特許第5662342号(P5662342)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5662342
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】GPSゲートシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/14 20100101AFI20150108BHJP
   G01S 19/03 20100101ALI20150108BHJP
【FI】
   G01S19/14
   G01S19/03
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-543513(P2011-543513)
(86)(22)【出願日】2009年10月16日
(65)【公表番号】特表2012-513600(P2012-513600A)
(43)【公表日】2012年6月14日
(86)【国際出願番号】US2009061007
(87)【国際公開番号】WO2010074796
(87)【国際公開日】20100701
【審査請求日】2012年10月9日
(31)【優先権主張番号】12/342,626
(32)【優先日】2008年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511055751
【氏名又は名称】トヨタ モーター セールス,ユー.エス.エー.,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ティー.ピッツ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン エイチ.イノウエ
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0162034(US,A1)
【文献】 特開2007−062651(JP,A)
【文献】 特開2002−159043(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0095038(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 19/14
G01S 19/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内システムであって、
GPSシステムに通信可能に接続されてGPS受信機の位置を識別するためのGPS受信機と、
通信ネットワークを介してメッセージを送信しかつ受信する通信インターフェースと、
GPSゲートに対応するGPS位置座標の少なくとも1個のセットを記憶するためのメモリと、を備える前記車両内システムと、
前記通信ネットワークを介して前記車両内システムに通信可能に接続されたモニタサーバと、かつ
前記GPSゲートと関係し、前記モニタサーバに通信可能に接続されたサービス場所と、を備えるGPSゲートシステムにおいて、
前記モニタサーバは、前記GPSゲートを前記サービス場所に関係させる情報を記憶するメモリを含み、
前記GPS受信機が前記GPSゲートを通過する場合、前記車両内システムは車両の診断情報を含む第1のメッセージを生成し、前記第1のメッセージを前記通信ネットワークを介して前記モニタサーバに送信し、さらに、
前記第1のメッセージを受信すると、前記モニタサーバは、当該モニタサーバに記憶された情報に基づいて前記サービス場所を、通過したGPSゲートに関係したサービス場所に一致させ、前記第1のメッセージに基づいて第2のメッセージを生成し、かつ、前記第2のメッセージを前記一致したサービス場所に送信する、GPSゲートシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のGPSゲートシステムにおいて、前記モニタサーバはコールセンターである、GPSゲートシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のGPSゲートシステムにおいて、前記GPSゲートは、パスウエーを横切る仮想回線である、GPSゲートシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のGPSゲートシステムにおいて、前記GPSゲートは不動産を取り囲む仮想回線であるある、GPSゲートシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