【実施例】
【0061】
実施例1−MDP/DNA-微粒子の調製
Propionibacterium aciniから単離したムラミールジペプチド(MDP)の複数の繰り返しにより、本実施例のMDP/DNA-微粒子担体複合体のコア構造を形成した。好ましいモノマーサブユニットの化学組成物を、以下に示す。
【0062】
【化1】
【0063】
MDPは良く知られた免疫刺激特性を有し、免疫機能を増大させるその効果を測定するように設計される研究において特に良く評価されている。現在までに、天然資源より単離されたMDPと、合成MDPの両方は、哺乳動物に投与される場合顕著な毒性を示すことに関連付けられてきた。この毒性は、アジュバントとしてのMDPの有効性を制限してきた。
【0064】
毒性成分を有さない、MDPおよび関連する微生物DNA断片を単離するための方法が、本明細書において提供される。Propionibacterium acnesを、当業者に公知の方法を使用して、準定常増殖フェーズに増殖させ、洗浄して微生物培養起源の汚染物を除去した。細胞壁および細胞質中に含まれる疎水性成分を、上昇させた温度で、増加する濃度のエタノール/イソプロパノール/水(10%:10%:80%、25%:25%:50%および40%:40%:20%)で連続的に洗浄することにより、順に抽出した。その後、イソピルアルコールを、上昇させた温度で、減少する濃度のエタノール(80%、50%、40%および20%)で連続的に洗浄して除去した。その後、得られたMDP/DNA-微粒子を、6 Mグアニジン塩酸中に懸濁させ、その後灌漑様の水の中で洗浄し、その濃度を、濁度標準の吸収に対する540nmの吸収を測定することにより、測定した。MDP/DNA-微粒子の濃度を、保存および後の使用のために、10 mg/mLに調整した。
【0065】
この調製の解析により、ムラミールジペプチドが、1ミクロンから3ミクロンの範囲で優勢な微粒子サイズにある微生物DNAと強く架橋していることが示された。MDP/DNA-微粒子は、アミノ連結L-アラニン-D-イソグルタミンジペプチド、および生物活性成分として微生物DNA断片を有するムラミール酸を含む。そのような微粒子を、上記のように天然資源より単離することができ、あるいは公知の合成方法を使用して合成することができる(例えば、Liu G.; Zhang S.-D.; Xia S.-Q.; Ding Z.-K. Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, 10 (12), 2000, pp. 1361-1363(3); Schwartzman S.M., Ribi E., Prep Biochem. 1980; 10(3): 255-67; Ohya et al. Journal of Bioactive and Compatible Polymers, 1993; 8: 351-364)。本発明の方法により製造したMDP/DNA-微粒子は、広範囲のサイズ(例えば、0.011-30ミクロン)を有することができるが、好ましいサイズは、0.5-3ミクロンの範囲である。
【0066】
実施例2−リガンドおよび免疫原のMDP/DNA-微粒子に対する共有結合接着
リガンドおよび免疫原のMDP/DNA-微粒子に対する共有結合接着を、還元的アミノ化を使用して達成することができる。当業者は、安定なカルボニル基を、MDP/DNA-微粒子、リガンド/免疫原を含む炭水化物上、あるいはデキストラン、ポリエチレングリコール、または炭水化物をメタ過ヨウ素酸ナトリウムで酸化することによるマニンブリッジ上に生成することができる。この結果、その後、特定のTLRリガンドに存在するアミノ基、および免疫原と自発的に反応してシッフ塩基中間体を形成する、安定なカルボニル基(無水物)を形成する。