(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施の形態>
本発明の実施の形態における情報処理システムは、
図1に示すように、情報処理装置100及びサーバ102を含んで構成される。サーバ102は、情報通信網104を介して、複数の情報処理装置100(100a,100b・・・)と互いに通信可能に接続される。サーバ102は、情報処理装置100に関する2つ以上の位置情報の関係に基づいて情報処理装置100の機能を制御する。
【0018】
情報処理装置100は、
図2に示すように、処理部10、記憶部12、入力部14、出力部16、通信部18及び位置情報取得部20を含んで構成される。情報処理装置100は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の通信可能な携帯端末の基本構成を備えている。
【0019】
処理部10は、CPU等の演算処理を行う手段を含む。処理部10は、記憶部12に記憶されている携帯端末プログラムを実行することによって、情報処理装置100において利用できる機能を実現する。記憶部12は、半導体メモリやメモリカード等の記憶手段を含む。記憶部12は、処理部10とアクセス可能に接続され、携帯端末プログラム、位置情報、情報処理装置100で処理されるデータ及びデータベース等の情報を記憶する。入力部14は、情報処理装置100に情報を入力する手段を含む。入力部14は、例えば、ユーザからの入力を受けるタッチパネルやボタン等を備える。出力部16は、ユーザから入力情報を受け付けるためのユーザインターフェース画面(UI)等や情報処理装置100での処理結果を出力する手段を含む。出力部16は、例えば、ユーザに対して画像を呈示するディスプレイを備える。通信部18は、情報通信網104を介して、他の情報通信機器と情報をやり取りするためのインターフェースを含んで構成される。通信部18による通信は有線及び無線を問わない。
【0020】
位置情報取得部20は、情報処理装置100の位置を取得する手段を含んで構成される。例えば、位置情報取得部20は、GPS(Global Positioning System)としてもよい。また、位置情報取得部20は、携帯電話やPHSの基地局との通信によって情報処理装置100の位置を取得する構成であってもよい。また、位置情報取得部20は、ユーザからの情報処理装置100の位置の入力を受け付ける構成であってもよい。
【0021】
ここで、位置情報とは、情報処理装置100の位置の関係を把握できる情報であればよい。例えば、位置情報は、経度及び経度の組合せとすることができる。さらに、高度(海抜、建物の階数等でもよい)を組み合わせてもよい。位置情報取得部20としてGPSを用いることにより経度、緯度及び高度を取得することができる。また、位置の基準点(例えば、基地局等)からの相対的なずれを示す情報としてもよい。
【0022】
サーバ102は、
図3に示すように、処理部30、記憶部32、入力部34、出力部36及び通信部38を含んで構成される。サーバ102は、通信機能を備えたコンピュータの基本構成を備えている。
【0023】
処理部30は、CPU等の演算処理を行う手段を含む。処理部30は、記憶部32に記憶されているサーバプログラムを実行することによって、情報処理装置100において利用できる機能を制御する。記憶部32は、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶手段を含む。記憶部32は、処理部30とアクセス可能に接続され、サーバプログラム、情報処理装置100から取得した位置情報、サーバ102で利用されるデータ及びデータベース等の情報を記憶する。入力部34は、サーバ102に情報を入力する手段を含む。入力部34は、例えば、ユーザからの入力を受けるキーボード等を備える。出力部36は、ユーザから入力情報を受け付けるためのユーザインターフェース画面(UI)等やサーバ102での処理結果を出力する手段を含む。出力部36は、例えば、ユーザに対して画像を呈示するディスプレイを備える。通信部38は、情報通信網104を介して、情報処理装置100や他の情報通信機器と情報をやり取りするためのインターフェースを含んで構成される。通信部38による通信は有線及び無線を問わない。
【0024】
以下、
図4のフローチャートを参照して、複数の位置情報の関係に基づいて処理を制御する方法について説明する。以下の説明では、サーバ102において情報処理装置100(100a,100b・・・)との位置情報の関係に基づいて処理を行う方法について示す。なお、以下の処理は、それぞれ情報処理装置100又はサーバ102において対応する手段として実現される。
