(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
DPFケーシング部(1)と、入口側ケーシング部(2)と、出口側環状スペーサ(4)と出口側ケーシング部(3)とをケーシング構成部品として、ケーシング(6)を組み立てる、排気処理装置の製造方法であって、
DPFケーシング部(1)は、一端に排気入口端部(1b)を備え、他端に排気出口端部(1c)を備え、出口側ケーシング部(3)は、その中心軸線(3a)と直交する平面に沿う向きの排気導出管部(3b)を備え、出口側環状スペーサ(4)は、その中心軸線(4a)と直交する平面に沿う向きのDPF出口側の排気検出手段取付孔(14)を備え、
DPFケーシング部(1)の排気入口端部(1b)側に入口側ケーシング部(2)を配置するとともに、DPFケーシング部(1)の排気出口端部(1c)側に出口側ケーシング部(3)を配置し、DPFケーシング部(1)の排気出口端部(1c)と出口側ケーシング部(3)との間に出口側環状スペーサ(4)を配置し、
出口側環状スペーサ(4)は、金属環状体で、出口側ケーシング部(3)と出口側環状スペーサ(4)とDPFケーシング部(1)とを共締めするボルトナット(43)のボルト挿通孔を貫通形成可能な径方向の厚さ寸法と、排気検出手段取付孔(14)を貫通形成可能な軸長方向の厚さ寸法を有し、
出口側環状スペーサ(4)と出口側ケーシング部(3)の少なくとも一方をその中心軸線(4a)(3a)を回転中心として回転させて、この出口側環状スペーサ(4)と出口側ケーシング部(3)相互間の相対的な姿勢を調節することにより、DPF出口側の排気検出手段取付孔(14)と排気導出管部(3b)相互間の相対的な姿勢が異なる複数種の排気処理装置(8a)(8b)を造り分け、
前記DPF出口側の排気検出手段取付孔(14)として出口側差圧パイプ取付孔(4b)を用い、この出口側差圧パイプ取付孔(4b)に取り付けた出口側差圧パイプ(31)でDPF出口側の排気圧を差圧センサ(32)に伝達できるようにするに当たり、前記複数種の排気処理装置(8a)(8b)をそれぞれディーゼルエンジン(19)の上方に支持させた場合に、各出口側差圧パイプ取付孔(4b)がディーゼルエンジン(19)の上方に位置する排気処理装置(8a)(8b)の各出口側環状スペーサ(4)の下半部に位置するとともに、各出口側環状スペーサ(4)の外側に向かって上り傾斜するように、各出口側環状スペーサ(4)の姿勢を設定しておく、ことを特徴とする排気処理装置の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
《問題》 DPF出口側の排気検出手段取付孔と排気導出管部相互間の相対的な姿勢が調節された排気処理装置を得ることはできない。
出口側ケーシング部にDPF出口側の排気検出手段取付孔と排気導出管部とが設けられているため、DPF出口側の排気検出手段取付孔と排気導出管部相互間の相対的な姿勢は固定化され、DPF出口側の排気検出手段取付孔と排気導出管部相互間の相対的な姿勢が調節された排気処理装置を得ることはできない。
このため、DPF出口側の排気検出手段取付孔と排気導出管部の各姿勢に対する個別の要求に柔軟に対応することができない。
【0005】
本発明の課題は、DPF出口側の排気検出手段取付孔と排気導出管部相互間の相対的な姿勢が調節された排気処理装置を得ることができる、排気処理装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図1〜
図3に例示するように、DPFケーシング部(1)と、入口側ケーシング部(2)と、出口側環状スペーサ(4)と出口側ケーシング部(3)とをケーシング構成部品として、ケーシング(6)を組み立てる、排気処理装置の製造方法であって、
図1〜
図3に例示するように、DPFケーシング部(1)は、一端に排気入口端部(1b)を、他端に排気出口端部(1c)をそれぞれ備え、出口側ケーシング部(3)は、その中心軸線(3a)と直交する平面に沿う向きの排気導出管部(3b)を備え、出口側環状スペーサ(4)は、その中心軸線(4a)と直交する平面に沿う向きのDPF出口側の排気検出手段取付孔(14)を備え、
