特許第5663316号(P5663316)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663316
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】ラッチ錠用ハンドル装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 1/00 20060101AFI20150115BHJP
【FI】
   E05B1/00 311G
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-3712(P2011-3712)
(22)【出願日】2011年1月12日
(65)【公開番号】特開2012-144895(P2012-144895A)
(43)【公開日】2012年8月2日
【審査請求日】2014年1月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037028
【氏名又は名称】美和ロック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(72)【発明者】
【氏名】木下 琢生
(72)【発明者】
【氏名】加藤 拓磨
【審査官】 瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−148259(JP,A)
【文献】 特開2005−127044(JP,A)
【文献】 米国特許第05609372(US,A)
【文献】 米国特許第05730478(US,A)
【文献】 米国特許第04192536(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00
E05C 1/14
E05C 1/12
E05B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラッチ錠と、所定間隔を有して扉の内壁面に固定される一組の台座と、これらの台座に架設した状態で両端部が支持されると共に付勢バネにより初期位置に付勢されたハンドルと、このハンドルを扉の開く方向へプッシュすると、ハンドルの一端部を軸支する枢軸が支点となって前記台座の一方の台座に第1固定軸を介して軸支されかつ該ハンドルの自由端部に連結された作動リンクの可動ピンが台座の内方向へ所定量位置変位すると共に、該作動リンクに連動するように前記一方の台座に第2固定軸を介して軸支された連動レバーとから成るラッチ錠用のハンドル装置であって、
前記作動リンクは長杆状に形成されており、一方、前記連動レバーは前記第2固定軸に軸支された部分から折り曲げられて延び前記一方の台座の取付けベース面から突出した状態で前記ラッチ錠の駆動体と係合する突出端部を有しさらに、回転半径の異なる異形の前記作動リンク及び連動レバーの各中間部分は、連係手段を介して互いに係合する、ラッチ錠用のハンドル装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、ハンドルは扉の内壁に設けられた内側ハンドルであり、また連動レバーの回転半径は、作動リンクの回転半径よりも短いことを特徴とするラッチ錠用のハンドル装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に於いて、ラッチ錠の錠箱内には駆動体の駆動力によって作動する摺動制御体及び該摺動制御体に連動する押圧体を備えた内外気圧差解消装置が組み込まれていることを特徴とするラッチ錠用ハンドル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラッチ錠用のハンドル装置に関し、例えば一端部が台座に軸支された室内側のハンドルを、扉の開く方向へ押す(プッシュする)際、一端部の枢軸を支点にハンドルが所定角度まで傾倒するハンドル揺動型のラッチ錠用ハンドル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の第1図に於いて、ラッチ錠Bを備えた扉Aの左壁面(内壁面)に、上下方向に所定間隔を有して固定される上下一組の台座5、6と、これらの台座に垂直方向に架設した状態で両端部が支持されると共に付勢バネにより初期位置に付勢された室内側ハンドル2と、前記上方の台座6の内部に中間部が軸支されていると共に、その下端部側に相当する受動部8aが前記室内側ハンドル2の自由端部に係合し、かつ、水平部側に相当する係合部が扉Aの内壁面に形成した開口部を介して前記ラッチ錠Bの錠箱内に突出状態に臨むL字形状の作動片8とから成るラッチ錠用のハンドル装置が開示されている(符号は文献に記載のもの)。
