(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663145
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】管継手の改良技術
(51)【国際特許分類】
F16L 37/12 20060101AFI20150115BHJP
F16L 33/22 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
F16L37/12
F16L33/22
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2009-129176(P2009-129176)
(22)【出願日】2009年5月28日
(65)【公開番号】特開2009-287775(P2009-287775A)
(43)【公開日】2009年12月10日
【審査請求日】2012年5月18日
(31)【優先権主張番号】0809685.1
(32)【優先日】2008年5月28日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】0811665.9
(32)【優先日】2008年6月25日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】501187424
【氏名又は名称】ジョン・ゲスト・インターナショナル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】John Guest International Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 充夫
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・スティーブン・ゲスト
【審査官】
黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−314775(JP,A)
【文献】
特開平11−311385(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第1433992(EP,A1)
【文献】
特開2001−21087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/12
F16L 33/20 − 33/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管を支える開放端型のソケットが形成された連結体と、
前記ソケットの開放端に配置され、リングと複数の可撓性アームを有し、該アームはリングの略軸方向でソケット内に延びているコレットであって、前記ソケット周囲の前記連結体の壁部には、前記開放端に向けて集束する傾斜カム面を有し、コレットアームは遠位端に、前記コレットを通過して前記ソケット内に延びる管と前記傾斜カム面との両方に嵌合するヘッドを有し、前記ソケットに対する前記コレットの外向きの移動によって、前記ヘッドが前記傾斜カム面により前記管に押圧されることで、前記管が前記ソケット内に固定される、コレットと、
前記連結体に回転可能に取り付けられたコレットロックであって、前記外向きにおける前記管の固定位置に前記コレットを保持する第1の回転位置と、前記コレットが前記ソケットに対して軸方向に移動して、前記コレットによる管の開放及び嵌合が可能な第2の回転位置を有する、コレットロックと、を備え、
前記コレットロックは前記連結体を取り囲むスリーブを有し、
前記連結体は、前記ソケット内に挿入された管の位置を視認可能にする1つ又は複数の開口を有し、
前記スリーブは、前記コレットの固定位置における前記1つ又は複数の開口を覆い、前記コレットの開放位置における前記1つ又は複数の開口を露出させる形状を有する、ことを特徴とする管継手。
【請求項2】
前記コレットロックは、該ロックの回転により前記ソケットの外向きに前記コレットを駆動して、前記コレットを外向きの管の固定位置に保持する手段を有する、請求項1に記載の管継手。
【請求項3】
前記コレットロックと連結体はともに、該コレットロックの回転により該コレットロックを前記連結体の軸方向で外向きに変位させ、前記連結体の外向きに前記コレットを駆動させる相互嵌合用ガイド手段を有する、請求項2に記載の管継手。
【請求項4】
前記コレットロックと前記連結体間で作用する前記相互嵌合用ガイド手段は、前記コレットロックと前記連結体間で作用するカム手段を有する、請求項3に記載の管継手。