図1〜
図3に例示するように、DPFケーシング部(1)の排気入口端部(1b)側に入口側ケーシング部(2)を配置するとともに、DPFケーシング部(1)の排気出口端部(1c)側に出口側ケーシング部(3)を配置し、DPFケーシング部(1)の排気出口端部(1c)と出口側ケーシング部(3)との間に出口側環状スペーサ(4)を配置し、
図5に例示するように、出口側環状スペーサ(4)は、金属環状体で、出口側ケーシング部(3)と出口側環状スペーサ(4)とDPFケーシング部(1)とを共締めするボルトナット(43)のボルト挿通孔を貫通形成可能な径方向の厚さ寸法と、排気検出手段取付孔(14)を貫通形成可能な軸長方向の厚さ寸法を有し、
図1〜
図3に例示するように、出口側環状スペーサ(4)と出口側ケーシング部(3)の少なくとも一方をその中心軸線(4a)(3a)を回転中心として回転させて、この出口側環状スペーサ(4)と出口側ケーシング部(3)相互間の相対的な姿勢を調節することにより、
図8、
図9に例示するように、DPF出口側の排気検出手段取付孔(14)と排気導出管部(3b)相互間の相対的な姿勢が異なる複数種の排気処理装置(8a)(8b)を
造り分け、
図8、図9に例示するように、前記DPF出口側の排気検出手段取付孔(14)として出口側差圧パイプ取付孔(4b)を用い、この出口側差圧パイプ取付孔(4b)に取り付けた出口側差圧パイプ(31)でDPF出口側の排気圧を差圧センサ(32)に伝達できるようにするに当たり、前記複数種の排気処理装置(8a)(8b)をそれぞれディーゼルエンジン(19)の上方に支持させた場合に、各出口側差圧パイプ取付孔(4b)がディーゼルエンジン(19)の上方に位置する排気処理装置(8a)(8b)の各出口側環状スペーサ(4)の下半部に位置するとともに、各出口側環状スペーサ(4)の外側に向かって上り傾斜するように、各出口側環状スペーサ(4)の姿勢を設定しておく、ことを特徴とする排気処理装置の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 DPF出口側の排気検出手段取付孔と排気導出管部相互間の姿勢が調節された排気処理装置を得ることができる。
図1〜
図3に例示するように、出口側環状スペーサ(4)と出口側ケーシング部(3)の少なくとも一方をその中心軸線(4a)(3a)を回転中心として回転させて、この出口側環状スペーサ(4)と出口側ケーシング部(3)相互間の相対的な姿勢を調節することにより、
図8、
図9に例示するように、DPF出口側の排気検出手段取付孔(14)と排気導出管部(3b)相互間の相対的な姿勢が異なる複数種の排気処理装置(8a)(8b)を造り分けるので、DPF出口側の排気検出手段取付孔(14)と排気導出管部(3b)相互間の相対的な姿勢が調節された排気処理装置(8a)(8b)を得ることができる。
これにより、DPF出口側の排気検出手段取付孔(14)と排気導出管部(3b)の各姿勢に対する個別の要求に柔軟に対応することができる。
【0008】
《効果》 差圧センサの配置が容易になるとともに、各出口側差圧パイプ取付孔内での凝縮水等の氷結に起因する差圧検出の不具合を抑制することができる。
図8、
図9に例示するように、前記複数種の排気処理装置(8a)(8b)をそれぞれ
ディーゼルエンジン(19)の上方に支持させた場合に、各出口側差圧パイプ取付孔(4b)が
ディーゼルエンジン(19)の上方に位置する排気処理装置(8a)(8b)の各出口側環状スペーサ(4)の下半部に位置するとともに、各出口側環状スペーサ(4)の外側に向かって上り傾斜するように、各出口側環状スペーサ(4)の姿勢を設定しておくので、差圧センサ(32)を低い位置に納めることができるとともに、ケーシング(6)内から各出口側差圧パイプ取付孔(4b)内に凝縮水等が進入しにくく、また凝縮水等が進入したとしても、自重で各ケーシング(6)内に排出されやすい。このため、差圧センサ(32)の配置が容易になるとともに、各出口側差圧パイプ取付孔(4b)内での凝縮水等の氷結に起因する差圧検出の不具合を抑制することができる。