【0025】
ステップS10では、情報処理装置100の位置情報が取得される。サーバ102は、通信可能状態にある各情報処理装置100から位置情報を取得する。このとき、サーバ102による位置情報を用いた制御を許可している情報処理装置100のみから位置情報を取得するようにしてもよい。
【0026】
サーバ102は、各情報処理装置100から取得した位置情報を各情報処理装置100のユーザに関連付けて位置情報管理データベースに登録する。位置情報管理データベースは、
図5の登録例に示すように、ユーザ名、ユーザID、過去の位置情報を関連付けて登録したデータベースである。位置情報Pos(U)(t)は、ユーザUが所有する情報処理装置100の時刻tにおける位置情報を意味する。
【0027】
本実施の形態では、1ユーザについて、n+1個の複数の異なる時刻における位置情報が位置情報管理データベースに登録されている。もし、既にn+1個の位置情報が登録されている場合、最も古い位置情報を削除すると共に新たな位置情報を登録して位置情報管理データベースを更新する。
【0028】
ステップS12では、複数の位置情報の関係が算出される。サーバ102は、情報処理装置100のユーザが利用しているサービスやアプリケーションに応じて複数の位置情報の関係を算出する。
【0029】
ユーザが利用しているサービスやアプリケーションはサービスデータベースに登録されている。サービスデータベースは、
図6の登録例に示すように、ユーザ名、ユーザID、サービス又はアプリケーションID、関係ユーザID及び対応情報IDを関連付けて登録したデータベースである。サービス又はアプリケーションIDは、情報処理装置100及びサーバ102によってユーザに提供されているサービス又はアプリケーションを特定するための識別子である。関係ユーザIDは、そのユーザが使用しているサービス又はアプリケーションにおいて位置情報の関係の利用対象となるユーザを特定するユーザIDである。すなわち、関係ユーザIDとして登録されているユーザが所有する情報処理装置100との位置関係に基づいてサービス又はアプリケーションの機能が制御される。
【0030】
対応情報IDは、位置情報の関係とサービス又はアプリケーションの機能との関係を特定するための識別子である。対応情報IDは、対応情報データベースを参照して、複数の位置情報の関係に応じたサービス又はアプリケーションの機能を読み出すために用いられる。対応情報データベースは、
図7の登録例に示すように、対応情報IDに関連付けて、位置関係情報IDと利用機能情報IDとを登録したデータベースである。
【0031】
位置関係情報IDは、複数の位置情報の関係を示す識別子である。位置関係情報IDは、位置関係情報データベースを参照して、複数の位置情報の関係及びそれが満たす条件を読み出すために用いられる。位置関係情報データベースは、
図8の登録例に示すように、位置関係情報IDに関連付けて複数の位置情報の関係及びそれが満たす条件を登録したデータベースである。
【0032】
なお、位置情報の関係は、例えば、位置情報間の距離、方角、高度差及び取得時間差等が挙げられる。また、位置情報の関係は、例えば、位置情報の経路の距離、移動時間、軌跡、形状、大きさでもよい。
【0033】
対応情報データベース及び位置関係情報データベースは、後述する利用機能データベースと組み合わせることによって、2以上の位置情報の関係とその位置情報の関係が満たす条件において利用可能な機能とを関連付けた関連データベースとして参照される。
【0034】
本実施の形態では、まず位置情報間の距離を用いた処理について説明する。なお、他の位置情報の関係については後述する。
【0035】
サーバ102は、各ユーザが所有する情報処理装置100について、サービスデータベースに登録されている関係ユーザIDで特定される関係ユーザが所有する情報処理装置100との位置関係を算出する。サーバ102は、サービスデータベースに登録されているユーザの1人を順に着目ユーザとして選択して以下の処理を行う。
【0036】
サーバ102は、着目ユーザのユーザIDに関連付けられている位置情報を位置情報管理データベースから読み出す。同様に、サービスデータベースにおいて着目ユーザと関連付けられている関連ユーザIDを読み出し、その関連ユーザIDに関連付けられている位置情報を位置情報管理データベースから読み出す。そして、サーバ102は、それらの位置情報の関係を算出する。
【0037】
