(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、充電台の上に載せるパック電池の位置がずれると、パック電池を充電できなくなる欠点がある。それは、携帯電子機器と充電台との相対位置がずれると、電源コイルと誘導コイルが電磁結合されない状態となって、電源コイルから誘導コイルに交流電力を搬送できなくなるからである。この欠点は、特許文献2に記載されるように、充電台に位置決め凸部を設け、この位置決め凸部を嵌入する位置決め凹部を携帯電子機器に設けて解消できる。この構造は、位置決め凹部に位置決め凸部を案内して、携帯電子機器と充電台との相対的な位置ずれを防止できる。
【0007】
ただ、特許文献2に示す構造は、位置決め凸部を位置決め凹部に案内するように電池内蔵機器を充電台にセットするので、電池内蔵機器のセットに手間がかかる欠点がある。また、この構造は、全てのユーザーが常に正常な状態で電池内蔵機器を充電台にセットすることが難しい欠点もある。さらに、この構造は、ケースの底面に位置決め凹部を設けて、この位置決め凹部の上に誘導コイルを配置することから、電池内蔵機器を薄くできない欠点がある。携帯電話等の電池内蔵機器は、できるかぎり薄くすることが要求されることから、位置決め凹部によって厚くなると携帯に不便になる欠点がある。
【0008】
この弊害は、充電台の上面全体の広い面積に誘導コイルに電力搬送する磁界を発生して解消できる。ただ、この構造によると、電池内蔵機器を載せない部分にも磁界を発生することから、電源コイルから誘導コイルに搬送する電力効率が低下する欠点がある。また、充電台の上に、鉄などの金属を載せると、これに磁気誘導作用で電流が流れて発熱する弊害がある。
【0009】
本発明は、さらに、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、電池内蔵機器をケース上面のどこに載せても内蔵電池を効率よく充電できる充電台を提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、ケース上面に電池内蔵機器と一緒に他の金属を載せてもこれに磁気誘導作用で電流が流れて発熱することがなく、安全に使用できると共に、電源コイルから誘導コイルに効率よく電力搬送できる充電台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の充電台は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
充電台は、電磁結合される誘導コイルを内蔵して、前記誘導コイルに誘導される電力で充電される電池を内蔵する電池内蔵機器の充電台であって、交流電源に接続されて前記誘導コイルに起電力を誘導する電源コイルと、前記電源コイルを内蔵すると共に、上面には前記電池内蔵機器を載せる上面プレートを有するケースと、前記ケースに内蔵されて、前記電源コイルを前記上面プレートの内面に沿って移動させる移動機構と、前記上面プレートに載せられる前記電池内蔵機器の位置を検出して前記移動機構を制御し、前記電源コイルを前記電池内蔵機器の前記誘導コイルに接近させる位置検出制御器とを備え、前記位置検出制御器は、前記上面プレートに固定している複数の位置検出コイルにパルス信号を供給するパルス電源と、前記パルス電源から前記位置検出コイルに供給される前記パルス信号に励起されて前記誘導コイルから
出力され、前記複数の位置検出コイルの各々によって検出されるエコー信号を受信する受信回路と、前記受信回路が受信する前記エコー信号のレベルを検出し、検出した前記エコー信号のレベルを記憶し、前記エコー信号のレベルを比較して、前記誘導コイルの位置を検出する識別回路とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の充電台は、電池内蔵機器をケース上面のどこに載せても内蔵電池を効率よく充電できる。
【0012】
とくに、本発明の充電台は、従来のように、電池内蔵機器を充電台の所定の位置に、たとえば、位置決め凸部を位置決め凹部に案内しながらセットすることなく、すなわち、位置決めすることなく極めて簡単に電池内蔵機器を充電台に載せて、内蔵電池を効率よく充電できる。このように、位置決め凸部や位置決め凹部等を必要としない充電台は、電池内蔵機器を薄く設計して便利に携帯できる特徴もある。
【0013】
また、本発明の充電台は、ケースの上面プレートに載せられた電池内蔵機器の位置を位置検出制御器で検出して、電源コイルを誘導コイルに接近させて電池内蔵機器に内蔵される電池を充電するので、ケース上面に、電池内蔵機器と一緒に他の金属を載せても、これに磁気誘導作用で電流が流れるのを確実に阻止して安全に使用できる特徴がある。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための充電台を例示するものであって、本発明は充電台を以下のものに特定しない。
