(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数本の吊元側上がりに傾斜した斜架材と吊元側下がりに傾斜した斜架材とを交差し、交差部をピン軸で枢着して伸縮自在に構成した上下二段のパンタグラフ機構と、前記上段のパンタグラフ機構と前記下段のパンタグラフ機構との間の上下方向中間部に形成された、パンタグラフ機構の存在しない無パンタグラフ機構ゾーンと、前記上段のパンタグラフ機構、前記無パンタグラフ機構ゾーン、および前記下段のパンタグラフ機構に跨って上下方向に配置され且つ前記交差部群のうち所定の交差部で各パンタグラフ機構に連結された伸縮方向に複数個の縦格子を備えた扉本体を形成し、この扉本体の吊元側端を吊元柱等の固定部材に連結した伸縮門扉において、
前記上段のパンタグラフ機構の縦格子と連結された最上部の交差部は縦格子の定位置に対し固定タイプのピン軸を介して回動自在に枢支連結され、同上段のパンタグラフ機構の縦格子と連結された最上部以外の交差部は縦格子に対し移動タイプのピン軸を介して上下摺動自在に連結されており、
前記下段のパンタグラフ機構の縦格子と連結された最下部の交差部は縦格子の定位置に対し固定タイプのピン軸を介して回動自在に枢支連結され、同下段のパンタグラフ機構の縦格子に連結された最下部以外の交差部は移動タイプのピン軸を介して上下摺動自在に連結されており、
前記扉本体の上方側における斜架材同士の交差点同士間の距離を、前記扉本体の下方側における斜架材同士の交差点同士間の距離よりも小さく設定していることを特徴とする、伸縮門扉。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように構成された伸縮門扉は、上下の各パンタグラフ機構63,64の上下中間の交差部が縦枠材(縦格子)66に対し固定ピン軸69で定置固定され、各パンタグラフ機構63,64の上下の交差部は縦枠材(縦格子)66に対し可動ピン軸71,72を介して上下摺動自在に連結されているため、扉本体67を伸ばして閉扉したとき、各パンタグラフ機構63,64の上下の交差部の可動ピン軸71,72が上下中間の交差部の固定ピン軸69に近づき合うように動作し、これにより扉本体67の隣り合う縦枠材(縦格子)66,66同士間の上端側および下端側にそれぞれ透き間が大きく生じる状態になり、門扉としての遮蔽感が低下半減し、見映えも悪くなる。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、上記のような、上下二段のパンタグラフ機構と無パンタグラフ機構ゾーンとを備えた伸縮門扉において、各パンタグラフ機構の交差部の縦格子に対する連結手段に工夫を凝らすことにより軽量化、開閉操作の容易化を図れるうえに、遮蔽感の低下半減を防止でき見映えも良好な伸縮門扉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1に記載のように、その発明の内容を理解しやすくするために
図1〜
図15に付した符号を参照して説明すると、複数本の吊元側上がり(図上において右上がり)に傾斜した斜架材2と吊元側下がり(図上において右下がり)に傾斜した斜架材3とを交差し、交差部をピン軸で枢着して伸縮自在に構成した上下二段のパンタグラフ機構5,6と、上段のパンタグラフ機構5と下段のパンタグラフ機構6との間の上下方向中間部に形成された、パンタグラフ機構の存在しない無パンタグラフ機構ゾーン7と、上段のパンタグラフ機構5、無パンタグラフ機構ゾーン7、および下段のパンタグラフ機構6に跨って上下方向に配置され且つ前記交差部群のうち所定の交差部で各パンタグラフ機構5,6に連結された、伸縮方向に複数個の縦格子8と、を備えた扉本体9を形成し、この扉本体9の吊元側端を吊元柱10等の固定部材