特許第5663103号(P5663103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663103
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】ヘアアイロン
(51)【国際特許分類】
   A45D 1/00 20060101AFI20150115BHJP
【FI】
   A45D1/00 501Z
   A45D1/00 501A
   A45D1/00 C
   A45D1/00 503A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-552476(P2013-552476)
(86)(22)【出願日】2012年5月3日
(65)【公表番号】特表2014-504544(P2014-504544A)
(43)【公表日】2014年2月24日
(86)【国際出願番号】KR2012003453
(87)【国際公開番号】WO2012157865
(87)【国際公開日】20121122
【審査請求日】2013年8月6日
(31)【優先権主張番号】20-2011-0004204
(32)【優先日】2011年5月17日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513198881
【氏名又は名称】ジュウ ジョンヒョン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ ジョンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ミンギ
【審査官】 伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/050799(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0240731(US,A1)
【文献】 特開2000−333719(JP,A)
【文献】 特開2001−269213(JP,A)
【文献】 特開2008−253745(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0247647(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 1/00−1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の熱板(200)の上部面の間に髪の毛を位置させて圧力を加えることにより、前記一対の熱板(200)から発生する熱を用いて髪の毛を成形するヘアアイロンであって、
互いにヒンジ結合され、各々に前記熱板(200)が設置されている一対の本体(100)と
前記熱板(200)の下部に形成され、小幅の開口部(220)が底部に開口する収容部(210)と、
長手方向に沿って前記収容部(210)に挿入される水平支持台(400)と、
前記本体(100)と熱板(200)との間に介在される弾性部材からなり、前記熱板(200)の長手方向の中央を支持する支持手段(300)と、
を備え
前記水平支持台(400)は、その長手方向の中央に形成された係止具(410)を介して前記開口部(220)に係止され、
前記水平支持台(400)の長手方向の両側端に、前記熱板(200)の上部面と同一の高さの圧力超過防止膜(500)が設けられ、
前記熱板(200)の下部と、前記水平支持台(400)の下部とが、前記支持手段(300)と対面するように、同一の高さに形成されていて、前記熱板(200)が傾いた場合に、当該熱板(200)より先に前記圧力超過防止膜(500)が当接することを特徴とするヘアアイロン。
【請求項2】
前記本体(100)には、前記熱板(200)または水平支持台(400)が離脱しないように支持する係止段(110)が形成されることを特徴とする請求項1に記載のヘアアイロン。
【請求項3】
前記本体(100)には、リードスクリュー(811)が設けられた調節具(810)が設置され、前記調節具(810)の正・逆回転により、互いに近接方向または離隔方向に移動するように、一対のナット(820)が前記リードスクリュー(811)に設置され、前記一対のナット(820)間には、前記支持手段(300)を支持するように板スプリング(830)が設置されることを特徴とする請求項1に記載のヘアアイロン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアアイロンに関し、より詳しくは、上・下部熱板が、シーソー機能により、均一に当接するので、上・下部熱板から発生した熱と圧力を髪の毛に均一に伝達可能なヘアアイロンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、頭髪用美容器具は、その用途により、髪の毛をカットするためのはさみ、ヘアーカッター、ヘアドライヤー、ヒートキャップ、ヘアクリップ、またはヘアアイロン等の様々な形状と性能を有する器具からなっている。
