特許第5663340号(P5663340)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン電子株式会社の特許一覧

特許5663340シート搬送装置、原稿情報読取装置及び画像形成装置並びにローラユニット
<>
  • 特許5663340-シート搬送装置、原稿情報読取装置及び画像形成装置並びにローラユニット 図000002
  • 特許5663340-シート搬送装置、原稿情報読取装置及び画像形成装置並びにローラユニット 図000003
  • 特許5663340-シート搬送装置、原稿情報読取装置及び画像形成装置並びにローラユニット 図000004
  • 特許5663340-シート搬送装置、原稿情報読取装置及び画像形成装置並びにローラユニット 図000005
  • 特許5663340-シート搬送装置、原稿情報読取装置及び画像形成装置並びにローラユニット 図000006
  • 特許5663340-シート搬送装置、原稿情報読取装置及び画像形成装置並びにローラユニット 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663340
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】シート搬送装置、原稿情報読取装置及び画像形成装置並びにローラユニット
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/52 20060101AFI20150115BHJP
【FI】
   B65H3/52 330M
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-30513(P2011-30513)
(22)【出願日】2011年2月16日
(65)【公開番号】特開2012-166926(P2012-166926A)
(43)【公開日】2012年9月6日
【審査請求日】2014年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100095991
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 善朗
(72)【発明者】
【氏名】田中 潤
(72)【発明者】
【氏名】町田 貴志
【審査官】 渋谷 善弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−343038(JP,A)
【文献】 特開2006−027746(JP,A)
【文献】 米国特許第06120018(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00−3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートと当接して回転するローラと、
前記ローラが着脱自在に支持される装置本体と、
前記ローラを回転自在に支持する回転支持軸と、
前記回転支持軸の端部に弾性的に移動自在に設けられた係止爪及び前記係止爪を操作するレバーと、
前記装置本体に設けられ、前記係止爪が係止された状態で、前記回転支持軸の端部が前記装置本体から脱落することを防止する被係止部と、を有し、
前記レバーを操作することにより前記係止爪を前記被係止部に係止自在とした、
ことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記ローラは、シート束からシートを分離する分離ローラである、
ことを特徴とする、請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記装置本体に設けられ、前記係止爪が前記被係止部に係止された状態で、前記係止爪の前記回転支持軸を中心とした回転方向両側に存在する側壁部を有し、
前記係止爪と前記側壁部との当接により、前記回転支持軸の回転を防止している、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
シートを搬送するシート搬送装置と、
前記シート搬送装置により搬送されるシートの情報を読み取る情報読取部と、を備え、
前記シート搬送装置が、請求項1ないし3のうちの何れか1項に記載のシート搬送装置である、
ことを特徴とする原稿情報読取装置。
【請求項5】
シートを搬送するシート搬送装置と、