【0016】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0017】
図1ないし
図6は、充電台の概略構成図及び原理図を示している。充電台10は、
図1と
図6に示すように、充電台10の上に電池内蔵機器50を載せて、電池内蔵機器50の内蔵電池52を磁気誘導作用で充電する。電池内蔵機器50は、電源コイル11に電磁結合される誘導コイル51を内蔵している。この誘導コイル51に誘導される電力で充電される電池52を内蔵している。ここで、電池内蔵機器50は、パック電池であっても良い。
【0018】
図6は電池内蔵機器50の回路図を示す。この電池内蔵機器50は、誘導コイル51と並列にコンデンサー53を接続している。コンデンサー53と誘導コイル51は並列共振回路54を構成する。コンデンサー53と誘導コイル51の共振周波数は、電源コイル11から電力搬送される周波数に近似する周波数として、電源コイル11から効率よく誘導コイル51に電力搬送できる。
図6の電池内蔵機器50は、誘導コイル51から出力される交流を整流するダイオード55と、整流された脈流を平滑化する平滑コンデンサー56とからなる整流回路57と、この整流回路57から出力される直流で電池52を充電する充電制御回路58とを備える。充電制御回路58は、電池52の満充電を検出して充電を停止する。
【0019】
充電台10は、
図1ないし
図6に示すように、交流電源12に接続されて誘導コイル51に起電力を誘導する電源コイル11と、この電源コイル11を内蔵すると共に、上面には電池内蔵機器50を載せる上面プレート21を有するケース20と、このケース20に内蔵されて、電源コイル11を上面プレート21の内面に沿って移動させる移動機構13と、上面プレート21に載せられる電池内蔵機器50の位置を検出して、移動機構13を制御して電源コイル11を電池内蔵機器50の誘導コイル51に接近させる位置検出制御器14とを備える。充電台10は、電源コイル11と、交流電源12と、移動機構13と、位置検出制御器14とをケース20に内蔵している。
【0020】
この充電台10は、以下の動作で電池内蔵機器50の内蔵電池52を充電する。
(1)ケース20の上面プレート21に電池内蔵機器50が載せられると、この電池内蔵機器50の位置が位置検出制御器14で検出される。
(2)電池内蔵機器50の位置を検出した位置検出制御器14は、移動機構13を制御して、移動機構13でもって電源コイル11を上面プレート21に沿って移動させて電池内蔵機器50の誘導コイル51に接近させる。
(3)誘導コイル51に接近する電源コイル11は、誘導コイル51に電磁結合されて誘導コイル51に交流電力を搬送する。
(4)電池内蔵機器50は、誘導コイル51の交流電力を整流して直流に変換し、この直流で内蔵電池52を充電する。
【0021】
以上の動作で電池内蔵機器50の電池52を充電する充電台10は、交流電源12に接続している電源コイル11をケース20に内蔵している。電源コイル11は、ケース20の上面プレート21の下に配設されて、上面プレート21に沿って移動するように配設される。電源コイル11から誘導コイル51への電力搬送の効率は、電源コイル11と誘導コイル51の間隔を狭くして向上できる。好ましくは、電源コイル11を誘導コイル51に接近する状態で、電源コイル11と誘導コイル51の間隔は7mm以下とする。したがって、電源コイル11は、上面プレート21の下にあって、できるかぎり上面プレート21に接近して配設される。電源コイル11は、上面プレート21の上に載せられる電池内蔵機器50の誘導コイル51に接近するように移動するので、上面プレート21の下面に沿って移動できるように配設される。
【0022】
電源コイル11を内蔵するケース20は、電池内蔵機器50を載せる平面状の上面プレート21を上面に設けている。図の充電台10は、上面プレート21全体を平面状として水平に配設している。上面プレート21は、大きさや外形が異なる種々の電池内蔵機器50を上に載せることができる大きさ、たとえば、一辺を5cmないし30cmとする四角形、又は直径を5cmないし30cmとする円形としている。本発明の充電台は、上面プレートを大きくして、すなわち複数の電池内蔵機器を同時に載せることができる大きさとして、複数の電池内蔵機器を一緒に載せて内蔵電池を順番に充電することもできる。また、上面プレートは、その周囲に周壁などを設け、周壁の内側に電池内蔵機器をセットして、内蔵する電池を充電することもできる。
【0023】