サーバ102は、サービスデータベースを参照して、着目ユーザに関連付けられている対応情報IDを読み出す。サーバ102は、さらに、対応情報データベースを参照して、読み出した対応情報IDに関連付けられている位置関係情報IDを読み出す。さらに、位置関係情報データベースを参照して、読み出した位置関係情報IDに関連付けられている位置情報の関係を読み出す。そして、サーバ102は、着目ユーザの位置情報及び関連ユーザの位置情報から読み出した位置情報の関係を算出する。
【0038】
例えば、ユーザAを着目ユーザとすると、
図6のサービスデータベースでは、着目ユーザのユーザIDとして100001、関連ユーザIDとして10002及び対応情報IDとしてF1が登録されている。そこで、サーバ102は、位置情報管理データベースから、着目ユーザのユーザIDである100001に関連付けられている位置情報(位置情報間の距離を算出する場合、最新の位置情報PosAt)を読み出す。同様に、サーバ102は、位置情報管理データベースから、関連ユーザのユーザIDである100002に関連付けられている位置情報(位置情報間の距離を算出する場合、最新の位置情報PosBt)を読み出す。さらに、位置関係情報データベースから対応情報IDであるF1に関連付けられている位置関係情報IDとしてPR1〜PR3を読み出し、位置関係情報データベースから読み出した位置関係情報IDであるPR1〜PR3に関連付けられている位置情報の関係として「位置情報間の距離」を読み出す。そして、サーバ102は、読み出した着目ユーザと関連ユーザとの位置情報間の距離を算出する。
【0039】
例えば、着目ユーザの位置情報の緯度がX1及び経度がY1であり、関連ユーザの位置情報の経度がX2及び経度がY2であった場合、位置情報間の距離は{(X2−X1)
2+(Y2−Y1)
2}
1/2で算出することができる。また、高度を含めて距離を算出する場合、着目ユーザの位置情報の高度がH1、関連ユーザの位置情報の高度がH2であった場合、{(X2−X1)
2+(Y2−Y1)
2+(H2−H1)
2}
1/2で算出することができる。
【0040】
なお、経緯度に基づく2地点間の距離は、平面直角座標系で算出してもよいし、準拠する地球楕円体を考慮して算出するなど、必要に応じた手法で求めたものを利用してもよい。
【0041】
ステップS14では、位置情報の関係に応じた制御を決定する。サーバ102は、位置関係情報データベースを参照して、ステップS12において算出された位置情報の関係が満たす条件に応じた位置関係情報IDを読み出す。そして、サーバ102は、読み出された位置関係情報IDに関連付けられている利用機能情報IDを読み出す。
【0042】
さらに、サーバ102は、サービス又はアプリケーションIDと利用機能情報IDとの組み合わせに応じた利用可能な機能又は補正効果を決定する。利用可能な機能又は補正効果は、利用機能データベースを参照して決定される。利用機能データベースは、
図9の登録例に示すように、サービス又はアプリケーションIDに関連付けて、利用機能情報IDに応じて当該サービス又はアプリケーションにおいて利用可能な機能又は補正効果を登録したデータベースである。
【0043】
例えば、ステップS12における位置情報の関係を算出した結果、着目ユーザと関連ユーザとの位置情報間の距離が100m未満であった場合、
図8の位置関係情報データベースでは、位置関係情報IDはPR1となり、さらに、
図7の対応情報データベースでは、利用機能情報IDはFunc1となる。そこで、
図9の利用機能データベースを参照すると、利用機能情報IDがFunc1である場合にサービスS1において利用可能な機能は「フィルタリング無しのブラウザ機能」、「宛先制限無しのメール送受信」、「通話先制限無しの通話」となる。また、同様に、着目ユーザと関連ユーザとの位置情報間の距離が100m以上500m未満であった場合、「フィルタリング有りのブラウザ機能」、「宛先制限有りのメール送受信」、「通話先制限有りの通話」となる。また、同様に、着目ユーザと関連ユーザとの位置情報間の距離が500m以上であった場合、「通話先制限有りの通話」のみが可能とされる。
【0044】
ステップS16では、位置情報の関係に応じた制御を実行する。サーバ102は、ステップS14で決定された制御方法に準じて、サービス又はアプリケーションによって着目ユーザの所有する情報処理装置100で行われる処理の制御を行う。
【0045】
