【文献】
PJ編集部,ATRC「X3Engine」がLEDバックライト制御を加えて大きく進化,PROJECTORS+ディスプレイ,日本,PJ総合研究所,2010年 6月 1日,vol.23,p51-52
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記輝度補正手段により得られる前記バックライトに対する輝度補正情報に基づいて、前記映像信号に対する補正を行う映像補正手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の輝度制御装置。
前記輝度補正ステップにより得られる前記バックライトに対する輝度補正情報に基づいて、前記映像信号に対する補正を行う映像補正ステップを有することを特徴とする請求項5又は6に記載の輝度制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<本発明について>
本発明は、従来手法のようにAPLを検出してバックライトを制御するのではなく、APL以外のコンテンツ情報を分析し、その分析結果に対応させてバックライトを制御する。なお、本発明において分析されるコンテンツ情報としては、例えば、映像から得られる「輝度ヒストグラム(Histogram)情報」、「色(Color)ヒストグラム(色相、色飽和度等を含む)情報」、「周波数ヒストグラム情報」等がある。
【0025】
また、本発明では、従来からあるAPL情報に上述した各ヒストグラム情報を組み合わせることで、更に最適なバックライト制御を行う。また、本発明では、コンテンツ情報の詳細分析をしてバックライトのブロック数に影響されないバックライト制御を行う。また、本発明では、バックライトの制御特性をコンテンツ情報(APL等も含む)に応じたリニア補正だけでなく、非線形補正をも行えるようにする。
【0026】
更に、本発明では、バックライトの制御特性にコンテンツ情報(APL等も含む)に応じてオフセット(Off−set)制御も実現する。また、本発明では、バックライト制御によるバックライト輝度干渉妨害を削減するためにバックライト情報から信号系への補正情報を送出するようにする。
【0027】
以下に、上述した特徴を実現するための本発明における輝度制御装置及び輝度制御方法を好適に実施した形態について図面等を用いて説明する。なお、以下に示す実施形態の例では、表示手段の一例としてLCDを用いることとするが、本発明においてはこれに限定されるものではない。また、以下に示す実施形態では、主に映像信号をディスプレイ等の表示手段に出力する際の輝度制御について説明するが、本発明に置いてはこれに限定されるものではなく画像等も含まれるものとする。
【0028】
<第1の実施形態>
<輝度制御装置の機能構成例>
図1は、第1の実施形態における輝度制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図1に示す輝度制御装置10は、映像処理手段11と、映像情報分析手段12と、ブロック情報取得手段13と、ブロック単位制御手段14と、バックライト駆動制御手段15と、バックライト手段16と、バックライト輝度補正手段17と、タイミング制御手段18と、表示手段19とを有するよう構成されている。
【0029】
映像処理手段11は、入力される映像信号が圧縮符号化されている場合には、その信号の復号化を行ったり、限定受信放送等によりスクランブル化等の暗号化処理されている場合には、予め設定された鍵情報等を用いて復号化(デスクランブル化)を行う。つまり、映像処理手段11は、後段の各構成で映像信号に対する処理が可能となり、表示手段19から映像が表示できるように、入力された映像信号を適宜変換する。また、映像処理手段11は、入力された信号を映像情報分析手段12、及びバックライト輝度補正手段17に出力する。
【0030】
映像情報分析手段12は、映像処理手段11により入力された映像信号に対してAPL検出、輝度ヒストグラム検出、色ヒストグラム検出(色相、色飽和度)、周波数ヒストグラム検出の少なくとも1つの情報を検出し映像情報の分析を行う。なお、映像情報分析手段12における分析内容の詳細については後述する。また、映像情報分析手段12は、分析された結果をブロック情報取得手段13に出力する。
【0031】
ブロック情報取得手段13は、映像情報分析手段12により得られる分析結果と、予め設定される映像信号に対する制御信号により、ブロック単位あたりの大きさ(画素数、インチ等)等を設定する。このように、ブロック単位の大きさを映像情報等から設定することにより、映像情報に対応させてブロック単位のバックライトを制御することができる。
【0032】
なお、ブロック情報取得手段13は、制御信号の入力に対して実行されるだけではなく、例えば、予め設定された制御情報に基づいて、映像情報分析手段12により分析結果の情報が入力されたときに、自動的に処理することもできる。また、ブロック情報取得手段13は、取得したブロック情報をブロック単位制御手段14に出力する。
【0033】
ブロック単位制御手段14は、ブロック情報取得手段13により得られるブロック情報に基づいて、映像信号に対応するブロック毎に、オフセット制御、及び非線形補正を行う。また、ブロック単位制御手段14は、入力された映像信号に対してPWM(Pulse Width Modulation)等による変調処理を行う。なお、ブロック単位制御手段14におけるブロック単位での制御内容の具体例については後述する。
【0034】
また、ブロック単位制御手段14は、映像に含まれる各ブロックのオフセット(Off−set)制御情報及び非線形補正情報を、バックライト駆動制御手段15及びバックライト輝度補正手段17に出力する。
【0035】
バックライト駆動制御手段15は、ブロック単位制御手段14により得られるブロック毎のオフセット制御情報や非線形補正情報等に対応させて、各ブロック位置に対応するバックライトの駆動制御を行う。
【0036】
