(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施例及び図示例に限定されるものではない。
以下では、本発明に係る電子機器として、無線通信による音声通話を行う携帯電話機を例示して説明を行うこととする。
【0017】
〔第1の実施の形態〕
まず、本発明を適用した第1の実施形態の携帯電話機について説明する。
第1の実施形態の携帯電話機100は、
図1及び
図2に示すように、操作者が入力操作を行うための触感付与装置1と、この触感付与装置1に接続され、触感付与装置1によって操作される携帯電話機ユニット2と、を備えて構成される。
【0018】
まず、第1の実施形態に係る触感付与装置1について説明する。
触感付与装置1は、
図2〜
図5に示すように、操作者が手動で回転させることが可能な回転操作子3と、回転操作子3の底面側に設けられ、回転操作子3を回転自在に支持する支持台4と、を備えて成り、全体が略円盤形状を呈している。
【0019】
回転操作子3は、中央に開口部31aを有する円形形状の上面部31と、上面部31の縁部から全周に亘って下方に突出した周面部32と、から成り、支持台4の上方側を覆う位置に設けられることで、触感付与装置1の上面及び周面をなしている。上面部31は、操作者が回転操作を行うための操作面Pとなっており、操作者は、上面部31の一点を指先で押さえながら、或いは、周面部32を摘んで回転操作子3を回転させることで、携帯電話機ユニット2に対する入力操作を行う。回転操作子3は、例えばアルミニウム等の放熱性のある材料、外部からの衝撃に対する耐性が強い材料によって形成されていても良いし、樹脂等によって形成されていても良い。
【0020】
支持台4は、ベース41と、このベース41に連結されたPCB基板42とから成り、回転操作子3の底面側の開口を覆う位置に設けられることで、触感付与装置1の底面をなしている。
【0021】
ベース41は、中央が開口した略ドーナツ盤状の台座部411と、台座部411の周縁部411aから外側に延出する4つの延出部412と、を備え、各延出部412には、ネジ取り付け用のネジ孔412aと、ネジ孔412aよりも外側の下面から下方に延出する突起412bと、が設けられている。ベース41は、例えばポリカーボネート等の材料から成る。
PCB基板42は、回転操作子3と略同一の外径を有する平板円環状に形成され、略中央の開口部421には、ベース41の台座部411が嵌め込まれて取り付けられている。また、PCB基板42には、ベース41の各延出部412の下面に突設された突起412bを取り付けるための取付孔422が設けられている。そして、ベース41の台座部411をPCB基板42の開口部421に嵌め込むように取り付けるとともに、ベース41の各突起412bをPCB基板42の各取付孔422に嵌入させることによって、PCB基板42とベース41とが一体的に連結されている。
【0022】
また、PCB基板42には、ベース41のネジ孔412aと重なり合う位置に、ネジ孔412aよりもやや径の大きい孔部423が、各ネジ孔412aに対応して4つ設けられており、PCB基板42の下面側からPCB基板42の孔部423を介してベース41のネジ孔412aに、薄頭ネジ等のネジ43が螺合されることによって、PCB基板42とベース41とが固定されている。
また、PCB基板42の裏面42aには、操作者の回転操作における押圧力を検出する感圧センサ(圧力検知手段)9a〜9dが4つ配設されている。
【0023】
さらに、回転操作子3の上面部31の開口部31aの内周面には、ベアリング5が配設され、このベアリング5の中央には、回転操作子3の回転軸(軸)となるビス6を挿通させる貫通孔5aが設けられている。そして、回転操作子3の上方側から、皿ビス等のビス6をベアリング5の貫通孔5aに挿入し、さらに、下方に突出したビス6の下端部を、ベース41の中央の開口413の内周面に形成された雌ネジ413aに螺嵌させることによって、ビス6と支持台4とが固定される。これにより、支持台4に対して回転操作子3がビス6周りに回転自在に連結されるようになっている。
【0024】
また、回転操作子3と支持台4との間には空間Sが形成され、この空間Sには、回転操作子3の回転角度を検出する回転検出部(回転検出手段)7、回転操作子3を回転させる超音波モータ(回転駆動手段)8、触感付与装置1の各部を制御する制御部10、携帯電話機ユニット2との間で各種信号の送受信を行う入出力部11等が配設されている。
【0025】
回転検出部7は、例えば、リング状のコードホイール71と、コードホイール71の回転角変位を検出するフォトインタラプタ72とから構成される。
【0026】
コードホイール71は、回転操作子3の上面部31の裏面33側に固着されており、回転操作子3の回転に連動して回転する。コードホイール71の下面71aには、光を反射させる反射面が、A相、B相の2つの検出パターンで周方向に沿って所定のピッチで印刷されている。
【0027】
フォトインタラプタ72は、LED等の発光素子72aとフォトIC等の受光素子72bとから成る反射型フォトインタラプタであり、PCB基板42上のコードホイール71に対向する位置に搭載され、制御部10に接続されている。また、受光素子72bは少なくとも2つの受光面を有し、互いに90度の位相差を有するA相、B相の検出信号を出力するようになっている。フォトインタラプタ72は、発光素子72aがコードホイール71に向けて発した光の反射光を受光素子72bで受光してカウントすることで、回転操作子3の回転量及び回転方向を検出し、A相、B相検出信号として制御部10に出力する。制御部10では、フォトインタラプタ72から検出された回転操作子3の回転量及び回転方向を示すA相、B相検出信号に基づいて、回転操作子3の回転速度、回転方向、回転角度を特定する。
【0028】
超音波モータ8は、圧電素子81、リング状のステータ82、ステータ82の上面に接触するロータ83等から構成され、制御部10からの制御によって駆動され、回転操作子3を回転軸としてのビス6周りに回転させる。
【0029】
ステータ82は、ベース41の上面部に形成されたリング状の凹部414に嵌入され、平板円環状の両面テープ84によってベース41に固定されている。ステータ82の上部には、周方向に沿って配設された複数の凸部821が備わり、また、ステータ82の下面側には、電圧の印加に応じて振動エネルギーを発生させる圧電素子81が、ステータ82の周方向に沿って複数配置されている。ロータ83は、例えば高分子ポリエチレン等の材料により形成され、平板円環状をなし、コードホイール71の内周側であって、ステータ82と回転操作子3とによって挟まれる位置に配設されている。