シッフ塩基形成が発生した反応物に、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加することにより、不安定なシッフ塩基中間体が、化学的に安定な結合(以下を参照)へ完全に還元される。メタ過ヨウ素酸ナトリウムと異なり、シアノ水素化ホウ素ナトリウムは、アルデヒドを非反応性水酸基に逆に還元することを回避するために十分マイルドである。この方法論敵アプローチは、John Wiley & Sons, Inc.により出版されているCurrent Protocols In Immunology; Series Editor: Richard Coico (Cornell University)に記載されている。
【0067】
使用する方法の例は以下の通りである:20%エタノール中のMDP/DNA-微粒子(20 mg)を遠心により沈殿させ、水中に再懸濁し、さらに水で強く洗浄する。その後MDP/DNA-微粒子を沈殿させ、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(0.05 - 0.5M)中、1 mLあたり50 mgのMDP/DNA-微粒子の濃度で再懸濁し、室温で1時間、酸化反応を実行する。メタ過ヨウ素酸ナトリウムで活性化した後、MDP/DNA-微粒子懸濁物を遠心により沈殿させ、水中に再懸濁し、さらに水で強く洗浄する。メタ過ヨウ素酸ナトリウムの濃度、および反応時間を変動させて、酸化中にMDP/DNA-微粒子、リガンド、免疫原、または類似物中に生成する活性部位の数を制御することができる。活性化MDP/DNA-微粒子は、MDP/DNA-微粒子あたり、少なくとも1個の対象免疫原またはリガンド分子、好ましくはMDP/DNA-微粒子あたり10から100分子の対象免ペプチドまたはリガンド分子、最も好ましくはMDP/DNA-微粒子あたり100から1000分子の対象免ペプチドと反応し、共有結合的に結合するであろう。高活性MDP/DNA-微粒子を調製するために、最終濃度0.5 Mのメタ過ヨウ素酸ナトリウムを使用し、酸化反応を1時間実行する。好ましいメタ過ヨウ素酸ナトリウムの濃度は、5から30 mMである。
【0068】
その後メタ過ヨウ素酸ナトリウム酸化に続いて、MDP/DNA-微粒子を沈殿させ、強く洗浄してメタ過ヨウ素酸ナトリウムを除去する。その後活性化MDP/DNA-微粒子を。重炭酸ナトリウムバッファー(0.1 M pH 9.5)中の、所望の免疫原またはリガンド(例えば、20:1 w/wの比率にある
>1 mg/mLのTLR9またはNOD2)中に再懸濁し、18から24時間(周辺温度で)インキュベートする。反応生成物を遠心し、中間体シッフ塩基を介してMDP/DNA-微粒子に連結した免疫原/リガンドをいまや含む沈殿物を還元して、MDP/DNA-微粒子と疫原/リガンドとの間の安定な共有結合を形成する。無数の還元剤を使用することができ、重炭酸ナトリウムはこの目的に使用される典型的な還元剤の例である。シッフ塩基の還元に続いて、MDP/DNA-微粒子−疫原/リガンド接合体を沈殿させ、所望の疫原/リガンド濃度にある所望のワクチンバッファー中で洗浄し、再懸濁させる。
【0069】
MDP/DNA-微粒子に対する免疫原またはリガンドの共有結合は、使用するならば、二官能性架橋リンカーを介して生成することができる。
【0070】
ホモ二官能性イミドエステル架橋リンカー介在カップリング
DMA、DMPおよびDMS(以下を参照)は、水溶性で、膜透過性であり、ホモ二官能性イミドエステル架橋リンカーである。イミドエステル官能性基は、一次アミンの修飾に利用可能な最も特異的なアシル化基の一つであり、タンパク質/リガンド中の他の求核基に対して最小の架橋反応性を有する。さらに、イミドアミド反応生成物は、タンパク質の全体の電荷を変動させず、潜在的にタンパク質/リガンドの天然のコンフォメーションおよび活性に関連する。タンパク質/リガンドの接合体を、最初にMDP/DNA-微粒子を、立体阻害を回避するために必要なスペーサーアーム長に基づいて、以下の3つより選択される所望のイミドエステル架橋リンカーとインキュベートする、二工程反応を介して達成する。
