特許第5663476号(P5663476)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5663476新規ピロロ[2,3−a]カルバゾールおよびPIMキナーゼ阻害剤としてのそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663476
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】新規ピロロ[2,3−a]カルバゾールおよびPIMキナーゼ阻害剤としてのそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/407 20060101AFI20150115BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20150115BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20150115BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20150115BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20150115BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20150115BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   A61K31/407
   C07D487/04 137
   C07D487/04CSP
   A61P43/00 111
   A61P9/00
   A61P3/10
   A61P35/00
   A61P35/02
【請求項の数】11
【全頁数】58
(21)【出願番号】特願2011-515526(P2011-515526)
(86)(22)【出願日】2009年6月25日
(65)【公表番号】特表2011-526610(P2011-526610A)
(43)【公表日】2011年10月13日
(86)【国際出願番号】FR2009000788
(87)【国際公開番号】WO2010000978
(87)【国際公開日】20100107
【審査請求日】2012年6月12日
(31)【優先権主張番号】0803752
(32)【優先日】2008年7月3日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】502205846
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク
(73)【特許権者】
【識別番号】509201894
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ ブレズ パスカル−クレモン−フェラン ドゥジエム
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100145229
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 雅則
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(72)【発明者】
【氏名】アニゾン,ファブリース
(72)【発明者】
【氏名】モロー,パスカル
(72)【発明者】
【氏名】プルドム,ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】コーヘン,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】アボアボ,ベッティーナ
(72)【発明者】
【氏名】アク−ゲドゥ,ルフィン
(72)【発明者】
【氏名】ロシニョル,エミリー
【審査官】 中尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/058942(WO,A2)
【文献】 国際公開第2007/044407(WO,A2)
【文献】 Fousteris,M.A.,et al.,“Pyrrolo[2,3-a]carbazoles as Potential Cyclin Dependent Kinase 1 (CDK1) inhibitors. Synthesis, Biological Evaluation, and Binding Mode through Docking Simulations”,J. Med. Chem.,2008年 2月28日,Vol.51,No.4,P.1048-1052
【文献】 Pogacic,V.,et al.,“Structural Analysis Identifies Imidazo[1,2-b]Pyridazines as PIM Kinase Inhibitors with In vitro Antileukemic Activity”,Cancer Res.,2007年 7月15日,Vol.67,No.14,P.6916-6924
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/407
C07D 487/04
CA/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式I:
【化1】
(式中、
- R1 はHまたはスルホフェニル基であり、
- R2、R3 およびR4 は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはニトロ、ニトリル、ヒドロキシ、一つ以上の基R5で置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルコキシ、一つ以上の基R5で置換されていてもよいC5 〜C6 シクロアルコキシ、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロシクロアルコキシ、-SH、一つ以上の基R5で置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキルチオ、一つ以上の基R5で置換されていてもよいC6 アリール、一つ以上の基R5で置換されていてもよいC6 アリールオキシ、-NRaRb、-NRaC(O)-T1、-C(N-OH)-T3、-C(O)-T1、-C(O)-C(O)-T3、-C(O)-NRa-T1、-NRa-C(O)-T1、-O-C(O)-T1、-C(O)-O-T1、-O-T2-NRaRb、-O-T2-ORa、-O-T2-CO2Ra、-NRa-T2-NRaRb、-NRa-T2-ORa、-NRa-T2-CO2Ra もしくは-S(O)t-Ra、-S(O)t-ORa、-S(O)t-NRaRb、-P(O)t-Ra、-P(O)t-ORa、一つ以上の基R5で置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、一つ以上の基R5で置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルケニル、一つ以上の基R5で置換されていてもよいC1 〜C6 アルキニル、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロアリール、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロシクロアルキル、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロアリールオキシの中から選択される基を表し、
- R5 は、ハロゲン原子、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、C6 アリール、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 ハロアルキル、-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRb、ニトリル、ニトロ、-NRaC(O)-T1、C1 〜C6 アルコキシ、オキソ、-S(O)t-Ra、-S(O)t-ORa、-S(O)t-NRaRb、-P(O)t-Ra、-P(O)t-ORaの中から選択される基を表し、
- Ra およびRb は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 ハロアルキルおよびC6 アリールの中から選択される基を表し、Ra + Rb は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、単環式もしくは二環式の、酸素および窒素から選択される第2のヘテロ原子を環中に含んでいてもよく、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5〜10 原子の複素環を形成し、
- T1 は、水素原子、ハロゲン原子、または-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRbから選択される基で置換されていてもよい、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル基を表し、
- T2 は直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1-C6)アルキリデン鎖を表し、
- T3 は、-ハロゲン、-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRb (ここで、Ra およびRb は前記で定義されたとおりである)から選択される基を表し、
- tは0〜3の両端を含む整数を表し、
- A、B、CおよびDは、式Iの化合物を構成する環を示し、これらの環のそれぞれを特定するためだけのものである)
の少なくとも一つの化合物、またはその塩、光学異性体もしくはラセミ混合物の、少なくとも一つを含む、キナーゼPIM-1、PIM-2またはPIM-3の活性の阻害剤としての医薬組成物。
【請求項2】
少なくとも一つの化合物が、式I:
ここで、
- R1 はHまたはスルホフェニル基であり、
- R2 はH、またはCHO、(CH2)nOH、C(=O)NH2、C(=O)-CF3、(C=O)2Rc、(CH2)2NEt2、CH(OH)CH2N(Et)2、C(NOH)-(C=O)N(Et)2、NO2 およびBr(ここで、n = 1 または2であり、Rc = OCH3、OC2H5、N(C2H5)2である)の中から選択される基を表し、
- R3 およびR4 は、同一または異なって、互いに独立して、H、ハロゲン原子、OおよびNから選択される1つもしくは2つのヘテロ原子を含む、5-もしくは6-員のヘテロアリール基、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、メトキシ、ニトロ、ニトリル、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、SO2Rd;基(C=O)CH3、フェニル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルおよびカルボキシから選択される基で、または1もしくは2つのフッ素原子で、置換されていてもよいC6 アリールから選択され、ここで、Rd は基OH、CH3 もしくはNH2から選択される
を有することを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
少なくとも一つの化合物が、式I:
ここで、
- R1 はHまたはスルホフェニル基であり、
- R2 はH、またはCHO、(CH2)nOH、C(=O)NH2、C(=O)-CF3、(C=O)2Rc、(CH2)2NEt2、CH(OH)CH2N(Et)2、C(NOH)-(C=O)N(Et)2、NO2 およびBr(ここで、n = 1 または2であり、Rc は基OCH3またはOC2H5またはN(C2H5)2を表す)の中から選択される基を表し、
- R3 およびR4 は、同一または異なって、互いに独立して、H、ハロゲン原子ならびにメチル、エチル、ニトロ、ニトリル、トリフルオロメチル;基(C=O)CH3、フェニル、メトキシ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチル基から選択される基で、または1つもしくは2つのフッ素原子で置換されていてもよいC6 アリールの中からの基から選択される
を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
式Iの少なくとも一つの化合物が、1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルボキサミド、1-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル-2,2,2-トリフルオロエタノン、7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、7-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、6-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、7-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、6,8-ジクロロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-エチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒドおよび8-メチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒドから選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の医薬組成物。
【請求項5】
式Iの少なくとも一つの化合物が、1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒドおよび1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルボキサミドから選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の医薬組成物。
【請求項6】
次の式III:
【化2】
の2/1 塩化亜鉛-塩化コリンであるイオン液体の存在下での、式II:
【化3】
の1-ベンゼンスルホニル-1,4,5,6-テトラヒドロ-7H-インドール-7-オンおよび、フェニルヒドラジンもしくはフェニルが一つ以上の基R5で置換されたフェニルヒドラジンのフィッシャー インドール化を含むことを特徴とする、式I:
【化4】
(式中、
- R1 はHまたはスルホフェニル基であり、
- R2、R3 およびR4 は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはニトロ、ニトリル、ヒドロキシ、一つ以上の基R5で置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルコキシ、一つ以上の基R5で置換されていてもよいC5 〜C6 シクロアルコキシ、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロシクロアルコキシ、-SH、一つ以上の基R5で置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキルチオ、一つ以上の基R5で置換されていてもよいC6 アリール、一つ以上の基R5で置換されていてもよいC6 アリールオキシ、-NRaRb、-NRaC(O)-T1、-C(N-OH)-T3、-C(O)-T1、-C(O)-C(O)-T3、-C(O)-NRa-T1、-NRa-C(O)-T1、-O-C(O)-T1、-C(O)-O-T1、-O-T2-NRaRb、-O-T2-ORa、-O-T2-CO2Ra、-NRa-T2-NRaRb、-NRa-T2-ORa、-NRa-T2-CO2Ra もしくは-S(O)t-Ra、-S(O)t-ORa、-S(O)t-NRaRb、-P(O)t-Ra、-P(O)t-ORa、一つ以上の基R5で置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、一つ以上の基R5で置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルケニル、一つ以上の基R5で置換されていてもよいC1 〜C6 アルキニル、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロアリール、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロシクロアルキル、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロアリールオキシの中から選択される基を表し、
- R5 は、ハロゲン原子、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、C6 アリール、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 ハロアルキル、-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRb、ニトリル、ニトロ、-NRaC(O)-T1、C1 〜C6 アルコキシ、オキソ、-S(O)t-Ra、-S(O)t-ORa、-S(O)t-NRaRb、-P(O)t-Ra、-P(O)t-ORaの中から選択される基を表し、
- Ra およびRb は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 ハロアルキルおよびC6 アリールの中から選択される基を表し、Ra + Rb は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、単環式もしくは二環式の、酸素および窒素から選択される第2のヘテロ原子を環中に含んでいてもよく、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5〜10 原子の複素環を形成し、
- T1 は、水素原子、ハロゲン原子、または-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRbから選択される基で置換されていてもよい、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル基を表し、
- T2 は直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1-C6)アルキリデン鎖を表し、
- T3 は、-ハロゲン、-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRb (ここで、Ra およびRb は前記で定義されたとおりである)から選択される基を表し、
- tは0〜3の両端を含む整数を表し、
- A、B、CおよびDは、式Iの化合物を構成する環を示し、これらの環のそれぞれを特定するためだけのものである)
の化合物の合成方法。
【請求項7】
式I:
【化5】
(式中、
- R1 はHまたはスルホフェニル基であり、
- R2、R3 およびR4 は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはニトロ、ニトリル、ヒドロキシ、一つ以上の基R5で置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルコキシ、一つ以上の基R5で置換されていてもよいC5 〜C6 シクロアルコキシ、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロシクロアルコキシ、-SH、一つ以上の基R5で置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキルチオ、一つ以上の基R5で置換されていてもよいC6 アリール、一つ以上の基R5で置換されていてもよいC6 アリールオキシ、-NRaRb、-NRaC(O)-T1、-C(N-OH)-T3、-C(O)-T1、-C(O)-C(O)-T3、-C(O)-NRa-T1、-NRa-C(O)-T1、-O-C(O)-T1、-C(O)-O-T1、-O-T2-NRaRb、-O-T2-ORa、-O-T2-CO2Ra、-NRa-T2-NRaRb、-NRa-T2-ORa、-NRa-T2-CO2Ra もしくは-S(O)t-Ra、-S(O)t-ORa、-S(O)t-NRaRb、-P(O)t-Ra、-P(O)t-ORa、一つ以上の基R5で置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、一つ以上の基R5で置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルケニル、一つ以上の基R5で置換されていてもよいC1 〜C6 アルキニル、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロアリール、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロシクロアルキル、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロアリールオキシの中から選択される基を表し、
- R5 は、ハロゲン原子、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、C6 アリール、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 ハロアルキル、-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRb、ニトリル、ニトロ、-NRaC(O)-T1、C1 〜C6 アルコキシ、オキソ、-S(O)t-Ra、-S(O)t-ORa、-S(O)t-NRaRb、-P(O)t-Ra、-P(O)t-ORaの中から選択される基を表し、
- Ra およびRb は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 ハロアルキルおよびC6 アリールの中から選択される基を表し、Ra + Rb は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、単環式もしくは二環式の、酸素および窒素から選択される第2のヘテロ原子を環中に含んでいてもよく、一つ以上の基R5で置換されていてもよい5〜10 原子の複素環を形成し、
- T1 は、水素原子、ハロゲン原子、または-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRbから選択される基で置換されていてもよい、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル基を表し、
- T2 は直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1-C6)アルキリデン鎖を表し、
- T3 は、-ハロゲン、-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRb (ここで、Ra およびRb は前記で定義されたとおりである)から選択される基を表し、
- tは0〜3の両端を含む整数を表し、
- A、B、CおよびDは、式Iの化合物を構成する環を示し、これらの環のそれぞれを特定するためだけのものである、
但し、
- R1、R2、R3 およびR4 は全て同時にHであることはなく、
- R1 がスルホフェニル基であるとき、R2、R3 およびR4 は全て同時にHであることはなく、
- R2 がカルボキサミドまたはホルミル基であるとき、R1、R3 およびR4 は全て同時にHであることはない)
の化合物。
【請求項8】
式Iにおいて、
- R1 がHまたはスルホフェニル基であり、
- R2 がH、またはCHO、(CH2)nOH、C(=O)NH2、C(=O)-CF3、(C=O)2Rc、(CH2)2NEt2、CH(OH)CH2N(Et)2、C(NOH)-(C=O)N(Et)2、NO2 およびBr(ここで、n = 1または2であり、Rc = OCH3、OC2H5 またはN(C2H5)2である)の中から選択される基を表し、
- R3 およびR4 は、同一または異なって、互いに独立して、H、ハロゲン原子、OおよびNから選択される1つまたは2つのヘテロ原子を含む5-もしくは6-員のヘテロアリール基、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、メトキシ、ニトロ、ニトリル、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、SO2Rd;基(C=O)CH3、フェニル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルおよびカルボキシから選択される基で、または1もしくは2つのフッ素原子で、置換されていてもよいC6 アリールから選択され、ここで、Rd は基OH、CH3 もしくはNH2から選択される
