(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
単位時間毎に車両の現在位置と車速とを含む走行情報を取得する走行情報取得手段と、道路を構成するリンクに関するリンク情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、車両外から所定時間毎に配信されたリンク毎の配信渋滞度を含む交通情報を取得する交通情報取得手段と、を備えた制御部が実行する、
前記走行情報取得手段を介して単位時間毎に前記走行情報を取得する走行情報取得工程と、
前記交通情報取得手段を介して所定時間毎に前記交通情報を取得する交通情報取得工程と、
前記地図情報に基づいて、前記走行情報取得工程で取得した現在位置がリンクを退出したか否かを判定するリンク退出判定工程と、
前記リンク退出判定工程で前記現在位置がリンクを退出したと判定した場合には、当該退出したリンク内の前記走行情報取得工程で取得した走行情報に基づいて該退出したリンクの走行渋滞度を取得する走行渋滞度取得工程と、
前記走行渋滞度取得工程で取得した退出したリンクの走行渋滞度と前記交通情報取得工程で取得した退出した時点での配信渋滞度とが一致するか否かを判定する一致判定工程と、
前記一致判定工程で退出したリンクの走行渋滞度と退出した時点での配信渋滞度とが一致しないと判定した場合には、退出したリンク内で前記交通情報が更新され、且つ、前記配信渋滞度が変更されたか否かを判定する更新判定工程と、
前記更新判定工程で退出したリンク内で前記交通情報が更新され、且つ、前記配信渋滞度が変更されたと判定した場合には、該退出したリンク内における配信渋滞度毎の旅行時間から該配信渋滞度毎の時間割合を取得する時間割合取得工程と、
前記時間割合取得工程で取得した前記配信渋滞度毎の時間割合と前記退出したリンクの走行渋滞度とに基づいて、前記退出したリンクの渋滞度を決定する渋滞度決定工程と、
前記渋滞度決定工程で決定された前記退出したリンクの渋滞度を該退出したリンクに対応させて記憶する渋滞度記憶工程と、
を備えたことを特徴とする交通情報作成方法。
単位時間毎に車両の現在位置と車速とを含む走行情報を取得する走行情報取得手段と、道路を構成するリンクに関するリンク情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、車両外から所定時間毎に配信されたリンク毎の配信渋滞度を含む交通情報を取得する交通情報取得手段と、を備えたコンピュータに、
前記走行情報取得手段を介して単位時間毎に前記走行情報を取得する走行情報取得工程と、
前記交通情報取得手段を介して所定時間毎に前記交通情報を取得する交通情報取得工程と、
前記地図情報に基づいて、前記走行情報取得工程で取得した現在位置がリンクを退出したか否かを判定するリンク退出判定工程と、
前記リンク退出判定工程で前記現在位置がリンクを退出したと判定した場合には、当該退出したリンク内の前記走行情報取得工程で取得した走行情報に基づいて該退出したリンクの走行渋滞度を取得する走行渋滞度取得工程と、
前記走行渋滞度取得工程で取得した退出したリンクの走行渋滞度と前記交通情報取得工程で取得した退出した時点での配信渋滞度とが一致するか否かを判定する一致判定工程と、
前記一致判定工程で退出したリンクの走行渋滞度と退出した時点での配信渋滞度とが一致しないと判定した場合には、退出したリンク内で前記交通情報が更新され、且つ、前記配信渋滞度が変更されたか否かを判定する更新判定工程と、
前記更新判定工程で退出したリンク内で前記交通情報が更新され、且つ、前記配信渋滞度が変更されたと判定した場合には、該退出したリンク内における配信渋滞度毎の旅行時間から該配信渋滞度毎の時間割合を取得する時間割合取得工程と、
前記時間割合取得工程で取得した前記配信渋滞度毎の時間割合と前記退出したリンクの走行渋滞度とに基づいて、前記退出したリンクの渋滞度を決定する渋滞度決定工程と、
前記渋滞度決定工程で決定された前記退出したリンクの渋滞度を該退出したリンクに対応させて記憶する渋滞度記憶工程と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された渋滞状況演算システムにおいては、渋滞度を区分する閾値を変化させて検出した各リンクの渋滞度と、所定時間毎に配信された交通情報とを比較して、最も一致率の高い閾値に基づいて各リンクの渋滞度を検出しているが、リンクの通過途中で交通情報が更新されていた場合には、当該リンクの渋滞度の検出精度が低下する虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、リンクの通過途中で交通情報が更新された場合においても、当該リンクの渋滞度を高精度に決定することができる交通情報作成装置、交通情報作成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係る交通情報作成装置は、単位時間毎に車両の現在位置と車速とを含む走行情報を取得する走行情報取得手段と、道路を構成するリンクに関するリンク情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、車両外から所定時間毎に配信されたリンク毎の配信渋滞度を含む交通情報を取得する交通情報取得手段と、前記地図情報に基づいて、前記現在位置がリンクを退出したか否かを判定するリンク退出判定手段と、前記現在位置がリンクを退出したと判定した場合には、当該退出したリンク内の前記走行情報に基づいて該退出したリンクの走行渋滞度を取得する走行渋滞度取得手段と、前記退出したリンクの走行渋滞度と退出した時点での前記配信渋滞度とが一致するか否かを判定する一致判定手段と、前記一致判定手段を介して、前記退出したリンクの走行渋滞度と退出した時点での前記配信渋滞度とが一致しないと判定した場合には、退出したリンク内で前記交通情報が更新され、且つ、前記配信渋滞度が変更されたか否かを判定する更新判定手段と、前記更新判定手段を介して、退出したリンク内で前記交通情報が更新され、且つ、前記配信渋滞度が変更されたと判定した場合には、該退出したリンク内における配信渋滞度毎の