【0071】
【化2】
【0072】
MDP/DNA-微粒子上に存在する遊離アミノ基を最初に、0.2 MトリエタノールアミンpH 8.0(反応バッファー)中に溶解させた、20倍過剰モルの架橋リンカーとインキュベートすることにより飽和させる。反応混合物を室温で30分間インキュベートし、過剰の架橋リンカーを、遠心および反応バッファーで洗浄(3回)することにより、完成したMDP/DNA-微粒子から除去する。活性化MDP/DNA-微粒子を、所望のリガンドを含む反応バッファー中に再懸濁する。反応混合物を室温で1−2時間インキュベートし、MDP/DNA-微粒子−リガンド接合体を沈殿させ、生理食塩水グリシンバッファー(0.05 MグリシンpH 6.5, NaCl 0.9%)で(3回)洗浄し、サイトカイン誘導アッセイにより生物活性を測定する。同様の比率にある微粒子および免疫原/リガンドを、上述のように、還元性活性結合法(reductive animation attachment method)に使用した。
【0073】
活性のメカニズムに制限されないが、MDP/DNA-微粒子−免疫原/リガンドは、選択的な細胞取り込み、タンパク質半減期、およびMHC免疫応答を介した抗原提示に影響を及ぼすことにより、免疫原性に影響するであろうことに注意すべきである。、1つ以上の対象免疫原/リガンドによる免疫化が望ましい場合、対象免疫原/リガンドMDP/DNA-微粒子接合体のカクテルを、カクテルに導入される各対象免ペプチドの免疫原性を最適化する比率で個々の接合体を混合することにより、調製することができる。この形態において、単一の抗原提示/応島細胞による抗原提示を増大させるために十分な免疫原が、各微粒子接合体に利用可能である(100-1000免疫原-リガンド/微粒子)。対象免疫原/リガンドの免疫原性/活性を、MDP/DNA-微粒子担体あたりの対象ペプチドの数、ならびに所望であれば、所望の免疫応答を達成するためのワクチンカクテル中の免疫原の比率の両方を調整することにより、最適化することができる。この形態において、抗原提示細胞による抗原プロセシングにより、高濃度の、通常100より多い、より頻繁には500より多いペプチドが、MHC相互作用を介して抗原提示細胞の細胞表面に提示される。
【0074】
他の結合法は、マレイミド接合体化合物を使用してよい。マレイミド結合を、スルホ−SMCC (Pierce)またはスルフヒドリル結合に適する他のリンカーを使用する標準プロトコールによるスルホ修飾スルホスクシニミジル-4-シクロヘキサン-1-カルボン酸を使用して実行してよい。
【0075】
実施例3−末梢血単球、形質細胞様樹状細胞(pDCs)、および骨髄性樹状細胞(mDC)による蛍光標識MDP/DNA-微粒子(MIS)の内部化
全血を、50、25、10または1 μg/mLのAlexaFluor 488 (Invitrogen)標識MDP/DNA-微粒子(試薬とともに供給される標準プロトコルにより、自家製で作製)と、37
oCで30分間インキュベートした。一連の蛍光抗体(Becton Dickinson)で細胞をラベル化した後、単球、形質細胞様樹状細胞、および骨髄性樹状細胞(DC)のフローサイトメトリー解析を実行した。細胞を、CD45、BDCA-1、BDCA-2、系統マーカーおよびCD14発現に基づきゲート化した。AF488-MDP/DNA-微粒子(MIS)を内部化した各小集団のパーセンテージを、
図1に示す
【0076】
実施例4−ヒトPBMCのMDP/DNA-微粒子(MIS)刺激は、抗腫瘍サイトカインIFN-α、TNF-αおよびIL-12p70を生成する