なお、バックライト駆動制御手段15は、タイミング制御手段18により出力される映像信号の表示手段19の映像と同期させてバックライトを駆動させるように、タイミング制御手段18からのクロック信号に基づいて、タイミング制御された駆動信号をバックライト手段16に出力することができる。
【0037】
ここで、バックライトは、通常、LCDに設けられているR(赤)、G(緑)、B(青)の3つの色のLED(Light Emitting Diode)素子等に対応させて、それぞれ対に設けられている。そのため、画素毎の調整は、LED素子毎に行うことが望ましいが、その場合にはコストや処理時間がかかってしまう。そこで、本実施形態では、所定のブロック単位で処理を行う。これにより、コストの削減と効率化を実現することができる。
【0038】
バックライト駆動制御手段15は、各ブロックに対応するそれぞれの駆動制御信号をバックライト手段16に出力する。バックライト手段16は、設定された各ブロックに対応するそれぞれの駆動制御信号に基づいて、各ブロックの所定の位置にあるバックライトをそれぞれに設定された所定の輝度制御により点灯させ、その光を表示手段19の画面に照射させる。
【0039】
バックライト輝度補正手段17は、ブロック単位制御手段14により得られるオフセット制御情報及び非線形補正情報に基づいて、映像処理手段11により得られる映像信号に対して、バックライトによる輝度補正を行う。つまり、バックライト輝度補正手段17は、予め信号情報から得られた輝度情報を逆補正してトリミングし、映像信号側にフィードバックさせる。
【0040】
ここで、バックライトは、例えば表示手段19の背面等に位置し、輝度制御用のブロック単位で動作している。また、バックライトの動作は、映像信号の解像度に及ばない低解像度の輝度動作である。そのため、本実施形態によれば、映像信号の輝度解像度との差が生じるといったブロック輝度干渉妨害を防止することができ、ユーザに見易くて最適な映像をディスプレイ画面に表示することができる。
【0041】
また、バックライト輝度補正手段17は、オフセット制御情報及び非線形補正情報により映像信号の補正を行うことで、バックライトのインパルス制御機能等と共に輝度、コントラスト、色等の制御を行うことができる。
【0042】
なお、本実施形態において、バックライト輝度補正手段17は、ディミングブロックの構成により映像信号側にフィードバックさせる情報が変化し、更に表示手段19の輝度透過率等によっても補正量を適切に調整する必要がある。その場合には、例えば予め設定された輝度透過率検出用カメラ等を用いて検出された結果を用いてフィードバックさせる情報を自動的に調整することができる。バックライト輝度補正手段17は、上述した処理等により補正された映像信号をタイミング制御手段18に出力する。
【0043】
タイミング制御手段18は、バックライト輝度補正手段17により得られる映像信号を表示手段19の画面の水平方向、垂直方向に合わせて表示する時間の制御を行い、表示手段19の一面に表示される画像情報を生成し、生成された画像を表示手段19に出力する。
【0044】
更に、タイミング制御手段18は、画面に表示する映像と同期してバックライト手段16によるバックライトを点灯させるために、バックライト駆動制御手段15に対し、映像信号を出力手段19に出力したタイミングに対応させて、その映像信号に対応するバックライトを点灯させるタイミング制御信号をバックライト駆動制御手段15に出力する。
【0045】
これにより、表示手段19による映像出力と、バックライト手段16による当該映像に対応したバックライト出力とを同期させることができる。
【0046】
表示手段19は、タイミング制御手段18にて生成された映像情報を画面に表示する。なお、表示手段19としては、例えばLCDパネル等を用いることができるが本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0047】
上述した構成により、本実施形態では、LCDパネルのバックライトを、映像コンテンツに連動させて動的(Dynamic)に動作させることができ、よりハイコントラストな映像を提供することができる。つまり、本実施形態によれば、映像コンテンツに応じた最適なバックライト制御を行うことができる。
【0048】
したがって、LCDバックライトでの様々なディミング動作を行うときに発生する映像信号への輝度干渉妨害を改善することができ、ディミング動作をより最適な動作にすることができる。
【0049】
また、従来では単純なAPL検出でのバックライト制御が主流であったが、本実施形態によれば、APLの検出結果が同じ値でも、上述した各種ヒストグラムの検出結果用いることにより、より詳細なバックライト制御を行うことができる。したがって、例えば、輝度ヒストグラム検出により白成分の多いAPL50%、黒成分の多いAPL50%の違いが明確に識別できるため最適なバックライトを行うことができる。
【0050】
また、本実施形態では、従来のAPL検出によって処理される基準輝度制御の他に、輝度ヒストグラム検出により最適輝度制御が実現でき、例えば、色ヒストグラム検出を行うことで、最適なホワイトバランス(White Balance)制御等によるRGBに対するLEDバックライト制御を行うことができる。
【0051】
つまり、本実施形態では、ヒストグラムの検出結果のみを用いてバックライト輝度制御を行ってもよく、APLの検出結果とヒストグラムの検出結果とを組み合わせてバックライト輝度制御を行ってもよい。
【0052】
<輝度制御処理手順>
次に、上述した輝度制御装置10における輝度制御処理手順の例について、フローチャートを用いて説明する。
図2は、本実施形態における輝度制御処理手順一例を示す概略フローチャートである。
【0053】
図2において、本実施形態における輝度制御処理では、まず上述したように本実施形態における入力される映像信号に対して復号化や平均化、コントラスト調整等の映像処理を行う(S01)。次に、S01の処理で得られた映像信号に対して、APL検出、輝度ヒストグラム検出、色ヒストグラム検出、周波数ヒストグラム検出のうち、少なくとも1つの情報を検出して映像の分析処理を行う(S02)。