電源コイル11は、上面プレート21と平行な面で渦巻き状に巻かれて、上面プレート21の上方に交流磁束を放射する。この電源コイル11は、上面プレート21に直交する交流磁束を上面プレート21の上方に放射する。電源コイル11は、交流電源12から交流電力が供給されて、上面プレート21の上方に交流磁束を放射する。電源コイル11は、磁性材からなるコア15に線材を巻いてインダクタンスを大きくできる。コア15は、透磁率が大きいフェライト等の磁性材料で、上方を開放する壺形としている。壺形のコア15は、渦巻き状に巻かれた電源コイル11の中心に配置する円柱部15Aと、外側に配置される円筒部15Bを底部で連結する形状としている。コア15のある電源コイル11は、磁束を特定部分に集束して、効率よく電力を誘導コイル51に伝送できる。ただ、電源コイルは、必ずしもコアを設ける必要はなく、空芯コイルとすることもできる。空芯コイルは軽いので、これを上面プレートの内面で移動する移動機構を簡単にできる。電源コイル11は、誘導コイル51の外径にほぼ等しくして、誘導コイル51に効率よく電力搬送する。
【0024】
交流電源12は、たとえば、20kHz〜1MHzの高周波電力を電源コイル11に供給する。交流電源12は、可撓性のリード線16を介して電源コイル11に接続される。電源コイル11が上面プレート21に載せられる電池内蔵機器50の誘導コイル51に接近するように移動されるからである。交流電源12は、図示しないが、自励式の発振回路と、この発振回路から出力される交流を電力増幅するパワーアンプとを備える。自励式の発振回路は、電源コイル11を発振コイルに併用している。したがって、この発振回路は、電源コイル11のインダクタンスで発振周波数が変化する。電源コイル11のインダクタンスは、電源コイル11と誘導コイル51との相対位置で変化する。電源コイル11と誘導コイル51との相互インダクタンスが、電源コイル11と誘導コイル51との相対位置で変化するからである。したがって、電源コイル11を発振コイルに使用する自励式の発振回路は、交流電源12が誘導コイル51に接近するにしたがって変化する。このため、自励式の発振回路は、発振周波数の変化で電源コイル11と誘導コイル51との相対位置を検出することができ、位置検出制御器14に併用できる。
【0025】
電源コイル11は、移動機構13で誘導コイル51に接近するように移動される。
図1ないし
図4の移動機構13は、電源コイル11を、上面プレート21に沿って、X軸方向とY軸方向に移動させて誘導コイル51に接近させる。図の移動機構13は、位置検出制御器14で制御されるサーボモータ22でネジ棒23を回転して、ネジ棒23にねじ込んでいるナット材24を移動して、電源コイル11を誘導コイル51に接近させる。サーボモータ22は、電源コイル11をX軸方向に移動させるX軸サーボモータ22Aと、Y軸方向に移動させるY軸サーボモータ22Bとを備える。ネジ棒23は、電源コイル11をX軸方向に移動させる一対のX軸ネジ棒23Aと、電源コイル11をY軸方向に移動させるY軸ネジ棒23Bとを備える。一対のX軸ネジ棒23Aは、互いに平行に配設されて、ベルト25に駆動されてX軸サーボモータ22Aで一緒に回転される。ナット材24は、各々のX軸ネジ棒23Aにねじ込んでいる一対のX軸ナット材24Aと、Y軸ネジ棒23Bにねじ込んでいるY軸ナット材24Bからなる。Y軸ネジ棒23Bは、その両端を一対のX軸ナット材24Aに回転できるように連結している。電源コイル11はY軸ナット材24Bに連結している。
【0026】
さらに、図に示す移動機構13は、電源コイル11を水平な姿勢でY軸方向に移動させるために、Y軸ネジ棒23Bと平行にガイドロッド26を配設している。ガイドロッド26は、両端を一対のX軸ナット材24Aに連結しており、一対のX軸ナット材24Aと一緒に移動する。ガイドロッド26は、電源コイル11に連結されるガイド部27を貫通しており、電源コイル11をガイドロッド26に沿ってY軸方向に移動できるようにしている。すなわち、電源コイル11は、互いに平行に配設されるY軸ネジ棒23Bとガイドロッド26に沿って移動するY軸ナット材24Bとガイド部27を介して、水平な姿勢でY軸方向に移動する。
【0027】
この移動機構13は、X軸サーボモータ22AがX軸ネジ棒23Aを回転させると、一対のX軸ナット材24AがX軸ネジ棒23Aに沿って移動して、Y軸ネジ棒23Bとガイドロッド26をX軸方向に移動させる。Y軸サーボモータ22BがY軸ネジ棒23Bを回転させると、Y軸ナット材24BがY軸ネジ棒23Bに沿って移動して、電源コイル11をY軸方向に移動させる。このとき、電源コイル11に連結されたガイド部27は、ガイドロッド26に沿って移動して、電源コイル11を水平な姿勢でY軸方向に移動させる。したがって、X軸サーボモータ22AとY軸サーボモータ22Bの回転を位置検出制御器14で制御して、電源コイル11をX軸方向とY軸方向に移動できる。ただし、本発明の充電台は、移動機構を以上のメカニズムには特定しない。移動機構には、電源コイルをX軸方向とY軸方向に移動できる全ての機構を利用できるからである。
【0028】
さらに、本発明の充電台は、移動機構を、電源コイルをX軸方向とY軸方向に移動させる機構に特定しない。それは、本発明の充電台が、上面プレートに直線状のガイド壁を設けて、このガイド壁に沿って電池内蔵機器を載せる構造として、電源コイルをガイド壁に沿って直線上に移動できる構造とすることができるからである。この充電台は、図示しないが、電源コイルを、一方向、たとえばX軸方向にのみ移動できる移動機構として、電源コイルをガイド壁に沿って直線上に移動できる。