旅行時間から該配信渋滞度毎の時間割合を取得す
る時間割合取得手段と、前
記時間割合取得手段を介して取得した前記配信渋滞度毎
の時間割合と前記退出したリンクの走行渋滞度とに基づいて、前記退出したリンクの渋滞度を決定する渋滞度決定手段と、前記渋滞度決定手段によって決定された前記退出したリンクの渋滞度を該退出したリンクに対応させて記憶する渋滞度記憶手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る交通情報作成装置は、請求項1に記載の交通情報作成装置において、前記渋滞度決定手段は、前記退出したリンク内における配信渋滞度毎
の時間割合のうちに、所定割合以上の第1特定渋滞度があるか否かを判定する第1特定渋滞度判定手段と、前記第1特定渋滞度判定手段を介して、前記第1特定渋滞度があると判定した場合には、該第1特定渋滞度と前記退出したリンクの走行渋滞度とが一致するか否かを判定する第1特定一致判定手段と、を有し、該渋滞度決定手段は、前記第1特定渋滞度と前記退出したリンクの走行渋滞度とが一致すると判定した場合には、該第1特定渋滞度を前記退出したリンクの渋滞度として決定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る交通情報作成装置は、請求項2に記載の交通情報作成装置において、前記渋滞度決定手段は、前記第1特定渋滞度判定手段を介して、前記第1特定渋滞度がないと判定した場合には、前記退出したリンク内の配信渋滞度毎
の時間割合を距離割合に変換する距離変換手段を有し、該渋滞度決定手段は、前記距離変換手段によって変換された前記退出したリンク内の配信渋滞度毎の距離割合と前記退出したリンクの走行渋滞度とに基づいて、前記退出したリンクの渋滞度を決定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る交通情報作成装置は、請求項3に記載の交通情報作成装置において、前記渋滞度決定手段は、前記距離変換手段によって変換された前記退出したリンク内における配信渋滞度毎の距離割合のうちに、所定割合以上の第2特定渋滞度があるか否かを判定する第2特定渋滞度判定手段と、前記第2特定渋滞度判定手段を介して、前記第2特定渋滞度があると判定した場合には、該第2特定渋滞度と前記退出したリンクの走行渋滞度とが一致するか否かを判定する第2特定一致判定手段と、を有し、該渋滞度決定手段は、前記第2特定渋滞度と前記退出したリンクの走行渋滞度とが一致すると判定した場合には、該第2特定渋滞度を前記退出したリンクの渋滞度として決定することを特徴とする。
【0010】
更に、請求項5に係る交通情報作成装置は、請求項1に記載の交通情報作成装置において、前記渋滞度決定手段は、前記退出したリンク内の配信渋滞度毎
の時間割合を距離割合に変換する距離変換手段と、前記退出したリンク内における配信渋滞度毎の距離割合のうちに、所定割合以上の特定渋滞度があるか否かを判定する特定渋滞度判定手段と、前記特定渋滞度判定手段を介して、前記特定渋滞度があると判定した場合には、該特定渋滞度と前記退出したリンクの走行渋滞度とが一致するか否かを判定する特定一致判定手段と、を有し、該渋滞度決定手段は、前記特定渋滞度と前記退出したリンクの走行渋滞度とが一致すると判定した場合には、該特定渋滞度を前記退出したリンクの渋滞度として決定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る交通情報作成方法は、単位時間毎に車両の現在位置と車速とを含む走行情報を取得する走行情報取得手段と、道路を構成するリンクに関するリンク情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、車両外から所定時間毎に配信されたリンク毎の配信渋滞度を含む交通情報を取得する交通情報取得手段と、を備えた制御部が実行する、前記走行情報取得手段を介して単位時間毎に前記走行情報を取得する走行情報取得工程と、前記交通情報取得手段を介して所定時間毎に前記交通情報を取得する交通情報取得工程と、前記地図情報に基づいて、前記走行情報取得工程で取得した現在位置がリンクを退出したか否かを判定するリンク退出判定工程と、前記リンク退出判定工程で前記現在位置がリンクを退出したと判定した場合には、当該退出したリンク内の前記走行情報取得工程で取得した走行情報に基づいて該退出したリンクの走行渋滞度を取得する走行渋滞度取得工程と、前記走行渋滞度取得工程で取得した退出したリンクの走行渋滞度と前記交通情報取得工程で取得した退出した時点での配信渋滞度とが一致するか否かを判定する一致判定工程と、前記一致判定工程で退出したリンクの走行渋滞度と退出した時点での配信渋滞度とが一致しないと判定した場合には、退出したリンク内で前記交通情報が更新され、且つ、前記配信渋滞度が変更されたか否かを判定する更新判定工程と、前記更新判定工程で退出したリンク内で前記交通情報が更新され、且つ、前記配信渋滞度が変更されたと判定した場合には、該退出したリンク内における配信渋滞度毎の
旅行時間から該配信渋滞度毎の時間割合を取得す
る時間割合取得工程と、前
記時間割合取得工程で取得した前記配信渋滞度毎
の時間割合と前記退出したリンクの走行渋滞度とに基づいて、前記退出したリンクの渋滞度を決定する渋滞度決定工程と、前記渋滞度決定工程で決定された前記退出したリンクの渋滞度を該退出したリンクに対応させて記憶する渋滞度記憶工程と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
