【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本発明に従って、凝縮ユニットが、マルチパートコンポーネントとして設計され、保持装置と、保持装置に固定的に接続され保持装置に対して動くことのできない少なくとも1つの耐摩耗性コンポーネントとを含むことから達成された。
【0007】
トップローラ集合体の場合、本発明の目的は、トップローラ集合体が凝縮ユニットをトップローラ集合体に取り付けるための少なくとも1つの手段を含み、それによって凝縮ユニットがトップローラ集合体に可動的に適用されることから達成された。接続手段は、凝縮ユニットとトップローラ集合体との間の荷重伝達接続を確立する。接続手段は、凝縮ユニットの規定の可動性に影響する。
【0008】
マルチパート・コンポーネント・ユニットは、耐摩耗性コンポーネントを非常に小さい部品として設計することができるという利点を有する。耐摩耗性コンポーネントの外側輪郭は大幅に単純化することができる。したがって耐摩耗性コンポーネントは製造が容易になる。部品が複数あるということは、凝縮ユニットの様々な領域で、それぞれの機能に有利な材料を選択することができることを意味する。異なる機能を有する種々の領域に最適な材料を選択することができる。凝縮ユニットは、高レベルの摩耗にさらされる領域、例えば繊維ストランドと接触する領域に耐摩耗性コンポーネントを設ける。耐摩耗性コンポーネントの保持装置との固定接続は、凝縮ユニットに高レベルの精度をもたらす。充分な精度で作製された凝縮ユニットは、もはやこの精度を失うことがない。
【0009】
「ユニット」は複数の単一部品を含むことのできるコンポーネント群によって形成することができ、その個々の部品は相互に係留接続されるという点で、凝縮ユニットは文字通りの意味に理解される。個々の部品は必ずしも、動かすことができないように相互に固定的に接続する必要はない。「ユニット」は独立して売買可能な物体である。
【0010】
繊維機械のドラフトユニットのための凝縮ユニットでは、不動に適用される耐摩耗性コンポーネントに対し独立した防御が求められる。耐摩耗性コンポーネントは、マルチパート・コンポーネント・ユニットの製造に必要な独立市販品である。耐摩耗性コンポーネントはドラフト・ユニット・ローラのための支持面を含む。ドラフトユニットの凝縮ゾーンのための耐摩耗性コンポーネントは、すでにドラフトされた繊維ストランドのための凝縮チャネルを含む。ドラフトユニットの主ドラフトゾーンのための耐摩耗性コンポーネントは、ドラフトユニットの主ドラフトゾーンで処理される繊維ストランドのための少なくとも1つの案内面を含む。加えて、耐摩耗性コンポーネントはまた、凝縮ユニットの要素のための少なくとも1つのテークアップ(take−up)をも含む。この実施形態の耐摩耗性コンポーネントは、満たすべき要件に非常によく適合し、それにもかかわらず製造が単純である。耐摩耗性材料の適用は、凝縮ユニットの摩耗防止が絶対的に要求される領域に制限することができる。種々の物質が耐摩耗性材料として適している。耐摩耗性コンポーネントは超硬合金、セラミック、または硬質および/もしくは減摩性添加物質を含むことのできる耐摩耗性プラスチックから構成される。
【0011】
耐摩耗性コンポーネントにおける凝縮チャネルは、支持面の領域にトンネル状に構成されることが有利である。凝縮チャネルを有する耐摩耗性コンポーネントは凝縮コンポーネントと呼ぶこともできる。凝縮チャネルの案内壁は支持面に直接界接する。トンネル形凝縮チャネルは、ドラフト・ユニット・ローラの周面のため、閉鎖チャネルになる。ドラフト・ユニット・ローラの周面は凝縮ゾーンにおける繊維ストランドのための移送要素として働くので、これは有利である。ドラフトローラのための支持面は凹状に湾曲し、それによって湾曲面はシリンダの周面に適合する。シリンダという用語は幾何学的基体を表わす。支持面の湾曲が適合するシリンダの直径は、耐摩耗性コンポーネントおよび凝縮ユニットが動作状態でドラフト・ユニット・ローラ上に非常に正確に位置決めされ、かつトンネル形凝縮チャネルがドラフト・ユニット・ローラの周面に非常によく封着されるように、ドラフト・ユニット・ローラの外径と厳密に一致することが有利である。
