特許第5663217号(P5663217)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663217
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】制流弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 3/00 20060101AFI20150115BHJP
   F16L 55/00 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   F16K3/00 B
   F16L55/00 C
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-154447(P2010-154447)
(22)【出願日】2010年7月7日
(65)【公開番号】特開2012-17781(P2012-17781A)
(43)【公開日】2012年1月26日
【審査請求日】2013年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000105556
【氏名又は名称】コスモ工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100116757
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 英雄
(74)【代理人】
【識別番号】100123216
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 祐一
(74)【代理人】
【識別番号】100089336
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 佳直
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【弁理士】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(72)【発明者】
【氏名】中里 謙介
【審査官】 関 義彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−329287(JP,A)
【文献】 特開2001−146996(JP,A)
【文献】 特開2001−235083(JP,A)
【文献】 特開昭49−034021(JP,A)
【文献】 特開2001−182104(JP,A)
【文献】 特開2002−323190(JP,A)
【文献】 特開2009−287662(JP,A)
【文献】 米国特許第06283446(US,B1)
【文献】 特開2009−168199(JP,A)
【文献】 米国特許第06357471(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 3/00−3/36,
F16K 43/00,
F16L 51/00−55/24,
F16L 41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体管の外周を密封状に被覆したケースと、該ケース内に連通する連通部を介し挿入されて前記流体管に周方向に沿って穿孔を穿設する穿孔手段と、該穿孔を介し前記ケース内と前記流体管内とを移動自在に支持される弁体と、から構成され、前記弁体を前記流体管内に移動することで弾性変形させて流路を遮断可能な制流弁であって、
前記穿孔手段は、前記流体管に周方向に沿って略90度〜150度の開口角度で穿孔を穿設し、
前記穿孔にコアが嵌設されると共に、前記ケースに前記コアを支持する支持部が設けられていると共に、
前記支持部の少なくとも一部は、前記連通部を介し前記ケース内に挿入されて設けられていることを特徴とする制流弁。
【請求項2】
前記コアは、前記弁体の外面に取外し可能に取付けられ、該弁体の前記流体管内に向けた移動により前記穿孔に嵌設されることを特徴とする請求項に記載の制流弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体管の外周を密封状に被覆したケースと、ケース内に連通する連通部を介し挿入されて流体管に周方向に沿って穿孔を穿設する穿孔手段と、穿孔を介しケース内と流体管内とを移動自在に支持される弁体と、から構成され、弁体を流体管内に移動することで弾性変形させて流路を遮断可能な制流弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の制流弁には、流体管を密封した密封ケース内において、エンドミル状の切削工具から成る穿孔手段を用いて流体管の周方向に沿って開口する穿孔を穿設し、この穿孔を介し弁体を挿入操作することで、流体管の流路を遮断若しくは開放しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−193893号公報(第4頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、穿孔手段に穿設される穿孔が、流体管の周方向に略180度の開口角度、すなわち流体管の略半周に亘り開口しているため、穿孔の形成箇所における流体管自体の構造強度が低下し、流体管の変形や破損が生じた場合は密封性が維持できない虞がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、穿孔を穿設しても流体管の構造強度を維持して密封性を確保できる制流弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の制流弁は、