更に、請求項7に係るプログラムは、単位時間毎に車両の現在位置と車速とを含む走行情報を取得する走行情報取得手段と、道路を構成するリンクに関するリンク情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、車両外から所定時間毎に配信されたリンク毎の配信渋滞度を含む交通情報を取得する交通情報取得手段と、を備えたコンピュータに、前記走行情報取得手段を介して単位時間毎に前記走行情報を取得する走行情報取得工程と、前記交通情報取得手段を介して所定時間毎に前記交通情報を取得する交通情報取得工程と、前記地図情報に基づいて、前記走行情報取得工程で取得した現在位置がリンクを退出したか否かを判定するリンク退出判定工程と、前記リンク退出判定工程で前記現在位置がリンクを退出したと判定した場合には、当該退出したリンク内の前記走行情報取得工程で取得した走行情報に基づいて該退出したリンクの走行渋滞度を取得する走行渋滞度取得工程と、前記走行渋滞度取得工程で取得した退出したリンクの走行渋滞度と前記交通情報取得工程で取得した退出した時点での配信渋滞度とが一致するか否かを判定する一致判定工程と、前記一致判定工程で退出したリンクの走行渋滞度と退出した時点での配信渋滞度とが一致しないと判定した場合には、退出したリンク内で前記交通情報が更新され、且つ、前記配信渋滞度が変更されたか否かを判定する更新判定工程と、前記更新判定工程で退出したリンク内で前記交通情報が更新され、且つ、前記配信渋滞度が変更されたと判定した場合には、該退出したリンク内における配信渋滞度毎の
旅行時間から該配信渋滞度毎の時間割合を取得す
る時間割合取得工程と、前
記時間割合取得工程で取得した前記配信渋滞度毎
の時間割合と前記退出したリンクの走行渋滞度とに基づいて、前記退出したリンクの渋滞度を決定する渋滞度決定工程と、前記渋滞度決定工程で決定された前記退出したリンクの渋滞度を該退出したリンクに対応させて記憶する渋滞度記憶工程と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
前記構成を有する請求項1に係る交通情報作成装置、請求項6に係る交通情報作成方法及び請求項7に係るプログラムでは、リンクの通過途中で交通情報が更新されて、退出したリンク内の走行情報に基づいて取得した当該リンク内の走行渋滞度と、退出した時点での交通情報の配信渋滞度とが一致しない場合には、退出したリンク内における配信渋滞度毎の
旅行時間から取得した該配信渋滞度毎の時間割合と退出したリンクの走行渋滞度とに基づいて、退出したリンクの渋滞度を決定して、該リンクに対応させて記憶する。これにより、交通情報がリンクの通過途中で更新されて、配信渋滞度が変更されても、当該リンクの渋滞度を高精度に決定して記憶することができる。
【0014】
また、請求項2に係る交通情報作成装置では、退出したリンク内における配信渋滞度毎
の時間割合のうちに所定割合以上の第1特定渋滞度があり、この第1特定渋滞度と退出したリンクの走行渋滞度とが一致した場合に、この第1特定渋滞度を退出したリンクの渋滞度として決定する。これにより、交通情報がリンクの通過途中で更新されても、当該リンクの渋滞度を高精度に決定することができる。
【0015】
また、請求項3に係る交通情報作成装置では、第1特定渋滞度がないと判定した場合においても、退出したリンク内の配信渋滞度毎の時間割合を距離割合に変換して、退出したリンク内における配信渋滞度毎の距離割合と退出したリンクの走行渋滞度とに基づいて、退出したリンクの渋滞度を決定する。これにより、交通情報がリンクの通過途中で更新されて、配信渋滞度が変更されても、当該リンクの渋滞度を更に高精度に決定することができる。
【0016】
また、請求項4に係る交通情報作成装置では、退出したリンク内における配信渋滞度毎の距離割合のうちに所定割合以上の第2特定渋滞度があり、この第2特定渋滞度と退出したリンクの走行渋滞度とが一致した場合に、この第2特定渋滞度を退出したリンクの渋滞度として決定する。これにより、交通情報がリンクの通過途中で更新されても、当該リンクの渋滞度を更に高精度に決定することができる。
【0017】
更に、請求項5に係る交通情報作成装置では、退出したリンク内の配信渋滞度毎の時間割合を距離割合に変換して、配信渋滞度毎の距離割合のうちに所定割合以上の特定渋滞度があり、この特定渋滞度と退出したリンクの走行渋滞度とが一致した場合に、この特定渋滞度を退出したリンクの渋滞度として決定する。これにより、交通情報がリンクの通過途中で更新されても、当該リンクの渋滞度を更に高精度に決定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る交通情報作成装置、交通情報作成方法及びプログラムをナビゲーション装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0020】
[ナビゲーション装置の概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置の概略構成について
図1及び
図2に基づいて説明する。
図1は本実施例に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図2は、ナビゲーション装置1と道路交通情報センタ3との通信を説明する説明図である。
【0021】
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置等を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ(LCD)15と、経路案内等に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、道路交通情報センタ3や不図示の地図情報配信センタ等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置17と、液晶ディスプレイ15の表面に装着されたタッチパネル18とから構成されている。また、ナビゲーション制御部13には自車両の走行速度を検出する車速センサ51が接続されている。
【0022】