前記シート搬送装置により搬送されるシートに画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記シート搬送装置が、請求項1ないし3のうちの何れか1項に記載のシート搬送装置である、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
回転するローラと、
前記ローラを回転自在に支持する回転支持軸と、
前記回転支持軸の端部に弾性的に移動自在に設けられた係止爪及び前記係止爪を操作するレバーと、
前記ローラを着脱自在に保持するローラホルダと、
前記ローラホルダに設けられ、前記係止爪が係止された状態で、前記回転支持軸の端部が前記ローラホルダから脱落することを防止する被係止部と、を有し、
前記レバーを操作することにより前記係止爪を前記被係止部に係止自在とした、
ことを特徴とするローラユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを搬送、又は、シート束からシートを分離するローラを装置本体に着脱自在としたシート搬送装置、このシート搬送装置を備えた、スキャナなどの原稿情報読取装置、及び、複写機、プリンタなどの画像形成装置、或いはこれら装置に装着されるローラユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナなどの原稿情報読取装置、及び、複写機、プリンタ、ファクシミリ、或いはこれらの複合機等の画像形成装置は、それぞれ、情報読取部又は画像形成部にシートを搬送するシート搬送装置を備えている。情報読取部は、例えば、イメージセンサなどのシート上の画像情報或いは磁気情報を読み取るセンサを備えた部分である。また、画像形成部は、インクドット方式、電子写真方式、静電記録方式などのシート上に画像を形成する部分である。
【0003】
また、シート搬送装置は、シートを情報読取部や画像形成部に搬送する搬送ローラ(フィードローラ)及び、シート束からシートを分離する分離ローラ(リタードローラ)を備えたリタード分離方式を採用したものが知られている。このリタード分離方式とは、分離ローラを、搬送ローラによるシート搬送方向と反対方向、言い換えればシートを戻す方向に回転させて、シートをシート束から1枚ずつ分離搬送するようにしたものである。
【0004】
このようなリタード分離方式の場合、搬送ローラ又は分離ローラの表面の経時的な磨耗、ローラ表面への紙粉の付着等により、シートの搬送性能又は分離性能が低下することがある。したがって、搬送ローラ又は分離ローラを交換したり、搬送ローラ又は分離ローラを取り外して清掃したりする必要が生じる。このために、これらのローラは、着脱機構を介してシート搬送装置の筐体(装置本体)或いはローラを保持するローラホルダに取り付けられるように構成されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1に記載された構造の場合、リタードローラと共に回転する回転軸の一端部を軸受を介して装置本体(ローラホルダ)に設けた支持孔に挿入し、回転軸の他端部を軸受を介して装置本体に設けたU字状の支持溝に配置している。そして、このように回転軸の両端部を装置本体に支持することにより、リタードローラを装置本体に着脱自在としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−260612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1のように、回転軸の他端部をU字状の支持溝に配置して、リタードローラを装置本体(ローラホルダ)に着脱する構造の場合、回転軸の他端部が支持溝から外れて、リタードローラが脱落したり、正規の状態から傾いたりする可能性がある。このため、リタードローラが重力方向上方に存在して、装置本体にぶら下がるように配置するような構造には適用できない。また、リタードローラが重力方向下方に存在して、装置本体に載置されるような構造であっても、装置の持ち運び時などに誤って、リタードローラが脱落したり、正規の状態から傾いたりする可能性がある。これは、フィードローラを着脱する構造の場合にも同様である。
【0008】
