(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の水平画素幅を有する第1系列の画素と、前記第1の水平画素幅よりも狭い第2の水平画素幅を有する第2系列の画素とを、水平方向および垂直方向のそれぞれにおいて交互に配列してなる表示部と、
前記表示部からの光線または前記表示部に向かう光線に対して制御を行う光線制御部と
を備え、
前記光線制御部は、光を透過または遮断するバリア部であり、
前記バリア部は、複数の固定された開口部を有し、
第1の表示モードおよび第2の表示モードを含む複数の表示モードを有し、
前記第1の表示モードでは、前記第1系列の画素および前記第2系列の画素が単一の画像を表示し、
前記第2の表示モードでは、前記第1系列の画素が立体視表示するための画像を表示し、前記第2系列の画素が黒色または灰色を表示する
表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.適用例
【0015】
<1.実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図1は、実施の形態に係る立体表示装置の一構成例を表すものである。立体表示装置1は、パララックスバリア方式の立体表示装置である。なお、本開示の実施の形態に係る表示パネルは、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。
【0016】
立体表示装置1は、制御部41と、バックライト駆動部42と、バックライト30と、表示駆動部50と、表示部20と、バリア駆動部43と、バリア部10とを備えている。
【0017】
制御部41は、外部より供給される映像信号Sdispに基づいて、バックライト駆動部42、表示駆動部50、およびバリア駆動部43を制御する回路である。具体的には、制御部41は、バックライト駆動部42に対してバックライト制御信号を供給し、表示駆動部50に対して映像信号Sdispに基づいて生成した映像信号Sdisp2を供給し、バリア駆動部43に対してバリア制御信号を供給するようになっている。この映像信号Sdisp2は、立体表示装置1が通常表示(2次元表示)を行う場合には、1つの視点映像を含む映像信号S2Dであり、立体表示装置1が立体視表示を行う場合には、後述するように、複数(この例では4つ)の視点映像を含む映像信号S3Dである。
【0018】
バックライト駆動部42は、制御部41から供給されるバックライト制御信号に基づいてバックライト30を駆動するものである。バックライト30は、表示部20に対して面発光した光を射出する機能を有している。バックライト30は、例えば、LED(Light Emitting Diode)や、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)などを用いて構成されるものである。
【0019】
表示駆動部50は、制御部41から供給される映像信号Sdisp2に基づいて表示部20を駆動するものである。表示部20は、この例では液晶表示部であり、液晶表示素子を駆動して、バックライト30から射出した光を変調することにより表示を行うようになっている。
【0020】
バリア駆動部43は、制御部41から供給されるバリア制御信号に基づいて、バリア部10を駆動するものである。バリア部10は、バックライト30から射出し表示部20を透過した光を透過(開動作)または遮断(閉動作)するものであり、液晶を用いて構成された複数の開閉部11,12(後述)を有している。
【0021】
図1に示すように、立体表示装置1では、バックライト30、表示部20、およびバリア部10は、この順に配置されている。つまり、バックライト30から射出した光は、表示部20およびバリア部10を介して、観察者に届くようになっている。
【0022】
(表示駆動部50および表示部20)
図2は、表示駆動部50のブロック図の一例を表すものである。表示駆動部50は、タイミング制御部51と、ゲートドライバ52と、データドライバ53とを備えている。タイミング制御部51は、ゲートドライバ52およびデータドライバ53の駆動タイミングを制御するとともに、制御部41から供給された映像信号Sdisp2に基づいて映像信号Sdisp3を生成し、データドライバ53へ供給するものである。ゲートドライバ52は、タイミング制御部51によるタイミング制御に従って、表示部20内の画素Pixを行ごとに順次選択して、線順次走査するものである。データドライバ53は、表示部20の各画素Pixへ、映像信号Sdisp3に基づく画素信号を供給するものである。具体的には、データドライバ53は、映像信号Sdisp3に基づいてD/A(デジタル/アナログ)変換を行うことにより、アナログ信号である画素信号を生成し、各画素Pixへ供給するようになっている。
【0023】
図3は、表示部20の一構成例を表すものであり、(A)は画素Pixを構成するサブ画素SPixの回路図の一例を示し、(B)は表示部20の断面構成を示す。
【0024】
画素Pixは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)にそれぞれ対応する3つのサブ画素SPixを有している。各サブ画素SPixは、
図3(A)に示したように、TFT(Thin Film Transistor)素子Trと、液晶素子LCと、保持容量素子Csを備えている。TFT素子Trは、例えばMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)により構成されるものであり、ゲートがゲート線GCLに接続され、ソースがデータ線SGLに接続され、ドレインが液晶素子LCの一端と保持容量素子Csの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端は接地されている。保持容量素子Csは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端は保持容量線CSLに接続されている。ゲート線GCLはゲートドライバ52に接続され、データ線SGLはデータドライバ53に接続されている。
【0025】
表示部20は、
