特許第5662561号(P5662561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5662561基材上にニオブドープチタニアフィルムを蒸着させる方法およびこれにより作製された被覆基材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5662561
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】基材上にニオブドープチタニアフィルムを蒸着させる方法およびこれにより作製された被覆基材
(51)【国際特許分類】
   C03C 17/245 20060101AFI20150115BHJP
   C03C 17/34 20060101ALI20150115BHJP
   C23C 16/40 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   C03C17/245 Z
   C03C17/34 Z
   C23C16/40
【請求項の数】18
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-508009(P2013-508009)
(86)(22)【出願日】2011年4月15日
(65)【公表番号】特表2013-525252(P2013-525252A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】US2011032645
(87)【国際公開番号】WO2011139523
(87)【国際公開日】20111110
【審査請求日】2012年12月21日
(31)【優先権主張番号】12/767,910
(32)【優先日】2010年4月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399074983
【氏名又は名称】ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルー、ソンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】マッケイミー、ジェイムズ ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】フィンリー、ジェイムズ ジェイ.
【審査官】 田中 則充
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/044474(WO,A1)
【文献】 特開2006−206400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 17/245
C03C 17/34
C23C 16/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有するガラス基材、
基材の表面の上方に被覆層、及び
基材の表面の上方に熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルム
有する被覆物品において、
熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムがニオブドープ酸化チタンフィルムであり、
被覆層が、色抑制層、反真珠光層、ナトリウムバリアおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、
被覆層が、基材と熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムとの間にある中間被覆層であり、
中間被覆層が、異なる屈折率を有する混合された金属酸化物の勾配層を含み、中間被覆層の中の1つの金属酸化物のパーセント含有率が、基材の表面からの距離が増大するにつれて減少する、
被覆物品。
【請求項2】
ガラス基材が連続したガラスリボンおよびガラスシートからなる群より選ばれる、請求項1に記載の被覆物品。
【請求項3】
中間被覆層の第1の表面が基材の表面と表面同士が接触し、ニオブドープ酸化チタンフィルムが中間被覆層の反対側の第2の表面と表面同士が接触している、請求項1又は2に記載の被覆物品。
【請求項4】
ニオブドープ酸化チタンフィルムが、200nm以上2μm以下の範囲の厚さ、1.2Ω/□より大きいシート抵抗値、及び2.3以上の屈折率を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の被覆物品。
【請求項5】
前記基材の表面が、基材の第1の表面であり、
基材が、第1の表面の反対側に第2の表面を有し、
基材の第1の表面が基材の空気側の表面であり、
基材の第2の表面が錫が拡散された表面であり、
前記の空気側と錫が拡散されたその反対側とを有する基材が、
ガラスフロート法によって作製されたことの特徴を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の被覆物品。
【請求項6】
混合された金属酸化物の勾配層が、酸化シリコンである第1の金属酸化物と酸化錫である第2の金属酸化物とを含み、
酸化シリコンが酸化錫よりも屈折率が低く、