に連結した伸縮門扉において、上段のパンタグラフ機構5の縦格子8と連結された最上部の交差部C1は縦格子8の定位置に対し固定タイプのピン軸4aを介して回動自在に枢支連結され、同上段のパンタグラフ機構5の縦格子8と連結された最上部以外の交差部C2は縦格子8に対し移動タイプのピン軸4bを介して上下摺動自在に連結されており、下段のパンタグラフ機構6の縦格子8と連結された最下部の交差部C4は縦格子8の定位置に対し固定タイプのピン軸4aを介して回動自在に枢支連結され、同下段のパンタグラフ機構6の縦格子8に連結された最下部以外の交差部C2は移動タイプのピン軸4bを介して上下摺動自在に連結されて
おり、前記扉本体の上方側における斜架材同士の交差点同士間の距離を、前記扉本体の下方側における斜架材同士の交差点同士間の距離よりも小さく設定していることに特徴を有するものである。
【0007】
このような構成の伸縮門扉によれば、前述した
図17に示す従来の伸縮門扉と同様に、上段のパンタグラフ機構5と下段のパンタグラフ機構6との間の上下方向中間部に、パンタグラフ機構の存在しない無パンタグラフ機構ゾーン7を形成しているため、遮蔽感を確保し得ながら伸縮門扉全体の軽量化、開閉操作の容易化を図ることができる。
【0008】
特に、上段のパンタグラフ機構5の縦格子8と連結された最上部の交差部C1は縦格子8の定位置に対し固定タイプのピン軸4aを介して回動自在に枢支連結され、同上段のパンタグラフ機構5の縦格子8と連結された最上部以外の交差部C2は縦格子8に対し移動タイプのピン軸4bを介して上下摺動自在に連結され、下段のパンタグラフ機構6の縦格子8と連結された最下部の交差部C4は縦格子8の定位置に対し固定タイプのピン軸4aを介して回動自在に枢支連結され、同下段のパンタグラフ機構6の縦格子8に連結された最下部以外の交差部C2は移動タイプのピン軸4bを介して上下摺動自在に連結されている。したがって、扉本体9を伸ばして閉扉すると、上段のパンタグラフ機構5の縦格子8と連結された最上部以外の交差部C2は縦格子8に対し移動タイプのピン軸4bを介して上方向に摺動し、下段のパンタグラフ機構6の縦格子8に連結された最下部以外の交差部C2は移動タイプのピン軸4bを介して下方向へ摺動するが、上段のパンタグラフ機構5の縦格子8と連結された最上部の交差部C1は縦格子8の定位置に、また下段のパンタグラフ機構6の縦格子8と連結された最下部の交差部C4は縦格子8の定位置にそれぞれ固定タイプのピン軸4aを介して定着するため、
図17に示す前述した従来の伸縮門扉のように扉本体67の隣り合う縦格子66,66同士間の上端側および下端側にそれぞれ透き間が大きく生じるのを回避できて遮蔽感の低下半減を防止でき、門扉としての遮蔽感を確保でき、見映えも向上できる。
【0010】
請求項
1記載の伸縮門扉は
、扉本体9の上方側における斜架材2,3同士の交差点同士間の距離を、扉本体9の下方側における斜架材2,3同士の交差点同士間の距離よりも小さく設定するという構成を採用
している。この場合において、交差点同士間の「交差点」とはピン軸の有無を問うものではない。
これにより、扉本体9の下部に車輪やキャスターなどを施すことなく、扉本体9の吊元側端を吊元柱10等の固定部材に連結する、所謂ハンガータイプの伸縮門扉においても、扉本体9を伸長して閉扉するとき扉本体9の移動側端が垂れ下がるのを防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の伸縮門扉によれば、軽量化、開閉操作の容易化を図ることができ、そのうえ遮蔽感を確保でき見映えも良好にすることができて有利である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づき説