例えば、着目ユーザと関連ユーザとの位置情報間の距離が100m未満であった場合、サービスS1において「フィルタリング無しのブラウザ機能」、「宛先制限無しのメール送受信」、「通話先制限無しの通話」の機能を有効とする。また、着目ユーザと関連ユーザとの位置情報間の距離が100m以上500m未満であった場合、「フィルタリング有りのブラウザ機能」、「宛先制限有りのメール送受信」、「通話先制限有りの通話」の機能を有効とする。また、着目ユーザと関連ユーザとの位置情報間の距離が500m以上であった場合、「通話先制限有りの通話」の機能のみを有効とする。
【0046】
このような機能制限及び解除は、例えば、着目ユーザと関連ユーザとの関係が親子である場合等において効果的である。すなわち、子供が親の近くに居る場合には機能の制限を緩やかにし、子供が親から離れるに従って機能の制限を厳しくするような制御を行うことが可能となる。
【0047】
また、利用可能な機能又は補正効果は、情報処理装置100に備えられたカメラによる撮像機能等であってもよい。例えば、着目ユーザと関連ユーザとの位置情報間の距離が500m未満である場合に着目ユーザの情報処理装置100のカメラによる撮像を許可し、500m以上である場合にはカメラによる撮像を許可しないようにしてもよい。
【0048】
このように、位置情報の関係に基づいて利用可能な機能又は補正効果を決定して制御を行うことによって、多機能かつ高機能な情報処理装置100の機能をより有効に利用することができる。
【0049】
<変形例1>
上記実施の形態では、2つの位置情報の関係のみを考慮したが、これに限定されるものではなく、3つ以上の位置情報の関係を考慮してもよい。
【0050】
この場合、サービスデータベースにおいて1人のユーザに2人以上の関連ユーザを登録し、それらのユーザが所有する情報処理装置100の位置情報の関係に基づいて利用可能な機能又は補正効果を決定する。
【0051】
例えば、
図6のサービスデータベースにおいて、着目ユーザがユーザCである場合、サービス又はアプリケーションIDとしてG1、関連ユーザIDとして100001,100002及び対応情報IDとしてF2が読み出される。この場合、ユーザIDが100003であるユーザCが着目ユーザとして考慮され、ユーザIDが100001,100002であるユーザA,Bが関連ユーザとして考慮される。
【0052】
サーバ102は、対応情報データベースにおいて対応情報IDに関連付けられている位置関係情報IDを読み出し、さらに位置関係情報データベースにおいて当該位置関係情報IDに関連付けられている位置情報の関係を抽出する。
図7及び
図8の例では、位置関係情報IDとしてPR4〜PR6が抽出され、位置情報の関係として「位置情報間の距離」が抽出される。そこで、サーバ102は、位置情報管理データベースを参照して、着目ユーザ及び関連ユーザの位置情報を読み出して「位置情報間の距離」を算出する。そして、算出された着目ユーザと関連ユーザの位置情報間の距離が満たす条件に応じた利用可能な機能又は補正効果を決定する。
【0053】
例えば、
図8の位置関係情報データベースでは、関連ユーザ2人以上の情報処理装置100が着目ユーザの情報処理装置100から100m未満にある場合、位置関係情報IDとしてPR4となる。そして、位置関係情報IDがPR4であるので、
図7の対応情報データベースから利用機能情報IDとしてFunc11が抽出され、
図9の利用機能データベースからゲーム上の効果を10倍にするという制御が決定される。また、関連ユーザ2人以上の情報処理装置100が着目ユーザの情報処理装置100から100m以上500m未満にある場合、同様に、ゲーム上の効果を5倍にするという制御が決定される。また、関連ユーザ1人以上の情報処理装置100が着目ユーザの情報処理装置100から500m未満にある場合、同様に、ゲーム上の効果を2倍にするという制御が決定される。
【0054】
このように、3つ以上の位置情報の関係に基づいて利用可能な機能や補正処理を決定して制御を行うことによって、位置情報の関係が満たすべき条件をより細かい状況に応じて設定することができ、多機能かつ高機能な情報処理装置100の機能をより有効に利用することができる。
【0055】
なお、4つ以上の位置情報の関係に基づいて利用可能な機能や補正処理を決定し、それに応じた処理の制御を行ってもよい。
【0056】
<変形例2>
上記実施の形態では、異なるユーザが所有する複数の情報処理装置100の位置情報の関係に基づいて制御を行うものとしたが、同一の情報処理装置100の位置情報の関係に基づいて制御を行うものとしてもよい。
【0057】
この場合、サービスデータベースにおいて関連ユーザとしてユーザ自身を登録し、当該ユーザについて位置情報管理データベースに登録されている2つ以上の位置情報の関係に基づいて利用可能な機能又は補正効果を決定する。