【0003】
このラッチ錠用のハンドル装置(特許文献1では、プッシュ・プル錠のハンドル装置)は、ハンドル揺動型のもので、前記室内側ハンドル2を扉Aの開く方向(図面では符合のニ)へプッシュすると、ハンドルの一端部を軸支する枢軸2aが支点となって室内側ハンドル2の自由端部が室内方向へ所定量位置変位する。該特許文献1に記載されているように、室内側ハンドル2のプッシュの操作力によって、作動片8が回転すると、ラッチ錠Bの錠箱内に組み込まれたラッチ操作部材(駆動体としてのラッチカム)を介してラッチの後退或いは後退動を許容させてラッチ錠Bを解錠する共に、扉Aをプッシュする方向へと開くことができる。
【0004】
ところで、特許文献1の実施例を含め、ハンドル揺動型のラッチ錠用ハンドル装置は、ハンドルの作動方向の力が全て扉を開放させる力として作用させるので、台座内に軸支された作動片を回動させかつ扉を開放するのに要する力は比較的小さくて良いという利点がある。
【0005】
しかしながら、ラッチ錠のラッチ操作部材(ラッチカム、或いは駆動カム)やラッチ解錠制御部材、さらに、錠箱内に組み込まれた他の装置(例えば内外気圧差解消装置)を構成する摺動制御部材等にハンドルの作動方向の力を同時に分散させて伝える場合には、その分、ハンドルを強く操作する必要がある。
【0006】
そこで、ハンドル揺動型のラッチ錠用ハンドル装置の利点を生かしつつ、ラッチ錠のラッチ操作部材(駆動体)を介して、ラッチ錠の錠箱内に組み込まれた他の単数又は複数の装置にハンドルの作動方向の力を同時に分散させて伝える場合に相応しい新規なハンドル揺動型のラッチ錠用ハンドル装置の出現が要望されている。
【0007】
また、扉の左右の壁面に異なる構成のハンドル装置をそれぞれ装着しても、プル側ハンドル装置の連動レバーの可動端部(突出端部)に対して、プッシュ側のハンドル装置の連動レバーを、ラッチ錠の駆動体の受動部に対して略同一水平線上に位置付けることができると共に、前記駆動体の受動部を同じ方向へ押圧することができるものが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第2529263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願発明の所期の目的は、作動リンクの回転力を、連係手段を介して連動レバーの上下方向(実施態様によっては左右方向)の振幅(ストローク)の拡大化を図ることである。次の目的は、扉の左右の壁面に異なる構成のハンドル装置をそれぞれ装着しても、プル側ハンドル装置の連動レバーの可動端部(突出端部)に対して、プッシュ側のハンドル装置の連動レバーを、ラッチ錠の駆動体の受動部に対して略同一水平線上に位置付けることができると共に、前記駆動体の受動部を同じ方向へ押圧することができることである。さらに、付加的目的は、ハンドル揺動型のラッチ錠用ハンドル装置の利点を生かしつつ、ラッチ錠の駆動体を介して、ラッチ錠の錠箱内の他の装置にハンドルの作動方向の力を同時に分散させて伝える場合に相応しい新規なハンドル揺動型のラッチ錠用ハンドル装置を提供することである。
【0010】
具体的には、ハンドル揺動型のラッチ錠用ハンドル装置の利点を減殺しないように、回転半径の異なる異形の作動リンクと連動レバーとを組み合わせ、ハンドルを軽くプッシュしても、台座に設けた前記作動リンクと連動レバーがスムースに回転してラッチ錠の駆動体を作動させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明のラッチ錠用のハンドル装置は、ラッチ錠と、所定間隔を有して扉の内壁面に固定される一組の台座と、これらの台座に架設した状態で両端部が支持されると共に付勢バネにより初期位置に付勢されたハンドルと、このハンドルを扉の開く方向へプッシュすると、ハンドルの一端部を軸支する枢軸が支点となって前記台座の一方の台座に第1固定軸を介して軸支されかつ該ハンドルの自由端部に連結された作動リンクの可動ピンが台座の内方向へ所定量位置変位すると共に、該作動リンクに連動するように前記一方の台座に第2固定軸を介して軸支された連動レバーとから成るラッチ錠用のハンドル装置であって、