【0029】
位置検出制御器14は、上面プレート21に載せられた電池内蔵機器50の位置を検出する。
図1ないし
図4の位置検出制御器14は、電池内蔵機器50に内蔵される誘導コイル51の位置を検出して、電源コイル11を誘導コイル51に接近させる。さらに、位置検出制御器14は、誘導コイル51の位置を粗検出する第1の位置検出制御器14Aと、誘導コイル51の位置を精密検出する第2の位置検出制御器14Bとを備える。この位置検出制御器14は、第1の位置検出制御器14Aで誘導コイル51の位置を粗検出すると共に、移動機構13を制御して電源コイル11の位置を誘導コイル51に接近させた後、さらに、第2の位置検出制御器14Bで誘導コイル51の位置を精密検出しながら移動機構13を制御して、電源コイル11の位置を正確に誘導コイル51に接近させる。この充電台10は、速やかに、しかも、より正確に電源コイル11を誘導コイル51に接近できる。
【0030】
第1の位置検出制御器14Aは、
図5に示すように、上面プレート21の内面に固定している複数の位置検出コイル30と、この位置検出コイル30にパルス信号を供給するパルス電源31と、このパルス電源31から位置検出コイル30に供給されるパルスに励起されて誘導コイル51から位置検出コイル30に出力されるエコー信号を受信する受信回路32と、この受信回路32が受信するエコー信号から電源コイル11の位置を判別する識別回路33とを備える。
【0031】
位置検出コイル30は複数列のコイルからなり、複数の位置検出コイル30を上面プレート21の内面に所定の間隔で固定している。位置検出コイル30は、誘導コイル51のX軸方向の位置を検出する複数のX軸検出コイル30Aと、Y軸方向の位置を検出する複数のY軸検出コイル30Bとを備える。各々のX軸検出コイル30Aは、Y軸方向に細長いループ状であって、複数のX軸検出コイル30Aは、所定の間隔で上面プレート21の内面に固定されている。隣接するX軸検出コイル30Aの間隔(d)は、誘導コイル51の外径(D)よりも小さく、好ましくはX軸検出コイル30Aの間隔(d)を誘導コイル51の外径(D)の1倍ないし1/4倍としている。X軸検出コイル30Aは、間隔(d)を狭くして、誘導コイル51のX軸方向の位置を正確に検出できる。各々のY軸検出コイル30Bは、X軸方向に細長いループ状であって、複数のY軸検出コイル30Bは、所定の間隔で上面プレート21の内面に固定されている。隣接するY軸検出コイル30Bの間隔(d)も、X軸検出コイル30Aと同じように、誘導コイル51の外径(D)よりも小さく、好ましくはY軸検出コイル30Bの間隔(d)を誘導コイル51の外径(D)の1倍ないし1/4倍としている。Y軸検出コイル30Bも、その間隔(d)を狭くして、誘導コイル51のY軸方向の位置を正確に検出できる。
【0032】
パルス電源31は、所定のタイミングでパルス信号を位置検出コイル30に出力する。パルス信号が入力される位置検出コイル30は、パルス信号で接近する誘導コイル51を励起する。励起された誘導コイル51は、流れる電流のエネルギーでエコー信号を位置検出コイル30に出力する。したがって、誘導コイル51の近くにある位置検出コイル30は、
図7に示すように、パルス信号が入力された後、所定の時間遅れて、誘導コイル51からのエコー信号が誘導される。位置検出コイル30に誘導されるエコー信号は、受信回路32で識別回路33に出力される。したがって、識別回路33は、受信回路32から入力されるエコー信号でもって、位置検出コイル30に誘導コイル51が接近しているかどうかを判定する。複数の位置検出コイル30にエコー信号が誘導されるとき、識別回路33は、エコー信号レベルの大きい位置検出コイル30にもっとも接近していると判定する。
【0033】
図5に示す位置検出制御器14は、各々の位置検出コイル30を切換回路34を介して受信回路32に接続する。この位置検出制御器14は、入力を順番に切り換えて複数の位置検出コイル30に接続するので、ひとつの受信回路32で複数の位置検出コイル30のエコー信号を検出できる。ただし、各々の位置検出コイルに受信回路を接続してエコー信号を検出することもできる。
【0034】
図5の位置検出制御器14は、識別回路33で制御される切換回路34で複数の位置検出コイル30を順番に切り換えて受信回路32に接続する。パルス電源31は切換回路34の出力側に接続されて、位置検出コイル30にパルス信号を出力する。パルス電源31から位置検出コイル30に出力されるパルス信号のレベルは、誘導コイル51からのエコー信号に比較して極めて大きい。受信回路32は、入力側にダイオードからなるリミッター回路35を接続している。リミッター回路35は、パルス電源31から受信回路32に入力されるパルス信号の信号レベルを制限して受信回路32に入力する。信号レベルの小さいエコー信号は、制限されることなく受信回路32に入力される。受信回路32は、パルス信号とエコー信号の両方を増幅して出力する。受信回路32から出力されるエコー信号は、パルス信号から所定のタイミング、たとえば数μsec〜数百μsec遅れた信号となる。エコー信号がパルス信号から遅れる遅延時間は、一定の時間であるから、パルス信号から所定の遅延時間後の信号をエコー信号とし、このエコー信号のレベルから位置検出コイル30に誘導コイル51が接近しているかどうかを判定する。