【0054】
次に、S02の処理で得られた結果から、映像に対応させて、例えば1フレーム画像中に対する各ブロックの生成し、生成した各ブロックを識別する識別情報を有するブロック情報を取得する(S03)。なお、ブロック情報とは、例えば、生成した各ブロックが1フレーム中のどこのフレームであるかを示す情報や、そのブロック分割されたフレームに関する情報等を含む。また、フレームの分割は、画像の内容や装置の処理性能等により予め設定されたサイズで分割される。なお、上述した画像の内容とは、例えば、1フレーム中における隣接画素間や隣接フレーム間の同一位置の画素間における輝度差が所定値以上の部分等の情報等を含む。
【0055】
また、S03の処理で得られるブロック単位でオフセット補正や非線形補正等を行い(S04)、その補正結果に対応させてバックライト駆動制御を行う(S05)。
【0056】
また、S01の処理で得られる分割される前の映像信号に対しても、S04の処理で得られる補正結果に基づいて、バックライトに対応した映像の輝度補正を行う(S06)。その後、出力される映像と、映像に対応するバックライトの出力を同期させるためのタイミング制御を行い(S07)、バックライトの出力及び映像の表示を行う(S08)。
【0057】
ここで、本実施形態に係る輝度制御処理を終了するか否かを判断し(S09)、終了しない場合(S09において、NO)、S01に戻り以降の処理を行う。また、ユーザ等からの終了指示等により処理を終了する場合(S09において、YES)、輝度制御処理にて行われる映像の出力処理やバックライトに出力処理を終了する。
【0058】
したがって、上述した輝度制御手順により、ディスプレイ装置等においてユーザに最適な映像や画像を画面表示すると共に、効率的な消費電力の削減を実現することができる。なお、上述の処理では、例えば、S06の処理に示すように、バックライトの輝度制御情報を映像にフィードバックさせて映像情報の輝度補正等の処理を行ったが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば、バックライトの輝度補正のみを行うだけでも上述したようにディスプレイ装置等においてユーザに最適な映像や画像を画面表示すると共に、効率的な消費電力の削減を実現することができる。
【0059】
次に、上述した本実施形態における構成や手順に基づく具体的な実施例について説明する。
【0060】
<バックライトの輝度制御について>
上述した本実施形態で適用されるバックライトは、例えばLCDパネル等の表示手段19の背面や側面等に設置されている。また、バックライトは、例えばRGBのそれぞれに対応するLED等の発光素子からなり、更に複数の発光素子単位でブロック化し、ブロック化された発光素子毎に対応するドライバIC(Integrated Circuit)等を用いて輝度制御を行う。
【0061】
ここで、発光素子のブロック構成の例について説明する。
図3は、本実施形態で適用可能な発光素子のブロック構成の一例を示す図である。なお、
図3では、LCDバックライト用のLEDについて示されている。
図3(a),(b)に示すように、表示手段20の所定の画面表示領域には、R,G,Bのそれぞれの素子(エレメント)21r,21g,21bが存在している。また、各色の素子21r,21g,21bにより組(cell)が構成され、また複数の組からなる素子ブロック22を構成している。また、これらの素子は、マルチ結線やポイント結線によりドライバICと接続されている。
【0062】
更に、複数の素子ブロック22が所定の位置に所定数配置されて、輝度補正等の制御を行う輝度制御ブロック23が構成される。なお、本実施形態において、輝度制御ブロック23の数や配置例を
図3(a),(b)に示しているが、本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0063】
また、
図3(a)、(b)に示すバックライトは、LCDパネルの裏面に設置されるいわゆるトップタイプ(Top Type)の構成であるが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば、表示手段20の画面の下側やサイドの一方(右側、左側)又は両サイドに配置されるいわゆるエッジタイプ(Edge Type)の構成であってもよい。
【0064】
なお、上述した輝度制御ブロック23は、例えば、上述したように入力された映像信号から得られるAPL検出、輝度ヒストグラム検出、色ヒストグラム検出、周波数ヒストグラム検出の少なくとも1つの検出結果を用いることにより、所定の大きさのブロック単位に分割して補正を行うことができる。なお、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば予め設定されたブロック単位に分割してもよい。
【0065】
<バックライト駆動制御手段15について>
次に、上述したバックライト駆動制御手段15の構成例について図を用いて説明する。
図4は、バックライト駆動制御手段の概要構成を説明するための図である。なお、
図4(a)は、エッジWタイプ(Edge White Type)の高電圧ドライバを用いた構成例を示し、
図4(b)は、エッジRGBタイプ(Edge RGB Type)の低電圧ドライバを用いた構成例を示し、
図4(c)は、トップRGBType(Top RGB Type)の構成例を示している。
【0066】
図4(a)〜(c)に示すように、それぞれの表示手段30には、一例として、上述した素子ブロック22又は輝度制御ブロック23の何れかのブロックが所定の位置に配置されている。また、それらのバックライトは、パネルコントロールIC(PWM)31により駆動制御がなされ、パネルコントロールIC31によりドライバ(Driver)デバイスであるドライバIC32又はドライバIC群33により接続された対応するLEDからバックライトを出力する。
【0067】
ここで、