前記作動リンクは長杆状に形成されており、一方、前記連動レバーは前記第2固定軸に軸支された部分から折り曲げられて延び前記一方の台座の取付けベース面から突出した状態で前記ラッチ錠の駆動体と係合する突出端部を有しさらに、回転半径の異なる異形の前記作動リンク及び連動レバーの各中間部分は、連係手段を介して互いに係合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
(a)作動リンクの回転力を、連動レバーの上下方向、或いは左右方向の振幅(ストローク)の量の拡大に変換させることができる。特に、ニ軸を用いたので、各ニ軸の位置を適宜に設計変更することにより、連動レバーの振幅の量を所望する所まで拡大することができる。したがって、扉の左右の壁面に異なる構成のハンドル装置をそれぞれ装着しても、プル側ハンドル装置の連動レバーの可動端部(突出端部)に対して、プッシュ側のハンドル装置の連動レバーを、ラッチ錠の駆動体の受動部に対して略同一水平線上に位置付けることができると共に、前記駆動体の受動部を同じ方向へ押圧することができる。
(b)ハンドル揺動型のラッチ錠用ハンドル装置の利点を生かしつつ、ラッチ錠の駆動体を介して、ラッチ錠の錠箱内の他の装置にハンドルの作動方向の力を同時に分散させて伝える場合に相応しい新規なハンドル揺動型のラッチ錠用ハンドル装置を提供することができる。
(c)具体的には、ハンドル揺動型のラッチ錠用ハンドル装置の利点を減殺しないように、回転半径の異なる異形の作動リンクと連動レバーとを組み合わせ、ハンドルを軽くプッシュしても、台座に設けた作動リンク及び連動レバーが共働回転してラッチ錠の駆動体を作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1乃至図17は本発明の第1実施形態を示す各説明図。図1乃至図7はプル側ハンドル装置の各説明図である。図9乃至図17はプッシュ側ハンドル装置の各説明図である。図8はプル側及びプッシュ側の両方に使用される内外気圧差解消装置の説明図である。
図1】プル側ハンドル装置の使用状態を示す説明図(扉の外壁面側)。
図2】扉の自由端面側から見た説明図(プル側とプッシュ側の両方)。
図3】他の装置(例えば内外気圧差解消装置)を備えたラッチ錠の一例を示す概略説明図。
図4】プル側のハンドル装置の初期位置の状態の説明図。
図5】プル側のハンドル装置の主要部の説明図。
図6図4の初期位置からの主要部の作動状態を示す説明図。
図7】外側ハンドルを完全にプルした状態を示す説明図。
図8】プル側及びプッシュ側の両方に使用される内外気圧差解消装置の説明図。
図9】プッシュ側ハンドル装置の使用状態を示す説明図(扉の内壁面側)。
図10図4に相当する説明図。
図11図5に相当する説明図。
図12】上方台座の正面図。
図13図12の13−13線説明図。
図14】要部(内側ハンドルの自由端部と作動リンク)の説明図。
図15】要部(作動リンクと連動リンク)の説明図。
図16図11の初期位置からの主要部の作動状態を示す説明図。
図17】内側ハンドルを完全にプッシュした状態を示す説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1乃至図17は本発明の実施形態を示す各説明図である。まず、図1乃至図7を参照にしてプル側ハンドル装置を説明する。次に、図8を参照にしてプル側及びプッシュ側の両方に使用される内外気圧差解消装置を説明する。そして、最後に図9乃至図17を参照にしてプッシュ側ハンドル装置を説明する。
【0015】
図1は扉の外壁面側から見たラッチ錠用ンドル装置(プル側ハンドル装置)の環境を示す概略説明図である。この図に於いて、Fは建物の床面、1は扉枠、3は扉2の自由端部に埋設固定されたラッチ錠、4は扉の外壁面2aに突出状態に固定された一方(上方)の台座、5は一方の台座に対応するように所定間隔を有して扉2の外壁面2aに固定された他方(下方)の台座、6は上方台座4と下方台座5に架設した状態で両端部が支持されると共に、付勢バネにより初期位置に付勢された外側のハンドルである。なお、前記一方(上方)の台座4と、他方(下方)の台座5は、左右に配設しても良い。
【0016】
周知のように、扉2は扉枠1の吊元側の縦枠1aに上下一対の蝶番7、7を介して水平方向に開閉自在に取り付けられている。また、ラッチ錠3の錠箱から突出するラッチ8や、後述する内外気圧差解消装置Zのスイング式押圧体9は、扉枠1の自由端部側の縦枠1bに固定的に設けた錠受け10にそれぞれ係脱や押圧できるように錠箱に設けられている。またラッチ錠3は、扉の自由端部の開放面の前部から後部に向けて埋設状態に取り付けられ、錠箱内に回動可能に設けられた駆動体(ラッチカム)は、例えば外側のハンドル6を扉1の開く方向(図1では手前に)へプルすると、後述する作動リンク27及び連動レバー30を介してラッチ8の回転を許容する方向並びに内外気圧差解消装置のスイング式押圧体9を錠受け10に対して押圧する方向へと所定量回転する。
