特許第5663399号(P5663399)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663399
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】誘導加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20150115BHJP
【FI】
   H05B6/12 304
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-111980(P2011-111980)
(22)【出願日】2011年5月19日
(65)【公開番号】特開2012-243543(P2012-243543A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2013年8月23日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立アプライアンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(72)【発明者】
【氏名】武田 泰範
(72)【発明者】
【氏名】和田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】逸見 真朗
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 可奈
(72)【発明者】
【氏名】大友 博
(72)【発明者】
【氏名】坪田 伸也
(72)【発明者】
【氏名】庄子 哲也
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−166054(JP,A)
【文献】 特開2011−014261(JP,A)
【文献】 特開2009−059489(JP,A)
【文献】 特開2010−277906(JP,A)
【文献】 特開平11−87041(JP,A)
【文献】 特開2008−198367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に上面を覆うトッププレートと、
前記本体内に配置し前記トッププレートに載置する鍋を加熱する加熱コイルと、
該加熱コイルを固定するコイルベースと、
該コイルベースの外周には一辺を該コイルベースの外周と共用にして外周側に突出した略三角形の複数の支え片と、
前記加熱コイルを前記トッププレート側に保持するために各支え片を下方から持ち上げる圧縮コイルバネの複数のスプリングと、
各支え片を囲うように前記コイルベースに対して外側から略中心方向に開口した略つの字の形状をして前記支え片の横揺れの動きを規制するとともに前記コイルベースの上下方向の動きを案内する垂直壁からなる複数の案内壁とを備えており、
各案内壁の上端の高さは、無圧縮状態の各スプリング上に前記コイルベースを載置した時の各支え片の上面の位置より高い位置となることを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項2】
本体に上面を覆うトッププレートと、
前記本体内に配置し前記トッププレートに載置する鍋を加熱する加熱コイルと、
該加熱コイルを固定するコイルベースと、
該コイルベースの外周には一辺を該コイルベースの外周と共用にして外周側に突出した略三角形の複数の支え片と、
前記加熱コイルを前記トッププレート側に保持するために各支え片を下方から持ち上げる圧縮コイルバネの複数のスプリングと、
各支え片を囲うように前記コイルベース側に開口した鋭角の頂点を曲面とした前記支え片の横揺れの動きを規制するとともに前記コイルベースの上下方向の動きを案内する垂直壁からなる複数の案内壁とを備えており、
各案内壁の上端の高さは、無圧縮状態の各スプリング上に前記コイルベースを載置した時の各支え片の上面の位置より高い位置となることを特徴とする誘導加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチンに組み込む誘導加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の誘導加熱調理器は、本体上面に被せたトッププレートに載置する被加熱物の鍋底とトッププレート下面の加熱コイルは所定の距離を保つように本体に設けたスプリングで、加熱コイルを固定するコイルベースを支え、トッププレート下面に加熱コイルが押し付けられるものが知られている。
【0003】
例えば特許文献1に示されている図1に示されているように、誘導加熱コイルは支持台に載置されて加熱コイルユニットを構成している。加熱コイルユニットはスプリングによってトッププレートに押し付けられる。スプリングは筐体に設けられた支持軸に支持されている。支持台にはリング状の開口部を有するガイド部が設けられている。