【0009】
(
請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明は、
請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 DPF入口側の排気検出手段取付孔と排気導出管部相互間の相対的な姿勢が調節された排気処理装置を得ることができる。
図1〜
図3に例示するように、出口側ケーシング部(3)と入口側環状スペーサ(5)の少なくとも一方をその中心軸線(3a)(5a)を回転中心として回転させて、出口側ケーシング部(3)と入口側環状スペーサ(5)の相対的な姿勢を調節することにより、DPF入口側の排気検出手段取付孔(15)と排気導出管部(3b)相互間の相対的な姿勢も異なる複数種の排気処理装置(8a)(8b)を造り分けるので、DPF入口側の排気検出手段取付孔(15)と排気導出管部
(3b)相互間の相対的な姿勢が調節された排気処理装置(8a)(8b)を得ることができる。
これにより、DPF入口側の排気検出手段取付孔(15)と排気導出管部(3b)の各姿勢に対する個別の要求にも柔軟に対応することができる。
【0010】
(
請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明は、
請求項2に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 差圧センサの配置が容易になるとともに、入口側差圧パイプ取付孔内での凝縮水等の氷結に起因する差圧検出の不具合を抑制することができる。
図8、
図9に例示するように、前記複数種の排気処理装置(8a)(8b)をそれぞれ
ディーゼルエンジン(19)の上方に支持させた場合に、
図7に例示するように、入口側差圧パイプ取付孔(5b)が
ディーゼルエンジン(19)の上方に位置する排気処理装置(8a)(8b)の各入口側環状スペーサ(5)の下半部に位置するとともに、各入口側環状スペーサ(5)の外側に向かって上り傾斜するように、各入口側環状スペーサ(5)の姿勢を設定しておくので、差圧センサ(32)を低い位置に納めることができるとともに、ケーシング(6)内から各入口側差圧パイプ取付孔(5b)内に凝縮水等が進入しにくく、凝縮水等が進入しにくく、また凝縮水等が進入したとしても、自重で各ケーシング(6)内に排出されやすい。このため、差圧センサ(32)の配置が容易になるとともに、各入口側差圧パイプ取付孔(5b)内での凝縮水等の氷結に起因する差圧検出の不具合を抑制することができる。
【0011】
(
請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明は、
請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 排気導入管部と排気導出管部の相対的な姿勢が調節された排気処理装置を得ることができる。
図1〜
図3に例示するように、入口側ケーシング部(2)と出口側ケーシング部(3)の少なくとも一方をその中心軸線(2a)(3a)を回転中心として回転させて、この入口側ケーシング部(2)と出口側ケーシング部(3)相互間の相対的な姿勢を調節することにより、排気導入管部(2b)と排気導出管部(3b)相互間の相対的な姿勢も異なる複数種の排気処理装置(8a)(8b)を造り分けるので、排気導入管部(2b)と排気導出管部(3b)相互間の相対的な姿勢が調節された排気処理装置(8a)(8b)を得ることができる。
これにより、排気導入管部(2b)と排気導出管部(3b)の各姿勢に対する個別の要求にも柔軟に対応することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1〜
図9は本発明の実施形態に係る排気処理装置の製造方法を説明する図であり、この実施形態では、ディーゼルエンジンの排気処理装置の製造方法について説明する。
この実施形態に係る製造方法は、
図1〜
図3に示すように、複数のケーシング構成部品(1)(2)(3)(4)(5)を組み合わせてケーシング(6)を組み立て、