基材の表面における、酸化シリコンのパーセント含有率が、酸化錫より大きく、
中間被覆層の中の酸化シリコンのパーセント含有率が、基材の表面からの距離が増大するにつれて減少し、
前記の酸化シリコンのパーセント含有率が減少するにつれて酸化錫のパーセント含有率が増加する、請求項1から5のいずれか一項に記載の被覆物品。
【請求項7】
熱分解で蒸着された透明で導電性のニオブドープ酸化チタンフィルムが、化学気相蒸着透明導電性ニオブドープ酸化チタンフィルム、大気プラズマ蒸着透明導電性ニオブドープ酸化チタンフィルム、スプレー熱分解蒸着透明導電性ニオブドープ酸化チタンフィルム、プラズマエネルギー被覆気相蒸着透明導電性ニオブドープ酸化チタンフィルム及びこれらの組み合わせの群から選ばれる、請求項1から6のいずれか一項に記載の被覆物品。
【請求項8】
熱分解で蒸着された透明で導電性のニオブドープ酸化チタンフィルムが、化学気相蒸着法で蒸着された、透明で導電性のニオブドープ酸化チタンフィルムである、請求項7に記載の被覆物品
【請求項9】
表面を有するガラス基材、
基材の表面の上方に被覆層、及び
基材の表面の上方に、熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルム、
を有する被覆物品において、
熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムがニオブドープ酸化チタンフィルムであり、
被覆層が、色抑制層、反真珠光層、ナトリウムバリアおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、
被覆層が基材と熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムとの間にある中間被覆層であり、
中間被覆層が第1の均一な金属酸化物層及び第2の均一な金属酸化物層を含み、
第1の均一な金属酸化物層が、高い屈折率を有し、基材と熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムとの間にあり、
第2の均一な金属酸化物層が、低い屈折率を有し、第1の均一な金属酸化物と基材との間にあり、
第2の均一な金属酸化物層が第1の酸化シリコン層であり、
第1の均一な金属酸化物層が第1の酸化錫層であり、
第1の酸化錫層の上方に第2の均一な酸化シリコン層、
第2の酸化シリコン層の上方に第2の均一な酸化錫層、及び
第2の酸化錫層の上方に熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルム
を含む、
被覆物品
【請求項10】
表面を有するガラス基材、
基材の表面の上方に被覆層、及び
基材の表面の上方に、熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルム、
を有する被覆物品において、
熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムがニオブドープ酸化チタンフィルムであり、
被覆層が、色抑制層、反真珠光層、ナトリウムバリアおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、
熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムが、基材と被覆層との間にあり、
被覆層が、異なる屈折率を有する混合された金属酸化物の勾配層を含み、被覆層の中の1つの金属酸化物のパーセント含有率が、熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムからの距離が増大するにつれて減少する、
被覆物品
【請求項11】
混合された金属酸化物の勾配層が、酸化シリコンである第1の金属酸化物と酸化錫である第2の金属酸化物とを含み、
酸化シリコンが酸化錫よりも屈折率が低く、
熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムにおける、酸化シリコンのパーセント含有率が、酸化錫より大きく、
勾配層の中の酸化シリコンのパーセント含有率が、熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムからの距離が増大するにつれて減少し、
前記の酸化シリコンのパーセント含有率が減少するにつれて酸化錫のパーセント含有率が増加する、請求項10に記載の被覆物品
【請求項12】
表面を有するガラス基材、
基材の表面の上方に被覆層、及び
基材の表面の上方に、熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルム、
を有する被覆物品において、
熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムがニオブドープ酸化チタンフィルムであり、
被覆層が、色抑制層、反真珠光層、ナトリウムバリアおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、
熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムが、基材と被覆層との間にあり、
被覆層が第1の均一な金属酸化物層及び第2の均一な金属酸化物層を含み、
