁部9hと側部縦溝状凹部9jを形成する垂直縁部9h側の傾斜側壁9j1と板状部9iの外壁面9i1とにより、端部垂直凸条16が形成されている。端部垂直凸条16を形成することにより、板状部9iの内壁面9i2側には、端部垂直凸条16に対応して、端部垂直凹部16’が形成されることになり、端部垂直凹部16’には、端部垂直凹部16’を区画する複数の水平補強リブ17を形成することもできる。
【0035】
上述したように、はね上げ側壁9に、上部垂直凸条10、下部垂直凸条11、境界凸部12、及び、上部垂直凸条10と下部垂直凸条11とを、境界凸部12を介して連結する水平凸条13を形成することにより、はね上げ側壁9を面変化させるように構成されている。このように、はね上げ側壁9を面変化させることにより、はね上げ側壁9の強度や剛性を高めることができ、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳む際に、垂直状態のはね上げ側壁9を、作業者が、手で、押圧或いは殴打しても、はね上げ側壁9が変形することを抑制することができ、従って、押圧力或いは殴打力が、効果的に、底部2とはね上げ側壁9の係合状態の解除力に作用することになり、折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。
【0036】
また、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際には、上述した水平凸条13は、その両端部付近が、上部分割側壁4と下部分割側壁5とのヒンジ連結部6付近に位置する下部分割側壁5の嵌合突出部5cと該嵌合突出部5cが嵌合するはね上げ側壁9の凹部9aとの嵌合位置に位置するように構成されている。このように構成することにより、垂直状態のはね上げ側壁9を、水平方向に回動する際に、作業者のはね上げ側壁9への押圧力或いは殴打力が、効果的に、下部分割側壁5の嵌合突出部5cと該嵌合突出部5cが嵌合するはね上げ側壁9の凹部9aとの嵌合状態の解除力として作用し、従って、折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。
【0037】
9nは、公知のように、上部水平縁部9fのヒンジ連結されるヒンジ部9f’に形成された凹部であり、凹部9nを形成する相対する側壁の一方の側壁には、公知のように、該側壁に垂直にヒンジピン9n1が突設されており、ヒンジピン9n1は、公知のように、上部フレーム1の短辺部1aに形成された雌ヒンジ部材H1を構成するヒンジピン受け部h1bの凹部に嵌合するように構成されており、はね上げ側壁9に形成されたヒンジピン9n1と上部フレーム1の短辺部1aに形成された雌ヒンジ部材H1とにより、上部フレーム1とはね上げ側壁9とがヒンジ連結されている。また、9pは、上述した上部フレーム1に形成された当接リブ1cに対応して、はね上げ側壁9の上部水平縁部9fに形成された当接リブ凹部であり、当接リブ凹部9pには、上部フレーム1に形成された当接リブ1cが嵌合するように構成されている。
【0038】
図9及び
図10に示されているように、折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態においては、上部フレーム1の短辺部1aに配設された当接リブ1cが、折り畳まれた状態の上部分割側壁4に当接するように構成されている。このように構成することにより、折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態において、上部フレーム1に上方から負荷が加わった際に、上部フレーム1の短辺部1aに配設された当接リブ1cが、折り畳まれた状態の上部分割側壁4に当接するので、はね上げ側壁9の強度や剛性を低下することなく、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの変形や損傷を防止することができる。
【符号の説明】
【0039】
1・・・・・・・・上部フレーム
1c・・・・・・・当接リブ
2・・・・・・・・底部
3・・・・・・・・分割側壁
4・・・・・・・・上部分割側壁
5・・・・・・・・下部分割側壁
4c・・・・・・・嵌合部材
9・・・・・・・・はね上げ側壁
9a・・・・・・・嵌合凹部
9n1・・・・・・ヒンジピン
H1・・・・・・・雌ヒンジ部材