図4(a)に示すパネルコントロールIC31では、最大200〜300Vの高電圧を供給することが可能な場合の例であり、低電圧の場合には
図4(b)に示すように複数のドライバIC32−1,32−2,・・・を設けて、例えば低電圧として最大5〜24Vの電圧を供給することができる。
【0068】
なお、
図4(a)〜(c)に示すように、1つのドライバIC42又はドライバIC群43が複数の素子の出力を制御する。
【0069】
<バックライト駆動制御手段15の内部構成について>
次に、上述したバックライト駆動制御手段15の内部構成例について具体的に説明する。
図5は、本実施形態におけるバックライト駆動制御手段の構成例を示す図である。
【0070】
図5に示すバックライト駆動制御手段15は、メイン基板41と、ドライバ基板42とを有しており、メイン基板41には、マイコン部43と、FPGA(Field Programmable Gate Array)44とを有し、ドライバ基板42には、複数のドライバIC45を有している。また、FPGA44には、パルス発生部51と、OSC(発振器)52と、PWMアレイ53と、ゲート(Gate)アレイ54と、S/P(シリアル/パラレル)変換部55とを有するよう構成されている。更に、
図5に示すメイン基板41及びドライバ基板42には、電源により電力が供給されている。
【0071】
メイン基板41は、マイコン部43から得られる制御情報に基づいて、FPGA44にて構築されたゲートアレイ54を用いて1又は複数のドライバ基板42に設けられている1又は複数のドライバICのうち、対応するドライバICに対してバックライト手段16に設けられている各ブロックのバックライトを駆動させるための制御信号を出力する。
【0072】
具体的には、メイン基板41は、FPGA44内のパルス発生部51が、タイミング制御手段から得られる同期信号(Vsync)に基づいて、映像信号のタイミングに併せてバックライトの輝度制御を行うためのパルス信号を生成する。また、パルス発生部51は、生成されたパルス信号を、それぞれのゲートアレイ54に出力する。
【0073】
また、OSC52は、PWMアレイ53にてそれぞれ生成されるPWM信号の基準となる基準信号を生成し、PWMアレイ53の各PWM回路に出力する。
【0074】
また、メイン基板41は、FPGA44内に設けられたS/P変換部55により、ブロック単位制御手段14から得られるシリアル形式の制御信号を、ブロック単位のエリアクロック(Area clock)に基づいて、パラレル形式に変換し、PWMアレイ53に設けられるPWM回路1〜nのうち、エリアクロックに対応するPWM回路にその制御信号を出力する。
【0075】
PWMアレイ53は、OSC52により得られる基準信号と、S/P変換部55により得られる制御信号とに基づいて、PWM回路のそれぞれでパルス幅変調を行って、例えばLED等の発光素子の発光のON/OFFを制御する制御信号を生成し、生成した信号をゲートアレイ54に設けられた各PWM回路に対応するゲート回路に出力する。
【0076】
ゲートアレイ54ではパルス発生部51により得られるパルス信号と、PWMアレイ53から得られる制御信号とに基づいてドライバ基板42に設けられた1又は複数のドライバICのうち、ゲートアレイ54に設けられた各ゲート回路に対応するドライバICに対してゲート回路からの制御信号を出力する。
【0077】
なお、上述したマイコン部43は、具体的には、外部からの設定情報や予め記録された設定情報等により、パルス発生部51やS/P変換部55に対して制御信号を出力する。これにより、バックライト駆動制御手段15は、バックライト手段16に設けられた各バックライトに対して所定の駆動制御を行わせることができる。
【0078】
また、ドライバ基板42は、それぞれのドライバ基板(例えば、
図5の例では、ドライバ基板(1)〜(m))に設けられている1又は複数のドライバIC(例えば、
図5の例では、ドライバ基板(1)のとき、ドライバIC(1)〜(5))が、対応する上述したゲート回路から得られる信号に基づいて、バックライト手段16の各バックライトを駆動させるための駆動制御信号を出力する。このようにして、各ドライバICで生成した駆動制御信号は、バックライト手段16に出力されて、各バックライトの制御が行われる。
【0079】
なお、上述したPWMアレイ53及びゲートアレイ54は、それぞれ映像に対応して可変に設定される上述した輝度制御ブロック23の数に対応できるように複数の素子が設けられている。つまり、PWMアレイ53及びゲートアレイ54は、表示手段19において、最大のブロックに分割できる数のブロック数に対応させた素子を設けることができる。なお、本実施形態において、分割可能な数としては、例えば、映像の画素単位や2×2ピクセル、4×4ピクセル、16×16ピクセルの正方形ブロック等が想定できるが本発明においてはこれに限定されるものではない。また、各PWM回路及びゲート回路は、予め設定される複数の分割ブロックに対するバックライト素子を制御してもよい。
【0080】
バックライト駆動制御手段15は、上述した処理を行うことで、ドライバIC45からの駆動制御信号により、所定のタイミングで対応するLED等のバックライト素子を点灯又は消灯させることができる。
【0081】
<第2の実施形態>
次に、本発明における第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、
図1に示す映像処理手段11により得られる映像信号に基づいて、映像自体の処理は行わずに、バックライトに対する輝度制御処理を行うものである。なお、以下の実施形態の説明では、上述した輝度制御装置と同一の機能を有する構成部分には、同一の番号を付すものとし、ここでの詳細な説明は省略する。
【0082】