【0003】
前記美容器具のうち、ヘアアイロンは、熱を調節して髪の毛の形状を変化させる装置であって、髪の毛に一時的なウェーブ(所謂、カールという。)を与えるためのヘアアイロン(curling irons)、ストレイティングのためのヘアアイロン(straightening irons)、皺を与えるためのヘアアイロン(crimping irons)等に分けられる。
【0004】
図1は、これらのヘアアイロンについての一例を示している。図1は、従来の技術によるヘアアイロンの問題点を示す図である。
【0005】
図1に示すように、従来の技術によるヘアアイロンは、一側がヒンジ結合されており、他側を開閉可能な、上部本体1及び下部本体3から構成される。前記上部本体1の一面には、上部熱板5が設けられている。また、前記上部熱板5に対向する下部熱板7が、下部本体3の一面に設けられている。このようなヘアアイロンは、上部熱板5及び下部熱板7間に髪の毛を位置させ、上部本体1及び下部本体3が噛み合わせられるように圧力を加え、上部熱板5と下部熱板7から発生する熱を用いて髪の毛を成形するものである。
【0006】
しかしながら、従来の技術によるヘアアイロンは、上・下部本体1、3が合成樹脂から作製されており、上・下部熱板5、7の発熱によって変形(膨張、収縮)が生じ、この際、変形が発生した上・下部本体1、3に付着された上・下部熱板5、7の互いに対面する面が、互いに水平に当接していないという問題点があった。
【0007】
これにより、前記上・下部熱板5、7の互いに対面する面の全部が水平に当接せず、上・下部熱板5、7の一部だけが当接することになってしまう。
【0008】
すなわち、上・下部熱板5、7の一部にのみ髪の毛が接し、髪の毛に均一な熱と圧力を伝達することが困難であった。勿論、上・下部熱板5、7間に介在された髪の毛も均一に形状を変化させることができなかった。
【0009】
また、従来の技術によるヘアアイロンは、使用する施術者の施術圧力により、結果が異なるため、施術者の経歴(熟練度)によっては顧客の信頼を受けにくいこともあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、上・下部熱板が、シーソー機能により、均一に当接するので、上・下部熱板から発生した熱と圧力を髪の毛に均一に伝達可能なヘアアイロンを提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、上・下部熱板が、一側に傾いた部位が先に対面することを、最大限抑制するヘアアイロンを提供することにある。
【0012】
また、本発明のまた他の目的は、上・下部熱板の圧力を調節するヘアアイロンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的を達成するために、本発明のヘアアイロンは、互いにヒンジ結合されて回転する一対の本体と、前記本体に設置される熱板と、前記熱板の長手方向の中央を支持し、前記本体と熱板との間に介在される支持手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、前記支持手段は、前記本体と熱板との間に介在される弾性部材から構成されることを特徴とする。
【0015】
また、前記支持手段は、前記本体と熱板との間に介在される圧縮スプリングから構成されることを特徴とする。
【0016】
また、前記熱板には、収容部と、前記収容部の底部よりも小幅の開口部が形成され、前記収容部には、水平支持台が長手方向に挿入され、前記水平支持台には、前記開口部に係止される係止具が形成されることを特徴とする。
【0017】
また、前記水平支持台の両側に、熱板の上部面と同一の高さの圧力超過防止膜が設けられることを特徴とする。
【0018】
また、前記本体には、前記熱板または水平支持台が離脱しないように支持する係止段が形成されることを特徴とする。
【0019】
また、前記熱板と本体との間には、熱板を取り囲むカバーがさらに設けられ、前記カバーと熱板との間には、緩衝部材が介在され、前記支持手段は、前記カバーと本体との間に設けられることを特徴とする。
【0020】
また、前記支持手段は、カバーに本体方向に形成された半円状突出部から形成されることを特徴とする。
【0021】
また、前記支持手段は、本体にカバー方向に形成された半円状突出部から形成されることを特徴とする。