【0035】
受信回路32は、位置検出コイル30から入力されるエコー信号を増幅して出力するアンプである。受信回路32は、パルス信号とエコー信号を出力する。識別回路33は、受信回路32から入力されるパルス信号とエコー信号から位置検出コイル30に誘導コイル51が接近してセットされるかどうかを判定する。識別回路33は、受信回路32から入力される信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ36を備えている。このA/Dコンバータ36から出力されるデジタル信号を演算してエコー信号を検出する。識別回路33は、パルス信号から特定の遅延時間の後に入力される信号をエコー信号として検出し、さらにエコー信号のレベルから誘導コイル51が位置検出コイル30に接近しているかどうかを判定する。
【0036】
識別回路33は、複数のX軸検出コイル30Aを順番に受信回路32に接続するように切換回路34を制御して、誘導コイル51のX軸方向の位置を検出する。識別回路33は、各々のX軸検出コイル30Aを受信回路32に接続する毎に、識別回路33に接続しているX軸検出コイル30Aにパルス信号を出力し、パルス信号から特定の遅延時間の後に、エコー信号が検出されるかどうかで、このX軸検出コイル30Aに誘導コイル51が接近しているかどうかを判定する。識別回路33は、全てのX軸検出コイル30Aを受信回路32に接続して、各々のX軸検出コイル30Aに誘導コイル51が接近しているかどうかを判定する。誘導コイル51がいずれかのX軸検出コイル30Aに接近していると、このX軸検出コイル30Aを受信回路32に接続する状態でエコー信号が検出される。したがって、識別回路33は、エコー信号を検出できるX軸検出コイル30Aから誘導コイル51のX軸方向の位置を検出できる。誘導コイル51が複数のX軸検出コイル30Aに跨って接近する状態では、複数のX軸検出コイル30Aからエコー信号が検出される。この状態において、識別回路33はもっとも強いエコー信号、すなわちレベルの大きいエコー信号が検出されるX軸検出コイル30Aにもっとも接近していると判定する。識別回路33は、Y軸検出コイル30Bも同じように制御して、誘導コイル51のY軸方向の位置を検出する。
【0037】
識別回路33は、検出するX軸方向とY軸方向から移動機構13を制御して、電源コイル11を誘導コイル51に接近する位置に移動させる。識別回路33は、移動機構13のX軸サーボモータ22Aを制御して、電源コイル11を誘導コイル51のX軸方向の位置に移動させる。また、移動機構13のY軸サーボモータ22Bを制御して、電源コイル11を誘導コイル51のY軸方向の位置に移動させる。
【0038】
以上のようにして、第1の位置検出制御器14Aが電源コイル11を誘導コイル51に接近する位置に移動させる。本発明の充電台は、第1の位置検出制御器14Aで電源コイル11を誘導コイル51に接近した後、電源コイル11から誘導コイル51に電力搬送して電池52を充電することができる。ただ、充電台は、さらに電源コイル11の位置を正確に制御して誘導コイル51に接近させた後、電力搬送して電池52を充電することができる。電源コイル11は、第2の位置検出制御器14Bでより正確に誘導コイル51に接近される。
【0039】
第2の位置検出制御器14Bは、交流電源12を自励式の発振回路として、自励式の発振回路の発振周波数から電源コイル11の位置を正確に検出して移動機構13を制御する。第2の位置検出制御器14Bは、移動機構13のX軸サーボモータ22AとY軸サーボモータ22Bを制御して、電源コイル11をX軸方向とY軸方向に移動させて、交流電源12の発振周波数を検出する。自励式の発振回路の発振周波数が変化する特性を
図8に示している。この図は、電源コイル11と誘導コイル51の相対的な位置ずれに対する発振周波数の変化を示している。この図に示すように、自励式の発振回路の発振周波数は、電源コイル11が誘導コイル51に最も接近する位置でもっとも高くなり、相対位置がずれるにしたがって発振周波数が低くなる。したがって、第2の位置検出制御器14Bは、移動機構13のX軸サーボモータ22Aを制御して電源コイル11をX軸方向に移動し、発振周波数が最も高くなる位置で停止する。また、Y軸サーボモータ22Bも同じように制御して電源コイル11をY軸方向に移動して、発振周波数が最も高くなる位置で停止する。第2の位置検出制御器14Bは、以上のようにして、電源コイル11を誘導コイル51に最も接近する位置に移動できる。
【0040】