ことを特徴とする、請求項7に記載の式Iの化合物。
【請求項9】
式Iにおいて、
- R1 がHまたはスルホフェニル基であり、
- R2 がH、またはCHO、(CH2)nOH、C(=O)NH2、C(O)-CF3、(C=O)2Rc、(CH2)2NEt2、CH(OH)CH2N(Et)2、C(NOH)-(C=O)N(Et)2、NO2 およびBr(ここで、n = 1または2であり、Rc は基OCH3、OC2H5 またはN(C2H5)2を表す)の中から選択される基を表し、
- R3 およびR4 は、同一または異なって、互いに独立して、H、ハロゲン原子ならびにメチル、エチル、ニトロ、ニトリル、トリフルオロメチル;基(C=O)CH3、フェニル、メトキシ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルから選択される基で、または1つもしくは2つのフッ素原子で、置換されていてもよいC6 アリールからの基から選択される
ことを特徴とする、請求項7または8に記載の化合物。
【請求項10】
式Iの化合物が、
- (1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)メタノール、
- 1-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノン、
- メチル 2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-2-オキソアセテート、
- エチル 2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-2-オキソアセテート、
- 2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)エタノール、
- 2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-N,N-ジエチル-2-オキソアセトアミド、
- 2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-N,N-ジエチルエタンアミン、
- 1-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-2-ジエチルアミノエタノール、
- 2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-N,N-ジエチル-2-ヒドロキシイミノエタンアミド、
- 1-ベンゼンスルホニル-7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-(4-アセチルフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-(3-メトキシフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-(4-ビフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-フェニル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-(4-フルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-(4-トリフルオロメトキシフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 8-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 6-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 9-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 9-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 6,8-ジクロロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-7-カルボニトリル、
- 7-ニトロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 9-エチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 9-(トリフルオロメチル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 8-メチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-(3-メトキシフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-(4-ビフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-フェニル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-(4-フルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-(4-トリフルオロメトキシフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 8-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 6-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 9-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 9-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 6,8-ジクロロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 3-ホルミル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-7-カルボニトリル、
- 7-ニトロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 9-エチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 8-メチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
から選択されることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項11】
式Iの化合物が、
1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル-2,2,2-トリフルオロエタノン、7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、7-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、6-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、7-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、6,8-ジクロロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-エチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒドおよび8-メチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒドから選択されることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一つに記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロロ[2,3-a]カルバゾール誘導体、それらを製造するための方法およびそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
PIMキナーゼ阻害剤は、心臓血管分野、2型糖尿病における作用、それらの抗増殖活性および特定の化学療法薬に対する耐性を阻害する可能性の理由で特に探索されている。
PIMキナーゼ、すなわちキナーゼPIM-1、PIM-2およびPIM-3は、特に癌化過程に関与する癌原遺伝子である。
【0003】
それらは、多くの過程、特に細胞の生存および転写調節ならびに増殖を調節するのに重要な役割を果たす酵素のファミリーを構成する。
これらの酵素は、種々のタイプの癌、特に白血病、リンパ腫および前立腺癌で過剰に発現される。
こらの酵素は、ラパマイシンのような化学療法剤およびチロシンキナーゼ活性での成長因子受容体阻害に対する耐性の過程にも関与する。
【0004】
それらは、Gilesらによる論文「A PIM kinase inhibitor, please」, Blood, 2005, 105, 4158-4159で明らかにされているように、新規な治療剤の開発のための選択の対象である。
特異的なPIMキナーゼ阻害剤はほとんど存在しない。「特異的PIMキナーゼ阻害剤」の用語は、PIMキナーゼのみを強く阻害し、他の大部分のキナーゼにはほとんどあるいは全く阻害を及ぼさない化合物を意味する。
ヒトゲノムは約500のキナーゼをコードし、したがって、選択性の問題は極めて重大である。
一般的に、化合物が、少なくとも30の他のキナーゼで試験されたけれど、特定のタイプのキナーゼを阻害するとき、特定のタイプのキナーゼの選択的阻害剤といわれる。
多くの公表文献が、PIMキナーゼを含むキナーゼの阻害剤を記載しているが、これらの阻害剤は選択的ではない。
【0005】
PIMキナーゼに対して選択的であると記載され化合物の唯一のファミリーは、次の:
− Pogacicらにより、Cancer Research 2007, 67, 6916-6924に記載されたイミダゾ[1,2-b]ピリダジン類、
− Holderらにより、Molecular Cancer Therapeutics 2007, 6, 163-172に記載されたクエルサタゲチンおよび
− Debreczeniらにより、Angewandte Chemie, Int. Ed., 2006, 45, 1580-1585に記載されたルテニウム錯体
である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、特定のピロロ[2,3-a]カルバゾール化合物が、少なくとも一つのPIMキナーゼの選択的阻害剤であり、かつこの選択性が67の試験されたキナーゼの一団(panel)中で発揮されることの発見に基づく。
【0007】
したがって、本発明は、次の式I:
【化1】
【0008】
(式中、
- R1 はHまたはスルホフェニル基であり、
- R2、R3 およびR4 は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはニトロ、ニトリル、ヒドロキシ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルコキシ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC5 〜C6 シクロアルコキシ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロシクロアルコキシ、-SH、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキルチオ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC6 アリール、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC6 アリールオキシ、-NRaRb、-NRaC(O)-T1、-C(N-OH)-T3、-C(O)-T1、-C(O)-C(O)-T3、-C(O)-NRa-T1、-NRa-C(O)-T1、-O-C(O)-T1、-C(O)-O-T1、-O-T2-NRaRb、-O-T2-ORa、-O-T2-CO2Ra、-NRa-T2-NRaRb、-NRa-T2-ORa、-NRa-T2-CO2Ra もしくは-S(O)t-Ra、-S(O)t-ORa、-S(O)t-NRaRb、-P(O)t-Ra、-P(O)t-ORa、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルケニル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC1 〜C6 アルキニル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロアリール、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロシクロアルキル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロアリールオキシの中からの基を表し、
【0009】
- R5 は、ハロゲン原子、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、C6 アリール、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 ハロアルキル、-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRb、ニトリル、ニトロ、-NRaC(O)-T1、C1 〜C6 アルコキシ、オキソ、-S(O)t-Ra、-S(O)t-ORa、-S(O)t-NRaRb、-P(O)t-Ra、-P(O)t-ORaの中から選択される基を表し、
- Ra およびRb は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 ハロアルキルおよびC6 アリールの中から選択される基を表し、Ra + Rb は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、単環式もしくは二環式の、酸素および窒素から選択される第2のヘテロ原子を任意に環中に含んでいてもよく、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5〜10 原子の複素環を形成し、
【0010】
- T1 は、水素原子、ハロゲン原子、または-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRbから選択される基で任意に置換されていてもよい、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル基を表し、
- T2 は直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1-C6)アルキリデン鎖を表し、
- T3 は、-ハロゲン、-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRb (ここで、Ra およびRb は前記で定義されたとおりである)の中から選択される基を表し、
- tは0〜3の両端を含む整数を表し、
- A、B、CおよびDは、式Iの化合物を構成する環を示し、これらの環のそれぞれを特定するためだけのものである)
の少なくとも一つの化合物、またはその塩、光学異性体もしくはラセミ混合物の、少なくとも一つのキナーゼPIM-1、PIM-2またはPIM-3の活性の阻害剤としての使用を提案する。
【0011】
好ましくは、用いられる少なくとも一つの化合物は、
- R1 がHまたはスルホフェニル基であり、
- R2 がH、またはCHO、(CH2)nOH、C(=O)NH2、C(=O)-CF3、(C=O)2Rc、(CH2)2NEt2、CH(OH)CH2N(Et)2、C(NOH)-(C=O)N(Et)2、NO2 およびBr(ここで、n = 1 または2であり、Rc = OCH3、OC2H5、N(C2H5)2である)の中からの基を表し、
- R3 およびR4 が、同一または異なって、互いに独立して、H、ハロゲン原子、OおよびNから選択される1つもしくは2つのヘテロ原子を含む、5-もしくは6-員のヘテロアリール基、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、メトキシ、ニトロ、ニトリル、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、SO2Rd;基 (C=O)CH3、フェニル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルおよびカルボキシから選択される基で、または1つもしくは2つのフッ素原子で、任意に置換されていてもよいC6 アリールから選択され、ここで、Rd は基OH、CH3 もしくはNH2から選択される
である式Iを有する。
【0012】
より好ましくは、用いられる少なくとも一つの化合物は、
- R1 がHまたはスルホフェニル基であり、
- R2 がH、またはCHO、(CH2)nOH、C(=O)NH2、C(=O)-CF3、(C=O)2Rc、(CH2)2NEt2、CH(OH)CH2N(Et)2、C(NOH)-(C=O)N(Et)2、NO2 およびBr(ここで、n = 1 または2であり、Rc は基OCH3またはOC2H5またはN(C2H5)2を表す)の中からの基を表し、
- R3 およびR4 が、同一または異なって、互いに独立して、H、ハロゲン原子ならびにメチル、エチル、ニトロ、ニトリル、トリフルオロメチル;基 (C=O)CH3、フェニル、メトキシ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルから選択される基で、または1もしくは2つのフッ素原子で任意に置換されていてもよいC6 アリールの中からの基から選択される
である式Iを有する。
【0013】
もっとも好ましくは、式Iの少なくとも一つの化合物は、1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルボキサミド、1-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル-2,2,2-トリフルオロエタノン、7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、7-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、6-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、7-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、6,8-ジクロロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-エチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒドおよび8-メチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒドから選択される。
【0014】
さらにより好ましくは、本発明で用いられる式Iの少なくとも一つの化合物は、1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール, 1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルボキサミド、1-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル-2,2,2-トリフルオロエタノン、7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、7-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、6-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、7-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、6,8-ジクロロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-エチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒドおよび8-メチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒドから選択される。
【0015】
本発明は、次の式I:
【化2】
【0016】
(式中、
- R1 はHまたはスルホフェニル基であり、
- R2、R3 およびR4 は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはニトロ、ニトリル、ヒドロキシ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルコキシ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC5 〜C6 シクロアルコキシ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロシクロアルコキシ、-SH、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキルチオ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC6 アリール、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC6 アリールオキシ、-NRaRb、-NRaC(O)-T1、-C(N-OH)-T3、-C(O)-T1、-C(O)-C(O)-T3、-C(O)-NRa-T1、-NRa-C(O)-T1、-O-C(O)-T1、-C(O)-O-T1、-O-T2-NRaRb、-O-T2-ORa、-O-T2-CO2Ra、-NRa-T2-NRaRb、-NRa-T2-ORa、-NRa-T2-CO2Ra もしくは-S(O)t-Ra、-S(O)t-ORa、-S(O)t-NRaRb、-P(O)t-Ra、-P(O)t-ORa、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルケニル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC1 〜C6 アルキニル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロアリール、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロシクロアルキル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロアリールオキシの中から選択される基を表し、
【0017】
- R5 は、ハロゲン原子、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、C6 アリール、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 ハロアルキル、-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRb、ニトリル、ニトロ、-NRaC(O)-T1、C1 〜C6 アルコキシ、オキソ、-S(O)t-Ra、-S(O)t-ORa、-S(O)t-NRaRb、-P(O)t-Ra、-P(O)t-ORaの中からの基を表し、
- Ra およびRb は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 ハロアルキルおよびC6 アリールの中から選択される基を表し、Ra + Rb は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、単環式もしくは二環式の、酸素および窒素から選択される第2のヘテロ原子を任意に環中に含んでいてもよく、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5〜10 原子の複素環を形成し、
【0018】
- T1 は、水素原子、ハロゲン原子、または-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRbから選択される基で任意に置換されていてもよい、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル基を表し、
- T2 は直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1-C6)アルキリデン鎖を表し、