図3(B)に示したように、駆動基板207と対向基板208との間に、液晶層203を封止したものである。駆動基板207は、透明基板201と、画素電極202と、偏光板206aとを有している。透明基板201は、例えばガラス等から構成されるものであり、TFT素子Trが形成されたものである。この透明基板201上には、サブ画素SPix毎に画素電極202が配設されている。そして、透明基板201の、画素電極202が配設された面とは反対の面には、偏光板206aが貼り付けられている。対向基板208は、透明基板205と、対向電極204と、偏光板206bとを有している。透明基板205は、例えばガラス等から構成されるものである。透明基板205の液晶層203側の面には、図示しないカラーフィルタやブラックマトリクスが形成され、さらにその上には、対向電極204が各サブ画素SPixに共通の電極として配設されている。透明基板205の、対向電極204が配設された面とは反対の面には、偏光板206bが貼り付けられている。偏光板206aおよび偏光板206bは、互いにクロスニコルまたはパラレルニコルとなるように貼り合わせられている。
【0026】
図4は、表示部20におけるサブ画素SPixの配列を表すものである。
図4において、“R”は赤色のサブ画素SPixを示し、“G”は緑色のサブ画素SPixを示し、“B”は青色のサブ画素SPixを示す。
【0027】
表示部20は、垂直方向Yに延伸するとともに、表示画面の水平方向Xの方向において互いに幅が異なる2種類のサブ画素SPix(21,22)を有している。具体的には、表示部20は、水平方向Xに広い幅W21を有するサブ画素21(21R,21G,21B)と、水平方向Xに狭い幅W22を有するサブ画素22(22R,22G,22B)を有している。サブ画素21およびサブ画素22は、水平方向Xにおいて交互に配置されている。具体的には、この例では、水平方向Xにおいて、サブ画素21R,22B,21G,22R,21B,22Gが、この順で繰り返し配置されている。また、サブ画素21およびサブ画素22は、表示画面の垂直方向Yにおいても、交互に配置されている。その際、垂直方向Yに互いに隣接するサブ画素21およびサブ画素22の水平方向Xにおける中心座標は、互いに一致するようになっている。隣接するサブ画素21,22の境界部分には、ブラックマトリックス(図示せず)が形成され、これにより、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の混色がおこりにくくなっている。
【0028】
図5は、表示部20におけるサブ画素21の配置をより詳細に表すものである。表示部20では、水平方向Xに隣り合うサブ画素21の間隔S21は、サブ画素21自体の幅W21と等しくなっている。これにより、例えば、あるサブ画素21の右辺(例えば右辺SR1)の水平方向Xの座標は、その右上に隣接して配置されたサブ画素21の左辺(例えば左辺SL2)の水平方向Xの座標と等しく、例えば、あるサブ画素21の左辺(例えば左辺SL1)の水平方向Xの座標は、その左上に隣接して配置されたサブ画素21の右辺(右辺SR2)の水平方向Xの座標と等しくなっている。
【0029】
この構成により、立体表示装置1では、後述するように、立体視表示を行う場合には、サブ画素21が4つの視点映像を表示するとともに、サブ画素22が黒色を表示する。また、通常表示(2次元表示)を行う場合には、サブ画素21およびサブ画素22の両方が2次元映像を表示する。これにより、立体表示装置1では、後述するように、立体視表示を行う場合には、モアレおよびクロストークを低減することにより画質の向上を図ることができるとともに、通常表示を行う場合には、輝度を高めることにより、画質の向上を図ることができるようになっている。
【0030】
(バリア部10)
図6は、バリア部10の一構成例を表すものであり、(A)はバリア部10の平面図を示し、(B)は(A)のバリア部10のVI−VI矢視方向の断面構成を示す。
【0031】
バリア部10は、いわゆるパララックスバリアであり、
図6(A)に示したように、光を透過または遮断する複数の開閉部(液晶バリア)11,12を有している。開閉部11,12は、この例では垂直方向Yに延在して設けられている。この例では、開閉部11の幅W11と、開閉部12の幅W12とは、互いに異なっており、ここでは例えばW11>W12となっている。但し、開閉部11,12の幅の大小関係はこれに限定されず、W11<W12であってもよく、また、W11=W12であってもよい。
【0032】
バリア部10は、
図6(B)に示したように、駆動基板107と対向基板108との間に、液晶層103を封止したものである。駆動基板107は、透明基板101と、透明電極層102と、偏光板106aとを有している。透明基板101は、例えばガラス等から構成されるものであり、その上には、透明電極層102が形成されている。また、透明基板101の、透明電極層102が配設された面とは反対の面には、偏光板106aが貼り付けられている。対向基板108は、透明基板105と、透明電極層104と、偏光板106bとを有している。透明基板105は、例えばガラス等から構成されるものであり、その上には、透明電極層104が形成されている。透明基板105の、透明電極層104が配設された面とは反対の面には、偏光板106bが張り付けられている。偏光板106aおよび偏光板106bは、互いにクロスニコルまたはパラレルニコルとなるように貼り合わせられている。
【0033】
透明電極層102は、複数の透明電極110,120を有している。また、透明電極層104は、複数の透明電極110,120に対応する位置にわたって、いわゆる共通電極として設けられるものである。透明電極110と、液晶層103および透明電極層104におけるその透明電極110に対応する部分とは、開閉部11を構成している。同様に、透明電極120と、液晶層103および透明電極層104におけるその透明電極120に対応する部分とは、開閉部12を構成している。このような構成により、バリア部10では、透明電極110または透明電極120に電圧を選択的に印加することにより、液晶層103がその電圧に応じた液晶配向になり、開閉部11,12毎の開閉動作を行うことができるようになっている。
【0034】