したがって、このようなローラを装置本体に着脱する場合、ローラの設置位置に拘らず、ローラを装置本体に脱落しにくく装着することが望まれるが、脱落しにくくすると、ローラを着脱しにくくなる可能性がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、ローラを装置本体に脱落しにくく装着できると共に、ローラを装置本体に対して容易に着脱できる構造を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、シートと当接して回転するローラと、前記ローラが着脱自在に支持される装置本体と、前記ローラを回転自在に支持する回転支持軸と、前記回転支持軸の端部に弾性的に移動自在に設けられた係止爪及び前記係止爪を操作するレバーと、前記装置本体に設けられ、前記係止爪が係止された状態で、前記回転支持軸の端部が前記装置本体から脱落することを防止する被係止部と、を有し、前記レバーを操作することにより前記係止爪を前記被係止部に係止自在とした、ことを特徴とするシート搬送装置にある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、ローラを支持する回転支持軸の端部の係止爪を装置本体の被係止部に係止することにより、回転支持軸の端部が装置本体から脱落することを防止するため、ローラを装置本体に脱落しにくく装着できる。また、レバーを操作することにより、係止爪を被係止部に係止自在としているため、ローラを装置本体に対して容易に着脱できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態に係るシート搬送装置を備えた原稿情報読取装置の概略構成断面図。
図2】リタードローラ及びフィードローラが設置される部分の構造を抜き出して示す斜視図。
図3】回転支持軸に支持されたリタードローラの斜視図。
図4】リタードローラホルダにリタードローラを装着した状態を示す断面図。
図5】リタードローラホルダにリタードローラを着脱する様子を示す斜視図。
図6】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の概略構成断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図5を用いて説明する。
【0014】
[原稿情報読取装置]
まず、本発明の対象となる原稿情報読取装置の全体構成について簡単に説明する。原稿情報読取装置(以下、スキャナ)1は、図1に示すように、シート搬送装置である給紙部2と、シート上の情報を読み取る情報読取部3と、シートを排出する排出部4と、を備える。そして、給紙部2から給紙されたシート上の画像情報を、情報読取部3で読み取り、情報が読み取られたシートは、排出部4から排出される。これら各部は、スキャナ1の装置本体11内に組み込まれている。また、本実施形態のスキャナ1は、いわゆるドキュメントスキャナであり、原稿(シート)をほぼ直線的に搬送させながら、装置本体11内部に設けてある情報読取部3によって、原稿の両面を読み取る装置である。なお、片面だけ読み取るようにしても良い。
【0015】
[シート搬送装置(給紙部)]
給紙部2は、スキャナ1の装置本体11の上部に配置され、フィードローラ(搬送ローラ)21と、リタードローラ(分離ローラ)22と、シート(シート束)Sを載置するトレイ23と、を有する。トレイ23は、載置したシートSの先端が、フィードローラ21とリタードローラ22とのニップ部に当接するように、フィードローラ21によるシート搬送方向下流に向かうほど重力方向下方に傾斜して配置されている。
【0016】
フィードローラ21は、シートSと当接して回転し、シートSを搬送するものである。このようなフィードローラ21は、不図示の駆動手段であるモータにより回転駆動する。即ち、図2に示すように、回転駆動軸210に設けた歯車211と、フィードローラ21の回転軸に設けた歯車212とを噛合させている。そして、モータにより回転駆動軸210を回転させることにより、歯車211、212を介して、フィードローラ21が回転駆動される。
【0017】
リタードローラ22は、フィードローラ21に対向配置され、シートSと当接して回転し、トレイ23上にシート束が載置されている場合には、シート束からシートを分離するものである。このようなリタードローラ22は、フィードローラ21に遠近動する方向に移動自在に支持され、図2に示すように、ばね220によりフィードローラ21に向かう方向に付勢されている。また、リタードローラ22は、フィードローラ21の上方に配置され、装置本体11に吊り下げられるように配置されている。
【0018】
本実施形態の場合、リタードローラホルダ221が装置本体11に対して、フィードローラ21に遠近動する方向に移動(揺動)自在に支持され、ばね220はリタードローラホルダ221と装置本体11の固定部分との間に配置されている。リタードローラ22は、後述するように、リタードローラホルダ221に回転支持軸50を介して着脱自在に支持されている。このため、リタードローラ22は、リタードローラホルダ221を介してばね220によりフィードローラ21に向けて付勢される。