また、回転操作子3とロータ83との間には、平板円環状の両面テープ85が配設され、回転操作子3の裏面33とロータ83の上面とにそれぞれ接着されている。ロータ83の上面は、回転操作子3の裏面33に接着された両面テープ85の下面に接着されるとともに、その下面が、ステータ82の凸部821と接触するように設けられている。ロータ83の下面は摩擦係数が高くなっており、その下面に接触するステータ82の振動により発生する進行波の向きと反対方向に回転するようになっている。
【0030】
そして、制御部10により圧電素子81に駆動信号が印加されると、圧電素子81の超音波振動によってステータ82全体が振動して進行波がロータ83に伝達され、ロータ83が回転する。すると、ロータ83の回転力が回転操作子3に伝達され、これにより、回転操作子3が回転するようになっている。さらに、圧電素子81に印加する駆動信号の駆動周波数を制御することによって、圧電素子81の超音波振動による回転操作子3の回転力の大きさや回転方向を自在に設定できるようになっている。
【0031】
両面テープ84、85は、例えば、アクリルフォームなどのゲル状の素材又はゴム素材からなる。従って、ステータ82の上方側及び下方側にそれぞれ配設されたこれらの両面テープ84、85は、ステータ82が駆動された際に発生する異音を吸収するダンパーとしての機能を果たしている。
【0032】
感圧センサ9a〜9dは、PCB基板42の裏面42a側に、周方向に90°間隔で固着されている。各感圧センサ9a〜9dは、制御部10に接続されており、操作者の回転操作子3の回転操作において、回転操作子3に対して加えられる軸方向の圧力の大きさを検知し、制御部10を介して、メイン制御部24に出力する。メイン制御部24では、4つの感圧センサ9a〜9dからそれぞれ出力される圧力検知信号に基づいて、回転操作における軸方向の圧力を特定する。
感圧センサ9a〜9dとしては、例えば、抵抗膜式、拡散式、成膜式、静電容量式、機械式等の感圧センサを用いることができる。
【0033】
また、上述の回転操作子3、コードホイール71、ロータ83は、それぞれ同軸上に配設されており、支持台4に固定された回転軸としてのビス6周りに回転されるようになっている。
【0034】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)(いずれも図示せず)等を備えて構成され、メイン制御部24と接続されている。制御部10は、触感付与装置1の各部を制御するとともに、入出力部11を介して、メイン制御部24との間で各種信号の送受信を行う。
【0035】
入出力部11は、携帯電話機ユニット2と接続され、携帯電話機ユニット2との間で、各種センサの検出結果等を携帯電話機ユニット2のメインCPU241に対して送信する。
具体的には、入出力部11は、回転検出部7のフォトインタラプタ72から出力される回転操作子3の回転量及び回転方向を示すA相、B相検出信号や、PCB基板42の裏面42a側に配設された4つの感圧センサ9a〜9dから出力される圧力検知信号をメイン制御部24に出力する。また、メイン制御部24からは、入出力部11に対して超音波モータ8を駆動させるための駆動信号が入力される。
【0036】
次に、第1の実施形態に係る携帯電話機ユニット2について説明する。
携帯電話機ユニット2は、
図2に示すように、アンテナ(図示省略)を備え、外部機器との間で無線信号を送受信する通信部21と、スピーカやマイク(図示省略)等を備え、音声の入出力を行う通話部22と、表示画面23aを備え、表示画面23a上に各種画面を表示させる表示部23と、携帯電話機100全体を統括制御するメイン制御部24と、を備えて構成される。なお、通信部21や通話部22は公知の技術を用いるため、詳しい説明は省略する。
【0037】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示画面23aを備えて構成され、メイン制御部24からの指示にしたがって、表示画面23aに各種画面を表示させる。
【0038】
メイン制御部24は、メインCPU(Central Processing Unit)241、RAM(Random Access Memory)242、ROM(Read Only Memory)243等を備えて構成され、制御部10と接続されている。メイン制御部24は、触感付与装置1から送られてくる入力操作信号に基づいて、携帯電話機ユニット2の各部を制御する。
【0039】
メインCPU241は、携帯電話機ユニット2および触感付与装置1の各部から入力された入力信号に応じて、ROM243に格納された処理プログラム等を読み出してRAM242に展開して実行し、各部に制御信号を出力することにより、携帯電話機100全体の制御を行う。
【0040】
RAM242は、メインCPU241により実行される各種プログラムを展開するプログラム格納領域や、入力データやこれらの処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等を格納するデータ格納領域を備え、メインCPU241のワークエリアとして用いられる。
【0041】
ROM243は、処理プログラムやデータ等を予め記憶しており、例えば、回転検出プログラム243a、圧力検知プログラム243b、回転制御プログラム243c等を格納している。
【0042】
回転検出プログラム243aは、メインCPU241に、回転操作子3の回転速度及び回転方向(回転)を検出する機能を実現させるためのプログラムである。本実施形態では、かかる回転検出プログラム243a、メインCPU241、回転検出部7により、回転検出手段が構成される。
【0043】
圧力検知プログラム243bは、メインCPU241に、回転操作子3に対する軸方向の圧力の大きさを検知する機能を実現させるためのプログラムである。本実施形態では、かかる圧力検知プログラム243b、メインCPU241、感圧センサ9a〜9dにより、圧力検知手段が構成される。
【0044】
回転制御プログラム243cは、メインCPU241に、回転検出プログラム243aの実行において回転操作子の回転が検出された場合に、表示部23の表示画面23aの画面表示に連動して、超音波モータ8により、回転操作子3に対して正転方向への回転力の付与又は逆転方向への回転力の付与のうちの少なくとも一つを実行して回転操作子3に回転力を付与することで、回転操作子3を介して操作者に所定の触感を付与する機能を実現させるためのプログラムである。本実施形態では、かかる回転制御プログラム243c、メインCPU241により、回転制御手段が構成される。
【0045】
そして、本実施形態では、上述した回転検出部7、超音波モータ8、感圧センサ9a〜9d、制御部10、入出力部11、メイン制御部24によって、本発明における触感付与装置が構成される。
なお、「所定の触感」には、振動による触感と、力覚による触感とがある。「力覚」とは、回転操作子3を回転させるときに指にかかる重さの感覚であり、回転が軽いと感じたり、重いと感じたりする感覚のことをいう。そして、操作者の指先に力覚による触感を付与することによって、操作者により明確な操作感を与えることができる。