【0058】
例えば、
図6のサービスデータベースにおいて、着目ユーザがユーザDである場合、サービス又はアプリケーションIDとしてG2、関連ユーザIDとして10004及び対応情報IDとしてF3が読み出される。この場合、着目ユーザと関連ユーザのユーザIDが同一であるので、ユーザDに対して登録されている2つ以上の位置情報の関係に基づいて処理を行う。
【0059】
サーバ102は、対応情報データベースにおいて対応情報IDに関連付けられている位置関係情報IDを読み出し、さらに位置関係情報データベースにおいて当該位置関係情報IDに関連付けられている位置情報の関係を抽出する。
図7及び
図8の例では、位置関係情報IDとしてPR7〜PR9が抽出され、位置情報の関係として「位置情報の経路」が抽出される。そこで、サーバ102は、位置情報管理データベースを参照して、着目ユーザ及び関連ユーザの位置情報を読み出して「位置情報の経路」を算出する。
【0060】
位置情報の経路は、着目ユーザの過去の移動の経路を意味する。すなわち、位置情報間の直線距離ではなく、経路情報に基づいた距離とする。例えば、位置情報間の距離(直線距離)が100m未満であっても、実際には、橋を渡ったり、広い敷地を有する施設を迂回する道路しか利用し得なかったりする場合、移動経路としては100m以上となる場合もある。そこで、地図情報を利用して、2つの位置情報間をユーザが実際に移動するときの経路を「位置情報の経路」として算出する。地図情報を利用した経路探索は、既存の経路探索技術を適用することができる。そして、算出された位置情報の経路が満たす条件に応じた利用可能な機能又は補正効果を決定する。
【0061】
例えば、
図5の位置情報管理データベースから、ユーザDの最近の2つの位置情報PosDt,PosDt−1を読み出し、予め記憶部32に登録されている地図情報を用いて、位置情報PosDtと位置情報PosDt−1との間の経路を算出する。そして、
図7の対応情報データベース、
図8の位置関係情報データベース及び
図9の利用機能データベースを参照して、算出された位置情報の経路が満たす条件に合わせた制御を行う。具体的には、位置情報の経路が100m未満にある場合、位置関係情報IDはPR7、利用機能情報IDはFunc21となり、ゲーム上において特殊効果Aを発生させる処理が行われる。同様に、位置情報の経路が100m以上500m未満にある場合、ゲーム上において特殊効果Bを発生させる処理が行われる。また、位置情報の経路が500m以上にある場合、ゲーム上において特殊効果Cを発生させる処理が行われる。
【0062】
このように、同一のユーザに関する複数の位置情報の関係に基づいて利用可能な機能や補正処理を決定し、それに応じた処理の制御を行ってもよい。なお、本変形例では、着目ユーザに関する複数の位置情報の関係に基づいて制御を行う例を示したが、同一の関連ユーザに関する複数の位置情報の関係に基づいて制御を行うものとしてもよい。
【0063】
また、本変形例では、2つの位置情報の関係に基づいて制御を行うものとしたが、さらに同一ユーザに関する3つ以上の位置情報の関係に基づいて制御を行うものとしてもよい。
【0064】
<変形例3>
上記実施の形態及び変形例では、位置情報の関係として位置情報間の距離や位置情報の経路を適用したが、これに限定されるものではない。位置情報の関係としては、位置情報間の距離、方角、高度差、取得時間差、位置情報の経路の距離、移動時間、軌跡、形状、大きさ等を適用することができる。
【0065】
位置情報間の距離は、上記実施例及び変形例1のように、位置情報で表わされる位置の間の直線距離を意味する。また、位置情報の経路の距離は、上記変形例2のように、位置情報で表わされる位置の間を実際に移動するときの距離を意味する。距離は、1次元、2次元及び3次元のいずれの距離であってもよい。
【0066】
例えば、位置情報間の高度差に応じて制御を行うようにしてもよい。具体的な制御対象としては、例えば、2人のユーザが協力してプレイするゲームにおいて、ある時刻の一方のユーザの高度が他方のユーザの高度よりも高い場合、高度が高いユーザから低いユーザに対して協力が可能とする処理に適用することができる。協力としては、ゲームで利用されるポイント(ヒットポイントやマジックポイント等)を与える等とすることができる。
【0067】
また、建物や施設の中であれば、位置情報として階数を知ることができる場合がある。そこで、位置情報の関係として階数差を利用してもよい。例えば、2人のユーザが協力してプレイするゲームにおいて、ある時刻の一方のユーザの階数が他方のユーザの階数よりも高い場合、階数が高いユーザから低いユーザに対して協力が可能とする処理に適用してもよい。