【請求項5】
前記カム手段は、前記コレットロックと前記連結体上にそれぞれカムとカムフォロア、又はその逆にカムフォロアとカムをそれぞれ有する、請求項4に記載の管継手。
【請求項6】
前記スリーブは前記コレットのリングに連結され、該スリーブが前記連結体の外部方向に軸移動することで、前記コレットを前記連結体の外部方向に引き出す、請求項5に記載の管継手。
【請求項7】
前記コレットリングは前記連結体の開放端から突出し、前記スリーブの一端は、前記連結体の開放端を超えて突出して前記リングと嵌合する内側回転フランジを更に有し、前記スリーブが軸方向で外向きに移動することにより、前記ソケットの軸方向外向きに前記コレットを駆動する、請求項6に記載の管継手。
【請求項8】
前記コレットリングは外側回転ヘッドを有し、前記スリーブの前記フランジは前記ヘッドの背後に嵌合する、請求項7に記載の管継手。
【請求項9】
前記カム手段は、前記連結体の周りに形成されたカム面を備え、単数または複数のカムが、前記カム手段の前記カム面と嵌合する前記スリーブ内に形成されている、請求項4〜8のいずれか一項に記載の管継手。
【請求項10】
前記カム手段の前記カム面は前記スリーブ内の前記連結体の外側に形成され、前記単数または複数のカムは前記連結体を囲むスリーブの壁部に形成されている、請求項9に記載の管継手。
【請求項11】
前記カム手段は、前記連結体内の前記ソケット上に形成されたカム面を備え、前記単数または複数のカムは前記スリーブの一端で前記内側回転フランジに形成され、前記ソケット内に突出している、請求項7又は8に記載の管継手。
【請求項12】
前記カム手段の前記カム面は、前記コレットのロック位置と開放位置間の前記スリーブの回転角が90°となるように形成された、請求項9〜11のいずれか一項に記載の管継手。
【請求項13】
前記カム手段の前記カム面は、前記スリーブが前記コレットのロック位置からいずれの向きに回転することに対しても抵抗する、請求項9〜12のいずれか一項に記載の管継手。
【請求項14】
前記カム手段の前記カム面には、前記カムを前記コレットロック位置に支承する浅い凹部が形成され、前記スリーブが前記コレットのロック位置からいずれの向きに回転することに対しても抵抗となる、請求項13に記載の管継手。
【請求項15】
前記連結体に関して前記コレットロックの回転が制限される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の管継手。
【請求項16】
前記コレットロックの回転は前記連結体に関して90°以下又は180°以下に制限される、請求項15に記載の管継手。
【請求項17】
前記連結体に関して前記コレットロックの回転を制限する手段は、前記コレットロック及び連結体に設けられた相互嵌合素子を含む構成である、請求項15又は16に記載の管継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体又は液体状態の流体を導通する管又はパイプラインにおける管を連結するための管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
我々の英国特許第1520742号の明細書では、管を支承するオープンエンド(開放端)型のスルーウェイを有する連結体を備えた管継手について記載及び図示している。コレットはスルーウェイの開放端に配置され、リングを有し、リングの複数の可撓性アームは、概ね、スルーウェイ内に延びている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スルーウェイは、前記スルーウェイの開放端に集束する傾斜カム面を有し、コレットアームはそれらの遠位端においてヘッドを有しており、カム面と、コレットを通ってスルーウェイ内に延びる管との両方を嵌合している。コレットがスルーウェイの開放端に向けて移動することで、コレットアーム上のヘッドはカム面により管に押圧され、管をスルーウェイに固定する。コレットリングはスルーウェイから延びて外側回転フランジ又はヘッドを有しており、器具や手でコレットを操作して連結体に管をロックしたりロック解除することを容易にしている。コレットのヘッド又はフランジと連結体の隣接端部間を係合するために「C」字形状のロッククリップを設け、管がコレットで連結体にロックされる外向き延在位置にコレットを保持して、コレットが不慮で解除されるのを防止するように構成できる。