そして、組立時は、ガイド部にリング状の開口部を設けたことによりボスとの嵌合を見易くしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−59489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に示すものは、支持台に開口部を有したガイド部を設けて、前記開口部にボスを通すために、ボスは、ガイド部を有した支持台の外形より内側に位置するため、ボスの位置を確認するため前記開口部から覗くようにボスを探したり、作業時の目線をガイド部を有した支持台とボスの間に移動して、ガイド部に設けた前記開口部とボスの両方の位置関係を確認しながら嵌合の作業を行う必要があり、その点で作業に難がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本体に上面を覆うトッププレートと、前記本体内に配置し前記トッププレートに載置する鍋を加熱する加熱コイルと、該加熱コイルを固定するコイルベースと、該コイルベースの外周には一辺を該コイルベースの外周と共用にして外周側に突出した略三角形の複数の支え片と、前記加熱コイルを前記トッププレート側に保持するために各支え片を下方から持ち上げる圧縮コイルバネの複数のスプリングと、各支え片を囲うように前記コイルベースに対して外側から略中心方向に開口した略つの字の形状をして前記支え片の横揺れの動きを規制するとともに前記コイルベースの上下方向の動きを案内する垂直壁からなる複数の案内壁とを備えており、各案内壁の上端の高さは、無圧縮状態の各スプリング上に前記コイルベースを載置した時の各支え片の上面の位置より高い位置となるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コイルベースの配置作業が更に向上できる。また、コイルベースの横揺れの動きを規制できるとともに、コイルベースのスプリングからの脱落を防ぐことができ、さらに、コイルベースの上面に固定された加熱コイルを均等な力でトッププレートに押し当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施例の誘導加熱調理器をキッチンに組込んだ外観斜視図。
図2】同じく、誘導加熱調理器の後部から見た斜視図。
図3】同じく、誘導加熱調理器のトッププレート組を外した本体内部の構造図。
図4】一実施例の誘導加熱調理器のコイルベースを裏返した状態の構造図。
図5】一実施例の誘導加熱調理器の加熱コイルを外した本体内部の構造図。
図6】同じく、誘導加熱調理器のダクトの斜視図。
図7図5A部の拡大図。
図8図3のB部のC断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例を上記した図1から図8に従って説明する。
【0010】
本実施例は、システムキッチンに嵌め込むビルトイン型について説明する。
【0011】
図1から図3において、1はキッチンで、カウンタートップ1aの下部に箱型の収納部1bを設け、扉1cとその上部の側板1eで前面を覆っている。
【0012】
カウンタートップ1aに設けた取り付け穴1dの上面から本体7を落とし込み、本体のフランジ部7aで支える。
【0013】
本体7の左側側面である左側面7jの本体奥行きの略中央に固定穴60Lを備え、本体7の右側側面である右側面7kにも、本体奥行きの略中央に固定穴60Lと同一の固定穴60R(図示せず)を備える。固定穴60L,60Rは、横固定金具61(図示せず)を装着して本体7をカウンタートップ1aに固定する穴である。
【0014】
また、本体7の奥側側面である後面7pの本体幅の略中央に設けた固定穴70に回動して収納する固定金具71を備える。この固定穴70の内側に、固定孔70側の側面が開口し、排気口24の内部の一部に出っ張った箱状の支持部材73を設け上下に貫通させ右ネジ72によって固定金具71を支持している。そして、右ネジ72を回転することで固定金具71に設けられた雌ネジによって固定金具71が上昇して本体7をカウンタートップ1aに固定する。
【0015】
誘導加熱調理器の本体7の上面にはトッププレート2が水平に配置されている。
【0016】
トッププレート2は、耐熱性の高い結晶化ガラス製の厚さ約4mmのもので構成され、鉄等の磁性体又はアルミ等の非磁性体よりなる鍋等の調理容器を載置する。
【0017】
トッププレート2は、鍋を載置する位置を円で示す前側鍋載置部5,奥側鍋載置部6を設ける。
【0018】
前側鍋載置部5,奥側鍋載置部6に対応するようにトッププレート2の下方で本体7内の上部に、環状に形成された加熱コイル55(前側加熱コイル8と奥側加熱コイル9)が夫々にコイルベース81に固定され本体7の左前と右後で対角に配置されており、トッププレート2に載置された鍋等を誘導加熱する。加熱手段12は前側加熱コイル8と奥側加熱コイル9で構成される。
【0019】
トッププレート2の周囲は枠2aで覆われ、枠2aの前部には操作表示部4を、後部には排気出口2bを備え、排気出口2bを覆い着脱自在の排気カバー3を備えている。これら2,2a,3,4によりトッププレート組19を構成する。
【0020】
排気カバー3は、排気出口2bに異物が入るのを防止すると同時に通気を確保するために、板金にパンチングメタルや桟によって数ミリの丸穴やスリット穴を構成している。また、清掃性に配慮して排気カバー3は枠2aに載置するだけであり、前記の丸穴やスリット穴や、排気カバー3の周囲と枠2aの隙間から、排気出口2bに水が浸入するものである。
【0021】
操作表示部4は、前側加熱コイル8,奥側加熱コイル9に対応した前側操作部20,奥側操作部21と、前側表示部22,奥側表示部23とが設けられている。前側加熱コイル8,奥側加熱コイル9の通電状態の設定や操作を行い、通電状態等を表示する。
【0022】