また、ナビゲーション制御部13には、残燃料検出センサ62により燃料の残量を検出する車両ECU(Electronic Control Unit)61が電気的に接続されている。また、車両ECU61は、ナビゲーション制御部13から送信された制御情報を受信するデータ受信部61Aを備えると共に、この受信した制御情報に基づき残燃料検出センサ62により燃料の残量を計測して出力する計測部61Bを備えている。これにより、ナビゲーション制御部13は、車両ECU61に制御信号を送信し、各リンクを走行した際に消費した燃料消費量を計測することができる。
【0023】
また、
図2に示すように、ナビゲーション装置1は、ネットワーク2を介して道路交通情報センタ3が接続されている。道路交通情報センタ3は、警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や交通規制情報等の「交通情報」と、各交通情報に関連付けられたVICS(登録商標)リンクを識別するVICSリンクIDとを含む最新の道路情報を所定時間間隔で(例えば、5分間隔である。)配信する。また、ネットワーク2としては、例えば、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。
【0024】
そして、ナビゲーション装置1は、ネットワーク2を介して道路交通情報センタ3から配信された最新の道路情報を所定時間間隔で(例えば、5分間隔である。)受信することが可能に構成されている。また、この道路情報に含まれる「交通情報」は、例えば、道路の渋滞度等に関する道路渋滞情報、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の交通情報に関する詳細情報である。
【0025】
ここで、ナビ地図情報26に記憶される道路(リンク)とVICSリンクとは同一のものではない(一般的には、道路(リンク)の方がVICSリンクよりも細分化されている。)。そこで、各リンクに識別番号として付与されるリンクIDとVICSリンクIDとの間の変換テーブル(対照表)を地図情報DB25に格納し、VICSリンクIDに基づいて、対応するリンクIDを特定することができるようになっている。
【0026】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS31等からなり、自車位置、自車方位、走行距離等を検出することが可能となっている。尚、現在地検出処理部11に不図示の方位センサや距離センサ等を接続するようにしてもよい。
【0027】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)やフラッシュメモリ(図示せず)等と、ハードディスク等に記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25、交通情報データベース(交通情報DB)27及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクやフラッシュメモリ等に所定のデータを書き込む為のドライバ(図示せず)とを備えている。
【0028】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報26が格納されている。また、交通情報DB27には、道路交通情報センタ3から交通情報を受信する毎に、受信した交通情報を構成する渋滞度、渋滞の実際の長さ、所要時間、渋滞の原因、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する情報である現況交通情報27Aが格納されている。尚、交通情報DB27には、道路交通情報センタ3から交通情報を受信する毎に、過去数回分(例えば、過去6回分である。)の現況交通情報27Aが、それぞれの受信日時を付加されて記憶されており、交通情報を受信する毎に、順次新しい交通情報に入れ替えられるように構成されている。
【0029】
また、交通情報DB27の渋滞度学習情報27Bには、各リンクを走行した際の渋滞度や、各リンクを走行した際に消費した燃料消費量等を、ナビ地図情報26のリンクを識別するリンクIDに関連付けて記憶する渋滞度学習テーブル71(
図3参照)が格納されている。また、交通情報DB27には、渋滞度と各渋滞度に対応する車両の走行速度の閾値とを道路種別毎に記憶する渋滞度演算テーブル72(
図4参照)が格納されている。
【0030】
ここで、ナビ地図情報26は、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0031】
また、ノードデータとしては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノードの座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクの識別番号であるリンクIDのリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト等に関するデータ等が記録される。
【0032】
また、リンクデータとしては、道路を構成する各リンクに関してリンクを特定するリンクID、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始点と終点の座標位置(例えば、緯度と経度である。)、中央分離帯の有無、リンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、都市間高速道路、都市高速道路等を表すデータがそれぞれ記録される。
また、地図情報DB25の内容は、不図示の地図情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0033】
また、