【0012】
凝縮ユニットの保持装置に耐摩耗性コンポーネントを固定的に適用するため、耐摩耗性コンポーネントの支持面は非常に小さい寸法に設計することができる。保持装置は凝縮ユニットのコンポーネントであり、「凝縮ユニットの基体」と呼ぶこともできる。1つまたは複数の耐摩耗性コンポーネントが、保持装置に対して動くことができないように保持装置に適用される。保持装置は、支持面が単独で位置決めに関与しないように、凝縮チャネルの位置決めプロセスの一部を担う。その結果、支持面は特にドラフト・ユニット・ローラの周方向に大幅に縮小することができるので、耐摩耗性コンポーネントの製造が簡素化される。接触面の湾曲長は、シリンダの中心線に対し直角に見た各断面において、10mm未満であることが有利であり、8mm未満であることが特に有利である。接触面の湾曲長が小さければ小さいほど、例えばセラミックから構成される耐摩耗性コンポーネントの製造公差が小さくなる。通常必要な支持面の仕上げ研削はいずれの場合も簡素化され、充分な精度の耐摩耗性コンポーネントの場合、それを完全に省くことができる。
【0013】
凝縮ユニットの製造において、耐摩耗性コンポーネントは、保持装置に対して動くことができないように固定的に保持装置に接続される。耐摩耗性コンポーネントと保持装置の固定接続のために有利となる種々の方法が存在する。保持装置と耐摩耗性コンポーネントとの間にプレス嵌め接続が存在することは有利になり得る。摩擦係止プレス嵌めは、固定接続がプレス作業後すぐに全荷重可能になるという点で有利である。特に保持装置が射出成形部品として設計される場合、耐摩耗性コンポーネントの一部分を射出成形によって保持装置の材料で包囲することが有利になり得る。保持装置と耐摩耗性コンポーネントとの間の物質対物質結合は特に有利である。物質対物質結合は、はんだ付けまたは接着剤結合によって有利に形成することができる。耐摩耗性コンポーネントは、保持装置のまだ軟らかい材料、接着剤、または軟質はんだに埋め込むことができ、前記耐摩耗性コンポーネントは硬化により非可動的に固定される。
【0014】
有利な実施形態では、耐摩耗性コンポーネントは、凝縮ユニットの保持装置から突出するピン、特に基本的に筒状のピンのためのテークアップを含む。テークアップは盲孔によって有利に形成することができる。凝縮ユニットの要素のためのこのタイプのテークアップは、耐摩耗性コンポーネントを非常に容易に凝縮ユニットの保持装置上に滑合させ、例えばボンディングによってそこに固定することができるという点で有利である。凝縮ユニットから突出するピンの高度の安定性を保証するために、盲孔は少なくとも1つの領域で2mm超、特に3mm超の直径を備える。製造の容易化を目的として、盲孔を円錐状とし、その基部に向かって先細にすることができる。盲孔の中心線は湾曲支持面の中心線と平行に延びることが有利である。これにより、耐摩耗性コンポーネントの凝縮チャネルは、盲孔の中心線に沿って切った断面図で分かるように、盲孔の基部の下に延びることが有利である。したがって、盲孔の大きい直径は、極力小さい耐摩耗性コンポーネントに収容することができる。
【0015】