流体管の外周を密封状に被覆したケースと、該ケース内に連通する連通部を介し挿入されて前記流体管に周方向に沿って穿孔を穿設する穿孔手段と、該穿孔を介し前記ケース内と前記流体管内とを移動自在に支持される弁体と、から構成され、前記弁体を前記流体管内に移動することで弾性変形させて流路を遮断可能な制流弁であって、
前記穿孔手段は、前記流体管に周方向に沿って略90度〜150度の開口角度で穿孔を穿設し、
前記穿孔にコアが嵌設されると共に、前記ケースに前記コアを支持する支持部が設けられていると共に、
前記支持部の少なくとも一部は、前記連通部を介し前記ケース内に挿入されて設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、穿孔手段により穿設される穿孔が、流体管の半周分よりも小さい150度以下の開口角度で開口していることで流体管自体の構造強度を維持でき、且つ流体管の四半周分である90度以上の開口角度で開口していることで、流路を遮断する弁体を挿入するための開口領域を十分に確保できる。また、支持部が穿孔に嵌設されたコアを支持しているため、弁体がコアを介してケース内と流体管内とを移動しても、コアが穿孔から外れることがない。しかも、支持部の少なくとも一部は、連通部を介しケース内に挿入されて設けられているので、該連通部を利用して支持部をケース内に挿入することができ、支持部をケースに設け易い。
【0009】
本発明の制流弁は、
前記コアは、前記弁体の外面に取外し可能に取付けられ、該弁体の前記流体管内に向けた移動により前記穿孔に嵌設されることを特徴としている。
この特徴によれば、コアを嵌設するための特段の嵌設手段を要さずとも、ケース内と流体管内とを移動自在の弁体を利用してコアを穿孔に嵌設できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例におけるケースを流体管に取り付けた状態を示す一部断面の正面図である。
図2】流体管に対してケースを回動させ、流体管に穿孔を形成した状態を示す一部断面の正面図である。
図3】流体管に穿孔を形成した状態を示す一部断面の側面図である。
図4】流体管の流路を遮断した状態を示す一部断面の正面図である。
図5】コアを穿孔に支持した状態を示す一部断面の正面図である。
図6】流体管の流路を開放した状態を示す一部断面の正面図である。
図7】変形例におけるケース及び流体管を示す一部断面の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る制流弁を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0012】
実施例に係る制流弁につき、図1から図7を参照して説明する。
【0013】
図2及び図3に示すように、本発明の制流弁としての制水弁10は、主として、内部を上水が流れる流体管1の上部に穿設される穿孔Qに連通し流体管1の外周を水密に被覆したケース2と、非上昇の回動ネジ4の回転によりケース2内と流体管1との間にて上下方向、すなわち回動ネジ4の軸方向に操作される仕切弁である弁体60とを有し、流体管1の管路を遮断若しくは開放する。尚、本実施例における非上昇の回動ネジ4は、回動ネジ4自体が水平回動によって軸方向に移動しないよう設けられている。
【0014】
本実施例の流体管1は、断面視略円形状に形成された金属製管から成り、内周面がモルタル層で被覆されている。尚、流体管の内周面はモルタル層に限らず、例えばエポキシ樹脂等により被覆されてもよく、若しくは適宜の材料を粉体塗装により流体管の内周面に被覆してもよい。また、本実施例では流体管1内の流体は上水であるが、流体管1の内部を流れる流体は必ずしも上水に限らず、例えば工業用水であってもよいし、また気体や気液混合状態の流体が流れる流体管であっても構わない。
【0015】
流体管1の外周面に正面視で流体管1の左下方に向けて傾斜して固定に取り付けられるケース2は、いわゆる割T字管であって、流体管1の管軸と略直交する内空部を備え、内部に弁体60を備えた分岐管12と、流体管1の外周の下側を被覆するカバー11と、からなる。尚、弁体60の外周面には、予め穿孔Qに嵌設するためのコア40が取り外し可能に取り付けられている。図1に示されるように、弁体60の外面にくびれ部60bが周方向に形成されており、このくびれ部60bにコア40を係合させて取り付けることで、コア40は、後述する弁体60の下方動作においては弁体60から外れてしまうことが無い。
【0016】