以上の充電台は、第1の位置検出制御器14Aで誘導コイル51の位置を粗検出した後、さらに第2の位置検出制御器14Bで微調整して電源コイル11を誘導コイル51に接近させるが、
図9に示す以下の位置検出制御器64は、微調整することなく電源コイル11を誘導コイル51に接近できる。
【0041】
この位置検出制御器64は、
図9に示すように、上面プレートの内面に固定している複数の位置検出コイル30と、この位置検出コイル30にパルス信号を供給するパルス電源31と、このパルス電源31から位置検出コイル30に供給されるパルスに励起されて誘導コイル51から位置検出コイル30に出力されるエコー信号を受信する受信回路32と、この受信回路32が受信するエコー信号から電源コイル11の位置を判別する識別回路73とを備える。さらに、この位置検出制御器64は、識別回路73に、誘導コイル51の位置に対する各々の位置検出コイル30に誘導されるエコー信号のレベル、すなわち
図7に示すように、各々の位置検出コイル30をパルス信号で励起して所定の時間経過後に誘導されるエコー信号のレベルを記憶する記憶回路77を備えている。この位置検出制御器64は、各々の位置検出コイル30に誘導されるエコー信号のレベルを検出し、検出したエコー信号のレベルを記憶回路77に記憶しているエコー信号のレベルに比較して、誘導コイル51の位置を検出している。
【0042】
この位置検出制御器64は、以下のようにして、各々の位置検出コイル30に誘導されるエコー信号のレベルから、誘導コイル51の位置を求めている。
図9に示す位置検出コイル30は、誘導コイル51のX軸方向の位置を検出する複数のX軸検出コイル30Aと、Y軸方向の位置を検出する複数のY軸検出コイル30Bとを備え、複数の位置検出コイル30を上面プレート21の内面に所定の間隔で固定している。各々のX軸検出コイル30Aは、Y軸方向に細長いループ状であって、各々のY軸検出コイル30Bは、X軸方向に細長いループ状としている。
図10は、誘導コイル51をX軸方向に移動させる状態における、X軸位置検出コイル30Aに誘導されるエコー信号のレベルを示しており、横軸が誘導コイル51のX軸方向の位置を示し、縦軸が各々のX軸位置検出コイル30Aに誘導されるエコー信号のレベルを示している。この位置検出制御器64は、各々のX軸位置検出コイル30Aに誘導されるエコー信号のレベルを検出することによって、誘導コイル51のX軸方向の位置を求めることができる。この図に示すように、誘導コイル51をX軸方向に移動すると、各々のX軸位置検出コイル30Aに誘導されるエコー信号のレベルは変化する。たとえば、誘導コイル51の中心が第1のX軸位置検出コイル30Aの中心にあるとき、
図10の点Aで示すように、第1のX軸位置検出コイル30Aに誘導されるエコー信号のレベルが最も強くなる。また、誘導コイル51が第1のX軸位置検出コイル30Aと第2のX軸位置検出コイル30Aの中間にあるとき、
図10の点Bで示すように、第1のX軸位置検出コイル30Aと第2のX軸位置検出コイル30Aに誘導されるエコー信号のレベルは同じとなる。すなわち、各々のX軸位置検出コイル30Aは、誘導コイル51が最も近くにあるときに誘導されるエコー信号のレベルが最も強くなり、誘導コイル51が離れるにしたがってエコー信号のレベルは小さくなる。したがって、どのX軸位置検出コイル30Aのエコー信号のレベルが最も強いかで、誘導コイル51がどのX軸位置検出コイル30Aに最も接近しているかを判定できる。また、ふたつのX軸位置検出コイル30Aにエコー信号が誘導されるとき、強いエコー信号を検出するX軸位置検出コイル30Aからどの方向にあるX軸位置検出コイル30Aにエコー信号が誘導されるかで、最もエコー信号の強いX軸位置検出コイル30Aからどの方向にずれて誘導コイル51があるかを判定でき、また、エコー信号のレベル比でふたつのX軸位置検出コイル30Aとの相対位置を判定できる。たとえば、ふたつのX軸位置検出コイル30Aのエコー信号のレベル比が1であると、誘導コイル51はふたつのX軸位置検出コイル30Aの中央に位置すると判定できる。
【0043】
識別回路73は、誘導コイル51のX軸方向の位置に対する、各々のX軸位置検出コイル30Aに誘導されるエコー信号のレベルを記憶回路77に記憶している。誘導コイル51が置かれると、いずれかのX軸位置検出コイル30Aにエコー信号が誘導される。したがって、識別回路73は、X軸位置検出コイル30Aに誘導されるエコー信号で誘導コイル51が載せられたこと、すなわち電池内蔵機器50が充電台10に載せられたことを検出する。さらに、いずれかのX軸位置検出コイル30Aに誘導されるエコー信号のレベルを、記憶回路77に記憶しているレベルに比較して、誘導コイル51のX軸方向の位置を判別することができる。識別回路は、隣接するX軸位置検出コイルに誘導されるエコー信号のレベル比から誘導コイルのX軸方向の位置を特定する関数を記憶回路に記憶して、この関数から誘導コイルの位置を判別することもできる。この関数は、ふたつのX軸位置検出コイルの間に誘導コイルを移動させて、各々のX軸位置検出コイルに誘導されるエコー信号のレベル比を検出して求められる。識別回路73は、ふたつのX軸位置検出コイル30Aに誘導されるエコー信号のレベル比を検出し、検出されるレベル比から、この関数に基づいてふたつのX軸位置検出コイル30Aの間における誘導コイル51のX軸方向の位置を演算して検出することができる。