図8、
図9に示す複数種の排気処理装置(8a)(8b)を造り分けるに当たり、出口側環状スペーサ(4)と出口側ケーシング部(3)の少なくとも一方を回転させることにより、また入口側環状スペーサ(5)と出口側ケーシング部(3)の少なくとも一方を回転させることにより、また入口側ケーシング部(2)と出口側ケーシング部(3)の少なくとも一方を回転させることにより、DPF出口側の排気検出手段取付孔(14)と排気導出管部(3b)相互間の相対的な姿勢の調節を行い、またDPF入口側の排気検出手段取付孔(15)と排気導出管部(3)相互間の相対的な姿勢の調節を行い、また排気導入管部(2b)と排気導出管部(3b)相互間の相対的な姿勢の調節を行うものである。
【0014】
図1〜
図3に示すように、DPFケーシング部(1)と、入口側ケーシング部(2)と、出口側環状スペーサ(4)と出口側ケーシング部(3)とをケーシング構成部品として、ケーシング(6)を組み立てる。
【0015】
図1〜
図3に示すように、DPFケーシング部(1)は、一端に排気入口端部(1b)を、他端に排気出口端部(1c)をそれぞれ備え、出口側ケーシング部(3)は、その中心軸線(3a)と直交する平面に沿う向きの排気導出管部(3b)を備え、出口側環状スペーサ(4)は、その中心軸線(4a)と直交する平面に沿う向きのDPF出口側の排気検出手段取付孔(14)を備える。
【0016】
図1〜
図3に示すように、DPFケーシング部(1)の排気入口端部(1b)側に入口側ケーシング部(2)を配置するとともに、DPFケーシング部(1)の排気出口端部(1c)側に出口側ケーシング部(3)を配置し、DPFケーシング部(1)の排気出口端部(1c)と出口側ケーシング部(3)との間に出口側環状スペーサ(4)を配置する。
図5に示すように、出口側環状スペーサ(4)は、金属環状体で、出口側ケーシング部(3)と出口側環状スペーサ(4)とDPFケーシング部(1)とを共締めするボルトナット(43)のボルト挿通孔を貫通形成可能な径方向の厚さ寸法と、排気検出手段取付孔(14)を貫通形成可能な軸長方向の厚さ寸法を有する。
【0017】
図1〜
図3に示すように、出口側環状スペーサ(4)と出口側ケーシング部(3)の少なくとも一方をその中心軸線(4a)(3a)を回転中心として回転させて、この出口側環状スペーサ(4)と出口側ケーシング部(3)相互間の相対的な姿勢を調節することにより、
図8、
図9に例示するように、DPF出口側の排気検出手段取付孔(14)と排気導出管部(3b)相互間の相対的な姿勢が異なる複数種の排気処理装置(8a)(8b)を造り分ける。
【0018】
この実施形態の製造方法では、
図1〜
図3に示すように、前記DPF出口側の排気検出手段取付孔(14)として出口側差圧パイプ取付孔(4b)を用い、この出口側差圧パイプ取出孔(4b)に取り付けた出口側差圧パイプ(31)でDPF出口側の排気圧を差圧センサ(32)に伝達できるようにするに当たり、
図8、
図9に例示するように、前記複数種の排気処理装置(8a)(8b)をそれぞれ支持体(9)
、すなわちディーゼルエンジン(19)の上方に支持させた場合に、各出口側差圧パイプ取付孔(4b)が
ディーゼルエンジン(19)の上方に位置する排気処理装置(8a)(8b)の各出口側環状スペーサ(4)の下半部に位置するとともに、各出口側環状スペーサ(4)の外側に向かって上り傾斜するように、各出口側環状スペーサ(4)の姿勢を設定しておく。
【0019】
この実施形態の製造方法では、
図1〜
図3に示すように、入口側環状スペーサ(5)もケーシング構成部品として、ケーシング(6)を組み立てる。
図1〜
図3に示すように、入口側環状スペーサ(5)は、その中心軸線(5a)と直交する平面に沿う向きのDPF入口側の排気検出手段取付孔(15)を備える。
図1〜
図3に示すように、DPFケーシング部(1)の排気入口端部(1b)と入口側ケーシング部(2)との間に入口側環状スペーサ(5)を配置する。
図1〜