ヒトPBM(10
6/mL)を、LPS (E coli; 100 ng/mL)、PMA (1 nM) + イオノマイシン(Ionomycin) (100 ng/mL)(両方ともIFN-α生成に対するネガティブコントロール)、あるいはMDP/DNA-微粒子(10および1 μg/mL)と、96時間培養した。製造者の標準プロトコール(Bender MedSystems)に従って、フローサイトメトリーサイトカインビーズアレイ技術を使用して、上清を分泌IFN-αについてアッセイした。
図2は、MDP/DNA-微粒子が、投与量に応答して、IFN-αを誘導することを示す。
【0077】
実施例5−MDP/DNA-微粒子によるIFN-αの誘導は、拡散に対する最初の細胞性センサーであることが知られている、形質細胞様樹状細胞により選択的に仲介される
ヒトpDCを、BDCA-2
+細胞の磁気ビーズ選択を使用して、高純度かつ高生存度でPBMCより精製した。ソート化したpDCを、組換えヒトGM-CSF (200 U/mL)およびIL-3 (10 ng/mL)、ならびに無刺激性熱殺菌Streptococcus aureus (HKSA; 1 x 10
8粒子/mL)、モノマーMDP (20 μg/mL)、TLR9型Cリガンド(CpG ODN M362; 0.1 μm)、またはMDP/DNA-微粒子(10 μg/mL)のいずれかの存在下で24時間培養した。ヒトPBMC (10
6/mL)培養を並行して開始した。96時間で上清を回収し、フローサイトメトリーサイトカインビーズアレイ法を使用してIFN-α含量をアッセイした。
図3Bに示すように、pDCを富化することにより、MDP/DNA-微粒子刺激PBMC由来の上清で検出されるものに比較して、MDP/DNA-微粒子刺激後のIFN-α分泌量が実質的に増大する。
【0078】
実施例6−MDP/DNA-微粒子(MIS)による刺激の22時間後の単球TNFα生成の誘導
ヒトPBMC (10
6/mL)を、20、10、5および1 μg/mLのMDP/DNA-微粒子と22時間培養した。タンパク質輸送インヒビター(ブレフェルジンA)を、培養の最後の6時間の間添加し、サイトカイン蓄積を可能にした。細胞を、固定可能なバイオレットライブ/デッド染色(Invitrogen)で標識化し、洗浄しその後Cytofix/Cytoperm (Becton Dickinson)を使用して固定/透過化し、その後抗TNF-α-APC-Cy7モノクローナル抗体(Becton Dickinson)で標識化した。生存可能な単球を、FSC -v-高SSCゲーティングと組み合わせたライブ/デッド染色排斥に基づいて、同定した。
図4Bに、全てのMDP/DNA-微粒子濃度における、TNF-αを発現するゲート化生存単球の比率を決定した。TNF-αを発現する生存単球の最大比率は、20 μg/mLのMDP/DNA-微粒子における73.8%である。
【0079】
実施例7−MDP/DNA-微粒子(MIS)による刺激後のヒトPBMC NK早期活性化抗原発現の上昇
ヒトPBMC (10
6/mL)を、10、5および1 μg/mLのMDP/DNA-微粒子と培養した。既知のNK細胞活性剤IL-2 (500 U/mL)を、アッセイのポジティブコントロールとした。培養18時間後、PBMC NK活性化状態を、蛍光抗体(CD3, CD56 and CD69; Becton Dickinson)標識化細胞のフローサイトメトリー解析により決定した。生存NK細胞を、ヨウ化プロピジウムCD3
- CD56
+表現型に基づきゲート化し、CD69活性化抗原発現を、ゲート化集団に基づき決定した。MDP/DNA-微粒子の存在下または非存在下においてCD69を発現するNK細胞のパーセンテージを示す領域を、
図5に示す。
【0080】
