(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5662414
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】モジュール式ガスクロマトグラフ
(51)【国際特許分類】
G01N 30/02 20060101AFI20150108BHJP
G01N 30/62 20060101ALI20150108BHJP
G01N 30/16 20060101ALI20150108BHJP
G01N 30/54 20060101ALI20150108BHJP
G01N 30/32 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
G01N30/02 Z
G01N30/62 Z
G01N30/16 Z
G01N30/54 D
G01N30/32 A
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-504129(P2012-504129)
(86)(22)【出願日】2009年4月6日
(65)【公表番号】特表2012-523004(P2012-523004A)
(43)【公表日】2012年9月27日
(86)【国際出願番号】IT2009000147
(87)【国際公開番号】WO2010116389
(87)【国際公開日】20101014
【審査請求日】2012年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】511241114
【氏名又は名称】サーモ フィッシャー サイエンティフィック ソチエタ ペル アツィオーニ
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100086726
【弁理士】
【氏名又は名称】森 浩之
(72)【発明者】
【氏名】ジアシント ジリオーリ
(72)【発明者】
【氏名】ステファーノ ペラガッティ
(72)【発明者】
【氏名】パオロ マーニ
【審査官】
黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−108909(JP,A)
【文献】
特開平08−240576(JP,A)
【文献】
特開平03−004165(JP,A)
【文献】
米国特許第05611846(US,A)
【文献】
米国特許第05340543(US,A)
【文献】
米国特許第04057998(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0178786(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0095126(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00−30/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のキャピラリカラムを装着したオーブン、少なくとも1個のインジェクタ(13、13’)、少なくとも1個の検出器(14、14’)、加温手段、及び前記オーブン、インジェクタ(13、13’)及び検出器(14、14’)の温度、前記インジェクタ(13、13’)及び検出器(14、14’)へのガス供給及び分析プロセスを制御するための空気圧を有し、かつ電子制御手段を収容する主フレーム(11)を備えるガスクロマトグラフにおいて、
前記少なくとも1個のインジェクタ及び/又は少なくとも1個の検出器は、交換可能なモジュールであり、かつ動作できる全ての手段を備えていることを特徴とし、
前記各モジュ−ルは:
A.前記モジュールを前記主フレーム(11)上の保持部(16、16’、17、17’)に、直接取り付け、かつ取り外す手段を備えていて、前記直接取り付け、かつ取り外す手段は;
(イ)前記主フレーム(11)へ接続された機械的接続部と、
(ロ)前記主フレーム(11)上の保持部(16、16’、17、17’)の対応するガス供給出口(20、20’、21、21’)と適合するようになっている1または2以上の高速空気圧式接続部と、
(ハ)前記主フレーム(11)上の保持部(16、16’、17、17’)の電気−電子式出口(18、18’、19、19’)に接続された高速電気−電子式接続部(37、47)と、