図3に示すように、入口側環状スペーサ(5)と出口側ケーシング部(3)の少なくとも一方をその中心軸線(5a)(3a)を回転中心として回転させて、入口側環状スペーサ(5)と出口側ケーシング部(3)相互間の相対的な姿勢を調節することにより、DPF入口側の排気検出手段取付孔(15)と排気導出管部(3)相互間の相対的な姿勢も異なる複数種の排気処理装置(8a)(8b)を造り分ける。
【0020】
この実施形態の製造方法では、
図1〜
図3に示すように、前記DPF入口側の排気検出手段取付孔(15)として入口側差圧パイプ取付孔(5b)を用い、この入口側差圧パイプ取付孔(5b)に取り付けた入口側差圧パイプ(35)でDPF入口側の排気圧を差圧センサ(32)に伝達できるようにするに当たり、
図8、
図9に示すように、前記複数種の排気処理装置(8a)(8b)をそれぞれ支持体(9)
、すなわちディーゼルエンジン(19)の上方に支持させた場合に、
図7に示すように、入口側差圧パイプ取付孔(5b)が
ディーゼルエンジン(19)の上方に位置する排気処理装置(8a)(8b)の各入口側環状スペーサ(5)の下半部に位置するとともに、各入口側環状スペーサ(5)の外側に向かって上り傾斜するように、各入口側環状スペーサ(5)の姿勢を設定しておく。
【0021】
この実施形態の製造方法では、
図1〜
図3に示すように、入口側ケーシング部(2)は、その中心軸線(2a)と直交する平面に沿う向きの排気導入管部(2b)を備えたものを用意する。
そして、
図1〜
図3に示すように、入口側ケーシング部(2)と出口側ケーシング部(3)の少なくとも一方をその中心軸線(2a)(3a)を回転中心として回転させて、この入口側ケーシング部(2)と出口側ケーシング部(3)相互間の相対的な姿勢を調節することにより、
図8、
図9に示す排気導入管部(2b)と排気導出管部(3b)相互間の相対的な姿勢も異なる複数種の排気処理装置(8a)(8b)を造り分ける。
【0022】
DPF出口側の排気検出手段取付孔(14)と排気導出管部(3b)相互間の相対的な姿勢が異なる複数種の排気処理装置(8a)(8b)とは、異なる種類の排気処理装置(8a)(8b)のケーシング(6)の中心軸線(6a)を一致させ、このケーシング(6)の中心軸線(6a)と平行な向きに見て、DPF出口側の排気検出手段取付孔(14)同士を完全に重ね合わせた場合に、各排気導出管部(3b)同士が完全に重なり合うことがない排気処理装置(8a)(8b)同士をいう。
また、DPF入口側の排気検出手段取付孔(15)と排気導入管部(2b)相互間の相対的な姿勢も異なる複数種の排気処理装置(8a)(8b)とは、前記同様にして、DPF入口側の排気検出手段取付孔(15)同士を完全に重ね合わせた場合に、各排気導出管部(3b)同士も完全に重なり合うことがない排気処理装置(8a)(8b)同士をいう。
また、排気導出管部(3b)と排気導入管部(2b)相互間の相対的な姿勢も異なる複数種の排気処理装置(8a)(8b)とは、前記同様にして、排気導入管部(2b)同士を完全に重ね合わせた場合に、各排気導出管部(3b)同士も完全に重なり合うことがない排気処理装置(8a)(8b)同士をいう。
【0023】
ケーシング(6)の構成は、次の通りである。
図1〜
図3に示すように、DPFケーシング部(1)と、入口側ケーシング部(2)と、出口側環状スペーサ(4)と出口側ケーシング部(3)と、各入口側環状スペーサ(5)とをケーシング構成部品として、これらケーシング構成部品(1)(2)(3)(4)(5)の各中心軸線(1a)(2a)(4a)(3a)(5a)を一致させ、これらケーシング構成部品(1)(2)(3)(4)(5)でケーシング(6)を組み立てている。ケーシング(6)の中心軸線(6a)はケーシング構成部品(1)(2)(3)(4)(5)の各中心軸線(1a)(2a)(4a)(3a)(5a)と一致する。
【0024】
DPFケーシング部(1)の構成は、次の通りである。
図3に示すように、DPFケーシング部(1)内にDPF(21)を収容している。DPF(21)は、ディーゼル・パティキュレート・フィルタの略称で、排気ガス中のPM(粒子状物質)を捕捉する。DPFケーシング部(1)は、円筒形で、排気入口端部(1b)に入口フランジ(22)を、排気出口端部(1c)に出口フランジ(23)を備えている。これら両フランジ(22)(23)には、その片面に挟圧プレート(22a)(23a)を沿わせている。