のGPSゲートシステムにおいて、前記GPSゲートは前記サービス場所の近くに配置されている、GPSゲートシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のGPSゲートシステムにおいて、一方向に前記GPSゲートを通過することによって、前記車両内システムをトリガし、前記第1のメッセージを前記モニタサーバに送信する、GPSゲートシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のGPSゲートシステムにおいて、前記GPSゲートを何れかの方向に通過することによって、前記車両内システムをトリガし、前記第1のメッセージを前記モニタサーバに送信する、GPSゲートシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のGPSゲートシステムにおいて、前記GPS受信機は前記GPS受信機の位置を識別するために前記通信ネットワークを使用する、GPSゲートシステム。
【請求項9】
サービス場所と通信する方法において、
GPS受信機を備える車両の位置を決定し、
前記決定された位置とGPSゲートに対応する記憶されたGPS座標とに基づいて、前記GPS受信機が前記GPSゲートを通過したか否かを決定し、
前記GPS受信機が前記GPSゲートを通過したことが決定されると、前記GPSゲートの識別情報と車両の診断情報とを含む第1のメッセージを自動的に生成し、さらに
生成された前記第1のメッセージを、通信システムを介してモニタサーバに送信する、各ステップを備え
前記モニタサーバは、GPSゲート座標と前記サービス場所の記憶された関係性に基づいて、前記GPSゲートを前記サービス場所に一致させ、かつ、前記第1のメッセージに基づいて第2のメッセージを生成し、これを前記GPSゲートと関係する前記サービス場所に送信する、サービス場所と通信する方法。
【請求項10】
請求項に記載の方法において、前記GPSゲートはパスウエーを横切る仮想回線である、方法。
【請求項11】
請求項に記載の方法において、前記GPSゲートは不動産を取り囲む仮想回線である、方法。
【請求項12】
請求項9に記載の方法において、前記GPSゲートは前記サービス場所付近に配置されている、方法。
【請求項13】
請求項に記載の方法において、前記GPSゲートを一方向に通過することにより、前記第1のメッセージの生成をトリガする、方法。
【請求項14】
請求項に記載の方法において、前記GPSゲートを何れかの方向で通過することにより、前記第1のメッセージの生成をトリガする、方法。
【請求項15】
請求項に記載の方法において、前記GPS受信機は、前記GPS受信機の位置を識別するために前記通信システムを使用する、方法。
【請求項16】
車両内システムであって、
GPS受信機の位置を識別するためにGPSシステムに通信可能に接続されたGPS受信機と、且つ、
通信ネットワークを介してメッセージを送信しかつ受信し、更に前記位置を送信する通信インターフェースと、を備える前記車両内システムと、さらに
前記GPSゲートをサービス場所に関係付ける情報を記憶するためのサーバとメモリを含み、前記通信ネットワークを介して前記車両内システムに通信可能に接続され、前記車両内システムから前記位置を受信しかつ、前記GPS受信機がGPSゲートを通過したか否かを決定するためのモニタと、
前記モニタに通信可能に接続された前記GPSゲートに関係するサービス場所と、を備え、
前記GPS受信機が前記サービス場所に関係したGPSゲートを通過した場合、前記モニタは、GPSゲート座標とサービス場所の記憶された関係性に基づいて前記GPSゲートを前記サービス場所に一致させ、車両診断情報を含むメッセージを生成し、且つ、前記メッセージを前記サービス場所に送信する、GPSゲートシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のGPSゲートシステムにおいて、前記モニタは、前記GPSゲートを通過した時に前記GPS受信機が向かっている方向を決定し、前記GPS受信機が、予め決定された方向に向かっている場合、前記メッセージを送信する、GPSゲートシステム。
【請求項18】
請求項16に記載のGPSゲートシステムにおいて、前記モニタはメインテナンスを受けるように計画された車両のリストと、各車両に関係するGPS受信機の識別子とを受信し、かつ、前記モニタは、受信したリスト上の車両が前記サービス場所に関係するGPSゲートを通過したか否かを決定する、GPSゲートシステム。