【0022】
また、前記カバーの両側に、熱板の上部面と同一の高さの圧力超過防止膜が設けられることを特徴とする。
【0023】
また、前記本体には、長孔が形成され、前記熱板には、前記長孔に挿入される挿入具が形成されることを特徴とする。
【0024】
また、前記本体には、リードスクリューが設けられた調節具が設置され、前記調節具の正・逆回転により、互いに近接方向または離隔方向に移動するように、一対のナットが前記リードスクリューに設置され、前記支持手段は、板スプリングから構成され、前記一対のナット間に設置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、一対の本体と一対の熱板との間に、熱板の長手方向の中央を支持する弾性部材を設置し、一対の熱板が、シーソー機能により、均一に当接するので、熱板から発生した熱と圧力を髪の毛に均一に伝達することができる。
【0026】
これにより、施術者が、経歴者(熟練者)であれ未経歴者(未熟練者)であれ、均一な結果物が得られる。
【0027】
また、髪の毛に常時均一な圧力が伝達されるので、髪の毛に加えられるストレスを減らすことができる。
【0028】
また、圧力超過防止膜により、上・下部熱板の一側に傾いた部分が先に対面することを最大限抑制する。
【0029】
また、熱板は、髪の毛の厚さのため、圧力超過防止膜よりも先に弾性部材を圧縮して移動するのに対して、前記圧力超過防止膜は、熱板に加圧力が伝達された後、圧力が作用するように構成され、前記圧力超過防止膜は、髪の毛を施術する間、髪の毛に加えられる圧力が弾性部材の弾性力の範囲内となるようにする役割を行う。
【0030】
また、調節具により、上・下部熱板の圧力を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】従来の技術によるヘアアイロンを示した図である。
図2】本発明によるヘアアイロンを示した分解斜視図である。
図3図2の結合状態を示した斜視図である。
図4図3のa‐a線による断面図である。
図5A参考例によるヘアアイロンを示した断面図である。
図5B参考例によるヘアアイロンを示した断面図である。
図6参考例によるヘアアイロンを示した断面図である。
図7参考例によるヘアアイロンを示した断面図である。
図8参考例によるヘアアイロンを示した断面図である。
図9参考例によるヘアアイロンを示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付した図面に基づき、本発明の好適な実施例について詳述する。
【0033】
図2は、本発明によるヘアアイロンを示した分解斜視図であり、図3は、図2の結合状態を示した斜視図であり、図4は、図3のa‐a線による断面図であり、図5A乃至図9は、参考例によるヘアアイロンを示した断面図である。
【0034】
図2乃至図に示すように、本発明によるヘアアイロンAは、互いにヒンジ結合されて回転する一対の本体100と、前記本体100に設置される熱板200と、前記熱板200の長手方向の中央を支持し、前記本体100と熱板200との間に介在される支持手段300と、を備える。
【0035】
また、前記支持手段300は、図4乃至図5Aに示すように、前記本体100と熱板200との間に介在される弾性部材310から構成され、前記弾性部材310は、シリコン、ゴムのように、復元力を有する材質で形成されることが好ましい。
【0036】
この際、前記弾性部材310の断面は、円錐状からなる。
【0037】
また、前記支持手段300は、図5Bに示すように、前記本体100と熱板200との間に介在される圧縮スプリング310'から構成されてもよい。
【0038】
一方、前記熱板200には、収容部210と、前記収容部210よりも小幅の開口部220が形成され、前記収容部210には、水平支持台400が長手方向に挿入され、前記水平支持台400には、前記開口部220に係止される係止具410が形成される。前記係止具410の下部は、円形に形成されることが好ましい。
【0039】
また、前記水平支持台400の両側に、熱板200の上部面と同一の高さの圧力超過防止膜500が設けられる。
【0040】
また、前記熱板200の下部と水平支持台400の下部は、支持手段300と対面するように、同一の高さで形成されることが好ましい。
【0041】
前記本体100には、前記熱板200または水平支持台400が離脱しないように支持する係止段110が形成される。
【0042】
これにより、一対の本体100と一対の熱板200との間に、熱板200の長手方向の中央を支持する支持手段300を設置し、一対の熱板200が均一に互いに当接するので、熱板200から発生した熱と圧力を髪の毛に均一に伝達することができる。