- T3 は、-ハロゲン、-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRb (ここで、Ra およびRb は前記で定義されたとおりである)から選択される基を表し、
- tは0〜3の両端を含む整数を表し、
- A、B、CおよびDは、式Iの化合物を構成する環を示し、これらの環のそれぞれを特定するためだけのものである)
の化合物の合成法も提供し、それは、次の式III:
【0019】
【化3】
の2/1 塩化亜鉛-塩化コリンであるイオン液体の存在下での、式II:
【0020】
【化4】
の1-ベンゼンスルホニル-1,4,5,6-テトラヒドロ-7H-インドール-7-オンおよび、フェニルヒドラジンもしくはフェニルが一つ以上の基R5で置換されたフェニルヒドラジンのフィッシャー(Fischer)インドール化を含むことを特徴とする。
【0021】
本発明は、次の式I:
【化5】
(式中、
- R1 はHまたはスルホフェニル基であり、
- R2、R3 およびR4 は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはニトロ、ニトリル、ヒドロキシ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルコキシ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC5 〜C6 シクロアルコキシ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロシクロアルコキシ、-SH、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキルチオ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC6 アリール、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC6 アリールオキシ、-NRaRb、-NRaC(O)-T1、-C(N-OH)-T3、-C(O)-T1、-C(O)-C(O)-T3、-C(O)-NRa-T1、-NRa-C(O)-T1、-O-C(O)-T1、-C(O)-O-T1、-O-T2-NRaRb、-O-T2-ORa、-O-T2-CO2Ra、-NRa-T2-NRaRb、-NRa-T2-ORa、-NRa-T2-CO2Ra もしくは-S(O)t-Ra、-S(O)t-ORa、-S(O)t-NRaRb、-P(O)t-Ra、-P(O)t-ORa、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルケニル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC1 〜C6 アルキニル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロアリール、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロシクロアルキル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロアリールオキシの中から選択される基を表し、
【0022】
- R5 は、ハロゲン原子、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、C6 アリール、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 ハロアルキル、-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRb、ニトリル、ニトロ、-NRaC(O)-T1、C1 〜C6 アルコキシ、オキソ、-S(O)t-Ra、-S(O)t-ORa、-S(O)t-NRaRb、-P(O)t-Ra、-P(O)t-ORaの中から選択される基を表し、
- Ra およびRb は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 ハロアルキルおよびC6 アリールの中からの基を表し、Ra + Rb は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、単環式もしくは二環式の、酸素および窒素から選択される第2のヘテロ原子を任意に環中に含んでいてもよく、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5〜10 原子の複素環を形成し、
【0023】
- T1 は、水素原子、ハロゲン原子、または-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRbから選択される基で任意に置換されていてもよい、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル基を表し、
- T2 は直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1-C6)アルキリデン鎖を表し、
- T3 は、-ハロゲン、-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRb (ここで、Ra およびRb は前記で定義されたとおりである)から選択される基を表し、
- tは0〜3の両端を含む整数を表し、
- A、B、CおよびDは、式Iの化合物を構成する環を示し、これらの環のそれぞれを特定するためだけのものである、
【0024】
但し、
- R1、R2、R3 およびR4 は全て同時にHであることはなく、
- R1 がスルホフェニル基であるとき、R2、R3 およびR4 は全て同時にHであることはなく、
- R2 がカルボキサミドまたはホルミル基であるとき、R1、R3 およびR4 は全て同時にHであることはない)
の化合物も提供する。
【0025】
好ましくは、これらの化合物は、
- R1 がHまたはスルホフェニル基であり、
- R2 がH、またはCHO、(CH2)nOH、C(=O)NH2、C(=O)-CF3、(C=O)2Rc、(CH2)2NEt2、CH(OH)CH2N(Et)2、C(NOH)-(C=O)N(Et)2、NO2 およびBr(ここで、n = 1または2であり、Rc = OCH3、OC2H5 またはN(C2H5)2である)の中から選択される基を表し、
- R3 およびR4 は、同一または異なって、互いに独立して、H、ハロゲン原子、OおよびNから選択される1つまたは2つのヘテロ原子を含む5-もしくは6-員のヘテロアリール基、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、メトキシ、ニトロ、ニトリル、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、SO2Rd;基(C=O)CH3、フェニル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルおよびカルボキシから選択される基で、または1つもしくは2つのフッ素原子で、任意に置換されていてもよいC6 アリールから選択され、ここで、Rd は基OH、CH3 もしくはNH2から選択される
式Iを有する。
【0026】
より好ましくは、これらの化合物は、
- R1 がHまたはスルホフェニル基であり、
- R2 がH、またはCHO、(CH2)nOH、C(=O)NH2、C(O)-CF3、(C=O)2Rc、(CH2)2NEt2、CH(OH)CH2N(Et)2、C(NOH)-(C=O)N(Et)2、NO2 およびBr(ここで、n = 1または2であり、Rc は基OCH3、OC2H5 またはN(C2H5)2を表す)の中からの基を表し、
- R3 およびR4 は、同一または異なって、互いに独立して、H、ハロゲン原子ならびにメチル、エチル、ニトロ、ニトリル、トリフルオロメチル;基(C=O)CH3、フェニル、メトキシ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルから選択される基で、または1つもしくは2つのフッ素原子で任意に置換されていてもよいC6 アリールの中から選択される基から選択される
式Iを有する。
【0027】
さらにより好ましくは、式Iの化合物は、
- (1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)メタノール、
- 1-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノン、
- メチル 2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-2-オキソアセテート、
- エチル 2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-2-オキソアセテート、
- 2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)エタノール、
【0028】
- 2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-N,N-ジエチル-2-オキソアセトアミド、
- 2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-N,N-ジエチルエタンアミン、
- 1-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-2-ジエチルアミノエタノール、
- 2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-N,N-ジエチル-2-ヒドロキシイミノエタンアミド、
- 1-ベンゼンスルホニル-7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
【0029】
- 7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-(4-アセチルフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-(3-メトキシフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-(4-ビフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
【0030】
- 7-フェニル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-(4-フルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-(4-トリフルオロメトキシフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
【0031】
- 8-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 6-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 9-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 9-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
【0032】
- 6,8-ジクロロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-7-カルボニトリル、
- 7-ニトロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 9-エチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 9-(トリフルオロメチル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
【0033】
- 8-メチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、
- 7-(3-メトキシフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-(4-ビフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-フェニル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-(4-フルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
【0034】
- 7-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-(4-トリフルオロメトキシフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 8-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 6-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
【0035】
- 9-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 7-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 9-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 6,8-ジクロロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 3-ホルミル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-7-カルボニトリル、
【0036】
- 7-ニトロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 9-エチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、
- 8-メチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
から選択される。
【0037】
最も好ましい本発明の化合物は、1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル-2,2,2-トリフルオロエタノン、7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、7-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、6-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、7-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、6,8-ジクロロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド、9-エチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒドおよび8-メチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒドである。
【0038】
次の説明のための記載を読むと、本発明がより明確に理解されるであろうし、本発明のその他の有利性および特徴がより明確になるであろう。
【0039】
本発明は、次の式I:
【化6】
【0040】
(式中、
- R1 はHまたはスルホフェニル基であり、
- R2、R3 およびR4 は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはニトロ、ニトリル、ヒドロキシ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルコキシ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC5 〜C6 シクロアルコキシ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロシクロアルコキシ、-SH、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキルチオ、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC6 アリール、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC6 アリールオキシ、-NRaRb、-NRaC(O)-T1、-C(N-OH)-T3、-C(O)-T1、-C(O)-C(O)-T3、-C(O)-NRa-T1、-NRa-C(O)-T1、-O-C(O)-T1、-C(O)-O-T1、-O-T2-NRaRb、-O-T2-ORa、-O-T2-CO2Ra、-NRa-T2-NRaRb、-NRa-T2-ORa、-NRa-T2-CO2Ra もしくは-S(O)t-Ra、-S(O)t-ORa、-S(O)t-NRaRb、-P(O)t-Ra、-P(O)t-ORa、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルケニル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよいC1 〜C6 アルキニル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロアリール、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロシクロアルキル、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5-もしくは6-員のヘテロアリールオキシの中から選択される基を表し、
【0041】
- R5 は、ハロゲン原子、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、C6 アリール、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 ハロアルキル、-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRb、ニトリル、ニトロ、-NRaC(O)-T1、C1 〜C6 アルコキシ、オキソ、-S(O)t-Ra、-S(O)t-ORa、-S(O)t-NRaRb、-P(O)t-Ra、-P(O)t-ORaの中から選択される基を表し、
- Ra およびRb は、同一または異なって、互いに独立して、水素原子、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 ハロアルキルおよびC6 アリールの中から選択される基を表し、Ra + Rb は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、飽和もしくは不飽和の、単環式もしくは二環式の、酸素および窒素から選択される第2のヘテロ原子を任意に環中に含んでいてもよく、一つ以上の基R5で任意に置換されていてもよい5〜10 原子の複素環を形成し、
【0042】
- T1 は、水素原子、ハロゲン原子、または-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRbから選択される基で任意に置換されていてもよい、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 〜C6 アルキル基を表し、
- T2 は直鎖状もしくは分枝鎖状の(C1-C6)アルキリデン鎖を表し、
- T3 は、-ハロゲン、-ORa、-NRaRb、-CO2Ra、-C(O)Ra および-C(O)NRaRb (ここで、Ra およびRb は前記で定義されたとおりである)から選択される基を表し、
- tは0〜3の両端を含む整数を表し、
- A、B、CおよびDは、式Iの化合物を構成する環を示し、これらの環のそれぞれを特定するためだけのものである)
を有する化合物が、67のキナーゼで試験されたとき、少なくとも一つのキナーゼPIM-1、PIM-2またはPIM-3の選択的阻害剤であるという発見に基づく。
【0043】
少なくとも一つのキナーゼPIM-1、PIM-2またはPIM-3の選択的阻害のそれらの性質のため、本発明の化合物は抗癌分野で特に有利な性質を有する。これらの化合物は、単独または治療的組合せ、特に他の抗癌剤、例えばパクリタキセル、タモキシフェンおよびその誘導体、シスプラチンおよびその類似物質、イリノテカンおよびその代謝物、種々のアルキル化剤、エトポシド、ビンカアルカロイド類、アントラサイクリン類、ニトロソウレア類、ホルモン療法ならびに放射線療法との組合せのいずれかで用いられ得る。
【0044】
式Iのこれらの化合物は、それらの元のままの形態またはそれらの光学的異性体の形態またはこれらの光学異性体のラセミ混合物の形態または式Iのこれらの化合物と医薬的に許容される酸もしくは塩基との付加塩の形態で用いられ得る。
少なくとも一つのキナーゼPIM-1、PIM-2またはPIM-3の選択的阻害剤として用いられる式Iの好ましい、より好ましい、最も好ましいおよびさらにより好ましい化合物は、前記で定義されている。
【0045】
基R2、R3 および/またはR4 それ自身が一つ以上の基R5で置換されている基であるとき、それは少なくとも2つの基R5で置換されているのが好ましい。。
基R2、R3 および/またはR4 それ自身が2つの基R5で置換されている基であるとき、2つの基R5は同一であるのが好ましい。
【0046】
式Iの特定の化合物は既に記載されている。これらは、R1、R2、R3 およびR4 が全て同時にHである化合物、R1 がスルホフェニル基であり、R2、R3 およびR4 が全て同時にHである化合物、ならびにR2 がカルボキサミド基またはホルミル基であり、R1、R3 およびR4 が全て同時にHである化合物である。
【0047】
しかしながら、これらの化合物が、少なくとも一つのキナーゼPIM-1、PIM-2またはPIM-3の選択的阻害剤としては今まで記載されていない。本発明以前に、それらがそのような阻害剤になり得ることも、および少しも(all the less)そのような選択性を有することは今まで示されていない。
【0048】
一方、R1、R2、R3 およびR4 が全て同時にHであることはないか、またはR1 がスルホフェニル基であるが、R2、R3 およびR4 が全て同時にHであることはないか、あるいはR2 がカルボキサミド基もしくはホルミル基であるが、R1、R3 およびR4 が全て同時にHであることはない式Iの化合物は、以前に決して記載されていない。
【0049】
したがって、これらの化合物は本発明の対象物である。
そのような、好ましい、より好ましいおよび最も好ましい化合物は前に記載されている。
【0050】
本発明は、これらのピロロ[2,3-a]カルバゾール誘導体を製造するための標準的な方法の代替手段として用いられ得る、式Iの化合物を製造するための方法も提案する。
この方法は、イオン液体、2/1 塩化亜鉛-塩化コリンの存在下での、1-ベンゼンスルホニル-1,4,5,6-テトラヒドロ-7H-インドール-7-オンおよび、フェニルヒドラジンもしくはフェニルが一つ以上の基R5で置換されたフェニルヒドラジンのフィッシャー インドール化反応を含む。
【実施例】
【0051】
本発明をより明確に理解させるために、それらのいくつかの実施態様が、純粋に説明するものであって限定するものでない実施例として、記載される。
【0052】
I) 合成の実施例
以下の実施例に記載された化合物の構造は、通常の方法(赤外分析計、質量分析計、核磁気共鳴分析計等)により決定される。核磁気共鳴分析計のデータにおいて、略語「bs」は、幅広いシグナルを意味する。
【0053】
製造例A:1-ベンゼンスルホニルピロールの合成
【化7】
【0054】
本発明の化合物の合成のために用いられる1-ベンゼンスルホニル-1,4,5,6-テトラヒドロ-7H-インドール-7-オンを製造するために、1-ベンゼンスルホニルピロールが役立つ。
この化合物は、B. P. Smartらによる、J. Med. Chem., 2006, 49, 2858-2860に記載された方法に従って得られる。
【0055】
製造例B:1-ベンゼンスルホニル-1,4,5,6-テトラヒドロ-7H-インドール-7-オンの合成
【化8】
【0056】
この化合物は、M. Kakushimaらによる、J. Org. Chem., 1983, 48, pp. 3214-3219に記載された方法に従って得られる。
【0057】
製造例C:イオン液体 2/1 塩化亜鉛-塩化コリンの製造
【化9】
【0058】
トルエン (200 mL)中の塩化コリン (10.0 g; 71.6 mmol)および塩化亜鉛 (19.5 g; 143 mmol)の混合物を、ディーン-スターク装置中、激しく撹拌して15時間還流する。冷却および沈降による相分離後、イオン液体が黄色の油状物の形態で得られる。極めて吸湿性であるイオン液体は、直接用いられるか、無水エーテル中、アルゴン下で保存され得る。
