(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
外部からの圧力を検知するための線状のセンサとしては、特許文献1に記載されたコードスイッチや、特許文献2に記載された圧力検知スイッチが従来技術として知られている。
図1に特許文献1のコードスイッチの構造を示す。特許文献1には、「コードスイッチ1は電極線2、2、断面中空絶縁体3および空隙4からなっている。電極線2、2は、所定の間隔を保ちながら復元性ゴム又は復元性プラスチックからなる中空絶縁体3の内面に沿って長手方向に螺旋状に配置されている。中空絶縁体3は、電極線2、2を電気的に接触しない状態で螺旋状に保持固定すると共に、外力により容易に変形し、外力がなくなれば直ちに復元するものである。」と記載されている。
図2に特許文献2に記載された圧力検知スイッチの構造を示す。特許文献2には、圧力検知スイッチ51は、「可撓性を有する導体により管状に形成される外側電極52の内側に、可撓性を有する導体により線状に形成される内側電極53を配置する。外側電極52と内側電極53との間に絶縁体により螺旋状に形成されたスペーサ部材54を3本配置し、これらのスペーサ部材54により外側電極52と内側電極53との間に隙間を形成する。内側電極53の軸心に内側導線55を当該内側電極53と電気的に接触させて配置し、外側電極52の内部に内側導線55に対して対応するスペーサ部材54とは反対側に位置するように螺旋状の外側導線56を当該外側電極52と電気的に接触させた状態で配置する。」と記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】実施例1の圧力検知用ケーブルの側面から見た構造を示す図。
【
図4】実施例1の圧力検知用ケーブルの断面の構造を示す図。
【
図5】圧力検知用ケーブル400を用いた圧力検知の方法を示す図。
【
図6】圧力検知用ケーブル400に圧力が加わり、心線420−2と心線420−3とが周囲導電層140と接触した状態を示す図。
【
図7】実施例2の圧力検知用ケーブルの側面から見た構造を示す図。
【
図8】実施例2の圧力検知用ケーブルの断面の構造を示す図。
【
図9】圧力検知用ケーブル500に圧力が加わり、心線420−2と心線420−3とが周囲導電層140と接触した状態を示す図。
【
図10】実施例2変形例の圧力検知用ケーブルの断面の構造を示す図。
【
図11】実施例3の圧力検知用ケーブルの断面の構造を示す図。
【
図12】実施例3変形例の圧力検知用ケーブルの断面の構造を示す図。
【
図13】実施例4の圧力検知用ケーブルの断面の構造を示す図。
【
図14】実施例4の別の圧力検知用ケーブルの断面の構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0011】
図3と
図4に、実施例1の圧力検知用ケーブルの構造を示す。
図3は圧力検知用ケーブルの側面図であって、外被の一部を除去した状態を示している。圧力検知用ケーブル400は、中心セパレータ410、4心の心線420−1〜4、周囲セパレータ130、周囲導電層140、外被150を備える。
図4(A)は圧力が加わっていないときの
図3のA−A線での圧力検知用ケーブルの断面を示す図、
図4(B)は中心セパレータの断面を示す図、
図4(C)は心線の断面を示す図である。
【0012】
中心セパレータ410は、絶縁体で形成された長尺の形状であり、4個の窪み411−1〜4を備えている。また、窪み411−1〜4の位置は、らせん状となっている。
【0013】
心線420−n(ただし、nは1以上4以下の整数)は、導電性材料422−nで線状導体121−1を被覆した構成であり、中心セパレータ410の窪み411−nに沿うようにらせん状に、かつ互いに接触しないように配置される。この例では、導電性材料422−nの内側(圧力検知用ケーブルの中心側)の形状が、中心セパレータ410の窪み411−nと一致している。ただし、必ずしも一致させる必要はない。また、導電性材料422−nは、断面の外側の部分(周囲導電層140と対向する部分)が、中心セパレータ410の中心412を中心とする円弧となるように形成されている。つまり、中心セパレータ410と4つの心線420−1〜4で、断面がほぼ円の形状となっている。なお、中心セパレータ410と4つの心線420−1〜4とは、一体的に形成してもよいし、分離可能な状態でもよい。また、線状導体121−nは、複数の導体(例えば、銅または銅の合金など)を撚り合せて形成されている。導電性材料422−nは、導電性樹脂を加圧被覆して形成すればよい。なお、錆びなどによって線状導体121−nの導電性が劣化するおそれがなければ、導電性材料422−nはなくてもよい。
