(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1つ以上の埋込型永久磁石(50,52;150,152,154;250,252)によって形成された磁極によって励起される電気機械(10;200)用の回転子(40,240)であって、
磁性体(140,214)と、前記磁性体(140;214)と共に回転方向に沿って交互の磁気極性を持つ第1磁極(N)及び第2磁極(S)を形成する前記1つ以上の埋込型永久磁石(50,52;150,152,154;250,252)と、からなっており、前記1つ以上の埋込型永久磁石(50,52;150,152,154;250,252)のうちの少なくとも1つに関しては、回転子セグメント(44,44a,44b;244)が前記1つ以上の埋込型永久磁石(50,52;150,152,154;250,252)と前記磁性体(140;214)が固定子に面する第1表面(40a;240a)との間に配設される回転子において、
互いに分離した、前記磁性体(140)の軸方向長さもしくは磁性体(214)の半径方向長さと略等しい少なくとも1つの保持要素(60,70,90;160,170,180,190,192,194;260)が、前記磁性体(140,214)の一部に係合して、前記回転子セグメント(44;244)を前記磁性体(140,214)の一部に接続し、
前記回転子セグメント(44,44a,44b)及び/又は前記埋込型永久磁石(50,52;150,152,154)のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの保持要素(60,70,90;160,170,180,190,192,194;260)によって連結され、磁性体(140,214)の半径方向もしくは軸方向の位置を固定され、
非導磁性領域(60a,70a,90a;160a,170a,180a,190a)が前記1つ以上の埋込型永久磁石(50,52;150,152,154;250,252)のうちの少なくとも1つに割り当てられており、前記非導磁性領域(60a,70a,90a;160a,170a,180a,190a)が前記少なくとも1つ保持要素(60,70,90;160,170,180,190,192,194;260)に含まれることを特徴とする回転子。
前記少なくとも1つの保持要素(60,70,90;160,170,180,190;260)は、(i)形状固定、(ii)摩擦固定、又は(iii)前記保持要素(60,70,90;160,170,180,190,192,194;260)が前記回転子セグメント(44;244)と一体的に連結することのうちの少なくとも1つによって、前記回転子セグメント(44,44a,44b;244)及び/又は前記埋込型永久磁石(50,52;150,152,154;250,252)を固定することを特徴とする、請求項1に記載の回転子。
前記1つ以上の埋込型永久磁石(50,52;150,152,154)は、前記磁性体(140)に円周方向(102)に交互に配設されて、前記円周方向(102)に交互の磁気極性を持つ第1磁極(N)及び第2磁極(S)を形成すること、及び/又は、前記回転子セグメント(44,44a,44b)は、前記1つ以上の埋込型永久磁石(50,52;150,152,154)と前記磁性体(140)の前記第1表面(40a)との間に略半径方向に配設されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の回転子。
前記1つ以上の埋込型永久磁石(50,52;150,152,154)は、互いに半径方向距離をおいて前記磁性体(140)の半径方向に積み重ねられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の回転子。
前記1つ以上の埋込型永久磁石(250,252)は、前記磁性体(214)の少なくとも1つの正面に交互に配設されて、前記磁性体(214)の前記正面(240a)に交互の磁気極性を持つ第1磁極(N)及び第2磁極(S)を形成すること、及び/又は、前記回転子セグメント(244)は、前記1つ以上の埋込型永久磁石(250,252)と前記磁性体(214)の前記第1表面(240a)との間に略軸方向に配設されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の回転子。
前記少なくとも1つの保持要素(60,70,90;160,170,180,190,192,194;260)は、前記磁性体(140;214)の前記第1表面(40a;240a)と同一面上に配設された外縁部(62,72,92;262)を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の回転子。
前記少なくとも1つの保持要素(60,70,90;160,170,180,190,192,194;260)は、前記1つ以上の埋込型永久磁石(50,52;150,152,154;250,252)の外縁部に配設されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の回転子。
前記少なくとも1つの保持要素(90;160,170,180,190)は、2つの隣接する埋込型永久磁石(50,52;150,152,154,250,252)の間に配設されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の回転子。
前記埋込型永久磁石(50,52;150,152,154)のうちの少なくとも1つの外縁部(50a,52a)の前記非導磁性領域(60a,70a)はエアポケットを含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の回転子。
前記少なくとも1つの保持要素(60,70,90;160,170,180,190)は、前記磁性体(140)の軸方向スロット(42a,42b,42c)に配設されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の回転子。
前記少なくとも1つの保持要素(60,70,90;160,170,180,190,192,194;260)は、炭素繊維、炭素繊維複合材、ガラス繊維、ガラス繊維複合材、ポリマー繊維、ポリマー繊維複合材、セラミック、プラスチックの少なくとも1つからなることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の回転子。
前記少なくとも1つの保持要素(60,70,90;160,170,180,190,192,194;260)は、粉末から製造され、前記磁性体(140;214)と同時焼結されることを特徴とする、請求項14に記載の回転子。
前記磁性体(140;214)の適切な位置に前記少なくとも1つの回転子セグメント(44;244)を保持することをサポートするために、1つ以上のバンデージ(56)が設けられることを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の回転子。
