特許第5663139号(P5663139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5663139携帯端末装置及びその測位結果取得間隔設定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663139
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】携帯端末装置及びその測位結果取得間隔設定方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/34 20100101AFI20150115BHJP
   G01S 19/14 20100101ALI20150115BHJP
【FI】
   G01S19/34
   G01S19/14
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2008-558062(P2008-558062)
(86)(22)【出願日】2008年2月6日
(86)【国際出願番号】JP2008051958
(87)【国際公開番号】WO2008099736
(87)【国際公開日】20080821
【審査請求日】2011年1月14日
(31)【優先権主張番号】特願2007-28240(P2007-28240)
(32)【優先日】2007年2月7日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314008976
【氏名又は名称】レノボ・イノベーションズ・リミテッド(香港)
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】中川 貴雄
【審査官】 中村 説志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−081958(JP,A)
【文献】 特開2001−215268(JP,A)
【文献】 特開平10−206520(JP,A)
【文献】 特開2004−003877(JP,A)
【文献】 特開2007−006229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00− 5/14
G01S19/00−19/55
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者に携帯される携帯端末装置において、
当該携帯端末装置の現在位置を測位する測位手段と、
前記測位手段から測位結果を間欠的に取得するマイクロプロセッサと、
を備え、
前記マイクロプロセッサは、前記測位手段による測位結果に基づいて当該携帯端末装置の移動速度を算出し、該算出結果が小さい速度を示すときの方が、該算出結果が大きい速度を示すときよりも、前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔が長くなるように、前記移動速度に応じた前記時間間隔であって、更に、移動距離に非線形に依存することがない前記移動速度に応じて単調減少する前記時間間隔の切り替えを行うことを特徴とする携帯端末装置であって、
当該携帯端末装置の移動速度と、前記マイクロプロセッサが前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔と、を対応付けて記憶した記憶手段を更に備え、
前記マイクロプロセッサは、前記記憶手段を参照することにより、前記移動速度に応じた前記時間間隔に設定し、
前記マイクロプロセッサは、前記測位手段から測位結果を取得するたびに当該携帯端末装置の移動速度を算出し、
前記測位手段は、常に一定の時間間隔で当該携帯端末装置の現在位置を測位し、前記マイクロプロセッサから測位結果の取得要求を受けた場合には最新の測位結果を前記マイクロプロセッサに出力することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
使用者に携帯される携帯端末装置において、
当該携帯端末装置の現在位置を測位する測位手段と、
前記測位手段から測位結果を間欠的に取得するマイクロプロセッサと、
を備え、
前記マイクロプロセッサは、前記測位手段による測位結果に基づいて当該携帯端末装置の移動速度を算出し、該算出結果が小さい速度を示すときの方が、該算出結果が大きい速度を示すときよりも、前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔が長くなるように、前記移動速度に応じた前記時間間隔であって、更に、移動距離に非線形に依存することがない前記移動速度に応じて単調減少する前記時間間隔の切り替えを行うことを特徴とする携帯端末装置であって、
当該携帯端末装置の移動速度と、前記マイクロプロセッサが前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔と、を対応付けて記憶した記憶手段を更に備え、
前記マイクロプロセッサは、前記記憶手段を参照することにより、前記移動速度に応じた前記時間間隔に設定し、
前記マイクロプロセッサは、前記測位手段から測位結果を取得するたびに当該携帯端末装置の移動速度を算出し、
前記マイクロプロセッサは、前記測位手段から新たに取得した測位結果が示す現在位置が、前回取得した測位結果が示す現在位置から離れていた場合に、新たに取得した測位結果が示す現在位置と対応する地図情報を通信網を介して取得し、