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明に係る伸縮門扉1は、複数本の吊元側上がり(図上において右上がり)に傾斜した斜架材2と吊元側下がり(図上において右下がり)に傾斜した斜架材3とが交差し、交差部が各種ピン軸(後記の固定タイプのピン軸4a、移動タイプのピン軸4b、交点ピン軸4c,4d)で枢着されて伸縮自在に構成された上下二段のパンタグラフ機構5,6と、上段のパンタグラフ機構5と下段のパンタグラフ機構6との間の上下方向中間部に形成された、パンタグラフ機構の存在しない無パンタグラフ機構ゾーン7と、上段のパンタグラフ機構5、無パンタグラフ機構ゾーン7、および下段のパンタグラフ機構6に跨って上下方向に配置され且つ前記交差部群のうち所定の交差部で各パンタグラフ機構5,6に連結された伸縮方向に複数個の縦格子8と、を備えた扉本体9を形成し、この扉本体9の吊元側端を吊元柱10等の固定部材に連結したものである。
【0015】
扉本体9は、左右に間隔をおいて相対向状に地面Gに立設した吊元柱10と戸当り柱11間に配設される。本発明の伸縮扉は、吊元柱10の内端面と戸当り柱11の内端面との間隔が900〜1700mm程度の比較的狭い間口に好適に使用できるものとする。
扉本体9の吊元側端には回転柱12が設けられ、この回転柱12は吊元柱10にヒンジ13を介して水平方向に180°回転自在に取り付けられている。
一方、扉本体9の戸当り側端には移動柱14が設けられ、この移動柱14には錠前15を設け、この錠前15によって移動柱14を戸当り柱11に施錠・解錠可能にしている。移動柱14の前後両側には、扉本体9の伸縮操作用の把手16が設けられている。また、移動柱14には落とし棒装置17が設けられており、扉本体9の全閉状態において、地面Gに穿設した孔(図示せず)に落とし棒17aの下端部が嵌入して、扉本体9の伸縮動作を阻止するようにしている。
【0016】
回転柱12と移動柱14との間には、伸縮自在な上下二段のパンタグラフ機構5,6が設けられる。伸縮門扉全体の軽量化、開閉操作の容易化を図るために、上段のパンタグラフ機構5と下段のパンタグラフ機構6との間の上下方向中間部には、パンタグラフ機構の存在しない無パンタグラフ機構ゾーン7を形成している。各パンタグラフ機構5,6は、複数本の吊元側上がり(図上において右上がり)に傾斜した斜架材2および吊元側下がり(図上において右下がり)に傾斜した斜架材3と、伸縮方向に複数個の縦格子8とから構成されている。縦格子8の前後縦枠8a,8bは、
図6、
図7、
図9にその横断面図を示すように、各外面側に凹溝18を上下方向に亘って形成するウエブ19と、このウエブ19の左右端に連設する左右一対のフランジ20、および左右の各フランジ20に付設したリップ21とを有する断面リップ溝形に形成されている。凹溝18には断面π形状の縦格子カバー22が嵌め込まれる。
【0017】
吊元側上がりの斜架材2及び吊元側下がりの斜架材3は、
図6〜
図10に各横断面図を示すように、それぞれアルミニウム製の一対の長辺部23・23,24・24及び短辺部25・25,26・26を有する断面角型(長方形)パイプ材からなり、斜架材2,3の各長辺部23,24の内面にはリブ27,28が形成されている。
扉本体9の伸長動作において、斜架材2,3の上下端部の角部が縦格子8の幅方向から突出しないようにして外観的体裁を良好にし、また扉本体9のコンパクトな折畳み状態を得ることができるようにするために、
図2、
図4に示すように、斜架材2,3の各長辺部23,24の上端縁23a,24aおよび下端縁23b,24bはそれぞれ、斜架材2,3の各幅分長さを直径とした半円形状である凸円弧形状に切断される。これに伴い各短辺部25,26の上端縁25a,26aおよび下端縁25b,26bはそれぞれ切除される。