【0046】
ここで、上述の回転検出プログラム243a、圧力検知プログラム243b、回転制御プログラム243cの実行により行われる回転駆動処理について説明するとともに、併せて、本実施形態の携帯電話機100の作用について具体的に説明する。
【0047】
携帯電話機ユニット2に備わる表示画面23a上に、複数の選択項目が表示された画面(以下、複数の選択項目が表示された表示画面23a上の画面を「選択画面」という)が表示されている場合、操作者は、回転操作子3の操作面Pの一点を指先で押さえながら回転操作子3を回転させることで、選択画面上に表示された選択項目のうちから、目的の選択項目を選択する。さらに、操作者は、回転操作子3の回転操作によって目的の選択項目を選択した後に、選択した選択項目を決定する決定操作を行うことで、携帯電話機ユニット2に対する入力操作を行う。
【0048】
上述したように、回転操作子3が操作者によって回転操作されている際には、回転検出部7から回転操作子3の回転量と回転方向を示すA相、B相検出信号が、制御部10及び入出力部11を介してメイン制御部24に出力される。また、メイン制御部24では、回転検出部7からの信号入力に基づいて回転操作子3の回転の有無を監視しており、回転検出部7からA相、B相検出信号が入力されると、回転操作子3が回転したと判断する。すると、メイン制御部24は、超音波モータ8に対して駆動信号を出力して、回転操作子3を操作する操作者に所定の触感を付与するように、超音波モータ8を駆動させて回転操作子3を回転駆動させる。
【0049】
また、超音波モータ8の駆動に際して、メイン制御部24は、回転検出部7から入力されるA相、B相検出信号と、PCB基板42の裏面42a側に配設された4つの感圧センサ9a〜9dから出力される検知信号と、に基づいて、回転操作子3の回転方向や、回転操作子3の回転速度、回転操作子3に対する軸方向の圧力を特定する。そして、特定した回転操作子3の回転方向や回転速度、回転操作子3に対する軸方向の圧力に基づいて、回転操作子3に付与する回転力を変化させるようになっている。
【0050】
具体的には、メイン制御部24は、回転操作子3の回転方向に基づいて、表示画面における画面表示に連動して、回転操作子3の回転方向と同一方向に回転力を付与したり、又は、回転操作子3の回転方向と逆方向に回転力を付与する制御を行う。また、メイン制御部24は、回転操作子3の回転速度に基づいて、回転操作子3の回転速度が速いほど、回転操作子3に対してより短い周期で回転力を付与する制御を行う。さらに、メイン制御部24は、回転操作子3に対する軸方向の圧力に基づいて、回転操作子3に対する軸方向の圧力が大きいほど、回転操作子3に大きな回転力を付与する制御を行う。
【0051】
また、メイン制御部24では、回転検出部7から出力される回転量及び回転角度を示す検出信号に基づいて、回転操作子3の回転角度を特定し、特定した回転角度が、選択画面における選択可能な選択項目に対応する選択角度となったか否かを監視している。そして、回転操作子3の回転角度が、選択画面における選択可能な選択項目に対応する選択角度となった場合、メイン制御部24は、選択画面における選択項目の選択を切り替えるための切替信号を生成し、生成した切替信号を表示部23に出力することで、表示画面23aに表示された選択画面上の選択項目の選択を切り替える表示制御を実行する。
【0052】
このように、本実施形態では、回転操作子3の回転操作によって、表示画面23aに表示された選択項目を選択することができるとともに、回転操作子3の回転操作に連動して、回転操作子に超音波モータ8の駆動による回転力が付与されるようになっている。また、回転操作子3を回転させる方向(回転方向)や、回転操作子3を回転させる速度(回転速度)、回転操作子3を押圧する力を変えることによって、回転操作子3に付与される回転力の方向や周期、大きさを変更することができるようになっている。
【0053】
ここで、表示画面23aに表示された選択項目の選択処理と、回転操作子3に対する回転力付与処理とについて、具体例を挙げて説明する。
図6は、表示部23の表示画面23aに表示された選択画面の一例である。
図6の選択画面では、12個の選択項目(選択可能な選択項目)が、リング状に等間隔に並んで表示されている。また、これら12個の選択項目のうち、選択された選択項目(
図6では、選択項目「AAA」)が、その他の選択項目よりも大きく表示されるようになっている。
【0054】
操作者が、
図6の選択画面において回転操作子3を回転させると、回転操作子3が30°回転する度に、選択項目の選択が順に切り替えられる。
例えば、選択項目「AAA」が選択される回転角度を基準(「0°」)として、操作者が回転操作子3を時計回り方向に30°回転させ、回転操作子3の回転角度が「30°」となると、
図7に示すように、選択項目「BBB」が選択される。また、操作者が、回転操作子3を回転角度「30°」から更に時計回り方向に30°回転させ、回転操作子3の回転角度が「60°」となると、
図8に示すように、選択項目「CCC」が選択される。また、操作者が、回転操作子3を回転角度「60°」から更に時計回り方向に30°回転させ、回転操作子3の回転角度が「90°」となると、
図9に示すように、選択項目「DDD」が選択される。
このように、
図6の選択画面では、操作者が回転操作子3を時計回り方向に30°回転させる度に、選択される選択項目が「AAA」→「BBB」→「CCC」→「DDD」→・・・→「LLL」→「AAA」→・・・と切り替わるようになっている。また、操作者が回転操作子3を反時計回り方向に30°回転させる度に、選択される選択項目が「AAA」→「LLL」→「KKK」→「JJJ」→・・・→「BBB」→「AAA」→・・・と切り替わるようになっている。
【0055】
また、操作者が、回転操作子3の操作面Pを指先で押さえて、回転操作子3を時計周り方向又は反時計周り方向に回転させると、メイン制御部24の制御によって超音波モータ8が駆動され、回転操作子3に対して回転力が付与される。
回転操作子3に回転力を付与する制御において、メイン制御部24は、回転操作子3に対して、正転方向に回転力を付与する制御、又は、回転操作子3に対して逆転方向に回転力の付与する制御を、表示画面23aに表示された選択画面の画面表示に応じて実行することにより、操作者に画面表示に応じた所定の触感を呈示する。
【0056】
具体的には、選択画面において、切替先の選択項目が切替元の選択項目よりも下方に位置する場合には、回転操作子3に対して、回転操作子3の回転方向と同一方向に周期的な回転力を付与する。
すなわち、切替先の選択項目が切替元の選択項目よりも下方に位置し、且つ、操作者が、回転操作子3を時計周り方向に回転させていく場合には、回転操作子3に対して正転方向に回転力が付与される。また、切替先の選択項目が切替元の選択項目よりも下方に位置し、且つ、操作者が、回転操作子3を反時計周りに回転させていく場合には、回転操作子3に対して逆転方向に回転力が付与される。