前記測位手段は、常に一定の時間間隔で当該携帯端末装置の現在位置を測位し、前記マイクロプロセッサから測位結果の取得要求を受けた場合には最新の測位結果を前記マイクロプロセッサに出力することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
前記測位手段はGPS方式で当該携帯端末装置の現在位置を測位することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
当該携帯端末装置は携帯電話機であることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
現在位置を測位する測位手段と、前記測位手段から測位結果を間欠的に取得するマイクロプロセッサと、を備え、使用者に携帯される携帯端末装置において、前記マイクロプロセッサが前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔を設定する方法であって、
前記測位手段による測位結果に基づいて、前記携帯端末装置の移動速度を算出する第1の過程と、
前記第1の過程による算出結果が小さい速度を示すときの方が、該算出結果が大きい速度を示すときよりも、前記マイクロプロセッサが前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔が長くなるように、前記移動速度に応じ、更に、移動距離に非線形に依存することがない前記移動速度に応じて単調減少する前記時間間隔を設定する第2の過程と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置における測位結果取得間隔設定方法であって、
当該携帯端末装置の移動速度と、前記マイクロプロセッサが前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔と、を対応付けて記憶手段に記憶し、
前記マイクロプロセッサは、前記記憶手段に記憶された内容を参照することにより、前記移動速度に応じた前記時間間隔に設定し、
前記マイクロプロセッサは、前記測位手段から測位結果を取得するたびに当該携帯端末装置の移動速度を算出し、
前記測位手段は、常に一定の時間間隔で当該携帯端末装置の現在位置を測位し、前記マイクロプロセッサから測位結果の取得要求を受けた場合には最新の測位結果を前記マイクロプロセッサに出力することを特徴とする測位結果取得間隔設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置及びその測位結果取得間隔設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話機にはGPS機能が実装されているものが多く、この機能により位置情報を取得することが可能となった。
【0003】
従来の携帯電話機においてGPS機能を使用する場合、刻々と変わる位置情報にあわせてネットワーク(通信網)経由で地図情報の更新などを行う必要から、携帯電話機のCPUは周期的にGPSモジュールから位置情報の取得を行っている。
【0004】
ところで、携帯電話機において、GPS機能の使用時には、CPUは、刻々と変わる位置情報を取得するためGPSモジュールに対して周期的にアクセスする必要がある。このため、CPUの動作率が上がり、携帯電話機の消費電流が増加することになっている。
【0005】
しかし、例えば、徒歩などの移動速度が遅い場合と自動車などの移動速度が速い場合では、CPU側で地図情報の更新などを行う時間間隔は異なるため、移動速度が遅い場合にも同じ時間間隔で位置情報を取得することは、消費電力の無駄を生じることに繋がる。
【0006】
現在位置を測定する測位手段を備える携帯端末装置において消費電力を低減させることを目的とした先行技術文献としては、特許文献1〜3がある。
【0007】
特許文献1には、その段落番号40に、携帯端末装置が、予め定める周期でGPS方式により現在位置を測位することが記載されている。また、特許文献1の段落番号49には、GPS測位結果の移動速度から、乗り物に乗車しているか、又は乗車していない(歩行など)かを判定することが記載されている。また、特許文献1の段落番号55には、乗り物に乗車中にはGPS測位を停止することが記載されている。
【0008】
特許文献2の段落番号31には、携帯電話機の電池残量が一定値以下となった場合に、現在位置の測定動作を停止する技術が記載されている。
【0009】
特許文献3には、端末の現在位置から地図上において所定距離離れた、前記端末が移動する所定のルート上の位置を次に位置を測定する位置として指定する指定手段と、前記現在位置から次に位置を測定する位置へと端末が移動するまでの移動時間を算出し、該移動時間の間、前記端末による位置測定動作を停止させる管理手段とを備える位置情報測定システムが記載されている。
【特許文献1】特開2006−242578号公報
【特許文献2】特開2006−215838号公報
【特許文献3】特開2005−337855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の技術では、移動速度が速いとき(乗り物に乗車しているとき)に、GPS測位を停止してしまうため、測位が必要なときに測位が行えないという問題があった。
【0011】
また、特許文献2の技術でも、電池残量が一定値以下となった場合には、現在位置の測定動作を停止してしまうため、現在位置が必要なときに測位が行えないという問題があった。