有利な実施形態では、凝縮ユニットが設けられ、凝縮ユニットの保持装置に耐摩耗性コンポーネントが張り出すように配置される。張り出すとは、耐摩耗性コンポーネントが保持装置の片側だけに固定されることを意味する。張り出すとはまた、トップローラ集合体への保持装置の取付けが、凝縮チャネルの片側だけに位置することをも意味する。保持装置における耐摩耗性コンポーネントの張出し配置は特に、耐摩耗性コンポーネントが保持装置から突出するピンのためのテークアップを含む場合に当てはまり、それによってテークアップの中心線は耐摩耗性コンポーネントの湾曲支持面の中心線と平行に延びる。
【0016】
耐摩耗性コンポーネントを凝縮ユニットに固定する目的のために、保持装置は耐摩耗性コンポーネントのためのテークアップを含むように構成される。耐摩耗性コンポーネントのためのテークアップは、保持装置から突出するピンによって、特に基本的に筒状のピンによって形成される。
【0017】
本発明の有利な実施形態では、凝縮ユニットは、保持装置に対して動くことができないように保持装置に接続される少なくとも2つの耐摩耗性コンポーネントを含む。耐摩耗性コンポーネントはこの結果、凝縮ユニットの種々の領域に配置することができ、種々の機能を達成することができる。例えば2つの耐摩耗性コンポーネントは各々、ドラフト・ユニット・ローラのための支持面を設けることができる。特に、両方の支持面がドラフト・ユニット・ローラの周方向に見て相互に距離を置いて位置するように、2つの耐摩耗性コンポーネントが保持装置に配置される場合、凝縮ユニットをドラフト・ユニット・ローラ上により良好かつより安定に位置決めすることができる。ドラフト・ユニット・ローラの周方向に見て、2つの耐摩耗性コンポーネントの支持面間の距離は、約7mmないし22mm、特に7.5mmないし15mmとすることが有利である。
【0018】
また、凝縮ユニットは、すでにドラフトされた繊維ストランドのための凝縮チャネルを含むことに加えて、さらに繊維ストランドのための案内面も存在するように設計することも有利である。ドラフトユニットの主ドラフトゾーンに繊維ストランドのための案内面を設けることが有利である。案内面は、繊維ストランドの移送方向に見て、凝縮チャネルの上流に配置される。繊維ストランドのための案内面は、繊維ストランドをドラフト面から偏向させるために適用可能な凸状案内面とすることができる。案内面はまた、主ドラフトゾーンで繊維ストランドを凝縮させるために、漏斗形に設計することもできる。このタイプの設計の場合、第1耐摩耗性コンポーネントが繊維ストランドのための少なくとも1つの案内面を含み、かつ第2耐摩耗性コンポーネントがすでにドラフトされた繊維ストランドのための少なくとも1つの凝縮チャネルを含むことが有利である。
【0019】
凝縮ユニットは、2つの隣接するドラフトユニットに適用可能でありかつドラフトローラのための支持面を各々備えた2つの耐摩耗性コンポーネントを含み、それによって耐摩耗性コンポーネントがドラフト・ユニット・ローラのアクスル方向に見て両方の支持面が相互に距離を置いて位置するように保持装置に配置されることは、有利になり得る。ドラフト・ユニット・ローラのアクスル方向において相互に距離を置いた2つの支持面は、ドラフト・ユニット・ローラ上の凝縮ユニットの特に良好かつ安定した位置決めのための基礎を形成する。
【0020】
ドラフト・ユニット・ローラの周方向およびアクスル方向に相互に離して設置された支持面は言うまでもなく、1つの凝縮ユニットになるように結合することができる。その場合、凝縮ユニットは、ドラフト・ユニット・ローラのための支持面を各々有する3つまたは4つの耐摩耗性コンポーネントを含む。
【0021】