ロック機能の別体の部品を設けることは、クリップが連結体に利用できないか又は取り付け者が単にクリップをコレットに適用することを見逃した場合は、コレットはアンロック状態のままとなる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、管を支える開放端型のスルーウェイを有する連結体と、前記スルーウェイの開放端に配置され、リングと複数の可撓性アームを有し、該アームはリングの略軸方向でスルーウェイ内に延びているコレットと、を備える管継手を提供するもので、該管継手は、前記スルーウェイは前記開放端に向けて集束する傾斜カム面を有し、コレットアームはコレットアームの遠位端にヘッドを有し、前記カム面と、前記コレットを通過して前記スルーウェイ内に延びる管の両方を嵌合し、前記スルーウェイに対してコレットを外向きに移動させることで、前記スルーウェイはカム面によって前記管に押圧されることで、前記管を前記スルーウェイに固定し、更に、前記連結体に回転可能に取り付けられたコレットロックを備え、前記連結体は、前記ロックが前記外方向の前記管の固定位置に前記コレットを保持する第1の回転位置と、前記コレットが前記スルーウェイに関して軸方向に移動して前記コレットにより管を開放及び嵌合可能とする第2の回転位置を有することを特徴とする。
【0005】
本発明の好ましい態様では、前記コレットロックは、該ロックの回転により前記スルーウェイの外方向に前記コレットを駆動して、前記コレットを外向きの管の固定位置に保持する手段を有する。
【0006】
特に、前記コレットロックと連結体はともに、該コレットロックの回転により該コレットロックを前記連結体の軸方向で外向きに変位させ、前記連結体の外向きに前記コレットを駆動させる相互嵌合用ガイド手段を有する。
【0007】
例えば、前記コレットロックと前記連結体間で作用する前記相互嵌合用ガイド手段は、前記コレットロックと前記連結体間で作用するカム手段を有することも可能である。
【0008】
前記態様において、前記カム手段は、前記コレットロックと前記連結体上にそれぞれカムとカムフォロア、又はその逆にカムフォロアとカムをそれぞれ有することもできる。
【0009】
前記いずれかの態様において、前記コレットロックは前記連結体を取り囲むスリーブを有することもできる。
【0010】
前記態様において、前記スリーブは前記コレットのリングに連結され、該スリーブが前記連結体の外部方向に軸移動することで、前記コレットを前記連結体の外部方向に引き出すことも可能である。
【0011】
前記態様の一好ましい形態では、前記コレットリングは前記連結体の開放端から突出し、前記スリーブの一端は、前記連結体の開放端を超えて突出して前記リングと嵌合する内側回転フランジを更に有し、キャップが軸方向で外向きに移動することにより、前記スルーウェイの軸方向外向きに前記コレットを駆動する。
【0012】
特に、前記コレットリングは外側回転ヘッドを有し、前記スリーブの前記フランジは前記ヘッドの背後に嵌合することもできる。
【0013】
前記態様の一好ましい形態では、前記カム面は前記連結体の周りに形成され、単数または複数のカムが、前記カム面と嵌合する前記スリーブ内に形成されてもよい。
【0014】
本発明に係る一形態では、前記態様において、前記カム面は前記スリーブ内の前記連結体の外側に形成され、前記単数または複数のカムは前記スリーブ内に形成されてもよい。
【0015】
前記態様において、更に一形態では、前記カム面は前記連結体内の前記スルーウェイ上に形成され、前記単数または複数のカムは、前記スリーブの一端で前記内側回転フランジに形成され、前記スルーウェイ内に突出してもよい。
【0016】
前記態様の一好ましい形態では、前記連結体上の前記カム面は、前記コレットのロック位置と開放位置間の前記スリーブの回転角が90°となるように形成してもよい。
【0017】
前記態様において更に別の形態では、前記カム面は、前記スリーブが前記コレットのロック位置からいずれの向きに回転することに対しても抵抗する。
【0018】
例えば、前記カム面には、前記カムを前記コレットロック位置に支承する浅い凹部が形成され、前記スリーブが前記コレットのロック位置からいずれの向きに回転することに対しても抵抗となることもできる。
【0019】
前記態様の一好ましい形態では、前記連結体は、前記スルーウェイ内に挿入された管が見えるように配置することを可能にする1つ又は複数の開口を有してもよい。
【0020】