【0068】
また、位置情報の経路を用いる場合、地図情報に基づいて、その経路の移動に要する時間を制御の条件としてもよい。例えば、2つの位置情報の関係において、その位置情報の間の経路とその経路を移動するために要する時間を算出する。経路を移動するために要する時間は、既存の経路探索技術を用いて算出することができる。この所要時間に応じて利用可能な機能や補正処理を制御してもよい。
【0069】
例えば、所要時間が5分未満、5分以上10分未満、10分以上のいずれを満たすかによって、情報処理装置100で使用できる機能を制限したり、ゲーム上の効果を与えたりするようにしてもよい。
【0070】
このとき、経路が複数ある場合や所要時間が複数示される場合には、最短経路や最短時間を利用するようにしてもよい。また、移動手段毎に経路や所要時間が求められる場合、移動手段毎に経路や所要時間の条件を設け、満たされた条件に応じて制御を行うようにしてもよい。例えば、徒歩で10分以内、自転車で10分以内、車で10分以内等の条件を設定し、移動手段毎に満たされる所要時間の条件に応じて利用可能な機能や補正処理を制御してもよい。
【0071】
位置情報間の方角は、1つの位置情報を基準点として他の位置情報がどの方角(方位)にあるかを意味する。例えば、着目ユーザの位置情報を基準点として、関連ユーザの位置情報が東西南北のいずれであるかを算出する。方角には範囲を設けて、北西から北東、北東から南東、南東から南西、南西から北西のいずれの範囲にあるかを算出してもよい。
【0072】
位置情報間の方角(方位)が満たす条件に応じて行う処理としては、ユーザ同士の方角に応じてゲーム上の効果を変更する処理等が挙げられる。例えば、ユーザが実際に移動した方角(方位)と同じ方角(方位)にゲーム中のキャラクタを移動させる等させてもよい。
【0073】
位置情報の取得時間差は、2つ以上の位置情報の取得時刻の時間差を意味する。取得時間差は、同一ユーザの2つの位置情報の取得時刻の時間差であってもよいし、異なるユーザの位置情報の取得時刻の時間差であってもよい。
【0074】
例えば、着目ユーザの最新の位置情報と1つ前の時刻に取得された位置情報の取得時間差を算出し、当該時刻差が所定値未満であれば頻繁にサービスやアプリケーションを利用しているものとして何らかの特典を与える処理を適用するようにしてもよい。また、例えば、着目ユーザと関連ユーザの最新の位置情報の取得時間差を算出し、当該時刻差が所定値未満であれば着目ユーザと関連ユーザとの協力関係が強いとしてゲーム上の効果を高くするようにしてもよい。
【0075】
さらに、位置情報間の距離や位置情報の経路と取得時刻差の両方を組み合わせて利用することにより、ユーザの移動の速さを知ることができる。そこで、位置情報間の関係として移動速さを利用してもよい。例えば、ゲームにおいて、プレイヤキャラクタが移動する際、プレイヤであるユーザが実際に移動している速さに基づいてプレイヤキャラクタの移動による効果を補正する処理を適用するようにしてもよい。具体的な例としては、ユーザの移動速さが4km/h(徒歩相当)であればモンスターとの遭遇率を30%とし、20km/h(走り相当)であればモンスターとの遭遇率を5%とする。また、移動速さが大きいほど、攻撃において高い攻撃力を与えるようにしてもよい。
【0076】
別の例として、位置情報の経路と移動速さの組み合わせから所定の交通機関で移動しているのであれば何らかの効果を与えるようにしてもよい。例えば、位置情報の経路が所定の鉄道の路線に沿っており、その移動速さがその鉄道の速さに合致する場合、情報処理装置100を所有するユーザは所定の鉄道を利用しているものとして特典(ポイント等)を与えるようにしてもよい。
【0077】
また、情報に対するアクセスが管理されている場合、当所の想定されている出張の経路に沿っており、所定の交通手段に相当する移動速さに合致する場合、一定時間のアクセス権を付与する等してもよい。
【0078】
位置情報の軌跡は、複数の位置情報を経時的に結んだ線分が作る形状を意味する。例えば、ユーザAに対して登録された複数の位置情報を取得順に結んだ線分が所定の形状となる場合に利用可能な機能又は補正効果を制御するようにしてもよい。所定の形状としては、例えば、三角形、四角形、五角形、星形等が挙げられる。
【0079】
