(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、自装置の上部と下部とを結ぶ線が重力方向に対して垂直方向である場合であり、かつ、自装置内で所定のアプリケーションが稼働している場合にのみ、前記表示物の向きを、当該表示物の上下方向が当該垂直方向と平行となるように前記表示手段に表示させる請求項1に記載の端末装置。
自装置の上部と下部とを結ぶ線が重力方向に対して垂直方向である場合であり、かつ、自装置内で所定のアプリケーションが稼働している場合にのみ、前記表示物の向きを、当該表示物の上下方向が当該垂直方向と平行となるように前記表示手段に表示させる前記制御ステップを前記端末装置に実行させる請求項3に記載の画面制御プログラム。
自装置の上部と下部とを結ぶ線が重力方向に対して垂直方向である場合であり、かつ、自装置内で所定のアプリケーションが稼働している場合にのみ、前記表示物の向きを、当該表示物の上下方向が当該垂直方向と平行となるように前記表示手段に表示させる請求項5に記載の画面制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0013】
なお、各実施形態の装置等を構成する各部は、論理回路等のハードウェアで構成される。また、各部は、コンピュータの制御部、メモリ、メモリにロードされたプログラム、プログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット、ネットワーク接続用インターフェースなどからなり、ハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現されてもよい。そして特に断りのない限り、その実現方法、装置は限定されない。
【0014】
また、制御部はCPU(Central Processing Unit)などからなり、OS(Operating system)を動作させて装置等の全体を制御するとともに、例えばドライブ装置などに装着された記録媒体からメモリにプログラムやデータを読み出し、これに従って各種の処理を実行する。記録媒体は、例えば光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、半導体メモリ等であって、コンピュータプログラムをコンピュータが読み取り可能に記録する。また、コンピュータプログラムは、通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからダウンロードされても良い。
【0015】
<実施形態1>
図2には、端末装置10の外観の一例が示されている。また、
図3には、端末装置10の構成の一例が示されている。
【0016】
図2、
図3に示すように端末装置10は、制御部100、表示部110、操作部120、カメラ130、センサ140、記憶部150を備える。
【0017】
表示部110は、文字や画像などの各種情報(表示物)を表示するためのLCD(Liquid CrystalDisplay)などの画面である。操作部120は、ユーザが端末装置10を操作するための指示を与えるボタン等である。なお、表示部110がタッチパネル等であって、操作部120と一体となっていても良い。
【0018】
カメラ130は、写真などの静止画や動画を撮影する既存のカメラであり、例えば表示部110と同一面に設けられる。記憶部150は、各種データを保存するメモリ等である。センサ140は、端末装置10の傾き方向を検出する既存の加速度センサ等である。
【0019】
制御部100は、上述の各部を制御する。例えば、制御部100は、後述のように、センサ140に端末装置10の傾きを検知させる。また、制御部100は、端末装置10の傾きを検知するとカメラ130を起動させ、カメラ130にユーザの顔を撮影させる。制御部100の詳細な動作については後述する。
【0020】
以下では、
図1のように、ユーザが端末装置10の通常操作時に端末装置10を保持するときの端末装置10の上部分を上部(または頭部)、下部分を下部(または足部)と呼ぶ。端末装置10の上下方向、すなわち、頭部、足部は、例えば、予め記憶部150等に格納されている。そのため、センサ140は端末装置10の傾きを検知して端末装置10の頭部や足部がどの方向を向いているのかを把握することができる。
【0021】
頭部と足部とを結ぶ線が重力方向に対して平行になっている場合を、端末装置10の向きが直立であると呼ぶ。
図1の左図は、端末装置10の向きが直立である場合を示している。これに対し、