第1の均一な金属酸化物層が、高い屈折率を有し、熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムの上方にあり、
第2の均一な金属酸化物層が、低い屈折率を有し、第1の均一な金属酸化物と基材との間にあり、
第2の均一な金属酸化物層が第1の酸化シリコン層であり、
第1の均一な金属酸化物層が第1の酸化錫層であり、
第1の酸化錫層の上方に第2の均一な酸化シリコン層、及び第2の酸化シリコン層の上方に第2の均一な酸化錫層
を含む、
被覆物品
【請求項13】
中間被覆層の第1の表面が基材の表面と表面同士が接触し、ニオブドープ酸化チタンフィルムが中間被覆層の反対側の第2の表面と表面同士が接触している、請求項9に記載の被覆物品
【請求項14】
ガラス基材が連続したガラスリボンおよびガラスシートからなる群より選ばれる、請求項9から13のいずれか一項に記載の被覆物品
【請求項15】
ニオブドープ酸化チタンフィルムが、200nm以上2μm以下の範囲の厚さ、1.2Ω/□より大きいシート抵抗値、及び2.3以上の屈折率を有する、請求項9から14のいずれか一項に記載の被覆物品。
【請求項16】
前記の基材の表面が、基材の第1の表面であり、
基材が、第1の表面の反対側に第2の表面を有し、
基材の第1の表面が基材の空気側の表面であり、
基材の第2の表面が錫が拡散された表面であり、
前記の空気側と錫が拡散されたその反対側とを有する基材が、
ガラスフロート法によって作製されたことの特徴を有する、請求項9から15のいずれか一項に記載の被覆物品
【請求項17】
熱分解で蒸着された透明で導電性のニオブドープ酸化チタンフィルムが、化学気相蒸着透明導電性ニオブドープ酸化チタンフィルム、大気プラズマ蒸着透明導電性ニオブドープ酸化チタンフィルム、スプレー熱分解蒸着透明導電性ニオブドープ酸化チタンフィルム、プラズマエネルギー被覆気相蒸着透明導電性ニオブドープ酸化チタンフィルム及びこれらの組み合わせの群から選ばれる、請求項9から16のいずれか一項に記載の被覆物品
【請求項18】
熱分解で蒸着された透明で導電性のニオブドープ酸化チタンフィルムが、化学気相蒸着法で蒸着された、透明で導電性のニオブドープ酸化チタンフィルムである、請求項17に記載の被覆物品
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野
本出願は、基材上に透明で導電性のニオブドープチタニアフィルムを蒸着させる方法およびこれにより作製された被覆基材に関し、より詳細には、化学気相蒸着法の如き熱分解被覆法により、ガラス基材上にニオブドープチタニアフィルムを被覆して被覆基材を提供することに関する。この被覆基材は、光電池装置、エレクトロクロミック装置用の電極、冷蔵庫や航空機の窓用の電気加熱画像パネル、有機発光ダイオード、住居および商業窓用の低放射率被覆剤の製造に使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
2.現在用いられる技術についての考察
基材の表面上に蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムを有するガラスシート基材上を非限定的な例とする基材は、これも非限定的な例であるが、光電池の用途、電気タッチパネル、エレクトロクロミック装置用の電極、有機発光ダイオード、防曇性の商業冷蔵庫の扉や航空機の透明材料用の電気加熱ガラス、赤外線反射窓の如き住居および商業窓用の低放射率被覆剤の製造に使用されている。本考察において特に興味深いのは、当分野で通常CVD法と称される化学気相蒸着被覆法により蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムであり、このCVD法は例えば、米国特許第4,853,257号、同第5,356,718号および同第7,413,767号に開示されているが、これらに限定されるものではない。CVD法によりガラス上に蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムの最も一般的なものは、通常フッ素でドープされた酸化錫フィルムである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フッ素ドープ酸化錫フィルムは透明で導電性および赤外線反射性の被覆剤の作製に利用可能ではあるが、さらなる透明で導電性酸化物フィルムまたは被覆剤が得られれば、錫の使用が低減され、CVD被覆法による透明で導電性の酸化物フィルムの製造に使用される材料の購入のためのより競争力のある市場が提供されることは、当業者には理解されることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、基材の表面上に熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムを有する種類の改善された被覆物品において、とりわけ、熱分解で蒸着された透明で導電性の酸化物フィルムがニオブドープ酸化チタンであることに改善が講じられている被覆物品に関する。
【0005】
本発明は、さらに、加熱被覆法のための気化被覆混合物であって、とりわけ、混合物が気化ニオブ前駆物質、気化チタン前駆物質およびキャリアガスを含有する被覆混合物にも関する。