【0019】
また、リタードローラ22は、不図示の駆動手段であるモータにより、フィードローラ21の回転方向と逆方向に回転するようにしている。即ち、図2に示すように、回転駆動軸222に設けた歯車223と、リタードローラ22にトルクリミッタ225(図3、4)を介して接続された歯車226とを、中間歯車224を介して噛合させている。そして、モータにより回転駆動軸222を回転させることにより、歯車223、224、226を介して、リタードローラ22が回転駆動される。なお、中間歯車224は、リタードローラホルダ221に回転自在に支持されている。
【0020】
このようなリタードローラ22は、フィードローラ21によるシート搬送時にフィードローラ21の回転方向と逆方向に回転することにより、シート搬送方向と逆方向に作用するシート抵抗を生じさせて、搬送するシートを他のシートから分離し易くしている。また、図3及び図4に示すように、リタードローラ22にはトルクリミッタ225が設けられており、所定以上のトルクがかかった場合に、モータからの動力伝達を遮断できるようにしている。
【0021】
また、装置本体11は、装置本体11内でシートが搬送される搬送路12を境に、本体部11aとカバー部11bとに分離可能としている(図1参照)。このうちの本体部11aは、上述のトレイ23及びフィードローラ21が設けられ、カバー部11bにはリタードローラ22が支持されている。カバー部11bは、本体部11aに対し本体部11aの下端寄り部分を中心として回動自在としている。そして、カバー部11bを回動させれば、搬送路12が露出(開放)し、この搬送路12内でジャムしたシートを取り除くことができる。
【0022】
また、カバー部11bを閉じた状態では、リタードローラ22がフィードローラ21に当接し、リタードローラ22がばね22aの付勢方向と反対方向に沈む(フィードローラ21から離れる方向に移動する)。この結果、フィードローラ21とリタードローラ22とが弾性的に当接する。
【0023】
[情報読取部]
情報読取部3は、図1に示すように、装置本体11のシート搬送方向中間部に配置され、ローラ対31と、不図示のレジストセンサと、イメージセンサ32a、32bと、プラテンローラ33a、33bとを有する。ローラ対31は、駆動ローラ31aと従動ローラ31bとから構成され、このうちの駆動ローラ31aは本体部11aに、従動ローラ31bはカバー部11bにそれぞれ設けられている。駆動ローラ31aは不図示の駆動源であるモータにより回転駆動し、従動ローラ31bは、駆動ローラ31aに従動して回転する。このようなローラ対31は、給紙部2から搬送されたシートSをフィードローラ21による搬送方向と同方向に搬送する。
【0024】
レジストセンサは、ローラ対31により搬送されるシートSの先端と後端とを検知する。このようなレジストセンサとしては、例えば、発光部と受光部とを備えたフォトセンサ、レバーの動作を検知するものなどが挙げられる。フォトセンサはシートが光を遮ることにより、レバーによる検知はシートがレバーを倒すことにより、シートの通過を検知する。
【0025】
イメージセンサ32a、32bは、それぞれCIS(密着型イメージセンサ)であり、シートの表面と裏面との情報を読み取る。即ち、片方のイメージセンサ32aは本体部11a側に設けられ、他方のイメージセンサ32bはカバー部11b側に設けられている。そして、それぞれのイメージセンサ32a、32bの情報を読み取る面を搬送路12側とし、搬送路12を通るシートの両面の情報をイメージセンサ32a、32bにより読み取るようにしている。
【0026】
具体的には、シート(原稿)Sがイメージセンサ32a、32bのコンタクトガラスの上部を通過すると、LEDにより投射された光は、読み取り位置の原稿読み取り面で反射し、レンズ・アレイによってイメージセンサ(受光素子)上に結像する。結像したイメージは、イメージセンサにより電気信号に変換されて各種画像処理が行われて、原稿が読み取られる。イメージセンサ32a、32bの画像読み取り位置の対向面には、それぞれプラテンローラ33a、33bを配設してある。これにより、シートSはそれぞれイメージセンサ32a、32b上のコンタクトガラス面に密着するので画像の読み取りを良好に行うことができる。なお、本実施形態で読み取る情報は、シートの表面又は裏面に形成された画像の情報である。
【0027】
[排出部]