図6は、第2の実施形態における輝度制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図6に示す輝度制御装置60は、映像処理手段11と、フィルタ部61と、ブロック単位制御手段14と、輝度補正手段62と、PWM制御手段63と、バックライト駆動制御手段15と、表示装置64とを有するよう構成されている。なお、表示装置64は、少なくとも上述したバックライト手段16と、表示手段19とを有するよう構成されている。
【0083】
第2の実施形態における輝度制御装置60は、入力される映像信号を映像処理手段11と、フィルタ部61に出力する。映像処理手段11は、入力される映像信号に対して、上述した映像処理を実施して、所定のタイミングで表示装置64に出力する。
【0084】
フィルタ部61は、後段の処理を行う前に信号の平滑化処理を行うため、入力される映像信号のグレードに応じたローパスフィルタによる信号のフィルタリング処理を行う。また、フィルタ部61は、入力される映像信号が圧縮符号化されている場合には、その信号の復号化を行ったり、限定受信放送等によりスクランブル化等の暗号化処理されている場合には、予め設定された鍵情報等を用いて復号化(デスクランブル化)するための特別な処理を行うこともできる。
【0085】
また、フィルタ部61は、フィルタリングされた映像信号をブロック単位制御手段14に出力する。ブロック単位制御手段14は、上述したブロック単位でのAPL検出、輝度ヒストグラム検出、色ヒストグラム検出、及び周波数ヒストグラム検出のうち少なくとも1つからなる輝度制御処理を行う。なお、本実施形態における輝度制御処理は、APL検出結果と、上述したその他のヒストグラム検出結果のうちの何れか1つとを組み合わせるのが好ましい。また、ブロック単位制御手段14は、ブロック毎の制御信号を輝度補正手段62に出力する。
【0086】
輝度補正手段62は、ブロック毎の輝度制御処理結果に基づいて、外部からの設定情報や予め記録された設定情報等により、ブロック単位にバックライトの輝度情報を補正し、その補正信号をPWM制御手段63に出力する。
【0087】
PWM制御手段63は、補正された輝度情報に基づいて、バックライト駆動制御信号を生成し、生成したバックライト駆動制御信号をバックライト駆動制御手段15に出力する。したがって、バックライト駆動制御手段15は、表示装置64に設けられた画面全体のバックライトを、上述した処理により所定のブロック毎に制御することができる。
【0088】
このように、第2の実施形態では、バックライトのみの輝度補正を行っている。これだけでも、上述したようにユーザに見易くて最適な映像を画面表示すると共に効率的な消費電力の削減を実現することができ、更に、第1の実施形態よりも簡易な構成で実現することができる。
【0089】
<第3の実施形態>
次に、本発明における第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、入力される映像信号に対して映像そのものの処理に対して、ホワイトバランス補正やコントラスト補正、カラー補正等を行うものである。なお、以下の実施形態の説明では、上述した輝度制御装置10,60と同一の機能を有する構成部分には、同一の番号を付すものとし、ここでの詳細な説明は省略する。
【0090】
図7は、第3の実施形態における輝度制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図7に示す輝度制御装置70は、映像情報分析手段12と、ホワイトバランス制御手段71と、コントラスト補正制御手段72と、カラー補正手段73と、フィルタ部61と、ブロック単位制御手段14と、輝度補正手段62と、PWM制御手段63と、バックライト駆動制御手段15と、表示装置64とを有するよう構成されている。なお、ホワイトバランス制御手段71、コントラスト補正制御手段72、及びカラー補正手段73のうち、少なくとも1つの処理が映像補正手段としての処理に相当する。
【0091】
第3の実施形態における輝度制御装置70は、入力される映像信号を映像情報分析手段12と、フィルタ部61に出力する。映像情報分析手段12では、上述したように映像情報のAPL検出、輝度ヒストグラム検出、色ヒストグラム検出、周波数ヒストグラム検出を行い、得られた結果をホワイトバランス制御手段71に出力する。
【0092】
また、映像情報分析手段12は、入力される映像信号が圧縮符号化されている場合には、その信号の復号化を行ったり、限定受信放送等によりスクランブル化等の暗号化処理されている場合には、予め設定された鍵情報等を用いて復号化(デスクランブル化)するための特別な処理を行うこともできる。
【0093】
ホワイトバランス制御手段71は、入力された結果から映像信号に対するホワイトバランス制御を行う。なお、ホワイトバランス制御手段71は、ブロック単位制御手段14から得られるブロック情報に対応させてブロック毎にホワイトバランスを補正する。
【0094】
コントラスト補正制御手段72は、輝度補正手段62から得られるコントラスト情報に基づいて、ホワイトバランス補正制御手段82により得られるホワイトバランス補正された映像信号に対するコントラスト補正を行う。
【0095】
更に、カラー補正手段73は、コントラスト補正制御手段72から得られる映像信号を表示装置64の特性や性能等の所定の条件に基づいてカラー補正し、表示装置64により表示する。また、バックライト補正については、上述した第2の実施形態と同様の処理を行う。これにより、第3の実施形態において、ユーザに見易くて最適な映像を画面表示すると共に効率的な消費電力の削減を実現することができる。
【0096】
<マルチディミング(Multi Dimming)処理について>
ここで、上述した第1〜第3の実施形態では、上述したようにブロック単位の映像情報を検出し、ブロック単位のバックライトを制御するため、APL検出、輝度ヒストグラム検出、色ヒストグラム検出(色相、色飽和度)、及び周波数ヒストグラム検出のうち、少なくとも1つの情報を用いることで、バックライトのブロック数に影響されないバックライト輝度制御(Dimming)を実現することができる。また、本実施形態を適用することで、自動バックライトスキャニングシステム(Auto Backlight Scanning System(Block情報あり))や、自動タイミングフィルタ(Auto Timing Filtering(Block情報なし))、マルチ非線形補正バックライト制御といったマルチディミング(Multi Dimming)処理を提供することができる。