【0006】
本発明は、よりさらには、基材の表面上に透明で導電性の酸化物フィルムを被覆する改善された方法であって、とりわけ、加熱された基材の表面の方向に被覆混合物を向けて、基材の表面上で被覆物を熱分解で蒸着させること、とりわけ、ニオブ前駆物質およびチタン前駆物質を有する被覆混合物を提供し、被覆混合物の流れを加熱された基材に向けて被覆混合物を気化させ、加熱された基材の表面上に透明で導電性のニオブドープ酸化チタンのフィルムを蒸着させること、そして、被覆混合物の流れと基材とを互いに関連させて移動させることに、改善が講じられている被覆方法にも係わる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、基材上にニオブドープチタニアのフィルムを被覆または蒸着させるために、本発明の実施に用いられる被覆装置の側面図である。
図2図2は、基材上にニオブドープチタニアのフィルムを被覆または蒸着させるために、本発明の実施に用いられる化学気相蒸着装置を有するガラス形成チャンバーの部分横断面図である。
図3図3は、本発明に従って被覆または蒸着された、とりわけ、ニオブドープチタニアのフィルムを有する被覆ガラスの部分側面図である。
図4図4は、本発明に従って被覆または蒸着された、とりわけ、ニオブドープチタニアのフィルムを有する被覆ガラスの部分側面図である。
図5図5は、本発明に従って被覆または蒸着された、とりわけ、ニオブドープチタニアのフィルムを有する被覆ガラスの部分側面図である。
図6図6は、本発明の実施に用いることができる被覆機の被覆面側の平面図である。
図7図7は、ガラス形成チャンバー、アニーリング炉、およびガラス形成チャンバーの出口端とアニーリング炉の入口端の間に設けられた熱分解被覆機の部分断面図であり、この配置は、基材上にニオブドープチタニアのフィルムを被覆または蒸着させるために、本発明の実施に用いることができる。
図8図8は、本発明の教示に従って、基材上にニオブドープチタニアのフィルムを被覆または蒸着させるために、互いに関連させて移動させるために据え付けられた、被覆機とガラスシートの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(発明の詳細な説明)
本明細書で使用される、「内」、「外」、「左」、「右」、「上」、「下」、「水平」、「垂直」等の場所または方向に関する語は、図面に示された発明そのものに関する。しかし、本発明では様々な代替の方位を想定することができ、よってこれらの語は限定的に考慮されるべきではないことを理解すべきである。さらに、本明細書および請求の範囲で使用される、寸法、物理的特性などを表す全ての数字は、全ての場合において「約」なる語で修飾されるように理解すべきである。したがって、反する記載がない限り、以下の明細書および請求の範囲において記される数値は、本発明で所望されるおよび/または得ようとされる特性に応じて変化し得る。最低限、そして、請求の範囲への均等論の適用を制限することが意図されないように、少なくとも各数値パラメーターは報告されている有効数字の数や通常の四捨五入の技法を鑑みて解釈されるべきである。また、本明細書で開示される全ての範囲は、それに含まれるいかなる全ての部分的な範囲を包含すると理解されるべきである。たとえば、「1〜10」と記載された範囲は、最小値の1と最大値の10の間に含まれるいかなる全ての部分範囲を包含すると考えるべきで、すなわち、たとえば1〜6.7または3.2〜8.1または5.5〜10といった、最小値の1またはそれ以上から始まり最大値の10またはそれ以下で終わる全ての部分範囲が包含されると考えるべきである。また、本明細書で使用される「上方で移動される(moved over)
」、「上方に被覆される(coated over)」、「上方に適用される(applied over)」および「上方に位置される(positioned over)」なる語は、上側で移動され、被覆され、位置されるが、必ずしも表面が接触するわけではない。たとえば、第1のフィルムが表面の「上に被覆される」と記載される場合は、この表面と第1のフィルムとの間に第2のフィルムが存在することが排除されるものではない。
【0009】
本発明の非限定的な幾つかの態様について考察する前に、本発明は他の態様であってもよいので、本明細書で示されて考察されている特定の非限定的な態様の詳細に本発明の適用範囲が限られるものではないことが理解される。さらに、本発明を考察するのに本明細書で使用される用語は、説明のためのものであって限定するためのものではない。さらにまた、特に断りのない限り、以下の考察においては、同様の数字は同様の要素を参照するものである。
【0010】
本発明の実施においては、熱分解被覆法は、基材の表面の上方(over)または表面上(on)に、たとえば表面同士が接触して(in surface contact with)、ニオブ(「Nb」)でドープされたチタニア(「TiO」)のフィルム(「TiO:Nbフィルム」とも記す)を蒸着させて実行される。TiO:Nbフィルムは、導電性で屈折率が約2.3であるが、被覆物品の屈折率は偏光解析器を使用して測定される。ここで理解されるように、本発明は、式TiO:Nbの化学量論に限定されるものではなく、たとえば、酸素価は2よりも小さくても大きくてもよく1.8〜2.1の範囲に限定されることはない。