前記態様において、前記スリーブは、前記コレットロック位置の前記1つ又は複数の開口を覆い、前記コレットの開放位置において前記1つ又は複数の開口が現れるような形状である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】連結体と、管を所定位置にロックするために連結体に設けられたコレットと、連結体内に挿入された管と、管が連結体から不慮で外れるのをコレットが防止するためのロック装置を有し、ロック装置はアンロック(ロック解除)位置に示され、コレットロック装置により現れるロック機構を見るための窓が連結体に形成された、管継手の断面図である。
【
図2】コレットロック位置におけるロック装置と、コレットロック装置で覆われた連結体内への窓を示す、
図1と同様の図である。
【
図3】
図2において90°で切断した
図2に示す状態の管継手を示す図である。
【
図4】管を省略した
図1に示す管継手の斜視図である。
【
図5】管を省略した
図2に示す管継手の斜視図である。
【
図6】コレットロック装置を省略した
図5に示す管継手の斜視図である。
【
図9】管を連結体の一端に挿入し、連結体内の管が離脱しないようにロックし、管を取り外すことができるようにロックを解除する一連の動作を示す、
図1−5のダブルエンド型の連結体の斜視図である。
【
図10】
図9と同様の、一連の動作を示す、ダブルエンド型の連結体の斜視図である。
【
図11】
図10と同様の、一連の動作を示す、ダブルエンド型の連結体の斜視図である。
【
図12】
図11と同様の、一連の動作を示す、ダブルエンド型の連結体の斜視図である。
【
図13】
図12と同様の、一連の動作を示す、ダブルエンド型の連結体の斜視図である。
【
図14】連結体の外側を囲むカムとコレットロックスリーブ内のカムフォロアの変形を示す、
図5−8と同様の斜視図である。
【
図15】連結体の外側を囲むカムとコレットロックスリーブ内のカムフォロアの変形を示す、
図5−8と同様の斜視図である。
【
図16】連結体の外側を囲むカムとコレットロックスリーブ内のカムフォロアの変形を示す、
図5−8と同様の斜視図である。
【
図17】連結体の外側を囲むカムとコレットロックスリーブ内のカムフォロアの変形を示す、
図5−8と同様の斜視図である。
【
図18】連結体の外側を囲むカムとコレットロックスリーブ内のカムフォロアの変形を示す、
図5−8と同様の斜視図である。
【
図19】
図1−3に対応し、第3の変形態を示す図である。
【
図20】
図1−3に対応し、第3の変形態を示す図である。
【
図21】
図1−3に対応し、第3の変形態を示す図である。
【
図22】
図1−3に対応し、第3の変形態を示す図である。
【
図23】
図4−8に対応し、第3の変形態を示す図である。
【
図24】
図4−8に対応し、第3の変形態を示す図である。
【
図25】
図4−8に対応し、第3の変形態を示す図である。
【
図26】
図4−8に対応し、第3の変形態を示す図である。
【
図27】
図4−8に対応し、第3の変形態を示す図である。
【
図28】
図9−13に対応し、第3の変形態を示す図である。
【
図29】
図9−13に対応し、第3の変形態を示す図である。
【
図30】
図9−13に対応し、第3の変形態を示す図である。
【
図31】
図9−13に対応し、第3の変形態を示す図である。
【
図32】
図9−13に対応し、第3の変形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための特定の形態について添付の図面を参照して説明する。最初に、
図1〜8に示す形態について説明すると、高強度プラスチック材で成型された管連結体10は中央のスルーウェイ11を有し、内部円筒状の差込口12で終端している。環状の凹部13が連結体の端面14から連結体の壁部内に延びて段部15で終端し、差込口12の周囲に管16の端部を受け止めるソケットを形成している。
【0023】
ソケットの端部15に隣接する差込口の外部表面は、管16の内面と係合するように、参照番号17で示す波形状に形成され、差込口の外面には間隔をおいて2つの環状溝18も形成され、該環状溝内にはO字形リング状シール部材19が配置され、差込口を覆う配置の管16の内部表面で密閉するように構成されている。
【0024】
管は、参照番号20で示すコレットによりソケットの差込口に保持され、該コレットもプラスチック材で成型されている。コレットはリング21を含み、該リングはソケットの入口に配置され、軸方向に延びてヘッド23で終端する複数の可撓性アーム22を有する。金属歯24がヘッド内に成型され、ヘッドの内部側に突出し、管16を係止し把持している。
【0025】