【0097】
なお、本実施形態では、特にAPL以外のコンテンツ情報を分析してバックライトを制御するために上述した各種ヒストグラム情報を検出したり、APL情報に各種ヒストグラム情報をプラスして最適なバックライト制御を行う。また、コンテンツ情報の詳細分析をしてバックライトのブロック数に、影響されないバックライト制御を行い、更にバックライトの制御特性をコンテンツ情報(APL等)に応じたリニア(線形)補正だけでなく非線形補正をも行えるようにする。
【0098】
更に、本実施形態では、バックライトの制御特性にコンテンツ情報(APL等)に応じてオフセット(Off−set)制御を行うことができ、更に、バックライト制御によるバックライトブロック輝度干渉妨害を削減するために、バックライト情報から信号系への補正情報を送出することもできる。
【0099】
<輝度補正について>
ここで、上述した本実施形態における輝度補正の具体例について図を用いて説明する。
図8は、本実施形態における輝度補正の具体例について説明するための図である。なお、
図8(a)〜(c)は、それぞれの輝度補正の補正パターンを示しており、
図8(d)は、ブロックディミング処理の様子を示している。
【0100】
本実施形態では、
図8に示すように、それぞれのブロック情報に基づいて、LEDバックライトの点灯・消灯等のディミング動作が実行される。ここで、
図8(a)ではブロック分割数(*n)を1とし、
図8(b)ではブロック分割数を7とし、
図8(c)ではブロック分割数が42として、ブロック輝度制御を行ったときの例を示しているが、本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0101】
本実施形態では、
図8(d)に示すように、入力される映像情報に対して、入力されたブロック情報(例えば、上述した分割数1,7,42等)に基づいて、入力される映像フレームを所定のブロック数に分割し、分割されたブロック毎に、予め入力される分析情報(例えば、APL、各ヒストグラム(Histogram)、波形等の各種プロファイル(Profile)に基づいてブロック情報が分析される。
【0102】
次に、本実施形態では、その分析されたブロック情報に対して、予め入力されるDimming情報(例えば、APL、ヒストグラム、プロファイル、又はこれらの混合情報(Mix))に基づいて、APL、ブロック輝度制御を行う。更に、本実施形態では、得られたブロック毎の輝度制御情報から、入力されるバックライト輝度、色制御情報(例えば、線形補正、非線形補正、オフセット(Off−set)補正、又はこれらの混合)に基づいて、バックライトに対する補正等の制御を行い、補正されたバックライトを点灯させる。
【0103】
なお、上記の処理において、入力される各種情報は、専用の設定画面等を生成して表示手段等に表示し、予め設けられた入力手段等を用いてユーザが設定することにより、詳細な設定を容易に行うことができる。ここで、上述した設定画面について図を用いて説明する。
【0104】
図9A〜
図9Eは、輝度制御に対する各種条件を設定する設定画面の一例を示す図(その1〜その5)である。なお、これらの画面は、設定情報に基づいて、その映像コンテンツ毎の輝度分析機能も有している(Dimming Contents Analyzer)。
【0105】
ここで、
図9Aは、APLの設定画面例を示し、
図9Bは、輝度ヒストグラムの設定画面の一例を示している。また、
図9Cは、色相ヒストグラムの設定画面の一例を示し、
図9Dは、色飽和度ヒストグラムの設定画面の一例を示している。また、
図9Eは、周波数ヒストグラムの設定画面の一例を示している。
【0106】
図9Aに示すAPLの設定画面例では、バックライトの輝度制御を行うために映像信号からAPLを検出し、検出された結果に基づいて線形補正を行うものである。なお、
図9Aの例では、線形補正に限定されずに、非線形補正やオフセット補正も行うことができる。なお、これらの具体例については後述する。
【0107】
また、
図9Bに示す輝度ヒストグラムの設定画面では、バックライトの輝度の部分補正を行う設定情報(例えば、テーブル等)を調整する。この設定情報は、例えば、0〜255のRGBをホワイトバランス等の補正を行った0〜255のRGBに変換する。例えば、
図9Bに示す例では、もとの映像に含まれる画像信号の輝度或いはRGBの値のヒストグラム(Original Histogram)をグラフ表示し、テーブル等の設定情報により補正を行った後の輝度或いはRGBの値のヒストグラム(Compensated Histogram)をグラフ表示する。なお、上述したヒストグラムの表示において、補正前と補正後の信号の解像度が異なる場合には、例えば、補正後の画像信号の全画素数が補正前の映像信号の全画素数と同じになるように正規化を行う。これにより、両者の比較を容易に行うことができる。この輝度ヒストグラムによれば、例えば、画像単位に明るい色又は白系の色がどの程度含まれているのかを容易に把握することができる。
【0108】
また、
図9Bに示す輝度ヒストグラムの設定画面では、モード(Mode)として補正テーブルの種類を選択することができ、そのモード(補正テーブル)を適用した際の入力(Input)と出力(Output)との関係が表示される。この補正テーブルの形状は、画面上で修正することができるため、例えば、暗部だけを補正したり、明部だけを補正したり、暗部と明部とで補正値を変えることもできる。なお、これらの輝度ヒストグラムに関する各設定情報の調整は、画面に設けられたスライダ等を用いて調整することができる。
【0109】
また、
図9C及び
