【実施例1】
【0011】
図3に実施例1の圧力検知用ケーブルの構造を示す。
図3(A)は圧力検知用ケーブルの側面図であって、外被の一部を除去した状態を示している。
図3(B)は
図3(A)のA−A線での圧力が加わっていないときの断面を示す図である。圧力検知用ケーブル100は、中心セパレータ110、4心の心線120−1〜4、周囲セパレータ130、周囲導電層140、外被150を備える。
【0012】
図4は中心セパレータ110の
図3(A)のA−A線での断面を示す図である。中心セパレータ110は、絶縁体で形成された長尺の形状であり、4個の窪み111−1〜4を備えている。また、窪み111−1〜4の位置は、らせん状となっている。
【0013】
心線120−n(ただし、nは1以上4以下の整数)は、導電性材料122−nで線状導体121−1を被覆した構成であり、中心セパレータ110に沿って互いに接触しないように配置される。この例では、心線120−nは窪み111−nの位置に配置され、窪み111−nに沿うようにらせん状になっている。また、線状導体121−nは、複数の導体(例えば、銅または銅の合金など)を撚り合せて形成されている。導電性材料122−nは、導電性樹脂を加圧被覆して形成すればよい。なお、錆びなどによって線状導体121−nの導電性が劣化するおそれがなければ、導電性材料122−nはなくてもよい。
【0014】
周囲セパレータ130は、線状の絶縁体であって、複数の心線全体の外側にらせん状に巻きつけられる。例えば、周囲セパレータ130は、抗張力繊維131の周りを復元性ゴムまたはプラスチックの被覆132で覆った構造とすればよい。なお、
図3では、周囲セパレータ130は1つであるが、必要に応じて2つ以上配置してもよい。
【0015】
周囲導電層140は、少なくとも内側の表面が導電性を有する筒状の弾性体であって、周囲セパレータの外側に配置される。周囲導電層140は、圧力が加わっていないときは断面円形であり、加わった圧力に応じて変形し、前記複数の心線のうちの2心以上と接触できる。例えば、周囲導電層140は導電性樹脂で形成すればよい。外被150は周囲導電層140の外側に配置され、圧力検知用ケーブル100全体を保護する。また、外被150も加わった圧力に応じて変形する。外被150は、例えば復元性ゴムまたはプラスチックで形成すればよい。さらに、外被150は、周囲導電層140と一体(もしくは周囲導電層140の一部)でもよい。
【0016】
図5は、圧力検知用ケーブル100を用いた圧力検知の方法を示す図である。
図5(A)の例では、圧力検知用ケーブル100の一端で、抵抗測定器900を心線120−1と心線120−2に接続する。そして、圧力検知用ケーブル100の他端で、心線120−1と心線120−3とを導線125−1で電気的に接続し、心線120−2と心線120−4とを導線125−2で電気的に接続する。また、
図5(B)の例では、圧力検知用ケーブル100の一端で、抵抗測定器900を心線120−1と心線120−2に接続する。そして、同じ一端で、心線120−1と心線120−3とを導線125−3で電気的に接続し、心線120−2と心線120−4とを導線125−4で電気的に接続する。
図5(C)の例では、圧力検知用ケーブル100の一端で、抵抗測定器900を心線120−1と心線120−2に接続する。そして、圧力検知用ケーブル100の他端で、心線120−1と心線120−3とを導線125−1で電気的に接続し、心線120−2と心線120−4とを導線125−2で電気的に接続する。また、抵抗測定器900と同じ一端で、心線120−1と心線120−3とを導線125−3で電気的に接続し、心線120−2と心線120−4とを導線125−4で電気的に接続する。このように配線することで、心線120−1と心線120−3とが電気的に接続され、心線120−2と心線120−4とが電気的に接続され、心線120−1,3(第1心線群)と心線120−2,4(第2心線群)との間の抵抗を測定できる。なお、心線同士の接続や抵抗測定器への接続は、圧力検知用ケーブル100の途中の外被150と周囲導電層140を除去して行ってもよい。
【0017】
このように、複数の心線120−1〜4を、第1心線群(例えば心線120−1,3)と第2心線群(例えば心線120−2,4)とに分け、第1心線群に属する心線同士を電気的に接続し、第2心線群に属する心線同士を電気的に接続し、第1心線群と第2心線群との間の抵抗を測定すればよい。
図5の例では、すべての隣り合う心線同士が異なる心線群に属すように第1心線群と第2心線群とに分けた。このように分ければ、圧力が加わった位置に関係なく、心線群が異なる2つの心線が周囲導電層140に接触する可能性が高くなる。しかし、この分け方に限定する必要はない。3心以上の心線が周囲導電層140と接触するような強い圧力が加わったことを検知できればよい場合であれば、他の分け方でも圧力を検知できる。
【0018】