図1の右図のように、頭部と足部とを結ぶ線が重力方向に対して垂直となっている場合を、端末装置10の向きが横方向であると呼ぶ。
【0022】
端末装置10は、端末装置10が横方向である場合に画面表示調整機能を有効にするか無効にするかを設定できる設定機能を有していても良い(
図4参照)。画面表示調整機能とは、センサ140によって検知された重力の方向に合わせて、表示部110に表示される表示物の向きの上下を調整する機能である。画面表示調整機能が有効である場合には、
図1右図の実線部のように、センサ140で検知された重力の上下方向に合わせて制御部100が表示物の上下を調整して表示部110に表示する。すなわち、制御部100は端末装置10が傾けられても、重力の下方向が表示物の下方向となるように表示物を回転させて表示部110に表示させる。
【0023】
一方、画面表示調整機能が無効である場合には、端末装置10が横方向になっても、
図1右図の点線部のように表示物が表示部110に表示される。すなわち、画面表示調整機能が無効である場合、制御部100は、端末装置10が直立の場合に表示部110に表示される表示物の端末装置10に対する向きを保ったまま、表示物の表示方向を調整しない。
【0024】
また、端末装置10は、ユーザ及び端末装置10が横方向になっている場合に、画面表示調整機能を有効にするか無効にするかを設定できる設定機能を有していても良い(
図4参照、ゴロ寝モード)。“ユーザ及び端末装置10”が横方向になっているときに、画面表示調整機能が無効である場合をゴロ寝モードが有効であるという。ここで、ユーザが横方向であるとは、
図1右図に示すように、端末装置10が横方向である場合に、ユーザの顔の頭部と顎部を結ぶ線の方向が、端末装置10の頭部と足部とを結ぶ直線と平行である場合である。制御部100は、カメラ130によってユーザの顔画像を撮影し、既存の顔向き判定機能を用いることで、ユーザの向きが横方向であるか否かを判定することができる。なお、ユーザは、例えば
図4の設定画面のように、表示部110に表示された設定画面に対してチェックボックスにチェックを入れる等して、端末装置10が横方向の場合に画面表示調整機能を有効にするか無効にするかを設定できる。この設定は記憶部150に保存される。
【0025】
次に、
図5を用いて本実施の形態の動作について説明する。
【0026】
まず、センサ140は、端末装置10の向き(直立か横方向かの傾き)の変化を検知する(ステップS1)。
【0027】
センサ140の検知結果を基に、制御部100は現在の端末装置10の向きを判定し、端末装置10が横方向か否かを判定する(ステップS2)。
【0028】
制御部100が端末装置10の向きを判定した結果、端末装置10が横方向であった場合(ステップS2、Yes)、制御部100は、端末装置10が横方向の場合の画面表示調整機能の設定が有効か否かを、記憶部150を参照して確認する(ステップS3)。ステップS3がNoの場合、制御部100は、画面表示調整機能の設定を無効のままとして処理を終了する。
【0029】
ステップS3がYesの場合、制御部100は、ゴロ寝モードが有効か否かを、記憶部150を参照して確認する(ステップS4)。ゴロ寝モードが無効である場合(ステップS4、No)、制御部100は、画面表示調整を行なって処理を終了する。
【0030】
一方、ステップS4がYesである場合、端末装置10はカメラ130を起動し、ユーザの顔を検出して、顔の向きを検出する(ステップS5)。顔および顔の向きの検出には、携帯電話やデジタルカメラにて一般的に搭載されている顔検出機能や、瞳検出機能が使用される。
【0031】
なお、設計者等は、カメラ130が、端末装置10を操作しているユーザではない別の人物の顔を誤検出しないようにするための対策を設けても良い。防止策として、例えば、制御部100は、カメラ130が検出した顔のサイズを基に、検出された顔が端末装置10を操作しているユーザの顔であるか否かを判定しても良い。具体的には、検出部100は、検出された顔サイズが閾値以下の場合にはユーザでないと判定しても良い。なぜなら、端末装置10のユーザは端末装置10を保持できる位置にいるため、カメラ130で撮像された顔のサイズはあまり小さくならないと考えられるからである。
【0032】
次に、制御部100は、顔の方向が横方向であるか否かを判定する(ステップS6)。すなわち、
図6の様に、端末装置10の長手方向(頭部と足部を結ぶ線の方向)と顔の向き(頭部と顎部を結ぶ線の方向)とが平行である場合、制御部100は、ユーザが横になって寝転んだ状態で端末装置10を操作していると判断し、端末装置10の向きにあわせた画面表示調整機能を無効にする(ステップS7)。