図9Dに示す2つの色ヒストグラムの設定画面では、それぞれ色相ヒストグラムと色飽和度ヒストグラムとが表示されている。それぞれの設定画面では、カラーチューニングやRGBゲイン等の色の基本設定を行う。
【0110】
例えば、
図9Cに示す色相ヒストグラムの設定画面例では、もとの映像に含まれる画像信号の色相のヒストグラムをグラフ表示し(Original Hue Histogram)、補正後の画像の色相のヒストグラム(Compensated Hue Histogram)をグラフ表示する。
【0111】
なお、ここでの色相は、ベクトルスコープでの角度であり、また補正前と補正後の2つのヒストグラムは、例えば0.5〜1.0秒毎に描画しなおして表示されている。また、
図9Cに示すヒストグラムは円グラフを示しているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば棒グラフを表示することができる。
【0112】
例えば、
図9Dに示す色飽和度ヒストグラムでは、棒グラフにより補正前と補正後の色飽和度ヒストグラムが表示されている。これらは、
図9C及び
図9D示す所定のチェックボックス(「vector」)へのチェックの有無により円グラフと棒グラフとを切り替えて表示させることができる。
【0113】
ここで、
図9C及び
図9Dに示すようなヒストグラムの表示において、補正前と補正後の信号の解像度が異なる場合には、例えば、補正後の画像信号の全画素数が補正前の映像信号の全画素数と同じになるように正規化を行う。
【0114】
また、これらの色ヒストグラムに関するカラーチューニングやRGBゲイン等の各設定情報の調整は、画面に設けられたスライダ等を用いて調整することができる。
【0115】
また、
図9Eに示す周波数ヒストグラムの設定画面では、周波数成分のヒストグラムに対して、ノイズリダクション(Noise Reducer)及びシャープネス(Sharpness)の調整を行う。つまり、
図9Eに表示される設定画面では、表示されるヒストグラムのグラフの縦軸上端に相当する値(Scale)をスライダ、或いはエディットボックスで変更することができ、これにより、表示されるヒストグラムの高さを変更することができる。また、
図9Eに示す設定画面では、スケール用のスライダの可変範囲の最大値を編集したり(Range of scale)、ノイズリダクション機能やシャープネス補正の機能をON/OFFしたり、ノイズリダクション及びシャープネス補正の度合いを設定し、対応する周波数ヒストグラムを画面に表示させることができる。
【0116】
また、
図9Eに示す設定画面では、例えばFPGA内部で周波数ヒストグラムを計算するときの遮断周波数を設定することができる。
【0117】
このように、本実施形態では、各種の設定画面等を設けることで、ユーザが設定することができ、所定の範囲におけるヒストグラム情報やプロファイル情報等を取得することができるため、これらの情報に基づいてバックライトの輝度制御を最適に行うことができる。
【0118】
ここで、上述した
図9Aに示すAPLの設定画面を用いた輝度制御の例について具体的に説明する。
【0119】
<動的バックライト輝度制御について>
本実施形態では、最適な動的バックライト輝度制御の具体例について図を用いて説明する。
図10は、本実施形態における動的バックライト輝度制御の具体例について説明するための図である。
図10では、縦軸をAPL検出値(%)とし、横軸をバックライトの輝度レベル(%)として、APLに対する最適輝度制御の例を示している。
【0120】
本実施形態では、例えば
図10に示すようなAPLとバックライトの結果に基づいて、例えば、APL検出により動的レンジによるセンタリング処理が制御され、白色及び黒色における各種ヒストグラム検出により非線形補正が行われる。
【0121】
具体的に説明すると、例えばLCDパネルのバックライトの輝度を制御する場合、消費電力を削減するため、映像信号のAPL情報によって線形(Linear)に輝度制御することが一般的に知られている。このようなAPLに依存したバックライトの輝度制御を単純に(リニア制御)行うと消費電力は、低減できるがコントラストが低下するという副作用が起こることが知られている。なお、この原因は、例えば、実際に使用されている映像信号のAPL範囲が20〜50%付近に集中しているためであり、平均すると30〜40%というデータが得られていることは、周知の事実である。
【0122】
そこで、まず実際に使用される映像信号のAPLを基準としてバックライト制御用APL曲線(Curve)を設定するとAPL35%付近をバックライト輝度50%値として設定することが最適であることが分かる。したがって、本実施形態では、APL35%付近をバックライト輝度50%値とした非線形制御曲線を設定する。これにより、コントラストを低下させず、且つ消費電力低減が可能となる。
【0123】
また、本実施形態では、映像信号のAPL検出と輝度ヒストグラム情報とを検出し制御を2段階制御方式にして理想的で且つ最適なバックライトの輝度制御を行うことができる。
【0124】
つまり、本実施形態では、バックライト輝度制御を初め映像信号(実際のコンテンツ)のAPL検出により基準値(50%)を割り出し、その基準値に基づいてセンタリングされた単純非線形曲線(Curve)を設定する、次に、輝度ヒストグラムデータから暗い輝度成分が多いときには輝度オフセット(Off−set)を乗算したり、黒輝度部の非線形曲線(Curve)により制御を行ったり、或いは、明るい輝度成分が多いときには明部の輝度曲線により制御を行うことで、より見やすい最適な映像が得られると共に効率的な消費電力をとなる。
【0125】
これにより、本実施形態によれば、APLと輝度ヒストグラム情報を使用して最適なバックライト制御を行うことでより効率的且つ低消費電力を実現しながら最適なハイコントラスト映像を得ることができる。
【0126】
<バックライト輝度の非線形、オフセット制御について>
次に、上述したバックライト輝度の非線形、オフセット制御について図を用いて具体的に説明する。