【0012】
また、特許文献3の技術では、使用者が予め定められた所定のルートを移動する場合に消費電力を低減させるのみであり、それ以外の時には消費電力を低減できないという問題があった。
【0013】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、現在位置を測定する測位手段を備える携帯端末装置において消費電力を低減させることを可能とするとともに、測位手段の起動時には常にある程度の時間間隔で現在位置の取得を行うことを可能とすることを目的とする。
【0014】
また、本発明は、現在位置を測定する測位手段を備える携帯端末装置において、使用者が予め定められた所定のルートを移動する場合に限らず、消費電力を低減させることを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、使用者に携帯される携帯端末装置において、当該携帯端末装置の現在位置を測位する測位手段と、前記測位手段から測位結果を間欠的に取得するマイクロプロセッサと、を備え、前記マイクロプロセッサは、前記測位手段による測位結果に基づいて当該携帯端末装置の移動速度を算出し、該算出結果が小さい速度を示すときの方が、該算出結果が大きい速度を示すときよりも、前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔が長くなるように、前記移動速度に応じた前記時間間隔であって、更に、移動距離に非線形に依存することがない前記移動速度に応じて単調減少する前記時間間隔の切り替えを行うことを特徴とする携帯端末装置であって、当該携帯端末装置の移動速度と、前記マイクロプロセッサが前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔と、を対応付けて記憶した記憶手段を更に備え、前記マイクロプロセッサは、前記記憶手段を参照することにより、前記移動速度に応じた前記時間間隔に設定し、前記マイクロプロセッサは、前記測位手段から測位結果を取得するたびに当該携帯端末装置の移動速度を算出し、前記測位手段は、常に一定の時間間隔で当該携帯端末装置の現在位置を測位し、前記マイクロプロセッサから測位結果の取得要求を受けた場合には最新の測位結果を前記マイクロプロセッサに出力することを特徴とする携帯端末装置が提供される。
また、本発明によれば、使用者に携帯される携帯端末装置において、当該携帯端末装置の現在位置を測位する測位手段と、前記測位手段から測位結果を間欠的に取得するマイクロプロセッサと、を備え、前記マイクロプロセッサは、前記測位手段による測位結果に基づいて当該携帯端末装置の移動速度を算出し、該算出結果が小さい速度を示すときの方が、該算出結果が大きい速度を示すときよりも、前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔が長くなるように、前記移動速度に応じた前記時間間隔であって、更に、移動距離に非線形に依存することがない前記移動速度に応じて単調減少する前記時間間隔の切り替えを行うことを特徴とする携帯端末装置であって、当該携帯端末装置の移動速度と、前記マイクロプロセッサが前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔と、を対応付けて記憶した記憶手段を更に備え、前記マイクロプロセッサは、前記記憶手段を参照することにより、前記移動速度に応じた前記時間間隔に設定し、前記マイクロプロセッサは、前記測位手段から測位結果を取得するたびに当該携帯端末装置の移動速度を算出し、前記マイクロプロセッサは、前記測位手段から新たに取得した測位結果が示す現在位置が、前回取得した測位結果が示す現在位置から離れていた場合に、新たに取得した測位結果が示す現在位置と対応する地図情報を通信網を介して取得し、前記測位手段は、常に一定の時間間隔で当該携帯端末装置の現在位置を測位し、前記マイクロプロセッサから測位結果の取得要求を受けた場合には最新の測位結果を前記マイクロプロセッサに出力することを特徴とする携帯端末装置が提供される。
【0016】
また、本発明によれば、使用者に携帯される携帯端末装置において、当該携帯端末装置の現在位置を測位する測位手段と、前記測位手段から測位結果を間欠的に取得するマイクロプロセッサと、当該携帯端末装置の電源としての電池と、前記電池の電力残量を検出する電池残量検出手段と、を備え、前記マイクロプロセッサは、前記電池残量検出手段による検出結果が小さい残量を示すときの方が、該検出結果が大きい残量を示すときよりも、前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔が長くなるように、前記電力残量に応じた前記時間間隔の切り替えを行うことを特徴とする携帯端末装置が提供される。
【0017】
更に、本発明によれば、使用者に携帯される携帯端末装置において、当該携帯端末装置の現在位置を測位する測位手段と、前記測位手段から測位結果を間欠的に取得するマイクロプロセッサと、を備え、前記マイクロプロセッサは、前記測位手段により測位された現在位置の属性に応じて、前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔の切り替えを行うことを特徴とする携帯端末装置が提供される。
【0018】