【0025】
入口側ケーシング部(2)の構成は、次の通りである。
図3に示すように、入口側ケーシング部(2)は板金製の有底円筒体で、開口した排気出口端部(2c)に出口フランジ(24)を備えている。この出口フランジ(24)には、その片面に挟圧プレート(24a)を沿わせている。排気導入管部(2b)は、入口側ケーシング部(2)の径方向に沿わせている。図中の矢印(25)は導入排気である。この排気導入管部(2b)は、
図8、
図9に示すディーゼルエンジン(19)の排気マニホルドの排気出口(19a)から導出した排気中継管(11)の他、排気マニホルドの排気出口(19a)、過給機の排気出口(図外)等に接続する。
【0026】
図3に示すように、入口側ケーシング部(2)にDOC(26)を収容している。DOC(26)は、ディーゼル酸化触媒の略称で、DPF(21)の再生時に、ポスト噴射で排気ガス中に添加された未燃燃料を触媒燃焼させ、排気温度を高めるためのものである。
図1、
図2に示すように、入口側ケーシング部(2)には、その周壁にセンサ取付ボス(27)が設けられ、ここにDOC入口側排気温度センサ(28)が取り付けられている。このセンサ(28)で検出された検出値は、エンジンECU(図外)で演算され、DOC(26)の温度が活性化温度に到達するか否かの判別に用いられる。エンジンECUは、エンジン電子制御ユニットの略称である。
センサ取付ボス(27)は、入口側ケーシング部(2)の中心軸線(2a)と直交する平面に沿う向きに沿わせており、より具体的にいえば、入口側ケーシング部(2)の径方向に沿わせている。
【0027】
出口側ケーシング部(3)の構成は、次の通りである。
図3に示すように、出口側ケーシング部(3)は、板金製の有底円筒体で、開口した排気入口端部(3c)に入口フランジ(29)を備えている。この入口フランジ(29)には、その片面に挟圧板(29a)を沿わせている。排気導出管部(3b)は、出口側ケーシング部(3)の径方向に沿わせている。図中の矢印(30)は導出排気である。この排気導出管部(3b)には、
図8、
図9に示す排気導出ダクト(12a)(12b)等を接続する。
【0028】
出口側環状スペーサ(4)の構成は、次の通りである。
図5に示すように、出口側環状スペーサ(4)はDPF出口側の排気検出手段取付孔(14)を二種類備えており、一方は出口側差圧パイプ取付孔(4b)であり、他方はセンサ取付孔(33)である。
出口側差圧パイプ取付孔(4b)は、出口側環状スペーサ(4)の内周の接線方向に沿わせている。出口側差圧パイプ取付孔(4b)には、出口側差圧パイプ(31)の一端部を取り付ける。出口側差圧パイプ(31)は、金属製のパイプである。
センサ取付孔(33)は、出口側環状スペーサ(4)の中心軸線(4a)と直交する向きに沿わせており、より具体的にいえば、出口側環状スペーサ(4)の径方向に沿わせている。センサ取付孔(33)にはDPF出口側排気温度センサ(34)を取り付ける。このセンサ(34)で検出された検出値は、エンジンECUで演算され、DPF(21)の再生処理に利用される。
【0029】
出口側環状スペーサ(4)は、径方向に後述するボルトナット(43)のボルト挿通孔を貫通形成可能な寸法を有し、軸長方向にDPF出口側の排気検出手段取付孔(14)を貫通形成可能な寸法を有する、鋳造製(または鋳造製)の肉厚で中実の堅牢な金属環状体であり、これに後述するボルトナット(43)のボルト挿通孔とDPF出口側の排気検出手段取付孔(14)を貫通形成している。
この出口側環状スペーサ(4)を用いる利点は、次の通りである。