【0014】
周囲セパレータ130は、線状の絶縁体であって、複数の心線全体の外側にらせん状に巻きつけられる。例えば、周囲セパレータ130は、抗張力繊維131の周りを復元性ゴムまたはプラスチックの被覆132で覆った構造とすればよい。なお、
図3では、周囲セパレータ130は1つであるが、必要に応じて2つ以上配置してもよい。また、本実施例では、周囲セパレータ130が、圧力が加わっていないときに心線420−1〜4と周囲導電層140との間に隙間を設ける手段(周囲セパレート手段)である。
【0015】
周囲導電層140は、少なくとも内側の表面が導電性を有する筒状の弾性体であって、周囲セパレータの外側に配置される。周囲導電層140は、圧力が加わっていないときは断面円形であり、加わった圧力に応じて変形し、複数の心線のうちの2心以上と接触できる。例えば、周囲導電層140は導電性樹脂で形成すればよい。外被150は周囲導電層140の外側に配置され、圧力検知用ケーブル400全体を保護する。また、外被150も加わった圧力に応じて変形する。外被150は、例えば復元性ゴムまたはプラスチックで形成すればよい。さらに、外被150は、周囲導電層140と一体(もしくは周囲導電層140の一部)でもよい。
【0016】
図5は、圧力検知用ケーブル400を用いた圧力検知の方法を示す図である。
図5(A)の例では、圧力検知用ケーブル400の一端で、抵抗測定器1000を心線420−1と心線420−2に接続する。そして、圧力検知用ケーブル400の他端で、心線420−1と心線420−3とを導線425−1で電気的に接続し、心線420−2と心線420−4とを導線425−2で電気的に接続する。また、
図5(B)の例では、圧力検知用ケーブル400の一端で、抵抗測定器1000を心線420−1と心線420−2に接続する。そして、同じ一端で、心線420−1と心線420−3とを導線425−3で電気的に接続し、心線420−2と心線420−4とを導線425−4で電気的に接続する。
図5(C)の例では、圧力検知用ケーブル400の一端で、抵抗測定器1000を心線420−1と心線420−2に接続する。そして、圧力検知用ケーブル400の他端で、心線420−1と心線420−3とを導線425−1で電気的に接続し、心線420−2と心線420−4とを導線425−2で電気的に接続する。また、抵抗測定器1000と同じ一端で、心線420−1と心線420−3とを導線425−3で電気的に接続し、心線420−2と心線420−4とを導線425−4で電気的に接続する。このように配線することで、心線420−1と心線420−3とが電気的に接続され、心線420−2と心線420−4とが電気的に接続され、心線420−1,3(第1心線群)と心線420−2,4(第2心線群)との間の抵抗を測定できる。なお、心線同士の接続や抵抗測定器への接続は、圧力検知用ケーブル400の途中の外被150と周囲導電層140を除去して行ってもよい。
【0017】
このように、複数の心線420−1〜4を、第1心線群(例えば心線420−1,3)と第2心線群(例えば心線420−2,4)とに分け、第1心線群に属する心線同士を電気的に接続し、第2心線群に属する心線同士を電気的に接続し、第1心線群と第2心線群との間の抵抗を測定すればよい。
図5の例では、すべての隣り合う心線同士が異なる心線群に属すように第1心線群と第2心線群とに分けた。このように分ければ、圧力が加わった位置に関係なく、心線群が異なる2つの心線が周囲導電層140に接触する可能性が高くなる。しかし、この分け方に限定する必要はない。3心以上の心線が周囲導電層140と接触するような強い圧力が加わったことを検知できればよい場合であれば、他の分け方でも圧力を検知できる。
【0018】
