(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5662506
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】乾燥用アダプタ
(51)【国際特許分類】
D06F 53/04 20060101AFI20150108BHJP
A47L 19/00 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
D06F53/04
A47L19/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-62070(P2013-62070)
(22)【出願日】2013年3月25日
(65)【公開番号】特開2014-184053(P2014-184053A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2013年4月10日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】309019198
【氏名又は名称】山敷 淑子
(72)【発明者】
【氏名】山敷 淑子
【審査官】
横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−212176(JP,A)
【文献】
特開2009−006088(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3172990(JP,U)
【文献】
特開2006−316958(JP,A)
【文献】
実開昭58−111090(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 19/00
D06F 53/04
D06F 55/00
D06F 57/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
布巾掛けのアームに取り付けて、ペットボトル等を乾燥させるための乾燥用アダプタであって、布巾掛けのアームを挟持するためのクリップ本体の基部に乾燥用支持棒を固定するとともに、上記クリップの挟持部の内面にクッション性を有するとともに、摩擦係数が大きな滑り止め材を設けた事を特徴とする乾燥用アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジッパー袋やペットボトルなどを効率よく乾燥させる事が出来る、乾燥用アダプタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭の台所の布巾掛けは、いずれも水平方向にアームが複数本取り付けられた構造となっており、そのアームに、濡れた布巾等を広げて掛けて自然乾燥させている。実は、この布巾掛けのアームには、ほとんどの家庭では、布巾のみを掛けているのではなく、洗浄したジッパー袋や紙パック・ゴム手袋など、再利用しようとする布巾以外の物を洗浄して布巾掛けのアームに掛けたりして使用している人が多いが、水平方向に設けられた布巾掛けのアームを用いて、ジッパー袋を乾燥させようとしても、ビニール袋の下方に、洗浄時に残った水滴などが溜まり、十分に水切り出来る状態ではない。これらを乾かす為の道具は種々発案されており、例えば、数本の棒状の物が針山のように突起しているものに、ペットボトルやジッパー袋を伏せて挿入し自然乾燥できる様にした物もある。特許文献1・特許文献2に示すものでは、ボトルピンチをフックに掛けてペットボトルを逆さに狭持して水を切ることができるようにしている。特許文献3に示すものは、数本の棒を立設し、この棒に逆さにしたボトルを挿入して、ボトルの底が棒に突き当たる状態でボトルを水切りして乾燥させるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3146229号 ボトルピンチ
【特許文献2】実用新案登録第3146523号 ボトルピンチ2型
【特許文献3】特開2006−212176 ボトル立て
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、布巾やペットボトルや紙パックや袋物等、形状の違う物を効率よく速やかに自然乾燥するためには、それぞれの形状に合う専用の乾燥具を備えなければならないという問題点がある。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決し、布巾掛けなどに取り付けて、ペットボトルや紙パック。袋物や手袋等様々なものを乾燥させることが出来る乾燥用アダプタを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の事を解決する為に、第1の発明はクリップの一部に乾燥用支持棒を固定するとともに、前記クリップの狭持部の内面に摩擦係数が大きく、かつクッション性を有する滑り止め材を設けた。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、クリップの一部に固定された支持棒に、ペットボトルの口や、ジッパー袋の開口口などの乾燥させたいものを挿入することで、ペットボトルの場合は、ペットボトル口は逆さまに向けて乾燥させることが出来る。また、クリップの狭持部の内側に摩擦係数が大きく、かつクッション性を有する滑り止め材を設けたことで、支持棒の角度を一定に保つことができ、支持棒の機能を維持で来るとともに、太さの異なる布巾掛けのアームなどにも安定して固定出来る。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施する形態を