半径方向磁束機(10)用の前記回転子(40)が前記固定子(20)を囲む外部回転子(40)として構成されること、或いは前記回転子(40)が前記固定子(20)に囲まれた内部回転子(40)として構成されること、或いは軸方向磁束機(200)用又はリニア機用の前記回転子(240)が2つの外部回転子(240)間に配設された固定子(220)を備える外部回転子(240)として構成されるか、又は2つの固定子(220)に囲まれた内部回転子(240)として構成されることを特徴とする、請求項17又は18に記載の電気機械。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、一般的な埋込型永久磁石回転子と比べて重量を削減する性能及び可能性が向上し、埋込型永久磁石の利点を維持しながら機械性能が向上することになった埋込型永久磁石(PM)回転子を提供することである。
【0007】
別の目的は、同じ量の埋込型永久磁石が利用されている埋込型永久磁石を備えた従来のPM機と比べて、埋込型永久磁石の利点を維持しながら性能が向上した埋込型永久磁石(PM)電気機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、独立請求項の特徴によって達成される。その他の請求項及び説明は、本発明の有利な実施形態を開示している。
【0009】
1つ以上の埋込型永久磁石によって形成された磁極によって励起される電気機械用の回転子であって、磁性体と、該磁性体と共に回転子方向に沿って交互の磁気極性を持つ第1磁極及び第2磁極を形成する該1つ以上の埋込型永久磁石とからなっており、該1つ以上の埋込型永久磁石のうちの少なくとも1つに関しては、回転子セグメントが該1つ以上の埋込型永久磁石と該磁性体の第1表面との間に配設される回転子が提供される。少なくとも1つの保持要素が、該回転子セグメントを該磁性体の一部に接続する。
【0010】
回転子セグメントは、半径方向磁束機用の回転子シェル、軸方向磁束機用の回転子の正面、又はリニア機の縦方向延長部に円周方向に配置することができる。好都合なことに、保持要素は、埋込型永久磁石及び回転子セグメントを磁性体に直接的又は間接的に固定する。保持要素は、例えば、半径方向磁束機の場合には断面から、又は軸方向磁束機の場合には側面から見ると、磁性体の1つ以上の凹部に突出する、又は磁性体が突出する1つ以上の凹部を有する楔のように形成してもよい。例えば、保持要素が、回転子セグメントと磁性体の主要部との間に配設されているため、回転子セグメントには当接して固定するが埋込型永久磁石自体には当接して固定しない場合、回転子セグメントが保持要素によって磁性体に直接的に固定されていれば、埋込型永久磁石は間接的に固定されることになる。保持要素は、埋込型永久磁石の1つ以上の縁部に有利に配設することができる。保持要素は、非導磁性領域を含んでもよい。半径方向磁束機の内部回転子設計の場合、そのような保持要素は、便宜上、求心力によって生じる負荷に耐えるための高い機械強度も有している。好都合なことに、非導磁性材料を使用することによって、漏れ磁束を減らす、又はなくすことさえもできる。
【0011】
本発明は、あらゆる電気機械トポロジー(例えば、内部及び外部回転子機械、内部又は外部回転子を備えた半径方向磁束機、内部又は外部回転子を備えた軸方向磁束機、リニア機等)、あらゆる種類の埋込型回転子トポロジー(例えば、単一の埋込型永久磁石、複数の積層化された埋込型永久磁石、整列した又はV字形の埋込型永久磁石構成を備えたもの)、及びあらゆる形状の永久磁石(長方形、ブレッドローフ型等)に適用可能である。回転子は、回転子の回転軸に沿って軸方向に積み重ねられた積層鉄板(半径方向磁束機では一般的である)、回転軸の周囲に巻き付けられた、即ち半径方向に積み重ねられた(軸方向磁束機では一般的である)積層鉄板、鉄粉材料又は強磁性材料によって製造することができる。
【0012】
好ましい実施形態によれば、非導磁性領域は、1つ以上の埋込型永久磁石のうちの少なくとも1つに割り当てられる。好都合なことに、保持要素は非導磁性領域を含んでもよい。特に、保持要素は非導磁性領域を構成する。そのため、非導磁性領域の形状は、保持要素の形状によって決定することができる。保持要素は、回転子の磁性体の所要の剛性に容易に適応させることができる。例えば、剛性は、磁性体の剛性と同じであってもよく、通常は電気機械の動作中に構成部品に作用する力を考慮して、回転子の所望のレイアウトに必要とされるように高くすることができる。回転子材料、例えば鉄の積層板を別の非導磁性材料によって置き換えた結果として、磁気回転子損失もまた減少することになる。
【0013】
有利な実施形態では、少なくとも1つの保持要素は、(i)形状固定、(ii)摩擦固定、及び/又は(iii)保持要素が回転子セグメントと一体的に連結することのうちの少なくとも1つによって、回転子セグメント及び/又は1つ以上の埋込型永久磁石を固定することができる。好都合なことに、少なくとも1つの保持要素は、回転子セグメントの位置を安定させることができる。埋込型永久磁石及び回転子セグメントの安定配置を達成することができる。追加的又は代替的には、保持要素は、埋込型永久磁石及び/又は回転子セグメントの1つ以上の凹部に係合させてもよい。
【0014】
好ましい実施形態によれば、特に半径方向磁束機では、回転子セグメント及び/又は埋込型永久磁石のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの保持要素によって半径方向位置に固定される。保持要素は、一般的には磁性体の内部に、代替的には少なくとも部分的に磁性体の外部に配設することができる。
【0015】
好都合なことに、半径方向磁束機では、1つ以上の埋込型永久磁石は、磁性体に円周方向に交互に配設されて、円周方向に交互の磁気極性を持つ第1磁極及び第2磁極を形成することができ、且つ/又は、回転子セグメントは、が1つ以上の埋込型永久磁石と磁性体の第1表面との間に略半径方向に配設することができる。少なくとも1つの保持要素は、電気機械の実際の回転子設計に容易に適応させることができる。有利には、回転子上の埋込型永久磁石及び回転子セグメントの安定配置は、回転子の回転速度が高くても、また固定子コイル内の高電流によって発生した力が大きくても、確立することができる。好都合なことに、磁性体の第1表面は固定子に面して設けられる。内部回転子の場合、第1表面は回転子の内面である。特に、第1表面は、回転子の外側のシェル表面(回転子が固定子に囲まれて設けられている場合)又は回転子の内側のシェル表面(回転子が固定子を囲んで設けられている場合)である。
【0016】
一般的に、あらゆるタイプの電気機械及び回転子では、少なくとも1つの保持要素は各埋込型永久磁石及び/又は各磁極の両方の外側に配設することができる。保持要素の目的は、回転子セグメント及び永久磁石を固定し、それらを適切な位置に固定し続けると共に、非導磁性領域を含んでいる場合、漏れ磁束を減らす又はなくすことである。半径方向磁束機の外部回転子設計の場合、固定子が回転子に囲まれている場合には、回転子セグメント及び埋込型永久磁石は、固定子に面して設けられた回転子の内側に配設される。遠心力は回転子の外側に向けられるので、遠心力は、埋込型永久磁石及び/又は回転子セグメントに、それらの半径方向位置を安定させるように作用する。そのため、そのような外部回転子構成における保持要素の目的は、主に漏れ磁束を減らす又はなくすことである。