【0017】
次に、図2は扉の自由端面側から見た説明図で、この図2を基準にすると、図の左側が室外で、一方、図の右側が室内である。したがって、図の左側に相当する扉2の外壁面2aにプル側のハンドル装置Xが装着され、一方、図の右側に相当する扉2の内壁面2bにプッシュ側のハンドル装置Yが装着されている。
【0018】
次に、図3は、例えば内外気圧差解消装置Zを備えたラッチ錠3の一例を示す概略説明図である。ラッチ錠3の構成及び作用は周知事項なので、ここでは図3を参照にして簡単に説明する。11は錠箱、12は幅広側壁の後壁寄りの部位に縦方向に形成された後述の連動レバー用開口、13は錠箱11内の回動可能に設けられた駆動体である。前記駆動体13は、環状の周壁部分に複数個の係合部或いは係合凹凸部分を有している。例えば13aは連動レバーと係合する受動突起部、13bはラッチ8の一例としての反転ラッチ用の係止機構14を構成する係止腕14aの一方と係脱する係合凹凸部分、13cは長杆状駆動腕である。内外気圧差解消装置Zの具体記構成は、本発明の独立特定要件ではないが、ここで内外気圧差解消装置Zの一例を説明する。
【0019】
内外気圧差解消装置Zは、例えば駆動体13の長杆状駆動腕13cの前に水平移動可能に設けられた摺動制御体15と、この摺動制御体15と共働するように組み合わせられたスイング式押圧体16と、該スイング式押圧体16用付勢手段17と、連結手段としてのスイング式押圧体用支軸18等を備えている。付言すると、前記摺動制御体15は、その後端部が該駆動カム13の長杆状駆動腕13aと係合し、かつ該長杆状駆動腕13aの駆動力により錠箱11のフロント11a側へ付勢手段17の付勢力に抗してスライド可能である。
【0020】
また、前記スイング式押圧体16は、前記摺動制御体15の押圧先端部にその内端部が被係合部を介して連係されていると共に、垂直軸18を介して連結軸支され、かつ、その先端部側に前記フロントから常に突出する係合先端部を有する。そして、内外気圧差解消装置Zは、開扉時、操作手段の操作力によって作動する前記駆動カム13及び摺動制御体15を介して前記スイング式押圧体16の係合先端部が扉枠側の当接部に圧接すると、該圧接力に基づく反力は扉自体を開く方向へ作用する(図8参照)。
【0021】
次に、図4はプル側のハンドル装置Xの扉2の自由端面側から見た説明図であり、しかも、主要部は初期位置の状態に位置している。また、図6はプル側のハンドル装置Xの主要部の説明図である。
【0022】
しかして、プル側のハンドル装置Xは、ラッチ錠3を備えた扉2の外壁面2aに上下方向に所定間隔を有して固定される上下一組の台座4、5と、これらの台座4、5に架設した状態で両端部が支持されると共に、台座4内の付勢バネ21により初期位置に付勢された外側ハンドル6と、該外側ハンドル6の下端部6aを、連結突片22を介して軸支する枢軸23と、一方、内外に位置変位する可動端部27aが前記外側ハンドル6の自由端部6b側の連結突片22及び可動ピン24を介して枢着されていると共に、その下端部に相当する基端部が上方台座4の外向き凹所内(内側開口と連通する空間部)に横設軸架された第1固定軸25に軸支され、その中間部がストッパー機能を有するガイド手段26に案内される作動リンク27と、この作動リンク27の基端部側に形成された作動係合歯27bと噛合する従動係合歯30bが基端部側に形成されていると共に、前記第1固定軸25と別個の第2固定軸29に軸支され、かつ、前記作動リンク27に連動すると共にラッチ錠3の駆動体13の受動突起部13aと係合する長梃部分30aを有する連動レバー30とから成る。
【0023】
そして、(a)前記作動リンク27はテコ式の長杆片であり、台座4の空間部31内に支持板39を介して(図5参照、本実施例)、又は介さないで横設軸架された第1固定軸25を基準として、その長梃側端部がハンドル6の自由端部6bに作用点としての可動ピン24に軸支されていると共に、その基端部側に作動係合歯27bが形成され、(b)また、前記連動レバー30もテコ式の長杆片であり、第1固定軸25よりも台座4の取付けベース面4a側に位置するように該台座4の空間部31内に前記支持板39を介して、又は介さないで横設軸架された第2固定軸29を基準として、その長梃部分30aの先端部がラッチ錠3の駆動体13に押圧係合すると共に、その基端部側に前記作動係合歯27bに常時係合する従動係合歯30bが形成されており、(c)さらに、前記作動リンク27と連動レバー30は異形形状であり、連動レバー30の回転半径は、作動リンク27の回転半径よりも短い。