このように、選択画面における選択切り替えの方向が下方向である場合には、回転操作子3に対して、回転操作子3の回転方向と同一方向の回転力を周期的に発生させることにより、回転操作子3が滑るように回転することとなり、操作者の指先につるつるした触感やなめらかな触感を与えることができる。
【0057】
例えば、回転操作子3を時計周り方向に回転させることによって、
図6の選択画面に表示されたリングの右半分に位置する選択項目を選択する場合には、選択項目の選択が「AAA」→「BBB」→「CCC」→「DDD」→「EEE」→「FFF」の順に切り替えられていく一方で(
図6〜
図9参照)、回転操作子3に対して、回転操作子3の回転と同一方向の回転力(すなわち、正転方向の回転力)が付与される。
また、例えば、回転操作子3を反時計周り方向に回転させることによって、
図6の選択画面に表示されたリングの左半分に位置する選択項目を選択する場合には、選択項目の選択が「AAA」→「JJJ」→「III」→「HHH」→「GGG」→「FFF」の順に切り替えられていく一方で、回転操作子3に対して、回転操作子3の回転と同一方向の回転力(すなわち、逆転方向の回転力)が付与される。
これにより、操作者の指先につるつるとした触感やなめらかな触感を与えることができ、操作者は、画面表示と合わせて、あたかも斜面を滑り降りているかのような感覚や、氷の上を滑っているかのような感覚を覚えることとなる。
【0058】
また、選択画面において、切替先の選択項目が切替元の選択項目よりも上方に位置する場合には、回転操作子3に対して、回転操作子3の回転方向と逆方向に周期的な回転力を付与する。
すなわち、切替先の選択項目が切替元の選択項目よりも上方に位置し、且つ、操作者が、回転操作子3を反時計周り方向に回転させていく場合には、回転操作子3に対して逆転方向に回転力が付与される。また、切替先の選択項目が切替元の選択項目よりも上方に位置し、且つ、操作者が、回転操作子3を時計周りに回転させていく場合には、回転操作子3に対して正転方向に回転力が付与される。
このように、選択画面における選択切り替えの方向が上方向である場合には、回転操作子3に対して、回転操作子3の回転方向と逆方向の回転力を周期的に発生させることにより、回転操作子3の回転を妨げる力が加わることとなり、操作者の指先にざらざらとした触感やでこぼことした触感を与えることができる。
【0059】
例えば、回転操作子3を時計周り方向に回転させることによって、
図6の選択画面に表示されたリングの左半分に位置する選択項目を選択する場合には、選択項目の選択が「FFF」→「GGG」→「HHH」→「III」→「JJJ」→「AAA」の順に切り替えられていく一方で、回転操作子3に対して、回転操作子3の回転と逆方向の回転力(すなわち、逆転方向の回転力)が付与される。
また、例えば、回転操作子3を反時計周り方向に回転させることによって、
図6の選択画面に表示されたリングの右半分に位置する選択項目を選択する場合には、選択項目の選択が「FFF」→「EEE」→「DDD」→「CCC」→「BBB」→「AAA」の順に切り替えられていく一方で、回転操作子3に対して、回転操作子3の回転と逆方向の回転力(すなわち、正転方向の回転力)が付与される。
これにより、操作者の指先にざらざらとした触感やでこぼことした触感を与えることができ、操作者は、画面表示と合わせて、あたかも斜面を登っているかのような感覚や、砂利道を進んでいるかのような感覚を覚えることとなる。
【0060】
このように、操作者が回転操作子3を時計周り方向と反時計周り方向のどちらに回転させても、回転操作子3に対して付与される回転力の向きが、画面表示における選択切り替えの方向(下方向/上方向)に合わせて自動的に切り替わることとなり、操作者が回転操作子3を回転させる方向を意識せずとも、常に操作者に対して画面表示に合った触感を付与することが可能となる。
【0061】
また、操作者は、回転操作子3の回転操作の速度を変更することによって、超音波モータ8の駆動によって回転操作子3に付与される回転力の周期を調整することができる。
例えば、操作者が、回転操作子3の回転速度を速めた場合には、これを受けて、メイン制御部24が、回転検出部7から出力される検出信号に基づいて、回転操作子3の回転速度が速められたと判断し、超音波モータ8を制御して、回転操作子3に対してより短い周期で回転力を付与する。
また、例えば、操作者が、回転操作子3の回転速度を遅くした場合には、これを受けて、メイン制御部24が、回転検出部7から出力される検出信号に基づいて、回転操作子3の回転速度が遅くなったと判断し、超音波モータ8を制御して、回転操作子3に対してより長い周期で回転力を付与する。
このように、操作者が回転操作子3を回転させる速度を変えることによって、回転操作子3に付与される回転力の周期を変更して、回転操作子3の触感を変えることができる。
なお、回転操作子3の回転操作の速度に応じて、回転操作子3に付与される回転力の大きさが変更されるように構成しても良い。
【0062】
また、操作者は、回転操作子3に対する押圧力を変更することによって、超音波モータ8の駆動によって回転操作子3に付与される回転力の大きさを調整することができる。
例えば、操作者が、より大きい力で回転操作子3を押圧した場合には、これを受けて、メイン制御部24が、各感圧センサ9a〜9dから出力される検知信号に基づいて、回転操作子3に対する軸方向の圧力の大きさが増大したと判断し、超音波モータ8を制御して、回転操作子3をより大きな回転力で回転させる。
また、例えば、操作者が、より小さな力で回転操作子3を押圧した場合には、これを受けて、メイン制御部24が、各感圧センサ9a〜9dから出力される検知信号に基づいて、回転操作子3に対する軸方向の圧力の大きさが減少したと判断し、超音波モータ8を制御して、回転操作子3をより小さな回転力で回転させる。
このように、操作者が回転操作子3を押圧する力を変えることによって、回転操作子3に付与される回転力の大きさを変更して、回転操作子3の触感を変えることができる
なお、回転操作子3に対する軸方向の圧力の大きさに応じて、回転操作子3に付与される回転力の周期が変更されるように構成しても良い。
【0063】
さらに、操作者は、回転操作子3の回転操作によって目的の選択項目を選択した後に、所定の押圧力で回転操作子を押圧することによって、その選択を決定することができる。
例えば、
図6の選択画面上で、操作者が、回転操作子3を選択の決定に必要な所定の押圧力で押圧すると、これを受けて、メイン制御部24が、各感圧センサ9a〜9dから出力される検知信号に基づいて、選択画面における選択項目の選択が決定されたと判断し、決定された選択項目に応じた処理を実行する。
すなわち、例えば、