排出部4は、装置本体11のシート搬送方向下流に配置され、搬送路12のシート搬送方向下流端部に配置された一対の排紙ローラ41と、排紙トレイ42とを有する。排紙ローラ41は、情報読取部3から搬送されたシートを搬送路12から排出する。このような排紙ローラ41も、駆動ローラと従動ローラとから構成され、一方のローラをカバー部11bに、他方のローラを本体部11aにそれぞれ設けている。また、排紙トレイ42は、排紙ローラ41のシート搬送方向下流に配置され、搬送路12から排出されたシートが積載される。
【0028】
[スキャナの動作]
まず、情報を読み取るシート(或いはシート束)Sをトレイ23に、シートの表面が下向きとなるように載置する。給紙部2は、トレイ23にセットされた複数枚のシートS(シート束)最下部からシートを1枚ずつ、フィードローラ21とリタードローラ22とによって分離して、搬送路12に搬送する。この際、フィードローラ21が回転駆動する共に、リタードローラ22が逆方向に回転する。これにより、シート束の場合には、シートが1枚ずつ分離されて搬送路12へ搬送される。一方、シートが1枚の場合には、リタードローラ22に設けられたトルクリミッタ225が作動し、リタードローラ22への動力伝達が切られ、このリタードローラ22はフィードローラ21の回転に従動して回転する。この結果、1枚のシートが搬送路12へ搬送される。
【0029】
搬送路12へ搬送されたシートSは、ローラ対31により挟持されて、更に搬送される。そして、シートSの先端がレジストセンサにより検知され、シートの両面(或いは何れかの面)の情報がイメージセンサ32a、32bにより読み取られる。即ち、レジストセンサがシートの先端を検知してから所定時間後にイメージセンサ32a、32bによる読み取りを開始し、レジストセンサがシートの後端を検知したから所定時間経過後にイメージセンサ32a、32bによる読み取りを終了する。イメージセンサ32a、32bに読み取られた情報は、装置に設けられた記憶手段(メモリ)に記憶されたり、不図示の外部端末(パーソナルコンピュータなど)に送られたりする。イメージセンサ32a、32bを通過したシートSは、排紙ローラ41により挟持され、排紙トレイ42に排出される。
【0030】
[ローラ支持部の構成]
上述のように構成される本実施形態のスキャナ1の場合、リタードローラ22を装置本体11に対して着脱自在としている。このようなリタードローラ22のローラ支持部の構成について、図3ないし図5を用いて説明する。
【0031】
[リタードローラ]
前述したように、リタードローラ22は、リタードローラホルダ221に回転支持軸50を介して着脱自在に支持されている。このためにリタードローラ22は、回転支持軸50に回転自在に支持され、回転支持軸50をリタードローラホルダ221に着脱自在としている。
【0032】
このようなリタードローラ22は、図3及び図4に示すように、一対のローラ素子22a、22bを、連結部22cにより連結してなる。両ローラ素子22a、22bは、それぞれ、ゴムなどの摩擦層、スポンジなどの弾性層、耐熱性を有し且つ滑り易い樹脂層から構成される。摩擦層はローラの表面に設けられ、シートと当接する。弾性層は、摩擦層と樹脂層との間に配置される。ローラ素子22aの樹脂層は、回転支持軸50にトルクリミッタ225を介して嵌合しており、ローラ素子22bの樹脂層は、回転支持軸50に直接嵌合している。
【0033】
連結部22cは、ローラ素子22a、22bのそれぞれの樹脂層と一体に形成された円筒状の樹脂部材で、回転支持軸50に嵌合される。リタードローラ22は、両ローラ素子22a、22bの樹脂層及び連結部22cを回転支持軸50に嵌合させることにより、この回転支持軸50に回転自在に支持される。
【0034】
また、ローラ素子22a内に配置されたトルクリミッタ225は、歯車226と一体に形成された接続円筒部227に接続される。したがって、歯車226に伝達された回転がトルクリミッタ225を介してローラ素子22a、即ち、リタードローラ22に伝達される。
【0035】
[回転支持軸]
回転支持軸50は、耐熱性を有し且つ滑り易い樹脂製で、一端部(図4の左端部)に係止爪51を、他端部(図4の右端部)に挿入部52をそれぞれ設けている。本実施形態の場合、回転支持軸50に対して滑らせることによりリタードローラ22を相対的に回転させている。また、回転支持軸50の挿入部52の基端部には、段差50bを形成している。また、係止爪51は、回転支持軸50の一端部に弾性的に移動自在(揺動自在に)設けられ、この係止爪51と一体にこの係止爪51を操作する(移動させる)レバー54を設けている。そして、レバー54を操作することにより、後述するように、係止爪51を被係止部61aに係止自在としている。
【0036】