【請求項19】
請求項16に記載のGPSゲートシステムにおいて、GPS受信機に関係する車両を識別するデータ、前記車両の所有者を識別するデータ、前記車両のメインテナンス履歴を識別するデータ及び前記車両の診断情報が、前記車両内システム、モニタサーバおよびサービス場所の少なくとも1個に記憶されている、GPSゲートシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
グローバルポジショニングシステム(GPS)と車両の一体化は、車両の安全性及び利便性に対して新しい時代を先導した。GPS受信機は、その位置を計算するために衛星から得た信号を使用する。近年、GPSは、携帯電話及び自動車と一体化されている。自動車が事故にあい、或いは壊れてしまったことを検出すると、GPSシステム及び携帯電話を使用して、コールセンターと接続し、ドライバが助けを受けるようにすることもできる。しかしながら、車両が特別な位置に到達したとき、自動的にメッセージの送信をトリガするための方法及びシステムの必要性が存在する。
【0002】
有力な解決方法では、サービス場所と通信するために、無線ネットワークカード又はブルーツース(登録商標)通信システムを装備した自動車を使用する。無線ネットワークカード又はブルーツース通信システムは、接続するために常にトランシーバをポーリングしている。サービス場所にある無線RFトランシーバの範囲内で、無線ネットワークカード又はブルーツース通信システムは、トランシーバと通信を確立し、装置がデータを交換できるようにしている。しかしながら、個々のサービス場所が、車両と通信するために、その場所に設置されたトランシーバを備える必要があり、これが、グローバルシステムの実施のコスを高くしている。さらに、無線通信カード又はブルーツース通信システムが、接続を見出すために常にポーリングを実施しているので、必要の無い電力が消費される。さらに、電子盗聴を防止するために、各車両と各サービス場所に対して、セキュリティ対策を施す必要がある。
【0003】
従って、それぞれの場所でトランシーバを必要としない装置の、詳細な位置に基づいて、装置から希望する受信者へ、メッセージをトリガするための、安全で正確な方法及びシステムの必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】GPSゲートシステムの典型的な実施形態を示す。
図2】GPS受信機の典型的な例を示す。
図3】GPSゲートの典型的な使用方法を示す。
図4】GPSゲートシステムを使用する典型的な方法を示す。
図5】GPSゲートシステムを使用する他の典型的な方法を示す。
図6】GPSゲートシステムの他の典型的実施形態を示す。
図7図6に係るGPSゲートシステムを使用する典型的な方法を示す。
図8図6に係るGPSゲートシステムを使用する他の典型的な方法を示す。
図9】モニタ又はGPSゲート通信システムの典型的な実施形態を示す。
図10】GPSゲートの使用の他の典型的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の一実施形態に係るGPSゲートシステムは、GPS受信機の位置を計算するために、GPS衛星(以下、サテライト)システムと通信するGPS受信機を含んでいても良い。GPSゲートシステムはさらに、GPS受信機からメッセージを受信するために、GPSゲート通信システムを含んでいても良い。このメッセージは、GPS受信機及びGPSゲート通信システムと通信することによって、例えばセルラーネットワークのような、通信システムによって送達される。GPS受信機は、GPSゲートの位置を記憶し、GPS受信機がGPSゲートを介して送信されるように決定されると、GPSゲートに関係するGPSゲート通信システムにメッセージを送信しても良い。メッセージを関係するGPSゲート通信システムに送信するためのトリガとして使用されている、GPSゲートは、従来の方法よりもさらに正確でかつ制御可能であるという効果を有している。さらに、GPSゲートは仮想であるため、システムに追加のゲートを付加するためのコストが必要ではない。
【0006】
図1に、GPSゲートシステム100の典型的な実施形態を示す。図1は、GPSサテライトシステム101を示し、このシステム101は複数の信号をGPS受信機102に送信し、GPS受信機102は送信された信号をGPS受信機102の位置を決定するために使用する。電話ネットワーク、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク、無線インターネット接続等の通信システム104は、GPS受信機をGPSゲート通信システム103に通信可能に接続する。