制御部10は、一体となった電源部30と共に、PP材の樹脂製の下ケース10bに固定されて奥側加熱コイル9の下部に配置され、前側操作部20や奥側操作部21からの入力に基づきインバータ部50を制御し、前側加熱コイル8や奥側加熱コイル9へ供給する電力を制御する。また、加熱時は前側加熱コイル8や奥側過熱コイル9に備える温度センサ25からの情報に基づきインバータ部50を制御して前記同様に前側加熱コイル8や奥側加熱コイル9へ供給する電力を制御する。
【0023】
インバータ部50は、前側加熱コイル8の下方に配置され、前側加熱コイル8と奥側加熱コイル9に高周波電力を供給する。
【0024】
インバータ部50は後部にスイッチング素子を取付けたヒートシンク11bと、その他の発熱部品を搭載して高周波電力を発生している。本体7の高さを低くして設置性に配慮しているので、前側加熱コイル8の下方には、前側ファン17を配置している。そのため、ヒートシンク11bは本体7の後部に配置している。そして、ダクト11aでヒートシンク11bや発熱部品を囲み、ダクト11aの一端は後述のメインファン16に連通し、他端を本体7の後部の排気口24に向けて配置し、主流冷却風を誘導する流路を構成して効率よく冷却する。
【0025】
本体7の前側中央部には、インバータ部50を冷却するために、本体7の底面に有した吸気口(図示せず)より外気を吸気し、本体7の後向きに送風するメインファン16が設けられている。メインファン16はシロッコファンである。
【0026】
メインファン16からダクト11aで誘導された冷却風は、インバータ部50に搭載されたヒートシンク11bや発熱部品を冷却して、本体7の前側から後側へと大風量が勢いよく流れ効率よく冷却する。
【0027】
また、前側加熱コイル8の下部には本体7の底面に有した吸気口(図示せず)より外気を吸気し、前側加熱コイル8を専用に冷却する前側ファン17を設ける。
【0028】
前側ファン17の風は、前側加熱コイル8の下からコイルの下面に当てるのと同時に、内側コイル8aと外側コイル8bの間隙からコイルの上面を流れる。
【0029】
さらに、奥側加熱コイル9の下部には本体7の底面7gに有した吸気口(図示せず)より外気を吸気して、奥側加熱コイル9を専用に冷却する奥側ファン18を設ける。
【0030】
同様に奥側ファン18の風は、奥側加熱コイル9の下からコイルの下面に当てるのと同時に、内側コイル9aと外側コイル9bの間隙から奥側加熱コイル9の上面を流れる。
【0031】
前側ファン17,奥側ファン18は、プロペラファンである。そしてこれらの本体7の底面に設けた吸気口はカウンタートップ1a下の収納部1bに面して配置され、収納部1bの空気を吸気する。
【0032】
冷却風は本体7の後部、つまりインバータ部50の後側の底面と本体の後面7pと略コの字状の排気板41とで囲まれた排気口24から排気口24に連通する枠2aの排気出口2bを通り、排気カバー3を抜けて排気する。
【0033】
その排気板41は排気口24からインバータ部50や、電源部30に指が入らないように塞いでいる。
【0034】
次に、加熱コイル8を載置するコイルベース81について裏返した状態の構造図である図4によって構造を説明する。
【0035】
コイルベース81は、熱に強い樹脂で例えばPA材で成形され、内周84と外周81aを放射状のリブ85で結ぶ。
【0036】
また、コイルベース81の外周81aには、略三角形の形状をした支え片82を設けたもので、支え片82の一辺をコイルベース81の外周81aと共用にする形状になるように設けたものである。
【0037】
支え片82には、支え片82の先端近傍と、外周81aに近く、支え片82の付け根側との2箇所に、下向きに開口した筒状の突起83を一体に成形している。
【0038】
突起83は、コイルベース81の外周81aに近く支え片82の付け根側に備える突起を83aと支え片82の先端近傍側に備える突起を83bからなる。
【0039】
この突起83は、コイルベース81に載置した加熱コイルを複数機種の部品を共用化して取付け位置に対応するように設けている。
【0040】
コイルベース81の外周81aの上面側には、トッププレート2の下面に押し当てるスペーサ81bが設けられている。スペーサ81bにより前側加熱コイル8とトッププレート2の間隙が一定となる。
【0041】
奥側加熱コイル9は、コイルベース81を共用している。
【0042】
図5図7において、本体7において、前記したコイルベース81を支える構造について説明する。
【0043】
図5に示すように、ダクト11aには、前側加熱コイル8を載置するコイルベース81を支えるための固定部11c〜11eを設ける。そして、奥側加熱コイル9を載置するコイルベース81を支えるための固定部11f,11gを設け、制御部10を固定する下ケース10bに固定部10z(以上の各固定部を総じて固定部11と呼ぶ)を設けている。
【0044】
各固定部11の設けた位置は、コイルベース81の外周81aに設けた支え片82の下面で支え片82の付け根側に設けた突起83aの位置に合わせて設けられている。
【0045】
ダクト11aと前記した固定部11は、PP材樹脂で成形したダクト11aの各所に一体に成形されている。
【0046】
但し、本実施例ではダクト11aに固定片11を設けて説明したが、固定片11を設ける部位はダクト11aに限定するものではない。
【0047】
固定部11の構造を図7に示す固定部11cを例として説明する。図7は、図5に示したA部の拡大図である。