【0017】
好ましい実施形態によれば、特に半径方向磁束機では、1つ以上の埋込型永久磁石は、互いに半径方向距離をおいて磁性体の半径方向に積み重ねられる。このことは、特に、多層埋込型永久磁石を備えた半径方向磁束機用の回転子にとって有利である。多層埋込型永久磁石を備えたある構成では、1つの埋込型永久磁石が半径方向において2つの回転子セグメントの間に挟まれており、その場合、各々が回転子セグメント間に挟まれる2つ以上の埋込型永久磁石を設けることができる。保持要素は、埋込型永久磁石及び/又は回転子セグメントの両側に配設されて、各々が埋込型永久磁石及び/又は回転子セグメントを磁性体の適切な位置に固定することができる。1つの保持要素は、回転子の所望の設計に応じて、2つの埋込型永久磁石の間、及び/又は埋込型永久磁石の対向する外側端部の各々に配設することができる。別の構成では、保持要素は、埋込型永久磁石の外縁部にのみ円周方向に配設することができる。
【0018】
好ましい実施形態によれば、特に軸方向磁束機用の回転子では、回転子セグメント及び/又は埋込型永久磁石のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの保持要素によって軸方向位置に固定される。このことは、軸方向磁束機用の回転子にとって有利である。回転子セグメントは、電気機械の傾斜に関係なくしっかりと固定される。
【0019】
好ましい実施形態によれば、特に軸方向磁束機用の回転子では、1つ以上の埋込型永久磁石は、磁性体の少なくとも1つの正面に交互に配設されて、磁性体の正面に交互の磁気極性を持つ第1磁極及び第2磁極を形成することができる。回転子セグメントは、1つ以上の埋込型永久磁石と磁性体の第1表面との間に略軸方向に配設することができる。回転子セグメントは、使用中の電気機械の配向に関係なく軸方向にしっかりと固定される。保持要素の適切な形状と高い機械強度によって、回転子の回転速度が高くても、埋込型永久磁石の位置を半径方向にも固定することができる。
【0020】
別の有利な実施形態では、少なくとも1つの保持要素は、磁性体の第1表面と同
一面上に配設された外縁部を有する。回転子の表面は、製造時に容易に整えることができる。
【0021】
代替的実施形態では、保持要素は、前記第1表面と非同
一面上に配設することができる。そのような構成では、保持要素は磁性体から空隙に向かって突き出ている。この解決策によって、突出部分がファンの羽根のような働きをすることができるので、空隙の冷却を向上させることもできる。
【0022】
更に、磁性体の第1表面と同
一面上に配設された保持要素の外縁部によって、特にセラミック又はその他の非導電性材料が炭素繊維の代わりに利用されている場合は、非導磁性領域と磁性体の第1表面との間で磁性体の一部において急冷された磁束によって生じる磁気損失を減少させることができる。重複領域のために、埋込型永久磁石は、半径方向磁束機用の回転子の場合には(回転速度が高くても)、回転子セグメントによって半径方向位置に直接的又は間接的に保持される。保持要素は、回転子の回転中の振動を避けるため、また固定子巻線を流れる電流によって生じる埋込型永久磁石に作用する力を防ぐために、埋込型永久磁石(及び回転子セグメント)を磁性体の適切な位置に保持するだけでなく、埋込型永久磁石を安定させることもできる。好都合なことに、回転子特性の劣化を減らすことが可能である。例えば、3つの異なるタイプの関連要素、即ち、埋込型永久磁石、保持要素及び積層板の間の公差があまりに大きい場合は、回転子の製造時に生じる可能性がある望ましくない隙間を、回転子本体に加えられたエポキシで満たすことができる。
【0023】
便宜上、保持要素は、1つ以上の埋込型永久磁石の外縁部に配設することができる。従って、回転子セグメントは、埋込型永久磁石の縁部を実質的に覆うことになる。保持要素の導入により磁性体の有効磁気領域及び/又は有効磁気容積が減少することが、回転子の設計において様々な要素(構成部品)の公差の原因となる。
【0024】
このことは、磁性体の埋込型永久磁石が回転子の円周方向の延長部の各端部にそのような保持要素を備えることができる場合に有利である。埋込型永久磁石に対する保持要素の配置により、シェル表面から材料を除去することによって磁性材の第1表面を整えて、第1表面と保持要素の同
一面関係を提供することができる。好ましくは、第1表面は固定子に面して設けられる。便宜上、回転子の磁性体に配設された各埋込型永久磁石は、少なくとも1つの回転子セグメントを備えている。このことは、回転子の全ての埋込型永久磁石が、特に各埋込型永久磁石の両方の自由端、例えば両方の円周方向端部に少なくとも1つの保持要素を備えている場合に好都合である。保持要素の形状は、回転子の所望の磁気特性及び機械強度に関して最適化することができ、埋込型永久磁石の数、寸法及び形状、埋込型永久磁石の半径方向位置、並びに回転子の特性を決定するその他の設計パラメータに適応させることができる。
【0025】
少なくとも1つの保持要素が2つの埋込型永久磁石の間に配設される場合、内部に配設された保持要素を設けることができる。外縁部において、更なる保持要素を配設すること、又はエアポケットを配設することさえも可能である。後者の場合、回転子の重量を更に削減することができる。
【0026】
好都合な実施形態では、少なくとも1つの保持要素を磁性体の軸方向スロットに配設することができる。一般的に、回転子の保持要素は同一断面を備えて作ることができる。しかしながら、回転子設計に応じて、様々な断面の保持要素を使用することもできる。しかしながら、磁極の対向端部に配設された保持要素は、通常は鏡面対称形状を持っている。
【0027】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの保持要素は、炭素繊維、炭素繊維複合材、ガラス繊維、ガラス繊維複合材、例えばアラミド繊維のようなポリマー繊維、ポリマー繊維複合材、セラミック、及び積層板と同様の又は積層板より優れた機械強度を有するプラスチックの少なくとも1つからなっている。特に、材料は非導磁性材料であってよい。保持要素は、磁性体又は埋込型永久磁石とは別に製造することができる。そのため、保持要素は、回転子の磁性体の埋込型永久磁石の実際の形状及び/又は配置に従って成形することができる。例えば、炭素繊維複合材はロバストであって、低比重量を有する。便宜上、炭素繊維複合材で作られた保持要素は、例えば、保持要素の表面にワニスポリマー樹脂のような材料を堆積させることによって、低い導電率を有するように構成することができる。
【0028】
別の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの保持要素は、1つ以上の埋込型永久磁石の外面形状の一部に当接することができ、且つ/又は、埋込型永久磁石及び/又は磁性体及び/又は回転子セグメントの凹部に係合することができる。追加的又は代替的には、埋込型永久磁石及び/又は磁性体及び/又は回転子セグメントは、保持要素の凹部に係合させてもよい。埋込型永久磁石及び/又は磁性体及び/又は回転子セグメントに関する保持要素のそのような交差指型又は鋸歯状構成によって、各々の前記構成部品は、固定子巻線の回転速度が非常に高かったり高電流であったりしても、確実に半径方向位置に直接的又は間接的に固定することができる。