【0059】
実施例1:1-ベンゼンスルホニル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化10】
【0060】
方法1:
工程A:ニトロメタン (360 mL)中の製造例Bの化合物 (9.65 g; 35.0 mmol)およびフェニルヒドラジン (6.92 mL; 70.3 mmol)の溶液を還流で3時間撹拌する。
【0061】
工程B:ジクロロメタン (350 mL)中のヘキサメチルジロキサン (23.9 mL; 112 mmol)の溶液に、P2O5 (9.91 g; 69.8 mmol)を加え、次いで、混合物を還流で40分間撹拌する。溶媒を蒸留により除去し、残留液体を180℃で5分間加熱する。 得られる油状物(PPSE)をニトロメタン (180 mL)で希釈し、該溶液を前の工程で得られた製造物中に移す。混合物を撹拌して6時間還流し、次いでDDQ (3.50 g; 15.4 mmol)を加える。混合物を室温で12時間撹拌し、次いでセライトにより濾過し、真空下に濃縮する。次いで残渣にEt2Oを加え、該溶液をシリカにより濾過する。濾液を濃縮し、次いでフラッシュ シリカのカラムでのクロマトグラフィー (溶出液:9/1 シクロヘキサン/Et2O)により精製する。蒸発後、得られる固体をメタノール (20 mL)、次いでEt2O (2×50 mL)で洗浄し、ベージュ色の固体の形態で、所期の化合物 (4.40 g; 12.7 mmol; 収率 = 36%)を得る。
【0062】
方法2:
フェニルヒドラジン (393 mg; 3.63 mmol)、製造例Bの化合物 (500 mg; 1.82 mmol)および製造例Cのイオン液体 (5.25 g; 12.7 mmol)の混合物を120℃で2時間撹拌する。得られる褐色の油状物を冷却し、0.5 M HCl水溶液を加える。混合物を酢酸エチル (3×50 mL)で抽出する。合わせた有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO4 で乾燥し、濾過する。得られる溶液は、主生成物としてインドール化生成物および少ない生成物として予期の生成物を含む。
この溶液にDDQ (0.29 g; 1.28 mmol; DDQの必要量は中間体混合物の1H NMRスペクトルから決定する)を加え、混合物を室温で15時間撹拌する。混合物を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、次いでシリカ上で濃縮し、続いてフラッシュ シリカゲルでのクロマトグラフィー (95/5、次いで 90/10 ペンタン/酢酸エチル)により精製し、白色の固体の形態で、予期の化合物 (0.49 g; 1.41 mmol; 収率 = 78%)を得る。
【0063】
融点: 148℃
IR (KBr): 3430, 1630, 1610 cm-1
高分解能マススペクトル (ESI+): C20H15N2O2S(M+H)+の計算値 347.0854; 実測値 347.0861
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.85 (1H, d, J = 3.5 Hz); 7.28-7.39 (4H, m); 7.44-7.52 (2H, m); 7.53 (1H, d, J = 3.5 Hz); 7.64 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.75- 7.80 (2H, m); 8.01 (1H, d, J = 8.0 Hz); 8.12 (1H, d, J = 8.0 Hz); 10.12 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 111.4; 112.6; 113.0; 117.1; 119.9 (2C); 125.5; 126.1; 126.7 (2C); 129.5 (2C); 133.9 (CH); 120.4; 121.9; 123.8; 127.0; 130.6; 137.9; 138.8 (C)
【0064】
実施例2:1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化11】
【0065】
メタノール (1.0 L)中の実施例1の化合物 (3.12 g; 9.0 mmol)の懸濁液に、5M NaOH 水溶液 (125 mL)を加える。混合物を還流で12時間撹拌する。反応混合物を、沈殿が形成するまで真空下に濃縮し、濾過により回収する。得られる固体をMeOH (10 mL)、次いでEt2O (2×30 mL)で洗浄し、オフホワイト色の固体の形態で、予期の化合物 (1.71 g; 8.3 mmol; 収率 = 92%)を得る。
【0066】
融点: 295℃
IR (KBr): 3420, 3385, 1650, 1455, 1445, 1395, 1345, 1310 cm-1
高分解能マススペクトル (ESI+): C14H11N2 (M+H)+ の計算値207.0922; 実測値 207.0925
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.61 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.18 (1H, ddd, J1 = 8.0 Hz, J2 = 7.0 Hz, J3 = 1.0 Hz); 7.33 (1H, ddd, J1 = 8.0 Hz, J2 = 7.0 Hz, J3 = 1.0 Hz); 7.37 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.42 (1H, t, J = 3.0 Hz); 7.64 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.75 (1H, d, J 8.5 Hz); 8.07 (1H, d, J = 7.5 Hz); 10.88 (1H, bs, NH); 10.95 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 102.8; 111.2; 112.0; 112.1; 118.6; 119.0; 123.3; 123.6 (CH); 116.2; 121.8; 124.1; 126.2; 126.4; 138.1 (C)
【0067】
実施例3:1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化12】
【0068】
無水ジクロロメタン (6 mL)中のオキサリル クロライド (19.5 μL; 0.223 mmol)およびDMF (18.9 μL; 0.244 mmol)の溶液を、0℃で20分間撹拌する。次いで、無水ジクロロメタン (6 mL)中の実施例2の化合物 (43.6 mg; 0.211 mmol)の溶液を滴下する。混合物を0℃で20分間、次いで室温で2.5時間撹拌する。溶媒を蒸発除去し、次いで5% m/v NaOH水溶液 (12 mL)を加える。混合物を室温で12時間撹拌し、次いで水を加える。EtOAcで抽出後、有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、蒸発した。残渣をフラッシュ シリカゲルでのクロマトグラフィー (溶出勾配 7/3〜5/5 シクロヘキサン/EtOAc)で精製し、オフホワイト色の固体の形態で、予期の化合物(32.4 mg; 0.138 mmol; 収率 = 66%) を得る。
【0069】
融点 > 290℃
IR (KBr): 3450-3150, 1630, 1615 cm-1
高分解能マススペクトル (ESI+): C15H11N2O (M+H)+ の計算値235.0871; 実測値 235.0882
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): 7.23 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.40 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.70 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.96 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.00 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.15 (1H, d, J = 7.5 Hz); 8.33 (1H, d, J = 2.0 Hz); 10.07 (1H, s); 11.10 (1H, bs); 11.93 (1H, bs)
13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): 111.5; 112.1; 115.0; 119.0; 119.5; 124.3; 136.7 (CH); 118.3; 119.5; 122.5; 122.8; 123.5; 126.0; 138.5 (C); 185.3 (C=O)
【0070】
実施例4:(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)メタノール
【化13】
【0071】
メタノール (30 mL)中の実施例3の化合物(147 mg; 0.63 mmol)の溶液に、NaBH4 (320 mg; 8.46 mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌する。水 (10 mL)を加え、沈殿を濾過により回収する。得られる固体をメタノール (5 mL)、次いでEt2O (2×20 mL)で洗浄し、灰色の固体の形態で、予期の化合物 (100 mg; 0.423 mmol; 収率 = 67%)を得る。
【0072】
融点 > 295℃
IR (KBr): 3375, 1648, 1456 cm-1
高分解能マススペクトル (ESI+): C15H11N2 (M-OH)+ の計算値219.0922; 実測値 219.0922
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 4.72 (2H, s); 4.54-4.96 (1H, bs); 7.14 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.26-7.31 (2H, m); 7.40 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.58 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.71 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.03 (1H, d, J = 7.5 Hz); 10.48-11.46 (2H, 2 bs)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 55.7 (CH2); 110.9; 111.1; 111.5; 118.5; 119.0; 121.8; 123.3 (CH); 116.3; 117.7; 122.1; 124.1; 125.1; 126.4; 138.1 (C)
【0073】
実施例5:1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルボキサミド
【化14】
【0074】
無水アセトニトリル (10 mL)中の実施例2の化合物 (57.4 mg; 0.278 mmol)の溶液に、0℃でクロロスルホニル イソシアネート (26.7 μL; 0.307 mmol)を加える。混合物を0℃で1.5時間撹拌し、次いで1N HCl 水溶液 (5 mL)およびTHF (2 mL)を加える。混合物を室温で36時間撹拌し、次いで水を加える。酢酸エチルで抽出後、合わせた有機相を飽和NaHCO3 水溶液および飽和NaCl水溶液で洗浄し、次いでMgSO4で乾燥し、濾過して蒸発する。残渣をフラッシュ シリカゲルでのクロマトグラフィー (THF)で精製し、ベージュ色の固体の形態で、予期の生成物 (13.8 mg; 0.055 mmol; 収率 = 20%)を得る。
【0075】
融点 > 300℃
IR (KBr): 3430, 3370, 3335, 1650 cm-1
高分解能マススペクトル (ESl+): C15H12N3O (M+H)+ の計算値250.0980; 実測値 250.0966
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): 6.86 (1H, bs); 7.20 (1H, t, J = 8.0 Hz); 7.36
(1H, ddd, J1 = 8.0 Hz, J2 = 7.0 Hz, J3 = 1.0 Hz); 7.46 (1H, bs); 7.65 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.84 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.02 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.08 (1H, d, J = 3.0 Hz); 8.10 (1H, d, J = 8.0 Hz)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 111.3; 112.8; 113.2; 118.7; 119.2; 123.7;
126.8 (CH); 112.1; 116.8; 112.1; 123.8; 124.8; 126.2; 138.3 (C); 166.7 (C=O)
【0076】
実施例6:1-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノン
【化15】
【0077】
DMF (10 mL)中の実施例2の化合物 (52 mg; 0.25 mmol)の溶液に、室温で無水トリフルオロ酢酸 (45 μL; 0.32 mmol) を加える。混合物を室温で18時間撹拌し、次いで氷と水を加える。混合物を酢酸エチル (3×10 mL)で抽出し、次いで、合わせた有機画分を飽和NaCl水溶液(15 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過して蒸発する。得られる残渣をEt2O (20 mL)で摩砕し、混合物を濾過し、緑色の固体の形態で、予期の化合物 (32 mg; 0.106 mmol; 収率 = 42%)を得る。
【0078】
融点 > 295℃
IR (KBr): 3274, 1639 cm-1
高分解能マススペクトル (ESI+): C16H10F3N2O (M+H)+ の計算値303.0745; 実測値 303.0732
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.22 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.40 (1H, ddd, J1 = 8.0 Hz, J2 = 7.0 Hz, J3 = 1.0 Hz); 7.70 (1H, d, J = 8.0 Hz); 8.01 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.07 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.15 (1H, d, J = 8.0 Hz); 8.49-8.53 (1H, bs); 11.03 (1H, s); 12.39-12.48 (1H, bs)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 111.7; 112.1; 116.3; 119.3; 119.7; 124.7; 135.8 (q, JCF = 5 Hz) (CH); 110.1; 117.0 (q, JCF = 292 Hz); 119.1; 122.3; 123.2; 124.1; 126.0; 138.6 (C); 174.0 (q, JCF = 34 Hz, C=O)
【0079】
実施例7:メチル 2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-2-オキソアセテート
【化16】
【0080】
工程A:無水Et2O (40 mL)中の実施例2の化合物 (825 mg; 4.00 mmol)の懸濁液に、0℃でオキサリル クロライド (660 μL; 7.7 mmol)を加える。混合物を室温で4時間撹拌する。濾過後、固体をEt2O (2×40 mL)で洗浄し、赤褐色の固体の形態で、中間体の酸クロライド(972 mg)を得、さらに精製することなく用いる。
【0081】
工程B:メタノール (5 mL)中の中間体の酸クロライド (243 mg)の懸濁液に、Et3N (138 μL; 0.99 mmol)を加える。混合物を室温で4時間撹拌する。濾過後、固体をMeOH (5 mL)、次いでEt2O (2×20 mL)で洗浄し、濃いオレンジ色の固体の形態で、予期の化合物 (176 mg; 0.60 mmol; 収率 = 実施例2の化合物から60%)を得る。
【0082】
融点 > 290℃
IR (KBr): 3461, 3306, 1735, 1590 cm-1
高分解能マススペクトル (ESI+): C17H12N2NaO3 (M+Na)+ の計算値315.0746; 実測値 315.0754
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 3.92 (3H, s); 7.20 (1H, ddd, J1 = 8.0 Hz, J2 = 7.0 Hz, J3 = 1.0 Hz); 7.38 (1H, ddd, J1 = 8.0 Hz, J2 = 7.0 Hz, J3 = 1.0 Hz); 7.67 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.99 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.02 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.13 (1H, d, J = 8.0 Hz); 8.49 (1H, d, J = 3.5 Hz); 11.05 (1H, s, NH); 12.14-12.21 (1H, bs)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 52.5 (CH3); 111.6; 112.3; 115.7; 119.1; 119.6; 124.5; 136.7 (CH); 113.7; 118.7; 122.4; 123.3; 123.8; 126.1; 138.5 (C); 164.1; 178.9 (C=O)
【0083】
実施例8:エチル 2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-2- オキソアセテート
【化17】
【0084】
エタノール (10 mL)中の実施例7の工程Aで製造された化合物 (486 mg)の懸濁液に、Et3N (275 μL; 1.97 mmol)を加える。混合物を室温で4時間撹拌する。 濾過後、固体をEtOH (10 mL)、次いでEt2O (2×20 mL)で洗浄し、緑黄色の固体の形態で、予期の化合物 (446 mg; 1.46 mmol; 収率 = 実施例2の化合物から73%)を得る。
【0085】
融点 > 295℃
IR (KBr): 3292, 1725, 1602 cm-1
高分解能マススペクトル (ESI+): C18H14N2NaO3 (M+Na)+ の計算値329.0902; 実測値 329.0907
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 1.37 (3H, t, J = 7.0 Hz); 4.39 (2H, q, J = 7.0 Hz); 7.20 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.38 (1H, ddd, J1 = 8.0 Hz, J2 = 7.0 Hz, J3 = 1.0 Hz); 7.67 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.98-8.03 (2H, m); 8.12 (1H, d, J = 8.0 Hz); 8.47 (1H, d, J = 3.0 Hz); 11.07 (1H, s); 12.09-12.20 (1H, bs)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 14.0 (CH3); 61.6 (CH2); 111.6; 112.3; 115.7; 119.1; 119.6; 124.5; 136.6 (CH); 113.7; 118.7; 122.4; 123.3; 123.8; 126.1; 138.5 (C); 163.7; 179.4 (C=O)
【0086】
実施例9:2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)エタノール
【化18】
【0087】
ジオキサン (10 mL)中の実施例8の化合物 (153 mg; 0.50 mmol)の懸濁液に、室温でLiAlH4 (2.00 mL; 2.00 mmol; THF中1M)を加える。THFを溜去し、次いで混合物を12 時間還流する。室温に冷却後、水 (5 mL)を加え、混合物をEtOAc (3×10 mL)で抽出する。合わせた有機画分を水 (10 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、蒸発する。残渣をEt2O (20 mL)で摩砕し、次いで濾過し、灰褐色の固体の形態で、予期の化合物 (90 mg; 0.36 mmol; 収率 = 72%)を得る。
【0088】
融点: 269-271℃
IR (KBr): 3416, 3382, 3234, 1649, 1457 cm-1
高分解能マススペクトル (ESI+): C16H15N2O (M+H)+ の計算値 251.1184; 実測値 251.1177
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 2.92 (2H, t, J = 7.5 Hz); 3.71 (2H, dt, J1 = 7.5 Hz, J2 = 5.5 Hz); 4.63 (1H, t, J = 5.5 Hz); 7.13 (1H, ddd, J1 = 8.0 Hz, J2 = 7.0 Hz, J3= 1.0 Hz); 7.19 (1H, d, J = 2.0 Hz); 7.28 (1H, ddd, J1 = 8.0, J2 = 7.0 Hz, J3 = 1.0 Hz); 7.31 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.58 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.70 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.02 (1H, d, J = 7.5 Hz); 10.53-10.57 (1H, bs); 10.86 (1H, s)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 29.1; 61.8 (CH2); 110.4; 111.1; 111.3; 118.5; 119.0; 121.2; 123.2 (CH); 113.3; 116.2; 121.9; 124.1; 125.9; 126.5; 138.1 (C)
【0089】
実施例10:2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-N,N-ジエチル-2-オキソアセトアミド
【化19】
【0090】
無水Et2O (10 mL)中の実施例7の工程Aで製造された化合物 (486 mg)の懸濁液に、ジエチルアミン (305 μL; 2.92 mmol)を加える。混合物を室温で4時間撹拌する。濾過後、固体をMeOH (3 mL)、次いでEt2O (2×20 mL)で洗浄し、薄灰色の固体の形態で、予期の化合物 (439 mg; 1.32 mmol; 収率 = 実施例2の化合物から66%)を得る。
【0091】
融点 > 295℃
IR (KBr): 3450-3100, 1608, 1429 cm-1
高分解能マススペクトル (ESI+): C20H20N3O2 (M+H)+ の計算値 334.1556; 実測値 334.1543