(ニ)前記モジュール(13、13’、14、14’)の前記インジェクタ又は検出器本体(33、43)へキャピラリカラム端部を接続する手段と、を含む、前記モジュールを前記主フレーム(11)上の保持部(16、16’、17、17’)に、直接取り付け、かつ取り外す手段と、
B.前記モジュール(13、13’、14、14’)の前記インジェクタ又は検出器本体(33、43)を加熱する手段と、
C.前記モジュールの少なくとも温度及びガス供給を制御するための専用のセンサ及び電子ボード(40、50)と、を備えていて、且つ、前記各保持部(16、16’、17、17’)は、モジュール(13、13’、14、14’)用の高速電気−電子式出口(18、18’、19、19’)と高速ガス接続部(20、20’、21、21’)とを備えていて、且つ、前記交換可能なモジュールは、製造者の補助無しで交換することができ、且つ、更なる補助無しで迅速かつ容易に実施することができる、ようになっているガスクロマトグラフ。
【請求項2】
前記交換可能なモジュールは、前記専用のセンサ及び電子ボード(40、50)により、ガス供給を制御する空気圧バルブを有する請求項1記載のガスクロマトグラフ。
【請求項3】
ガスロックバルブが、前記主フレーム(11)の各ガス出口に設置され、更に前記モジュールを挿入する際に、前記ロックバルブを開放する手段を有する請求項2記載のガスクロマトグラフ。
【請求項4】
前記交換可能なモジュールはインジェクタモジュール(13、13’)であり、このモジュールは、インジェクタ本体(33)、前記インジェクタ本体のヒータ(34)、主フレーム(11)のキャリアガス供給出口との空気圧式接続部(36)、マニフォールド及びインジェクタ本体へキャリアガスを供給するための空気圧バルブ(38)に加えて、前記空気圧バルブ及びヒータを制御する専用のセンサ及び電子ボード(40)を備え、前記センサ及び電子ボード(40)は、電気−電子高速コネクタ(37)を通して制御する請求項1〜3のいずれかに記載のガスクロマトグラフ。
【請求項5】
前記交換可能なモジュールは検出器モジュール(14,14’)であり、このモジュールは、検出器本体(43)、前記検出器本体のヒータ(44)、主フレームのキャリアガス、空気、補給ガス及び検出器ガスの供給出口との空気圧式接続部(46)、マニフォールド及び検出器本体へこれらのガスを供給するための空気圧バルブ(48)に加えて、前記空気圧バルブ及び前記ヒータを制御する専用のセンサ及び電子ボード(50)を備え、前記センサ及び電子ボード(50)は、電気−電子高速コネクタを通して制御される請求項1〜3のいずれかに記載のガスクロマトグラフ。
【請求項6】
前記専用のセンサ及び電子ボード(50)は、各検出器モジュールの出口の電子信号を増幅し、かつデジタル化する手段である請求項5に記載のガスクロマトグラフ。
【請求項7】
前記オーブンは交換可能なモジュールの形態であり、前記モジュールは、オーブン本体、前記オーブン本体のヒータ、ファン及びモータ手段、フラップ及び温度検出手段に加えて、前記主フレームとの電気−電子接続部及び前記主フレーム(11)に電気的に接続された、オーブンを制御する専用のセンサ及び電子ボード(40、50)を備える請求項1〜6のいずれかに記載のガスクロマトグラフ。
【請求項8】
前記主フレーム(11)は、空気圧式出口、電気−電子出口、CPU及び電力制御手段を備える請求項1〜7のいずれかに記載のガスクロマトグラフ。
【請求項9】
前記CPU及び接続された電子制御部は、交換可能な態様で、前記主フレーム(11)に設置されている請求項8に記載のガスクロマトグラフ。
【請求項10】
パソコン又は使用者のインターフェイスモジュールは、前記CPUに接続されている請求項8又は9に記載のガスクロマトグラフ。
【請求項11】
前記使用者のインターフェイスモジュールは、交換可能な態様で、前記主フレーム(11)に設置されている請求項10に記載のガスクロマトグラフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムの製造、構築及びサービスに関して多くの利点を提供できるガスクロマトグラフの新規構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のガスクロマトグラフは、主に、分析用カラムを収容するオーブン、分析する試料をカラムの入口に導くためのインジェクタ、及びカラムから排出される溶出液を検出するために、前記カラムに接続された検出器から成っている。この装置は、全ての素子に対して動作し、かつ検出器からの信号を受け取りかつ処理するように構成されているデジタル/アナログ制御手段により制御される。特に、前記装置の制御には、インジェクタ、オーブン及び検出器の温度の他、前記インジェクタ及び前記検出器へ供給されるガスの気体的特質の管理が含まれている。勿論、前記制御手段は、設けられている特定のタイプのインジェクタ及び/又は検出器と協働しなければならず、かつ用途により要求される装置の構成に従って作動しなければならない。