これらの開閉部11,12は、立体表示装置1が通常表示(2次元表示)および立体視表示のどちらを行うかにより、異なる動作を行う。具体的には、開閉部11は、後述するように、通常表示の際には開状態(透過状態)になり、立体視表示を行う際には、閉状態(遮断状態)となるものである。開閉部12は、後述するように、通常表示および立体視表示の両方において、開状態(透過状態)になるものである。
【0035】
図7は、表示部20におけるサブ画素21と、バリア部10における開閉部11,12との相対的な位置関係を表すものである。なお、この図では、表示部20におけるサブ画素22の図示を省略している。すなわち、この図では、立体視表示の際に黒色を表示するサブ画素22の図示を省略している。開閉部12は、水平方向Xにおいて、隣接する2行内の4つのサブ画素21(サブ画素グループPG)に1つの割合で設けられている。これは、立体表示装置1が、立体視表示を行う際、4つの視点映像を表示することと対応している。
【0036】
図8は、立体視表示および通常表示(2次元表示)を行う場合のバリア部10の状態を、断面構造を用いて模式的に表すものであり、(A)は立体視表示を行う状態を示し、(B)は通常表示を行う状態を示す。
図8において、斜線で示した開閉部11は、光が遮断されている状態を示している。
【0037】
立体視表示を行う場合には、表示駆動部50に映像信号S3Dが供給され、表示部20はそれに基づいて表示を行う。具体的には、
図8(A)に示したように、バリア部10では、開閉部12が開状態(透過状態)になるとともに、開閉部11が閉状態(遮断状態)になる。そして、表示部20では、この開閉部12に対応した位置に配置された互いに隣接する4つのサブ画素21(サブ画素グループPG)が、4つの視点映像のそれぞれに対応するサブ画素情報P1〜P4を表示するとともに、全てのサブ画素22(図示せず)は黒表示を行う。これにより、観察者は、後述するように、左眼と右眼とで互いに異なる視点映像を観察することにより、立体的な映像を見ることができる。
【0038】
また、通常表示(2次元表示)を行う場合には、表示駆動部50に映像信号S2Dが供給され、表示部20はそれに基づいて表示を行う。具体的には、
図8(B)に示したように、バリア部10では、開閉部11,12がともに開状態(透過状態)になり、表示部20では、全てのサブ画素21,22が、1つの視点映像(2次元映像)を表示する。これにより、観察者は、表示部20に表示された通常の2次元映像をそのまま見ることができる。
【0039】
ここで、サブ画素21(21R,21G,21B)は、本開示における「第1系列の画素」の一具体例に対応し、サブ画素22(22R,22G,22B)は、本開示における「第2系列の画素」の一具体例に対応する。開閉部12は、本開示における「第1系列の液晶バリア」の一具体例に対応し、開閉部11は、本開示における「第2系列の液晶バリア」の一具体例に対応する。
【0040】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の立体表示装置1の動作および作用について説明する。
【0041】
(全体動作概要)
まず、
図1を参照して、立体表示装置1の全体動作概要を説明する。制御部41は、外部より供給される映像信号Sdispに基づいて、バックライト駆動部42、表示駆動部50、およびバリア駆動部43を制御する。バックライト駆動部42は、制御部41から供給されるバックライト制御信号に基づいてバックライト30を駆動する。バックライト30は、面発光した光を表示部20に対して射出する。表示駆動部50は、制御部41から供給される映像信号Sdisp2に基づいて表示部20を駆動する。表示部20は、バックライト30から射出した光を変調することにより表示を行う。具体的には、立体視表示の際には、表示部20のサブ画素21が4つの視点映像に係る画素情報を表示するとともに、サブ画素22は黒表示を行う。また、通常表示(2次元表示)の際には、サブ画素21,22が1つの視点映像(2次元映像)に係る画素情報を表示する。バリア駆動部43は、制御部41から供給されるバリア制御信号に基づいてバリア部10を制御する。バリア部10の開閉部11,12は、バリア駆動部43からの指示に基づいて開閉動作を行い、バックライト30から射出し表示部20を透過した光を透過または遮断する。
【0042】
(立体視表示の詳細動作)
次に、立体視表示を行う場合の詳細動作を説明する。
【0043】
図9は、表示部20およびバリア部10における立体視表示の動作例を表すものである。立体視表示を行う場合には、バリア部10では、開閉部12が開状態(透過状態)になるとともに、開閉部11が閉状態(遮断状態)になる。そして、表示部20は、映像信号S3Dの画素情報を表示する。このとき、
図9に示したように、開閉部12付近に配置された4つのサブ画素21(サブ画素グループPG)が、4つの視点映像に対応する画素情報P1〜P4をそれぞれ表示する。表示部20の各サブ画素21から出た光は、開閉部12によりそれぞれ角度が制限されて出力される。これにより、観察者は、例えば左眼で画素情報P2を、右眼で画素情報P3を見ることとなる。このように、観察者が、左眼と右眼とで、画素情報P1〜P4のうちの異なる画素情報を見るため、観察者は表示映像を立体的な映像として感じることができる。
【0044】
(画質について)
次に、立体表示装置1の画質について説明する。まず、立体視表示の際の画質について説明し、その後に通常表示の際の画質について説明する。
【0045】
まず、立体視表示におけるモアレとクロストークについて説明する。
【0046】
図10(A)〜(C)は、表示部20におけるサブ画素21と、バリア部10における開閉部12との相対的な位置関係を表すものである。なお、この図では、開閉部11およびサブ画素22の図示を省略している。すなわち、この図では、立体視表示の際に開状態となる開閉部12と、画像を表示するサブ画素21を図示しており、立体視表示の際に閉状態となる開閉部11と、黒色を表示するサブ画素22の図示を省略している。
図10(A)〜(C)に示した位置関係は、例えば、観察者が表示画面を観察する際の観察角度によって生じるものである。具体的には、例えば、観察者が表示画面の正面から観察したときには、
図10(B)のような位置関係になり、表示画面の正面より右側から観察したときには、