即ち、係止爪51は、回転支持軸50の一端部に弾性連結部53を介して設けられ、自由状態で回転支持軸50とほぼ直交する方向に配置された揺動板部55の先端に、この揺動板部55から回転支持軸50の軸方向に突出するように形成されている。一方、揺動板部55の弾性連結部53よりも係止爪51と反対側の基端部を、レバー54としている。言い換えれば、先端部に係止爪51を、基端部にレバー54をそれぞれ設けた揺動板部55の中間部を、弾性連結部53を介して回転支持軸50の一端部に連結している。
【0037】
なお、揺動板部55は、自由状態で係止爪51が回転支持軸50の一端部に近づく方向に傾斜するように配置しても良い。これにより、後述するように、係止爪51を被係止部61aに係止した場合に、係止爪51が被係止部61aに弾性的に押し付けられ、係止爪51を被係止部61aにより確実に係止させられる。
【0038】
弾性連結部53は、回転支持軸50の一端部からこの回転支持軸50の中心軸Nと同軸上に突出し、更に、クランク状に折り曲げられることにより形成されている。即ち、クランク状の基端部を回転支持軸50の一端部に中心軸Nと同軸上に接続し、先端部を揺動板部55の中間部に接続している。揺動板部55は、弾性連結部53が弾性変形することにより、回転支持軸50及び揺動板部55の配置方向にそれぞれ直交する方向(図5の表裏方向)の軸を中心として揺動する。なお、本実施例では弾性連結部53をクランク状に形成してあるが、これに限らず直線形状やU字形状でもよい。
【0039】
レバー54の基端部には、回転支持軸50の一端部に向けて突出した突出部54aを形成している。また、回転支持軸50の一端部でこの突出部54aと対向する位置には、一端側に向けて突出するストッパ部50aを形成している。そして、突出部54aがストッパ部50aに当接することにより、レバー54の揺動範囲が規制される。突出部54aとストッパ部50aとの間隔は、係止爪51が次述する被係止部61aに係止でき、且つ、係止状態の係止爪51を被係止部61aから離脱できるように設定されている。
【0040】
また、回転支持軸50の一端部外周面で、ストッパ部50aから外れた部分には、回転支持軸50の中心軸Nに直交する面である段差50c及び中心軸Nと平行な段差面50dが形成されている。
【0041】
[リタードローラホルダ]
リタードローラホルダ221は、図4及び図5に示すように、基部60と、一端支持部61及び他端支持部62とを有する。このリタードローラホルダ221には、上述した回転支持軸50を有するリタードローラ22が着脱自在に保持される。そして、リタードローラ22がリタードローラホルダ221に保持された状態で一体的なローラユニットとなるリタードローラユニットを構成する。このようなリタードローラホルダ221の基部60は、回転支持軸50とほほ平行に配置され、中間部に前述のばね220を配置している。一端支持部61は、基部60の一端寄り部分から回転支持軸50が配置される側に突出するように形成され、回転支持軸50の係止爪51が係止される被係止部61aを有する。他端支持部62は、基部60の他端部から回転支持軸50が配置される側に突出するように形成され、回転支持軸50の挿入部52が挿入される挿入孔62aと、中間歯車224を配置するための切欠部62bとを有する。
【0042】
被係止部61aは、一端支持部61の中間部から一端側(外側、図4の左側)に突出するように形成されている。係止爪51を係止する際には、この突出した部分の基部60側の側面(図4の上面)と、係止爪51の基端側の側面(図4の下面)とを係合させる。これにより、回転支持軸50の一端部がリタードローラホルダ221から脱落しないように支持される。
【0043】
一端支持部61の外側面(図4の左側面)の、先端から被係止部61aまでの部分には、被係止部61aに向かうほど一端側(外側)に傾斜した傾斜面61bを形成している。傾斜面61bは、回転支持軸50の装着時に係止爪51の先端と当接して、係止爪51を被係止部61aに案内する。また、一端支持部61の先端面は、回転支持軸50の一端部外周面に形成された段差面50dと当接する当接面61cとしている。
【0044】
また、基部60の一端支持部61よりも一端側には、被係止部61aを挟むように、一対の側壁部63a、63bを形成している。両側壁部63a、63bは、係止爪51が被係止部61aに係止された状態で、係止爪51の回転支持軸50を中心とした回転方向両側に存在し、互いに対向するように設けられている。具体的には、両側壁部63a、63bは、互いにほぼ平行に、且つ、回転支持軸50の軸方向に設けられている。また、両側壁部63a、63bの間隔を、係止爪51の幅よりも僅かに大きくしている。そして、係止爪51と側壁部63a、63bとの当接により、回転支持軸50の回転を防止している、即ち、側壁部63a、63bは、リタードローラ22の回転につられて回転支持軸50が回転することを防止するための廻り止めの役目を有する。