図1に示すように、先ず分岐管12とカバー11とを、流体管1を挟む位置で対向させ、流体管1の長手方向に沿って配置された複数のボルト・ナット13により締結する。分岐管12とカバー11との間には、図示しないパッキンが設けられており、このパッキンによって分岐管12とカバー11との間は水密に保持されている。また、分岐管12には、流体管1の管軸に向けて分岐管12内と分岐管12の外方とを連通させる連通部12aが形成されている。
【0017】
次に、連通部12aのフランジ12bに、内部に作業弁36を配設した開閉部材35を水密に接続し、更に、開閉部材35の上端部に本発明における穿孔手段としての穿孔装置50を水密に接続する。穿孔装置50は、フランジ12bに水密に接続された筒体53と、図示しない筒体53の先端部に水密に接続されるとともに、図示しない駆動手段に接続され流体管1に向け軸方向に伸出するとともに軸周りに回転する軸部材51と、軸部材51の先端に固設され流体管1を穿設するドリル状のエンドミル52と、から主として構成されている。
【0018】
そして、図1に示すように、エンドミル52は、軸部材51によって流体管1の外面に向けて押し込まれることで流体管1の一部を切削する。この状態から施工者がケース2を流体管1の管軸周りに正面視で時計回りに回動させることで、図2に示すように、エンドミル52が流体管1の上部をケース2の回動に伴って切削し、流体管1に上方に向けて開口する穿孔Qが形成される。
【0019】
ケース2は、施工者によって流体管1の管軸周りに略90度〜150度の角度にかけて回動され、穿孔Qの穿設が終了するとともに流体管1に対して垂直方向を向くように配置され、弁体60は穿孔Qに対して上下方向で対向配置される。このため、エンドミル52によって切削されることで形成された穿孔は、流体管1の周方向に向けて開口角度θが略90度〜150度となるように形成される。尚、一例として本実施例では穿孔Qは、開口角度θが略120度である。尚、前述のような手順で形成された穿孔Qは、図3に示すように、前後幅方向に向けて短寸であって周方向に長寸に開口するスリット状をなしている。
【0020】
次に、図4に示すように、軸部材51を引き上げることによってエンドミル52を連通部12a内から筒体53内に配置させ、作業弁36を閉塞することで連通部12aと筒体53内とを遮断するとともに、穿孔装置50を開閉部材35から取り外す。
【0021】
そして、ケース2の上端部に設けられた回動操作部4aに図示しないハンドルを取り付ける。回動ネジ4は、ケース2の頂部に穿設された挿通孔32に回転自在に貫通して、上端部をケース2の外部に突出して取り付けられている。押え板33は、ケース2の上端部に下方からボルト34で固定され、回動ネジ4の抜出しを阻止する。上記構成により、回動ネジ4はケース2に対し正逆両方向に回転自在であるが上下動はしない。4bは、回動ネジ4の上端部を除いて略全長に亘ってその周面が螺設されたネジ部である。
【0022】
図1に示すように、ネジこま63は、弁体60の上端部に形成されたガイド溝61に嵌合するとともに、ネジ部4bに螺合しており、回動ネジ4の上端部に形成された回転操作部4aの回転に応じネジ部4bが回転することで、ネジ部4bに沿って螺挿するネジこま63に追随して弁体60が上下動可能となる。
【0023】
また、弁体60には、回動ネジ4のネジ部4bを挿入する挿入孔64が形成されている。更に、弁体60は、穿孔Qに対して挿入可能な幅寸法に形成されたゴム材等の弾性材から構成されており、弁体60の下部は、穿孔Qに挿入可能な左右幅寸法及び前後幅寸法に形成されている。尚、弁体60の上部は、下部よりも左右幅方向に凸となる突設部60aに形成されている。
【0024】
以後、弁体60は、図2及び図4に示すように、前記ハンドルによる回転操作部4aの水平回動によって下方に移動することで流体管1の内周面に弾性変形しながら水密に当接して流体管1の管路を遮断するとともに、前記ハンドルによる回転操作部4aの水平回動によって上方に移動することで流体管1の管路を開放するようになる。
【0025】
次に、図2及び図3に示すように、本実施例におけるコア40は、前後幅方向に向けて短寸であるスリット状に形成された穿孔Qと略同形状に形成され、内部が貫通形成されたフレーム41と、このフレーム41の底面の略全周に亘って配設された、弾性を有する樹脂材等からなる防錆部材42と、から構成されており、フレーム41の左右両端部には、後述する固定ボルト16を螺挿可能及び後述する固定ピン17を挿入可能な支持孔41aが形成されている。
【0026】
上記構成を有する制水弁10において、コア40による穿孔Qの防錆について説明する。先ず、図4に示すように、前述したように、前記ハンドルによる回転操作部4aの水平回動によってコア40を取り付けた弁体60を、穿孔Qを介して流体管1内の内周面に弾性変形しながら水密に当接させ、流体管1の流路を遮断する。
【0027】
このとき、コア40は、突設部60aによって穿孔Qの内周面に向けて押圧される。このため、防錆部材42が弾性変形しながら穿孔Qの内周面の全周に亘って当接し、穿孔Qの内周面の防錆がなされる。尚、穿孔Qが形成されるとともにケース2が垂直方向を向くように配置される際に弁体60が穿孔Qと上下方向で対向配置されているため、弁体60と穿孔Qとの位置決めを行うことなくコア40の穿孔Qの内周面への押圧を行うことができる。
【0028】