図7の選択画面に示すように、選択項目「BBB」が選択された状態で、操作者が、選択の決定に必要な押圧力で回転操作子3を押圧すると、選択項目「BBB」の選択が決定されることとなり、選択が決定された選択項目「BBB」に応じた処理が実行されることとなる。
【0064】
以上説明した第1の実施形態の携帯電話機100によれば、操作者の回転操作を受けて、軸周りに回転可能な回転操作子3と、回転操作子3の回転速度及び/又は回転方向を検出する回転検出手段(回転検出部7、回転検出プログラム243a、メインCPU241)と、回転操作子3に対する軸方向の圧力の大きさを検知する圧力検知手段(感圧センサ9a〜9d、圧力検知プログラム243b、メインCPU241)と、回転操作子3に回転力を付与する回転駆動手段(超音波モータ8)と、が備わる。そして、回転検出手段(回転検出部7、回転検出プログラム243a、メインCPU241)により回転操作子3の回転が検出された場合に、回転制御手段(回転制御プログラム243c、メインCPU241)により、表示部23の表示画面23aの画面表示に連動して、回転駆動手段(超音波モータ8)により、回転操作子3に対する正転方向への回転力の付与又は逆転方向への回転力の付与のうちの少なくとも一つが実行されて、回転操作子3に回転力が付与されることで、回転操作子3を介して操作者に所定の触感が付与される。
すなわち、操作者が回転操作子を回転操作すると、表示部の表示画面に連動して、回転駆動手段により、回転操作子に対して、正転方向への回転力と逆転方向への回転力との少なくとも一つが付与され、操作者に所定の触感が与えられることとなる。したがって、触感付与装置を備える電子機器において、操作者に、表示部における画面表示に連動した多様な操作感を与えることが可能となる。
【0065】
また、回転制御手段(回転制御プログラム243c、メインCPU241)は、回転検出手段(回転検出部7、回転検出プログラム243a、メインCPU241)により検出された回転操作子3の回転速度及び/又は回転方向と、圧力検知手段(感圧センサ9a〜9d、圧力検知プログラム243b、メインCPU241)により検知された圧力の大きさと、に応じて、回転操作子3に付与する回転力を変化させる。
すなわち、操作者は、回転操作子を回転させる速度や、回転操作子を回転させる方向、回転操作子を押圧する力を変更することによって、回転駆動手段の駆動により回転操作子に付与される回転力を変化させることができる。
【0066】
なお、上述した第1の実施形態では、回転操作子3の回転角度を検出する回転検出手段として、円環状のコードホイール71とフォトインタラプタ72とから成る光学式の回転検出部7を例示したが、回転検出部7は回転検出手段の一例であり、回転操作子3の回転角度を検出するものであれば如何なる構成を用いても良い。例えば、メカ式(接点式)、磁気式、電極の静電容量変化によって位置検出を行う静電式の回転検出手段等を用いることができる。また、回転操作子3の回転量及び回転方向に加え、絶対位置を検出可能なアブソリュート型のロータリー・エンコーダを用いても良い。
【0067】
また、上記第1の実施形態では、感圧センサをPCB基板の裏面側に4つ配設する場合について説明したが、感圧センサの配置位置はこれに限られず、回転操作子3に対する軸方向の圧力を検知可能であればどの位置に配設されていても良い。また、感圧センサの数も4つに限られず、1つ以上であれば良い。また、感圧センサは、圧力の量を検知するものに限らず、タクトスイッチのような、所定値以上の圧力がかかった否かを検知できるものであってもよい。
【0068】
〔第2の実施の形態
(参考例)〕
ここで、上記課題を解決するための他の発明(参考例)として以下の第1及び第2の発明の構成を開示するとともに、この発明を適用した携帯電話機について第2の実施形態として説明する。なお、上記第1の実施形態の携帯電話機100と同様の構成には、同じ符号を付すとともに説明を省略し、第1の実施形態の携帯電話機と異なる部分のみ説明する。
すなわち、第1の発明は、触感付与装置において、
軟質材料からなる操作板と、
前記操作板に触感を付与する触感付与手段と、
前記操作板に対する操作者の操作を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記操作板に対する操作者の操作が検出された場合に、表示部の表示画面の画面表示に連動して、前記触感付与手段により、前記操作板に触感を付与することで、前記操作板を介して操作者に所定の触感を付与する駆動制御手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、表示部を備える電子機器において、
軟質材料からなる操作板と、
前記操作板に触感を付与する触感付与手段と、
前記操作板に対する操作者の操作を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記操作板に対する操作者の操作が検出された場合に、表示部の表示画面の画面表示に連動して、前記触感付与手段により、前記操作板に触感を付与することで、前記操作板を介して操作者に所定の触感を付与する駆動制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0069】
第2の実施形態の携帯電話機200は、
図10及び
図11に示すように、操作者が入力操作を行うための触感付与装置25と、この触感付与装置25に接続され、触感付与装置25によって操作される携帯電話機ユニット26と、を備えて構成される。
【0070】
まず、第2の実施形態に係る触感付与装置25について説明する。
触感付与装置25は、
図10〜
図13に示すように、操作者が操作を行うための操作板27と、操作板27の下方側に設けられた支持台28と、を備えて成り、操作板27と支持台28との間には、操作板27に対して触感を付与する超音波モータ(触感付与手段)8a、触感付与装置25の各部を制御する制御部10、携帯電話機ユニット26との間で各種信号の送受信を行う入出力部11等が配設されている。また、支持台28の裏面28a側には、操作板27における操作を検出するための感圧センサ(検出手段)29a〜29dが配設されている。
【0071】
操作板27は、略円盤形状に形成され、支持台28の上方側に設けられることで、触感付与装置25の上面をなしている。操作板27の上面部271は、操作者が操作を行うための操作面Pとなっており、操作者は、操作板27の操作面Pに指先を置き、操作面P上で指先を周方向に沿って円を描くように移動させることで、携帯電話機ユニット26に対する入力操作を行う。
操作板27は、例えば、高分子ポリエチレン等の軟質材料により形成されており、入力操作に際して、操作者が操作板27を押圧する力に応じて下方に撓むとともに、超音波モータ8aからの振動や振動により発生する進行波と逆向きの力が伝達されるようになっている。
【0072】