【0003】
近年、前述の硬直したガスクロマトグラフの構成をより柔軟にするための異なるアプローチが試みられている。
【0004】
例えば特許文献1は、クロマトグラフのハウジング内のチャンバ内に装着された着脱自在なモジュール式分析ユニットを有し、各ユニットは、カラム、インジェクタ及び検出器に加えて、前記クロマトグラフのハウジングの加熱手段に接触する熱伝導性物質のブロックを有するクロマトグラフを開示している。
【0005】
特許文献2は、それぞれが温度制御手段を備える複数の区画を有するクロマトグラフを開示している。これらの区画に挿入しうる着脱可能な機能性モジュールは、インジェクションモジュール、カラムモジュール、検出器モジュール及びバルブモジュールを含んでいる。前記機能性モジュールは、解決すべき分析に関する問題点と関連している。
【0006】
特許文献3は、コンピュータによる空気制御下で、インジェクタ及び検出器にガスを供給できるようになっている平面式マニフォールドアセンブリを開示している。
【0007】
特許文献4は、マイクロ又は携帯式ガスクロマトグラフで使用される平面式マニフォールドに関し、このマニフォールドは、空気制御、電子的圧力制御及びインジェクタの入口を一体化させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許明細書第4044593号
【特許文献2】米国特許明細書第4057998号
【特許文献3】米国特許明細書第5686657号
【特許文献4】米国特許明細書第6612153号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
末端使用者がガスクロマトグラフの維持を、簡単かつ容易に行うための前述した試み及びその他の試みは、成功に至っていないので、現在市販されている全てのガスクロマトグラフは、上述の硬直した構造を有し、故障や初期構造の変更の際に、製造者の補助が必要になる。換言すると、前記器具は、工場で使用目的に適するように、全ての電子素子及び空気圧装置と適合するように製造される。次いで前記器具は、試験され、合格した後に、出荷されるので、末端使用者は、分析用カラムと他の消耗品の交換のみを行えば足りる。
【0010】
本発明の目的は、多くの故障の際や、インジェクタ及び/又は検出器の交換が望ましい際に、製造者の補助を必要としないガスクロマトグラフの新規な構造を提供することである。この新規な構造のために、同じ末端使用者は、品質向上のための迅速な交換、構成変更のためのストック、さらに、クロマトグラフの素子のテスト、さらに個々別々の出荷をすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の前記及び他の目的は、特許請求の範囲においてより一般的に定義する本発明により達成できる。本質的に本発明は、少なくとも部分的に、交換可能なモジュールで形成されたガスクロマトグラフに関し、前記各モジュールは、使用者の要求を満足させ予め設定した構成に従って動作できる全ての手段と特性を備えている。従って各モジュールは、例えばインジェクタ、検出器又はオーブン、必要なガスを供給する関連する空気圧手段、加熱手段、及びその構成における予め設定した空気圧及び加熱手段を制御する専用電子手段の形態の機能性器具を備えている。
【0012】
例えば、交換可能なインジェクタモジュールは、インジェクタ本体、該インジェクタ本体にキャリアガスを適正に供給する空気圧バルブ、前記インジェクタ本体のヒータ、及び前記バルブ及びヒータを制御する専用の電子素子を備えている。前記モジュールは、ガスクロマトグラフの主フレームに設けた好適な保持部に挿入できる単一素子の形状であり、前記挿入は、前記電子素子及びキャリアガス用の空気圧接続のための電気−電子接続により行うことができる。
【0013】
同様に、交換可能な検出器モジュールは、検出器本体、該検出器本体にキャリアガス及び他の必要なガスを適正に供給する空気圧バルブ、前記検出器本体のヒータ、及び前記バルブ及びヒータを制御する専用のセンサ及び電子素子を備えている。前記モジュールは、ガスクロマトグラフの主フレームの好適な座に挿入できる単一素子の形状のものであり、前記挿入は、前記電子素子及び前記ガス用の空気圧接続のための電気−電子接続により行うことができる。