【0029】
別の好ましい実施形態によれば、磁性体は積み重ねられた積層板から作ることができる。この実施形態では、埋込型永久磁石及び保持要素のための開口部は、シート材料から打ち抜きによって容易に製造することができる。この製造ステップは、そのような回転子の大容量連続生産に特に役立つ。好都合な製造プロセスは、(i)磁性体及び回転子セグメントが小さな鉄ブリッジによって最初に取り付けられるように回転子積層板を打ち抜くステップと、(ii)埋込型永久磁石及び保持要素を磁性体の各スロットに配置するステップと、(iii)例えば研削によって、鉄ブリッジを除去するステップとを含む。
【0030】
別の好ましい実施形態によれば、磁性体は鉄粉から作ることができる。埋込型永久磁石のための開口部は、焼結成形で設けることができる。磁性体は、粉末を焼結することによって製造することができる。このことは、少なくとも1つの保持要素が粉末から製造し、磁性体と同時焼結させることができる場合に好都合である。そのような場合、磁性体及び保持要素は1つのステップで製造することができる。そのため、保持要素の開口部と保持要素との間の製造公差を減少させることができる。好都合な実施形態では、回転子セグメント及び回転子セグメントと関連する保持要素は、同時焼結させて、積み重ねられた積層板から構成されるか又は鉄粉材料から焼結される回転子磁性体に配設することができる。
【0031】
別の好ましい実施形態によれば、保持要素は、磁性体の適切な位置に回転子セグメントを保持する1つ以上のバンデージによってサポートすることができる。このことは、それほど高くない負荷が回転子にかかっている場合、及び保持要素がそれに匹敵して小さく設計されている場合に有利である。
【0032】
本発明の別の態様は、上記の特徴のいずれか1つに従った、固定子を備えると共に、1つ以上の埋込型永久磁石によって形成された磁極を備えた回転子によって励起される電気機械に関する。
【0033】
好都合なことに、電気機械の回転子は上記の利点のいずれか1つを提供することができる。
【0034】
電気機械は、半径方向磁束機、軸方向磁束機又はリニア機用に構成されている回転子を有する。
【0035】
追加的又は代替的には、半径方向磁束機用の回転子は固定子を囲む外部回転子として構成するか、又は固定子に囲まれた内部回転子として構成することができ、軸方向磁束機用又はリニア機用の回転子は2つの外部回転子間に配設された固定子を備える外部回転子として構成するか、又は2つの固定子に囲まれた内部回転子として構成することができる。
【0036】
保持要素は、電気機械の所望の用途に合わせて容易に配設及び成形することができる。内部又は外部回転子のそのような設計は、半径方向磁束機を参照している。機械は、軸方向磁束機又はリニア機として設計することもできる。多層の埋込型永久磁石の場合には、上の2層の埋込型永久磁石と下の層に別の埋込型永久磁石とが存在することになる。
【0037】
電気機械は、低損失及び高トルク密度が必要とされる様々な用途、便宜上、車両の発電機又は車両のドライブトレインを駆動するためのモータとしての用途に有利である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図面において、同じ又は同様の要素は同じ参照番号によって引用される。図面は単なる概略図であって、本発明の特定のパラメータを描写しようとするものではない。更に、図面は本発明の代表的な実施形態だけを表そうとするものであるため、本発明の範囲を制限するものとみなすべきではない。不要な繰り返しを避けるために、図の説明は主に個々の実施形態間の違いに注目しているので、前の図で既に説明されている場合は特に、必ずしも図面の全ての要素が説明される訳ではない。
【0041】
図1は、埋込型永久磁石50,52を含む内部回転子電気機械(図示せず)の回転子40の実施形態の全体的な概観を斜視図で概略的に表している。電気機械は、埋込型永久磁石50,52によって励起される半径方向磁束機として設計されており、回転子40の磁束は回転子40の回転軸100に関して半径方向に固定子(図示せず)に広がる。
【0042】
埋込型永久磁石50,52は長方形要素として表されているが、その他の形状を有することもできる。
【0043】
回転子40は回転軸100の周囲に配設され、埋込型永久磁石は、回転子40の円周方向102において交互に第1磁極N及び第2磁極Sを形成する埋込型永久磁石50,52の対のセット(より多い又は少ない埋込型永久磁石の対を使用してもよい)として配設される。回転子40は略円筒状磁性体140を含み、埋込型永久磁石50,52は、従来技術において一般に公知のように、少なくとも各磁極N,Sの縁部に取り付けられており、図面において回転子40のシェル表面40a上の磁極セクターによって示されている(図の磁極N及び磁極Sに対応する領域を分離する点線を参照のこと)。
【0044】
この磁石構成によって、回転子は反対方向に励起されることになる。シェル表面40aは、回転子40の第1表面40aとも呼ばれる。埋込型永久磁石50,52は、回転子40の円周方向102に沿って等距離に分配され、回転軸100と平行に軸方向スロット144a及び144bに挿入することができる。表示されない実施形態によれば、磁極N,S(即ち、埋込型永久磁石50,52の対のセット)は、等距離ではなく互いに対して様々な距離で分配することもできる。回転子40は、回転軸100に沿って配設されたシャフト(図示せず)上に取り付けてもよい。
【0045】
この実施形態では、例えば、保持要素60,70は埋込型永久磁石50,52の両側に配設され、保持要素60,70は、回転子40のシェル表面40a(第1表面40aとも呼ばれる)と同
一面上にある外縁部62,72を有している。
【0046】
回転子セグメント44は、埋込型永久磁石50,52の各々の正面に配設される。回転子セグメント44はシェル表面40aと同
一面上にあり、回転子40の半径方向位置に保持要素60,70によって固定される。
【0047】
埋込型永久磁石50,52の磁化は一般的に略半径方向であるため、交互の磁極N,Sが回転子40のシェル表面40aに発生する。特に、磁化は、埋込型永久磁石50,52の縦方向主延長部に対して横方向、例えば垂直である。
【0048】
形状に応じて、一対の埋込型永久磁石の代わりに埋込型永久磁石が1つだけしか存在しないこともあり得る。V字形構成では、便宜上、少なくとも一対の埋込型永久磁石が設けられる。直線的構成では、1つ以上の埋込型永久磁石、例えば、一対の埋込型永久磁石であってよい。回転子40の磁極は、各埋込型永久磁石50,52によって覆われる領域として理解すべきである。埋込型永久磁石は、通常は磁極の2/3を覆う。特に、電子機械の回転子40が8つの磁極を(