図1に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラム等が記憶されたROM43等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。また、ROM43には、後述の退出したリンクの渋滞度とリンク内の燃料消費量とを当該リンクに対応させて記憶する「渋滞度記憶処理」(
図5参照)のプログラムが記憶されている。
【0034】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17、タッチパネル18の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
この操作部14は、走行開始時の現在位置を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0035】
また、液晶ディスプレイ15には、現在走行中の地図情報、目的地周辺の地図情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの推奨経路、推奨経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0036】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、推奨経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」等がある。
【0037】
また、通信装置17は、道路交通情報センタ3や不図示の地図情報配信センタ等と通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、道路交通情報センタ3から配信された最新の交通情報を受信すると共に、地図情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信を行う。
【0038】
また、タッチパネル18は、液晶ディスプレイ15の表示画面上に装着された透明なパネル状のタッチスイッチであり、液晶ディスプレイ15の画面に表示されたボタンや地図上を押下することによって各種指示コマンドの入力や、表示画面上を指で押下してドラッグした場合に、各指の移動方向及び移動速度の検出や、表示画面上を押下した指の数の検出等をすることが可能に構成されている。尚、タッチパネル18は、液晶ディスプレイ15の画面を直接押下する光センサ液晶方式等で構成してもよい。
【0039】
次に、交通情報DB27の渋滞度学習情報27Bに格納される渋滞度学習テーブル71の一例について
図3に基づいて説明する。
図3に示すように、渋滞度学習テーブル71は、「リンクID」と、「管理番号」と、「渋滞度」と、「走行回数」と、「消費エネルギ」とから構成されている。この「リンクID」には、ナビ地図情報26のリンクIDが記憶されている。
【0040】
また、「管理番号」には、リンクIDに対応付けられて記憶された順番が記憶されている。また、「渋滞度」には、各リンクIDに対応する後述の渋滞度記憶処理(
図5参照)によって決定された渋滞度が記憶される。また、「走行回数」には、各渋滞度で走行した走行順番が記憶されている。また、「消費エネルギ」には、当該リンクを走行した際に消費した燃料消費量が記憶される。
【0041】
尚、「走行回数」が所定回数(例えば、「5」回である。)に達した後、次の走行回数(例えば、「6」回目である。)になった場合には、渋滞度の「走行回数」が「1」回目の各データを削除して、各データの「管理番号」及び「走行回数」を各々繰り上げて記憶する.例えば、「2」〜「5」回目の各データをそれぞれ繰り上げて、「1」〜「4」回目の各データとし、当該「6」回目の各データを「5」回目の各データとして記憶する。
【0042】
次に、交通情報DB27に格納される渋滞度演算テーブル72の一例について
図4に基づいて説明する。
図4に示すように、渋滞度演算テーブル72は、「渋滞」、「混雑」、「空き道」の3種類の渋滞度と、各渋滞度に対応する車両の走行速度の閾値とから構成されている。更に車両の走行速度の閾値は、道路種別(「都市間高速道路」、「都市高速道路」、「一般道路」の3種類である。)によって異なる閾値が設定されている。
【0043】
例えば、道路種別が「一般道路」の場合には、「渋滞」と「混雑」との閾値は、「10km/h」であり、「混雑」と「空き道」との閾値は、「20km/h」である。従って、車速センサ51によって一般道路のリンクを平均走行速度「8km/h」で走行したことが検出された場合には、当該リンクの渋滞度は、「渋滞」であると判定される。
【0044】
[渋滞度記憶処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、退出したリンクの渋滞度とリンク内の燃料消費量とを当該リンクに対応させて記憶する「渋滞度記憶処理」について
図5乃至
図9に基づいて説明する。尚、
図5にフローチャートで示されるプログラムは、単位時間毎に(例えば、1秒毎である。)にCPU41によって実行される。
【0045】
図5に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車両の現在位置(以下、「自車位置」という。)を検出してRAM42に記憶する。
【0046】
そして、S12において、CPU41は、車速センサ51によって自車両の走行速度を検出してRAM42に記憶する。また、CPU41は、車両ECU61に制御信号を送信し、残燃料検出センサ62によって検出したガソリンの残量を取得してRAM42に記憶する。そして、前回のガソリンの残量から今回のガソリンの残量を引き算して燃料消費量を算出して、前回の燃料消費量に加算してRAM42に記憶する。
【0047】
続いて、S13において、CPU41は、自車位置をRAM42から読み出し、ナビ地図情報26から現在走行しているリンクの「リンクID」と「道路種別」と進行方向側の「リンク端(終点)の座標位置」を読み出し、RAM42に記憶する。そして、CPU41は、自車位置が現在走行しているリンクのリンク端(終点)を通過したか否か、つまり、自車位置がリンクを退出したか否かを判定する判定処理を実行する。