支持台28は、操作板27と略同一の径を有する略円盤形状の台座部281と、台座部281の上面に突設された平面視略C字状の突設部282と、台座部281の中心位置に設けられた略円筒形の円筒部283と、突設部282と円筒部283との間に形成された略リング状の凹部284とを備え、操作板27の下方側に設けられることで、触感付与装置25の底面をなしている。
また、支持台28の裏面28aには、支持台28の裏面28a側に配設された各感圧センタ29a〜29dに対向する位置に、4つの接触部285が下方に突出するように配設されており、操作板27が押圧された場合に、接触部285の下面が感圧センサ29a〜29dの上面に当接するようになっている。
【0073】
超音波モータ8aは、圧電素子81、リング状のステータ82等から構成され、制御部10からの制御によって駆動され、操作板27に触感を付与する。
【0074】
ステータ82は、支持台28の上面に形成された略リング状の凹部284に配設され、平板円環状の両面テープ84によって支持台28に固定されている。ステータ82の上部には、周方向に沿って配設された複数の凸部821が備わり、また、ステータ82の下面側には、電圧の印加に応じて振動エネルギーを発生させる圧電素子81が、ステータ82の周方向に沿って複数配置されている。ステータ82の上面に形成された凸部821は、操作板27の裏面272と接触するように設けられており、ステータ82の振動により発生する進行波を操作板27に伝える。ステータ82は、突設部282に形成された切り欠き282aを通るように配設されたFPC基板86によって制御部10と接続されており、制御部10から出力される駆動信号に応じて触感が付与される。
【0075】
そして、制御部10から圧電素子81に対して駆動信号に基づく駆動電圧が印加されると、圧電素子81の超音波振動によってステータ82全体が振動し、ステータ82の振動により発生する進行波による振動(触感)が操作板27に伝達される。さらに、圧電素子81に印加する駆動信号の駆動周波数を制御することによって、圧電素子81の超音波振動により操作板27に付与する振動の大きさや向きを自在に設定できるようになっている。
そして、超音波モータ8aの駆動によって操作板27に対して振動が付与されると、操作板27の上面部271(操作面P)に置かれた操作者の指先に、所定の触感が付与される。また、上述したように、操作板27は軟質材料により形成されているため、超音波モータ8aから与えられる振動がより伝達され易くなっており、操作者の指先に超音波モータ8aの駆動による触感をより明確に付与することができる。
【0076】
両面テープ84は、例えば、アクリルフォームなどのゲル状の素材又はゴム素材からなり、ステータ82が駆動された際に発生する異音を吸収するダンパーとしての機能を果たしている。
【0077】
感圧センサ29a〜29dは、支持台28の裏面28a側に、周方向に90°間隔で配設されている。各感圧センサ29a〜29dは、制御部10に接続されており、操作者の操作において、支持台28の裏面28aに配設された接触部285を介して、操作板27に対して加えられる軸方向の圧力の大きさを検知し、制御部10を介してメイン制御部30に出力する。
感圧センサ29a〜29dとしては、例えば、抵抗膜式、拡散式、成膜式、静電容量式、機械式等の感圧センサを用いることができる。
【0078】
次に、第2の実施形態に係る携帯電話機ユニット26について説明する。
携帯電話機ユニット26は、
図2に示すように、アンテナ(図示省略)を備え、外部機器との間で無線信号を送受信する通信部21と、スピーカやマイク(図示省略)等を備え、音声の入出力を行う通話部22と、表示画面23aを備え、表示画面23a上に各種画面を表示させる表示部23と、携帯電話機200全体を統括制御するメイン制御部30と、を備えて構成される。
【0079】
メイン制御部30は、メインCPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)242、ROM(Read Only Memory)302等を備えて構成され、制御部10と接続されている。メイン制御部30は、触感付与装置25から送られてくる入力操作信号に基づいて、携帯電話機ユニット26の各部を制御する。
【0080】
メインCPU301は、携帯電話機ユニット26および触感付与装置25の各部から入力された入力信号に応じて、ROM302に格納された処理プログラム等を読み出してRAM242に展開して実行し、各部に制御信号を出力することにより、携帯電話機200全体の制御を行う。
【0081】
ROM302は、処理プログラムやデータ等を予め記憶しており、例えば、操作検出プログラム302a、駆動制御プログラム302b等を格納している。
【0082】
操作検出プログラム302aは、メインCPU301に、操作板27に対する操作者の操作を検出する機能を実現させるためのプログラムである。本実施形態では、かかる操作検出プログラム302a、メインCPU301、感圧センサ29a〜29dにより、操作検出手段が構成される。
【0083】
駆動制御プログラム302bは、メインCPU301に、操作検出プログラム302aの実行において操作板27に対する操作者の操作が検出された場合に、表示部23の表示画面23aの画面表示に連動して、超音波モータ(触感付与手段)8aにより操作板27に触感を付与することで、操作板27を介して操作者に所定の触感を付与する機能を実現させるためのプログラムである。本実施形態では、かかる駆動制御プログラム302b、メインCPU301により、駆動制御手段が構成される。
【0084】
そして、本実施形態では、上述した超音波モータ8a、感圧センサ29a〜29d、制御部10、入出力部11、メイン制御部30によって、本発明における触感付与装置25が構成される。
【0085】
ここで、上述の操作検出プログラム302a及び駆動制御プログラム302bの実行により行われる回転駆動処理について説明するとともに、併せて、本実施形態の携帯電話機200の作用について具体的に説明する。
【0086】
携帯電話機ユニット26に備わる表示画面23a上に、複数の選択項目が表示された選択画面が表示されている場合、操作者は、操作板27の操作面Pに指先を載せ、操作面P上で指先を周方向に沿って円を描くように移動させることで、選択画面上に表示された選択項目のうちから、目的の選択項目を選択する。さらに、操作者は、操作面Pにおける操作によって目的の選択項目を選択した後に、選択した選択項目を決定する決定操作を行うことで、携帯電話機ユニット26に対する入力操作を行う。
【0087】