【0018】
そして、
図2〜
図5に示すように、斜架材2,3の各上端部および下端部には、各長辺部23,24の上端縁23a,24aおよび下端縁25b,26bがそれぞれ凸円弧形状の自由端に形成される形状からしてたわみ変形しやすいのを防止する補強対策を採用するために、それぞれ樹脂製又は金属製のエンドキャップ29が挿入嵌合される。
図11、
図12に示すように、エンドキャップ29は斜架材2,3の各内部空間内に嵌合する差込脚部29aを有し、この差込脚部29aの頭側端縁29bは斜架材2,3の各長辺部23,24の上端縁23a,24aおよび下端縁25b,26bの凸円弧形状に合致する凸円弧形状に形成され、この凸円弧形状の頭側端縁29bの外周に沿って鍔30が形成されている。
図2〜
図4に示すように、エンドキャップ29が斜架材2,3の各上端部および下端部にそれぞれ挿入された状態で、鍔30は斜架材2,3の各長辺部23,24の凸円弧形状の上端縁23a,24a、下端縁23b,24b、および短辺部25,26の上端縁25a,26a、下端縁25b,26bにそれぞれ当接する形に形成されている。
図11、
図12に示すように、また各エンドキャップ29の差込脚部29aには後述するピン軸4a,4b,4dや各種ブッシュ34,37,38,43が挿通する孔31と、リブ27,28に嵌合する凹溝51が形成される。なお、上段の斜架材2,3の各上下端部および下段の斜架材2,3の各上端部には
図11に示すエンドキャップ29が挿入され、下段の斜架材2,3の各下端部には
図12に示すエンドキャップ29が挿入される。
【0019】
吊元側上がりの斜架材2と吊元側下がりの斜架材3とは相互の交差箇所において各種ピン軸(後記の固定タイプのピン軸4a、移動タイプのピン軸4b、交点ピン軸4c,4d)で相対回転自在に枢着される。
【0020】
すなわち、
図1において、上段のパンタグラフ機構5の縦格子8と連結された最上部の交差部C1は縦格子8の定位置に対し固定タイプのピン軸4aを介して回動自在に枢支連結され、同上段のパンタグラフ機構5の縦格子8と連結された最上部以外の交差部C2は縦格子8に対し移動タイプのピン軸4bを介して上下摺動自在に連結される。
【0021】
図6に示すように、上段のパンタグラフ機構5の縦格子8の前後縦枠8a,8bと連結される最上部の交差部C1における固定タイプのピン軸4aは、中空状に形成されて前後両端に雌ねじ32を有し、斜架材2,3の上端部同士と、この斜架材2,3の上端部同士間に介在する減摩材からなるスペーサ33と、斜架材2,3の各上端部と縦格子8の前後縦枠8a,8bとの間にそれぞれ介在する減摩材からなる軸受ブッシュ34,34とに貫通するように枢着される。その際、ピン軸4aが斜架材2,3の各上端に挿通されるとき斜架材2,3の各上端部に挿入されたエンドキャップ29の差込脚部29aの孔31にも挿通され、これによりエンドキャップ29が斜架材2,3の各上端部から抜け出るのを阻止される。そして、縦格子8の前後縦枠8a,8b内に臨むピン軸4aの前後端の各雌ねじ32にはビス35が各縦格子8の凹溝18内からねじ込まれ、これにより固定タイプのピン軸4aは縦格子8の前後縦枠8a,8b内に上下動不能に定着され、扉本体9の伸縮動作の際の上下位置に変動はない。ビス35の頭部35aは縦格子カバー22で覆い隠すことで雨水から防護して錆発生を防止し、また外観的に見映えを良くしている。
【0022】