【0045】
挿入孔62aは、他端支持部62の先端部に、回転支持軸50と同心に、且つ、挿入部52の外径よりも僅かに大きな内径を有するように形成されている。また、挿入孔62aの他端側には、挿入孔62aの基部60側の湾曲面と連続するように、挿入案内面62cを形成している。挿入案内面62cは、挿入孔62aと同心且つ同径の半円筒状の湾曲面としている。挿入案内面62cの他端側には、挿入孔62aの中心軸と直交する平面である突き当て面62dを形成している。突き当て面62dには、回転支持軸50の挿入部52の基端部に形成された段差50bが突き当てられる。
【0046】
切欠部62bは、回転支持軸50の径方向に関し、リタードローラホルダ221の外部と、回転支持軸50が配置される内部とを連通するように形成されている。そして、切欠部62bに回転自在に支持した中間歯車224が、回転駆動軸222に設けた歯車223、及び、リタードローラ22にトルクリミッタ225を介して接続された歯車226に、それぞれ噛合できるようにしている。
【0047】
また、図5に示すように、リタードローラホルダ221のリタードローラ22が設置される部分から外れた位置に、回転支持軸50とほぼ平行に配置されたホルダ支持軸64を設けている。ホルダ支持軸64は、回転駆動軸222と同軸上に配置され、装置本体11の不図示のフレームに回転自在に支持される。したがって、リタードローラホルダ221は、装置本体11に対して、ホルダ支持軸64及び回転駆動軸222を中心として揺動自在に支持される。これにより、リタードローラホルダ221の揺動に拘らず、回転駆動軸222に固定の歯車223とリタードローラホルダ221に支持された中間歯車224を噛合したままの状態にできる。
【0048】
[リタードローラの着脱動作]
このように構成される本実施形態の場合、次のように、リタードローラ22をリタードローラホルダ221に着脱する。まず、リタードローラ22の装着は、リタードローラ22を支持した回転支持軸50の挿入部52を、図5に鎖線矢印イで示すように、リタードローラホルダ221の挿入孔62aに挿入する。この際、挿入部52が挿入案内面62cに案内されて、挿入孔62aに挿入される。更に、段差50bが突き当て面62dに突き当たることにより、回転支持軸50がリタードローラホルダ221に対して、それ以上他端側(図4の右側)に変位することが防止される。
【0049】
次に、挿入部52を挿入孔62aに挿入した状態で、図5に鎖線矢印ロで示すように、係止爪51を被係止部61aに係止する。この際、回転支持軸50の一端部を、挿入部52と挿入孔62aとの嵌合部を中心として被係止部61aに向けて揺動させる。また、係止爪51を側壁部63a、63bの間に挿入する。すると、係止爪51が側壁部63a、63bと傾斜面61bに案内され、係止爪51が傾斜面61bと当接しつつ、傾斜面61bに沿って移動する。これにより、弾性連結部53が弾性変形して、揺動板部55が図4の矢印ハ方向に揺動する。
【0050】
そして、係止爪51が被係止部61aまで案内され、揺動板部55が弾性的に復元して矢印ハと反対方向に揺動することにより、係止爪51が被係止部61aに係止される。また、これと共に、回転支持軸50の一端部外周面の段差面50dが一端支持部61の当接面61cに当接して、回転支持軸50の揺動が停止される。更に、回転支持軸50の一端部外周面の段差50cが一端支持部61の先端部内側面(図4の右側面)に当接する。そして、この当接部と、回転支持軸50の他端部の段差50bと他端支持部62の突き当て面62dとの当接部とにより、回転支持軸50の軸方向の位置決めが図られる。
【0051】
この結果、リタードローラ22が回転支持軸50を介してリタードローラホルダ221に装着、支持される。また、この状態で係止爪51が側壁部63a、63bの間に配置されることにより、前述したように、回転支持軸50の廻り止めを図れる。なお、レバー54を操作して、揺動板部55を強制的に図4の矢印ハ方向に揺動させた状態で、係止爪51を被係止部61aに向けて移動させ、係止爪51と被係止部61aとを係止させるようにしても良い。
【0052】