【0033】
次に制御部100は、カメラ130が、この状態からユーザの顔を検出しなくなったとき、あるいは、ユーザの顔の向きが変わったとき、あるいは、端末装置10の向きが変えられたとき(ステップS8、Yes)は、ユーザが横になって寝転んだ状態で端末装置10を操作していないと判定し、画面表示調整機能を有効に戻す(ステップS9)。
【0034】
なお、画面表示調整機能やゴロ寝モードが予め設定されていることを前提とすれば、ステップS3やステップS4は省略することが可能である。
【0035】
また、制御部100は、端末装置10の向きが変化したときに、画面表示調整機能を有効にするか無効にするかを選択させる選択画面を表示部110に表示し、ユーザに画面表示機能の設定を行なわせても良い。このようにすれば、端末装置10の方向が横方向になったときにユーザに画面表示調整機能の設定を行なわせることができる。
【0036】
また、
図7に示すように、ゴロ寝モードに設定されているときに、特定のアプリケーションが起動されている場合には、画面表示調整機能を有効としても良い。どのアプリケーションの起動時に画面表示調整機能を有効とするかは
図7に示すようにユーザが設定することができ、当該設定は記憶部150に保存される。
図7に示す例では、例えば、メール使用時と電話使用時にはゴロ寝モードは有効であり、ワンセグ使用時にはゴロ寝モードは無効となる。すなわち、制御部100は、メールアプリケーションなど所定のアプリケーションが稼働している場合にのみ画面表示調整機能を無効としても良い。このようにすることにより、ワンセグ放送などを利用してユーザがテレビを視聴している場合には画面表示調整機能が有効であっても良いが、文字入力などを必要とするメール使用時等には画面表示調整機能を無効としたいなど、ユーザの柔軟な調整が可能となる。
【0037】
本実施の形態によれば、端末装置10のユーザの使用状態に応じて画面表示を調整することができる。その理由は、画面表示調整機能付きの端末装置であっても、端末装置が横方向であり、かつユーザも横方向である場合には画面表示調整機能を無効にするからである。
【0038】
<実施の形態2>
次に、本発明の第3の実施の形態における端末装置10について説明する。
【0039】
本実施の形態における端末装置10は、第1の実施の形態と基本的な動作は同じである。第1の実施の形態では、制御部100が、カメラ130が撮影しているユーザの顔をそのまま検出してユーザが横方向になっているかどうかを判定した。これに対し、本実施の形態では、記憶部150にあらかじめユーザの顔写真と、ユーザが当該顔写真を撮影した時の端末装置10の向きとを対応付けて記憶しておく点で第1の実施の形態とは異なる。
【0040】
ユーザは、例えば
図6に示すように、端末装置10とユーザ自身が横方向になっている時にカメラ130で自己の顔写真を撮影する。この際、制御部100はセンサ140から端末装置10の向きを取得し、ユーザの顔写真と端末装置10の向きとを対応付けて記憶部150に記憶する(
図9の1行目参照)。
【0041】
図6に示す例では、端末装置10の頭部が右向きであり足部が左向きである。このような状態を端末装置10が右方向であるという(逆の場合を左方向という)。ユーザの顔画像の向きは、端末装置10の頭部側にユーザの頭部が位置し、足部側にユーザの顎部が位置している場合に正面方向であるという。つまり、
図1の左図のような場合、あるいは
図6のような場合に、ユーザ(の顔)は正面方向である。また、
図8の左図に示すように、端末装置10の頭部と足部を結ぶ方向に対して顔の向きが左に向いている場合、ユーザ(の顔)は左方向であり、それと180度反対の方向(
図8の右図)である場合に右方向であるという。このように、端末装置10の向きは重力に対する関係で指定されるのに対し、ユーザの向きは端末装置10の向きに対する関係で指定される。なお、このような方向の指定方法は適宜変更可能である。
【0042】
図9には、ユーザの顔写真と端末装置10の向きとを対応付けて記憶する記憶部150の状態が示されている。
図9の一行目は、ユーザの顔が正面方向であり、端末装置10の向きが右方向であることを示している。これは、
図1右図、
図6のように、ユーザが右方向に端末装置10をもったまま自己も右方向に横になって自分の顔写真をカメラ130で撮影したことを意味する。このように、ユーザの顔写真の方向と端末装置10の向きとを対応付けることにより、記憶部150は、ユーザがどのような状態で自己の顔を撮影したかを記憶することができる。