【0044】
以上は、識別回路73が、X軸位置検出コイル30Aに誘導されるエコー信号から、誘導コイル51のX軸方向の位置を検出する方法を示すが、誘導コイル51のY軸方向の位置もX軸方向と同じようにして、Y軸位置検出コイル30Bに誘導されるエコー信号から検出できる。
【0045】
識別回路73が、誘導コイル51のX軸方向とY軸方向の位置を検出すると、この識別回路73からの位置信号でもって、位置検出制御器64は電源コイル11を誘導コイル51の位置に移動させる。
なお、上記のような波形のエコー信号が検出されたとき、充電台の識別回路73は、電池内蔵機器50の誘導コイル51が搭載されたと認識、識別することができる。エコー信号の波形とは異なる波形が検出、識別されるときは、電池内蔵機器50の誘導コイル51以外(例えば、金属異物)のものが搭載されたとして、電力供給を停止することができる。また、エコー信号の波形が検出、識別されないときは、電池内蔵機器50の誘導コイル51が搭載されていないとして、電力供給をしない。
【0046】
充電台10は、位置検出制御器14、64で移動機構13を制御して電源コイル11を誘導コイル51に接近させた状態で、交流電源12で電源コイル11に交流電力を供給する。電源コイル11の交流電力は誘導コイル51に電力搬送されて、電池52の充電に使用される。電池内蔵機器50は、電池52が満充電されたことを検出すると、充電を停止して、満充電信号を充電台10に伝送する。電池内蔵機器50は、誘導コイル51に満充電信号を出力し、この満充電信号を誘導コイル51から電源コイル11に伝送して、充電台10に満充電の情報を伝送することができる。この電池内蔵機器50は、交流電源12と異なる周波数の交流信号を誘導コイル51に出力し、充電台10はこの交流信号を電源コイル11で受信して満充電を検出することができる。また、電池内蔵機器50が特定周波数の搬送波を満充電信号で変調する信号を誘導コイル51に出力し、充電台10が特定周波数の搬送波を受信し、この信号を復調して満充電信号を検出することもできる。さらに、電池内蔵機器は、満充電信号を充電台に無線伝送して、満充電の情報を伝送することもできる。この電池内蔵機器は、満充電信号を送信する送信器を内蔵しており、充電台は満充電信号を受信する受信器を内蔵する。
図6に示す位置検出制御器14は、内蔵電池52の満充電を検出する満充電検出回路17を内蔵している。この満充電検出回路17は、電池内蔵機器50から出力される満充電信号を検出して、電池52の満充電を検出する。
【0047】
複数の電池内蔵機器50を載せることができる上面プレート21の充電台10は、複数の電池内蔵機器50の電池52を順番に切り換えて満充電する。この充電台10は、最初にいずれかの電池内蔵機器50の誘導コイル51の位置を検出して、この誘導コイル51に電源コイル11を接近させて、この電池内蔵機器50の電池52を満充電する。この電池内蔵機器50の電池52が満充電されて、満充電検出回路17が満充電信号を受信すると、位置検出制御器14は、この電池内蔵機器50とは別の位置にセットされる第2の電池内蔵機器50の誘導コイル51の位置を検出し、移動機構13を制御して電源コイル11を第2の電池内蔵機器50の誘導コイル51に接近させる。この状態で、第2の電池内蔵機器50の電池52に電力搬送して、この電池52を満充電する。さらに、第2の電池内蔵機器50の電池52が満充電されて、第2の電池内蔵機器50からの満充電信号を満充電検出回路17が受信すると、位置検出制御器14が、さらに第3の電池内蔵機器50の誘導コイル51を検出して、移動機構13を制御して第3の電池内蔵機器50の誘導コイル51に電源コイル11を接近させて、この電池内蔵機器50の電池52を満充電する。以上のように、複数の電池内蔵機器50が上面プレート21にセットされると、次々と電池内蔵機器50を切り換えて内蔵電池52を満充電する。この充電台10は、満充電された電池内蔵機器50の位置を記憶して、満充電された電池内蔵機器50の電池52を充電しない。上面プレート21の上にセットされる全ての電池内蔵機器50の電池52を満充電したことを検出すると、充電台10は、交流電源12の動作を停止して電池52の充電を停止する。ここで、上記の実施例では、電池内蔵機器50の電池52が満充電されると充電を停止しているが、電池52が所定容量となったときを満充電として充電を停止してもよい。
【0048】