【0007】
GPSサテライトシステム101は、地球の周りを周回する複数の衛星を含んでいる。各衛星は、その正確な軌道位置と、信号を送信する時間とを送信する。衛星によって送信されたメッセージがGPS受信機102に到達するために要する時間に基づいて、各衛星までの距離を計算することにより、GPS受信機102は、GPSサテライトシステム101によって送信された信号に基づいて、自身の位置を計算する。これらの時間を衛星の位置に結合して、受信機の位置を決定するために、幾何学的三辺測量が使用された。GPS受信機102は、通常、位置を計算するために4個の衛星からの信号を受信することが必要であるが、しかしながら、例えば、GPS受信機102の高度である1個の変数を、GPS受信機102が知っていた場合、より少ない衛星を使用することができる。
【0008】
或いは、例えばセルラータワー又はWi−Fi送信機のような、複数のアクセスポイントを、受信機の位置を三角測量するために使用することによって、GPSサテライトシステムを使用することなく、受信機の位置を計算することができる。GPS受信機が充分な数の衛星から信号を受信しない場合、GPS受信機200はその位置を決定するために、GPSサテライトシステムから多重アクセスポイントシステムへ、位置決定システムを変更することができる。
【0009】
図2は、GPS受信機200の典型的な実施形態を示す。GPS受信機は、車両コンソールに組み込まれたユニット、スタンドアロンの携帯ユニット又は、セルラー又は衛星ベース電話のような、別の装置の一部であって良い。アンテナ201によって受信された信号に基づいて、GPS受信機200の位置を計算するために、GPS受信機はプロセッサ202を含んでいても良い。例えば、GPSゲートの地図及び位置を記憶するために、GPS受信機200は、さらに、メモリ203を含んでいても良い。GPS受信機200は、別の装置に関係するメモリ、例えば、GPSゲートの地図と場所を記憶するために、車両に一体化されたメモリを、使用することもできる。或いは、メモリをGPS受信機から分離しても良い。例えば、外部ハードドライブ、フラッシュドライブ、CD、DVD又はブルーレイ(登録商標)DVDドライブのような、コンピュータ可読媒体を使用することもできる。GPS受信機は、さらに、ユーザインターフェース204を含んでいても良い。ユーザインターフェース204はスクリーン及び入力デバイスを含むこともある。スクリーンは、例えば、LCDスクリーン、CRT、プラズマスクリーン、OLEDスクリーン等であっても良い。入力デバイスは、ユーザがGPS受信機200と相互作用することを可能とする、キーボード、マウス、タッチスクリーンセンサ又はその他全てのユーザ入力デバイスであり得る。
【0010】
ユーザインターフェース204は、GPS受信機200がGPSゲートを通過する場合に送信されるメッセージをカスタマイズすると同様に、ユーザが新しいGPSゲート位置を入力することを可能とする。さらに、どのGPSゲートをアクティブにするかを選択し、それによってユーザがメッセージを何時、送信するかの制御を可能とするために、ユーザインターフェース204を使用することができる。ユーザインターフェース204は、GPSゲートを通過した後にメッセージを送信するオプション、及び、GPSゲートを通過した後でメッセージを受信するオプションを、ユーザに与えることができる。ユーザインターフェース204は、GPS受信機200に対する全ての設定にアクセスするために使用される。ユーザインターフェース204は、道順を得るため、ローカルなレストラン、或いは、GPS受信機に典型的に関連したその他の構成を見出すために、使用することができる。
【0011】
或いは、GPS受信機200をユーザインターフェース無しで設置することもできる。この実施形態では、通信インターフェースを介して、システム設定の変更及び新しいGPSゲートの確立を達成することができる。例えば、ユーザは、外部インターフェース、例えば、ウエブサイト又はGPS受信機への電話を介して、彼らのGPS受信機に遠隔でアクセスすることができる。さらに、USBスティック、SDカード、マイクロSDカードを使用して、ユーザは新しいデータをロードし、既存のデータを修正することができる。
【0012】