図1に示すように)有する場合、回転子40は同じサイズの8つのセクションに分割することができる。各セクションは、磁極(S又はN)を交互に表す。
【0049】
埋込型永久磁石50,52は、回転子40の円周方向102において平行に対をなして配設される。しかしながら、埋込型永久磁石50,52の構成は、その他の実施形態では異なって配設してもよい。例えば、埋込型永久磁石50,52は、円周方向102に対して横方向に配向して(
図1)、V字形構成(上から見た場合)を形成することができる。埋込型永久磁石50は、図に示すように、埋込型永久磁石52に当接してもよく、或いは鉄ブリッジ又は非導磁性材料(「磁性絶縁体」とも呼ばれる)によって分離させてもよい。
【0050】
回転子40は、例として、
図2に示すように固定子20に囲まれる内部回転子として示されている。しかしながら、回転子40は、固定子を囲むリング状の外部回転子として設計することもできる(図示せず)。磁極N,Sは、回転子40のシェル表面40aに面する固定子の電気巻線と相互に作用するように設けられる。
【0051】
図2aは、リング状固定子20に囲まれる回転子40からなる電気機械10の詳細を断面上面図で表している。固定子20は、固定子20の軸方向スロット26に差し込まれたコイル22の形の電気巻線を備えている。固定子20のスロット26の均等に離間配置された開口部は、固定子歯部によって分離され、空隙30に向かって開口する。
【0052】
固定子20は回転子40を囲んでおり、空隙30は固定子20と回転子40との間に配設される。その内面20aに関して、固定子20は、V字形構成(上から見た場合)の埋込型永久磁石50,52をその円筒状磁性体140に含む回転子40のシェル表面40aに面している。
【0053】
埋込型永久磁石50,52の対を備えたそのようなV字形構造は、回転子40の円周方向において軸方向スロット144a(埋込型永久磁石50用)及び144b(埋込型永久磁石52用)に等距離に配設される。一対の埋込型永久磁石50,52を備えたそのような構造が、1つだけ図に示されている。埋込型永久磁石50,52は、埋込型永久磁石50,52の主縦方向延長部に対して横方向の、例えば主縦方向に対して垂直の、又は垂直方向に関して傾斜した磁化角を持って磁化される。埋込型永久磁石50,52は、2つの対向する短辺及び2つの対向する長辺を備えた長方形形状を有する。第1の埋込型永久磁石50はスロット144aに配設され、第2の埋込型永久磁石52はスロット144bに配設される。埋込型永久磁石50,52と空隙30との間に、回転子40の磁性体140と磁気的に関連している回転子セグメント44a,44bが配設される。
【0054】
回転子40の磁性体140は軸方向スロット42a,42b,42cを含んでおり、そこに埋込型永久磁石50,52に割り当てられた保持要素60,70,90が配設される。保持要素60,70,90は非導磁性材料で作ることができ、非導磁性領域60a,70a,90aを形成する。要素90aは、内部回転子機械の場合には高い機械強度を有することもできる。
【0055】
図示の実施形態では、埋込型永久磁石50,52は、空隙30から離れた半径方向内側位置の部分90bと、空隙30に向かって半径方向に延在する部分90cとを備えた保持要素90によって分離される。埋込型永久磁石50,52は、円周方向102に対して横方向に配向されて(
図1)V字形構成(上から見た場合)を形成するが、シェル表面40aに対して平行に配置することもできる。幾何学的配置を考慮して、埋込型永久磁石50,52は、保持要素90の中央の局所的(半径方向に配向された)対称軸55の両側に配設される。
【0056】
保持要素90の反対側の埋込型永久磁石50の外端において、保持要素60が配設され、保持要素60が高い機械強度を有する非導磁性材料で作られている場合には、非導磁性領域60aを形成する。同様に、保持要素90の反対側の埋込型永久磁石52の外端において、保持要素70が配設され、保持要素70が非導磁性材料で作られている場合には、非導磁性領域70aを形成する。
【0057】
保持要素60,70は、埋込型永久磁石50,52の両側に配設される。保持要素60,70及び90の全ては、回転子40の内部領域からシェル表面40aまで延在する。保持要素60,70,90は、シェル表面40aから離れた埋込型永久磁石50,52の内側半径方向位置から空隙30まで延在し、それらの外縁部62,72,92によって形成される空隙30との接触面と共にシェル表面40aと同
一面上にある。シェル表面40aから離れた保持要素60,70,90の半径方向内端において、保持要素60,70,90が上面図で見て磁性体140を切り下げることによって、回転子40の磁性体140に保持要素60,70,90を半径方向において固定する。
【0058】
空隙30に当接する回転子セグメント44a,44bは、埋込型永久磁石50,52とシェル表面40aとの間に配設され、保持要素60及び90並びに90及び70それぞれに横から囲まれる。保持要素60,70,90は回転子40のシェル表面40aと同
一面上にあるので、回転子セグメント44a及び44bは、埋込型永久磁石50及び52それぞれ、並びに保持要素60,90及び90,70それぞれによって、磁性体140の主部分から幾何学的に分離される。しかしながら、回転子セグメント44a及び44bはそれでも、磁気的に磁性体140の一部を形成する。
【0059】
図2aに示す実施形態では、保持要素60,70は保持要素60,70の円周方向延長部にオフセットして略半径方向に埋込型永久磁石50,52の縁部50a,52aに当接するが、埋込型永久磁石50,52間に配設された中央の保持要素90は縁部50a,52aの反対側の埋込型永久磁石50,52の縁部に当接する。埋込型永久磁石50,52の上で、保持要素60,70は、各保持要素60,70が埋込型永久磁石50,52の縁部50a,52aに重なるように、局所的対称軸55に向かって傾斜している。回転子セグメント44aの片側に、保持要素60は回転子セグメント44aに係合する部分68を有し、回転子セグメント44bの円周方向延長部に関して反対側に、保持要素70は反対側から回転子セグメント44bに係合する部分78を有する。部分68,78は、局所的対称軸55に向かって保持要素60,70の半径方向延長部のオフセットを確立する。保持要素60,70の部分68,78は、回転子40の半径方向に関して回転子セグメント44a,44bの位置の安定固定を確立する。保持要素90は、埋込型永久磁石50,52の近くで幅が狭く、空隙30の近くで幅が広くなっており、回転子セグメント44a,44bの形状固定も行なう。この構成は、回転子セグメント44a,44b、保持要素60,70,90及び埋込型永久磁石50,52の形状固定構成である。
【0060】