【0048】
そして、自車位置が現在走行しているリンクのリンク端(終点)を通過していないと判定した場合には(S13:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、自車位置が現在走行しているリンクのリンク端(終点)を通過した、つまり、当該リンクを退出したと判定した場合には(S13:YES)、CPU41は、タイマ45から現在時刻を読み出し、リンクを退出した時刻としてRAM42に記憶した後、S14の処理に移行する。
【0049】
S14において、CPU41は、上記S12でRAM42に記憶した退出したリンクの各車速を読み出し、その平均速度を算出して退出したリンクの「走行速度」としてRAM42に記憶する。そして、CPU41は、退出したリンクの「道路種別」をRAM42から読み出し、この道路種別を交通情報DB27に記憶する渋滞度演算テーブル72の「道路種別」とし、各渋滞度に対応する車両の走行速度の閾値を読み出しRAM42に記憶する。
【0050】
続いて、CPU41は、退出したリンクの「走行速度」と各渋滞度に対応する車両の走行速度の閾値とを比較して、退出したリンクの「走行速度」に対応する渋滞度(以下、「走行渋滞度」という。)を検出して、RAM42に記憶する。例えば、退出したリンクの「走行速度」が「30km/h」で、退出したリンクの「道路種別」が「一般道路」の場合には、渋滞度演算テーブル72より、CPU41は、退出したリンクの「走行渋滞度」は、「空き道」であると検出し、RAM42に記憶する。
【0051】
そして、S15において、CPU41は、リンク端通過時、つまり、リンクを退出した時点における現在の現況交通情報27Aから、当該リンクの渋滞度(以下、「配信渋滞度」という。)を読み出し、RAM42に記憶する。
続いて、S16において、CPU41は、上記S12でRAM42に記憶した燃料消費量を読み出し、この退出したリンクの燃料消費量としてRAM42に再度記憶する。
その後、S17において、CPU41は、後述の「渋滞度学習処理」のサブ処理(
図4参照)を実行した後、当該処理を終了する。
【0052】
[渋滞度学習処理]
次に、上記S17でCPU41が実行する「渋滞度学習処理」のサブ処理について
図6〜
図9に基づいて説明する。
図6に示すように、先ず、S111において、CPU41は、走行渋滞度と配信渋滞度とをRAM42から読み出し、この走行渋滞度と配信渋滞度とが不一致であるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0053】
そして、走行渋滞度と配信渋滞度とが一致すると判定した場合には(S111:NO)、CPU41は、この配信渋滞度を退出したリンクの「特定渋滞度」としてRAM42に記憶した後、後述のS118の処理に移行する。
【0054】
例えば、
図7の左端に示すように、自車両91が退出したリンク81の走行速度に基づく「走行渋滞度」が「渋滞」で、リンク81を退出した時点での現況交通情報27Aから読み出した「配信渋滞度」が「渋滞」の場合には、CPU41は、「配信渋滞度」の「渋滞」を退出したリンクの「特定渋滞度」としてRAM42に記憶後、後述のS118の処理に移行する。
【0055】
一方、走行渋滞度と配信渋滞度とが不一致であると判定した場合には(S111:YES)、CPU41は、S112の処理に移行する。S112において、CPU41は、退出したリンク内で交通情報を受信して現況交通情報27Aが更新され、且つ、配信渋滞度が変更されたか否かを判定する判定処理を実行する。尚、80%以上に限らず、70%以上〜95%以上等の任意の時間割合に設定してもよい。
【0056】
具体的には、CPU41は、前回リンクを退出した時刻と今回リンクを退出した時刻とをRAM42から読み出し、前回リンクを退出した時刻から今回リンクを退出した時刻までの時間間隔が、交通情報が配信される所定時間間隔(例えば、5分間隔である。)より長い場合には、退出したリンク内で交通情報を受信して現況交通情報27Aが更新されたと判定する。
【0057】
また、CPU41は、交通情報DB27の前回リンクを退出した時点の現況交通情報27Aと、今回リンクを退出した時点の現況交通情報27Aとのそれぞれの「配信渋滞度」を読み出し、これらの配信渋滞度が不一致の場合には、配信渋滞度が変更されたと判定する。
【0058】
そして、退出したリンク内で交通情報を受信せず、現況交通情報27Aが更新されていない、又は、配信渋滞度が変更されていないと判定した場合には(S112:NO)、CPU41は、S113の処理に移行する。S113において、CPU41は、退出したリンクの走行渋滞度と配信渋滞度の各データを破棄した後、つまり、各データを初期化した後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、当該処理を終了する。
【0059】
例えば、
図7の中央部に示すように、自車両91が退出したリンク82の走行速度に基づく「走行渋滞度」が「渋滞」で、リンク82を退出した時点での現況交通情報27Aから読み出した「配信渋滞度」が「空き道」であり、更に、退出したリンク82内で交通情報を受信せず、現況交通情報27Aが更新されていない場合には、CPU41は、走行渋滞度と配信渋滞度の各データを破棄した後、当該処理を終了する。
【0060】
一方、上記S112において、退出したリンク内で交通情報を受信して現況交通情報27Aが更新され、且つ、配信渋滞度が変更されたと判定した場合には(S112:YES)、CPU41は、S114の処理に移行する。S114において、CPU41は、「走行渋滞度」と一致する「配信渋滞度」の交通情報を退出したリンク内で受信しているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0061】