【0024】
ところで、 上方台座4も下方台座5も、取付けベース4a、5aの反対側の外壁弧状面に外向き凹所(空間部分)31、32がそれぞれ形成され、これらの外向き凹所31、32内に外側ハンドル6の両端部の一部又は全部が隠蔽状態に入り込んでいる。これは意匠上の美観性、考案上の外側ハンドル6の把持部分の範囲性等を考慮したものである。
【0025】
また、例えば図5で示すように、支持機能及びガイド機能を有する単数又は複数の支持板39を介して上方台座4の外向き凹所31内に作動リンク27と連動レバー30をそれぞれ基端部が係合するように組み込むので、該上方台座4の適宜箇所には、ガイド手段26の一方を構成する案内長孔26a、第1固定軸用軸孔34、第2固定軸用軸孔35及び連動レバー30用開口36がそれぞれ適宜部位に形成され、前記連動レバー30の「く」の字形状(アングル形状)に折り曲げ形成された突出端部30aは、前述したように駆動体13の受動突起部(受動部)13aに係合するように臨んでいる。なお、前記連動レバー30の具体的形状について、前記「アングル形状に折り曲げ形成された」とは、連動レバーの前記第2固定軸に軸支された部分(基部) から所定角度を有して折り曲げられた状態で延び、かつ一方の台座の取付けベース面から突出した状態で前記ラッチ錠の駆動体と係合する突出端部30aまでの全体形状が、例えば図5を参照にすると、略「く」の字形状に見えることをいう。
【0026】
次に、図6図5の初期位置の状態から外側ハンドル6を矢印方向へプルした主要部の作動状態を示す説明図、図7は外側ハンドル6を完全にプルした全体の説明図である。これらの図は、外側ハンドル6を扉2の開く方向へプルすると、外側ハンドル6の一端部を軸支する枢軸23が支点となって台座の一方(上方)の台座4に第1固定軸25を介して軸支され、かつ、該外側ハンドルの他端部に連結された作動リンク27の可動ピン24が上方台座4の外方向へ所定量位置変位すると共に、該作動リンク27に連動するように前記上方台座4に第2固定軸29を介して軸支された連動レバー30が、作動係合歯27bと従動係合歯30b(動力変換手段)を介して、ラッチ錠3の駆動体13を解錠方向へ所定量回転することを示す。この時、前述したように、内外気圧差解消装置Zも作動可能である(図8を参照)。
【0027】
次に、図9乃至図17は、本発明の主要部を示すプッシュ側ハンドル装置Yの各説明図である。したがって、図9はプッシュ側ハンドル装置Yの使用状態を扉の内壁面側から示す説明図である。なお、本発明の主要部を説明するに当たって、前述したプル側ハンドル装Xの主要部の部材と同一又は同様の部材については、同一又は同様の符号を付し、重複的な説明を割愛する。
【0028】
これらの各図で於いて、44は一方(上方)の台座、45は一方の台座に対応するように所定間隔を有して扉2の内壁面2bに固定された他方(下方)の台座、46は上方台座44と下方台座45に架設した状態で両端部が支持されると共に、後述する付勢バネにより初期位置に付勢された内側のハンドルである。
【0029】
このプッシュ側のハンドル装置Yの構成は、プル側のハンドル装置Xと異なる構成であるものの、プル側ハンドル装Xの連動レバー30の可動端部(突出端部)30aに対して、プッシュ側のハンドル装置Yの後述する連動レバーの突出端部を、ラッチ錠3の駆動体13の受動部13aに対して略同一水平線上に位置付けることができると共に、前記駆動体の受動部を同じ方向へ押圧することができる。
【0030】
これらの図から明らかなように、本発明の主要部は、ラッチ錠3を備えた扉2の内壁面2bに所定間隔を有して固定される一組の台座44、45と、これらの台座に架設した状態で両端部46a、46bが支持されると共に付勢バネ21Aにより初期位置に付勢された内側ハンドル46と、この内側ハンドルを扉2の開く方向へプッシュすると、内側ハンドル46の一端部46aを軸支する枢軸23Aが支点となって前記台座の一方の台座44に第1固定軸25Aを介して軸支され、かつ、該内側ハンドルの自由端部46bに連結された作動リンク27Aの可動ピン24Aが台座の内方向へ所定量位置変位すると共に、該作動リンク27Aに連動するように前記一方の台座44に第2固定軸29Aを介して軸支された連動レバー30Aとから成るラッチ錠用のハンドル装置であって、前記作動リンク27Aは長杆状に形成されており、一方、前記連動レバー30Aはアングル形状に形成され、回転半径の異なる異形の前記作動リンク27A及び連動レバー30Aの各中間部分は、連係手段50(50a、50b)を介して互いに係合し、また、前記連動レバー30Aの先端部に相当する突出端部30aは、一方の台座の取付けベース面44aから突出した状態で前記ラッチ錠の錠箱11内の駆動体13の受動突起部13aと係合する。そして、本実施例では、前記連動レバー30Aの回転半径は、作動リンク27Aの回転半径よりも短い。