一方、リタードローラ22をリタードローラホルダ221から離脱させる場合には、図4に示すように、レバー54を操作して、例えば、レバー54の図4の左側の側面を指で押して、矢印ハ方向に揺動させる。すると、弾性連結部53が弾性変形することにより揺動板部55が同方向に揺動し、係止爪51が被係止部61aから離脱する。この際、レバー54の基端部の突出部54aがストッパ部50aに当接して、係止爪51が被係止部61aから外れた状態で、揺動板部55の揺動が停止する。
【0053】
次いで、揺動板部55の揺動が停止したまま、更に、レバー54を矢印ハ方向に揺動させるように操作すると、回転支持軸50が挿入部52と挿入孔62aとの嵌合部を中心として揺動する。そして、挿入部52が挿入孔62aから抜け出て、図5に示すように、回転支持軸50がリタードローラホルダ221から外れる。
【0054】
上述のように、リタードローラ22を支持する回転支持軸50の一端部の係止爪51を、装置本体11に支持されたリタードローラホルダ221の被係止部61aに係止している。これにより、回転支持軸50の一端部が装置本体11から脱落することを防止している。また、回転支持軸50の他端部は、挿入部52を挿入孔62aに挿入することにより支持している。本実施形態では、このように回転支持軸50をリタードローラホルダ221に支持しているため、リタードローラ22を装置本体11に脱落しにくく装着できる。
【0055】
また、本実施形態の場合、上述のようにレバー54を操作することにより、係止爪51を被係止部61aに係止自在としているため、リタードローラ22を装置本体11に対して容易に着脱できる。特に、本実施形態では、回転支持軸50の他端部の支持を、挿入部52を挿入孔62aに挿入することにより支持している。このため、上述したように、レバー54を矢印ハ方向に揺動させる動作で、係止爪51を被係止部61aから外すことと、挿入部52を挿入孔62aから外すことを連続して行える。即ち、1つの動作で回転支持軸50をリタードローラホルダ221から取り外せる。このため、リタードローラ22の装置本体11からの取り外しを、より容易に行える。
【0056】
また、本実施形態の場合、リタードローラ22を回転支持軸50に回転自在に支持して、回転支持軸50をリタードローラホルダ221に非回転に支持している。このため、前述の特許文献1に記載された構造のような回転軸を装置本体に回転自在に支持するための軸受が不要となり、部品点数を少なくして低コスト化を図れる。
【0057】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図6を用いて説明する。本実施形態は、上述の実施形態と異なり、本発明をインクドット方式などの画像形成部101を備えた画像形成装置100に適用したものである。本実施形態の画像形成装置100は、給紙部200と、情報読取部300と、画像形成部101と、排紙部400と、を備える。
【0058】
給紙部200、情報読取部300、排紙部400は、上述の各実施形態と同様である。したがって、給紙部200のフィードローラ21によりシートSを搬送すると共に、リタードローラ22でシート束からシートを分離する。また、リタードローラ22を、第1の実施形態と同様に、装置本体110から着脱自在としている。本実施形態の場合、情報読取部300の後に画像形成部101を配置している。これにより、情報読取部300で情報を読み取ったシートに文字などの画像を形成できるようにしている。
【0059】
なお、画像形成装置としては、上述の構成以外に、複写機、プリンタ、ファクシミリ、或いはこれらの複合機等の画像形成装置であっても、本発明を適用可能である。また、画像形成部は、インクドット方式以外にも、電子写真方式、静電記録方式などにより構成されるものであっても良い。
【0060】
<他の実施形態>
上述の各実施形態では、リタードローラ22を着脱自在としているが、フィードローラ21を同様の構造で着脱自在とすることもできる。また、回転支持軸50の他端部についても、一端部の支持構造と同様に、係止爪と被係止部との係止により行い、レバー操作により係止爪を被係止部に対して係止自在としても良い。
【符号の説明】
【0061】
1 原稿情報読取装置(スキャナ)
2、200 給紙部(シート搬送装置)
3、300 情報読取部
11 装置本体
21 フィードローラ(搬送ローラ)
22 リタードローラ(分離ローラ)
50 回転支持軸
51 係止爪
54 レバー
61a 被係止部
63a、63b 側壁部
100 画像形成装置
101 画像形成部
221 リタードローラホルダ
S シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6