【0043】
すなわち、熱板200の熱により、本体100が変形しても、一対の熱板200は、互いに対面する部位が常時水平に当接し、髪の毛に均一に熱と圧力を加え、均一の結果物が得られる。
【0044】
さらに、施術者が、経歴者(熟練者)であれ未経歴者(未熟練者)であれ、均一な結果物が得られる。
【0045】
また、前記熱板200により、髪の毛に常時均一な圧力が伝達されるので、髪の毛に加えられるストレスを減らすことができる。
【0046】
一方、前記熱板200が一側に傾いた場合、水平支持台400に付着された圧力超過防止膜500が先に当接し、髪の毛が熱板200の傾いた部位と先に対面することを最大限抑制する。
【0047】
また、前記熱板200は、髪の毛の厚さのため、圧力超過防止膜500よりも先に弾性部材310を圧縮して移動するのに対して、前記圧力超過防止膜500は、熱板200に加圧力が伝達された後、圧力が作用するように構成され、前記圧力超過防止膜500は、髪の毛を施術する間、髪の毛に加えられる圧力が弾性部材310の弾性力の範囲内となるようにする役割を行う。
【0048】
例えば、本発明によるヘアアイロンAの施術者が、一対の熱板200間に施術するための髪の毛を位置させ、一対の本体100に過度の圧力を加える場合、一対の熱板200間に位置した髪の毛が、施術前の円形から施術後の楕円形に変形され得る。この場合、前記圧力超過防止膜500は、熱板による過度の圧力が髪の毛に加えられる前に当接して接触することにより、髪の毛が楕円形に変形することを防ぐことができる。
【0049】
一方、前記支持手段300の圧力を調節する圧力調節手段が設けられてもよい。具体的に、前記圧力調節手段は、前記本体100には、リードスクリュー811が設けられた調節具810が設置され、前記調節具810の正・逆回転により、互いに近接方向または離隔方向に移動するように、一対のナット820が前記リードスクリュー811に設置され、前記一対のナット820間には、前記支持手段300を支持するように板スプリング830が設置される。
【0050】
このような前記調節具810の正・逆回転により、上・下部熱板200の圧力を調節可能になる。
【0051】
図6乃至図7は、前記ヘアアイロンの参考例であって、熱板200と本体100との間には、熱板を取り囲むカバー600がさらに設けられ、前記カバー600と熱板200との間には、緩衝部材700が介在され、前記支持手段300は、前記カバー600と本体100との間に設けられる。
【0052】
また、前記支持手段300は、図6に示すように、前記カバー600に本体方向に形成された半円状突出部320で形成され、または、図7に示すように、前記本体100にカバー600の方向に形成された半円状突出部320'で形成されてもよい。
【0053】
一方、前記カバー600の両側に、熱板200の上部面と同一の高さの圧力超過防止膜500'が設けられる。
【0054】
また、図8は、前記ヘアアイロンのまた他の参考例であって、前記本体100には、長孔120が形成され、前記熱板200には、前記長孔120に挿入される挿入具230が形成される。
【0055】
また、図9は、前記ヘアアイロンのまた他の参考例であって、前記本体100には、リードスクリュー811が設けられた調節具810が設置され、前記調節具810の正・逆回転により、互いに近接方向または離隔方向に移動するように、一対のナット820が前記リードスクリュー811に設置され、前記支持手段300は、板スプリング330で構成され、前記一対のナット820間に設置される。
【0056】
このような前記調節具810の正・逆回転により、板スプリング330の弾性力を調節可能になる。
【0057】
以上、本発明による好適な実施例について詳述したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施例に限定されず、特許請求の範囲により解釈されなければならない。この際、この技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の範囲内で様々な修正と変形が可能であることが考えられる。
【0058】
例えば、上述では、一対の熱板に全て支持手段が設けられたものと説明しているが、特に、これに限定されず、一対の熱板の一つにのみ支持手段が設けられてもよい。
【符号の説明】
【0059】
A ヘアアイロン
100 本体
110 係止段
200 熱板
210 収容部
220 開口部
300 支持手段
400 水平支持台
500 圧力超過防止膜
810 調節具
811 リードスクリュー
820 ナット
830 板スプリング
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9