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 1.10 (3H, t, J = 7.0 Hz); 1.22 (3H, t, J = 7.0 Hz); 3.28 (2H, q, J = 7.0 Hz); 3.47 (2H, q, J = 7.0 Hz); 7.20 (1H, ddd, J1 = 8.0 Hz, J2 = 7.0 Hz, J3 = 1.0 Hz); 7.37 (1H, ddd, J1 = 8.0 Hz, J2 = 7.0 Hz, J3 = 1.5 Hz); 7.66 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.93 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.99 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.07 (1H, d, J = 3.0 Hz); 8.12 (1H, d, J = 8.0 Hz); 11.04 (1H, s, NH); 11.96-12.01 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 12.7; 14.1 (CH3); 38.1; 41.7 (CH2); 111.4; 112.1; 115.3; 119.0; 119.5; 124.4; 134.9 (CH); 114.3; 118.3; 122.7; 123.2; 123.4; 126.1; 138.4 (C); 167.2; 187.0 (C=O)
【0092】
実施例11:2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-N,N-ジエチルエタンアミン
【化20】
【0093】
ジオキサン (10 mL)中の実施例10の化合物 (120 mg; 0.360 mmol)の懸濁液に、アルゴン下、室温でLiAlH4 (2.00 mL; 2.00 mmol; TH中1 M)を加える。THFを溜去し、次いで混合物を12時間還流する。室温に冷却後、一滴の水を加え、混合物を濾過する。濾液を濃縮し、次いで残渣をEt2O (20 mL)で摩砕する。濾過後、固体をEt2O (20 mL)で洗浄し、灰色の固体の形態で、予期の化合物 (27 mg; 0.088 mol; 収率 = 25%)を得る。
【0094】
融点: 224-226℃
IR (KBr): 3388, 1649, 1560, 1450 cm-1
高分解能マススペクトル (ESI+): C20H24N3 (M+H)+ の計算値 306.1970; 実測値 306.1960
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 1.02 (6H, t, J = 7.0 Hz); 2.59 (4H, q, J = 7.0 Hz); 2.71-2.76 (2H, m); 2.83-2.89 (2H, m); 7.13 (1H, ddd, J1 = 8.0 Hz, J2 = 7.0 Hz, J3 = 1.0 Hz); 7.18-7.20 (1H, m); 7.26-7.31 (2H, m); 7.58 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.70 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.02 (1H, d, J = 7.5 Hz); 10.52-10.56 (1H, bs); 10.86 (1H, s)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 12.0 (CH3); 22.8; 46.3 (2C); 53.4 (CH2); 110.2; 111.1; 111.3; 118.5; 118.9; 120.9; 123.2 (CH); 114.7; 116.2; 121.9; 124.0; 125.8; 126.5; 138.1 (C)
【0095】
実施例12:1-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-2-ジエチルアミノエタノール
【化21】
【0096】
THF (10 mL)中の実施例 10の化合物 (181 mg; 0.543 mmol)の懸濁液に、LiAlH4 (2.00 mL; 2.00 mmol; THF中1M)を加え、混合物を24時間還流で撹拌する。水 (76 μL)、15% NaOH水溶液 (76 μL)、次いで水 (228 μL)を連続して加える。混合物を濾過し、濾液を濃縮する。得られる残渣を水 (3 mL)で洗浄し、乾燥し、MeOH (3 mL)で洗浄し、次いで最後にEt2O (10 mL)で洗浄して、オフホワイト色の固体の形態で、予期の化合物 (57 mg; 0.177 mmol; 収率 = 33%)を得る。
【0097】
融点: 148-150℃
IR (KBr): 3274, 1652, 1615, 1455 cm-1
高分解能マススペクトル (ESI+): C20H24N3O (M+H)+ の計算値 322.1919, 実測値 322.1912
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 0.99 (6H, t, J = 7.0 Hz); 2.53-2.69 (4H, m); 2.74 (1H, dd, J1 = 13.0 Hz, J2 = 5.0 Hz); 2.78 (1H, dd, J1 = 13.0 Hz, J2 = 7.5 Hz); 4.55-4.63 (1H, bs); 4.98 (1H, dd, J1 = 7.5 Hz, J2 = 5.0 Hz); 7.13 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.26-7.31 (2H, m); 7.41 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.58 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.69 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.02 (1H, d, J = 7.5 Hz); 10.60-10.65 (1H, bs); 10.87 (1H, s)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 11.9 (CH3); 46.8 (2C); 60.3 (CH2); 65.0; 111.1; 111.3; 111.4; 118.5; 119.0; 120.7; 123.3 (CH); 116.1; 119.6; 122.2; 124.0; 124.4; 126.4; 138.1 (C)
【0098】
実施例13:2-(1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-イル)-N,N-ジエチル-2-ヒドロキシイミノエタンアミド
【化22】
【0099】
ピリジン (5 mL)中の実施例10の化合物(167 mg; 0.50 mmol)の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩 (261 mg; 3.76 mmol)を加え、次いで混合物を12時間還流する。水 (5 mL)を加え、ピリジンを減圧下に濃縮に蒸発除去する。混合物を酢酸エチル (3×10 mL)で抽出し、合わせた有機画分を飽和NaCl水溶液 (10 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、蒸発する。得られる残渣をEtOAc (20 mL)で摩砕し、混合物を濾過して、ベージュ色の固体の形態で、予期の化合物 (33 mg; 0.095 mmol; 収率 = 19%)を得る。
【0100】
融点: 268-269℃
IR (KBr): 3266, 1609, 1464 cm-1
高分解能マススペクトル (ESI+): C20H21N4O2 (M+H)+ の計算値 349.1665; 実測値 349.1675
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 1.03 (3H, t, J = 7.0 Hz); 1.19 (3H, t, J = 7.0 Hz); 3.26 (2H, q, J = 7.0 Hz); 3.39-3.59 (2H, m); 7.17 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.33 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.36 (1H, d, J = 2.5 Hz); 7.61 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.83 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.86 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.07 (1H, d, J = 7.5 Hz); 10.90 (1H, s); 11.03-11.07 (1H, bs); 11.21-11.26 (1H, bs)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 12.8; 13.8 (CH3); 37.6; 41.7 (CH2); 111.3; 113.2; 113.3; 118.7; 119.3; 123.8; 125.7 (CH); 109.7; 117.3; 122.5; 122.7; 123.7; 126.2; 138.3 (C); 150.6 (C=N); 164.4 (C=O)
【0101】
実施例14:1-ベンゼンスルホニル-7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化23】
【0102】
DME (20 mL)中の4-ブロモフェニルヒドラジン クロライド (1.62 g; 7.3 mmol)および無水酢酸ナトリウム (0.60 g; 7.3 mmol)の懸濁液を、室温で1時間撹拌する。製造例Bの化合物 (1.00 g; 3.63 mmol)および製造例Cのイオン液体 (10.0 g; 24.3 mmol)を加える。溶媒を蒸発除去し、反応混合物を120℃で2時間撹拌する。得られる茶色の油状物を冷却し、0.5 M HCl水溶液を加える。混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、蒸発する。得られる残渣は、主生成物としてインドール化生成物および少ない生成物として予期の生成物を含む混合物である。
【0103】
ジオキサン (20 mL)中の得られた残渣およびDDQ (0.7 g; 3.1 mmol; DDQの必要量は得られた残渣の1H NMRスペクトルから決定される)の溶液を、室温で15時間撹拌する。溶媒を蒸発除去後、酢酸エチルを加え、混合物を水および飽和NaCl水溶液で洗浄する。有機溶液をMgSO4で乾燥し、濾過し、次いでシリカ上で濃縮し、続いてフラッシュ シリカゲルでのクロマトグラフィー(9/1 ペンタン/酢酸エチル)で精製し、褐色の固体の形態で、予期の化合物 (1.15 g; 2.70 mmol; 収率 = 74%)を得る。
【0104】
融点: 173-175℃
IR (KBr): 3434, 1631 cm-1
高分解能マススペクトル (ESI+): C20H1479BrN2O2S (M+H)+ の計算値 424.9959; 実測値 424.9976
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.04 (1H, d, J = 3.5 Hz); 7.41 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.49-7.55 (3H, m); 7.62 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.84 (1H, d, J = 3.5 Hz); 7.92-7.99 (3H, m); 8.12 (1H, d, J = 8.0 Hz); 8.38 (1H, d, J = 1.5 Hz); 10.81 (1H, s, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 112.4; 113.2; 114.9; 117.4; 121.9; 126.7 (2C); 127.0; 127.5; 129.9 (2C); 134.6 (CH); 111.7; 119.4; 120.1; 124.7; 126.6; 130.8; 136.8; 137.7 (C)
【0105】
実施例15:7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化24】
【0106】
メタノール (100 mL)中の実施例14の化合物 (500 mg; 1.18 mmol)の懸濁液に、5 N NaOH水溶液 (10 mL)を加える。混合物を12時間還流する。反応混合物を真空下に、沈殿が形成するまで濃縮する。混合物を濃HCl水溶液で中和し、次いで固体を濾過により集め、水で洗浄し、褐色の固体の形態で、予期の化合物 (310 mg; 1.09 mmol; 収率 = 92%)を得る。
【0107】
融点: 250℃ (分解)
高分解能マススペクトル (ESI+) C14H1079BrN2 (M+H)+ の計算値 285.0027; 実測値 285.0040
IR (KBr): 3400, 1648, 1438 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.59 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.35 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.38-7.42 (2H, m); 7.58 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.74 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.25 (1H, d, J = 2.0 Hz); 10.88-10.92 (1H, bs, NH); 11.05-11.09 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 102.9; 112.2; 112.6; 113.1; 121.5; 124.0; 125.6 (CH); 110.8; 115.3; 121.5; 126.1; 126.7; 127.1; 136.8 (C)
【0108】
実施例16:7-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化25】
【0109】
無水ジクロロメタン (10 mL)中のオキサリル クロライド (32.5 μL; 0.38 mmol)およびDMF (31.2 μL; 0.40 mmol)の溶液を、0℃で20分間撹拌する。無水ジクロロメタン (10 mL)中の実施例15の化合物 (100 mg; 0.35 mmol)の溶液を滴下する。混合物を0℃で20分間撹拌し、次いで室温に温まるままにする。溶媒を蒸発除去し、次いで5% m/v NaOH溶液 (20 mL)を加える。混合物を室温で12時間撹拌し、次いで酢酸エチルで抽出する。有機相を水、飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、次いで蒸発する。 残渣をフラッシュ シリカゲルでのクロマトグラフィー (7/3、次いで5/5 シクロヘキサン/EtOAc)で精製し、灰色の固体の形態で、予期の化合物 (72 mg; 0.230 mmol; 収率 = 66%)を得る。
【0110】
融点 > 250°C
高分解能マススペクトル (ESI+) C15H1079BrN2O (M+H)+ の計算値 312.9976; 実測値 312.9979
IR (KBr): 3400-3100, 1630 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.48 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.65 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.94 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.00 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.31 (1H, d, J = 3.0 Hz); 8.34 (1H, d, J = 2.0 Hz); 10.04 (1H, s); 11.18-11.23 (1H, bs, NH); 11.89-11.96 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 112.6; 113.5; 115.3; 122.0; 126.6; 137.0 (CH); 111.2; 117.4; 119.5; 122.5; 123.1; 125.5; 126.6; 137.2 (C); 185.4 (C=O)
【0111】
実施例17〜19の化合物を製造するための一般的手順:
THF (5 mL)中の実施例14の化合物 (425 mg; 1 mmol)の溶液に、水 (1 mL)中の炭酸ナトリウム (212 mg; 2 当量)の溶液、Pd(PPh3)2CI2 (35.1 mg; 5 mol%)および対応するホウ酸 (1.1 当量)を加える。反応混合物をアルゴン下で一晩還流する。室温に冷却後、混合物をセライトにより濾過し、固体をアセトンで洗浄する。蒸発後、得られる残渣にメタノール (40 mL)および5 M NaOH水溶液 (20 mL)を加え、混合物を12時間還流する。反応混合物を減圧下に濃縮し、濃HCl 水溶液で中和する。酢酸エチルを加え、有機相を集め、水相を酢酸エチル (3×30 mL)で抽出する。合わせた有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、蒸発する。残渣をフラッシュ シリカゲルでのクロマトグラフィー (9/1、8/2、次いで7/3 ペンタン/酢酸エチル)で抽出し、予期の化合物を得る。
【0112】
実施例17:7-(4-アセチルフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化26】
褐色の固体の形態で、予期の化合物 (195 mg; 0.60 mmol; 収率 = 60%)を得る。
【0113】
融点: 185℃ (分解)
高分解能マススペクトル (ESI+): C22H17N2O (M+H)+ の計算値 325.1341; 実測値 325.1354
IR (KBr): 3700-3100, 1649, 1597 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 2.63 (3H, s, CH3); 6.59-6.61 (1H, m); 7.38 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.39-7.41 (1H, m); 7.71-7.73 (2H, m); 7.84 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.96 (2H, d, J = 8.5 Hz); 8.06 (2H, d, J = 8.5 Hz); 8.48 (1H, s); 10.86-10.90 (1H, bs, NH); 11.05-11.08 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 26.7 (CH3); 102.9; 111.8; 112.2; 112.5; 117.7; 122.6; 123.9; 126.5 (2C); 128.9 (2C) (CH); 116.3; 121.7; 124.9; 126.6; 127.0; 129.6; 134.5; 138.3; 146.1 (C); 197.4 (C=O)
【0114】
実施例18:7-(3-メトキシフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化27】
褐色の固体の形態で、予期の化合物 (172 mg; 0.55 mmol; 収率 = 55%)を得る。
【0115】
融点: 202-205℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C21H17N2O (M+H)+ の計算値 313.1341; 実測値 313.1343
IR (KBr): 3390, 1654, 1609, 1584, 1461 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 3.86 (3H, s, CH3); 6.59 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 6.90 (1H, ddd, J1 = 8.0 Hz, J2 = 2.5 Hz, J3 = 1.5 Hz); 7.29-7.31 (1H, m); 7.34 (1H, dt, J1 = 7.5 Hz, J2 = 1.5 Hz); 7.36 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.39 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.39 (1H, t, J = 2.5 Hz); 7.61 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 1.5 Hz); 7.67 (1H, d, J = 8.5 Hz ); 7.82 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.36 (1H, d, J = 1.5 Hz); 10.83-10.88 (1H, bs, NH); 10.95-11.0 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 55.1 (CH3); 102.8; 111.5; 111.8; 112.2 (3C); 117.3; 119.1; 122.6; 123.7; 129.8 (CH); 116.4; 121.8; 124.7; 126.4; 127.0; 131.0; 137.8; 143.2; 159.7 (C)
【0116】
実施例19:7-(4-ビフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化28】
褐色の固体の形態で、予期の化合物 (230 mg; 0.64 mmol; 収率 = 64%)を得る。
【0117】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+): C26H18N2 (M)+ の計算値 358.1470; 実測値 358.1492
IR (KBr): 3650-3100, 1698, 1648 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.60 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.36-7.41 (3H, m); 7.47-7.52 (2H, m); 7.68 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 1.5 Hz); 7.71 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.73-7.76 (2H, m); 7.77-7.80 (2H, m); 7.83 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.87-7.91 (2H, m); 8.41-8.43 (1H, m); 10.83-10.89 (1H, bs, NH); 10.98-11.02 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 102.8; 111.6; 112.2; 112.3; 117.1; 122.4; 123.7; 126.4 (2C); 127.0 (2C); 127.1 (2C); 127.3; 128.9 (2C) (CH); 116.4;121.8; 124.8; 126.5; 127.0; 130.4; 137.8; 137.9; 139.8; 140.6 (C)
【0118】
実施例20:7-フェニル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化29】