実施例8−MDP/DNA-微粒子(MIS)による刺激の40時間後に精製NKおよびNKT細胞によるIFNγ、GM-CSFおよびTNF-αの生成
ヒトCD56
+細胞を、NK細胞(CD56
+CD3
-) およびNKT細胞(CD56
+CD3
+)の両方を単離する、MACSポジティブセレクションビーズ(Miltenyi)を使用して、99%の純度で全血より精製した。その後精製細胞(7.5 x 10
5/mL)を、刺激なし、IL-2 (500 U/mL)、IL-12 (50 ng/mL)、またはMDP/DNA-微粒子 (20、10、5および1 μg/mL)で培養した。製造者の標準プロトコール(Bender MedSystems)に従って、フローサイトメトリーサイトカインビーズアレイ技術を使用して、上清をIFN-γ、TNF-αおよびGM-CSFについてアッセイした。
図6に示すように、MDP/DNA-微粒子は、明確に、抗腫瘍性サイトカインIFNγおよびTNFα、ならびに癌細胞を殺す有効な免疫応答を身体が構築するのを助けてよいGM-CSFの生成を刺激する。
【0081】
実施例9−精製NKおよびNKT細胞によるMDP/DNA-微粒子(MIS)刺激は、腫瘍殺傷量のFAS-L放出をアップレギュレートする
ヒトCD56
+細胞を、製造者の標準プロトコル(Miltenyi)に従って、NK細胞(CD56
+CD3
-) およびNKT細胞(CD56
+CD3
+)の両方を単離する、MACSポジティブセレクションビーズを使用して、99%の純度で全血より精製した。その後精製細胞を、10
6/mLで、刺激なし、既知のNK活性剤IL-2 (500 U/mL)、IL-12 (50 ng/mL)、ポリI:C (50μg/mL)、またはMDP/DNA-微粒子(20、10、5、1、0.5および0.1μg/mL)で培養した。20時間培養後、無細胞上清を回収し、
図7Aに示すように、製造者の標準プロトコル(Becton Dickinson)に従って、フローサイトメトリーサイトカインビーズアレイ技術を使用して、可溶性FAS-Lについてアッセイした。その後MACS精製CD56
+細胞を、IL-2 (500 U/mL)、IL-12 (50 ng/mL)、ポリI:C (50 μg/mL)、またはMDP/DNA-微粒子(10 および1μg/mL)と69時間培養した。無細胞上清を回収し、1/2または1/4希釈上清と、DiD (Invitrogen)蛍光標識FAS 感受性Daudi腫瘍標的を4時間培養することにより、FAS介在細胞毒性について試験した。Daudi細胞殺傷を、ゲート化蛍光腫瘍標的の、生存染色(ヨウ化プロピジウム、Invitrogen)取り込み(ライブ/デッド識別)のフローサイトメトリー決定により決定した。
図7Bに示すように、MDP/DNA-微粒子刺激細胞−培養上清は、IL-2、IL-12またはポリI:Cで刺激した細胞の上清よりもはるかに高いパーセンテージのDaudi細胞を殺傷した。
【0082】
実施例10−NK感受性K562(赤白血病)およびDU-145(前立腺)、ならびにFAS-L感受性Daudi(ブルキッツのリンパ腫)およびT47D(乳癌)腫瘍細胞標的に対する、ヒトPBMC自発的殺傷活性の、MDP/DNA-微粒子(MIS)が介在する上昇
ヒトPBMC (10
6/mL)を、20、および5 μg/mLのMDP/DNA-微粒子と培養した。既知のNK細胞活性剤IL-2 (500 U/mL)、IL-12 (50 ng/mL)、およびTLR3リガンド、ポリI:C (50 μg/mL)を、アッセイのポジティブコントロールとした。46時間の培養後、活性化PBMCを新鮮な培地中で洗浄し、100:1のエフェクター:標的比率で蛍光標識(DiD; Invitrogen)腫瘍標的細胞に対する細胞毒性について試験した。腫瘍細胞殺傷を、4時間後、ゲート化蛍光腫瘍標的の、生存染色(ヨウ化プロピジウム、Invitrogen)取り込み(ライブ/デッド識別)のフローサイトメトリー決定により決定した。