図6は、圧力検知用ケーブル100に圧力が加わり、心線120−2と心線120−3とが周囲導電層140と接触した状態を示している。圧力検知用ケーブル100に圧力が加わっていないときには、
図3に示すように心線120−1〜4のすべてと周囲導電層140との間に隙間が形成される。このときには、抵抗測定器900で測定している抵抗値は非常に大きい値を示す。そして、あらかじめ定めた圧力が加わったときには、心線120−1〜4のうち少なくとも2心以上が周囲導電層140と接触する。
図6の例では、心線120−2と心線120−3とが周囲導電層140に接触している。このように2つの心線120−2,3が周囲導電層140に接触すると、抵抗測定器900で測定している抵抗値が小さくなる。
【0019】
なお、測定される抵抗値は、心線120−2と周囲導電層140との接触点と心線120−3と周囲導電層140との接触点との距離、および接触点での接触面積に依存する。しかし、中心セパレータの窪みを円周方向に等間隔に配置し、隣接する心線同士を異なる心線群に分ければ、心線同士の間隔が均一なので接触点同士の距離についてはいつも同じとなり、圧力が加わる位置に抵抗値が依存しにくくなる。また、ここまでの精度が必要ないときであれば、心線の分け方を変えることも可能である。このように、実施例1の圧力検知用ケーブルは、求められる圧力検知の精度に応じて設計しやすい構造である。さらに、実施例1の圧力検知用ケーブル100は、中心部分に中心セパレータ110があるので、中心セパレータ110を中心(基準)にして製造でき、製造後に取り除く部材はない。したがって、製造しやすい。
【0020】
[変形例1]
図7に心線の数を6心とした場合の圧力検知用ケーブルの構造を示す。
図7(A)は中心セパレータの断面図であり、
図7(B)は圧力が加わっていないときの圧力検知用ケーブルの断面図である。
図8は、圧力検知用ケーブル200に圧力が加わり、心線120−2と心線120−3とが周囲導電層140と接触した状態を示している。圧力検知用ケーブル200は、中心セパレータ210、6心の心線120−1〜6、周囲セパレータ130、周囲導電層140、外被150を備える。
【0021】
中心セパレータ210は、絶縁体で形成された長尺の形状であり、6個の窪み211−1〜6を備えている。また、窪み211−1〜6の位置は、らせん状となっている。心線120−n(ただし、nは1以上6以下の整数)は、導電性材料122−nで被覆された線状導体121−1であり、中心セパレータ110に沿って互いに接触しないように配置される。この例では、心線120−nは窪み211−nの位置に配置され、窪み211−nに沿うようにらせん状になっている。周囲セパレータ130、周囲導電層140、外被150は、実施例1と同じである。
【0022】
心線の接続方法は、実施例1と同じように、例えば隣り合う心線同士が同じ心線群に属さないように第1心線群(例えば、心線120−1,3,5)と第2心線群(心線120−2,4,6)とに分ける。そして、第1心線群に属する心線同士を電気的に接続し、第2心線群に属する心線同士を電気的に接続し、第1心線群のいずれかの心線と第2心線群のいずれかの心線の間の抵抗を測定すればよい。
【0023】
このように、心線の数が2N(Nは整数)であれば、すべての隣り合う心線同士が異なる心線群に属すように第1心線群と第2心線群とに分けることができるので、圧力が加わる位置に抵抗値が依存しにくい構造にできる。したがって、変形例1の圧力検知用ケーブルも実施例1と同様の効果が得られる(心線の数を変更しても同じ効果が得られる。)。
【0024】
よって、圧力検知用ケーブルに求められる直径が大きいときであれば、中心セパレータの直径を大きくすると共に心線数を多くして隣接する心線同士の間隔を狭く保ち、求められる直径が小さいときは中心セパレータを小さくすると共に心線数を少なくすればよい。したがって、検知したい圧力は外被150と周囲導電層140の材質や厚み、周囲セパレータ130の太さで調整し、圧力検知用ケーブルの大きさ(直径)は中心セパレータの大きさと心線の数で調整すればよいので、用途に応じて設計しやすい。
【0025】
[変形例2]
図9に心線の数を5心とした場合の圧力検知用ケーブルの構造を示す。圧力検知用ケーブル300は、中心セパレータ210、5心の心線120−1〜3,5,6、周囲セパレータ130、周囲導電層140、外被150を備える。圧力検知用ケーブル300は、心線120−4がない点のみが圧力検知用ケーブル200と異なる。心線120−4がないので、窪み211−4の位置に圧力が加わった場合には感度が悪くなるとともに、抵抗値が、圧力が加わる位置に依存してしまう。したがって、圧力検知用ケーブル300は、圧力検知用ケーブル200に比べ性能としては劣る。しかし、3心以上の心線が周囲導電層140と接触するような強い圧力が加わったことを検知する場合であれば、用途に応じた性能は発揮できる。