灰色の固体の形態で、予期の化合物 (169 mg; 0.60 mmol; 収率 = 60%)を得る。
【0119】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C20H15N2 (M+H)+ の計算値 283.1235; 実測値 283.1248
IR (KBr): 3434, 3368, 1652 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.59 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.30-7.35 (1H, m); 7.37 (1H, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.40 (1H, dd, J1 = 3.0Hz, J2 = 2.5 Hz); 7.45-7.50 (2H, m); 7.61 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.68 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.76-7.79 (2H, m); 7.82 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 8.35 (1H, d, J = 2.0 Hz); 10.83-10.89 (1H, bs, NH); 10.96-11.00 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 102.9; 111.6; 112.2; 112.3; 117.2; 122.5; 123.7; 126.2; 126.7 (2C); 128.8 (2C) (CH); 116.4; 121.8; 124.8; 126.4; 127.0; 131.1; 137.8; 141.6 (C)
【0120】
実施例21:7-(4-フルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化30】
灰緑色の固体の形態で、予期の化合物 (150 mg; 0.50 mmol; 収率 = 50%)を得る。
【0121】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C20H14FN2 (M+H)+ の計算値 301.1141; 実測値 301.1154
IR (KBr): 3410, 3397, 1651, 1605, 1514 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.59 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.27-7.33 (2H, m); 7.36 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.39 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.5 Hz); 7.58 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.68 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.77-7.83 (3H, m); 8.33 (1H, d, J = 2.0 Hz); 10.84-10.87 (1H, bs, NH); 10.96-10.98 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 102.8; 111.6; 112.2; 112.3; 115.5 (2C, d, JCF = 21 Hz); 117.2; 122.4; 123.8; 128.5 (2C, d, JCF = 8 Hz) (CH); 116.3; 121.8; 124.8; 126.5; 127.0; 130.1; 137.7; 138.1 (d, JCF = 3 Hz); 161.2 (d, JCF = 243 Hz) (C)
【0122】
実施例22:7-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化31】
灰緑色の固体の形態で、予期の化合物 (165 mg; 0.52 mmol; 収率 = 52%)を得る。
【0123】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C20H13F2N2 (M+H)+ の計算値 319.1047; 実測値 319.1058
IR (KBr): 3401, 1652, 1616, 1594, 1510 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.59 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.21 (1H, tdd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 3.0 Hz, J3 = 1.0 Hz); 7.33-7.39 (2H, m); 7.40 (1H, t, J = 2.5 Hz); 7.45 (1H, dt, J1 = 8.5 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.67 (1H, td, J1 = 9.0 Hz, J2 = 6.5 Hz); 7.69 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.78 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.19 (1H, s); 10.85-10.88 (1H, bs, NH); 11.03-11.06 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 102.9; 104.3 (dd, JCF1 = 27 Hz, JCF2 = 26 Hz); 111.3; 111.8 (dd, JCF1 = 21 Hz, JCF2 = 4 Hz); 112.1; 112.4; 119.4 (d, JCF = 3 Hz); 123.8; 124.3 (d, JCF = 3 Hz); 132.1 (dd, JCF1 = 10 Hz, JCF2 = 5 Hz) (CH); 116.2; 121.7; 124.4; 124.8 (d, JCF = 1 Hz); 126.3 (dd, JCF1 = 14 Hz, JCF2 = 4 Hz); 126.5; 126.9; 137.7; 159.1 (dd, JCF1 = 247 Hz, JCF2 = 12 Hz); 161.1 (dd, JCF1 = 246 Hz, JCF2 = 12 Hz)
【0124】
実施例23:7-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化32】
灰色の固体の形態で、予期の化合物 (227 mg; 0.65 mmol; 収率 = 65%)を得る。
【0125】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C21H14F3N2 (M+H)+ の計算値 351.1109; 実測値 351.1125
IR (KBr): 3390, 3362, 1654, 1614 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.60 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.39 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.41 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.5 Hz); 7.69 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.73 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.81 (2H, d, J = 8.0 Hz); 7.84 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.01 (2H, d, J = 8.0 Hz); 8.47 (1H, d, J = 1.5 Hz); 10.86-10.92 (1H, bs, NH); 11.06-11.10 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 102.9; 111.8; 112.2; 112.5; 117.7; 122.6; 123.9; 125.6 (2C, q, JCF = 4 Hz); 127.2 (2C) (CH); 116.3; 121.8; 124.6 (q, JCF = 272 Hz); 124.9; 126.5 (q, JCF = 32 Hz); 126.6; 127.1; 129.3; 138.3; 145.6 (C)
【0126】
実施例24:7-(4-トリフルオロメトキシフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化33】
灰色の固体の形態で、予期の化合物 (226 mg; 0.62 mmol; 収率 = 62%)得る。
【0127】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C21H14F3N2O (M+H)+ の計算値 367.1058; 実測値 367.1044
IR (KBr): 3401, 1652, 1514, 1464 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.60 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.37 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.40 (1H, t, J = 2.5 Hz); 7.46 (2H, d, J = 8.0 Hz); 7.62 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 1.5 Hz); 7.70 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.81 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.87-7.91 (2H, m); 8.38 (1H, d, J = 1.5 Hz); 10.85-10.90 (1H, bs, NH); 11.00-11.05 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 102.9; 111.7; 112.2; 112.4; 117.5; 121.4 (2C); 122.5; 123.8; 128.3 (CH); 116.3; 120.2 (q, JCF = 256 Hz); 121.8; 124.8; 126.5; 127.0; 129.6; 138.0; 141.0; 147.0 (q, JCF = 2 Hz) (C)
【0128】
実施例25〜34の化合物を製造するための一般的手順
工程A:DME (20 mL)中の置換されたフェニルヒドラジン塩酸塩および無水酢酸ナトリウムの懸濁液を、室温で1時間撹拌する。製造例Bの化合物 (1.10 g; 4.0 mmol)および製造例Cのイオン液体 (11.54 g; 28 mmol)を加える。溶媒を蒸発除去し、混合物を120℃で12時間加熱する。冷却後、0.5 M 塩酸水溶液を加え、続いて酢酸エチルで抽出する。有機画分を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過する。溶液は、予期の生成物を含み、続く酸化工程に直接用いられる。
【0129】
工程B:この溶液にDDQを加え、反応混合物を室温で一晩撹拌する。混合物を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空下に濃縮する。
【0130】
工程C:粗反応生成物をメタノール (100 mL)に溶解し、5 M KOH水溶液 (25 mL)を加え、混合物を12時間還流する。冷却後、溶媒を真空下に除去する。残渣を濃塩酸で中和する。酢酸エチルで抽出後、有機画分を合わせ、次いで飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、蒸発する。得られる固体をシリカゲルでのクロマトグラフィーで精製する。
【0131】
実施例25:8-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール、および
実施例26:6-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化34】
【0132】
工程A:3-ブロモフェニルヒドラジン塩酸塩 (1.00 g; 4.47 mmol)、酢酸ナトリウム (367 mg; 4.47 mmol);工程B:DDQ (454 mg; 2.00 mmol);工程C:シリカゲルでのクロマトグラフィー (9/1、次いで8/2 シクロヘキサン/EtOAc)で、灰色の固体の形態で、実施例25の化合物 (513 mg; 1.80 mmol; 収率 = 45%)および実施例26の化合物 (342 mg; 1.20 mmol; 収率 = 30%)が単離できる。
【0133】
実施例25:
融点 > 250℃
マススペクトル (El) m/z: 284/286, M+
IR (ATR): 3397, 1649, 1607 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.59 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.27 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.37 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.40 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.5 Hz); 7.71 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.85 (1H, dd, J1 = 2.0 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.99 (1H, d, J = 8.5 Hz); 10.94 (1H, bs, NH); 11.01 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 102.9; 111.9; 112.7; 113.9; 120.7; 121.3; 124.0 (CH); 115.6; 115.8; 121.6; 123.3; 126.6; 126.7; 139.1 (C)
【0134】
実施例26:
融点: 249-251℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C14H1079BrN2 (M+H)+ の計算値 285.0027; 実測値 285.0019
IR (ATR): 3406, 3364, 1653, 1613 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.62 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.23 (1H, t, J = 8.0 Hz); 7.35 (1H, dd, J1 = 7.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.42 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.44 (1H, t, J = 2.5 Hz); 7.66 (1H, dd, J1 = 8.0 Hz, J2 = 0.5 Hz); 8.24 (1H, d, J = 8.5 Hz); 10.90 (1H, bs, NH); 11.31 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 102.8; 110.6; 112.3; 113.4; 122.5; 124.3; 124.4 (CH); 114.2; 115.4; 121.4; 122.4; 126.6; 127.0; 139.4 (C)
【0135】
実施例27:9-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化35】
【0136】
工程A:2-ブロモフェニルヒドラジン塩酸塩 (1.00 g; 4.47 mmol)、酢酸ナトリウム (367 mg; 4.47 mmol);工程B:DDQ (636 mg; 2.80 mmol);工程C:シリカゲルでのクロマトグラフィー (9/1〜7/3 シクロヘキサン/EtOAc)で、白色の固体の形態で、予期の化合物 (780 mg; 2.74 mmol; 収率 = 68%)が単離できる。
【0137】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C14H1079BrN2 (M+H)+ の計算値 285.0027; 実測値 285.0012
IR (ATR): 3314, 1636, 1622 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.60 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.11 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.40 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.45 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.5 Hz); 7.52 (1H, dd, J1 = 7.5 Hz, J2 = 1.0 Hz); 7.73 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 8.07 (1H, dt, J1 = 7.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 10.79 (1H, bs, NH); 11.12 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 103.0; 112.3; 113.2; 118.6; 120.3; 124.2; 125.7 (CH); 103.6; 116.4; 121.7; 125.9; 126.5; 126.7; 136.5 (C)
【0138】
実施例28:7-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化36】
【0139】
工程A:4-フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩 (1.30 g; 8.0 mmol)、酢酸ナトリウム (656 mg; 8.0 mmol);工程B:DDQ (545 mg; 2.40 mmol);工程C:シリカゲルでのクロマトグラフィー (9/1〜7/3 シクロヘキサン/EtOAc)で、灰緑色の固体の形態で、予期の化合物 (702 mg; 3.13 mmol; 収率 = 78%)が単離できる。
【0140】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C14H10FN2 (M+H)+ の計算値 225.0828; 実測値 225.0815
IR (ATR): 3418, 3387, 1645, 1584 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.58 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.12 (1H, ddd, J1 = 9.5 Hz, J2 = 9.0 Hz, J3 = 2.5 Hz); 7.34 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.39 (1H, t, J = 2.5 Hz); 7.60 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 4.5 Hz); 7.71 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.84 (1H, dd, J1 = 9.5 Hz, J2 = 2.5 Hz); 10.89 (1H, bs, NH); 10.92 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 102.9; 104.5 (d, JCF = 24 Hz); 110.7 (d, JCF = 25 Hz); 112.0 (d, JCF = 9 Hz); 112.2 (2C); 123.9 (CH); 116.0 (d, JCF = 4 Hz); 121.6; 124.6 (d, JCF = 10 Hz); 126.5; 127.8; 134.6; 156.7 (d, JCF = 232) (C)
【0141】
実施例29:9-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化37】
【0142】
工程A:2-フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩 (1.00 g; 6.15 mmol)、酢酸ナトリウム (505 mg; 6.16 mmol);工程B:DDQ (450 mg; 1.98 mmol);工程C:シリカゲルでのクロマトグラフィー (9/1〜7/3 シクロヘキサン/EtOAc)で、ベージュ色の固体の形態で、予期の化合物 (495 mg; 2.21 mmol; 収率 = 55%)を単離できる。
【0143】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C14H10FN2 (M+H)+ の計算値 225.0828; 実測値 225.0832
IR (ATR): 3424, 3376, 1651, 1578 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.60 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.08-7.19 (2H, m); 7.39 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.42 (1H, t, J = 2.5 Hz); 7.73 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.88 (1H, d, J = 7.5 Hz); 10.61 (1H, bs, NH); 11.40 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 102.9; 108.6 (d, JCF = 16 Hz); 112.1; 112.9; 115.3 (d, JCF = 3 Hz); 119.0 (d, JCF = 6 Hz); 124.1 (CH); 116.2 (d, JCF = 2.5 Hz); 121.7; 125.5 (d, JCF = 13 Hz); 126.7; 126.9; 128.0 (d, JCF = 6 Hz); 148.9 (d, JCF = 241 Hz) (C)
【0144】
実施例30:6,8-ジクロロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化38】
【0145】
工程A:3,5-ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩 (1.00 g; 4.68 mmol)、酢酸ナトリウム (384 mg; 4.68 mmol);工程B:DDQ (908 mg; 4.00 mmol);工程C:シリカゲルでのクロマトグラフィー (9/1〜7/3 シクロヘキサン/EtOAc)で、灰色の固体の形態で、予期の化合物 (971 mg; 3.53 mmol; 収率 = 88%)が単離できる。
【0146】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C14H935CI2N2 (M+H)+ の計算値 275.0143; 実測値 275.0135
