(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663377
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】加工物の製造方法
(51)【国際特許分類】
B23B 27/02 20060101AFI20150115BHJP
【FI】
B23B27/02 C
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-83624(P2011-83624)
(22)【出願日】2011年4月5日
(65)【公開番号】特開2012-218083(P2012-218083A)
(43)【公開日】2012年11月12日
【審査請求日】2013年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220103
【氏名又は名称】株式会社アライドマテリアル
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 篤史
【審査官】
村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭16−012803(JP,Y1)
【文献】
特開平02−274404(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/039955(WO,A1)
【文献】
実開平03−011505(JP,U)
【文献】
実開昭62−088504(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台金と、前記台金に固着された超硬質工具材料からなる第一および第二チップとを備えた切削工具を用い、回転している工作物に対して倣って切削工具を移動させながら前記第一および第二チップのいずれか一方で加工して略凸状に旋削加工する、加工物の製造方法であって、
前記第一チップは第一すくい面を有し、かつ、前記第一すくい面を囲む第一前切れ刃、第一R状切れ刃および第一横切れ刃を有し、前記第一R状切れ刃は鋭角をなす前記第一前切れ刃と前記第一横切れ刃との間に設けられ、
前記第二チップは第二すくい面を有し、かつ、前記第二すくい面を囲む第二前切れ刃、第二R状切れ刃および第二横切れ刃を有し、前記第二R状切れ刃は鋭角をなす前記第二前切れ刃と前記第二横切れ刃との間に設けられ、
前記第一および第二横切れ刃は、工作物の移動方向であるZ軸に直交するX軸に沿って延在し、前記第一および第二前切れ刃は前記X軸および前記Z軸に直交するY軸に沿って延在し、
前記第一および第二横切れ刃は、前記X軸に対して横切れ刃後退角θ1を有し、
前記第一および第二前切れ刃は、前記Y軸に対して前切れ刃傾斜角θ2を有し、
前記第一前切れ刃および前記第一R状切れ刃のX軸方向の最大X座標値x1と、前記第二前切れ刃および前記第二R状切れ刃のX軸方向の最大x座標値x2との間の差は50μm以下である、加工物の製造方法。
【請求項2】
前記Y軸に対する前記前切れ刃傾斜角は、0.1度以上20度以下である、請求項1に記載の加工物の製造方法。
【請求項3】
前記X軸に対する前記横切れ刃後退角は、0.1度以上20度以下である、請求項1または2に記載の加工物の製造方法。
【請求項4】
前記第一および第二R状切れ刃の半径は0.01mm以上5mm以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の加工物の製造方法。
【請求項5】
前記第一および第二チップの各々は第一および第二前逃げ面を有し、前記第一および第二前逃げ面の前逃げ角は0.1度以上20度以下であり、前記第一および第二チップの各々は第一および第二横逃げ面を有し、前記第一および第二横逃げ面の横逃げ角は0.1度以上20度以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の加工物の製造方法。
【請求項6】
前記第一および第二すくい面のX軸に対するすくい角は、−20度以上+20度以下であり、前記第一および第二すくい面のY軸に対するすくい角は、−20度以上+20度以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の加工物の製造方法。
【請求項7】
前記超硬質工具材料は、超硬合金、サーメット、セラミックス、CBN焼結体、単結晶ダイヤモンド、およびダイヤモンド焼結体からなる群より選ばれた少なくとも一つである、請求項1から6のいずれか1項に記載の加工物の製造方法。
【請求項8】
前記切削工具はバイトである、請求項1から7のいずれか1項に記載の加工物の製造方法。
【請求項9】
回転している工作物を略凸状に旋削する、請求項1から8のいずれか1項に記載の加工物の製造方法。
【請求項10】