GPS受信機は通信インターフェース205を含むこともできる。通信インターフェース205は、GPS受信機300がメッセージを送信し受信することを可能とする。通信インターフェース205は、セルラーフォーンインターフェース又は無線インターネットインターフェースであっても良い。通信インターフェース205によって送信されたメッセージは、テキストメッセージ、イーメール、ウエブページ、インスタントメッセージ、ボイスメッセージ及びファックスを含むが、これらに限定されるものではない。
【0013】
別の実施形態では、GPS受信機が車両に組み込まれていると、通信インターフェース205は、車両オペレータのセルラーフォーンに、例えばブルーツース(登録商標)接続を介して接続し、メッセージを送信しかつ受信する。
【0014】
GPS受信機200はさらに、車両情報インターフェース206を含むことが可能で、このインターフェースは車両の内部コンピュータから車両に関する診断情報を集めることができる。一実施形態では、診断情報はGPS受信機200によってサーバ位置まで送信される。ユーザは、GPSゲートを、ユーザが使用を希望するサービス場所に配置することが可能であり、或いはその代わりに、GPS受信機を、修理場所のセット又はユーザの車両に関係する認証された総ての修理位置にて、GPSゲートと共に再プログラムするようにしても良い。新しいサービス場所及びそれらに関係するGPSゲートを、ユーザインターフェースを介してユーザが追加するようにしても良いし、或いは、通信システム104を介して自動車会社によって追加しても良い。さらに、ユーザ、サービス場所、又は、その他の総てのGPSゲート通信システムのオーナは、GPSゲートの位置をユーザインターフェース又は通信システム104を通して修正することができる。或いは別の方法として、新しいGPSゲート及び既存のゲートの修正を、CD、DVD、ブルーレイ(登録商標)DVD、USBメモリスティック、SDメモリカード又はその他の総てのコンピュータ読み取り可能な媒体を使用して、インターフェースを介して行うことができる。
【0015】
GPSゲート通信システム103は、携帯電話、衛星電話、PDA、スマートフォーン等、ファクシミリ、と同様に、データ及び/又はボイスメッセージを受信することができるその他の総てのコンピュータシステムであり得る。GPSゲート通信システム103は、例えば、自動車診断装置、在庫追跡システム、メッセージ中に受信した情報を使用するための電子メールサーバのような、他のシステムと一体化することができる。GPSゲート通信システム103は、同様に、GPS受信機102にメッセージを送り返すことができる。GPSゲート通信システム103の典型的な実施形態を、図9において見ることができる。図9は、プロセッサ901、メモリ902、ユーザインターフェース903及び通信システム904を含み、これら全てはバス905によって接続されている。
【0016】
GPSゲートは仮想のゲートウエイであり、GPS受信機とGPSゲート通信システム間の応答を、トリガするために使用される。メッセージをトリガするためにGPSゲートウエイを使用することの一つの利点は、トリガポイントで装置を必要としない事である。これは、GPSゲートが、GPS受信機に記憶された単なるデータであるためである。従って、無限の数のGPSゲートが共存する。さらに、GPS受信機がその位置を数インチの範囲で正確に決定することができるため、GPSゲート位置を正確に配置することができる。さらに、複数のGPSゲートが互いに近接して存在し、それぞれが異なるメッセージを互いに干渉されることなくトリガすることができる。
【0017】
GPSゲートの長さ、幅及び高さは可変である。例えば、GPSゲートは10フィート(3.048m)幅であり、ドライブウエイを横切って配置することができ、80フィート(24.4m)幅で且つハイウエイを横断して配置され、或いは特別な緯度又は軽度を数千フィート横断して配置することができる。GPSゲートの形状もまた選択することができる。例えば、GPSゲートは直線、四角形、円、球或いはその他すべての形状であり得る。GPSゲートの高さもまた選択することができる。
【0018】
一実施形態では、GPSゲートを、車両を運送する船舶が入港する港に配置しても良い。GPS受信機を搭載した船舶が一旦、港に入港し、GPSゲートを通過すると、その船が到着したことを知らせ、且つ、その船の積み荷の情報を含むメッセージが送信される。他の実施形態では、船に積載されたそれぞれの車が、搭載されたGPS受信機200を有していても良い。一旦、船とこの船に積まれた車がGPSゲートを通過すると、GPS受信機は、その車を楽しみにしている自動車販売店及び/又はその車の購入者にメッセージを送って、その車が港に到着したことを示すことができる。GPS受信機は、自動車の製造者に同様にメッセージを送信し、その車が港に到着したことを示すこともできる。