図6は、圧力検知用ケーブル400に圧力が加わり、心線420−2と心線420−3とが周囲導電層140と接触した状態を示している。圧力検知用ケーブル400に圧力が加わっていないときには、
図4(A)に示すように心線420−1〜4のすべてと周囲導電層140との間に隙間が形成される。このときには、抵抗測定器1000で測定している抵抗値は非常に大きい値を示す。そして、あらかじめ定めた圧力が加わったときには、心線420−1〜4のうち少なくとも2心以上が周囲導電層140と接触する。
図6の例では、心線420−2と心線420−3とが周囲導電層140に接触している。このように2つの心線420−2,3が周囲導電層140に接触すると、抵抗測定器1000で測定している抵抗値が小さくなる。
【0019】
なお、測定される抵抗値は、心線420−2と周囲導電層140との接触点と心線420−3と周囲導電層140との接触点との距離、および接触点での接触面積に依存する。しかし、中心セパレータの窪みを円周方向に等間隔に配置し、隣接する心線同士を異なる心線群に分ければ、心線同士の間隔が均一なので接触点同士の距離についてはいつも同じとなり、圧力が加わる位置に抵抗値が依存しにくくなる。また、ここまでの精度が必要ないときであれば、心線の分け方を変えることも可能である。このように、実施例1の圧力検知用ケーブルは、求められる圧力検知の精度に応じて設計しやすい構造である。さらに、実施例1の圧力検知用ケーブル400は、中心部分に中心セパレータ410があるので、中心セパレータ410を中心(基準)にして製造でき、製造後に取り除く部材はない。したがって、製造しやすい。さらに、例えば、2つの押出機を使用し、中心セパレータ410と一緒に4本の心線420−1〜4を1工程で製造することも可能である。したがって、製造工程数を少なくできる。また、導電性材料422−1〜4の周囲導電層140側の面は広いので、高い圧力検知能力が期待できる。
【実施例2】
【0020】
図7と
図8に、実施例2の圧力検知用ケーブルの構造を示す。
図7は圧力検知用ケーブルの側面図であって、外被の一部を除去した状態を示している。圧力検知用ケーブル500は、中心セパレータ510、4心の心線420−1〜4、周囲導電層140、外被150を備える。
図8(A)は、圧力が加わっていないときの
図7のA−A線での断面を示す図、
図8(B)は中心セパレータの断面を示す図である。
【0021】
中心セパレータ510は、絶縁体で形成された長尺の形状であり、4個の窪み511−1〜4を備えている。また、窪み511−1〜4の位置は、らせん状となっている。心線420−nの導電性材料422−nは、断面の外側の部分(周囲導電層140と対向する部分)が、中心セパレータ510の中心512を中心とする円弧となるように形成されている。
【0022】
本実施例の中心セパレータ510は、突出部513−1〜4を有する点が実施例1と異なる。突出部513−nは中心セパレータ510の窪み511−1〜4以外の位置(心線420−1〜4が配置されない位置)から、導電性材料422−nの外側の部分よりも外側に突出するように形成されている。また、少なくとも突出部513−nは弾性を有する。なお、中心セパレータ510全体を弾性体で形成してもよい。また、突出部は、圧力が加わっていないときに心線420−1〜4と周囲導電層140との間に隙間を設ける機能を発揮する手段(周囲セパレート手段)である。したがって、この機能を発揮する範囲であれば、突出部は4個に限る必要はなく、1〜3個でもよい。また、圧力検知用ケーブルの長手方向に連続して(らせん状に)形成してもよいし、部分的に形成しないところがあってもよい。周囲導電層140、外被150、心線の接続方法は、実施例1と同じである。
【0023】
図9は、圧力検知用ケーブル500に圧力が加わり、心線420−2と心線420−3とが周囲導電層140と接触した状態を示している。本実施例では、周囲導電層140、外被150、突出部513−nが変形することで、圧力が加わったときに心線420−1〜4の2心以上と周囲導電層140とが接触する。なお、本実施例の場合は、周囲導電層140、外被150、突出部513−nの弾性、突出部513−nの寸法や数などを適宜設計することで、どの程度の圧力が加わったときに心線420−1〜4の2心以上と周囲導電層140とが接触するのかを決めればよい。
【0024】