更に、本発明によれば、現在位置を測位する測位手段と、前記測位手段から測位結果を間欠的に取得するマイクロプロセッサと、を備え、使用者に携帯される携帯端末装置において、前記マイクロプロセッサが前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔を設定する方法であって、前記測位手段による測位結果に基づいて、前記携帯端末装置の移動速度を算出する第1の過程と、前記第1の過程による算出結果が小さい速度を示すときの方が、該算出結果が大きい速度を示すときよりも、前記マイクロプロセッサが前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔が長くなるように、前記移動速度に応じ、更に、移動距離に非線形に依存することがない前記移動速度に応じて単調減少する前記時間間隔を設定する第2の過程と、を備えることを特徴とする携帯端末装置における測位結果取得間隔設定方法であって、当該携帯端末装置の移動速度と、前記マイクロプロセッサが前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔と、を対応付けて記憶手段に記憶し、前記マイクロプロセッサは、前記記憶手段に記憶された内容を参照することにより、前記移動速度に応じた前記時間間隔に設定し、前記マイクロプロセッサは、前記測位手段から測位結果を取得するたびに当該携帯端末装置の移動速度を算出し、前記測位手段は、常に一定の時間間隔で当該携帯端末装置の現在位置を測位し、前記マイクロプロセッサから測位結果の取得要求を受けた場合には最新の測位結果を前記マイクロプロセッサに出力することを特徴とする測位結果取得間隔設定方法が提供される。
【0019】
更に、本発明によれば、現在位置を測位する測位手段と、前記測位手段から測位結果を間欠的に取得するマイクロプロセッサと、を備え、使用者に携帯される携帯端末装置において、前記マイクロプロセッサが前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔を設定する方法であって、前記携帯端末装置が電源として備える電池の電力残量を検出する第1の過程と、前記第1の過程による検出結果が小さい残量を示すときの方が、該検出結果が大きい残量を示すときよりも、前記マイクロプロセッサが前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔が長くなるように、前記電力残量に応じて前記時間間隔を設定する第2の過程と、を備えることを特徴とする携帯端末装置における測位結果取得間隔設定方法が提供される。
【0020】
更に、本発明によれば、現在位置を測位する測位手段と、前記測位手段から測位結果を間欠的に取得するマイクロプロセッサと、を備え、使用者に携帯される携帯端末装置において、前記マイクロプロセッサが前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔を設定する方法であって、前記測位手段による測位結果に基づいて、前記携帯端末装置の現在位置の属性を判定する第1の過程と、前記第1の過程により判定された属性に応じて、前記マイクロプロセッサが前記測位手段から測位結果を取得する時間間隔を設定する第2の過程と、を備えることを特徴とする携帯端末装置における測位結果取得間隔設定方法が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、現在位置を測定する測位手段を備える携帯端末装置において消費電力を低減させることを可能とするとともに、測位手段の起動時には常にある程度の時間間隔で現在位置の取得を行うことができる。
【0022】
また、本発明によれば、現在位置を測定する測位手段を備える携帯端末装置において、使用者が予め定められた所定のルートを移動する場合に限らず、消費電力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1の実施形態に係る携帯電話機の構成を示すブロック図である。
図2】携帯電話機の移動速度に応じたアクセス間隔を示す図である。
図3】第1の実施形態の場合の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
図4】第2の実施形態に係る携帯電話機の構成を示すブロック図である。
図5】携帯電話機の電池残量に応じたアクセス間隔を示す図である。
図6】第2の実施形態の場合の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
図7】携帯電話機の現在地に応じたアクセス間隔を示す図である。
図8】第3の実施形態の場合の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0024】
100 携帯端末装置(携帯電話機)
1 CPU(マイクロプロセッサ)
2 GPSモジュール(測位手段)
4 メモリ(記憶手段)
200 携帯端末装置(携帯電話機)
201 電池残量検出部(電池残量検出手段)
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。
【0026】
本実施形態では、本発明に係る携帯型端末装置の好適な一例としての携帯電話機についての説明を行う。
【0027】
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係る携帯電話機(携帯端末装置)100の主要な構成を示すブロック図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態に係る携帯電話機100は、各種の制御動作を行うCPU(マイクロプロセッサ)1と、GPS機能による位置情報の測定全般を制御するGPSモジュール(測位手段)2と、GPS衛星からの電波信号の受信を行うGPS用アンテナ3と、後述するテーブルなどを記憶保持するメモリ(記憶手段)4と、を備えている。