【0019】
GPSゲートは単方向でも双方向でも良く、GPSゲートを単方向で通過した場合のみにGPS受信機がメッセージを送信するようにしても良く、或いはGPSゲートをいずれかの方向で通過した場合に同じメッセージを送信するようにしても良く、GPSゲートを異なる方向で通過した場合に異なるメッセージを送信するようにしても良い。例えば、GPSゲートを学校の駐車場の入口に配置することも可能であり、且つ、GPS受信機は、そのGPS受信機を持ち運ぶ学生、或いは学生が運転している車両中に搭載された受信機が、駐車場内に入った時点を検出し、学生の親の携帯電話にテキストメッセージを送信し、或いは両親の電子メールアカウントに電子メールを送信して、両親にその学生が到着したことを知らせることができる。GPSゲートを別の方向で通過して、その学生が駐車場を離れた場合、その学生が学校を去ったことを両親に知らせるメッセージを送信することもできる。
【0020】
図3は、複数のGPSゲートを使用する典型的な実施形態を示す。図3は、北西の角にビル302を有する交差点301を示している。ビル302は駐車場303によって取り囲まれており、交差点301へ2つの入口を有している。この実施形態において、点線で示されるGPSゲート304及び306は、駐車場303への入口に配置される。或いは、GPSゲートを、その不動産の全周囲にそって配置することもできる。例えば、ビル302がサービス場所である場合、GPS受信機は、GPSゲートを通過したことを検出して、通信システムを介してサービス場所にメッセージを送って、サービス場所に車の所有者が到着したことを知らせるようにしても良い。メッセージは、サービス場所のコンピュータシステム、携帯電話、PDA或いはサービス場所で使用されているその他の全ての電子機器によって受信される。例えば、サービス場所の使用人がそのメッセージを受信し、その車両の履歴を引き出し、所有者が予約があって到着したか否かを決定することができる。さらに、この実施形態では、第3のGPSゲート305をサービス場所の入口に配置することができる。従って、GPS受信機が、GPSゲート305を通過したことを検出すると、診断情報を通信システムを介してサービス場所に転送することができる。例えば、車両マイレージ数、メインテナンス履歴及びエラーコードをサービス場所に転送することができる。従って、メッセージをトリガするためにGPSゲートを使用する1つの利点は、その場所でどのGPSゲートを通過したかに基づいて、異なるメッセージを同じ場所に送信することができる、と言うことである。
【0021】
他の実施形態において、複数のGPSゲートを高速道路に配置することができる。GPS受信機が第1のGPSゲートを通過した場合、通信システムを介してメッセージを交通モニタリングサーバに送信し、何時、GPSゲートが通過されたかを示すことができる。第1のGPSゲートから既知の距離にある第2のGPSゲートをGPS受信機が通過した場合、別のメッセージを送信し、その後、GPS受信機が第1のゲートから第2のゲートに達するまでに要した時間を交通モニタリングサーバが計算することができる。交通モニタリングサーバは、受信したメッセージに基づいて、高速道路上の交通量のレベルを決定することができる。
【0022】
GPSゲートを多くの位置に配置することができる。一実施形態では、GPSゲートをドライブスルーの入口に配置することができる。一旦、GPS受信機がGPSゲートを通過したことを決定すると、GPS受信機はメッセージをレストランに送信することができる。例えば、GPS受信機は、ユーザインターフェースを介してGPS受信機に入力されたオーダーを送信することができる。或いは、顧客の好みのオーダーをレストランに記憶しておき、顧客のGPS受信機がGPSゲートを通過した場合に、顧客の好みのオーダーを自動的にセットすることができる。さらに、オンラインで、電話又はGPS受信機のユーザインターフェース204を介して、顧客の到着以前にオーダーをセットすることができ、さらに、ユーザがレストランの駐車場或いはドライブスルーに入ってきた場合に、レストランは、注文客が到着し、オーダーしたことを知らされる。
【0023】
他の実施形態では、GPSゲートを空港又は鉄道の駅の入口に配置し、GPSゲートが通過された場合、ユーザの到着をチェックするために、メッセージを空港及び鉄道の駅に送信することができる。