【0043】
次に、
図10を用いて、本実施の形態における端末装置10の動作を示す。以下では、端末装置10の画面表示調整機能、ゴロ寝モードはいずれも有効であることを前提とする。
【0044】
まず、センサ140は、端末装置10が横方向となったことを検知する(ステップA1)。制御部100は検知結果をセンサ140から受け取ると、カメラ130を起動して、ユーザの顔の撮影を行なう(ステップA2)。
【0045】
次に、制御部100は、撮影されたユーザの顔と記憶部150に保存されたユーザの顔とを比較する(ステップA3)。例えば、現在の端末装置10の向きが右方向である場合、制御部100は、端末装置10の向きが右方向と対応付けられている顔を記憶部150から抽出する。次に、制御部100は、抽出した顔と撮影されたユーザの顔を比較し、同一人物であるか否か、及び、顔の向きが一致するか否かを判定する。
【0046】
その結果、同一人物であり、顔の向きが正面である場合(顔が一致するとよぶ)(ステップA4、Yes)には、制御部100は、ユーザが横方向になって寝転んだ状態で端末装置10を操作していると判断し、画面表示調整機能を無効にする(ステップA5)。
【0047】
その後、制御部100はカメラ130に対し、定期的に写真撮影を命令し、撮影した写真と記憶部150に保存された写真とを定期的に比較しても良い。比較した結果、ユーザの顔が検出されなくなったとき、ユーザの顔の向きが変わったとき、または、端末装置10の向きが変えられたと制御部100が判断したとき(ステップA6、Yes)は、ユーザが横になって寝転んだ状態で操作していないと判定し、画面表示調整機能を有効に戻す(ステップA7)。
【0048】
なお、端末装置10が横方向になった場合に、カメラ130が撮影したユーザの顔画像の向きが、登録された顔画像と同一方向あるいは180度回転した方向であった場合には、制御部100は、画像表示調整機能を無効にしても良い。なぜなら、このような状態は、現在の端末装置10の方向(横方向)とユーザの顔とが平行であることを意味するから、ユーザと端末装置10とがともに横方向になっており、ユーザが寝転んだ状態で端末装置10を操作していると考えられるからである。
【0049】
また、
図9では、記憶装置150が写真と端末装置10の向きとを対応付けて記憶しているが、これに加えて、記憶装置150は、画面表示調整機能を有効にするか無効にするかの情報を対応付けて記憶しても良い。これにより、現在の端末装置10の向きとユーザの顔の向きに応じて画面表示機能を有効にするか無効にするかを制御部100が制御することが可能になる。
【0050】
本実施の形態によれば、端末装置10のユーザの使用状態に応じて画面表示を調整することができる。その理由は、画面表示調整機能付きの端末装置であっても、端末装置が横方向であり、かつユーザも横方向である場合には画面表示調整機能を無効にするからである。
【0051】
<実施の形態3>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0052】
本実施の形態における端末装置10は、表示物を表示する表示部110と、自装置の傾きを検知するセンサ140と、制御部100とを備える。
【0053】
端末装置10は、上述の画面表示調整機能を有し、制御部100は端末装置10が傾けられても重力の下方向が表示物の下方向となるように表示物を回転させて表示部110に表示させる。
【0054】
制御部100は、端末装置10の傾きの情報をセンサ140から取得し、ユーザの顔の向きをカメラ130から取得する。
【0055】
制御部100は、端末装置10の向きが横方向であり、かつ、顔の向きが傾いていないときには、画面表示調整機能を有効なままとし、表示物の向きを、重力の下方向が下方向となるように表示部110に表示させる。
【0056】
一方、制御部100は、端末装置10の向き、及び、顔の向きが、ともに重力方向に対して垂直方向である場合には画面表示調整機能を無効とし、表示物の向きを垂直方向に平行な方向で表示部110に表示させる。
【0057】
本実施の形態によれば、端末装置10のユーザの使用状態に応じて画面表示を調整することができる。その理由は、画面表示調整機能付きの端末装置であっても、端末装置が横方向であり、かつユーザも横方向である場合には画面表示調整機能を無効にするからである。
【0058】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。