2つの隣接するドラフトユニットのための凝縮ユニットの場合、耐摩耗性コンポーネントが両方のドラフトユニットに適用可能であるように、耐摩耗性コンポーネントは、凝縮ユニットの保持装置から突出するピンのためのテークアップを含むことが有利である。耐摩耗性コンポーネントは、その2つのテークアップのため、保持装置の両側に取付け可能であるので、耐摩耗性コンポーネントの異なる部品の数を減少させることができる。特に支持面の中心線に沿って切った断面図に示すように、2つのテークアップは凝縮チャネルまたは案内面の両側に有利に位置される。
【0022】
凝縮ユニットの安定性を高めるために、保持装置は、例えば鋼製で円筒状の形状であることが有利な連続バーを含み、該バーは隣接ドラフトユニットに割り当てられた2つの耐摩耗性コンポーネント間に延び、その端部は耐摩耗性コンポーネント内に突出することが有利になり得る。充分な安定性を確実にするために、バーは1つの領域で直径が2mm以上、特に3mm以上である。バーの端部はピンとして保持装置から外に突出し、各々が耐摩耗性コンポーネントのためのテークアップを形成する。
【0023】
本発明のさらなる実施形態では、凝縮ユニットは、支持面と接触させることのできるドラフト・ユニット・ローラの周方向に凝縮ユニットを位置決めするための停止面を少なくとも1つ含むことが有利である。周方向に位置決めするための停止面は、凝縮ユニットがドラフト・ユニット・ローラの回転運動に引きずられないようにする。特に凝縮チャネルは、停止面によってトップローラのニップラインに対して正確に位置決めされる。
【0024】
ドラフト・ユニット・ローラにおける凝縮ユニットの安定した接触を確実にするためには、支持面に接触圧力を生じさせる荷重要素のためのテークアップを少なくとも1つ提供することが有利である。トップローラ集合体に含まれる荷重要素は、テークアップの領域で凝縮ユニットと接触し、その荷重力を凝縮ユニットに伝達する。凝縮ユニットは支持面への圧力荷重を生じさせる荷重要素を含み、荷重要素は凝縮ユニットに固定することが有利になり得る。このタイプの実施形態は、荷重要素が凝縮ユニットと共に、トップローラ集合体に適用可能でありかつ容易に交換可能でもあるコンポーネント群を形成するという利点を有する。荷重要素の力は凝縮ユニットの要件に適応させることができる。荷重要素は、保持要素に固定されるばね、特に板ばねとすることが有利になり得る。ばねはジョイント要素を介して保持装置に有利に取り付けられる。さらなる有利な荷重要素は磁石である。荷重要素のためのテークアップおよび荷重要素自体は、凝縮ユニットの保持装置上に有利に配置される。もはや圧力荷重を生じさせるための荷重要素を耐摩耗性コンポーネントに直接配置する必要が無くなるので、これは凝縮ユニットのマルチパート設計のさらなる利点である。
【0025】
本発明の実施形態では、凝縮ユニットが糸のための案内面を少なくとも1つ含むように構成することができる。糸のための案内面は、凝縮ゾーンに界接する上部ローラの可撓性コットの摩耗を低減することができる。
【0026】
少なくとも2つの耐摩耗性コンポーネントを有し、少なくとも2つの耐摩耗性コンポーネントが相互に調整され、この調整された状態で耐摩耗性コンポーネントが保持装置に対して動けないように保持装置に固定接続される、凝縮ユニットの製造のためのプロセスが有利に適用される。耐摩耗性コンポーネントの調整はこの結果、シリンダの周面に適合された凸状湾曲面上に凝縮ユニットを配置することによって有利に行なわれる。この結果、シリンダの直径は、凝縮ユニットがその後適用されるドラフト・ユニット・ローラの直径に最大限の正確さで一致する。少なくとも1つの耐摩耗性コンポーネントがドラフト・ユニット・ローラのための凹状湾曲支持面を含み、それによって耐摩耗性コンポーネントが凸状湾曲面上に配置されたときに支持面がそれを調整するように、支持面の曲率がシリンダの周面に適合される場合、耐摩耗性コンポーネントの調整は簡素化される。
【0027】