IR (ATR): 3431, 3368, 1653, 1616 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.62 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.27 (1H, d, J = 1.5 Hz); 7.44 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.46 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.5 Hz); 7.76 (1H, d, J = 1.5 Hz); 8.05 (1H, d, J = 8.5 Hz); 11.00 (1H, bs, NH); 11.42 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 102.9; 110.2; 113.3; 113.4; 118.9; 124.7 (CH); 114.4; 120.0; 121.2; 126.3; 126.9; 127.3; 127.5; 139.5 (C)
【0147】
実施例31:1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-7-カルボニトリル
【化39】
【0148】
工程A:4-シアノフェニルヒドラジン塩酸塩 (1.36 g; 8.0 mmol)、酢酸ナトリウム (656 mg; 8.0 mmol);工程B:DDQ (545 mg; 2.40 mmol);工程C:シリカゲルでのクロマトグラフィー (9/1〜7/3 シクロヘキサン/EtOAc)で、ベージュ色の固体の形態で、予期の化合物 (517 mg; 2.24 mmol; 収率 = 56%)が単離できる。
【0149】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C15H10N3 (M+H)+ の計算値 232.0875; 実測値 232.0872
IR (ATR): 3439, 3256, 2226, 1655, 1614 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.63 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.42-7.46 (2H, m); 7.67 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 1.5 Hz); 7.78 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.83 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.61 (1H, m); 10.97 (1H, bs, NH); 11.53 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 103.0; 112.2; 112.3; 113.5; 124.2; 124.6; 126.5 (CH); 100.3; 115.4; 120.9; 121.4; 124.3; 127.2; 127.3; 140.1 (C)
【0150】
実施例32:7-ニトロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化40】
【0151】
工程A:4-ニトロフェニルヒドラジン塩酸塩 (1.52 g; 8.0 mmol)、酢酸ナトリウム (656 mg; 8.0 mmol);工程B:DDQ (545 mg; 2.40 mmol);工程C:シリカゲルでのクロマトグラフィー (9/1〜3/7 シクロヘキサン/EtOAc)で、黄褐色の固体の形態で、予期の化合物 (450 mg; 1.79 mmol; 収率 = 45%)が単離できる。
【0152】
融点: 220℃ (分解)
高分解能マススペクトル (ESI+) C14H10N3O2 (M+H)+ の計算値 252.0773; 実測値 252.0763
IR (ATR): 3406, 3298, 1655, 1616 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.64 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.46-7.49 (2H, m); 7.79 (1H, d, J = 9.0 Hz); 7.93 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.22 (1H, dd, J1 = 9.0 Hz, J2 = 2.5 Hz); 9.06 (1H, d, J = 2.5 Hz); 11.00 (1H, bs, NH); 11.74 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 103.1; 111.4; 112.4; 113.9; 115.9; 119.1; 124.8 (CH); 116.3; 121.5; 123.9; 127.6; 127.9; 140.0; 141.7 (CH)
【0153】
実施例33:9-エチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化41】
【0154】
工程A:2-エチルフェニルヒドラジン塩酸塩 (1.00 g; 5.79 mmol)、酢酸ナトリウム (475 mg; 5.79 mmol);工程B:DDQ (454 mg; 2.00 mmol);工程C:シリカゲルでのクロマトグラフィー (9/1〜7/3 シクロヘキサン/EtOAc)で、灰色の固体の形態で、予期の化合物 (490 mg; 2.09 mmol; 収率 = 52%)が単離できる。
【0155】
融点: 256-258℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C16H15N2 (M+H)+ の計算値 235.1235; 実測値 235.1228
IR (ATR): 3426, 3416, 1649 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 1.40 (3H, t, J = 7.5 Hz); 2.99 (2H, q, J = 7.5 Hz); 6.57 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.09 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.13-7.16 (1H, m); 7.33 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.40 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.5 Hz); 7.69 (1H, d, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.87 (1H, d, J = 7.5 Hz); 10.59 (1H, bs, NH); 10.85 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 14.2 (CH3); 24.1 (CH2); 102.8; 112.1 (2C); 116.9; 118.9; 122.2; 123.5 (CH); 116.5; 121.9; 123.8; 126.0 (2C); 126.3; 136.6 (C)
【0156】
実施例34:9-(トリフルオロメチル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化42】
【0157】
工程A:2-(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジン塩酸塩 (1.00 g; 4.70 mmol)、酢酸ナトリウム (386 mg; 4.71 mmol);工程B:DDQ (636 mg; 2.80 mmol);工程C:シリカゲルでのクロマトグラフィー (9/1〜7/3 シクロヘキサン/EtOAc)で、ベージュ色の固体の形態で、予期の化合物 (550 mg; 2.01 mmol; 収率 = 50%)が単離できる。
【0158】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C15H10F3N2 (M+H)+ の計算値 275.0796; 実測値 275.0781
IR (ATR): 3453, 3385, 1649 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 6.62 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.32 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.44 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.47 (1H, t, J = 2.5 Hz); 7.63 (1H, d, J = 7.5 Hz); 7.80 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.37 (1H, d, J = 8.0 Hz); 10.86 (1H, bs, NH); 11.34 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 102.9; 111.9; 113.4; 118.3; 120.3 (q, JCF = 4.5 Hz); 123.6; 124.3 (CH); 111.3 (q, JCF = 32 Hz); 115.3; 121.5; 125.1 (q, JCF = 271 Hz); 126.1; 126.9; 127.0; 133.2 (q, JCF = 2 Hz) (C)
【0159】
実施例35:8-メチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール
【化43】
【0160】
工程A:3-メチルフェニルヒドラジン (1.00 g; 8.2 mmol)、製造例Bの化合物 (1.65 g; 6.0 mmol)および製造例Cのイオン液体 (11.54 g; 28 mmol)の混合物を、120℃で12時間撹拌する。冷却後、0.5 M HCl水溶液を加え、続いて酢酸エチルで抽出する。合わせた有機画分を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過する。溶液は、予期の生成物を含み、続く酸化工程に直接用いられる。
【0161】
工程BおよびCは、実施例25〜34と同じ方法で行われる。.
工程B:DDQ (953 mg; 4.20 mmol);工程 C:シリカゲルでのクロマトグラフィー (9/1〜7/3 シクロヘキサン/EtOAc)で、灰色の固体の形態で、予期の化合物 (860 mg; 3.90 mmol; 収率 = 65%)が単離できる。
【0162】
融点 > 250℃
マススペクトル (El) m/z: 220, M+
IR (ATR): 3410, 3387, 1649, 1622 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 2.48 (3H, s); 6.55 (1H, dd, J1 = 3.0 Hz, J2 = 2.0 Hz); 6.95-6.98 (1H, m); 7.30 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.35 (1H, t, J = 2.5 Hz); 7.39 (1H, m); 7.65 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.89 (1H, d, J = 8.0 Hz); 10.73 (1H, bs, NH); 10.76 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 21.6 (CH3); 102.7; 111.2; 111.8; 111.9; 118.8; 120.1; 123.4 (CH); 116.2; 121.9 (2C); 125.9; 126.2; 132.6; 138.6 (C)
【0163】
実施例36:7-(3-メトキシフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化44】
【0164】
無水DMF (2 mL)に、0℃でPOCl3 (90 μL, 0.97 mmol)をゆっくりと加える。混合物を、黄色の溶液が得られるまで、0〜10℃で45分間撹拌する。 次いでDMF (1 ml)中の実施例18の化合物 (100 mg; 0.320 mmol)の溶液を加える。混合物を120℃で24時間加熱する。冷却後、5% NaOH水溶液 (20 mL)を加え、混合物を室温で一晩撹拌する。酢酸エチルで抽出後、合わせた有機画分をMgSO4で乾燥し、蒸留し、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー (7/3〜1/9 ペンタン/EtOAc)で精製し、淡褐色の固体の形態で、予期の化合物 (49 mg; 0.144 mmol; 収率 = 45%)を得る。
【0165】
融点 215℃ (分解)
高分解能マススペクトル (ESI+) C22H17N2O2 (M+H)+ の計算値 341.1290; 実測値 341.1305
IR (KBr): 3325, 1619 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 3.87 (3H, s, CH3); 6.91 (1H, d, J = 7.5 Hz); 7.31-7.42 (3H, m); 7.69 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 1.5 Hz); 7.74 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.95 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.08 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.31 (1H, d, J = 3.0 Hz); 8.45 (1H, s); 10.04 (1H, s); 11.09-11.13 (1H, bs, NH); 11.88-11.92 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 55.1 (CH3); 111.8; 112.0; 112.2 (2C); 115.3; 117.8; 119.1; 123.5; 129.8; 136.9 (CH); 118.6; 119.6; 122.8 (2C); 124.1; 126.5; 131.4; 138.2; 142.9; 159.7 (C); 185.3 (C=O)
【0166】
実施例37〜52の化合物を製造するための一般的手順
無水DMF (2 mL)に、0℃でPOCl3 (3 当量)をゆっくりと加える。溶液を、黄色の溶液が得られるまで、0〜10℃で45分間撹拌し、次いで10 mL CEMチューブ中で調製されたDMF (1 mL)中の実施例19〜35の化合物 (100 mg)の溶液に0℃で加える。チューブを密封し、混合物をマイクロウエーブ(150 W)照射下、100℃で20分間加熱する。冷却後、混合物を飽和NaHCO3水溶液 (20 mL)に加える。30分間撹拌後、固体を濾別し、そこに5% NaOH水溶液 (20 mL)を加える。混合物を室温で一晩撹拌する。固体を濾別し、次いでシリカゲルでのクロマトグラフィーで精製する。
【0167】
実施例37:7-(4-ビフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化45】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (7/3〜1/9 ペンタン/EtOAc)で、濃褐色の固体の形態で、予期の化合物 (32 mg; 0.083 mmol; 収率 = 30%)が単離できる。
【0168】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C27H19N2O (M+H)+ の計算値 387.1497; 実測値 387.1492
IR (KBr): 3436, 1622 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.36-7.41 (1H, m); 7.47-7.52 (2H, m); 7.73-7.81 (6H, m); 7.88-7.92 (2H, m); 7.96 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.09 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.31 (1H, d, J = 3.0 Hz); 8.51 (1H, s); 10.05 (1H, s); 11.12-11.16 (1H, bs, NH); 11.90 (1H, bd, J = 2.5 Hz, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 112.0; 112.3; 115.3; 117.5; 123.3; 126.5 (2C); 127.1 (4C); 127.3; 129.0 (2C); 136.9 (CH); 118.6; 119.6; 122.8 (2C); 124.2; 126.5; 130.9; 138.0; 138.2; 139.8; 140.4 (C); 185.3 (C=O)
【0169】
実施例38:7-フェニル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化46】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (7/3〜1/9 ペンタン/EtOAc)で、濃褐色の固体の形態で、予期の化合物 (57 mg; 0.184 mmol; 収率 = 52%)が単離できる。
【0170】
融点 205℃ (分解)
高分解能マススペクトル (ESI+) C21H15N2O (M+H)+ の計算値 311.1184; 実測値 311.1201
IR (KBr): 3260, 1622 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.31-7.36 (1H, m); 7.46-7.51 (2H, m); 7.68 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.75 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 7.77-7.81 (2H, m); 7.95 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.06 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.31 (1H, d, J = 3.0 Hz); 8.43 (1H, d, J = 2.0 Hz); 10.04 (1H, s); 11.08-11.14 (1H, bs, NH); 11.86-11.93 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 111.9; 112.3; 115.3; 117.7; 123.4; 126.4; 126.7 (2C); 128.8 (2C); 136.9 (CH); 118.6; 119.6; 122.8 (2C); 124.2; 126.5; 131.5; 138.1; 141.4 (C); 185.4 (C=O)
【0171】
実施例39:7-(4-フルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化47】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (7/3〜1/9 ペンタン/EtOAc)で、淡褐色の固体の形態で、予期の化合物 (55 mg; 0.168 mmol; 収率 = 50%)が単離できる。
【0172】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C21H14N2OF (M+H)+ の計算値 329. 1090; 実測値 329. 1101
IR (KBr): 3436, 3297, 1619 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.27-7.34 (2H, m); 7.65 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.74 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.78-7.84 (2H, m); 7.95 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.06 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.31 (1H, s); 8.41 (1H, d, J = 1.5 Hz); 10.04 (1H, s); 11,10-11.15 (1H, bs, NH); 11.88-11.95 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 112.0; 112.3; 115.3; 115.6 (2C, d, JCF = 21 Hz); 117.7; 123.4; 128.5 (2C, d, JCF = 8 Hz); 136.9 (CH); 118.6; 119.6; 122.8 (2C); 124.2; 126.6; 130.6; 137.9 (d, JCF = 3 Hz); 138.1; 161.3 (d, JCF = 243 Hz); 185.4 (C=O)
【0173】
実施例40:7-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化48】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (7/3〜1/9 ペンタン/EtOAc)で、ベージュ色の固体の形態で、予期の化合物 (48 mg; 0.139 mmol; 収率 = 44%)が単離できる。
【0174】
融点 220℃ (分解)
高分解能マススペクトル (ESI+) C21H13F2N2O (M+H)+ の計算値 347.0996; 実測値 347.0996
IR (KBr): 3264, 1645, 1616 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.22 (1H, td, J1 = 8.5 Hz, J2 = 2.5 Hz); 7.37 (1H, ddd, J1 = 11.5 Hz, J2 = 9.5 Hz, J3 = 2.5 Hz); 7.52 (1H, dt, J1 = 8.5 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.69 (1H, td, J1 = 9.0 Hz, J2 = 7.0 Hz); 7.76 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.95 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.02 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.27 (1H, s); 8.31 (1H, s); 10.04 (1H, s); 11.19-11.26 (1H, bs, NH); 11.90-12.01 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 104.3 (dd, JCF1 = 27 Hz, JCF2 = 26 Hz); 111.6; 111.8 (dd, JCF1 = 21 Hz, JCF2 = 4 Hz); 112.4; 115.2; 119.9 (d, JCF = 2Hz); 125.2; 132.1 (dd, JCF1 = 9 Hz, JCF2 = 5 Hz); 136.9 (CH); 118.3; 119.6; 122.8 (2C); 123.8; 125.2; 126.1 (dd, JCF1 = 14 Hz, JCF2 = 4 Hz); 126.5; 138.1; 159.1 (dd, JCF1 = 247 Hz, JCF2 = 12 Hz); 161.1 (dd, JCF1 = 246Hz, JCF2 = 12 Hz (C)); 185.3 (C=O)