図7に示すように、上段のパンタグラフ機構5の縦格子8の前後縦枠8a,8bと連結される最上部以外の交差部C2における移動タイプのピン軸4bは、斜架材2,3の下端部同士と、この斜架材2,3の下端部同士間に介在する減摩材からなるスペーサ36と、斜架材2,3の各下端部と縦格子8の前後縦枠8a,8bとの間にそれぞれ介在する減摩材からなる軸受ブッシュ37とに貫通するように枢着される。その際、ピン軸4bが斜架材2,3の各下端に挿通されるとき斜架材2,3の各下端部に挿入されたエンドキャップ29の差込脚部29aの孔31にも挿通され、これによりエンドキャップ29が斜架材2,3の各下端部から抜け出るのを阻止される。前後の各軸受ブッシュ37は左右側部にスライド溝37a、37aを有し、このスライド溝37a,37aを前後縦枠8a,8bの各リップ21に摺動自在に嵌合することで、扉本体9が伸縮する際にピン軸4bが縦格子8の前後縦枠8a,8bの溝内を軸受ブッシュ37を介して上下に移動するようにしている。
【0023】
図8に示すように、上段のパンタグラフ機構5の斜架材2,3の上下中間部同士の交差部C3は交点ピン軸4cで枢着される。
図13に示すように、この交点ピン軸4cはこれの一端部に樹脂製の鍔38fを有する断面ハット形の固定用ブッシュ38をインサート成形等で固着し、他端部に雌ねじ39を設けている。
図8に示すように、この交点ピン軸4cは固定用ブッシュ38を一方の斜架材2の長辺部23の上下中間部に設けた孔40内に鍔38fを孔40の外周に配するよう抜け止め状に嵌合固定するとともに、斜架材2,3の上下中間部同士と、この斜架材2,3の上下中間部同士間に介在する減摩材からなるスペーサ41に挿通させて他端部を他方の斜架材3の溝内に突出させる。この交点ピン軸4cの突出他端部は他方の斜架材3の長辺部24の上下中間部に設けた孔42内に鍔43fを孔42の外周に配するよう抜け止めに嵌合固定される断面ハット形の鍔付き固定用ブッシュ43(
図14参照)に挿通して雌ねじ39にビス44をねじ込むことで枢着される。
【0024】
その際、
図8に示すように、一方の斜架材2に嵌合した固定用ブッシュ38はこれの内端面に回り止め溝45を径方向に設けており、この回り止め溝45を一方の斜架材2の長辺部23の内面に設けているリブ27に嵌合させて一方の斜架材2に回り止め状態に結合する。同じように他方の斜架材3に嵌合した固定用ブッシュ43の内端面に回り止め溝46を径方向に設けており、この回り止め溝46を他方の斜架材3の長辺部24の内面に設けているリブ28に嵌合させて他方の斜架材3に回り止め状態に結合する。したがって、ビス44を交点ピン軸4cの雌ねじ39にねじ込むとき固定用ブッシュ38,43が共回りするのを防止できる。固定用ブッシュ43の凹部43aにはキャップ47(
図15参照)を嵌合させて固定用ブッシュ43の凹部43a内に臨むビス44の頭部44aを覆い隠している。
【0025】
このように、斜架材2,3の上下中間部同士の交差部C3の交点ピン軸4cを留めつけるビス44の頭部44aは外部に突出することのないように、固定用ブッシュ43の凹部43a内に沈むように納めることで、安全性を確保でき、また開扉時に前後の斜架材2,3を縦格子8の前後縦枠8a,8b間にコンパクトに納められて扉本体9の前後方向(奥行方向)の厚みを少なくすることができて扉本体9の薄型化、コンパクト化を図ることができる。また、キャップ47でビス44の頭部44aを覆い隠すことにより雨水から防護して錆発生を防止し、また外観的体裁を良好にすることができる。
【0026】
図1において、下段のパンタグラフ機構6の縦格子8の前後縦枠8a,8bと連結される最下部以外の交差部C2は、
図7に示す上段のパンタグラフ機構5の縦格子8の前後縦枠8a,8bと連結される最上部以外の交差部C2における移動タイプのピン軸4bの場合と同様に、縦格子8の前後縦枠8a,8bに対し移動タイプのピン軸4bを介して上下摺動自在に連結される。
図9に示すように、同下段のパンタグラフ機構6の縦格子8と連結された最下部の交差部C4は、
図6に示す上段のパンタグラフ機構5の縦格子8の前後縦枠8a,8bと連結される最上部の交差部C1における固定タイプのピン軸4aの場合と同様に、縦格子8の前後縦枠8a,8bの定位置に対し固定タイプのピン軸4aを介して回動自在に枢支連結される。