【0029】
更に、図示は省略するが、携帯電話機100は、一般的な携帯電話機が備えるその他の構成要素を備えている。すなわち、携帯電話機100は、各種の表示動作を行う表示装置(例えば液晶表示装置)、使用者の各種の操作を受け付ける操作部(複数の操作キーなどからなる)、各種の発音動作を行うスピーカ(通話相手の声、着信音などの発音)、通話時における使用者の声の検出などを行うマイク、基地局との間で無線電波を送受信するアンテナ(通話時、電子メールの送受信時、インターネット接続時など)、このアンテナを用いて基地局との間で無線通信を行う無線部、携帯電話機100の電源としての電池(充電可能な二次電池からなる)などを備えている。なお、CPU1は、これらのうち、無線部、表示装置、スピーカの動作制御を行い、操作部による検出結果に基づき各種の制御動作を行う。
【0030】
図2は第1の実施形態の場合のメモリ4に記憶保持されたテーブルを示す概念図である。
【0031】
図2に示すように、メモリ4は、携帯電話機100の移動速度に応じたCPU1からGPSモジュール2へのアクセス間隔(CPU1がGPSモジュール2にアクセスする時間間隔)を記憶保持している。
【0032】
すなわち、例えば、携帯電話機100の移動速度が、第1の移動速度以上のときのアクセス間隔は第1のアクセス間隔であり、第2の移動速度以上第1の移動速度未満のときのアクセス間隔は第2のアクセス間隔であり、第2の移動速度未満のときのアクセス間隔は第3のアクセス間隔である。
【0033】
なお、第1の移動速度>第2の移動速度であり、第1のアクセス間隔<第2のアクセス間隔<第3のアクセス間隔であるとする。
【0034】
すなわち、携帯電話機100の移動速度が小さい速度であるときの方が、該移動速度が大きい速度であるときよりも、CPU1からGPSモジュールへのアクセス間隔が長くなる。
【0035】
更に、メモリ4は、CPU1が用いるその他のデータを記憶保持している。
【0036】
また、GPSモジュール2は、GPS用アンテナ3との協働により、従来周知の一般的なGPS方式での現在位置の測定を行う。
【0037】
すなわち、GPSモジュール2は、GPS用アンテナ3がGPS衛星から受信した電波信号に基づいて、携帯電話機100の現在位置を演算により求める(測位する)。
【0038】
GPSモジュール2は、例えば、GPS機能の起動時には、常に一定の時間間隔で携帯電話機100の現在位置を測位し、最新の測位結果を記憶保持する。
【0039】
なお、GPSモジュール2が携帯電話機100の現在位置を測位する時間間隔は、図2の第1のアクセス間隔よりも短いものとする。
【0040】
CPU1は、GPSモジュール2による測位結果を間欠的に取得する。すなわち、CPU1は、設定されたアクセス間隔でGPSモジュール2に対してアクセスすることにより、該GPSモジュール2から最新の測位結果(位置情報)を取得する。
【0041】
更に、CPU1は、GPSモジュール2から位置情報を取得するたびに、該取得した位置情報に基づいて、携帯電話機100の移動速度を算出する。
【0042】
すなわち、前回取得した位置情報が示す位置と今回新たに取得した位置情報が示す位置との差(距離)を、前回の位置情報取得動作を行ってから今回の位置情報取得動作を行うまでの経過時間で除することにより、携帯電話機100の移動速度を算出する。
【0043】
更に、CPU1は、メモリ4を参照することにより、携帯電話機100の移動速度に応じたアクセス間隔を取得し、それまで設定されていたアクセス間隔を、新たに取得したアクセス間隔に切り替える。
【0044】
また、CPU1は、GPSモジュール2から新たに取得した位置情報が示す現在位置が、前回取得した位置情報が示す現在位置から離れた位置であるかどうかを判定し、離れた位置であった場合には、新たに取得した位置情報が示す現在位置と対応する地図情報を、例えばインターネットなどの通信網を介して自動的に取得する。そして、新たに取得した地図情報により、それまで使用していた地図情報を更新する。これにより、CPU1は、例えば、最新の位置情報を、対応する地図と対応付けて表示装置の表示画面に表示させたりすることができる。
【0045】
次に、携帯電話機100の動作を図3のフローチャートを用いて説明する。
【0046】
使用者の操作によりGPS機能が起動されると、CPU1はGPSモジュール2に対してアクセスし、該GPSモジュール2から位置情報を取得し、該位置情報をメモリ4に記憶する(ステップS1)。
【0047】
次に、CPU1は、メモリ4に保持された前回の位置情報と、先のステップS1にて取得した今回の位置情報と、を用いて、携帯電話機100の移動速度を算出する(ステップS2)。
【0048】
すなわち、前回取得した位置情報が示す位置と今回取得した位置情報が示す位置との差(距離)を、前回の位置情報取得動作を行ってから今回の位置情報取得動作を行うまでの経過時間で除することにより、携帯電話機100の移動速度を算出する。
【0049】
次に、CPU1は、メモリ4のテーブルを参照することにより、該CPU1がGPSモジュール2へアクセスする時間間隔を、算出された移動速度と対応するアクセス間隔に設定する(ステップS3)。
【0050】