【0011】
以下に考察する本発明の非限定的な態様において、熱分解被覆法は、当分野でCVD被覆方法として知られている化学気相蒸着被覆法であり、これは例えば、米国特許第5,356,718号に開示されているCVD被覆法に限定されるものではないが、この米国特許は本明細書の一部として援用される。理解されるように、本発明はいかなる特定の熱分解被覆法に限定されることはなく、当分野で公知のあらゆる熱分解被覆法、たとえば、大気プラズマ蒸着、スプレー熱分解またはプラズマエネルギー被覆気相蒸着が本発明の実施において使用され得るが、これらの方法に限定されることはない。好適なスプレー熱分解方法および装置は、米国特許第3,660,061号、同第4,111,150号、同第4,719,127号および同第4,719,127号に記載されており、これらの米国特許は本明細書の一部として援用される。
【0012】
基材は、被覆前駆物質の気化温度または分解温度の高い方よりより高い融点を有するものであれば、いかなる材料から作られていてもよい。本発明の実施に用いることができる基材には、無色または有色のガラスおよび金属が包含されるが、これらに限定されるものではない。さらに、基材はいかなる形状を有していてもよく、たとえば、ビン、平らな基材、湾曲した基材、円形の基材、多角形の基材が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
本発明の非限定的な態様としては、ガラス基材の表面の上方のまたは基材と表面同士が接触するTiO:Nbフィルム;ガラス基材の表面の上方または基材と表面同士が接触する1つ以上の被覆フィルムを包含する反真珠光(anti―iridescence)または色抑制(color suppression)の層の表面の上方のまたは層と表面同士が接触するTiO:Nbフィルム;1つ以上の透明、半透明または不透明な被覆フィルムもしくはそれらの組み合わせの表面の上方またはフィルムと表面同士が接触するTiO:Nbフィルム;ガラス基材の表面の上方または基材と表面同士が接触するナトリウムのバリアと表面同士が接触するTiO:Nbフィルムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。理解されるように、本発明のTiO:Nbフィルムは、反真珠光または色抑制の層の下方、1つ以上の透明、半透明または不透明な被覆フィルムもしくはそれらの組み合わせの下方、およびナトリウムバリアの下方にあってもよい。さらに、本発明のTiO:Nbフィルムは、本発明のTiO:Nbフィルムの屈折率値より大きなまたは小さな屈折率値を有するフィルムの下方または上方にあってもよい。本発明の被覆ガラス基材から作られる製品には、赤外線反射性窓用の被覆ガラス、薄膜光電池の用途、電気タッチパネル、エレクトロクロミック物品用の電極、有機発光ダイオード、防曇性の商業冷蔵庫の扉用および航空機の透明材料用の電気加熱ガラスが包含されるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
たとえば、CVD被覆法のごとき熱分解法を使用してガラス基材上に導電性のTiO:Nbフィルムを蒸着させる実験を行った。より詳細には図1を参照すると、本発明の非制限的な態様を実施して、エトキシニオブ(Nb(CO))(以下、「NbE」とも記す)であるニオブ前駆物質、およびテトライソプロポキシチタン(Ti[OCH(CH)(以下、「TPT」とも記す」)であるチタン前駆物質を使用して、加熱された平らなガラスシートの被覆を行った。NbE供給機20からの液体NbEおよびTPT供給機21からの液体TPTが連続的に混合機23に添加された。NbEとTPTの混合物は、混合機23から、華氏(「F」)300°(摂氏(「C」)149°)の温度に加熱された気化機24内に移動され、NbEとTPTの混合物を気化した。気化されたNbEとTPTの混合物は気化機24から、300°F(149°C)の温度に加熱されたチャンバー25に移動され、供給機27からチャンバー25に移動された窒素ガスと混合された。気化されたNbEとTPTと窒素ガスの混合物は、チャンバー25から被覆ノズル30に移動され、被覆ノズル30を通って、約115°F(521°C)の温度に加熱され被覆ノズル30の開口36の下方で矢印35の方向に移動するガラスシート34の表面32に向かって移動され、ガラスシート34の表面32上にTiO:Nbフィルム38が蒸着または被覆された。
【0015】
ガラスシートは、長さが12〜36インチ(30.5〜91.4センチメートル(「cm」))で幅が12インチ(30.5cm)であり、毎分5インチ(毎分12.7cm)の速度で移動された。被覆ノズル30の開口36は、幅が1/16〜1/8インチ(0.16〜0.32cm)で長さが12インチ(30.5cm)の細長い開口であった。NbE液体前駆物質は毎時0〜8ミリリットル(「ml/h」)の速度で混合機23内に移動され、TPT液体前駆物質は24〜28ml/hの速度で混合機23内に移動された。下記の表には、被覆試験1〜8におけるNbE液体前駆物質とTPT液体前駆物質の具体的な流速が示されている。
【0016】
【表1】
【0017】