【0027】
下段のパンタグラフ機構6の斜架材2,3の上下中間部同士の交差部C3における交点ピン軸4cは、
図8に示す上段のパンタグラフ機構5の斜架材2,3の上下中間部同士の交差部C3における交点ピン軸4cの場合と同様の構造でもって枢着される。
【0028】
図10に示すように、下段のパンタグラフ機構6の斜架材2,3の下端部同士の交差部C5における交点ピン軸4dは、
図8に示す交点ピン軸4cと同様にその一端部に樹脂製の鍔38fを有する断面ハット形の固定用ブッシュ38をインサート成形等で固着し、他端部に雌ねじ39を設けている。この交点ピン軸4dは固定用ブッシュ38を一方の斜架材2の下端部に設けた孔48内に鍔38fを孔48の外周に配するよう抜け止め状に嵌合固定するとともに、斜架材2,3の下端部同士と、この斜架材2,3の下端部部同士間に介在する減摩材からなるスペーサ49に挿通させて他端部を他方の斜架材3の溝内に突出させる。
このピン軸4dの突出他端部は他方の斜架材3の下端部に設けた孔50内に
図8に示す断面ハット形の鍔付き固定用ブッシュ43と同様に鍔43fを孔50の外周に配するよう抜け止めに嵌合固定される断面ハット形の鍔付き固定用ブッシュ43に挿通して雌ねじ39にビス44をねじ込むことで枢着される。その際、固定用ブッシュ43が斜架材2,3の各下端部に嵌合固定されるとき斜架材2,3の各下端部に挿入された
図12に示すエンドキャップ29の差込脚部29aの孔31にも嵌合され、これによりエンドキャップ29が斜架材2,3の各下端部から抜け出るのを阻止される。
【0029】
また、
図10に示すように、一方の斜架材2に嵌合した固定用ブッシュ38はこれの内端面に回り止め溝45を径方向に設けており、この回り止め溝45を一方の斜架材2の長辺部23の内面に設けているリブ27に嵌合させて一方の斜架材2に回り止め状態に結合する。同じように他方の斜架材3に嵌合した固定用ブッシュ43の内端面に回り止め溝46を径方向に設けており、この回り止め溝46を他方の斜架材3の長辺部24の内面に設けているリブ28に嵌合させて他方の斜架材3に回り止め状態に結合する。したがって、ビス44を交点ピン軸4dの雌ねじ39にねじ込むとき固定用ブッシュ38,43が共回りするのを防止できる。固定用ブッシュ43の凹部43aにはキャップ47を嵌合させて固定用ブッシュ43の凹部43a内に臨むビス44の頭部44aを覆い隠している。
このように、斜架材2,3の下端部同士の交差部C5のピン軸4dを留めつけるビス44の頭部44aは外部に突出することのないように、固定用ブッシュ43の凹部43a内に沈むように納めることで、安全性を確保でき、また開扉時に前後の斜架材2,3を縦格子8の前後縦枠8a、8b間にコンパクトに納められて扉本体9の前後方向(奥行方向)の厚みを少なくすることができて扉本体9の薄型化、コンパクト化を図ることができる。また、キャップ47でビス44の頭部44aを覆い隠すことにより雨水から防護して錆発生を防止し、また外観的体裁を良好にすることができる。
【0030】
次に、上記構成の伸縮門扉1の開閉動作について説明する。先ず扉本体9を
図1に仮想線Fで示す開扉状態から伸長させて
図1に実線で示すように閉扉するときには、扉本体9の移動柱14の把手16を持って戸当り柱11側へ引いて行く。すると、上段のパンタグラフ機構5の縦格子8と連結された最上部以外の交差部C2は縦格子8に対し移動タイプのピン軸4bを介して上方向に摺動し、下段のパンタグラフ機構6の縦格子8に連結された最下部以外の交差部C2は移動タイプのピン軸4bを介して下方向へ摺動して扉本体9は伸長する。その際、上段のパンタグラフ機構5の縦格子8と連結された最上部の交差部C1(固定タイプのピン軸4a)は縦格子8の定位置に、また下段のパンタグラフ機構6の縦格子8と連結された最下部の交差部C4(固定タイプのピン軸4a)も縦格子8の定位置にそれぞれ定着されてその上下位置に変動はない。したがって、