本実施例の場合も、実施例1と同様の効果が得られる。また、本実施例の場合は、周囲セパレータが不要なので、圧力検知用ケーブル500をアセンブルする工程をより簡単にできる。
【0025】
[変形例]
図10に、圧力が加わっていないときの実施例2変形例の圧力検知用ケーブルの断面を示す。圧力検知用ケーブル600は、中心セパレータ510、4心の心線120−1〜4、周囲導電層140、外被150を備える。心線120−n(ただし、nは1以上4以下の整数)は、導電性材料122−nで線状導体121−1を被覆した構造であり、中心セパレータ510に沿って互いに接触しないように配置される。この例では、心線120−nは窪み511−nの位置に配置され、窪み511−nに沿うようにらせん状になっている。なお、錆びなどによって線状導体121−nの導電性が劣化するおそれがなければ、導電性材料122−nはなくてもよい。実施例2とは、心線の形状が異なるだけで、その他の構成は同じである。
【0026】
本構成の場合、心線120−nの周囲導電層140に対向する面が狭いので、圧力検知能力という点で実施例2に劣る可能性がある。しかし、中心セパレータ510全体を弾性体で形成すれば、中心セパレータ510が変形しやすくなるので、ある程度の圧力検知能力を期待できる。また、心線120−nを導電性材料122−nで被覆しない場合は製造工程を簡略化できる。なお、その他の効果については実施例2と同じである。
【実施例3】
【0027】
図11に、周囲セパレート手段として周囲セパレータを用い、心線の数を6心とした場合の圧力検知用ケーブルの断面の構造を示す。
図11(A)は圧力が加わっていないときの圧力検知用ケーブルの断面図であり、
図11(B)は中心セパレータの断面図である。圧力検知用ケーブル700は、中心セパレータ710、6心の心線720−1〜6、周囲セパレータ130、周囲導電層140、外被150を備える。
【0028】
中心セパレータ710は、絶縁体で形成された長尺の形状であり、6個の窪み711−1〜6を備えている。また、窪み711−1〜6の位置は、らせん状となっている。心線720−n(ただし、nは1以上6以下の整数)は、導電性材料722−nで線状導体121−1を被覆した構成であり、中心セパレータ710の窪み411−nに沿うようにらせん状に、かつ互いに接触しないように配置される。この例では、導電性材料722−nの内側(圧力検知用ケーブルの中心側)の形状が、中心セパレータ710の窪み711−nと一致している。ただし、必ずしも一致させる必要はない。また、導電性材料722−nは、断面の外側の部分(周囲導電層140と対向する部分)が、中心セパレータ710の中心712を中心とする円弧となるように形成されている。つまり、中心セパレータ710と6つの心線720−1〜6で、断面がほぼ円の形状となっている。なお、中心セパレータ710と6つの心線720−1〜6とは、一体的に形成してもよいし、分離可能な状態でもよい。周囲セパレータ130、周囲導電層140、外被150は、実施例1と同じである。
【0029】
心線の接続方法は、実施例1と同じように、例えば隣り合う心線同士が同じ心線群に属さないように第1心線群(例えば、心線720−1,3,5)と第2心線群(心線720−2,4,6)とに分ける。そして、第1心線群に属する心線同士を電気的に接続し、第2心線群に属する心線同士を電気的に接続し、第1心線群のいずれかの心線と第2心線群のいずれかの心線の間の抵抗を測定すればよい。
【0030】
このように、心線の数が2N(Nは整数)であれば、すべての隣り合う心線同士が異なる心線群に属すように第1心線群と第2心線群とに分けることができるので、圧力が加わる位置に抵抗値が依存しにくい構造にできる。したがって、実施例3の圧力検知用ケーブルも実施例1と同様の効果が得られる(心線の数を変更しても同じ効果が得られる。)。
【0031】
よって、圧力検知用ケーブルに求められる直径が大きいときであれば、中心セパレータの直径を大きくすると共に心線数を多くして隣接する心線同士の間隔を狭く保ち、求められる直径が小さいときは中心セパレータを小さくすると共に心線数を少なくすればよい。したがって、検知したい圧力は外被150と周囲導電層140の材質や厚み、周囲セパレータ130の太さで調整し、圧力検知用ケーブルの大きさ(直径)は中心セパレータの大きさと心線の数で調整すればよいので、本発明の圧力検知用ケーブルならば用途に応じた設計をしやすい。