NbE液体前駆物質は被覆試験1および5で流速がゼロなり、TiOの基準線またはコントロールが確立された。より詳細には、TiOフィルムは電気的に非伝導性であり、よって、試験2〜4および試験6〜8のサンプルの被覆物が電気的に導電性であるならば、たとえばCVD被覆法のごとき熱分解法によって電気的に導電性のTiO:Nbフィルムを蒸着させることができるのである。
【0018】
NbEとTPTの液体混合物は、混合機23から気化機24内へ12ml/hの速度で移動された。窒素と気化されたNbEとTPTの混合物は、35毎分標準リットル(「slm」)の速度でチャンバー25内に移動された。NbE、TPTおよびN2の混合被覆蒸気は、被覆ノズルの開口36からガラスシート34の表面32に向って35slmの速度で放出された。
【0019】
ガラスシート34の表面32上に蒸着されたNb:TiOフィルム38は、200nm〜2μmの厚さを有していた。フィルム38は様々な色をしていたが、これは不均一な厚さを有するフィルムの特徴である。試験2〜4および6〜8のフィルム38のいくつかの領域においてはシート抵抗値は1.2〜3.2Ω/□であり、それ以外の領域のシート抵抗値はより高かった。
【0020】
ここで理解されるように、上記の作業は、ガラスシート34の表面32のごとき加熱された基材の表面に、CVD被覆法のごとき熱分解被覆法により、Nb:TiOフィルムを被覆することができることを立証している。熱分解で蒸着されたNb:TiOフィルムのもう1つの特徴は、フッ素でドープされた酸化チタンのフィルムの屈折率より高い屈折率を有することであり、たとえば、Nb:TiOフィルムの屈折率が2.3であるのに対して、フッ素でドープされた酸化チタンの屈折率は2.00である。
【0021】
ここで理解されるように、本発明はニオブ前駆物質やチタン前駆物質に限定されることはなく、室温で液体状または気体状の利用可能ないかなるニオブおよび/またはチタン前駆物質を用いて本発明を実施して、CVD被覆法に用いられるニオブおよびチタンの前駆物質とキャリアガスの混合気化被覆物や熱分解スプレー被覆法に用いられるニオブおよびチタンの前駆物質の混合液体被覆物を得て、たとえば、これに限定されるものではないが、ガラスシート34の表面32のような基材の表面に、本発明のニオブドープチタニアの透明で導電性の酸化物フィルムを被覆または蒸着することができる。本発明の実施に用いられるニオブ前駆物質には、エトキシニオブ、n−ブトキシニオブV、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)ニオブ(IV)および2−エチルヘキサン酸ニオブが包含されるが、これらに限定されるものではない。本発明の実施に用いられるチタン前駆物質には、テトライソプロポキシチタン(TPT)、4塩化チタン、エトキシチタン(IV)、n−ブトキシチタン(IV)、メトキシチタン(IV)、テトラキス(ジエチルアミノ)チタン、t−ブトキシチタン(IV)およびビス(エチルアセトアセタート)ジイソプロポキシチタン(IV)が包含されるが、これらに限定されるものではない。さらに、本発明においては、キャリアガスは限定されず、液体または気体の前駆物質と共に使用でき、チャンバー25内の温度で気体状のものであれば、当分野で公知のいかなるキャリアガスを用いることができ、窒素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、空気、酸素およびこれらの組み合わせが包含されるが、これらに限定されることはない。
【0022】
さらに理解されるように、本発明においては、気化混合前駆物質およびキャリアガスがチャンバー25内に移動する際の温度や、たとえば被覆ノズル30の開口36に存在する際の気化前駆物質およびキャリアガスのごとき気化被覆物の温度は、限定されるものではない。しかし、本発明の実施においては、気化被覆物の温度は、被覆物が気体の状態を有するに十分に高く、前駆物質の分解温度より低いことが好ましい。
【0023】
本発明においては、混合機23(図1参照)内に移動する際の液体のニオブ前駆物質および液体のチタン前駆物質の流速は限定されることはなく、液体のニオブ前駆物質の流速と液体のチタン前駆物質の流速は同じであっても異なっていてもよい。しかし、混合機23内に移動する際の各前駆物質の流速が変化すると、被覆フィルム38におけるニオブとチタンの比が変化する。たとえば、液体のニオブ前駆物質の流速を液体のチタン前駆物質の流速より高くすると、フィルム中のニオブの量が増大し、液体のチタン前駆物質の流速を液体のニオブ前駆物質の流速より高くすると、フィルム中のチタニアの量が増大するが、このような考察によって本発明が限定されることはない。
【0024】
ガラスシート34の速度を一定にしてノズル30から出る気化被覆物の流速を上げるか、または、ノズル30から出る気化被覆物の流速を一定にしてガラスシートの速度を下げると、フィルム38の厚さが増大する。基材の速度を一定にしてノズル30から出る気化被覆物の流速を下げるか、または、ノズルから出る気化被覆物の流速を一定にして基材の速度を上げると、フィルム38の厚さは減少する。ここで理解されるように、ガラスシートの速度および/または被覆ノズル30から出る気化被覆物の流速の調整は、所望の厚さと所望のチタンとニオブの比を有するTiO:Nbフィルムを得るために利用することができる。
【0025】