【0031】
しかして、前記各中間部分の連係手段50(50a、50b)は、例えば図15で示すように、作動リンク27Aの中間部分に突設された係合ピンであり、一方、連動レバー30Aに形成された係合長孔50bである。
【0032】
また、作動リンク27Aと連動レバー30Aは、プル側ハンドル装Xの作動リンク27や連動レバー30と同様に、支持機能及びガイド機能を有する単数又は複数の支持板39Aを介して上方台座44の外向き凹所31A内に組み込まれている。
【0033】
したがって、例えば図12及び図13に一方の台座44の構成を示しているが、該一方の台座(実施例では上方台座)44にも、連動レバー30A用の縦長状開口36A、前述した連係手段50の係合ピン50aを案内する用案内長孔26A、第1固定軸用軸孔34A、第2固定軸用軸孔35A等が適宜に形成されている。また、付勢バネ21Aの中央部は、図11で示すように、第1固定軸25Aに巻装され、その一端部は第2固定軸29Aに圧接し、一方、その他端部は作動リンク27Aの中間部分寄りの部位に設けたバネ受け部分27cに支持されている。そして、例えば親指と人差し指を開いた形状のイメージを彷彿させる連動レバー30Aの突出端部30aは、前述したように駆動体13の受動突起部13aに係合するように臨んでいる。
【0034】
図16及び図17は、初期位置からの主要部の作動状態を示すが、これらの図で示すように、作動リンク27A及び連動レバー30Aの各中間部分は、連係手段50(50a、50b)を介して互いに係合しているから、内側ハンドル46を扉2の開く方向へプッシュすると、互いに同じ方向へ共働回転してラッチ錠3の駆動体13を解錠方向へ所定量回転することができる。その際、内側ハンドル46の作動力は、内外気圧差解消装置Zの摺動制御体15に伝達される。
【実施例】
【0035】
本発明の主要部を構成する連係手段としての50(50a、50b)は、その一方が作動リンク27Aの中間部分に突設された係合ピン50aであり、その他方が連動レバー30Aの中間部分に形成されかつ前記係合ピン50aが係合する係合長孔50bであるが、該係合長孔50bは切欠状の係合部分に設計変更することもできる。
また、第1固定軸25A及び第2固定軸29Aの左右・上下の位置は、プル側ハンドル装置Xの連動レバー30の可動端部(突出端部)30aに対して、プッシュ側のハンドル装置の連動レバー30Aのそれを、ラッチ錠3側の駆動体13の受動突起部13aに対して略同一水平線上に位置付ける、前記駆動体の受動部を同じ方向へ押圧する、両可動端部(突出端部)30a、30aのストロークを同じくする、という目的を踏まえて設定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は錠前や建具の分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
X…プル側のハンドル装置、Y…プッシュ側のハンドル装置、Z…内外気圧差解消装置、1…扉枠、2…扉、2a…外壁面、2b…内壁面、3…ラッチ錠、4、44…上方台座、5、45…下方台座、6…外側ハンドル、46…内側ハンドル、8…ラッチ、9…スイング式押圧体、10…錠受け、11…錠箱、13…駆動体、13a…受動突起部、13c…駆動腕、15…摺動制御体、16…押圧体、17…付勢手段、21、21A…付勢バネ、23、23A…枢軸、24、24A…可動ピン、25、25A…第1固定軸、26…ガイド手段、26a…案内長孔、26…A案内長孔、27、27A…作動リンク、27a…可動端部、27b…作動係合歯、29、29A…第2固定軸、30、30A…連動レバー、30a…突出端部、30b…従動係合歯、31、31A…上方台座の凹所、32…下方台座の凹所、34…第1固定軸25用軸孔、35…第2固定軸29用軸孔、36、36A…連動レバー30用開口、39、39A…支持板、50…連係手段。
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