図10(A)のような位置関係になり、表示画面の正面より左側から観察したときには、
図10(C)のような位置関係になる。
【0047】
例えば、
図10(A)に示した位置関係では、観察者は、あるサブ画素21Gのうちの、開状態にある開閉部12に対応する部分A1を観察する。
図10(B)に示した位置関係では、観察者は、ある2つのサブ画素21Gのうちの開閉部12に対応する部分A21,A22を観察する。また、
図10(C)に示した位置関係では、観察者は、あるサブ画素21Gのうちの、開閉部12に対応する部分A3を観察する。このとき、立体表示装置1では、
図5に示したように、サブ画素21を、水平方向Xにおける間隔S21がサブ画素21の幅W21と等しくなるように配置しているため、
図10(A)における部分A1の面積と、
図10(B)における部分A21,A22の合計面積と、
図10(C)における部分A3の面積とを、互いに等しくすることができる。つまり、観察者が表示画面を観察する際の観察角度αによらず、観察されるサブ画素の面積をほぼ一定にすることができる。これにより、立体表示装置1では、観察角度αによらず輝度をほぼ一定にすることができるため、後述する比較例の場合とは異なり、モアレの発生を抑え、画質の低下を抑えることができる。
【0048】
また、例えば、製造ばらつきなどにより、サブ画素21,22と開閉部12との相対的な位置関係が所望の位置関係からずれ、
図10(A)〜(C)の状態が表示画面内に周期的に現れる場合がある。しかしながら、このような場合であっても、立体表示装置1では、
図10(A)〜(C)の状態において輝度が互いに等しくなるため、表示画面内の輝度を均一にすることができる。
【0049】
図11,12は、あるサブ画素グループPGに係る輝度分布を模式的に表すものであり、
図11は、開閉部12の幅W12が広い場合を示し、
図12は、開閉部12の幅W12が狭い場合を示す。
【0050】
サブ画素グループPGの各サブ画素(この例では2つのサブ画素21Rおよび2つのサブ画素21G)から射出した、互いに異なる4つの視点映像に係る光は、開状態になっている開閉部12を透過してそれぞれの方向に進み、輝度分布IDが生じる。これらの輝度分布IDは、開閉部12の幅W12を反映したものとなる。すなわち、輝度分布IDでは、輝度Iは、開閉部12の幅W12が広い場合(
図11)の方が、幅W12が狭い場合(
図12)に比べて高くなる。また、互いに隣接する輝度分布ID間の重なりは、開閉部12の幅W11が狭い場合(
図12)の方が、幅W11が広い場合(
図11)に比べて大きくなる。
【0051】
各輝度分布IDの和である合計輝度ITは、
図11,12に示したように、開閉部12の幅W12にかかわらず、観察角度αによらずほぼ一定になり、モアレの発生を抑えることができる。これは、
図10に示したように、観察角度αによらず、観察されるサブ画素の面積がほぼ一定になることと対応している。すなわち、この特性は、サブ画素21の配置(
図5)に基づくものであるため、開閉部12の幅W12にかかわらずに成り立つこととなる。このように、立体表示装置1では、開閉部12の幅W12にかかわらず、合計輝度ITが観察輝度αに対して平坦な特性になるため、モアレの発生を抑えることができる。
【0052】
隣接する輝度分布が重なっている範囲(クロストーク範囲αct)では、互いに異なる視点映像に係る光が重なるため、観察者がその範囲内の観察角度αから表示映像を観察する際、異なる視点映像が重なって表示されるいわゆるクロストークが生じてしまう。このクロストーク範囲αctは、
図11,12に示したように、開閉部12の幅W12を狭くすることにより、狭くすることができる。つまり、立体表示装置1は、開閉部12の幅W12を狭くすることにより、後述する比較例の場合とは異なり、モアレの発生を抑えつつ、クロストークを低減することができる。
【0053】
このように、立体表示装置1では、水平方向Xにおいて、サブ画素21とサブ画素22とを交互に配置したので、開閉部12の幅W12に係らず、モアレの発生を抑えることができ、設計の自由度を高くすることができる。具体的には、例えば、クロストークを低減したい場合には、開閉部12の幅W12を狭め、輝度Iを高めたい場合には、開閉部12の幅W12を広くすることができる。
【0054】
次に、通常表示(2次元表示)における画質についてについて説明する。
【0055】
立体表示装置1は、通常表示の際には、バリア部10の開閉部11,12を開状態(透過状態)にし、表示部20のサブ画素21,22が2次元映像を表示する。すなわち、立体視表示の際には、表示部20のサブ画素21のみが視点映像の表示を行い、サブ画素22は黒表示を行うが、通常表示では、サブ画素21,22の両方が映像を表示する。これにより、立体表示装置1では、サブ画素22を設けなかった場合に比べて、通常表示の際の輝度を高めることができる。このように、立体表示装置1では、立体視表示の際には、黒表示を行っていたサブ画素22を、通常表示において有効に利用することにより、画質を高めることができる。
【0056】
また、立体表示装置1では、
図4に示したように、サブ画素21,22を、サブ画素21R,22B,21G,22R,21B,22Gの順に繰り返し配置したので、水平方向Xにおいて、同じ色に係るサブ画素(例えばサブ画素21R,22R)が等間隔で均等に配置されるため、例えばサブ画素21R,22Rが隣り合うように配置した場合に比べて、ドット感の少ない滑らかな表示を行うことができる。
【0057】
(比較例)
次に、比較例と対比として、本実施の形態に係る立体表示装置1の効果を説明する。本比較例に係る立体表示装置1Rは、サブ画素SPixの配置が、本実施の形態の場合と異なる表示部60Rを用いて、構成されたものである。その他の構成は、本実施の形態(
図1等)と同様である。
【0058】
図13は、表示部60Rにおけるサブ画素SPixの配列を表すものである。表示部60Rは、互いに水平方向Xの幅が等しいサブ画素61(61R,61G,61B)を有している。すなわち、本実施の形態に係る表示部20では、互いに異なる幅を有する2種類のサブ画素21,22を有するようにしたが、本比較例に係る表示部60Rでは、全てのサブ画素61R,61G,61Bの幅は等しくなっている。そして、立体表示装置1Rでは、立体視表示および通常表示(2次元表示)の両方において、これらの全てのサブ画素61R,61G,61Bが表示を行うようになっている。