【0024】
さらに、GPS受信機は、GPSゲートを通過したあとで情報を受信することができる。上記空港の実施例を使用して、ユーザが飛行機又は列車にチェックインした後、空港システムがGPS受信機にメッセージを送信し、例えば、飛行機がスケジュール通りか否か、もっと速い便に席があるか否か、或いは、ランクの高い座席があるか否かを、ゲートにいるユーザに知らせることもできる。
【0025】
GPSゲートはシステム中で単純なデータポイントであるため、例えば、サーバ位置は、GPSゲートが何処に位置しているかを示して、顧客に、GPSゲートを通過するオプションを与えるようにすることができる。
【0026】
図4は、GPSゲートシステムを使用する典型的な方法を示している。ステップ401で、GPS受信機は、サテライトネットワークから受信した信号に基づいてその位置を決定する。ステップ402において、GPS受信機は、自身がGPSゲートを通過したか否かを決定する。現在の位置を以前に決定した位置と比較することによって、GPS受信機は、GPS受信機が移動している方向をその速度と共に、識別することができる。GPS受信機がGPSゲートを通過していない場合、処理はステップ401に戻る。GPS受信機がGPSゲートを通過した場合、GPS受信機は、通過したGPSゲートに基づいて、メッセージを生成する(403)。GPS受信機はその後、通信システムを介して、通過したGPSゲートに関係するGPS通信システムにつながり(404)、生成されたメッセージを送信する(405)。
【0027】
図5は、GPSゲートシステムを使用する他の典型的な実施形態を示す。ステップ501において、GPS受信機は、サテライトネットワークから受信した信号に基づいて、自身の位置を決定する。ステップ502で、GPS受信機は、GPSゲートを通過したか否かを決定する。GPS受信機がGPSゲートを通過していない場合、プロセスはステップ501に戻る。GPS受信機がGPSゲートを通過した場合、GPS受信機はユーザに、通過したGPSゲートに関係するメッセージを送信する許可を要求する。ユーザが同意しない場合、システムはステップ501に戻る。ユーザの決定は、ユーザが特定のGPSゲートを通過する毎にアクセプトする必要が無いように、初期設定として保存することができる。ユーザが同意した場合、GPS受信機は、通過したGPSゲートに基づいてメッセージを生成する(504)。GPS受信機は、その後、通過したGPSゲートに関係するGPS通信システムに、通信システムを介してつながり(505)、生成したメッセージを送信する(506)。通過したGPSゲートに関係するGPS通信システムは、その後、GPS受信機に送り返すメッセージがあるか否かを決定し(507)、ユーザが到来するメッセージを受け入れるように、リクエストを送信する(508)。ユーザがメッセージを受信することに同意すると、通過したGPSに関係するGPS通信システムは、GPS受信機にメッセージを送信する(509)。ユーザが同意しないと、システムはステップ501に戻る。
【0028】
GPSゲートシステムの他の典型的な実施形態を図6に示す。図6は、サテライトシステム601を示しており、このシステムはGPS受信機602に複数の信号を送信し、受信機602は自身の位置を決定するために送信された信号を使用する。GPS受信機602は、セルラーネットワーク、サテライトネットワーク、無線インターフェース接続等の通信システム603に、通信可能に接続されており、通信システム603は、GPSゲート通信システム604に通信可能に接続されている。通信システム603にはモニタが通信可能に接続されており、GPS受信機がGPSゲートを通過した時点をモニタしている。
【0029】
図7は、図6に従ってGPSゲートシステムを使用する典型的な方法を示す。ステップ701において、GPS受信機は、GPSサテライトネットワークから受信した信号に基づいてその位置を決定する。GPS受信機によって決定された位置は、次に、通信システムを介してモニタに送信される。モニタは、ステップ703において、GPS受信機がGPSゲートを通過したか否かを決定する。GPS受信機がGPSゲートを通過した場合、モニタは、そのゲートに関係するメッセージを生成し(ステップ704)、そのメッセージを、関係するGPSゲート通信システムに送信する(ステップ705)。
【0030】