保持装置への耐摩耗性コンポーネントの固定は、耐摩耗性コンポーネントが金型内にセットされ、射出成形によって保持装置の材料で包囲されることで行なうことができる。この結果、耐摩耗性コンポーネントを調整するための凸状湾曲面は金型の領域内に配置されるので、耐摩耗性コンポーネントは射出成形プロセス中に正確に調整された状態になる。
【0028】
特に有利な製造プロセスでは、耐摩耗性コンポーネントは接着剤結合によって保持装置に固定される。凝縮ユニットの保持装置は、各耐摩耗性コンポーネントのためのテークアップを含み、それによって各テークアップの領域に接着剤が塗布され、耐摩耗性コンポーネントが軟らかい接着剤上に配置され、かつ相互に対して調整され、調整された状態の耐摩耗性コンポーネントが接着剤の硬化によって保持装置に不動に固定される。
【0029】
本発明のプロセスに係る凝縮ユニットの製造は、非常に安定しておりかつドラフト・ユニット・ローラ上に確実に位置決めされた凝縮ユニットを非常に容易に作製することができるという利点を有する。凝縮ユニットは、動作中に振動の発生によって生じるドラフト・ユニット・ローラの周面からの上昇が大幅に防止される。加えて、この結果、凝縮ユニットの支持面の再加工が最小化される。支持面を持つ耐摩耗性コンポーネントは、保持装置に固定する前に仕上げられるので、ドラフト・ユニット・ローラのための支持面へのその後の再加工は必要最小限必要で済むという利点がある。さらなる再加工は行なわれず、有利である。
【0030】
凝縮ユニットがトップローラ集合体に可動的に適用される本発明に係るトップローラ集合体は、トップローラ集合体がドラフト・ユニット・ローラから持ち上げられたときでも凝縮ユニットが失われず、かつ凝縮ユニットは制御下においてのみ動かすことができるので、有利である。国際出願WO2006/005207A1に開示された公知のトップローラ集合体とは対照的に、今回凝縮ユニットはもうトップローラ間で制御されない動きを行なうことができなくなっている。可動性は凝縮ユニットを取り付けるための手段によって規定される。取付け手段は、トップローラ集合体からの力が少なくとも1方向に凝縮ユニットに伝達可能であるように設計される。取付け手段は設計に応じて、基体および/またはツイン・トップ・ローラのアクスルに適用することができる。
【0031】
ツイン・トップ・ローラは両方とも、基体上で、ツイン・トップ・ローラのトップローラが相互に接触せず、かつトップローラ集合体を1つのドラフト・ユニット・ローラ上に配置することができないように構成される。ツイン・トップ・ローラは両方とも、ドラフトユニットのボトムローラ上に配置されたときにボトムローラの周面と接触するので、トップローラ集合体のトップローラはジョイント・ボトム・ローラと共に2つの連続ニップラインを形成し、それらの間には凝縮ゾーンが位置する。すでにドラフトされた繊維ストランドのための凝縮チャネルが凝縮ゾーンに位置するように、凝縮ユニットの凝縮チャネルはトップローラ集合体上に配置される。ツイン・トップ・ローラと接触させることのできるドラフト・ユニット・ローラの外周が、凝縮ゾーンですでにドラフトされた繊維ストランドのための移送要素を形成するように、ツイン・トップ・ローラは基体内に受容される。
【0032】
ツイン・トップ・ローラのアクスルは、基体に固定的に受容されることが有利である。この結果、ツイン・トップ・ローラは相互に対するそれらの位置を変更することができないので、トップローラ集合体は、ドラフト・ユニット・ローラ上に配置されたときにトップローラおよびボトムローラのアクスルが平行に延びるように順応する。
【0033】