図8より、MDP/DNA-微粒子刺激が、NK感受性K562(赤白血病)およびDU-145(前立腺)、ならびにFAS-L感受性Daudi(ブルキッツのリンパ腫)およびT47D(乳癌)腫瘍細胞標的に対する、ヒトPBMC自発的殺傷活性を上昇させることを見ることができる。
【0083】
実施例11−MDP/DNA-微粒子(MIS)による刺激後の精製ヒトNK自発的殺傷活性
ヒトCD56
+細胞を、製造者の標準プロトコル(Miltenyi)に従って、NK細胞(CD56
+CD3
-) およびNKT細胞(CD56
+CD3
+)の両方を単離する、MACSポジティブセレクションビーズを使用して、99%の純度で全血より精製した。その後精製細胞を、7.5 x 10
5/mLで、刺激なし、既知のNK活性剤IL-2 (500 U/mL)、IL-12 (50 ng/mL)、 IFN-α (500および2000 U/mL)、ポリI:C (50μg/mL)、またはMDP/DNA-微粒子(40、20、10、および5 μg/mL)で培養した。40時間培養後、活性化NK細胞を新鮮な培地中で洗浄し、5:1, 2:1および1:1のエフェクター:標的比率で蛍光標識(DiD; Invitrogen)NK感受性K562腫瘍標的に対する細胞毒性について試験した。腫瘍細胞殺傷を、4時間後、ゲート化蛍光K562標的の、生存染色取り込み(ヨウ化プロピジウム)のフローサイトメトリー決定により決定した。
図9より、腫瘍細胞殺傷が、試験した全ての比率において、MDP/DNA-微粒子でNK細胞を刺激した場合により大きいことを見ることができる。
【0084】
実施例12−MDP/DNA-微粒子(MIS416)は、転移性乳癌およびルイス肺腫瘍モデルにおいて、単独薬剤または共治療剤として、抗転移活性を有する
腫瘍は、乳房脂肪体(Balb/C;メス)に注入された、培養乳癌4T1細胞より確立された。接種48時間後、MDP/DNA-微粒子の単独250μgボーラスを、点滴投与した。表面肺転移の数を、実験の最後(23日目)に決定した(
図10A)。統計的有意性について、*は対照に対する統計的有意性を示す(P
<0.044;非ペア片側検定)。メスC57Bl/6マウス(グループあたり10匹)に、10
6個のルイス肺腫瘍細胞を静脈内注射した(
図10B)。腫瘍細胞注射の4日後、以下のスケジュールで治療を開始した。(i)治療なし、(ii)MDP/DNA-微粒子(MIS416)のみ、50μg、(iii)5、6、および7日目に4Gy肺照射、(iv)50μg MDP/DNA-微粒子(MIS416)プラス5、6、および7日目に4Gy肺照射。生理食塩水中のMDP/DNA-微粒子(MIS416)を、点滴経路により投与した。14日目、肺のコロニーを除去し、肺のコロニーについて評価した。統計的有意性について、*は対照に対する統計的有意性を示し(P
<0.0006;非ペア片側検定)、*は個々の治療に対する統計的有意性を示す(P
<0.0001)。これらの実験は、MDP/DNA-微粒子治療薬が、解剖学的に離れた部位に発生する無関係の腫瘍塊に起因する自発的肺転移の形成を阻害することを示す。これらの実験はまた、肺における転移の確立の直後、直接に投与される場合に、MDP/DNA-微粒子治療薬が、肺転移の成長を阻害するものであることを示す。さらに、肺転移成長の阻害に対する、局所放射線治療とMDP/DNA-微粒子の共治療の間に、相乗効果が示される。これは、固有の免疫刺激を含む組み合わせ抗腫瘍レジメンにより、治療結果を改善することができることを示している。
【0085】
実施例13−MDP/DNA-微粒子(MIS416)治療により、Bl6-OVA治療ワクチンモデルにおける、内在性腫瘍関連抗原(OVA)に対する細胞性免疫応答を誘導する