図6に示す第2の位置検出制御器14Bは、自励式の発振回路の発振周波数の変化から電源コイル11と誘導コイル51の相対位置を判定するが、電源コイルと誘導コイルとの相対位置を微調整する第2の位置検出制御器は、電源コイルの電圧、電源コイルに電力を供給する交流電源の消費電力、あるいは誘導コイルに誘導される電流から電源コイルの誘導コイルに対する相対位置を検出することができる。この第2の位置検出制御器は、発振周波数を変化させる必要がないので、他励式の発振回路とすることができる。
【0049】
図11において、電源コイル11の電圧から誘導コイル51に対する電源コイル11の相対位置を検出する第2の位置検出制御器14Cは、電源コイル11に発生している交流電圧を整流して直流電圧に変換し、その電圧を検出する電圧検出回路83を内蔵している。この第2の位置検出制御器14Cは、電源コイル11を移動させて、電源コイル11の電圧を電圧検出回路83で検出する。電源コイル11と誘導コイル51の相対位置に対して電源コイル11の電圧が変化する特性を
図12に示している。この図は、電源コイル11と誘導コイル51の相対的な位置ずれに対する電源コイル11の電圧の変化を示している。この図に示すように、電源コイル11の電圧は、電源コイル11が誘導コイル51に最も接近する位置でもっとも低くなり、相対位置がずれるにしたがって電圧が高くなる。したがって、第2の位置検出制御器14Cは、移動機構13のX軸サーボモータ22Aを制御して電源コイル11をX軸方向に移動し、電源コイル11の電圧が最も低くなる位置で停止する。また、Y軸サーボモータ22Bも同じように制御して電源コイル11をY軸方向に移動して、電源コイル11の電圧が最も低くなる位置で停止する。第2の位置検出制御器14Cは、以上のようにして、電源コイル11を誘導コイル51に最も接近する位置に移動できる。
【0050】
また、
図11において、電源コイル11に電力を供給する交流電源82の消費電力から誘導コイル51に対する電源コイル11の相対位置を検出する第2の位置検出制御器14Cは、交流電源82の消費電力を検出する消費電力検出回路84を内蔵している。この第2の位置検出制御器14Cは、電源コイル11を移動させて、交流電源82の消費電力を消費電力検出回路84で検出する。電源コイル11と誘導コイル51の相対位置に対して交流電源82の消費電力が変化する特性を
図13に示している。この図は、電源コイル11と誘導コイル51の相対的な位置ずれに対する交流電源82の消費電力の変化を示している。この図に示すように、交流電源82の消費電力は、電源コイル11が誘導コイル51に最も接近する位置でもっとも小さくなり、相対位置がずれるにしたがって消費電力が大きくなる。したがって、第2の位置検出制御器14Cは、移動機構13のX軸サーボモータ22Aを制御して電源コイル11をX軸方向に移動し、交流電源82の消費電力が最も小さくなる位置で停止する。また、Y軸サーボモータ22Bも同じように制御して電源コイル11をY軸方向に移動して、交流電源82の消費電力が最も低くなる位置で停止する。第2の位置検出制御器14Cは、以上のようにして、電源コイル11を誘導コイル51に最も接近する位置に移動できる。
【0051】
さらに、
図11において、誘導コイル51の電流からから誘導コイル51に対する電源コイル11の相対位置を検出する第2の位置検出制御器14Cは、誘導コイル51の電流を検出する回路を内蔵している。この第2の位置検出制御器14Cは、誘導コイル51の電流を電池内蔵機器90側で検出して検出した電流で搬送波を変調して充電台80に無線伝送する送信回路95と、この送信回路95から送信される信号を充電台80側で受信し、この信号を復調して誘導コイル51の電流を検出する受信回路85とを備えている。この第2の位置検出制御器14Cは、電源コイル11を移動させて、誘導コイル51の電流を検出する。電源コイル11と誘導コイル51の相対位置に対して誘導コイル51の電流が変化する特性を
図13に示している。この図は、電源コイル11と誘導コイル51の相対的な位置ずれに対する誘導コイル51の変化を示している。この図に示すように、誘導コイル51の電流は、電源コイル11が誘導コイル51に最も接近する位置でもっとも大きくなり、相対位置がずれるにしたがって電流が小さくなる。したがって、第2の位置検出制御器14Cは、移動機構13のX軸サーボモータ22Aを制御して電源コイル11をX軸方向に移動し、誘導コイル51の電流が最も大きくなる位置で停止する。また、Y軸サーボモータ22Bも同じように制御して電源コイル11をY軸方向に移動して、誘導コイル51の電流が最も大きくなる位置で停止する。第2の位置検出制御器14Cは、以上のようにして、電源コイル11を誘導コイル51に最も接近する位置に移動できる。
【0052】
以上の移動機構13は、電源コイル11をX軸方向とY軸方向とに移動して、電源コイル11を誘導コイル51に最も近い位置に移動させるが、本発明は、移動機構がX軸方向とY軸方向とに電源コイルを移動して、電源コイルの位置を誘導コイルに接近させる構造には特定せず、電源コイルは種々の方向に移動させて、誘導コイルに接近することもできる。