【0059】
図14は、立体表示装置1Rにおける、サブ画素61と開閉部12との相対的な位置関係を表すものである。立体視表示の際、例えば、
図14(A)に示した位置関係では、観察者は、あるサブ画素61Gのうちの、開状態にある開閉部12に対応する部分R1を観察する。
図14(B)に示した位置関係では、観察者は、ある2つのサブ画素61Gのうちの開閉部12に対応する部分R21,R22を観察する。また、
図14(C)に示した位置関係では、観察者は、あるサブ画素61Gのうちの、開閉部12に対応する部分R3を観察する。このとき、例えば、
図14(A)における部分R1の面積や、
図14(C)における部分R3の面積は、
図14(B)における部分R21,R22の合計面積に比べて大きくなる。よって、この例では、
図14(A),(C)の位置関係では、
図14(B)の位置関係に比べて緑色の輝度が高くなる。このように、立体表示装置1Rでは、観察角度αによって、輝度が変化してしまい(モアレ)、画質が低下してしまうおそれがある。
【0060】
また、例えば、製造ばらつきなどにより、サブ画素61と開閉部12との相対的な位置関係が所望の位置関係からずれ、
図14(A)〜(C)の状態が表示画面内に周期的に現れる場合には、
図14(A)〜(C)の状態において、互いに輝度が異なることから、観察者は、表示画面において輝度の不均一性を観察するおそれがあり、画質が低下してしまう。
【0061】
図15,16は、立体表示装置1Rにおける、あるサブ画素グループPGに係る輝度分布を模式的に表すものであり、
図15は、開閉部12の幅W12が広い場合を示し、
図16は、開閉部12の幅W12が狭い場合を示す。
【0062】
各輝度分布IDの和である合計輝度ITは、
図15,16に示したように、観察角度αにより変化する。これは、
図14に示したように、観察角度αにより、観察されるサブ画素61の面積が変化するためである。特に、合計輝度ITは、
図16に示したように、開閉部12の幅W12を狭くした場合に、観察角度αにより大きく変化してしまう。このように、立体表示装置1Rでは、開閉部12の幅W12を狭くした場合に、観察角度αにより輝度Iが変化し、モアレとして観察されるおそれがある。
【0063】
なお、クロストーク範囲αctは、
図15,16に示したように、開閉部12の幅W12を狭めることにより、狭くすることができる。すなわち、本実施の形態に係る立体表示装置1の場合(
図11,12)と同様に、開閉部12の幅W12を狭めることにより、クロストークを低減することができる。
【0064】
このように、比較例に係る立体表示装置1Rでは、例えば、開閉部12の幅W12を広くすると、表示画面においてモアレを低減することができるものの、クロストークが悪化してしまう。また、例えば、開閉部12の幅W12を狭くすると、クロストークを低減できるものの、モアレが発生してしまう。すなわち、この立体表示装置1Rでは、モアレとクロストークとがトレードオフの関係になっており、両方の特性を同時に改善することができない。
【0065】
一方、本実施の形態に係る立体表示装置1では、水平方向Xにおいて、サブ画素21とサブ画素22とを交互に配置したので、開閉部12の幅W12に係らず、モアレの発生を抑えることができる。すなわち、立体表示装置1では、モアレとクロストークとがトレードオフの関係にならないため、開閉部12の幅W12を狭めることにより、モアレの発生を抑えつつ、クロストークを低減することができる。
【0066】
[効果]
以上のように本実施の形態では、サブ画素21に加えてサブ画素22を設けたので、通常表示(2次元表示)における輝度を高くすることができ、画質を高めることができる。
【0067】
また、本実施の形態では、水平方向におけるサブ画素21の間隔を、サブ画素21自体の幅と等しくしたので、立体視表示の際、モアレの発生を抑えることができるとともに、設計の自由度を高めることができる。具体的には、例えば、開閉部12の幅を狭めた場合には、モアレの発生を抑えつつ、クロストークを低減することができる。
【0068】
[変形例1−1]
上記実施の形態では、水平方向Xにおけるサブ画素21の間隔S21を、サブ画素21自体の幅W21と等しくしたが、これに限定されるものではない。以下に、その詳細を説明する。
【0069】
図17は、本変形例に係る表示部20Aにおけるサブ画素21の配置を表すものであり、(A)は、サブ画素21の間隔S21が幅W21よりも小さい場合を示し、(B)は、サブ画素21の間隔S21が幅W21よりも大きい場合を示す。サブ画素21を
図17に示したように配置した場合には、上記実施の形態の場合(
図10)とは異なり、観察者が表示画面を観察する際の観察角度αによって、観察されるサブ画素の面積がやや変化する。これにより、例えば、開閉部12の幅W12が狭いほど、クロストークは低減できるものの、モアレが発生するおそれがある。すなわち、本変形例では、上述した比較例ほどではないものの、クロストークとモアレとの間にトレードオフの関係が生じてしまう。よって、本変形例では、クロストークおよびモアレによる画質の低下の影響がない範囲で、サブ画素21の間隔S21および幅W21、ならびに開閉部12の幅W12を設定する必要がある。
【0070】
以下に、観察者が画質の低下を感じないような、クロストークおよびモアレの量について説明する。まず、クロストークの許容量について説明する。
【0071】
図18は、隣接する複数のサブ画素21の輝度分布を表すものである。あるサブ画素21からの光を主に観察することができる観察角度範囲Rαの両端付近では、そのサブ画素21に隣接するサブ画素21からの光も観測される。具体的には、例えば、観察角度α1では、所望のサブ画素21からの輝度I1の光に加え、隣接するサブ画素21からの輝度I2の光も観察される。このとき、クロストーク量CTは、次式で表される。
CT=I2/I1×100 ・・・(1)
すなわち、クロストーク量CTは、隣接するサブ画素21からの影響が大きいほど(クロストークが大きいほど)、その値が大きくなるものである。クロストークによる画質の低下の感じ方には個人差があり、また表示する映像のコンテンツによっても異なるが、クロストーク量CTは、概ね10%以下であることが望ましい。