また、複数のユーザの位置情報の軌跡の組み合わせが所定の条件を満たす場合に利用可能な機能又は補正効果を制御するようにしてもよい。例えば、ユーザAとユーザBとが協力するゲームにおいて、ユーザAの過去の位置情報を取得順に結んだ線分が作る形状とユーザBの過去の位置情報を取得順に結んだ線分が作る形状との組み合わせが所定の条件を満たす場合にゲーム上の特殊効果を与えるようにしてもよい。形状の組み合わせとしては、ユーザAの位置情報の軌跡が弓状の弧であり、ユーザBの位置情報の軌跡がその弧を射るように移動するとゲーム上で弓を射る攻撃を発生させる等が挙げられる。
【0080】
位置情報の形状は、複数の位置情報を組み合わせて作られる形状を意味する。例えば、ユーザA,B,Cが協力するゲームにおいて、ユーザA,B,Cの各々の位置を頂点とする形状が正三角形に近い形状を描く場合にゲーム上の特殊効果を与えるようにしてもよい。また、複数のユーザが所定の位置範囲内に揃って集まっているときに所定のシステムへのアクセス権を付与するようにしてもよい。
【0081】
位置情報の大きさは、複数の位置情報を組み合わせて作られる図形の大きさを意味する。例えば、ユーザA,B,Cが協力するゲームにおいて、ユーザA,B,Cの各々の位置を頂点とする三角形の面積が所定の面積より大きい場合にゲーム上の特殊効果を与えるようにしてもよい。また、ユーザA,B,Cの各々の位置を頂点とする三角形の面積が、ユーザD,E,Fの各々の位置を頂点とする三角形の面積を超える場合にユーザA,B,Cに対してゲーム上の効果を与えるようにしてもよい。
【0082】
また、位置情報の大きさと位置とを組み合わせて制御を行ってもよい。例えば、ユーザA,B,Cの各々の位置を頂点とする三角形がユーザD,E,Fの各々の位置を頂点とする三角形を内包する場合にユーザA,B,Cに対してゲーム上の効果を与えるようにしてもよい。
【0083】
なお、上記位置情報の関係に基づいて行われる制御や処理は上記例に限定されるものではない。また、上記位置情報の関係を複数組み合わせて、制御や処理の条件として適用してもよい。
【0084】
また、位置情報の関係として利用される位置情報や位置情報の軌跡・形状をユーザが選択できるようにしてもよい。例えば、あるユーザに対して5つの位置情報が登録されているとき、その中からユーザが選択した位置情報の関係に基づいて制御を行うようにしてもよい。また、位置情報の取得順に軌跡を用いるのではなく、ユーザが選択した軌跡や形状に基づいて制御を行うようにしてもよい。
【0085】
<変形例4>
上記実施の形態では、すべてのユーザに対して同一の条件が設定されるものとしたが、ユーザ毎に位置情報の関係と制御方法とを関連付けて設定するようにしてもよい。
【0086】
例えば、
図10の利用機能データベースに示すように、ユーザA(ユーザID:100001)とユーザB(ユーザID:100002)に対して、異なる機能や補正効果を登録しておき、同一の位置情報の関係であってもユーザ毎に異なる制御を行うようにしてもよい。
図10の例では保護機能について登録されており、ユーザAでは、利用機能情報IDがFunc1のとき「フィルタリング無しのブラウザ機能」、「宛先制限無しのメール送受信」、「通話先制限無しの通話」となる。一方、ユーザBでは、利用機能情報IDがFunc1のとき「フィルタリング有りのブラウザ機能」、「宛先制限有りのメール送受信」、「通話先制限有りの通話」となる。このように、ユーザ毎に異なる制御を実現することができる。
【0087】
また、ゲームにおいて、ユーザAに対しては、関連ユーザ3人が100m未満に居れば武器攻撃の効果を10倍、関連ユーザ2人が100m以上500m未満に居れば5倍、関連ユーザ1人が500m以上に居れば2倍とし、ユーザBに対しては、関連ユーザ3人が100m未満に居れば呪文攻撃の効果を5倍、関連ユーザ2人が100m以上500m未満に居れば3倍、関連ユーザ1人の500m以上に居れば2倍とする等としてもよい。
【0088】
なお、ユーザ毎に設定する位置情報の関係と制御方法は上記例に限定されるものではない。
【0089】
<変形例5>
また、ユーザの位置範囲に応じて位置情報の関係と制御方法とを関連付けて設定するようにしてもよい。
【0090】
例えば、
図11の位置関係情報データベースに示すように、ユーザが範囲M内にいる場合には、位置情報間の距離が100m未満であれば位置関係情報IDをPR1、100m以上500m未満であれば位置関係情報IDをPR2、500m以上であれば位置関係情報IDをPR3とし、ユーザが範囲N内にいる場合には、位置情報間の距離が50m未満であれば位置関係情報IDをPR1、50m以上100m未満であれば位置関係情報IDをPR2、100m以上であれば位置関係情報IDをPR3とする。これに基づいて、