図8は、図6に従ってGPSゲートシステムを使用する、他の典型的な方法を示す。ステップ801において、GPS受信機は、GPSサテライトネットワークから受信した信号に基づいてその位置を決定する。GPS受信機は、次に、GPSゲートを通過したか否かを決定する(ステップ802)。もし、GPSゲートを通過しなかった場合、システムはステップ801に戻る。GPSゲートを通過した場合、GPS受信機は、例えば、ゲートの識別子、ゲートを通過した方向のような、GPSゲート情報を、通信システムを介してモニタに送信する(ステップ803)。ステップ804において、モニタは受信したGPSゲート情報に基づいてメッセージを生成し、その後、そのメッセージをGPSゲート通信システムに送信する(ステップ805)。
【0031】
図9は典型的なモニタを示す。図9は、プロセッサ901、メモリ902、ユーザインターフェース903及び通信システム904を含み、これらは全てバス905に接続されている。例えば、モニタは、コールセンターの一部であっても良く、或いはネットワークサーバであっても良い。
【0032】
図10はGPSゲートの使用の典型的な実施形態を示す。図10は、サービス場所1001とサービスベイの入口にあるGPSゲート1002を示している。サービス場所は、特定の日にメインテナンスが計画されている車両のリストを更新することができる。リスト上の車両が外部、例えばサービス場所から1マイル離れた場所のGPSゲート1003を通過した場合、その車両を追跡するモニタはメッセージをサービス場所に送信して、サービス場所にその車両がまもなく到着することを伝えるようにすることもできる。車両が外部のGPSゲート1003を通過した後、モニタが車両のメインテナンス履歴のダウンロードを開始することもできる。或いは、車両が外部のGPSゲートを通過したことを検出した後、モニタは、車両に付属する情報をロードするようにしても良い。車両が、例えば、GPSゲート1002のような、サービス場所に近いGPSゲートを通過した後、モニタがサービス場所にメッセージを送信するようにしても良い。
【0033】
他の実施形態において、外部のGPSゲート1003は、例えば、サービス場所から50ヤード離れていても良い。サービス場所が、制限速度が例えば40mphの路上に位置していた場合で、かつ、GPS受信機がGPSゲートを通過した場合、GPS受信機が15mphで走行していた場合、GPS受信機は、その車両がサービス場所に入ってくる可能性が非常に高いと判断し、サービス場所にメッセージを送信する。しかしながら、GPSゲート1003を通過した場合に、GPS受信機が40mphで走行していると、GPS受信機は、その車両がサービス場所に入っていく可能性が低いと判断して、メッセージを送信しない。GPSゲートを通過した場合に、メッセージを送信するか否かを決定するために、GPS受信機の走行軌跡を、GPS受信機が決定するようにしても良い。
【0034】
さらに別の実施形態において、メインテナンスを予定されている車両がGPSゲートを通過する場合、GPS受信機は、ドライバの好み、例えば、座席に関する好み又はラジオ局の好みを含むメッセージを生成するようにしても良い。ドライバの好みはその後、代車のGPS受信機に送信されて、ドライバが代車に乗り込んだ場合に、ドライバシートが既に好みの位置にあり、ドライバの好みのラジオ局が放送されているようにしても良い。さらに、GPSゲートがレンタカーの場所に配置されている場合、ドライバの好みをレンタカーに送信するようにしても良い。
【0035】
更なる実施形態において、外部GPSゲートを通過した後、モニタは車両が走行している方向を決定することもできる。例えば、矢印1005に従った方向に走行している車両であって、GPSゲート1003をクロスするがサービス場所に向かってはいない車両はメッセージをトリガしないが、矢印1004に従った方向、即ち、サービス場所に向かって走行している車両はメッセージをトリガするようにしても良い。モニタは、例えば、車両の現在の位置を過去の位置と比較することによって、車両が向かっている方向を決定することができる。モニタは、サービス場所に導く複数のルートを記憶していても良いし、メインテナンスが計画された車両がそのルートに沿って走行している場合、モニタはサービス場所にメッセージを送信する。
【0036】
本発明の複数の実施形態をここに示しかつ説明した。しかしながら、本発明の修正及び変形は、上記教示によってカバーされること、及び、本発明の精神及び意図された範囲から離れることなく、添付の請求の範囲内にあることは、明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10