【0072】
次にモアレの許容量について説明する。サブ画素21を
図17のように配置した場合には、観察者が表示画面を観察する際の観察角度αによって、観察されるサブ画素の面積が変化するため、観察角度αによって輝度Iが変化する。具体的には、例えば、ある観察角度αでは、輝度Iが最大になり(輝度I3)、他の観察角度αでは、輝度Iが最小になる(輝度I4)。このとき、モアレ量MOは、次式で表される。
MO=(1−I4/I3)×100 ・・・(2)
すなわち、モアレ量MOは、観察角度αによる輝度Iの差が大きいほど、その値が大きくなるものである。モアレによる画質の低下の感じ方にも個人差があるが、モアレ量MOは、概ね30%以下であることが望ましい。
【0073】
よって、
図17に示したようにサブ画素21を配置する場合には、例えば、クロストーク量CTが10%以下になり、かつ、モアレ量MOが30%以下になるように配置することが望ましい。
【0074】
[変形例1−2]
上記実施の形態では、立体視表示の際、サブ画素22が黒色を表示するようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば灰色を表示してもよい。これにより、サブ画素22が黒表示を行う場合に比べて、立体視表示の際の表示画面の輝度を高めることができる。
【0075】
さらに、この場合には、クロストーク量CTも低減することができる。サブ画素22が灰色を表示する場合には、クロストーク量CTは、次式で表される。
CT=I2/(I1+IG)×100 ・・・(3)
ここで、IGは灰色表示の輝度である。このように、サブ画素22が灰色表示を行うことにより、クロストーク量CTは低下するため、観察者がクロストークによる画質の低下を感じるおそれを低減することができる。この場合でも、例えば、このクロストーク量CTが10%以下になるように、灰色表示の輝度IGを設定することができる。
【0076】
[変形例1−3]
上記実施の形態では、開閉部11,12を垂直方向Yに延在するように設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、
図19(A)に示したバリア部70Aのように、開閉部71A,72Aをステップ状に設けてもいいし、
図19(B)に示したバリア部70Bのように、開閉部71B,72Bを斜め方向に延在するように設けても良い。
【0077】
図20は、
図19(A)に示したバリア部70Aを用いた場合における、サブ画素21と開閉部72Aとの位置関係を表すものである。なお、この図では、サブ画素22および開閉部72Bの図示を省略している。これらの開閉部72Aには、同じ制御信号が供給され、同時に開閉動作を行う。開閉部72Aは、水平方向Xにおいて4つのサブ画素21に1つの割合で設けられている。これは、本変形例に係る立体表示装置が、立体視表示を行う際、4つの視点映像を表示することと対応している。
【0078】
[変形例1−4]
上記実施の形態では、サブ画素21,22は、垂直方向Yに延伸するように形成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば水平方向Xに延伸するように形成してもよい。以下にその詳細について説明する。
【0079】
図21は、本変形例に係る表示部80におけるサブ画素SPixの配列を表すものである。表示部80は、水平方向Xに延伸するとともに、この水平方向Xの幅が互いに異なる2種類のサブ画素SPix(81,82)を有している。具体的には、表示部80は、水平方向Xに広い幅(幅W81)を有するサブ画素81(81R,81G,81B)と、水平方向Xに狭い幅(幅W82)を有するサブ画素82(82R,82G,82B)を有している。サブ画素81およびサブ画素82は、水平方向Xおよび垂直方向Yの両方において交互に配置されている。具体的には、この例では、垂直方向Yにおいて、サブ画素81R,82G,81B,82R,81G,82Bが、この順で繰り返し配置されている。その際、垂直方向Yに互いに隣接するサブ画素81およびサブ画素82の水平方向Xにおける中心座標は、互いに一致するようになっている。また、水平方向Xにおいて、サブ画素81R,82Rが交互に配置され、サブ画素81G,82Gが交互に配置され、サブ画素81B,82Bが交互に配置されている。表示部80では、水平方向Xに隣り合うサブ画素81の間隔S81は、サブ画素81自体の幅W81と等しくなっている。この構成により、本変形例に係る表示装置では、立体視表示を行う場合には、サブ画素81が4つの視点映像を表示するとともに、サブ画素82が黒色を表示する。また、通常表示(2次元表示)を行う場合には、サブ画素81およびサブ画素82の両方が2次元映像を表示する。
【0080】
図22は、表示部80におけるサブ画素81と、バリア部10における開閉部12との位置関係を表すものである。なお、この図では、開閉部11およびサブ画素82の図示を省略している。開閉部12は、隣接する2行内の4つのサブ画素81(サブ画素グループPG)に1つの割合で設けられている。これは、本変形例に係る立体表示装置が、立体視表示を行う際、4つの視点映像を表示することと対応している。
【0081】
[変形例1−5]
上記実施の形態では、立体視表示を行う場合において、開閉部12を常に開状態にしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、開閉部12を複数のグループにグループ分けして、グループ間で時分割的に開閉駆動するようにしてもよい。以下に、その詳細を説明する。
【0082】
図23は、開閉部12のグループ構成例を表すものである。この例では、開閉部12は、2つのグループA,Bにグループ分けされ、グループAに属する開閉部12と、グループBに属する開閉部12とが、開閉部11を挟んで交互に配置されている。なお、以下では、グループAに属する開閉部12の総称として開閉部12Aを適宜用い、同様に、グループBに属する開閉部12の総称として開閉部12Bを適宜用いるものとする。
【0083】
図24は、立体視表示を行う場合における本変形例に係る立体表示装置1Eの動作例を表すものであり、(A)は第1の状態を示し、(B)は第2の状態を示す。立体表示装置1Eは、これらの第1の状態と第2の状態との間で交互に切り換えて動作を行う。