すなわち、板金円筒体であるDPFケーシング(1)や出口側ケーシング部(3)にボスを取り付けて、このボスにDPF出口側の排気検出手段取付孔(14)を形成する場合に比べ、堅牢な出口側環状スペーサ(4)を用いることにより、出口側差圧パイプ(31)やDPF出口側排気温度センサ(34)の姿勢が安定し、排気の差圧や温度の検出精度が高まる。また、DPFケーシング(1)や出口側ケーシング部(3)にボスを全周溶接で取り付ける場合には、DPFケーシング(1)の排気出口端部(1c)の出口フランジ(23)や出口側ケーシング部(3)の排気入口端部(3c)の入口フランジ(29)とボスとの間に溶接トーチが入る隙間が必要になるため、これらのフランジ(23)(29)からボスを離す必要があり、出口側環状スペーサ(4)を用いる場合に比べ、ケーシング(6)の軸長方向の寸法が長くなる。
【0030】
入口側環状スペーサ(5)の構成は、次の通りである。
図7に示すように、入口側環状スペーサ(5)はDPF入口側の排気検出手段取付孔(15)を二種類備えており、一方は入口側差圧パイプ取付孔(5b)であり、他方はセンサ取付孔(36)である。
入口側差圧パイプ取付孔(5b)は、入口側環状スペーサ(5)の内周の接線方向に沿わせている。入口側差圧パイプ取付孔(5b)には、入口側差圧パイプ(35)の一端部を取り付ける。入口側差圧パイプ(35)は、金属製のパイプで、DPF入口側の排気圧を差圧センサ(32)に導入するためのものである。
センサ取付孔(36)は、入口側環状スペーサ(5)の中心軸線(5a)と直交する平面に沿わせている。センサ取付孔(36)にはDPF入口側排気温度センサ(37)を取り付ける。このセンサ(37)で検出された検出値は、エンジンECUで演算され、DPF(21)の再生処理に利用される。このセンサ取付孔(36)は、入口側環状スペーサ(5)の径方向に沿わせている。
【0031】
入口側環状スペーサ(5)は、径方向に後述するボルトナット(42)のボルト挿通孔を貫通形成可能な寸法を有し、軸長方向にDPF入口側の排気検出手段取付孔(15)を貫通形成可能な寸法を有する、鋳造製(または鋳造製)の肉厚で中実の堅牢な金属環状体であり、これに後述するボルトナット(42)のボルト挿通孔とDPF入口側の排気検出手段取付孔(15)を貫通形成している。
この入口側環状スペーサ(5)を用いる利点は、次の通りである。
すなわち、板金円筒体であるDPFケーシング(1)や入口側ケーシング部(2)にボスを取り付けて、このボスにDPF入口側の排気検出手段取付孔(15)を形成する場合に比べ、堅牢な入口側環状スペーサ(5)を用いることにより、入口側差圧パイプ(35)やDPF入口側排気温度センサ(37)の姿勢が安定し、排気の差圧や温度の検出精度が高まる。また、板金円筒体であるDPFケーシング(1)や入口側ケーシング部(2)にボスを全周溶接で取り付ける場合には、DPFケーシング(1)の排気入口端部(1b)の入口フランジ(22)や入口側ケーシング部(2)の排気出口端部(2c)の出口フランジ(24)とボスの間に溶接トーチが入る隙間が必要になるため、これらのフランジ(22)(24)からボスを離す必要があり、入口側環状スペーサ(5)を用いる場合に比べ、ケーシング(6)の軸長方向の寸法が長くなる。
【0032】
差圧センサ(32)に関する構成は、次の通りである。
図1に示す差圧センサ(32)は、DPF入口側とDPF出口側の排気圧の差圧を検出するためのものである。この差圧センサ(32)で検出された差圧の検出値は、エンジンECUで演算され、DPF(21)のPM堆積量の推定に利用される。差圧センサ(32)と出口側差圧パイプ(31)、差圧センサ(32)と入口側差圧パイプ(35)とは、いずれもゴムパイプ(38)(39)を介して連通させている。
出口側環状スペーサ(4)と入口側環状スペーサ(5)との間にブラケット(40)を架設し、このブラケット(40)の各端部を両スペーサ(4)(5)に取り付け、このブラケット(40)に差圧センサ(32)を取り付けている。出口側差圧パイプ(31)と入口側差圧パイプ(35)を連結するパイプクランプ(41)も、このブラケット(40)に取り付けている。
【0033】
取付部(7)(7)の構成は、次の通りである。
図1、
図2に示すように、取付部(7)(7)は、入口側ケーシング(2)のフランジ(24)の挟圧板(24a)の一部を外向きに延長して構成されているとともに、出口側ケーシング(3)のフランジ(29)の挟圧板(29a)の一部を外向きに延長して構成されている。