前記工作物は金属で環状である、請求項9に記載の加工物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、切削工具およびそれを用いた加工物の製造方法に関し、より特定的には、超硬質工具材料からなるチップを備えた切削工具に関するものである。特に、ターニングセンタやCNC(Computerized Numerical Control)旋盤を用いた旋削加工により、工作物に対して倣って切削工具を移動させながら加工することに用いる切削工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、倣い加工では、凸R型バイトが用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の倣い加工に用いられる凸R型バイトでは、逃げ面を切れ刃全周に亘って形成する必要がある。両側面の横切れ刃まで逃げ面を形成しなければならない。したがって台金は逃げ面が設けられるために台金厚みが薄くなる。このような形状のバイトは剛性の低下が避けられないので、切削加工に際して撓みが発生し、ビビリ振動が発生して、加工能率が低下する虞がある。このような理由により、従来の倣い加工に用いられる凸R型バイトは、ビビリ振動が原因で良好な工作物の表面粗さが得られない問題や、ビビリ振動が原因で切れ刃にチッピングを生じてバイト寿命が短くなるという問題があった。
【0004】
また、別の例では、先端に平坦部からなる切れ刃を形成し、さらに、横切れ刃と両側のコーナー部にR切れ刃を形成したバイトでは、超硬質工具材料からなるチップが大型化する。この場合、工具の幅寸法は十分であるので、台金の剛性も十分に高く、ビビリ振動が発生する虞も殆どなく、良好な工作物の表面粗さが期待できる。しかしながら、超硬質工具材料そのものが高価であるので、工具の初期費用が高額になるという問題があった。なお、単結晶ダイヤモンド工具の場合、前切れ刃傾斜角は設けられていない。
【0005】
そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、高精度の加工が可能な切削工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従った
加工物の製造方法は、台金と、台金に固着された超硬質工具材料からなる第一および第二チップとを備えた切削工具を用い、回転している工作物に対して倣って切削工具を移動させながら第一および第二チップのいずれか一方で加工して略凸状に旋削加工する、加工物の製造方法であって、第一チップは第一すくい面を有し、かつ、第一すくい面を囲む第一前切れ刃、第一R状切れ刃および第一横切れ刃を有し、第一R状切れ刃は鋭角をなす第一前切れ刃と第一横切れ刃との間に設けられ、第二チップは第二すくい面を有し、かつ、第二すくい面を囲む第二前切れ刃、第二R状切れ刃および第二横切れ刃を有し、第二R状切れ刃は鋭角をなす第二前切れ刃と第二横切れ刃との間に設けられ、第一および第二横切れ刃は、工作物の移動方向であるZ軸に直交するX軸に沿って延在し、第一および第二前切れ刃はX軸およびZ軸に直交するY軸に沿って延在し、第一および第二横切れ刃は、X軸に対して横切れ刃後退角θ1を有し、第一および第二前切れ刃は、Y軸に対して前切れ刃傾斜角θ2を有し、第一前切れ刃および第一R状切れ刃のX軸方向の最大X座標値x1と、第二前切れ刃および第二R状切れ刃のX軸方向の最大x座標値x2との間の差は50μm以下である。
【0007】
好ましくは、Y軸に対する前切れ刃傾斜角は、0.1度以上20度以下である。
好ましくは、X軸に対する横切れ刃後退角は、0.1度以上20度以下である。
【0008】
好ましくは、第一および第二R状切れ刃の半径Rは0.01mm以上5mm以下である。
【0009】
好ましくは、第一および第二チップの各々は第一および第二前逃げ面を有し、第一および第二前逃げ面の前逃げ角は0.1度以上20度以下であり、第一および第二チップの各々は第一および第二横逃げ面を有し、第一および第二横逃げ面の横逃げ角は0.1度以上20度以下である。
【0010】
好ましくは、第一および第二すくい面のX軸に対するすくい角は、−20度以上+20度以下であり、第一および第二すくい面のY軸に対するすくい角は、−20度以上+20度以下である。
【0011】
好ましくは、超硬質工具材料は、超硬合金、サーメット、セラミックス、CBN焼結体、単結晶ダイヤモンド、およびダイヤモンド焼結体からなる群より選ばれた少なくとも一つである。
【0012】
好ましくは、切削工具はバイトである。
好ましくは、回転している工作物を略凸状に旋削する。
【0014】
好ましくは、工作物は金属で環状である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明の実施の形態に従った切削工具の平面図である。
【
図3】
図1で示す切削工具の先端部分を拡大して示す平面図である。
【
図4】
図3中のIV−IV線に沿った断面図である。
【
図6】第二チップのR部を拡大して示す斜視図である。
【
図7】実施の形態に従った切削工具による加工方法を説明するための図である。
【
図8】実施の形態に従った切削工具による加工方法を説明するための図である。
【
図9】比較例に従った切削工具による加工方法を説明するための図である。
【