ここで、操作面Pにおいて操作が行われている際には、支持台28の裏面28a側に配設された各感圧センサ29a〜29dのそれぞれから、操作板27に対する押圧力を示す圧力検知信号が、制御部10及び入出力部11を介してメイン制御部30に出力される。また、メイン制御部30では、各感圧センサ29a〜29dからの信号入力に基づいて操作板27における操作の有無を監視しており、感圧センサ29a〜29dから操作板27における操作によって検知した圧力を示す圧力検知信号が入力されると、操作板27において操作が行われたと判断する。すると、メイン制御部30は、超音波モータ8aに対して駆動信号を出力して、超音波モータ8aを駆動させ、操作板27を操作する操作者に所定の触感を与えるように操作板27に対して触感(振動)を付与する。
【0088】
また、超音波モータ8aの駆動に際して、メイン制御部30は、支持台28の裏面28a側に配設された4つの感圧センサ29a〜29dからそれぞれ出力される圧力検知信号に基づいて、所定の演算処理を実行し、操作面Pにおける操作の方向(時計周り方向/反時計周り方向)や、操作面Pにおける操作の速度(操作面P上で操作者の指先が移動する速度)、操作板27に対する軸方向の圧力を特定する。そして、特定した操作の方向(時計周り方向/反時計周り方向)、操作の速度、操作板27に対する軸方向の圧力に基づいて、操作板27に付与する触感(振動)を変化させる。
具体的には、メイン制御部30は、感圧センサ29a〜29dからの圧力検知信号に基づいて特定した操作面Pにおける操作の方向に応じて、表示画面23aにおける画面表示に連動して、操作の方向と同一方向に触感(振動)を付与したり、又は、操作の方向と逆方向に触感(振動)を付与する制御を行う。また、メイン制御部30は、感圧センサ29a〜29dからの圧力検知信号に基づいて特定した操作面Pにおける操作の速度に応じて、操作面Pにおける操作の速度が速いほど、操作板27に対してより短い周期で振動を付与する制御を行う。さらに、メイン制御部30は、感圧センサ29a〜29dからの圧力検知信号に基づいて特定した操作板27に対する軸方向の圧力に応じて、操作板27に対する軸方向の圧力が大きいほど、操作板27に大きな触感(振動)を付与する制御を行う。
【0089】
また、メイン制御部30は、4つの感圧センサ29a〜29dからそれぞれ出力される圧力検知信号に基づいて、所定の演算処理を実行し、操作面Pにおける操作位置(すなわち、操作者の指先の位置)を特定するようになっている。そして、特定した操作面Pにおける操作位置が、選択画面における選択可能な選択項目に対応する選択角度となったか否かを監視している。そして、操作面Pにおける操作位置が、選択画面における選択可能な選択項目に対応する選択角度となった場合、メイン制御部30は、選択画面における選択項目の選択を切り替えるための切替信号を生成し、生成した切替信号を表示部23に出力することで、表示画面23aに表示された選択画面上の選択項目の選択を切り替える表示制御を実行する。
【0090】
このように、本実施形態では、操作者が、触感付与装置25の操作面P上で、その指先を操作板27の周方向に沿って移動させる操作を行うことで、表示画面23aに表示された選択項目を選択することができるとともに、操作面Pにおける操作に連動して、操作板27に超音波モータ8aの駆動による触感(振動)が付与されるようになっている。また、操作面Pにおける操作の方向や、操作面Pにおける操作の速度、操作板27を押圧する力を変えることによって、超音波モータ8aにより操作板27に付与される触感(振動)の方向や周期、大きさを変更することができるようになっている。
【0091】
ここで、選択項目の選択処理及び操作板27に対する触感付与処理の具体例を、第1の実施形態と同様に、
図6を用いて説明する。
【0092】
図6は、表示部23の表示画面23aに表示された選択画面の一例である。
図6の選択画面では、12個の選択項目が、リング状に等間隔に並んで表示されている。また、これら12個の選択項目のうち、選択された選択項目(
図6では、選択項目「AAA」)が、その他の選択項目よりも大きく表示されるようになっている。
そして、
図6の選択画面において、操作者が、操作面P上で指先を周方向に沿って円を描くように摺動させると、選択面における操作位置に応じて、選択項目の選択が順に切り替えられる。
【0093】
このとき、メイン制御部30の制御によって超音波モータ8aが駆動され、操作板27に対して触感が付与される。操作板27に対する触感の付与に際して、メイン制御部30は、表示画面23aに表示された選択画面の画面表示に応じて、超音波モータ8aにより、操作板27に対して正転方向に触感(振動)を付与する制御、又は、操作板27に対して逆転方向に触感(振動)を付与する制御を実行することにより、操作者に画面表示に応じた触感を呈示する。
【0094】
具体的には、選択画面において、切替先の選択項目が切替元の選択項目よりも下方に位置する場合には、操作板27に対して、操作面Pにおける操作の方向と同一方向に周期的な触感(振動)を付与する。
すなわち、切替先の選択項目が切替元の選択項目よりも下方に位置し、且つ、操作者が、操作面Pにおいて指先を時計周りに移動させている場合には、操作板27に対して正転方向に触感(振動)が付与される。また、切替先の選択項目が切替元の選択項目よりも下方に位置し、且つ、操作者が、操作面Pにおいて指先を反時計周りに移動させている場合には、操作板27に対して逆転方向に触感(振動)が付与される。
このように、選択画面における選択切り替えの方向が下方向である場合には、操作板27を、操作面Pにおける操作の方向と同一方向に、超音波で振動させることにより、操作者の指と操作板27の間に空気の層を作り、操作者の指先につるつるした触感やなめらかな触感を与えることができ、あたかもつるつるとしたものの上をなぞっているかのような感覚を与えることができる。
【0095】
また、選択画面において、切替先の選択項目が切替元の選択項目よりも上方に位置する場合には、操作板27に対して、操作面Pにおける操作の方向と逆方向に周期的な触感(振動)を付与する。
すなわち、切替先の選択項目が切替元の選択項目よりも上方に位置し、且つ、操作者が、操作面Pにおいて指先を反時計周りに移動させている場合には、操作板27に対して逆転方向に触感(振動)が付与される。また、切替先の選択項目が切替元の選択項目よりも上方に位置し、且つ、操作者が、操作面Pにおいて指先を時計周りに移動させている場合には、操作板27に対して正転方向に触感(振動)が付与される。
このように、選択画面における選択切り替えの方向が上方向である場合には、操作板27に対して、操作面Pにおける操作の方向と逆方向に、超音波による断続的な振動を発生させることにより、操作者の指先にざらざらとした触感やでこぼことした触感を与えることができる。
【0096】
このように、操作者が操作面Pにおいて時計周り方向と反時計周り方向のどちらの方向に指先を移動させても、操作板28に対して付与される触感(振動)の向きが、画面表示における選択切り替えの方向(下方向/上方向)に合わせて自動的に切り替わることとなり、操作者が指先を移動させる方向(操作の方向)を意識せずとも、常に操作者に対して画面表示に合った触感を付与することが可能となる。