すなわち、算出された移動速度が第1の移動速度以上であれば第1のアクセス間隔に設定し、算出された移動速度が第2の移動速度以上、第1の移動速度未満であれば第2のアクセス間隔(>第1のアクセス間隔)に設定し、算出された移動速度が第2の移動速度未満であれば第3のアクセス間隔(>第2のアクセス間隔)に設定する(切り替える)。
【0051】
その後、CPU1は、次の位置情報取得要求が発生するのを待つ。すなわち、先のステップS3にて設定したアクセス間隔が経過することにより次の位置情報取得要求が発生するまで、ステップS4の判定(位置情報取得要求が発生したか?)を繰り返し行う。
【0052】
次の位置情報取得要求が発生すると(ステップS4の「あり」)、ステップS1に移行し、CPU1はGPSモジュール2に対してアクセスし、該GPSモジュール2から位置情報を取得し、該位置情報をメモリ4に記憶する。
【0053】
以後、同様に、ステップS2以降の処理を行う。
【0054】
なお、上述のように、CPU1は、地図情報の更新動作も行う。すなわち、GPSモジュール2から新たに取得した位置情報が示す現在位置が、前回取得した位置情報が示す現在位置から離れた位置であるかどうかを判定し、離れた位置であった場合には、新たに取得した位置情報が示す現在位置と対応する地図情報を、例えばインターネットなどの通信網を介して自動的に取得する。この動作は、図3では省略しているが、例えば、ステップS1の後において、ステップS2以降の処理と並行して行うことができる。
【0055】
以上のような第1の実施形態によれば、携帯電話機100は、当該携帯電話機100の現在位置を測位するGPSモジュール2と、GPSモジュール2から測位結果を間欠的に取得するCPU1とを備え、CPU1は、GPSモジュール2による測位結果に基づいて携帯端末装置100の移動速度を算出し、該算出結果が小さい速度を示すときの方が、該算出結果が大きい速度を示すときよりも、GPSモジュール2から測位結果を取得する時間間隔(アクセス間隔)が長くなるように、前記算出した移動速度に応じた前記時間間隔の切り替えを行うので、 移動速度が遅く、CPU1が高頻度で位置情報を更新する必要がない場合に、CPU1の動作電流を低減することが可能となる。また、GPSモジュール2の起動時には常にある程度の(有限の)時間間隔でCPU1が現在位置の取得を行うことができる。
【0056】
〔第2の実施形態〕
上記の第1の実施形態では携帯電話機の移動速度に応じてアクセス間隔を切り替える例を説明したが、第2の実施形態では携帯電話機の電池残量に応じてアクセス間隔を切り替える例を説明する。
【0057】
図4は第2の実施形態に係る携帯電話機(携帯端末装置)200の主要な構成を示すブロック図である。図4の携帯電話機200は、図1の携帯電話機100と比べて、電池残量検出部201を追加したのみであり、その他の構成は同様である。なお、図4において、図1と同様の構成要素には同一の符号を付している。
【0058】
以下、上記の第1の実施形態との相違点を説明し、上記の第1の実施形態と同様の構成及び動作については説明を省略する。
【0059】
電池残量検出部(電池残量検出手段)201は、携帯電話機200が電源として備える電池の電力残量(電池残量)を、例えば、該電池の出力電圧に基づいて検出する。
【0060】
CPU1は、電池残量検出部201から電池残量を読み出すことが可能である。
【0061】
図5は第2の実施形態の場合のメモリ4に記憶保持されたテーブルを示す概念図である。
【0062】
図5に示すように、メモリ4は、携帯電話機200の電池の電力残量(電池残量)に応じたCPU1からGPSモジュール2へのアクセス間隔を記憶保持している。
【0063】
すなわち、例えば、携帯電話機200の電池残量が、第1の電池残量以上のときのアクセス間隔は第1のアクセス間隔であり、第2の電池残量以上、第1の電池残量未満のときのアクセス間隔は第2のアクセス間隔であり、第2の電池残量未満のときのアクセス間隔は第3のアクセス間隔である。
【0064】
なお、第1の電池残量>第2の電池残量であり、第1のアクセス間隔<第2のアクセス間隔<第3のアクセス間隔であるとする。
【0065】
すなわち、携帯電話機200の電池の残量が小さい残量であるときの方が、該残量が大きい残量であるときよりも、CPU1からGPSモジュールへのアクセス間隔が長くなる。
【0066】
本実施形態の場合、CPU1は、携帯電話機200の移動速度の算出は行う必要がない。
【0067】
本実施形態の場合、CPU1は、メモリ4を参照することにより、携帯電話機100の電池の残量に応じたアクセス間隔を取得し、それまで設定されていたアクセス間隔を、新たに取得したアクセス間隔に切り替える。
【0068】
次に、携帯電話機100の動作を図6のフローチャートを用いて説明する。
【0069】
使用者の操作によりGPS機能が起動されると、CPU1はGPSモジュール2に対してアクセスし、該GPSモジュール2から位置情報を取得し、該位置情報をメモリ4に記憶する(ステップS11)。
【0070】
次に、CPU1は、電池残量検出部201から電池残量を読み出す(ステップS12)。
【0071】
次に、CPU1は、メモリ4のテーブルを参照することにより、該CPU1がGPSモジュール2へアクセスする時間間隔を、先のステップS12にて読み出した電池残量と対応するアクセス間隔に設定する(ステップS13)。
【0072】