図11は、本実施形態におけるバックライト輝度の非線形、オフセット制御の具体例について説明するための図である。なお、
図11では、上述した
図10と同様に縦軸をAPL検出値(%)とし、横軸をバックライトの輝度レベル(%)としている。
【0127】
非線形、オフセット制御においても、上述した
図12に示すように、APL35%付近をバックライト輝度50%値とした非線形制御曲線を設定することでコントラストを低下させず、且つ消費電力低減が可能となる。
【0128】
また、バックライトの輝度レベルをオフセットにより、例えば0%から30〜40%あたりまで上げることで、暗くならずにバックライトに適した輝度制御を行うことができる。
【0129】
このように、本実施形態によれば、コントラストを低減させずに低消費電力化を実現させることができる。また、バックライトの最小値(Minimum)輝度を設定できるようにしたオフセット(Off−set)制御機能を有することで、より高精度が映像を提供することができる。
【0130】
これにより、例えば、LCDパネル等の表示手段のバックライトを、映像コンテンツに連動して動的(Dynamic)に動作させることで、よりハイコントラストな映像を得るために最適バックライト制御を行うコンテンツ分析を行うことができる。
【0131】
上記の内容をより具体的に説明すると、従来におけるバックライト制御のためのコンテンツ分析は、一般的に単純なAPL検出でのバックライト制御が主流であった。しかしながら、APL検出でのバックライト制御は、映像コンテンツに最適に動作させることができないため黒成分が多いAPL50%情報と白成分が多いAPL50%情報の制御が同じ制御動作となり、黒つぶれや白つぶれ現象が起き易いという欠点がある。したがって、本実施形態では、APLが同じ値でも輝度ヒストグラム検出により白成分の多いAPL50%、黒成分の多いAPL50%の違いが明確に識別できるため最適なバックライト制御ができる。
【0132】
本実施形態に示すように、LEDバックライト制御を非線形化することにより、ディミング(LEDの明るさ制御)時の消費電力を大きく削減しながら、且つハイコントラスト化も容易にできるようになる。
【0133】
したがって、映像コンテンツに応じた最適なバックライト制御ができ、APL検出による基準輝度制御や、輝度ヒストグラム検出による最適輝度制御、色ヒストグラム検出による最適ホワイトバランス制御(RGB LED Backlight)等の処理行うことができる。
【0134】
<ディミングブロック干渉妨害防止>
次に、上述した本実施形態を適用することで得られるディミングブロックの干渉妨害防止の具体例について図を用いて説明する。
図12は、本実施形態におけるディミングブロック干渉妨害防止の具体例について説明するための図である。
【0135】
図12の例では、画面上に植木鉢と花の画像が表示されている。例えば、一般的にバックライトの輝度動作は、LCDパネルの背面に位置し、ディミング用のブロック単位で動作している。バックライトの動作領域は、映像信号の解像度に及ばない低解像度の輝度動作であるため、映像信号の輝度解像度との差が生じる。これがディミングブロック輝度干渉妨害であり、特に輝度変化の大きい部分で起こり易いのが特徴である。
【0136】
これを改善すべく、本実施形態では、予め信号情報から得られたディミング輝度情報を逆補正してトリミングし、映像信号側にフィードバックさせることで画像を改善する。
【0137】
具体的には、LEDバックライトによる輝度補正により、「ショットアンバランス(Shoot Unbalance)」、「リンギング(Ringing)」、「ディテイルアウト(Detail Out)」、「フォーカスエラー(Focus Error)」、「アンナチュラルノイズ(Un Natural Noise)」を行う際、上述した輝度ブロックインタフェースと、カラーブロックインターフェースにより、それぞれの輝度制御処理を行う。
【0138】
具体的に説明すると、輝度ブロックインタフェースでは、ブロック単位に、バックライトを用いたブロック補正(Block Compensation)、ディザリング(Dithering)、フレキシブルブロックコントロール(Flexible Block Control)等の処理を行い、カラーブロックインターフェースでは、ブロック単位に、バックライトを用いたカラーブロック補正(Color Block Compensation)、カラーディザリング(Color Dithering)、フレキシブルブロックコントロール等の処理を行う。
【0139】
なお、上述のフレキシブルブロックコントロールとは、ブロック数やブロックサイズの制御手法である。つまり、この制御手法により、例えば最大縦100ブロック、横200ブロックの合計20000ブロックで構成されたバックライトブロックを制御する場合に、例えば10×20の200ブロックにして制御したり、100×50=5000ブロックにして制御したりする等、自由にブロック数はブロックサイズを変更することができる。
【0140】
上述したように、本実施形態では、バックライトの輝度制御を画像にフィードバックさせることで、LCDバックライトでのいろいろなディミング動作を行うときに発生する映像信号への輝度干渉妨害を改善することができる。したがって、ディミング動作をより完全な動作にすることができる。
【0141】
上述したように、本発明によれば、ユーザに見易くて最適な映像を画面表示すると共に効率的な消費電力の削減を実現することができる。
【0142】
また、本実施形態によれば、例えば、APLが同じ値でも輝度ヒストグラム検出により白成分の多いAPL50%、黒成分の多いAPL50%の違いが明確に識別できるため最適なバックライト制御を行うことができる。
【0143】
なお、本発明におけるバックライトの輝度制御手法は、TVやPCの画面、携帯端末、デジタルカメラ等のバックライトを具備する表示画面等の分野に広く適用することができる。
【0144】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。