【0048】
固定部11cには、後述するスプリング固定部113と案内壁112を有している。
【0049】
スプリング固定部113は、内円形リブ110と外円形リブ111により構成される。内円形リブ110と外円形リブ111は同心円で、内円形リブ110の外径は、後記するスプリング120(図8)の内径よりも大きく、スプリング120を圧入して嵌合して固定するものである。内円形リブ110より外円形リブ111の高さを高くしている。
【0050】
そして、各固定部11に設けた各々の内円形リブ110と外円形リブ111と間隙底部109の高さ関係は全て同一高さとなるように設け、圧縮コイルバネ(押される力に対して戻ろうとするバネ)からなるスプリング120の圧縮が均一になるようにしてスプリング120を統一している。
【0051】
また、固定部11cには夫々に設けられた後記する案内壁112の上端は同一高さの位置である。
【0052】
案内壁112は、コイルベース81の略中心側に開口部を向けた略つの字の形状をした垂直壁であり、具体的には、図7に示すように鋭角の頂点を曲面とした垂直壁である。この案内壁112の内側面112aは、平面部112bと曲面部112cで構成される。そして案内壁112の上端112gの高さは、スプリング固定部113にスプリング120を固定して、その上に加熱コイル55を固定したコイルベース81をスプリング120に載置した時(但しスプリング120は無圧縮状態)の載置した支え片82の上面82cの位置より高い位置となるようにしている。
【0053】
案内壁112は、外円形リブ111に一部が繋がってもよい。
【0054】
また、図7においては、固定部11cの案内壁112が、固定部11fの案内壁112にリブ112dで繋がっていることを示している。
【0055】
図8は、図3のB部のC断面を示したものである。前記の固定部11cに、前側加熱コイル8を載置するコイルベース81が支えられる部分を示している。説明のため、本体7上にトッププレート2を組み立てた図として示す。
【0056】
固定部11に設けた案内壁112は、コイルベース81に設けた支え片82を外側から囲うように設け、少なくとも二ヶ所の支え片82を案内壁112の内側面112aにあてがって配置することで、三ヶ所目の支え片82の位置も自然に確定し、支え片82に設けた突起83とダクト11aに設けたスプリング固定部113との位置関係も自然に確定する寸法となるように設けている。
【0057】
ダクト11aに一体に成形したスプリング固定部113にスプリング120を圧入して嵌合して外円形リブ111の中で保持される。スプリング120は圧縮コイルバネでありコイルベース81をトッププレート2のある上方へ押し上げている。
【0058】
スプリング120の上部には、コイルベース81の支え片82に設けた突起83aが、スプリング120の内周側に挿入され、支え部82の下面82bに当接して保持される。また、支え片82の先端部に位置する突起83bは、スプリング固定部113に保持したスプリング120の上部には挿入できない位置関係になっている。
【0059】
コイルベース81の略三角形をした支え片82を、コイルベース81に対して外側から略中心方向に開口した略つの字の形状をした案内壁112によって囲うことで、コイルベース81の横揺れの動きは規制され、コイルベース81の上下方向の動きは、案内壁112の高さによって保持され、スプリング120の圧縮によりコイルベース81が上下に動くだけで、コイルベース81はスプリング120より脱落することは無く、コイルベース81の上面に固定された加熱コイル55をトッププレート2に押し当てる方向に均等な力が働く。
【0060】
以上の構成により、前側加熱コイル8を例に組立性について説明する。
【0061】
誘導加熱調理器の組立は、本体1の底面側から順次部品を載せて積み上げるように組立てられる。インバータ部50にダクト11aを被せた後、ダクト11aに設けられた三ヶ所の固定部11(11c,11d,11e)に備わるスプリング固定部113に夫々にスプリング120を保持させる。
【0062】
次に、前側加熱コイル8を前記配置した三ヶ所のスプリング120に保持すべく、前記加熱コイル8を固定したコイルベース118の支え片82を案内壁112の内側面112aに夫々あてがって載置することで、スプリング120の上端に突起83aが挿入されて完了する。
【0063】
以上のように、部品を積み上げて組み立てる時に、下方に位置する部品に設けた位置合わせをする部位が、上方に載置する部品より外側に位置することで、位置あわせする全ての部品の位置関係を上方から確認しながら作業ができるので組立性は飛躍的に向上することができる。
【0064】
以上本実施例によれば、コイルベースの配置作業が更に向上できる。
【符号の説明】
【0065】
1a カウンタートップ
2 トッププレート
2a 枠
2b 排気出口
3 排気カバー
4 操作表示部
7 本体
8 前側加熱コイル
9 奥側加熱コイル
10 制御部
11 固定部
11a ダクト(筐体部品)
16 メインファン
17 前側ファン
18 奥側ファン
50 インバータ部
55 加熱コイル
81 コイルベース
81a 外周
82 支え片
82a 側面
83 突起
112 案内壁
112a 内側面
113 スプリング固定部
120 スプリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8