【0084】
第1の状態では、
図24(A)に示したように、表示部20のサブ画素21のそれぞれは、4つの視点映像のそれぞれに対応する画素情報P1〜P4を表示する。このとき、画素情報P1〜P4は、開閉部12A付近に配置されたサブ画素21にそれぞれ表示される。バリア部10では、開閉部12Aが開状態(透過状態)になるとともに、開閉部12Bが閉状態になる。そして、表示部20の各サブ画素21から出た光は、開閉部12Aによりそれぞれ角度が制限されて出力される。これにより、観察者は、例えば左眼で画素情報P2を、右眼で画素情報P3を見ることにより、立体的な映像を見ることができる。
【0085】
第2の状態では、
図24(B)に示したように、表示部20のサブ画素21のそれぞれは、4つの視点映像のそれぞれに対応する画素情報P1〜P4を表示する。このとき、画素情報P1〜P4は、開閉部12B付近に配置されたサブ画素21にそれぞれ表示される。バリア部10では、開閉部12Bが開状態(透過状態)になるとともに、開閉部12Aが閉状態になる。そして、表示部20の各サブ画素21から出た光は、開閉部12Bによりそれぞれ角度が制限されて出力される。これにより、観察者は、例えば左眼で画素情報P2を、右眼で画素情報P3を見ることにより、立体的な映像を見ることができる。
【0086】
このように、開閉部12Aと開閉部12Bを時分割的に交互に開閉して映像を表示することにより、観察者は、互いにずれた位置に表示される映像を平均化して見ることとなる。よって、立体表示装置1Eは、上記実施の形態に係る立体表示装置1の場合に比べ、2倍の解像度を実現することが可能となる。
【0087】
[変形例1−6]
上記実施の形態では、バックライト30、表示部20、バリア部10は、この順に配置したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、
図25に示したように、バックライト30、バリア部10、表示部20の順に配置してもよい。
図26は、本変形例に係る表示部20およびバリア部10の動作例を表すものである。本変形例では、バックライト30から射出した光は、まずバリア部10に入射する。そして、その光のうち、開閉部12を透過した光が表示部20において変調されるとともに、4つの視点映像を出力するようになっている。
【0088】
[変形例1−7]
上記実施の形態では、表示部20およびバックライト30を用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、EL(Electro Luminescence)などの表示部を用いてもよい。
【0089】
[変形例1−8]
上記実施の形態では、水平方向Xにおいて、サブ画素21R,22B,21G,22R,21B,22Gの順に繰り返し配置したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、
図27に示したように、サブ画素21R,22G,21G,22B,21B,22Rの順に繰り返し配置してもよいし、
図28に示したように、行ごとにサブ画素21,22の配列を変更してもよい。
【0090】
また、
図29に示したように、例えば、サブ画素21R,21G,21Bを、互いに近い位置に配置し、同様に、サブ画素22R,22G,22Bを、互いに近い位置に配置してもよい。この例では、例えばサブ画素21R,21Gを1つのサブ画素22を挟んで水平方向Xに互いに隣り合うように配置し、サブ画素21Bを、その挟まれたサブ画素22と垂直方向Yに隣接するように配置している。同様に、例えばサブ画素22R,22Gを1つのサブ画素21を挟んで水平方向Xに互いに隣り合うように配置し、サブ画素22Bを、その挟まれたサブ画素21と垂直方向Yに隣接するように配置している。このようにすることにより、通常表示(2次元表示)の際の色のバランスを改善することができる。
【0091】
[変形例1−9]
上記実施の形態では、光の透過率を変化させることができる開閉部11,12を用いてバリア部10を構成したが、これに代えて、例えば、開閉部11に対応する部分の光を遮断し、開閉部12に対応する部分が開口して光を透過する、固定のバリアを用いてバリア部を構成してもよい。この場合でも、立体視表示の際には、上記実施の形態の場合(
図9等)と同様に表示を行うことができる。また、通常表示(2次元表示)の際には、例えば、開口部付近に配置された4つのサブ画素21(サブ画素グループPG)および4つのサブ画素22が、一つの画素情報を表示することにより、2次元画像を表示することができる。
【0092】
[変形例1−10]
上記実施の形態では、パララックスバリア方式の立体表示装置を構成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えばレンチキュラーレンズ方式の立体表示装置を構成してもよい。以下にその詳細を説明する。
【0093】
図30は、レンチキュラーレンズ方式の立体表示装置9における立体視表示の動作例を表すものである。立体表示装置9は、バックライト30から射出し表示部20を透過した光を屈折させる複数のレンズ99を有するレンズ部90を備えている。立体視表示を行う場合には、表示部20では、各レンズ99に対応する部分に配置された4つのサブ画素21(サブ画素グループPG)が、4つの視点映像に対応する画素情報P1〜P4をそれぞれ表示する。そして、表示部20の各サブ画素21から出た光は、レンズ99により屈折され、それぞれの方向に向かって出力される。
【0094】
なお、レンズ99は、成形され、屈折率が固定されたレンズであってもよいし、例えば、液晶レンズや液体レンズのように、屈折率などの特性を可変に構成したものであってもよい。
【0095】
<2.適用例>
次に、上記実施の形態および変形例で説明した立体表示装置の適用例について説明する。
【0096】
図31は、上記実施の形態等の立体表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表すものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記実施の形態等に係る立体表示装置により構成されている。
【0097】