具体的には、CPU41は、退出したリンク内で受信していた過去の現況交通情報27Aの「配信渋滞度」を交通情報DB27から読み出し、退出したリンクの「走行渋滞度」と一致する「配信渋滞度」がある場合には、「走行渋滞度」と一致する「配信渋滞度」の交通情報を退出したリンク内で受信していると判定する。
【0062】
そして、「走行渋滞度」と一致する「配信渋滞度」の交通情報を退出したリンク内で受信していないと判定した場合には(S114:NO)、CPU41は、上記S113の処理に移行して、退出したリンクの走行渋滞度と配信渋滞度の各データを破棄した後、つまり、各データを初期化した後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、当該処理を終了する。
【0063】
一方、「走行渋滞度」と一致する「配信渋滞度」の交通情報を退出したリンク内で受信していると判定した場合には(S114:YES)、CPU41は、S115の処理に移行する。S115において、CPU41は、前回リンクを退出した時刻と今回リンクを退出した時刻とをRAM42から読み出すと共に、退出したリンク内で受信して交通情報DB27に記憶した各現況交通情報27Aの受信日時と配信渋滞度を読み出す。そして、退出したリンク内での「配信渋滞度」毎の旅行時間を各々算出してRAM42に記憶する。
【0064】
例えば、
図7の右端に示すように、自車両91が退出したリンク83の走行速度に基づく「走行渋滞度」が「空き道」で、退出したリンク内で受信していた過去の現況交通情報27Aの「配信渋滞度」が「空き道」の場合には、CPU41は、「走行渋滞度」と一致する「配信渋滞度」の交通情報を退出したリンク83内で受信していると判定する。
【0065】
そして、
図8に示すように、CPU41は、各リンク82、83を退出した時刻T1、T3をRAM42から読み出すと共に、現在の現況交通情報27Aの受信時間T2を交通情報DB27から読み出す。そして、CPU41は、各時間T1、T2、T3から退出したリンク83内での「配信渋滞度」が「空き道」と「渋滞」のそれぞれの旅行時間(例えば、「6分」と「3分」である。)を各々算出して、RAM42に記憶する。
【0066】
続いて、S116において、CPU41は、退出したリンク内での「配信渋滞度」毎の旅行時間を再度RAM42から読み出し、「配信渋滞度」毎の時間割合を算出する。その後、CPU41は、退出したリンク内での「配信渋滞度」毎の時間割合のうちに、時間割合が80%以上の配信渋滞度(以下、「第1特定渋滞度」という。)があるか否かを判定する判定処理を実行する。尚、80%以上に限らず、70%以上〜95%以上等の任意の時間割合に設定してもよい。
【0067】
そして、退出したリンク内での「配信渋滞度」毎の時間割合のうちに、時間割合が80%以上の第1特定渋滞度があると判定した場合には(S116:YES)、CPU41は、この第1特定渋滞度を退出したリンクの「特定渋滞度」としてRAM42に記憶した後、S117の処理に移行する。S117において、CPU41は、退出したリンクの「走行渋滞度」と「特定渋滞度」をRAM42から読み出し、この退出したリンクの「走行渋滞度」と「特定渋滞度」とが一致するか否かを判定する判定処理を実行する。
【0068】
そして、退出したリンクの「走行渋滞度」と「特定渋滞度」とが不一致であると判定した場合には(S117:NO)、CPU41は、上記S113の処理に移行して、退出したリンクの走行渋滞度、配信渋滞度、特定渋滞度の各データを破棄した後、つまり、各データを初期化した後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、当該処理を終了する。
【0069】
一方、退出したリンクの「走行渋滞度」と「特定渋滞度」とが一致すると判定した場合には(S117:YES)、CPU41は、S118の処理に移行する。S118において、CPU41は、退出したリンクの「リンクID」と、「特定渋滞度」と、退出したリンクの「燃料消費量」をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、この「リンクID」を渋滞度学習テーブル71の「リンクID」として、該当する渋滞度学習テーブル71の「渋滞度」に退出したリンクの「特定渋滞度」を当該リンクの「渋滞度」として記憶すると共に、「消費エネルギ」に退出したリンクの「燃料消費量」を記憶する。
【0070】
また、CPU41は、渋滞度学習テーブル71の「特定渋滞度」に該当する「管理番号」にデータを記憶した順番を表す番号を記憶し、「走行回数」に当該「特定渋滞度」の記憶順番を表す番号を記憶する。その後、CPU41は、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、当該処理を終了する。
【0071】
他方、上記S116で、退出したリンク内での「配信渋滞度」毎の時間割合のうちに、時間割合が80%以上の第1特定渋滞度が無いと判定した場合には(S116:NO)、CPU41は、S119の処理に移行する。
【0072】
S119において、CPU41は、上記S13でRAM42に記憶した退出したリンクの道路種別を読み出し、渋滞度演算テーブル72から退出したリンクの道路種別に対応する各渋滞度の走行速度の閾値を読み出す。そして、CPU41は、退出したリンク内での「配信渋滞度」毎の旅行時間に各渋滞度の走行速度の閾値を掛け算して、退出したリンク内での「配信渋滞度」毎の移動距離を算出してRAM42に記憶する。尚、CPU41は、退出したリンク内での「配信渋滞度」毎の自車両の走行速度から当該「配信渋滞度」毎の移動距離を算出するようにしてもよい。
【0073】
例えば、
図8に示すように、退出したリンク83内での「配信渋滞度」毎の旅行時間が「空き道」の「6分」と「渋滞」の「3分」の、各々の時間割合が「67%」と「33%」で、退出したリンク83が一般道路の場合には、CPU41は、渋滞度演算テーブル72から「渋滞」と「混雑」との閾値「10km/h」と、「混雑」と「空き道」との閾値「20km/h」を読み出し、RAM42に記憶する。