すなわち、読み出した電池残量が第1の電池残量以上であれば第1のアクセス間隔に設定し、読み出した電池残量が第2の電池残量以上、第1の電池残量未満であれば第2のアクセス間隔(>第1のアクセス間隔)に設定し、読み出した電池残量が第2の電池残量未満であれば第3のアクセス間隔(>第2のアクセス間隔)に設定する(切り替える)。
【0073】
その後、CPU1は、次の位置情報取得要求が発生するのを待つ。すなわち、先のステップS13にて設定したアクセス間隔が経過することにより次の位置情報取得要求が発生するまで、ステップS14の判定(位置情報取得要求が発生したか?)を繰り返し行う。
【0074】
次の位置情報取得要求が発生すると(ステップS14の「あり」)、ステップS11に移行し、CPU1はGPSモジュール2に対してアクセスし、該GPSモジュール2から位置情報を取得し、該位置情報をメモリ4に記憶する。
【0075】
以後、同様に、ステップS12以降の処理を行う。
【0076】
なお、上記の第1の実施形態で説明したように、CPU1は、地図情報の更新動作も行うが、この動作は、図6では省略しているが、例えば、ステップS11の後において、ステップS12以降の処理と並行して行うことができる。
【0077】
以上のような第2の実施形態によれば、携帯電話機200は、当該携帯電話機200の現在位置を測位するGPSモジュール2と、GPSモジュール2から測位結果を間欠的に取得するCPU1と、当該携帯電話機200の電源としての電池(図示略)と、この電池の電力残量を検出する電池残量検出部201とを備え、CPU1は、電池残量検出部201による検出結果が小さい残量を示すときの方が、該検出結果が大きい残量を示すときよりも、GPSモジュール2から測位結果を取得する時間間隔(アクセス間隔)が長くなるように、前記電力残量に応じた前記時間間隔の切り替えを行うので、電力残量が少ない場合に、CPU1の動作電流を低減することが可能となる。また、GPSモジュール2の起動時には常にある程度の(有限の)時間間隔でCPU1が現在位置の取得を行うことができる。
【0078】
〔第3の実施形態〕
上記の第1の実施形態では携帯電話機の移動速度に応じてアクセス間隔を切り替える例を説明したが、第3の実施形態では携帯電話機の現在位置の属性(特徴、性質)に応じてアクセス間隔を切り替える例を説明する。
【0079】
第3の実施形態の場合も、携帯電話機100の基本構成は図1に示した通りである。
【0080】
以下、上記の第1の実施形態との相違点を説明し、上記の第1の実施形態と同様の構成及び動作については説明を省略する。
【0081】
図7は第3の実施形態の場合のメモリ4に記憶保持されたテーブルを示す概念図である。
【0082】
図7に示すように、メモリ4は、携帯電話機100の現在位置の属性に応じた、CPU1からGPSモジュール2へのアクセス間隔を記憶保持している。
【0083】
すなわち、例えば、携帯電話機100の現在位置が、駅周辺(移動頻度が高く、移動距離も長いことが想定される)のときのアクセス間隔は第1のアクセス間隔であり、使用者の自宅周辺や職場周辺(移動頻度が低く、移動距離も短いことが想定される)のときのアクセス間隔は第3のアクセス間隔であり、その他(移動頻度や移動距離が中程度であることが想定されるか、又は予測不明)のときのアクセス間隔は第2のアクセス間隔である。
【0084】
なお、第1のアクセス間隔<第2のアクセス間隔<第3のアクセス間隔であるとする。
【0085】
すなわち、携帯電話機100の現在位置が、使用者の自宅周辺或いは使用者の職場周辺である場合にはアクセス間隔を長くする一方で、駅周辺或いはバス停周辺である場合にはアクセス間隔を短くする。
【0086】
なお、使用者の自宅や使用者の職場の位置は、例えば、使用者が、所定の操作を行うことにより予め携帯電話機100に登録し、この登録結果がメモリ4に記憶保持されているものとする。
【0087】
更に、メモリ4は、CPU1が用いるその他のデータを記憶保持している。
【0088】
なお、本実施形態の場合は、CPU1は、携帯電話機100の移動速度を算出する必要はない。
【0089】
本実施形態の場合、CPU1は、メモリ4を参照することにより、携帯電話機100の現在位置(の属性)に応じたアクセス間隔を取得し、それまで設定されていたアクセス間隔を、新たに取得したアクセス間隔に切り替える。
【0090】
次に、携帯電話機100の動作を図8のフローチャートを用いて説明する。
【0091】
使用者の操作によりGPS機能が起動されると、CPU1はGPSモジュール2に対してアクセスし、該GPSモジュール2から位置情報を取得し、該位置情報をメモリ4に記憶する(ステップS21)。
【0092】
次に、CPU1は、携帯電話機100の現在位置(例えば、使用者の自宅周辺であるか、使用者の職場周辺であるか、駅周辺であるか、バス停周辺であるか)を判定する(ステップS22)。
【0093】
次に、CPU1は、メモリ4のテーブルを参照することにより、該CPU1がGPSモジュール2へアクセスする時間間隔を、先のステップS22にて判定した現在位置と対応するアクセス間隔に設定する(ステップS23)。
【0094】
すなわち、携帯電話機100の現在位置が、駅周辺やバス停周辺であれば第1のアクセス間隔に設定し、携帯電話機100の使用者の自宅周辺或いは該使用者の職場周辺であれば第3のアクセス間隔(>第2のアクセス間隔)に設定し、その他の現在位置であれば第2のアクセス間隔(>第1のアクセス間隔)に設定する(切り替える)。
【0095】