図9の利用機能データベースを参照して利用可能な機能又は補正効果を決定して制御を行う。
【0091】
このようにして、ユーザが居る位置範囲に応じて、異なる位置情報間の距離の条件を適用して制御を行うことができる。
【0092】
例えば、ある遊技設備内においては、非常に人が多いので親と子供とがはぐれる可能性が高いと考えられる場合、子供が所持する情報処理装置100と親が所持する情報処理装置100との位置情報間の距離が50m未満であれば子供が所持する情報処理装置100から親が所持する情報処理装置100への位置情報を送信しないものとし、50m以上100m未満では5分毎、100m以上では2秒毎と送信頻度を高くするようにする。一方、人が少ない位置範囲においては、子供が所持する情報処理装置100と親が所持する情報処理装置100との位置情報間の距離が100m未満であれば子供が所持する情報処理装置100から親が所持する情報処理装置100への位置情報を送信しないものとし、100m以上500m未満では10分毎、500m以上では1分毎と送信頻度を高くするようにする。
【0093】
また、複数のユーザの位置情報の形状によってゲームに特殊効果を与える場合、地域のイベントとの連携として、その地域内において複数のユーザの位置情報が所定の形状に合致するものとなった場合に特殊な効果を与えるようにし、地域外ではその効果は与えないようにしてもよい。
【0094】
このように、ユーザの位置範囲に応じて、位置情報の関係に基づく制御を異ならせることによって、地域の特徴に応じた制御を実現することができる。
【0095】
なお、ユーザの位置範囲毎に設定する位置情報の関係と制御方法は上記例に限定されるものではない。
【0096】
<変形例6>
また、所定の時間範囲内に限定して位置情報の関係に基づく制御を行うようにしてもよい。
【0097】
例えば、
図12の位置関係情報データベースに示すように、午後6時から午後2時までの時間範囲内では、位置情報間の距離が100m未満であれば位置関係情報IDをPR1、100m以上500m未満であれば位置関係情報IDをPR2、500m以上であれば位置関係情報IDをPR3とし、午後2時から午後6時までの時間範囲内では、位置情報間の距離が50m未満であれば位置関係情報IDをPR1、50m以上100m未満であれば位置関係情報IDをPR2、100m以上であれば位置関係情報IDをPR3とする。これに基づいて、
図9の利用機能データベースを参照して利用可能な機能又は補正効果を決定して制御を行う。
【0098】
このようにして、時間範囲に応じて、異なる位置情報間の距離の条件を適用して制御を行うことができる。
【0099】
例えば、午後6時から午後2時の間では子供が家や学校等の比較的安全な場所にいる可能性が高いと考えられる場合、子供が所持する情報処理装置100と親が所持する情報処理装置100との位置情報間の距離が100m未満であれば子供が所持する情報処理装置100から親が所持する情報処理装置100への位置情報を送信しないものとし、100m以上500m未満では30分毎、500m以上では10分毎と送信頻度を高くし、午後2時から午後6時の間では子供が安全でない場所にいる可能性が高いと考えられる場合、位置情報間の距離が50m未満であれば子供が所持する情報処理装置100から親が所持する情報処理装置100への位置情報を送信しないものとし、50m以上100m未満では5分毎、100m以上では1分毎と送信頻度を高くするようにする。
【0100】
また、所定の時間範囲においてイベントを行う場合、その時間範囲内において複数のユーザの位置情報が所定の形状に合致するものとなった場合にゲーム上において特殊な効果を与えるようにし、その時間範囲外ではその効果は与えないようにしてもよい。
【0101】
このように、時間範囲に応じて、位置情報の関係に基づく制御を異ならせることによって、時間範囲の特徴に応じた制御を実現することができる。
【0102】
なお、時間範囲毎に設定する位置情報の関係と制御方法は上記例に限定されるものではない。
【0103】
また、上記実施の形態及び変形例においてサーバ102で行われる処理の一部又は全部を情報処理装置100で行うようにしてもよい。
【解決手段】2以上の位置情報の関係を登録した位置関係情報と、利用可能な機能を登録した利用機能情報と、を関連付けし、第1のユーザ及び第2のユーザの位置情報を取得し、第1のユーザ及び第2のユーザの位置情報の関係を演算し、演算された位置情報の関係に応じて第1のユーザ及び第2のユーザとは異なる第3のユーザと第1のユーザとの関係において利用可能な機能の制限を厳しくする。