図2bは、楔状保持要素90の構成の代替的実施形態を示している。埋込型永久磁石50,52に関連してたった1つの保持要素90が設けられており、保持要素90は埋込型永久磁石50,52間に配設される。単一の回転子セグメント44が埋込型永久磁石50,52間に配設され、埋込型永久磁石50,52は実質的に上から見るとV字形構成で配設されている。保持要素90は、シェル表面40aから離れた半径方向内端90bとシェル表面40aに近い半径方向外端90cとに二重楔の形の構造を有し、これが保持要素90及び回転子セグメント44を磁性体140に固定する。エアポケットを形成する空気充填スロット42a及び42bは、磁性体140内で形作られる。磁性体140は、スロット42a,42bに対して切り下げ領域を形成する、埋込型永久磁石50,52のためのスロット144a,144bによって、埋込型永久磁石50,52を適所に保持することをサポートする。埋込型永久磁石50,52は、その短辺が保持要素90の中央部分90dに当接する。中央部分90dは、短い首部90eを有してシェル表面40aに近い保持要素90の半径方向外端90cに突出するため、埋込型永久磁石50,52の半径方向外側長辺が磁性体140の回転子セグメント44に当接するようになっている。
【0061】
埋込型永久磁石50,52の対向する外端は、空気充填スロット42a,42bに当接する。この実施形態では、保持要素90は完全に磁性体140の内部にあり、空隙30(
図2a)との接触面を有していない。保持要素90及び空気充填スロット42a,42bは、回転子40の磁性体140に非導磁性領域を形成する。保持要素90は、高い機械強度も有することができる。
【0062】
図2cは
図2bの代替的実施形態を示しており、埋込型永久磁石50,52間に配設された保持要素90は同様に、シェル表面40aから離れた半径方向内端90bとシェル表面40aに近い半径方向外端90cとにおいて二重楔を有する。中央部分90dは、保持要素90の半径方向内端90b及び半径方向外端90cを接続する。保持要素90は、
図2bに示す保持要素90よりも短く、埋込型永久磁石50,52の内側の対向する短辺が保持要素90と、埋込型永久磁石50,52の外側の長辺の内側部分とに当接するように形成される。埋込型永久磁石50,52の外側の短辺の各々において、保持要素60,70が
図2aのように配設されており、それらはそれらの縁部62,72によって形成される空隙30との接触面を有し、回転子40のシェル表面40aと同
一面上にある。
【0063】
図3は、代替的な形状の保持要素60,70を備えた回転子40の別の実施形態を図示している。この実施形態では、回転子の磁性体140の軸方向スロット144a,144bに配設された2つの埋込型永久磁石50,52間に設けられた保持要素は存在しない。保持要素60,70は、軸方向スロット42a,42bに配設される。
【0064】
図でわかるように、各保持要素60,70の空隙接触面を形成する縁部62,72は回転子40のシェル表面40aと同
一面上にあるため、空隙30に当接する。回転子セグメント44は、埋込型永久磁石50,52と回転子40のシェル表面40aとの間に配設される。埋込型永久磁石50,52及び保持要素60,70の構成は、局所的対称軸55に対して対称である。
【0065】
保持要素60,70は、シェル表面40aから離れた埋込型永久磁石50,52の半径方向内端からシェル表面40a及び空隙30まで延在する。それらの半径方向延長部に沿って、保持要素60,70が磁性体140に向かって凹形状を有するため、シェル表面40aから離れたそれらの半径方向下端において、各保持要素60,70の部分64,74が埋込型永久磁石50,52から離れて向くように磁性体140に突出すると共に、シェル表面40aに近い各保持要素60,70の上端において、部分66,76が磁性体140に同じ方向に突出するようになっている。
【0066】
回転子40のシェル表面40aに近い各保持要素60,70の上端において、部分68,78は、埋込型永久磁石50,52の外縁部50a及び52aから始まるように回転子セグメント44に突出して、半径方向に回転子セグメント44の形状固定を形成する。
【0067】
保持要素70の別の変形例が
図4に表示されており、局所的対称軸55に対して鏡面対称に配設されている埋込型永久磁石50,52及び保持要素60,70の構成のうちの1つの埋込型永久磁石52(軸方向スロット144bに差し込まれている)だけを示している。
【0068】
非導磁性領域70aを形成する保持要素70は、軸方向スロット42bに配設され、空隙30に当接するシェル表面40aと同
一面上にある。
【0069】
保持要素70は略U字形であり、シェル表面40aから離れた埋込型永久磁石52の下端と水平に始まるその下端に、シェル表面40aから離れて回転子40の磁性体140に半径方向下方に突出する部分を有する。埋込型永久磁石52とシェル表面40aとの間に配設された回転子セグメント44は、部分46がU字形の保持要素70に延在し、略半径方向の第1脚部44a及び円周方向の第2脚部44bを有している。回転子44の脚部44a及び埋込型永久磁石52は、保持要素70の部分80を囲む。回転子セグメント44は、部分46を介して保持要素70に形状固定される。
【0070】
シェル表面40aに近い保持要素70の上端において、保持要素70の部分78は回転子セグメント44に突出して半径方向に形状固定を形成するが、保持要素70の対向部分76は回転子セグメント44から離れて磁性体140に突出する。磁性体140の部分142は保持要素70の凹部に係合して、磁性体140において保持要素70に対する形状固定を提供する。保持要素70は、保持要素70が非導磁性材料で作られている場合には、磁性体140に非導磁性領域70aを形成する。
【0071】
図5は、回転子40の磁性体140の軸方向スロット42bに配設された保持要素70の別の実施形態を図示している。局所的対称軸55に対して鏡面対称である構成(
図4の構成と同様)の半分だけが表示されている。
【0072】
空隙30に当接するシェル表面40aから離れた半径方向下端において、保持要素70はシェル表面40aから離れた埋込型永久磁石52の下端と水平であり、軸方向スロット144bに配設された埋込型永久磁石52に当接する。保持要素70の外縁部は、埋込型永久磁石52から離れて埋込型永久磁石52の上端の半径方向位置の屈曲部82に至るまで傾斜し、そこから局所的対称軸55に向かって傾斜して回転子セグメント44及び埋込型永久磁石52が円周方向において重なる。
【0073】
保持要素70は、空隙30に当接するシェル表面40aと同
一面上にある縁部72を有し、部分78が回転子セグメント44に向かってシェル表面40aの近くに傾斜している。それによって保持要素70は、磁性体140において回転子セグメント44及び埋込型永久磁石52に形状が適合することによって固定している。
【0074】
図6は、回転子40の回転子セグメント44が回転子40の磁性体140の主部分と一体的である例示的実施形態を示している。局所的対称軸55に対して鏡面対称である構成(
図4及び5の構成と同様)の半分だけが表示されている。
【0075】
回転子セグメント44は、ブリッジ146を介して磁性体の主部分と接続される。ブリッジ146と埋込型永久磁石52の短辺との間に、エアポケット54が配設される。埋込型永久磁石52は、磁性体140の軸方向スロット144bに配設される。
【0076】
保持要素70が非導磁性である場合に非導磁性領域70aを形成する保持要素70は、ブリッジ146に当接し、領域84がブリッジ146と保持要素70との間の接触面に設けられる。領域84において、保持要素70はブリッジ146に対して鋸歯状になっている。