【0074】
そして、CPU41は、
図9に示すように、「空き道」の「6分」に閾値「20km/h」を掛け算して、「配信渋滞度」が「空き道」時の移動距離「2km」を算出し、RAM42に記憶する。また、CPU41は、「渋滞」の「3分」に閾値「10km/h」を掛け算して、「配信渋滞度」が「渋滞」時の移動距離「0.5km」を算出し、RAM42に記憶する。
【0075】
続いて、S120において、退出したリンク内での「配信渋滞度」毎の移動距離を再度RAM42から読み出し、「配信渋滞度」毎の距離割合を算出する。その後、CPU41は、退出したリンク内での「配信渋滞度」毎の距離割合のうちに、距離割合が80%以上の配信渋滞度(以下、「第2特定渋滞度」という。)があるか否かを判定する判定処理を実行する。尚、80%以上に限らず、70%以上〜95%以上等の任意の距離割合に設定してもよい。
【0076】
そして、退出したリンク内での「配信渋滞度」毎の距離割合のうちに、距離割合が80%以上の第2特定渋滞度が無いと判定した場合には(S120:NO)、CPU41は、上記S113の処理に移行して、退出したリンクの走行渋滞度と配信渋滞度の各データを破棄した後、つまり、各データを初期化した後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、当該処理を終了する。
【0077】
一方、退出したリンク内での「配信渋滞度」毎の距離割合のうちに、距離割合が80%以上の第2特定渋滞度があると判定した場合には(S120:YES)、CPU41は、この第2特定渋滞度を退出したリンクの「特定渋滞度」としてRAM42に記憶した後、上記S117以降の処理を実行する。
【0078】
例えば、
図9に示すように、退出したリンク83内での「配信渋滞度」毎の移動距離が「空き道」の「2km」と「渋滞」の「0.5km」で、距離割合が「80%」と「20%」の場合には、CPU41は、「配信渋滞度」の「空き道」を「第2特定渋滞度」とする。そして、CPU41は、第2特定渋滞度「空き道」を「特定渋滞度」としてRAM42に記憶した後、S117以降の処理を実行する。
【0079】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、CPU41は、退出したリンクの配信渋滞度と退出したリンクの走行渋滞度が一致する場合には、退出したリンクのリンクIDに対応付けて、配信渋滞度と燃料消費量を渋滞度学習テーブル71に記憶する。また、CPU41は、リンクの通過途中で交通情報が更新されて、リンクを退出した時点での配信渋滞度と退出したリンクの走行渋滞度が不一致の場合には、退出したリンク内における配信渋滞度毎の時間割合を算出する。
【0080】
そして、CPU41は、退出したリンク内における配信渋滞度毎の時間割合のうちに、時間割合が80%以上の第1特定渋滞度がある場合には、第1特定渋滞度を「特定渋滞度」とする。そして、CPU41は、この「特定渋滞度」と退出したリンクの走行渋滞度とが一致した場合には、この特定渋滞度を退出したリンクの「渋滞度」として決定し、退出したリンクのリンクIDに対応付けて、特定渋滞度と燃料消費量を渋滞度学習テーブル71に記憶する。これにより、交通情報がリンクの通過途中で更新されても、当該リンクの渋滞度を高精度に決定して、退出したリンクのリンクIDに対応付けて、特定渋滞度(配信渋滞度)と燃料消費量を渋滞度学習テーブル71に記憶することができる。
【0081】
また、退出したリンク内における配信渋滞度毎の時間割合のうちに、時間割合が80%以上の第1特定渋滞度が無い場合には、CPU41は、退出したリンク内における配信渋滞度毎の時間割合を移動距離の距離割合に変換する。そして、CPU41は、退出したリンク内における配信渋滞度毎の距離割合のうちに、距離割合が80%以上の第2特定渋滞度がある場合には、第2特定渋滞度を「特定渋滞度」とする。そして、CPU41は、この「特定渋滞度」と退出したリンクの走行渋滞度とが一致した場合には、この特定渋滞度を退出したリンクの「渋滞度」として決定する。
【0082】
続いて、CPU41は、退出したリンクのリンクIDに対応付けて、特定渋滞度と燃料消費量を渋滞度学習テーブル71に記憶する。これにより、交通情報がリンクの通過途中で更新されても、当該リンクの渋滞度を更に高精度に決定して、退出したリンクのリンクIDに対応付けて、特定渋滞度(配信渋滞度)と燃料消費量を渋滞度学習テーブル71に記憶することができる。
【0083】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0084】
例えば、上記S114で「走行渋滞度」と一致する「配信渋滞度」の交通情報を退出したリンク内で受信していると判定した場合には(S114:YES)、CPU41は、上記S115の処理を実行した後、S119の処理に移行するようにしてもよい。つまり、CPU41は、上記S116の処理を実行しないようにしてもよい。
【0085】
従って、CPU41は、退出したリンク内における配信渋滞度毎の時間割合を移動距離の距離割合に変換する。そして、CPU41は、退出したリンク内における配信渋滞度毎の距離割合のうちに、距離割合が80%以上の第2特定渋滞度があり、この第2特定渋滞度と退出したリンクの走行渋滞度とが一致した場合には、この第2特定渋滞度を退出したリンクの「特定渋滞度」として決定する。
【0086】
続いて、CPU41は、退出したリンクのリンクIDに対応付けて、特定渋滞度と燃料消費量を渋滞度学習テーブル71に記憶する。これにより、交通情報がリンクの通過途中で更新されても、当該リンクの渋滞度を高精度に決定して、退出したリンクのリンクIDに対応付けて、特定渋滞度(配信渋滞度)と燃料消費量を渋滞度学習テーブル71に記憶することができる。