トップローラ集合体に可動的に配置された凝縮ユニットは、トップローラ集合体がドラフトユニットのボトムローラ上に配置されたときに、ドラフト・ユニット・ローラの周面上でも調整される。トップローラ集合体の基体は、トップローラと接触させることのできるドラフト・ユニット・ローラの周方向に凝縮ユニットを位置決めするためのストッパを少なくとも1つ含むことが有利である。加えて、トップローラ集合体がドラフトゾーン面に垂直な仮想軸線を中心に、かつ繊維ストランドの移送方向と平行な仮想軸線を中心に、補償的旋回運動を実行することができるように、トップローラ集合体をドラフトユニットのトップ・ウェイティング・アームに取り付けるように設計することも有利になり得る。ドラフトゾーンの端部でニップラインを形成するツイン・トップ・ローラは、そのアクスルをトップ・ウェイティング・アームに可動的に取り付けることが有利である。
【0034】
トップローラ集合体に配置された凝縮ユニットは、種々の設計を持つことができる。凝縮ユニットは上述の通りマルチパートコンポーネントとして有利に設計することができ、保持装置および少なくとも1つの耐摩耗性コンポーネントを含む。耐摩耗性コンポーネントは、可動的にまたは固定的に保持装置に接続することができる。凝縮ユニットはドラフト・ユニット・ローラのための支持面を少なくとも2つ、特に3つまたは4つ含むことが有利である。2つの支持面は、支持面と接触させることのできるドラフト・ユニット・ローラの周方向に相互に距離を置くことが有利である。ドラフト・ユニット・ローラのための支持面は各々、たとえそれらが1つまたは複数の凝縮チャネルによって複数の部分に「分割」された場合でも、「1つの」面と呼ばれる。実際の製造方法が異なる場合でも、機能的な観点からトンネル形凝縮チャネルが作用する支持面が設けられる。凝縮チャネルがその機能を満たしうるように、支持面の一部は凝縮チャネルの両側に「維持」されなければならない。凝縮チャネルの案内壁に界接する支持面の2つの部分は機能ユニットを形成し、したがって「1つの」面として記載される。
【0035】
また、トップローラ集合体に配置され、ドラフト・ユニット・ローラ上に位置決めするための第1および第2支持面を含む凝縮ユニットを、第1および第2支持面を有する単体部品として設計することも有利になり得る。
【0036】
本発明の実施形態では、凝縮ユニットをトップローラ集合体に取り付けるための手段は、凝縮ユニットの支持面に接触力を発生させるための荷重要素を含むように構成される。荷重要素はばねとして、特に板ばねとして設計することが有利である。ばねはトップローラ集合体の基体および凝縮ユニットの保持装置に固定することができ、それにより荷重要素と保持装置との間のジョイント要素が有利である。
【0037】
本発明の実施形態では、接続手段を滑り案内として設計し、その上を凝縮ユニットがトップローラ集合体の基体内で可動であるように構成される。滑り案内は、凝縮ユニットがトップローラ集合体上で非常に狭く定義された運動だけを実行することができるという点で有利である。代替的に、凝縮ユニットをトップローラ集合体の基体内に旋回設置するか、あるいは凝縮ユニットが軸線を中心に旋回することができるように、凝縮ユニットをツイン・トップ・ローラのアクスルから垂下させることが有利になり得る。旋回することのできる凝縮ユニットは、定められた移動性を同時に維持しながら、トップローラに対する良好な位置決めを確実にする。
【0038】
トップローラ集合体の有利な実施形態は、凝縮ユニットの支持面に接触力を生じさせるために空気圧で作動する荷重要素、特に圧搾空気供給源無しに有利に機能する空気圧パッドを含む。
【0039】
凝縮ユニットとトップローラ集合体との間の接続手段は、凝縮ユニットが機械から抜け落ちないように、またはトップローラ集合体がドラフト・ユニット・ローラから持ち上げられたときに紛失しないように、固定装置を含むことが有利である。固定装置は、固定要素によってまたは直接荷重要素によって形成される。