【0014】
オーブン交換可能モジュールは、予測しうるように、オーブン本体、オーブン加熱手段、ファンと関連モータ、フラップ、及び温度検出手段に加えて、主フレームとの電子接続、及び主フレームに電気的に接続された前記オーブンを制御する専用電子手段を備えている。
【0015】
要約すると、本発明では、前記モジュールと機械的に接続する好適な保持部が形成されたガスクロマトグラフ主フレームを備え、各保持部は、モジュール用の空気圧及び電気−電子の高速接続を行うが、同モジュールの動作のための制御モジュールは備えていない。主フレーム は、例えばモジュール挿入部で開放されているロックバルブを通して、ガス出口を前記モジュールに接続し、かつ同様にして、前記モジュールを、器具のCPUに、及びパソコンの又は使用者のインターフェイスに接続している。
【0016】
このようにして、使用者は、例えば検出器又はインジェクタモジュールを、初期モジュールとは異なった特徴を有する他のモジュールと、そして必要ならば、初期モジュールが故障した場合には、同じ特性を有するモジュールと交換できる。この交換は、非常に簡単で、迅速かつ容易に実施することができ、従って製造者の補助は不要である。モジュールを設置し、かつ空気圧器具や電子器具に接続する際には、勿論関連するキャピラリカラム端に通常の手法で接続した後にも、以上の補助なしに実施できる。
【0017】
本発明のガスクロマトグラフの好ましい実施態様を、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明を具体化したガスクロマトグラフの斜視図。
【
図2】インジェクタ及び検出器モジュール用の接続を有するクロマトグラフの主フレームの一部を示す斜視図。
【
図3】主フレーム中のガス管のレイアウトを示す斜視図。
【
図4】インジェクタモジュールの上方からの斜視図。
【
図5】インジェクタモジュールの下方からの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1において、符号10で示すガスクロマトグラフは、2個のインジェクタと2個の検出器を有し、2種類の分析を同時に行える通常のタイプのものである。この本発明のガスクロマトグラフは、インジェクタ及び検出器がモジュールの形態であることを除いて、従来公知のものと同じである。後述する通り、前記ガスクロマトグラフは、モジュール形態のオーブンを備えていても良いが、図示の例では、インジェクタと検出器のみがモジュールの形態である。
【0020】
前記ガスクロマトグラフ10は、加熱手段を有する従来のオーブン、少なくとも1個のファンに加えて、前記オーブン、キャピラリカラム又はその中に収容された他のカラムの温度制御手段を収容する、全体を符号11で示す主フレームを有する。この主フレームは、
図3に示すように、更にパソコン又は使用者のインターフェイスに接続するCPU、電源、及びモジュールとの適切な接続部にガス供給を行うためのチャンネルを収容している。
【0021】
図1に示すように、素子であるCPU、オーブン制御手段及び電源を、支持素子12に配置して、主フレームに収容し、CPUの異常や、オーブン制御の条件を異ならせる場合に、容易に交換できるようにしても良い。更に、使用者のインターフェイスを、容易に交換できるように収容しても良い。前記主フレームは、後述の通り、2個のインジェクタモジュール13及び13´と、2個の検出器モジュール14及び14´を着脱自在に収容する手段も備えている。
【0022】
この目的のため、前記主フレームは、前記2個のインジェクタモジュール13、13´と前記2個の検出器モジュール14、14´を機械的に収容するための保持部16、16´及び17、17´を有するプレート15(
図2)を備えている。これらの保持部は、更に、各モジュールの専用電子制御手段を前記電源及びCPUに、電気−電子接続するためのソケット18、18´及び19、19´に加えて、各モジュールに必要なガスを供給するガス接続部20,20´及び21、21´を備えている。
【0023】