【0097】
また、操作者は、操作面Pにおける操作の速度を変更することによって、超音波モータ8a8の駆動によって操作板27に付与される触感(振動)の周期を調整することができる。
例えば、操作者が、操作面Pにおける操作の速度を速めた場合には、これを受けて、メイン制御部30が、各感圧センサ29a〜29dから出力される圧力検知信号に基づいて、操作速度が速められたと判断し、超音波モータ8aを制御して、操作板27に対してより短い周期で触感(振動)を付与する。
また、例えば、操作者が、操作面Pにおける操作の速度を遅くした場合には、これを受けて、メイン制御部30が、各感圧センサ29a〜29dから出力される圧力検知信号に基づいて、操作速度が遅くなったと判断し、超音波モータ8aを制御して、操作板27に対してより長い周期で触感(振動)を付与する。
このように、操作者が操作面P上で指先を摺動させる速度を変えることによって、操作板27に付与される触感(振動)の周期を変更して、操作面Pの触感を変えることができる。
なお、操作面Pにおける操作の速度に応じて、操作板27に付与される振動の大きさが変更されるように構成しても良い。
【0098】
また、操作者は、操作板27に対する押圧力を変更することによって、超音波モータ8aの駆動によって操作板27に付与される触感(振動)の大きさを調整することができる。
例えば、操作者が、より大きい力で操作板27を押圧した場合には、これを受けて、メイン制御部30が、各感圧センサ29a〜29dから出力される検知信号に基づいて、操作板27に対する軸方向の圧力の大きさが増大したと判断し、超音波モータ8aを制御して、操作板27に対して大きな触感(振動)を付与する。
また、例えば、操作者が、より小さな力で操作板27を押圧した場合には、これを受けて、メイン制御部30が、各感圧センサ29a〜29dから出力される検知信号に基づいて、操作板27に対する軸方向の圧力の大きさが減少したと判断し、超音波モータ8aを制御して、操作板27に対してより小さな触感(振動)を付与する。
このように、操作者が操作板27を押圧する力を変えることによって、操作板27に対して付与される触感(振動)の大きさを変更して、操作面Pの触感を変えることができる
なお、操作板27に対する軸方向の圧力の大きさに応じて、操作板27に付与される触感(振動)の周期が変更されるように構成しても良い。
【0099】
さらに、操作者は、操作面Pにおける操作によって目的の選択項目を選択した後に、所定の押圧力で操作板27を押圧することによって、その選択を決定することができる。
例えば、
図6の選択画面上で、操作者が操作板27を、選択の決定に必要な所定の押圧力で押圧すると、これを受けて、メイン制御部30が、各感圧センサ29a〜29dから出力される検知信号に基づいて、選択画面における選択項目の選択が決定されたと判断し、決定された選択項目に応じた処理を実行する。
【0100】
以上説明した第2の実施形態の携帯電話機200によれば、軟質材料からなる操作板27と、操作板27に触感を付与する触感付与手段(超音波モータ8a)と、操作板27に対する操作者の操作を検出する検出手段(操作検出プログラム302a、メインCPU301、感圧センサ29a〜29d)と、が備わる。また、駆動制御手段(駆動制御プログラム302a、メインCPU301)により、検出手段により操作板27に対する操作者の操作が検出された場合に、表示部23の表示画面23aの画面表示に連動して、触感付与手段(超音波モータ8a)により、操作板27に触感を付与することで、操作板27を介して操作者に所定の触感が付与される。
すなわち、操作板において操作者の操作が行われると、表示部の表示画面に連動して、触感付与手段により操作板に対して触感が付与され、操作者に所定の触感が与えられることとなる。したがって、触感付与装置を備える電子機器において、操作者に、表示部における画面表示に連動した多様な操作感を与えることが可能となる。
【0101】
なお、上記第2の実施形態では、感圧センサ29a〜29dを支持台28の裏面28a側に4つ配設する場合について説明したが、感圧センサ29a〜29dの配置位置はこれに限られず、操作板27における操作位置や、操作板27に対する軸方向の圧力等を検知可能であればどの位置に配設されていても良い。また、感圧センサ29a〜29dの数も4つに限られず、3つ以上であれば良い。また、感圧センサ29a〜29dは、圧力の量を検知するものに限らず、タクトスイッチのような、所定値以上の圧力がかかった否かを検知できるものであってもよい。
【0102】
なお、本発明の範囲は上記の各実施形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0103】
例えば、上記実施形態では、本発明に係る触感付与装置を備える電子機器として携帯電話機を例示したが、本発明の触感付与装置は携帯電話機に限られることなく、触感付与装置による入力操作を行うことができる限り如何なる電子機器にも適用することができる。例えば、携帯型オーディオプレーヤ、PDA(Personal Digital Assistance)等の他の携帯型端末装置や、テレビジョン受像機等のAV機器、パーソナルコンピュータ等に本発明の触感付与装置を適用しても良い。また、触感付与装置は、電子機器に予め組み込まれていても良く、また、単体の外付け装置として電子機器に接続して使用することとしても良い。
【0104】
また、上記実施形態では、回転駆動手段及び触感付与手段として超音波モータを例示したが、超音波モータは回転駆動手段及び触感付与手段の一例であり、回転操作子又は操作板に対して回転力を付与するものであれば如何なる構成を用いても良い。例えば、静電荷同士の吸引と反発を動力として駆動する静電アクチュエータや、磁場(磁界)と電力の相互作用による力を利用して駆動する電磁式アクチュエータ、磁歪アクチュエータ、油圧シリンダ、空気圧シリンダによるもの等を用いることができる。また、回転駆動手段及び触感付与手段における駆動の制御として、アクチュエータの動力をそのまま回転操作子等の被駆動体に伝えるものであってもよく、または、駆動パルス数に比例して動作するステッピングモータ等であっても良い。また、被駆動体を回転させることによって駆動するアクチュエータであってもよく、または、被駆動体をリニアに運動させることによって駆動するリニアアクチュエータであっても良い。
【0105】
また、回転操作子3に対して付与する回転力の組み合わせは、上記実施形態で例示した具体例に限られず、正転方向の回転力や逆転方向の回転力を自在に組み合わせて付与することができる。
また、上記実施形態では、回転操作子3や操作板27における操作者の操作の方向に応じて、回転操作子3や操作板27に付与される回転力の方向が自動的に切り替わる場合について説明したが、回転力が付与される方向が操作の方向によって切り替わらないように構成されていても良い。