その後、CPU1は、次の位置情報取得要求が発生するのを待つ。すなわち、先のステップS23にて設定したアクセス間隔が経過することにより次の位置情報取得要求が発生するまで、ステップS24の判定(位置情報取得要求が発生したか?)を繰り返し行う。
【0096】
次の位置情報取得要求が発生すると(ステップS24の「あり」)、ステップS21に移行し、CPU1はGPSモジュール2に対してアクセスし、該GPSモジュール2から位置情報を取得し、該位置情報をメモリ4に記憶する。
【0097】
以後、同様に、ステップS22以降の処理を行う。
【0098】
なお、上記の第1の実施形態で説明したように、CPU1は、地図情報の更新動作も行うが、この動作は、図6では省略しているが、例えば、ステップS21の後において、ステップS22以降の処理と並行して行うことができる。
【0099】
以上のような第3の実施形態によれば、携帯電話機100は、当該携帯電話機100の現在位置を測位するGPSモジュール2と、GPSモジュール2から測位結果を間欠的に取得するCPU1とを備え、CPU1は、GPSモジュール2により測位された現在位置の属性に応じて、GPSモジュール2から測位結果を取得する時間間隔の切り替えを行うので、携帯電話機100の現在位置の属性に応じた最適な時間間隔でGPSモジュール2から測位結果を取得することができ、例えば使用者の自宅周辺や使用者の職場周辺といった、移動頻度、移動距離がともに小さいことが想定される場所では、CPU1の動作電流を低減することが可能となる。また、GPSモジュール2の起動時には常にある程度の(有限の)時間間隔でCPU1が現在位置の取得を行うことができる。しかも、使用者が予め定められた所定のルートを移動する場合に限らず、消費電力を低減させることができる。
【0100】
なお、上記の各実施形態では、携帯端末装置として携帯電話機を例示したが、例えば、PHS(Personal Handy Phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)或いはその他の携帯端末装置にも同様に本発明を適用可能である。
【0101】
また、上記の各実施形態では、GPS方式で携帯端末装置(携帯電話機)の現在位置を測位する例を説明したが、その他の方式で測位を行うようにしても良い。具体的には、例えば、携帯端末装置の周辺に存在する複数の基地局の位置情報に基づいて携帯端末装置の現在位置を演算により求めたり、或いは、加速度センサによる検出結果に基づいて携帯端末装置の現在位置を継続的に演算しても良い。
【0102】
また、上記の各実施形態では、マイクロプロセッサがCPU(Central Processing Unit)である例を説明したが、マイクロプロセッサは、例えば、DSP(Digital Signal Processor)などのCPU以外のものであっても良い。
【0103】
また、上記の各実施形態では、測位手段(例えばGPSモジュール2)が、起動時には常に一定の時間間隔で携帯端末装置の現在位置を測位し、マイクロプロセッサ(例えばCPU1)から測位結果の取得要求を受けた場合には最新の測位結果をマイクロプロセッサに出力する例を説明したが、本発明はこの例に限らず、例えば、測位手段(GPSモジュール2など)は、マイクロプロセッサから測位結果の取得要求を受けた場合に、携帯端末装置の現在位置を測位し、その測位結果をマイクロプロセッサに出力することも好ましく、後者の場合、測位手段の動作頻度を低減できることから、前者よりも消費電力の低減効果が高い。
【0104】
更に、上記の第1及び第2の実施形態では、マイクロプロセッサ(例えばCPU1)が、それぞれ図2(第1の実施形態)、図5(第2の実施形態)に示したテーブルを参照することにより、所要のアクセス間隔を認識する例を説明したが、このようなテーブルを用いなくても、マイクロプロセッサ(例えばCPU1)が所定の演算に従って、所要のアクセス間隔を認識するようにしても良い。
【0105】
すなわち、例えば、第1の実施形態の場合、移動速度に応じたアクセス間隔を演算するためのプログラムに従ってマイクロプロセッサ(例えばCPU1)が演算を行うことにより、図2に示したのと同様の所要のアクセス間隔を認識し、アクセス間隔を設定して(切り替えて)も良い。
【0106】
また、第2の実施形態の場合、電池残量に応じたアクセス間隔を演算するためのプログラムに従ってマイクロプロセッサ(例えばCPU1)が演算を行うことにより、図5に示したのと同様の所要のアクセス間隔を認識し、アクセス間隔を設定して(切り替えて)も良い。
【0107】
本願は、日本の特願2007−028240(2007年2月7日に出願)に基づいたものであり、又、特願2007−028240に基づくパリ条約の優先権を主張するものである。特願2007−028240の開示内容は、特願2007−028240を参照することにより本明細書に援用される。
【0108】
本発明の代表的な実施形態が詳細に述べられたが、様々な変更(changes)、置き換え(substitutions)及び選択(alternatives)が請求項で定義された発明の精神と範囲から逸脱することなくなされることが理解されるべきである。また、仮にクレームが出願手続きにおいて補正されたとしても、クレームされた発明の均等の範囲は維持されるものと発明者は意図する。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、携帯端末装置の現在位置を測位することに利用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8