図3に最も明瞭に示すように、主フレーム11内の、キャリアガス(ダクト23)、空気(ダクト24)、検出器用の水素又は他のガス(ダクト25)、及び補給ガス(ダクト26)用の複数のダクト22は、それぞれ検出器モジュール用の空気圧式接続部27、28、29及び30に、関連ガスを供給し、かつインジェクタモジュール用のキャリアガスを空気圧式接続部31に供給する。前記接続部27〜31は、高速空気接続式で、関連モジュールが適切な位置にない場合には、ガスを遮断するストップバルブ(図示せず)を設けることがあり、開状態にあると、予め設定された固定圧と流量値で、関連ガスを供給する。
【0024】
図4及び
図5は、インジェクタモジュールの例で、それぞれ上方及び下方からの斜視図である。このモジュール13は、ヒータ34及びカラム端用の公知のコネクタ35を有し、例えば公知構造のインジェクタ本体33を具備する基板32を備えている。このモジュールは、キャリアガス用の接続部27にフィットする空気圧式接続部36と、前記ソケット18に挿入できる電気−電子接続部37を有している。前記キャリアガスは、空気圧バルブ38及びマニフォールド39を通して、前記インジェクタ本体に供給され、前記バルブは、前記ヒータ34とともに、適切なセンサや専用の電子ボード40で制御され、この電子ボードは、インジェクタのタイプに適したハードウェア及びソフトウェアを装着している。
【0025】
これにより、インジェクタを、同じタイプのインジェクタと、又は異なったタイプのインジェクタと交換するには、モジュールを、必要な機能を有する新規なモジュールと、簡単かつ迅速に交換するだけでよく、前記新規なモジュールは、ガスクロマトグラフの同じ使用者が、対応する保持部に挿入できれば良い。
【0026】
図6及び
図7は、検出器モジュールの例を示し、それぞれ上方及び下方からの斜視図である。このモジュール14は、ヒータ44及びカラム端用の公知のコネクタ45を有する、例えば公知構造の検出器本体43を具備する基板42を備えている。このモジュールは、キャリアガス、空気、水素、及び補給ガス用の接続部27〜30にフィットする空気圧式接続部46と、前記ソケット19に挿入できる電気−電子接続部47を有している。これらのガスは、空気圧バルブ48及びマニフォールド49を通して前記検出器本体に供給され、前記バルブは前記ヒータ34とともに、適切なセンサや専用の電子ボード50で制御される。この電子ボードは、検出器のタイプに適したハードウェア及びソフトウェアを装着している。
【0027】
従って、検出器を、同じタイプの検出器と、又は異なったタイプの検出器と交換するには、モジュールを、必要な機能を有する新規なモジュールと、簡単かつ迅速に交換するだけでよく、前記新規なモジュールを、ガスクロマトグラフの使用者は、製造者の補助なしに、対応する保持部に挿入することができる。
【0028】
新規モジュールが装着されると、直ちにその電子ボ−ドは、器具のCPUに、モジュール同定信号を送信する。同じタイプであると、前記器具のCPUは、特定のモジュールにより得られる目標値を、前記モジュールに送信する。
【0029】
前記モジュールの、組み立てたアセンブリの試験を行う必要はなく、工場でモジュール毎に別個に試験でき、かつ別個に出荷でき、現場での設置時に組み立てることができる。あるいは迅速な交換、品質向上又は構造変更のために、ストックしておくこともできる。これにより、前記器具を、異なった構造を有する異なった用途のものと変換したり、あるいは初期構造に戻すことが、末端の使用者にとって非常に容易になる。
【0030】
前述の通り、この器具は、他のモジュール、つまりオーブンモジュールを一体的に有するように設計することもできる。この態様は、図示していないが、オーブン本体、オーブン加熱手段、ファン及びモータ手段、フラップ及び温度検出手段に加えて、主フレームとの電気−電子手段、及びオーブン温度、ファン操作及びフラップ位置を制御する専用電子手段を備える交換可能なオーブンを設けることにより得られる。
【符号の説明】
【0031】
10 ガスクロマトグラフ
11 主フレーム
12 支持素子
13、13’ インジェクタモジュール
14、14’ 検出器モジュール
15 プレート
16、16’、17、17’ 保持部
18、18’、19、19’ ソケット
20,20’、21、21’ ガス接続部
22、23、24、25、26 ダクト
27、28、29、30、31 空気圧式接続部
32 基板
33 インジェクタ本体
34 ヒータ
35 コネクタ
36 空気圧式接続部
37 電気−電子接続部
38 空気圧バルブ
39 マニフォールド
40、50 専用のセンサ及び電子ボード
42 基板
43 検出器本体
44 ヒ−タ
45 コネクタ
46 空気圧式接続部
47 電気−電子接続部
48 空気圧バルブ
49 マニフォールド