本発明においては、ノズル30の開口36の形状は限定されず、開口36は、細長い形状、円形の形状または多角形の形状であってもよく、被覆ノズル30の開口36はいかなる大きさであってもよい。ガラスシート34などの加熱された基材の表面が平らであるかまたは起伏があるかによって、それにTiO:Nbフィルムを蒸着するためのノズルの形状およびノズルの開口の大きさが選択されることは、CVD被覆法等の熱分解被覆法の分野の当業者であれば理解されることである。
【0026】
次いで、本発明のTiO:Nbからなり透明で導電性の酸化物フィルムを連続したガラスリボンの表面の上方にまたは表面同士を接触させて被覆して、本発明を実施することについて考察する。図2を参照すると、本発明の非限定的な態様において、連続的なガラスリボン52の表面50が溶融した金属のプール54上に浮動して矢印35の方向に移動する。溶融した金属のプール54はガラス形成チャンバー58に包含されるが、このチャンバーは、たとえば米国特許第3,333,936号および同第4,402,722号に開示されており、これらの米国特許は本明細書の一部として援用されるが、これらに限定されることはない。ガラスリボン52が第1のCVD被覆機のごときCVD被覆機60の下方を移動する際に、反真珠光または色抑制のフィルム62がガラスリボン52の表面64に、たとえば図3に示されるように表面64に接して、被覆される。矢印35の方向のガラスリボン52の連続した移動により、第2CVD被覆機のごときCVD被覆機66の下方をガラスリボン52が移動して、フィルム62の表面70上に本発明のTiO:Nbフィルム38(図2参照)が被覆される。
【0027】
本発明においては、反真珠光または色抑制のフィルム62は限定されず、異なる屈折率を有する混合された金属酸化物の勾配層であってもよく、その例はたとえば米国特許第5,356,718号および同第5,863,337号に開示されており、これらの米国特許は本明細書の一部として援用されるが、これらに限定されることはない。一般的に、反真珠光または色抑制のフィルム62中の1つの酸化金属のパーセントは、ガラスリボン52の表面64からの距離が増大するにつれて減少し、たとえば、ガラスリボン52の表面64では酸化シリコンのような屈折率が低い酸化金属を100パーセント有し、反真珠光フィルム62の表面70(図3参照)では酸化錫のような屈折率が高い酸化金属を100パーセント有する勾配反真珠光フィルムが提供される。反真珠光のフィルムの化学や応用に関する詳細な考察については、米国特許第5,356,718号、同第5,863,337号および同第7,431,992B2号が参照でき、これらの米国特許は本明細書の一部として援用される。
【0028】
本発明にはさらに、たとえば異なる屈折率を有する酸化シリコンと酸化錫などの金属酸化物からなる均一な層を2つ以上有する反真珠光または色抑制の層も包含される。本発明を限定するものではないが、より詳細には、図4に示されるように、反真珠光または色抑制の層76は、屈折率が低い金属酸化物78および80と屈折率が高い金属酸化物82および84とを交互に有していてもよい。異なる金属酸化物からなる均一な層を複数有する反真珠光の層に関する詳細な考察については、1999年11月5日出願の米国特許出願第09/434,823号およびオーストラリア特許第758,267号が参照でき、これらの特許出願および特許は本明細書の一部として援用される。
【0029】
場合によっては、反真珠光のフィルム62および反真珠光の層76は省くことができ、図5に示されるように、ガラスリボン52の表面64に直接Nb:TiOフィルム68を被覆することができる。本発明の非限定的な態様においては、層62はナトリウムのバリア、たとえば、均一または不均一または勾配のあるアルミおよびシリコンの酸化物からなる層であってもよいが、これらに限定されるものではない。本発明のもう1つの態様においては、Nb:TiOフィルム68の下方または上方に該屈折率より低い屈折率を有するフィルムが被覆され、本発明のさらなる1つの非限定的な態様においては、TiO:Nbフィルムの屈折率より高い屈折率を有するフィルムがTiO:Nbフィルムの上方または下方に被覆される。
【0030】
図2に関連して、本発明では、勾配のある反真珠光、色抑制またはナトリウムバリアのフィルム62(図3参照)もしくは多層で勾配のない反真珠光、色抑制またはナトリウムバリアの層76(図4参照)を被覆するためのCVD被覆装置60は限定されるものではなく、当分野で公知のいかなる種類のCVD被覆装置を用いることができる。このような被覆装置としては、「基材上の改良された被覆のための非直交の被覆機の幾何(NON-ORTHOGONAL COATER GEOMETRY FOR IMPROVED COATINGS ON A SUBSTRATE)」の名称でJames W. McCamyおよびJohn F. Sopkoにより2009年10月2日に出願された米国特許出願第12/572,317号に開示された被覆装置が、フィルム62(図3参照)および層76(図4参照)を蒸着して本発明を実施するために使用することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。この2009年10月2日出願の米国特許出願第12/572,317号の開示は本明細書の一部として援用される。