図17に示す従来の伸縮門扉のように扉本体67の隣り合う縦格子66,66同士間の上端側および下端側にそれぞれ透き間が大きく生じるのを回避できて遮蔽感の低下半減を防止でき、門扉としての遮蔽感を確保でき、見映えも良好になる。
【0031】
斜架材2,3同士の各交差箇所間の距離は、具体的には、例えば、
図2に示すように、上段のパンタグラフ機構5の斜架材2,3の交差部C1と交差部C3間の距離d1は154mm、交差部C3と交差部C2間の距離d2は154.5mmとする。
図4に示すように、下段のパンタグラフ機構6の斜架材2,3の交差部C2と交差部C3間の距離d3は155,5mm、交差部C3と交差部C4間の距離d4は156mm、交差部C4と交差部C5間の距離d5は156.5mmとする。
このように上方側の交差部間の距離を、下方側の交差部間の距離よりも小さくすることによって、
図16に示すように無重力状態での扉本体9、あるいは扉本体9を地面上に寝かせた状態(扉本体9を水平状態に置き扉本体9に縦方向の荷重を与えない状態)で伸長させると、扉本体9は移動側端が次第に上昇する逆扇状に伸長する。
しかしながら、このような扉本体9の吊元側端を吊元柱10等の固定部材に連結すると、扉本体9の重力、斜架材2,3における各ピン軸4a、4b、4c,4dとのクリアランス、斜架材2,3の撓み等により、扉本体9の移動側端に垂れが発生する。この扉本体9の垂れによる下降量と、無重力状態での扉本体9の逆扇状の変形による上昇量とが相殺されて、扉本体9は略水平に移動し、扉本体9の移動側端の垂れによる不具合を解消することができる。
【0032】
図1のように扉本体9を全閉した後は、扉本体9の移動柱14に設けた錠前15によって移動柱14を戸当り柱11に施錠する。
【0033】
つぎに、扉本体9を
図1に実線で示す全閉状態から収縮して開く場合は、扉本体9の移動柱14の把手16を持って吊元柱10側へ引いて行く。すると、上段のパンタグラフ機構5の縦格子8と連結された最上部以外の交差部C2は縦格子8に対し移動タイプのピン軸4bを介して下方向に摺動し、下段のパンタグラフ機構6の縦格子8に連結された最下部以外の交差部C2は移動タイプのピン軸4bを介して上方向へ摺動してパンタグラフ機構5,6が収縮し、隣り合う縦格子8,8同士の間隔が一様に狭まって行くので、吊元側に扉本体9を収縮状態に納めることができる(
図1の仮想線Fの状態図を参照)。
【0034】
図1に示す実施例では、扉本体9を伸ばした閉扉状態において、下段のパンタグラフ機構6の斜架材2,3と縦格子8とが成す角度θ1と、上段のパンタグラフ機構5の斜架材2,3と縦格子8とが成す角度θ2とを等しくする、つまり下段のパンタグラフ機構6の斜架材2,3と上段のパンタグラフ機構5の斜架材2,3とを平行に配置してあるが、これに代えて、扉本体9を伸ばした閉扉状態において、下段のパンタグラフ機構6の斜架材2,3と縦格子8とが成す角度θ1は、上段のパンタグラフ機構5の斜架材2,3と縦格子8とが成す角度θ2よりも小さく設定することができる。
これによると、扉本体9を伸ばした閉扉状態において、下段のパンタグラフ機構6の斜架材2,3と縦格子8とが成す角度θ1と、上段のパンタグラフ機構5の斜架材2,3と縦格子8とが成す角度θ2とを等しくする、つまり下段のパンタグラフ機構6の斜架材2,3と上段のパンタグラフ機構5の斜架材2,3とを平行に配置するものに比べ、無パンタグラフ機構ゾーン7の上下間隔を狭くすることができるため、それだけ伸縮門扉1の遮蔽感をより高めることができる。