【0077】
保持要素70は、回転子40のシェル表面40aから離れた半径方向内側部分から空隙30に当接するシェル表面40aまで延在する。保持要素70は、シェル表面40aと同
一面上にある縁部72を有する。シェル表面40aに近い上端において、保持要素70の部分78が局所的対称軸55の方に向いていることによって、回転子セグメント44を半径方向位置に安定させる。
【0078】
図7は、
図6の実施形態と同様の別の例示的実施形態を図示している。局所的対称軸55に対して鏡面対称である構成(
図4,5及び6の構成と同様)の半分だけが表示されている。
【0079】
この実施形態では、保持要素が非導磁性である場合に非導磁性領域70aを形成する保持要素70は、エアポケット54及びブリッジ146なしで(
図6に示す実施形態と比べた場合)埋込型永久磁石52に当接する。保持要素70はシェル表面40aと同
一面上にあり、その縁部72が空隙30に当接する。埋込型永久磁石52は、回転子40の磁性体140の軸方向スロット144bに配設される。
【0080】
回転子40の回転子セグメント44は、回転子40のシェル表面40aに近い保持要素70の上端の部分78の下の凹部に突出する部分46を有する。部分78は、部分46が半径方向において回転子セグメント44を保持要素70に(形状適合様式で)固定し、円周方向において埋込型永久磁石52に部分的に重なるように、局所的対称軸55の方に向いている。
【0081】
保持要素70は、埋込型永久磁石52に当接し、埋込型永久磁石52の短辺の反対側の縁部において埋込型永久磁石52から離れるように傾斜している。シェル表面40aにより近い埋込型永久磁石52の上端と水平の半径方向位置において、保持要素70が回転子40の磁性体140の凹部に突出する部分86を有することによって、保持要素70を磁性体140に固定する。シェル表面40aから離れた保持要素70の部分74を備えた下端は、埋込型永久磁石52の下端と水平である。
【0082】
埋込型永久磁石50,52がシェル表面40aと略平行の直線的構成で配設されている
図3〜7に示す実施形態と対称的に、
図8は、埋込型永久磁石50,52のV字形構成(上から見た場合)を示している。より詳細には、
図8は、
図2a〜2cに示す構成と同様に、実質的に局所的対称軸55に関して対称的に配設されたV字形状で配設された2つの埋込型永久磁石50,52を備えた、本発明による回転子40の例示的実施形態の断面図の詳細図を示している。しかしながら、
図8に表した実施形態では、
図2a〜2cによる実施形態と比較して、埋込型永久磁石50,52は、非導磁性保持要素(
図2a〜2cに示す)の代わりに鉄ブリッジ48によって分離される。保持要素60,70は、それぞれ軸方向スロット42a及び42bに挿入される。保持要素60,70は、保持要素60,70が非導磁性である場合に非導磁性領域60a,70aを構成し、それらの縁部62,72が空隙30における回転子40のシェル表面40aと同
一面上にある。シェル表面40aから半径方向距離をおいた保持要素60,70の両側の切り下げは、保持要素60,70を回転子40の磁性体140に形状適合様式で固定する。保持要素60,70は局所的対称軸55に関して傾斜している主縦方向延長部を有しているため、回転子セグメント44は、ブリッジ48を介した磁性体140の主部分との接続部に加えて、両側が保持要素60,70によって半径方向位置に固定されるようになっている。
【0083】
図9は、複数の埋込型永久磁石150,152,154を備えた本発明による回転子40の例示的実施形態の断面図の詳細図を表している。埋込型永久磁石150,152,154は、各々が空隙30において回転子40のシェル表面40aと同
一面上の表面を有する各保持要素160,170,180,190によって形成される非導磁性領域160a,170a,180a,190aと交互になっている。この構成は、詳細図の両側に回転子40の円周全体にわたって続いている。埋込型永久磁石150,152,154とシェル表面40aとの間に回転子セグメント44が配設され、1つの回転子セグメント44が各埋込型永久磁石150,152,154に割り当てられており、保持要素160,170,180,190に横から囲まれている。
【0084】
保持要素160に関して更に詳細に説明すると、保持要素160,170,180,190は、シェル表面40aから半径方向距離をおいた下側164において磁性体140に両側(上から見た場合)が突出する部分を備えた切り下げを有することによって、保持要素160,170,180,190を回転子40の磁性体140に固定する。シェル表面40aに近い上部分166は、両側(上から見た場合)が回転子セグメント44に突出することによって、安全に回転子セグメント44を半径方向に固定する。
【0085】
図10は、本発明による回転子40の別の例示的実施形態を表しており、埋込型永久磁石50,52とシェル表面40aとの間に半径方向に配設された回転子セグメント44は、保持要素60,70と、回転子40の外側シェル表面40a及び内側シェル表面の周囲に軸方向に巻き付けられたバンデージ56とによって固定される。ストラップ、バンデージなどのような保持手段は、保持要素60,70の保持力をサポートしなければならない場合に使用することができる。
【0086】
上記の様々な実施形態において、保持要素60,70,90;150,160,170,180,190は好都合なことに非導磁性であってよく、例えば、炭素繊維、炭素繊維複合材、ガラス繊維、ガラス繊維複合材、例えばアラミド繊維のようなポリマー繊維、ポリマー繊維複合材、セラミック、プラスチックからなっていてもよい。保持要素60,70,90;150,160,170,180,190は、回転子40の磁性体140の対応する軸方向スロット42a,42bに挿入される別個の装置であってもよいが、代替的には粉末材料で作られ、磁性体140が鉄粉材料から製造されている場合は磁性体140と同時焼結させることができる。一般的に、磁性体140は、周知のように、積み重ねられた積層板で作られるか、鉄粉材料から焼結される。
【0087】
保持要素60,70,90,160,170,180,190が回転子40のシェル表面40aから離れた内側又は下側半径方向位置からシェル表面40aまで延在し、シェル表面40aと同
一面上にある上記の実施形態において、磁性体140内で急冷された磁束による磁気損失は、導磁性材料の磁性体140を非導磁性材料の要素60,70,90,160,170,180,190に置き換えることによって最小限に抑えることができる。その例が
図1,2a,2c,3〜10に表示されているこれらの実施形態では、保持要素60,70,90,160,170,180,190は回転子セグメント44を半径方向位置に固定する。
図2bに例示したように保持要素90がシェル表面40aに突出していない実施形態では、シェル表面40aと同
一面上のエアポケットを形成する軸方向スロット42a,42bを有することで、さもなければ磁束が急冷されることになる磁性体140の磁性材料を置き換えることが可能である。
【0088】