上記実施の形態等の立体表示装置は、このようなテレビジョン装置の他、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、携帯型ゲーム機、あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記実施の形態等の立体表示装置は、映像を表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0098】
以上、いくつかの変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0099】
上記実施の形態では、立体視表示において4つの視点映像を表示するようにしたが、これに限定されるものではなく、3つ以下の視点映像や、5つ以上の視点映像を表示してもよい。
【0100】
また、上記実施の形態では、立体表示装置を例に本技術を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、本技術をマルチディスプレイに適用することも可能である。すなわち、複数の視点映像の代わりに、複数の観察者のための映像を表示し、例えば、表示画面の正面より左側から観察する映像と、表示画面の正面より右側から観察する映像が異なるようにすることにより、マルチディスプレイを実現することができる。
【0101】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0102】
(1)第1の水平画素幅を有する第1系列の画素と、前記第1の水平画素幅よりも狭い第2の水平画素幅を有する第2系列の画素とを、水平方向および垂直方向のそれぞれにおいて交互に配列してなる表示部と、
前記表示部からの光線または前記表示部に向かう光線に対して制御を行う光線制御部と
を備えた
表示装置。
【0103】
(2)第1の表示モードおよび第2の表示モードを含む複数の表示モードを有し、
前記第1の表示モードでは、前記第1系列の画素および前記第2系列の画素が単一の画像を表示し、
前記第2の表示モードでは、前記第1系列の画素が複数の画像を表示し、前記第2系列の画素が黒色を表示する
前記(1)に記載の表示装置。
【0104】
(3)前記第1系列の画素の水平方向における間隔は、前記第1の水平画素幅と等しい
前記(2)に記載の表示装置。
【0105】
(4)前記第1系列の画素の水平方向における間隔は、前記第1の水平画素幅よりも狭い
前記(2)に記載の表示装置。
【0106】
(5)前記第1系列の画素の水平方向における間隔は、前記第1の水平画素幅よりも広い
前記(2)に記載の表示装置。
【0107】
(6)各第1系列の画素の水平方向における中心座標は、その第1系列の画素と垂直方向に隣接する第2系列の画素の水平方向における中心座標と等しい
前記(3)から(5)のいずれかに記載の表示装置。
【0108】
(7)第1の表示モードおよび第2の表示モードを含む複数の表示モードを有し、
前記第1の表示モードでは、前記第1系列の画素および前記第2系列の画素が単一の画像を表示し、
前記第2の表示モードでは、前記第1系列の画素が複数の画像を表示し、前記第2系列の画素が灰色を表示する
前記(1)に記載の表示装置。
【0109】
(8)前記光線制御部は、
前記第1の表示モードでは、前記単一の画像からの光線または前記単一の画像に向かう光線をそのまま透過させるように動作し、
前記第2の表示モードでは、前記表示部に表示された各画像からの光線または各画像に向かう光線を、それぞれ対応する角度方向に規制するように動作する
前記(2)から(7)のいずれかに記載の表示装置。
【0110】
(9)前記光線制御部は、光を透過または遮断するバリア部であり、
前記バリア部は、開状態と閉状態とを切り換え可能な、複数の第1系列の液晶バリアおよび複数の第2系列の液晶バリアを有する
前記(1)から(8)に記載の表示装置。
【0111】
(10)前記第1の表示モードでは、前記複数の第1系列の液晶バリアおよび前記複数の第2系列の液晶バリアが透過状態になり、
前記第2の表示モードでは、前記複数の第1系列の液晶バリアが透過状態になるとともに、前記複数の第2系列の液晶バリアが遮断状態になる
前記(9)に記載の表示装置。
【0112】
(11)前記複数の第1系列の液晶バリアおよび前記複数の第2系列の液晶バリアは、所定の方向に延伸している
前記(10)に記載の表示装置。
【0113】
(12)前記第1系列の液晶バリアの幅は、前記第1の水平画素幅よりも狭い
前記(11)に記載の表示装置。
【0114】
(13)前記光線制御部は、光を透過または遮断するバリア部であり、
前記バリア部は、複数の固定された開口部を有する
前記(1)から(8)のいずれかに記載の表示装置。
【0115】
(14)前記光線制御部は、屈折率を切り換え可能な、複数の可変レンズを有する
前記(1)から(8)のいずれかに記載の表示装置。
【0116】
(15)前記光線制御部は、複数の固定されたレンズを有する
前記(1)から(8)のいずれかに記載の表示装置。
【0117】
(16)バックライトをさらに備え、
前記表示部は液晶表示部であり、
前記液晶表示部は、前記バックライトと前記バリア部との間に配置されている
前記(1)から(15)のいずれかに記載の表示装置。
【0118】
(17)バックライトをさらに備え、
前記表示部は液晶表示部であり、
前記バリア部は、前記バックライトと前記液晶表示部との間に配置されている
前記(1)から(15)のいずれかに記載の表示装置。
【0119】
(18)第1の水平画素幅を有する第1系列の画素と、
前記第1の水平画素幅よりも狭い第2の水平画素幅を有する第2系列の画素と
を備え、
前記第1系列の画素および前記第2系列の画素は、水平方向および垂直方向のそれぞれにおいて交互に配列された
表示パネル。
【0120】
(19)表示装置と、
前記表示装置を利用した動作制御を行う制御部と
を備え、
前記表示装置は、
第1の水平画素幅を有する第1系列の画素と、前記第1の水平画素幅よりも狭い第2の水平画素幅を有する第2系列の画素とを、水平方向および垂直方向のそれぞれにおいて交互に配列してなる表示部と
前記表示部からの光線または前記表示部に向かう光線に対して制御を行う光線制御部と
を有する
電子機器。