同系C57/Bl6マウスを、Bl6-OVA細胞(マウスあたり1x10
6個)で移植し、腫瘍を直径4-5 mmまで成長させた。MDP/DNA-微粒子を、単独50μgボーラスの点滴送達により、8日目に投与した。治療後20日に、脾臓を切除し、抗原再刺激アッセイを、EL4-MARTおよびB16-OVA腫瘍細胞、ならびに可溶性OVAペプチドに対して実行した(
図11)。IFN-γ分泌細胞のELISPOT定量化を、IFN-γ発現細胞毒性CD8
+ T細胞の測定として実行した。OVAテトラマー結合アッセイにより、このモデルにおいて脾臓OVA特異的CD8
+ T細胞の頻度が上昇していることが確認されている。MDP/DNA-微粒子治療により、非処理または無関係の対照に対してIFN-γ OVA特異的T細胞の頻度が有意に増大した(*は、対照に対する統計的有意性を表す(P<0.005;非ペア片側検定)。これらの実験は、MDP/DNA-微粒子治療が、腫瘍関連抗原に選択的に応答する適応性免疫応答の誘導を補助する、免疫刺激性のアジュバント特性を有することを示す。これらのタイプの応答は、一次および/または転移疾患の再発生を防止する自己腫瘍に対する適応性、保護免疫を発達させるために、これは望ましい。
【0086】
実施例14−OVA-MDP/DNA-微粒子(MIS416)免疫接合体は、適応移植OT-1 CD8+細胞の末梢発現を誘導し、予防腫瘍ワクチンモデルにおける抗腫瘍免疫の誘導する
(A) 同系精製CD8
+ OT-I細胞を、25μgのOVA、25μgのOVA- MDP/DNA-微粒子(MIS416) 免疫接合体、または200 ngのα-ガラクトセラミドと混合した25μgのOVAで、点滴送達後、点滴免疫化によって、一群のマウス(C57/Bl6; n=10)に適応移植した。末梢血を、免疫化後、35日まで種々の時間にサンプリングした。OT-I細胞の発現を、CD8
+CD45.1+Vα2+ 表現型(OT-I特異的)を有するT細胞に対するフローサイトメトリーを使用して決定した(
図12A)。免疫化後36日に、10
6個のB16-OVA腫瘍細胞を皮下注射し、腫瘍成長をモニタリングした(
図12B)。これらの結果は、MDP/DNA-微粒子−腫瘍抗原免疫接合体の前処理により、保護性Th1型免疫応答が誘導されることを示す。これらの応答は、腫瘍拒絶に関連する。
【0087】
実施例15−in vitroおよびin vivoでMDP/DNA-微粒子で処理することにより、免疫補充および機能再構成の中心である成長因子が生成する
健康なドナーPBMCを、5μg/mLのMDP/DNA-微粒子と、セ氏37度の温度で6時間インキュベートした。非刺激細胞培養物を、対照として確立した。PBMC由来の全RNAを、ROCHE RNAエクストラクションキットを使用して抽出し、cDNAをまたROCHE cDNA合成キットを使用して合成した。このcDNAを、96穴フォーマットで個々のウェルにコートされたプライマーと注入した。リアルタイム定量PCRをヒト遺伝子の範囲で実行し、蛍光を測定した。非刺激および刺激画分の間の差異発現を決定することにより、各遺伝子発現に対する倍数変化を算出した。増大倍数変化は、アップレギュレーションを反映している。IL-3、IL-7およびCSF2 (GMCSF)のアップレギュレーションを検出した(
図13A)。単独500μgボーラスのMDP/DNA-微粒子を点滴投与した後、24および48時間後に末梢血血清を回収した。製造者の標準プロトコル(Becton Dickinson)に従って、フローサイトメトリーサイトカインビーズアレイ技術を使用して、IL-7およびGMCSFの濃度を決定した(
図13B)。
【0088】
本発明は、ある特定の実施態様および実施例を参照して記載されているが、本発明の精神を維持する変形、および本明細書における開示もまた考慮されることが理解されるであろう。