一般的に、保持要素は要望通りに設計することができ、電気機械の設計のその他の要求に従うように容易に適応させることができる。
【0089】
図11は、垂直方向スロット26に配列された固定子コイル22を備えた固定子20に囲まれた、半径方向の多層埋込型永久磁石50,52を備えた回転子40を含む、半径方向磁束機10の1つの磁極の断面図を表しており、空隙30は固定子20と回転子40との間に配設されている。回転子40は、中心にシャフト用の開口部を備えた略環状断面を有する(回転子40の半径方向内側の実曲線によって示されている)。
【0090】
図に示す実施形態では、四対の縦方向に延在する埋込型永久磁石50,52が半径方向に互いに平行に配設されているため、それらは半径方向に積み重なるようになっており、各回転子セグメント44x,44y,44zは埋込型永久磁石50,52の2つの隣接する磁石の間に挟まれている。最も外側の埋込型永久磁石50,52と空隙30との間に、回転子セグメント44が配設される。当然、埋込型永久磁石の対の数は、この例示的実施形態における四対より多くても少なくてもよい。
【0091】
回転子40のシェル表面40aから、埋込型永久磁石50,52の対の縦方向延長部が回転子40の中心に向かって延びている。埋込型永久磁石50,52の対の両側には、片側の保持要素192,192x,192y,192zと反対側の保持要素194,194x,194y,194zとが配設されて、これらが埋込型永久磁石50,52の対を回転子40の磁性体140に固定する。保持要素192,192x,192y,192z,194,194x,194y,194zは、高い機械強度を有する非導磁性領域を含む。
【0092】
保持要素192,192x,192y,192z,194,194x,194y,194zは、それらが回転子40の磁極のセグメントの内側だけに延在するように、空隙30に向かって屈曲している。それらの自由端において、保持要素192,192x,192y,192z,194,194x,194y,194zは、上述の実施形態において説明したように楔状形式で成形して、埋込型永久磁石50,52と磁性体140の回転子セグメント44,44x、44y、44zの固定を行なうことができる。しかしながら、埋込型永久磁石50,52のたった1つ又はほんの一部が保持要素192,192x,192y,192z,194,194x,194y,194zを備えていることもあり得る。
【0093】
図12は、従来技術による表面実装型永久磁石を備えた軸方向磁束機200の部分斜視図を示している。軸方向磁束機200では、回転子240の磁束が回転子240の回転軸に関して軸方向100に固定子220に広がる。固定子220は2つの回転子240の間に挟まれるか、又はその逆であってもよい。更に、複数の固定子220及び回転子240が回転軸100に沿って積み重ねられることもあり得る。
【0094】
図に表した軸方向磁束機200は、周知のように固定子コイル222からなる円筒ディスク状固定子220を備えた2つの軸方向に離間配置された円筒ディスク状回転子240を有しており、固定子220は各固定子220に対して軸方向距離をおいた回転子240間に配設されている。コイルは異なる構成を有してもよく、図には明確に示されていない。
【0095】
この実施形態では回転子240から軸方向に突出する永久磁石250,252は、軸方向に磁化され、固定子220に面する回転子240の軸方向内側に配設されており、1つの回転子240の永久磁石250,252がその他の回転子240の永久磁石250,252の方に向いている(その逆の場合もある)。各回転子240の永久磁石250,252は、回転子240の円周に関して同じ位置を有する。各永久磁石は、磁気損失を減少させるために、例えばより小さなセグメントに分割することができる。
【0096】
磁束は閉じた円の破線で示されており、そのような円の各々は、2つの隣接する永久磁石250,252の間の領域と、回転子240への一方の分岐及び固定子220への一方の分岐とを囲んでいる。
【0097】
前述の実施形態において説明したように半径方向磁束機10では回転子40及び/又は固定子20の鉄積層板が軸方向に積み重ねられているが、鉄積層板で作られた軸方向磁束機200では、積層板が半径方向に積み重ねられて、即ち、シート材料が回転軸100の周囲に巻かれて、回転子240又は固定子220を形成する。そのような構成では、回転子240又は固定子220を形成する前又は後に積層材料にスロットを形成するために、特別な技術を用いる必要がある。しかしながら、代替的には、回転子240及び/又は固定子220は、鉄粉材料、例えばいわゆるSMC(軟磁性複合)材料によって形成することもできる。
【0098】
図13a〜13cは、
図12に示すものと同様の軸方向磁束機200用の回転子240の第1実施形態を、正面図(
図13a)、線13b−13bに沿った切断図(
図13b)及び側面図(
図13c)として図示している。
【0099】
埋込型永久磁石250,252は、磁性体214を有するディスク状回転子240の正面240aに配設され、回転子240の外側シェル表面240bからシャフト用に設けられた開口部の内面に向かって、埋込型永久磁石250,252が埋込型永久磁石250,252の両側の保持要素260によって軸方向凹部に配設されるようにして延在する。上から見ると、埋込型永久磁石250,252の各々は円のセグメントの形状を有している。各埋込型永久磁石250は、反対極性の隣接する埋込型永久磁石252を有する。埋込型永久磁石250,252の形状は任意の形状を有してもよく、例えば、埋込型永久磁石250,252は、円のセグメントの代わりに直線セグメントとして切断することなどができる。
【0100】
各埋込型永久磁石250,252の上部(軸方向における)に、回転子セグメント244が配設され、保持要素260を介して埋込型永久磁石250,252の上部の軸方向位置に固定される。セグメント244は、SMC材料で作ることができる。保持要素260の外面262は、回転子240の正面240aと同
一面上に図示されている。しかしながら、保持要素260及び/又は回転子セグメント244は同
一面上になく、外面240aから突出することもあり得る。そのような場合、回転子240の回転と共に、冷却のプラス効果を得ることができる。突出部分が周囲空気に乱流を発生させるフィンと同様に作用することによって、回転子240から空気への熱伝達を向上させることができる。
【0101】
図14a〜14cは、軸方向磁束機200用の回転子240の第2実施形態を、正面図(
図14a)、線14b〜14bに沿った切断図(
図14b)及び側面図(
図14c)として示している。
【0102】
この構成は、回転子240がその磁性体214の両正面に埋込型永久磁石250,252を有すること以外は、
図13a〜13cにおいて説明した構成と同様である。1つの回転子240上の埋込型永久磁石250,252の位置は、回転子240の両側に適合させる。
【0103】
有利なことに、保持要素を含む電気機械の回転子は、埋込型永久磁石によって高い性能を提供することができ、保持要素が非導磁性材料からなる場合は重量及び磁気損失の削減を部分的に可能にすることができる。