【0031】
本発明では、TiO:Nbフィルムを蒸着するためのCVD被覆装置66は限定されるものではなく、たとえば2009年10月2日出願の米国特許出願第12/572,317号に開示されているような、基材の表面の上方にまたは基材と表面同士が接触して透明な導電性の酸化物フィルムを被覆するための当分野で公知のいかなる種類のCVD被覆装置が、本発明の実施に用いることができる。必要に応じて図2および図6を参照すると、本発明の非限定的な態様においては、矢印35の方向に移動するガラスリボン52の表面64の上にまたは表面の上方にTiO:Nbフィルムを被覆するためのCVD被覆装置68は、被覆ノズル92の上流の排気スロット90および被覆ノズル92の下流の排気スロット94を包含する。排気スロット90および94からの放出流は、導管96および98(図2参照)を通って処理領域へと移動し、地方の州および連邦の環境規則に従って処理される。被覆装置66はさらに、上流排気スロット90の上流のガスカーテンノズル100および下流排気スロット94の下流のガスカーテンノズル102を包含する。窒素のごとき不活性ガスはガスカーテンノズル100および102を通って、被覆蒸気の動きを阻止または制限したり、被覆ノズル92からのガスがガス形成チャンバー58の雰囲気内に移動するのを阻止または制限したり、ガス形成チャンバーの雰囲気が被覆機66とガラスリボン52の表面64の間の空間に移動するのを阻止または制限する。
【0032】
本発明の1つの非限定的な態様においては、ガラスリボン52が被覆機60の下方を移動する際に、反真珠光のフィルム62または反真珠光の層76(図3および図4参照)がガラスリボン52の表面64上に被覆される。ガラスリボン52が被覆機66の下方を移動する際には、被覆機66のチャンバー104内の気化ニオブ前駆物質、気化チタニア前駆物質および窒素を含有する気化被覆混合物が被覆ノズル92を通って、反真珠光のフィルム52または反真珠光の層76の上方にTiO:Nbフィルム68が、前述の考察のように蒸着される。被覆蒸気、反応蒸気およびガスは、排気スロット90および94(図5参照)によって被覆ノズル92の被覆領域から取り除かれる。
【0033】
本発明のもう1つの非限定的な態様においては、反真珠光のフィルム62または反真珠光の層76を被覆するための被覆機60は閉鎖され、ガラスリボン52が被覆機66の下方を移動して、前述の考察のように、ガラス基材(図5)の表面64上にTiO:Nbフィルムが被覆される。
【0034】
図7に関連して、本発明のもう1つの非限定的な態様においては、たとえば米国特許第3,660,061号、同第4,111,150号、同第4,719,126号および同第4,719,127号に開示されるように、スプレー熱分解被覆法によってTiO:Nbフィルム38が被覆されるが、これらの米国特許は本明細書の一部として援用される。図7に示されるように、スプレー熱分解被覆機105がガラス形成チャンバー58の出口端106とアニーリング炉108の入口端107の間に据え付けられる。コンベアロール109によってガラスリボン52が矢印35の方向に進行する際に、ガラスリボン52は被覆機105の下方を通過して、ガラスリボン52の表面64上にTiO:Nbフィルムが蒸着され、その後、被覆されたガラスリボンはコンベアロール109によってアニーリング炉108内に移動する。ここで理解されるように、本発明では、被覆機105をガラス形成チャンバー58の出口端に設置するように限定されるわけではなく、TiO:Nbフィルムを被覆するための被覆機はいかなる炉、たとえば、被覆物の被覆、成型および/またはガラスの焼戻しまたは加熱強化のためにガラスを加熱する器具は、これらに限定されるものでもないが、ローラー炉床や振動炉床などのいかなる炉の出口端に位置させてもよい。また、図8に関連しては、本発明では、据え付け床112上にガラスシート34を据え付けるには、いかなる好都合な方法を用いてもよく、たとえば、被覆機66がシート34の上方を移動させてもよい、本発明はこの考察に限定されることはない。さらに本発明においては、被覆機66の位置を固定して、この被覆機66の下方にコンベアベルト116に載せられたシート34を移動してもよい。また本発明においては、被覆機66とガラスシート34を同時に移動させてもよい。ガラスシートおよび/または被覆機を移動させるための機構や被覆機および/またはガラスシートを固定するための機構は当分野で公知であり、そのような機構についてのさらなる考察は必要ないと思われる。
【0035】
当業者には理解されるように、熱分解被覆の特質は、耐久性、平滑性のごとき表面形態、導電性のごとき機能特性、透過(transmission)、反射、色彩および混濁のごとき光学特性である。
【0036】
上述の記載に開示された概念を逸脱しなければ、本発明の非限定的な態様に改変を加えることができることは、当業者には容易に理解されるであろう。したがって、本明細書に詳述した本発明の具体的で非限定的な態様は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、添付の請求の範囲およびその全ての均等物には最大限の広さが与えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8