そして、図5に示すように、ケース2の左側方から本発明における支持部としての固定ボルト16をフレーム41の左端部に形成された支持孔41aに向けて螺挿する。更に、連通部12aのフランジ12bから開閉部材35を取り外すとともに、開閉部材35に替えて連通部12aのフランジ12bに蓋体54を取り付ける。この蓋体54によって連通部12aは水密に閉塞される。
【0029】
尚、蓋体54は、連通部12aのフランジ12bと対向配置される側の側面から流体管1を向く本発明における支持部としての固定ピン17を備えている。この固定ピン17は、連通部12aが蓋体54によって水密に閉塞されると同時に、連通部12aを介してフレーム41の右端部に形成された支持孔41aに挿通される。このため、コア40は、固定ボルト16及び固定ピン17によって穿孔Qに嵌設された状態で固定され、防錆部材42による穿孔Qの内周面の防錆が維持される。
【0030】
コア40を穿孔Qに嵌設した状態で固定した後は、図6に示すように、再び前記ハンドルによる回転操作部4aの水平回動によって弁体60を上方に移動することで流体管1の管路を開放し、一連の穿孔Qの防錆工程を完了する。尚、このとき、弁体60が上方に移動することによって弁体60とコア40との間に摩擦が生じるが、この弁体60とコア40との間に生じる摩擦に抗して固定ボルト16及び固定ピン17がコア40を穿孔Qに嵌設した状態で固定しているため、コア40は上方に移動する弁体60のくびれ部60bから取り外されることになり、すなわちコア40の穿孔Qからの離脱が阻止されるようになっている。
【0031】
以上、本実施例における制水弁10にあっては、穿孔装置50は、流体管1に周方向に沿って略90度〜150度の開口角度θで穿孔Qを穿設するので、穿孔装置50により穿設される穿孔Qが、流体管1の半周分よりも小さい150度以下の開口角度θ度で開口していることで流体管1自体の構造強度を維持でき、且つ流体管1の四半周分である90度以上の開口角度θで開口していることで、流路を遮断する弁体60を挿入するための開口領域を十分に確保できる。
【0032】
また、穿孔Qにコア40が嵌設されるとともに、ケース2にコア40を支持する固定ボルト16及び固定ピン17が設けられているので、固定ボルト16及び固定ピン17が穿孔Qに嵌設されたコア40を支持しているため、弁体60がコア40を介してケース2内と流体管1内とを移動しても、コア40が穿孔Qから外れることがない。
【0033】
また、固定ピン17は、連通部12aを介しケース2内に挿入されてケース2に設けられるので、穿孔装置50をケース2内に挿入するための連通部12aを利用して、固定ピン17をケース内に挿入することができ、固定ピン17をケースに設け易い。
【0034】
また、コア40は、弁体60の外面に取外し可能に取付けられ、弁体60の流体管1内に向けた移動により穿孔Qに嵌設されるので、コア40を嵌設するための特段の嵌設手段を要さずとも、ケース2内と流体管1内とを移動自在の弁体60を利用してコア40を穿孔Qに嵌設できる。
【0035】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0036】
例えば、前記実施例では、フレーム41の左右両端部に支持孔41aを形成し、フレーム41の左端部側の支持孔41aに固定ボルト16を螺挿するとともに、フレーム41の右端部側の支持孔41aに固定ピン17を挿入してコア40を穿孔Qに嵌設した状態で固定したが、本発明の変形例として図7に示すように、ケース2の左右両端部に連通部12aを形成し、これら連通部12aを、固定ピン17を有する同一構成の蓋体54によって水密に閉塞することで、フレーム41の両支持孔41aに固定ピン17を挿入してコア40を穿孔Qに嵌設した状態で固定してもよい。
【0037】
尚、このようにケース2の左右両端部に連通部12aを形成することによって、両連通部12aに開閉部材35を介して穿孔装置50(図1参照)を取り付けることが出来るので、例えば、エンドミル52の切削によって穿孔Qを形成する際に、ケース2の左右側の一方に壁面が設けられてケース2を壁面側に傾斜させて流体管1に対して取り付けることが困難な場合であっても、ケース2を壁面とは反対側に傾斜させて流体管1に取り付けるとともに、壁面とは反対側に形成された連通部12aからエンドミル52を流体管1に向けて挿入することで、ケース2を壁面に向けて回動させることによって穿孔Qを形成することができる。
【0038】
また、前記実施例では、防錆部材42を、弾性を有する樹脂材によって構成したが、防錆部材42の材質は、弾性を有していれば、例えばゴム材であってもよいし、エラストマー等の他の材料から成るものでも構わない。
【0039】
また、前記実施例では、穿孔Qの開口角度θを120度として形成したが、穿孔に挿入される弁体60によって流体管1の流路が遮断可能であれば、開口角度θは、90度から150度の範囲で自由に形成してよい。
【符号の説明】
【0040】
1 流体管
2 ケース
10 制水弁(制流弁)
12a 連通部
16 固定ボルト(支持部)
17 固定ピン(支持部)
40 コア
50 穿孔装置(穿孔手段)
60 弁体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7