図10】比較例に従った切削工具による加工方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態では同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明については繰返さない。
【0017】
図1は、この発明の実施の形態に従った切削工具の平面図である。
図2は、
図1で示す切削工具の側面図である。
図3は、
図1で示す切削工具の先端部分を拡大して示す平面図である。
図4は、
図3中のIV−IV線に沿った断面図である。
図5は、
図3中のV−V線に沿った断面図である。
【0018】
図1から5を参照して、切削工具1において工具ホルダ30に切削工具1が取付けられている。切削工具1はチップであり、台金10と、台金10に設けられた第一チップ20aおよび第二チップ20bとを備える。台金10はボルト40により工具ホルダ30に固定されている。
【0019】
第一チップ20aおよび第二チップ20bには、第一および第二すくい面21a,21bが設けられている。第一および第二すくい面21a,21bは、第一および第二前切れ刃22a,22bならびに第一および第二横切れ刃23a,23bで囲まれた領域である。切削工具1の中心軸に沿った軸をX軸、工作物の移動方向をZ軸、X軸およびZ軸に直交する軸をY軸とする。第一チップ20aと第二チップ20bの各々の突出部のX軸方向の位置の差dであり、この差は50μm以下である。
【0020】
図3で示す面において、第一および第二前切れ刃22a,22bとY軸とのなす角度θ2が前切れ刃傾斜角である。第一および第二横切れ刃23a,23bとX軸とのなす角度θ1が横切れ刃後退角である。
図4において、Z軸と、第一前逃げ面25aとのなす角度θ3が前逃げ角である。なお、第一チップ20aにも、同様の前逃げ角θ3が存在する。
【0021】
図5において、Z軸と、第一横逃げ面26aとのなす角度θ4が横逃げ角である。なお、第二チップ20bにも、
図5と同様の横逃げ角θ4が存在する。
【0022】
図6は、第二チップのR部を拡大して示す斜視図である。
図6を参照して、第二前切れ刃22bと第二横切れ刃23bの間が第二R状切れ刃24bとなっている。この部分の半径はRであり、長さR1で示す部分がR形状となっている。第二前逃げ面25bと第二横逃げ面26bとの間がR面となっている。
【0023】
すなわち、この発明に従った切削工具1は、台金10と、台金10に固着された超硬質工具材料からなる第一チップ20aおよび第二チップ20bを備える。第一チップ20aは第一すくい面21aを有し、かつ、第一すくい面21aを囲む第一前切れ刃22a、第一R状切れ刃24aおよび第一横切れ刃23aを有し、第一R状切れ刃24aは鋭角をなす第一前切れ刃22aと第一横切れ刃23aとの間に設けられる。第二チップ20bは、第二すくい面21bを有し、かつ第二すくい面21bを取囲む第二前切れ刃22b、第二R状切れ刃24bおよび第二横切れ刃23bを有し、第二R状切れ刃24bは鋭角をなす第二前切れ刃22bと第二横切れ刃23bとの間に設けられる。第一横切れ刃23aおよび第二横切れ刃23bはX軸に沿って延在し、第一前切れ刃22aおよび第二前切れ刃22bは、Y軸に沿って延在し、第一横切れ刃23aおよび第二横切れ刃23bはX軸に対して横切れ刃後退角θ1を有し、第一前切れ刃22aおよび第二前切れ刃22bは、Y軸に対して前切れ刃傾斜角θ2を有する。第一前切れ刃および第一R状切れ刃のX軸方向の最大x座標値x1と、第二前切れ刃22bおよび第二R状切れ刃24bのX軸方向の最大x座標値x2との間の差は50μm以下である。
【0024】
前切れ刃傾斜角θ2は0.1度以上20度以下であることが好ましい。横切れ刃後退角θ1は0.1度以上20度以下であることが好ましい。
【0025】
第一R状切れ刃24aおよび第二R状切れ刃24bの半径は0.01mm以上5mm以下であることが好ましい。
【0026】
第一および第二チップ20a,20bの各々は第一および第二前逃げ面25a,25bを有し、第一および第二前逃げ面25a,25bの前逃げ角θ3は0.1度以上20度以下であり、第一および第二チップ20a,20bの各々は第一および第二横逃げ面26a,26bを有し、第一および第二横逃げ面26a,26bの横逃げ角θ4は0.1度以上20度以下である。
【0027】
第一および第二すくい面21a,21bのX軸に対するすくい角θ5は−20度以上+20度以下であり、第一および第二すくい面21a,21bのY軸に対するすくい角θ6は−20度以上+20度以下である。
【0028】
超硬質工具材料は、超硬合金、サーメット、セラミックス、CBN焼結体、単結晶ダイヤモンド、およびダイヤモンド焼結体からなる群より選ばれた少なくとも一種である。
【0029】
切削工具はバイトである。そして回転している工作物を略凸状に旋削する。
なお、X軸方向のすくい角θ5およびY軸方向のすくい角θ6は工作物の種類、工作機械の種類、切削条件、要求精度および要求表面粗さなどにより、最適条件に設定する。工作物に倣って切削工具を移動しながら切削加工する際には、X軸方向のすくい角およびY軸方向のすくい角は共にゼロ度に設定することが好ましい。