ソケット周囲の連結体の壁部には、ソケットの開口端に向けて集束する傾斜状カム面25が形成され、ヘッド23が係合可能であり、コレットが連結体から僅かに取り外し方向に移動すると、管の外面にヘッドを押圧することができる。コレットのリング21は、ソケットの開口端の外側に突出し、連結体の端部上に形成された一体的外側向き回転フランジであるヘッド26を有する。
【0026】
スリーブ27を有するコレットロックが、連結体の回りに回転するとともに、連結体の端部上を軸方向に摺動するように、連結体の開口端に隣接して連結体上に配置されている。スリーブは内側向き回転フランジ28を有し、連結体の端部とコレットのヘッド26間を係合している。ソケットを取り囲む連結体の外壁には複数のポート29が離間して形成され、管をコレットのヘッドでロックして、操作者が観察及びチェックすることを可能にしている。
【0027】
図6〜8を参照して説明すると、連結体端部14に隣接した連結体の外部壁には、番号30で示す周回カム面が形成され、該カム面30はスルーウェイの開口端に向かって対面している。カム面は2つの深いスロット31を有し、該スロットは連結体の開口端から窓部29を通過して連結体に沿って延び、カム面は該スロット間に浅い傾斜部32を有し、該傾斜部は、スロットの側部から延び、短いリッジ(隆起)部32で終端し、該リッジ間には浅い凹部34が形成されている。
【0028】
スリーブ27は一組の略四角形の一体的カムフォロア35を有し(
図8では1つのみ図示している)、該カムフォロアはスリーブ端部においてスリーブの内部側及び内側向き回転フランジと一体的に成型されている。カムフォロア35は、連結体のカム面に形成されたスロット31の幅に匹敵する周縁長さを有する。カムフォロア35はカム面を係止し、スリーブの回転により連結体に対してスリーブの軸位置が調整される。カムフォロア35がスロット31に嵌合すると、スリーブのフランジ29は、連結体の端部に対抗して配置され、コレットのヘッド26がスリーブのフランジ28と係合するまで、コレットは連結体のソケット内に押し込まれる。コレットのまさにその地点において、コレットアームのヘッドは連結体の傾斜カム面から離脱され、管を連結体に挿入又は連結体から取り外すことができる。
【0029】
スリーブ27が90°回転してカムフォロア35をスロット31から離脱させると、カムフォロアは傾斜部32に乗り上げ、連結体端部からスリーブの内側向き回転端部28を持ち上げ、コレットのヘッド26を連結体端部から強制的に離れるようにする。その結果、カムフォロア35は傾斜部の頭部においてリッジ部33上に乗り上げた後、凹部34内に落ち込むことで、カムフォロアの連結体に関する回転に抗してカムフォロアは保持される。この地点において、コレットのヘッド23は連結体の傾斜カム面25に対して強制的に保持され、管16に対してヘッドをロック状態とし、連結体内に管をロックする。連結体から管を取り外すためには、スリーブ27を回転させてカムフォロア35を凹部34から取り出すように駆動し、スロット31を用いてレジスタ内に逆戻りさせることで、スリーブのフランジが連結体端部と係合するまで、スリーブは、再度、連結体上を軸方向に摺動することができ、コレット20を内部方向に移動させ、コレットのヘッドを管との把持係合状態から解除することを可能にしている。
【0030】
図示していないが、更に別の形態では、カムがキャップ内に形成され、連結体上のカムフォロアはキャップを回転させることにより、キャップを軸方向に変位させることができる。
【0031】
頭部の壁部28から離間したスリーブの端部40には、スリーブの回りに、窪みと峰部が交互にシヌソイド状等の形状に形成され、窪み形状において、連結体壁の窓部29が現れ、連結体中における管のロック状態を見ることができる。スリーブがコレットの解除位置にあるとき、窓部29は露出するので、操作者は、スリーブを回転させて製品が管を所定位置に把持しロックする前に、管16が連結体の差込口12に充分に挿入されていることを確認することができる。カムフォロア35がカム面の凹部34に嵌合した状態のスリーブの後者の位置において、スリーブの峰部は連結体のスロットを覆っている。同様の効果が得られるように、他の形状がスリーブの端部に適用されることが好ましい。例えば、スリーブの端部は、互いに離間して設けられた窪み又は凹部を有し、連結体に窓部を設けてもよい。
【0032】
図9〜13は
図1〜8に示された形体のダブルエンド型の連結体を示し、管を連結体に挿入し、スリーブを回転させて管を連結体内にロックし、スリーブを回転させて管を解除し、コレットを内部方向に押圧して管を連結体から取り外すことを可能にする一連の工程を示している。