【0032】
[変形例]
図12に心線の数を5心とした場合の圧力検知用ケーブルの断面の構造を示す。圧力検知用ケーブル800は、中心セパレータ710、5心の心線720−1〜5、周囲セパレータ130、周囲導電層140、外被150を備える。圧力検知用ケーブル800は、心線720−6がない点のみが圧力検知用ケーブル700と異なる。心線720−6がないので、窪み711−6の位置に圧力が加わった場合には感度が悪くなるとともに、抵抗値が、圧力が加わる位置に依存してしまう。したがって、圧力検知用ケーブル800は、圧力検知用ケーブル700に比べ性能としては劣る。しかし、3心以上の心線が周囲導電層140と接触するような強い圧力が加わったことを検知する場合であれば、用途に応じた性能は発揮できる。
【実施例4】
【0033】
図13に、周囲セパレート手段として突出部を用い、心線の数を6心とした場合の圧力検知用ケーブルの断面の構造を示す。
図13(A)は圧力が加わっていないときの圧力検知用ケーブルの断面図であり、
図13(B)は中心セパレータの断面図である。圧力検知用ケーブル900は、中心セパレータ910、6心の心線720−1〜6、周囲導電層140、外被150を備える。
【0034】
中心セパレータ910は、絶縁体で形成された長尺の形状であり、6個の窪み911−1〜6を備えている。また、窪み911−1〜6の位置は、らせん状となっている。心線720−n(ただし、nは1以上6以下の整数)の導電性材料722−nは、断面の外側の部分(周囲導電層140と対向する部分)が、中心セパレータ910の中心912を中心とする円弧となるように形成されている。
【0035】
本実施例の中心セパレータ910は、突出部913−1〜6を有する点が実施例3と異なる。突出部913−nは中心セパレータ910の窪み911−1〜6以外の位置(心線720−1〜6が配置されない位置)から、導電性材料722−nの外側の部分よりも外側に突出するように形成されている。また、少なくとも突出部913−nは弾性を有する。なお、中心セパレータ910全体を弾性体で形成してもよい。また、周囲導電層140、外被150、心線の接続方法は、実施例3と同じである。
【0036】
このように、周囲セパレート手段として突出部を用いる場合でも、心線の数が2N(Nは整数)であれば、すべての隣り合う心線同士が異なる心線群に属すように第1心線群と第2心線群とに分けることができるので、圧力が加わる位置に抵抗値が依存しにくい構造にできる。したがって、実施例4の圧力検知用ケーブルも実施例21と同様の効果が得られる(心線の数を変更しても同じ効果が得られる。)。
【0037】
また、突出部は、圧力が加わっていないときに心線720−1〜6と周囲導電層140との間に隙間を設ける機能を発揮する手段(周囲セパレート手段)である。したがって、この機能を発揮する範囲であれば、突出部は6個に限る必要はなく、1〜5個でもよい。例えば、
図14に突出部が3個の場合の圧力検知用ケーブルの断面の構造を示す。
図14(A)は圧力が加わっていないときの圧力検知用ケーブルの断面図であり、
図14(B)は中心セパレータの断面図である。圧力検知用ケーブル900’の中心セパレータ910’は3個の突出部913−1,3,5を有するが、突出部913−2,4,6は無い点が圧力検知用ケーブル900と異なる。このような構成でも突出部は周囲セパレート手段として機能する。また、突出部は、圧力検知用ケーブルの長手方向に連続して(らせん状に)形成してもよいし、部分的に形成しないところがあってもよい。
【0038】
よって、圧力検知用ケーブルに求められる直径が大きいときであれば、中心セパレータの直径を大きくすると共に心線数を多くして隣接する心線同士の間隔を狭く保ち、求められる直径が小さいときは中心セパレータを小さくすると共に心線数を少なくすればよい。したがって、検知したい圧力は外被150と周囲導電層140の材質や厚み、突出部913−nの形状や数を調整し、圧力検知用ケーブルの大きさ(直径)は中心セパレータの大きさと心線の数で調整すればよいので、本発明の圧力検知用ケーブルならば用途に応じた設計をしやすい。