【0030】
また工作物の種類、工作物の要求精度および要求平面粗さなどにより、最適な超硬質工具材料を選択する。たとえば、アルミニウム、銅、金、銀、白金、およびこれらの合金、その他の非鉄金属材料を鏡面切削する際には、単結晶ダイヤモンドを選択するのが好ましい。
【0031】
また「略凸状」とは、工作物の両端よりも中央部または中央部付近で窪んでいないことを意味しており、中央部または中央部付近が回転軸に対して平行になっていてもよい。
【0032】
本発明は、回転している工作物を2つのチップのいずれか一方が加工に作用して略凸状に旋削する切削加工法による。回転している工作物に倣って切削工具を移動しながら切削加工する際には、2つのチップのいずれか一方が切削加工に作用して略凸状に旋削する切削加工法を提供することができる。なお、2つのチップとしての第一チップ20aおよび第二チップ20bについて、X軸方向の相互の段差が僅かにあっても、工作物には段差が生じる。このようなときの対処法としては、工作物の段差を測定して、切削工具を移動しながら切削加工すればよい。
【0033】
以上のような発明では、台金の剛性が高いので、工作物の良好な表面粗さを安定して長期間に亘って得ることができる。さらに、工具の初期費用およびランニングコストを低減できる効果も得ることができる。
【0034】
図7および
図8は、実施の形態に従った切削工具による加工方法を説明するための図である。
図7を参照して、シャフト110に工作物120が取付けられており、シャフト110が回転することで工作物120も回転する。このような状態で、工作物120の左コーナー121に第一チップ20aを当接させる。そして矢印121Rで示す範囲を第一チップ20aで加工する。次に
図8を参照して、第二チップ20bを右コーナー122に接触させ矢印122rで示す範囲を加工する。これにより、工作物120の左右のコーナーを確保することができる。
【0035】
図9および
図10は、比較例に従った切削工具による加工方法を説明するための図である。
図9および
図10では、チップ20が1つのチップであり、前切れ刃22には前切れ刃傾斜角が設けられていない。このようなチップ20において
図9および
図10で示すような加工を施した場合には、矢印121Rおよび矢印122Rで示す加工の幅が狭くなる。その結果十分な加工を行なえない可能性がある。
【実施例1】
【0036】
焼入れ鋼からなる台金10に、多結晶ダイヤモンド焼結体(PCDという)第一チップ20aおよび第二チップ20bをロウ付けにより固着した。次に、工具研削盤を用いて、第一チップ20aおよび第二チップ20bを加工して、第一および第二前切れ刃22a,22b、第一および第二横切れ刃23a,23b、第一および第二R状切れ刃24a,24bを形成しPCDバイトを完成した。PCDバイトの刃先の詳細は、前切れ刃傾斜角θ2が7度、横切れ刃後退角θ1が7度、コーナーRは0.5mm、前逃げ角θ3が5度、横逃げ角θ4が5度、X軸方向すくい角θ5がゼロ度、Y軸方向すくい角θ6がゼロ度であった。第一チップ20aと第二チップ20bとの位置の差dは10μmであった。
【0037】
このPCDバイトを用いて、ゴム製の円盤状の工作物の外周を半径10mmの凸型の半R形状に旋削加工した。加工中にPCDバイトがビビリ振動する現象もなく、良好な工作物の表面粗さが得られた。
【実施例2】
【0038】
焼入れ鋼からなる台金10に、単結晶ダイヤモンドからなる第一チップ20aおよび第二チップ20bを、ロウ付けにより固着した。次に、工具研削盤を用いて、第一および第二チップ20a,20bを加工して、第一および第二前切れ刃22a,22b、第一および第二横切れ刃23a,23b、第一および第二R状切れ刃24a,24bを形成し単結晶ダイヤモンドバイトを完成した。単結晶ダイヤモンドバイトの刃先の詳細は、前切れ刃傾斜角θ2が7度、横切れ刃後退角θ1が7度、コーナーR(
図6)が0.5mm、前逃げ角θ3が5度、横逃げ角θ4が5度、X軸方向のすくい角θ5がゼロ度およびY軸方向すくい角θ6がゼロ度であった。2つの第一および第二チップ20a,20bのX軸方向の差dは5μmであった。
【0039】
この単結晶ダイヤモンドバイトを用い、アルミニウム合金製の円盤状の工作物の外周部を半径10mmの凸型の半R形状に旋削加工した。加工中に単結晶ダイヤモンドバイトがビビリ振動する現象もなく、良好な工作物の表面粗さが得られた。
【0040】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0041】
1 切削工具、10 台金、20a 第一チップ、20b 第二チップ、21a 第一すくい面、21b 第二すくい面、22a 第一前切れ刃、22b 第二前切れ刃、23a 第一横切れ刃、23b 第二横切れ刃、24a 第一R状切れ刃、24b 第二R状切れ刃、25a 第一前逃げ面、25b 第二前逃げ面、26a 第一横逃げ面、26b 第二横逃げ面、30 工具ホルダ、40 ボルト、110 シャフト、120 工作物。