【0033】
図14〜22は、
図16〜18に最もよく示されているように、カム形状31とカムフォロア35が変形された同様の形態を示す。ここでは、カムは前述の形態の深いスロット1の代わりに連結体に沿って延びる浅い凹部31のみを有するので、スリーブの軸方向の変位の範囲が減少されている。それ以外の本形態の特徴は前述の実施形態と同様である。
【0034】
図19〜27は更に他の形体を示し、スリーブを起動するためのカム面31が、連結体及びカムフォロア35の入口部に内部的に形成されている。
【0035】
図33〜41及び
図42〜50は更に別の形態のカムを示し、カムは連結体の入口部の回りとスリーブの端部における内側向き回転フランジ上に形成されている。再度、コレットをロック及び解除するためのスリーブの動作は、第1の実施形態で説明したものと全く同じである。
【0036】
上記形態のいずれかに適用可能な更に別の形体では、連結体に対するスリーブの回転が、例えば、スリーブ上に形成された素子又は前記カムに形成されたエンドストップにより、180°に制限されている。
【0037】
図51及び52は本発明の更に別の適用例を示す。
図51は、コレットとコレットロックが削除された変形体の連結体10を示す。
【0038】
連結体端部14は概略50で示す周縁枠のしゃくり部を有し、連結体端部に隣接した軸方向に面するステップ部51と、連結体端部上に短いカラー52を形成している。カラー52は4つの等間隔で一体構成の外部方向に突き出した突起53を有し、該突起の外側面は連結体10の外側面より僅かに隆起している。
【0039】
各突起53は、カラー52の回りに巻き付く隣接カム54を有する。各カムは、ステップ部51からフラット部56に向けて立ち上がり、連結体端部と平行に延び、カムと連関した突起53に通ずる傾斜部55を有する。短いスプライン57がカラー52の外側下方でフラット56の上方に、突起53の一側面に隣接して形成され、同様のスプライン58がカラーの外側面上で突起53のもう一方の側面に隣接して形成されている。
【0040】
図52を参照して説明すると、スリーブ27は、スリーブの端部フランジ28に隣接し、スリーブ内に成型された4つの等間隔で配置されたカムフォロア35を有する。各カムフォロア35は、後述する目的のために、そのいずれかの端部においてカムフォロアの内面側に形成されたスプライン59を有する。傾斜スロット60が、スリーブの内側に沿って軸方向に、各カムフォロア35の一側部に向けて延在している。
【0041】
スリーブ27が連結体に取り付けられるとき、連結体上にスリーブを配置し易くするために、スロット60は突起53と位置合わせされる。カムフォロア35は、連結体端部の周囲の周縁枠しゃくり部50に嵌合し、各カムフォロアは突起53とカム54間で移動可能である。スリーブ27が回転されてカムフォロア35が傾斜部55上に乗り上がるとき、スリーブは、前述のように、連結体の外向きに軸方向に変位し、管のロック位置における連結体の入口部に配置されたコレットを保持する。カムフォロア35がカムのフラット部56上に移動するとき、スリーブは連結体からの外向き軸方向の最大移動位置に到達する。カムフォロア35の先行スプライン59を、スリーブの逆戻り移動に抗する突起53の隣接側部のスプライン57を強制的に通過させることにより、スリーブ35を前記最大移動位置にロックすることができる。
【0042】
スリーブが反対方向に回転されると、カムフォロア35はフラット部56を乗り越え、カム54の傾斜部55の下方でステップ部51上に移動する。次いで、スリーブは連結体を超えて軸方向に移動可能となり、コレットと管とのロック状態の係合を解除し、管を連結体から取り外すことを可能としている。傾斜部55の底面に隣接した突起53の側部のスプライン58を通過するスリーブの逆戻り移動時に、カムフォロアの先行端部においてスプライン59をスナップ動作することにより、スリーブを前記位置に保持することができる。このように、カムフォロアは、隣接する複数組の突起53間を移動するように強制され、全体としての回転角は略90°と同等の角度で回転する。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、流体を導通する管又はパイプラインにおける管を連結するための管継手の改善に有用である。
【符号の説明】
【0044】
10 連結体
11 スルーウェイ
16 管
20 コレット
21 リング
22 アーム
25 傾斜カム面
27 スリーブ
31 スロット
35 カムフォロア