図1、
図4に示すように、各挟圧板(24a)(29a)は、円環プレートを90°毎に分割した4枚1組の円弧板であり、
図4、
図7に示すように、各組の1枚の円弧板の両端部を両端側に延長し、各延長部分にボルト挿通孔(24b)(29b)をあけて、取付部(7)を形成している。
【0034】
ケーシング構成部品(1)(2)(3)(4)(5)と取付部(7)(7)の姿勢調節は、次のようにして行う。
図3に示すように、入口側ケーシング部(2)の出口フランジ(24)と、入口側環状スペーサ(5)と、DPFケーシング部(1)の排気入口端部(1b)の入口フランジ(22)と、両フランジ(24)(22)の挟圧板(24a)(22a)が、ボルトナット(42)で共締めされている。
図7に示すように、ボルトナット(42)は、周方向に45°の等しい離間角度で合計8個配置されている。
また、
図3に示すように、出口側ケーシング部(3)の入口フランジ(29)と、出口側環状スペーサ(4)と、DPFケーシング部(1)の排気出口端部(1c)の出口フランジ(23)と、両フランジ(29)(23)の挟圧板(29a)(23a)が、ボルトナット(43)で共締めされている。
図4に示すように、ボルトナット(43)は、周方向に45°の等しい離間角度で合計8個配置されている。
【0035】
このため、両ボルトナット(42)(43)でそれぞれ共締めされる部品の重なり合うボルト孔を相対的に前記45°の離間角度単位でずらして行くことにより、ケーシング構成部品(1)(2)(3)(4)(5)をそれぞれ各中心軸線(1)(2)(3)(4)(5)を回転中心として回転させ、ケーシング構成部品(1)(2)(3)(4)(5)の相対的な姿勢の調節を前記45°の離間角度単位で行うことができるとともに、取付部(7)(7)を備えた挟圧板(24a)(29a)もケーシング(6)の中心軸線(6a)を回転中心として回転させ、ケーシング(6)と取付部(7)(7)の相対的な姿勢の調節を前記45°の離間角度単位で行うことができる。
以上説明した全ての部品は、いずれも複数種の排気処理装置(8a)(8b)に共通して用いる共通部品である。
【0036】
この実施形態では、2種の排気処理装置(8a)(8b)を作り分けた。
図1〜8に示す特定種の排気処理装置(8a)と、
図9に示す他の排気処理装置(8b)は、DPF出口側の排気検出手段取付孔(14)と排気導出管部(3b)相互間の相対的な姿勢が90°異なる。また、DPF入口側の排気検出手段取付孔(15)と排気導入管部(2b)相互間の相対的な姿勢も90°異なる。また、排気導入管部(2b)と排気導出管部(3b)相互間の相対的な姿勢も90°異なる。
図8に示すように、特定種の排気処理装置(8a)は、支持体(9)に支持ステー(10)を介して取り付けた場合、排気導入管部(2b)の向きが水平前向きになり、排気導出管部(3b)の向きが水平前向きになり、各出口側差圧パイプ取付孔(4b)と各入口側差圧パイプ取付孔(5b)とは、いずれも各出口側環状スペーサ(4)と各入口側環状スペーサ(5)の下半部に位置するとともに、これらスペーサ(4)(5)の外側に向かって上り傾斜する。
また、
図9に示すように、他種の排気処理装置(8b)は、支持体(9)に支持ステー(10)を介して取り付けた場合、排気導入管部(2b)の向きが水平前向きになり、排気導出管部(3b)の向きが垂直上向きになり、各出口側差圧パイプ取付孔(4b)と各入口側差圧パイプ取付孔(5b)とは、いずれも各出口側環状スペーサ(4)と各入口側環状スペーサ(5)の下半部に位置するとともに、これらスペーサ(4)(5)の外側に向かって上り傾斜する。
【0037】
この支持体(9)はディーゼルエンジン(19)である。ディーゼルエンジン(19)に支持ステー(10)を固定し、支持ステー(10)に各排気処理装置(8a)(8b)の取付部(7)(7)を取付ボルト(7a)(7a)で固定し、各排気処理装置(8a)(8b)をシリンダヘッドカバー(46)の真上でディーゼルエンジン(19)に支持させる。