図1〜3に基づいて具体的に説明する。
【0009】
図1において、1はクリップ本体で、このクリップ本体1には、一対の把手2を備え、把手2を狭持する事でクリップの開口口3が開くよう構成されている。
【0010】
さらに、クリップ本体1の基部1Aには、ぺットボトルや紙パック、ジッパー袋等を挿入するための支持棒5が固着されている。
【0011】
クリップ本体1の内面には滑り止め材4が備えられ、クリップ1の内面と滑り止め材4は両面テープ又は接着材で固着されている。
【0012】
この滑り止め材4の摩擦性とクッション性により、クリップ本体1を布巾掛けのアームに取り付ける場合、クリップ本体1が布巾掛けのアームを軸に回転しないよう安定、確実に挟むことが出来る様に構成している。
【0013】
ここで、滑り止め材4は、表面が凹凸の形状をしたクッション性があり、かつ摩擦係数の大きな素材からなり、素材はシリコン等が望ましい。
【0014】
支持棒5は硬質な素材からなり、例えば、ペットボトル・紙パック・ジッパー袋等を挿入しても容易に曲がらない硬度を持ち、なおかつ、ペットボトルの紙パック・ジッパー袋のそれぞれの飲み口や開口口がスムーズに挿入出来る太さと、ペットボトルを挿入しても落ちない長さを有し、素材は簡単に水洗い出来るシリコン等が衛生的で望ましい。
さらに、この例では支持棒5の形態は一本の棒にしているが、支持棒5全体を伸縮させることができる差し棒の様な伸縮出来る構造としてもよい。
【0015】
本発明の布巾掛けアダプタの使い方の
図2を用いて説明をする。
7は住宅の柱で、布巾掛けの基部8は柱7に取り付けられている。
【0016】
6A・6B・6Cは布巾掛けアームでそれぞれの基部の筒状部61A・61B・61Cは、基部8と一体の軸(図示せず)に対してそれぞれが回動出来るようになっている。
【0017】
例えば、アーム6Aにクリップ本体1を装着する為には、本体1に備えてある把手2を利き手の親指と人差し指及び中指等とで挟みつまむ。そうすることで、クリップ開口口3が解放され、クリップ本体1でアーム6Aを挟持させることにより図のようにクリップ本体1をアーム6Aに固定することができる。また図のように支持棒5が上を向くように、クリップ本体1をアーム6Aに固定する。
【0018】
図3は、本発明のアダプターを使用して、布巾掛けにペットボトル、ジッパー袋・牛乳紙パック等を乾燥させる状態を示すもので、Aはペットボトルで、Bはジッパー袋で、Cは牛乳紙パックである。
【0019】
ペットボトルAを自然乾燥させる場合のクリップ1の取り付け位置は、出来るだけアーム6Aの根元側に設置し、ぺットボトルAの開口口を逆さ状態にして、支持棒5の先端より挿入する。
【0020】
ジッパー袋Bを自然乾燥させる場合のクリップ1の接合位置は、出来るだけアーム6Cの先端側に設置し、ジッパー袋Bの開口口をアーム6Bの先端より挿入し、支持棒5の先端側がジッパー袋Bの内側上に当接させるようにする。
【0021】
牛乳パックCを自然乾燥させる場合のクリップ1の取り付け位置は、出来るだけアーム6Cの根元側に設置し、牛乳パックBの開口口を逆さ状態にして、支持棒5の先端より挿入する。
【0022】
このように、本発明のアダプターを布巾掛けなどに固定することにより、布巾掛けに布巾のみならず、ペットボトルや、ジッパー袋・また紙パック等を、洗浄して自然乾燥させる事ができるため、それぞれ専用の乾燥具を準備しなくても、家庭に一般的に備えている布巾掛けに本発明のアダプタを装着することで、乾燥具として多目的な機能を持った布巾掛けとなる。
また、布巾掛け以外でも、例えば洗濯物竿に装着出来る程の大きさのアダプタを用意すれば、衣服の襟に付いているフード等の袋状の物を干す時の補助具としても使用可能である
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明による布巾掛け用アダプタの斜視図である。
【
図2】
図2は、同、布巾掛け用アダプタを布巾掛けに設けた一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、同、布巾掛けに布巾掛け用アダプタを設け、ペットボトルとジッパー袋を装着した一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
1、クリップ
1A、クリップの基部
2、把手
3、クリップ開口口
4、滑り止め材
5、支持棒
6A、6B、6C、布巾掛けのアーム
61A、61B、61C、アームの基部、
7、柱
8、基部
A、ペットボトル
B、ジッパー袋
C、牛乳紙パック