【0175】
実施例41:7-(4-トリフルオロメチルフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化49】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (7/3〜1/9 ペンタン/EtOAc)で、淡褐色の固体の形態で、予期の化合物 (70 mg; 0.185 mmol; 収率 = 65%)が単離できる。
【0176】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C22H14F3N2O (M+H)+ の計算値 379.1058; 実測値 379.1059
IR (KBr): 3460, 3294, 1617 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.76 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 1.5 Hz); 7.80 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 1.0 Hz); 7.83 (2H, d, J = 8.0 Hz); 7.97 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.03 (2H, d, J = 8.0 Hz); 8.09 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.32 (1H, s); 8.56 (1H, s); 10.04 (1H, s); 11.18-11.25 (1H, bs, NH); 11.88-11.97 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 112.2; 112.5; 115.3; 118.2; 123.5; 125.7 (2C, q, JCF = 4 Hz); 127.3 (2C); 137.0 (CH); 118.5; 119.6; 122.8; 122.9; 124.3; 124.6 (q, JCF = 272 Hz); 126.6; 126.7 (q, JCF = 32 Hz); 129.7; 138.7; 145.4 (C); 185.4 (C=O)
【0177】
実施例42:7-(4-トリフルオロメトキシフェニル)-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化50】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (7/3〜1/9 ペンタン/EtOAc)で、ベージュ色の固体の形態で、予期の化合物 (72 mg; 0.183 mmol; 収率 = 67%)が単離できる。
【0178】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C22H14F3N2O2 (M+H)+ の計算値 395.1007; 実測値 395.1017
IR (KBr): 3276, 1620 cm-1
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): 7.46 (2H, d, J = 8.5 Hz); 7.69 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.75 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.88-7.92 (2H, m); 7.95 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.06 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.31 (1H, d, J = 3.0 Hz); 8.46 (1H, d, J = 2.0 Hz); 10.03 (1H,s); 11.15-11.18 (1H, bs, NH); 11.93 (1H, bd, J = 2.5 Hz, NH)
13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): 112.1; 112.5; 115.4; 118.0; 121.5 (2C); 123.6; 128.5 (2C); 137.0 (CH); 118.6; 119.7; 120.3 (q, JCF = 256 Hz); 122.9; 123.0; 124.3; 126.7; 130.1; 138.4; 140.8; 147.2 (q, JCF = 2 Hz) (C); 185.5 (C=O)
【0179】
実施例43:8-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化51】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (7/3〜1/9 シクロヘキサン/EtOAc)で、褐色の固体の形態で、予期の化合物 (66 mg; 0.21 mmol; 収率 = 60%)が単離できる。
【0180】
融点 > 250℃
マススペクトル (El) m/z: 312/314, M+
IR (ATR): 3393, 3330-3160, 1624 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.33 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 2.0 Hz); 7.93 (1H, d, J = 1.5 Hz); 7.94 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.97 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.07 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.31 (1H, d, J = 3.0 Hz); 10.03 (1H, s, CHO); 11.13 (1H, bs, NH); 11.96 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 112.7; 114.3; 115.1; 121.2; 121.8; 137.0 (CH); 116.8; 117.8; 119.5; 122.6; 122.7; 123.0; 126.3; 139.4 (C); 185.4 (C=O)
【0181】
実施例44:6-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化52】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (7/3〜1/9 シクロヘキサン/EtOAc)で、褐色の固体の形態で、予期の化合物 (55 mg; 0.176 mmol; 収率 = 50%)が単離できる。
【0182】
融点 > 250℃
マススペクトル (EI) m/z: 312/314, M+
IR (ATR): 3300, 1620 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.30 (1H, t, J = 8.0 Hz); 7.41 (1H, d, J = 7.5 Hz); 7.73 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.99 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.34 (1H, d, J = 3.0 Hz); 8.46 (1H, d, J = 8.5 Hz); 10.05 (1H, s, CHO); 11.46 (1H, bs, NH); 11.91 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 111.0; 112.3; 116.3; 123.0; 125.2; 137.3 (CH); 114.6; 117.5; 119.5; 121.8; 122.4; 122.9; 126.6; 139.8 (C); 185.4 (C=O)
【0183】
実施例45:9-ブロモ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化53】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (7/3〜1/9 シクロヘキサン/EtOAc)で、褐色の固体の形態で、予期の化合物 (90 mg; 0.287 mmol; 収率 = 82%)を単離できる。
【0184】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C15H1079BrN2O (M+H)+ の計算値 312.9976; 実測値 312.9991
IR (ATR): 3400-3100, 1630 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.16 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.59 (1H, dd, J1 = 7.5 Hz, J2 = 1.0 Hz); 7.98 (2H, s); 8.15 (1H, d, J = 7.5 Hz); 8.34 (1H, d, J = 3.0 Hz); 10.05 (1H, s, CHO); 11.27 (1H, bs, NH); 11.69 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 113.1; 115.4; 119.1; 120.6; 126.5; 137.1 (CH); 103.8; 118.5; 119.5; 122.7; 123.0; 125.2; 126.0; 136.7 (C); 185.5 (C=O)
【0185】
実施例46:7-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化54】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (3/7〜1/9 シクロヘキサン/EtOAc)で、褐色の固体の形態で、予期の化合物 (96 mg; 0.381 mmol; 収率 = 85%)が単離できる。
【0186】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C15H10FN2O (M+H)+ の計算値 253.0777; 実測値 253.0773
IR (ATR): 3314, 1636, 1622 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.20 (1H, ddd, J1 = 9.5 Hz, J2 = 9.0 Hz, J3 = 2.5 Hz); 7.67 (1H, dd, J1 = 9.0 Hz, J2 = 4.5 Hz); 7.91 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.92-7.95 (1H, m); 7.96 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.30 (1H, d, J = 3.0 Hz); 10.03 (1H, s, CHO); 11.07 (1H, bs, NH); 11.92 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 105.0 (d, JCF = 24 Hz); 111.8 (d, JCF = 25 Hz); 112.2; 112.4 (d, JCF = 9 Hz); 115.4; 136.8 (CH); 118.2 (d, JCF = 4 Hz); 119.6; 122.7; 122.9; 124.1 (d, JCF = 10 Hz); 127.3; 135.0; 156.8 (d, JCF = 232 Hz) (C); 185.4 (C=O)
【0187】
実施例47:9-フルオロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化55】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (8/2〜3/7 シクロヘキサン/EtOAc)で、褐色の固体の形態で、予期の化合物 (80 mg; 0.317 mmol; 収率 = 71%)が単離できる。
【0188】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C15H10FN2O (M+H)+ の計算値 253.0777; 実測値 253.0792
IR (ATR): 3450-3120, 1624 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.17 (1H, dt, J1 = 5.0 Hz, J2 = 8.0 Hz); 7.24 (1H, ddd, J1 = 11.0 Hz, J2 = 8.0 Hz, J3 = 1.0 Hz); 7.94-7.97 (2H, m); 7.98 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.31 (1H, d, J = 3.0 Hz); 10.05 (1H, s, CHO); 11.52 (1H, bs, NH); 11.57 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 109.4 (d, JCF = 16 Hz); 112.9; 115.2; 115.8 (d, JCF = 3 Hz); 119.5 (d, JCF = 6 Hz); 137.1 (CH); 118.3 (d, JCF = 2.5 Hz); 119.5; 122.8; 123.0; 125.9 (d, JCF = 13 Hz); 126.4; 127.4 (d, JCF = 6 Hz); 148.9 (d, JCF = 241 Hz) (C); 185.5 (C=O)
【0189】
実施例48:6,8-ジクロロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化56】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (3/7〜1/9 シクロヘキサン/EtOAc)で、褐色の固体の形態で、予期の化合物 (52 mg; 0.172 mmol; 収率 = 47%)が単離できる。
【0190】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C15H935Cl2N2O (M+H)+ の計算値 303.0092; 実測値 303.0073
IR (ATR): 3352, 1717, 1630 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.34 (1H, d, J = 1.5 Hz); 7.84 (1H, d, J = 1.5 Hz); 8.01 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.27 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.36 (1H, d, J = 3.0 Hz); 10.05 (1H, s, CHO); 11.54 (1H, bs, NH); 11.99 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 110.5; 113.2; 116.4; 119.3; 137.4 (CH); 116.5; 119.4; 119.5; 122.3; 123.2; 126.7; 126.9; 128.4; 139.8 (C); 185.4 (C=O)
【0191】
実施例49:3-ホルミル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-7-カルボニトリル
【化57】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (3/7〜1/9 シクロヘキサン/EtOAc)で、褐色の固体の形態で、予期の化合物 (58.3 mg; 0.225 mmol; 収率 = 52%)が単離できる。
【0192】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C16H10N3O (M+H)+ の計算値 260.0824; 実測値 260.0833
IR (ATR): 3287, 3239, 2212, 1630, 1618 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.74 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 1.5 Hz); 7.85 (1H, dd, J1 = 8.5 Hz, J2 = 0.5 Hz); 8.01 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.08 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.35 (1H, d, J = 3.0 Hz); 8.70 (1H, d, J = 1.5 Hz); 10.05 (1H, s, CHO); 11.65 (1H, bs, NH); 11.97 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 112.7; 113.4; 115.4; 124.8; 127.3; 137.3 (CH); 100.8; 117.6; 119.5; 120.6; 122.5; 123.6; 123.7; 126.8; 140.5 (C); 185.5 (C=O)
【0193】
実施例50:7-ニトロ-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化58】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (3/7〜1/9 シクロヘキサン/EtOAc)で、黄褐色の固体の形態で、予期の化合物 (39 mg; 0.14 mmol; 収率 = 35%)が単離できる。
【0194】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C15H10N3O3 (M+H)+ の計算値 280.0722; 実測値 280.0714
IR (ATR): 3350-3150, 1636, 1614 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.85 (1H, d, J = 9.0 Hz); 8.04 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.19 (1H, d, J = 8.5 Hz); 8.28 (1H, dd, J1 = 9.0 Hz, J2 = 2.5 Hz); 8.37 (1H, d, J = 2.5 Hz); 9.14 (1H, d, J = 2.0 Hz); 10.06 (1H, s, CHO); 11.87 (1H, bs, NH); 12.03 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 111.8; 113.8; 115.7; 116.5; 119.9; 137.5 (CH); 118.4; 119.5; 122.6; 123.3; 123.9; 127.5; 140.3; 142.0 (C); 185.5 (C=O)
【0195】
実施例51:9-エチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化59】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (8/2〜3/7 シクロヘキサン/EtOAc)で、褐色の固体の形態で、予期の化合物 (56 mg; 0.213 mmol; 収率 = 50%)が単離できる。
【0196】
融点 > 250℃
高分解能マススペクトル (ESI+) C17H15N2O (M+H)+ の計算値 263.1184; 実測値 263.1169
IR (ATR): 3450-3150, 1626 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 1.40 (3H, t, J = 7.5 Hz); 3.00 (2H, q, J = 7.5 Hz); 7.14 (1H, t, J = 7.5 Hz); 7.20-7.23 (1H, m); 7.90 (1H, d, J = 8.5 Hz); 7.93 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.93-7.96 (1H, m); 8.29 (1H, d, J = 3.0 Hz); 10.03 (1H, s, CHO); 11.00 (1H, bs, NH); 11.54 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 14.1 (CH3); 24.0 (CH2); 112.1; 115.1; 117.3; 119.3; 123.1; 136.7 (CH); 118.7; 119.5; 122.3; 122.9; 123.2; 125.9; 126.2; 137.0 (C); 185.4 (C=O)
【0197】
実施例52:8-メチル-1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒド
【化60】
シリカゲルでのクロマトグラフィー (7/3〜1/9 シクロヘキサン/EtOAc)で、褐色の固体の形態で、予期の化合物 (65 mg; 0.26 mmol; 収率 = 58%)が単離できる。
【0198】
融点: 250℃ (分解)
高分解能マススペクトル (ESI+) C16H13N2O (M+H)+ の計算値 249.1028; 実測値 249.1026
IR (ATR): 3379, 3341, 1634 cm-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 2.49 (3H, s); 7.02 (1H, d, J = 8.0 Hz); 7.46 (1H, s); 7.89 (2H, s); 7.97 (1H, d, J = 8.0 Hz); 8.27 (1H, d, J = 3.0 Hz); 10.02 (1H, s, CHO); 11.88 (1H, bs, NH); 11.81 (1H, bs, NH)
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 21.6 (CH3); 111.5; 112.0; 114.8; 119.2; 120.6; 136.8 (CH); 118.5; 119.5; 121.3; 122.2; 122.8; 125.8; 133.7; 139.0 (C), 185.3 (C=O)
【0199】
II) 67のキナーゼについての実施例2、3および5の化合物の活性試験
実施例2の化合物、すなわち1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾールおよび実施例3の化合物、すなわち1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルバルデヒドおよび実施例5の化合物、すなわち1,10-ジヒドロピロロ[2,3-a]カルバゾール-3-カルボキサミドを、次の67のキナーゼ:
MKK1, ERK 1, ERK 2, JNK1, JNK2, JNK3, p38a MAPK, p38b MAPK, p38g MAPK, p38s MAPK, ERK8, RSK1, RSK2, PDK1, PKBa, PKBb, SGK1, S6K1, PKA, ROCK2, PRK2, PKCa, PKC zeta, PKD1, MSK1, MNK1, MNK2, MAPKAP-K2, MAPKAP-K3, PRAK, CAMKKa, CAMKKb, CAMK1, SmMLCK, PHK, CHK1, CHK2, GSK3b, CDK2/サイクリンA, PLK1, PLK1 (オカダ酸), オーロラB, オーロラC, AMPK, MARK3, BRSK2, MELK, CK1, CK2, NEK2a, NEK6, NEK7, IKKb, PIM-1, PIM-2, PIM-3, SRPK1, MST2, EF2K, HIPK2, HIPK3, PAK4, PAK5, PAK6, Src, Lck, CSK
について試験した。
【0200】
10 μM (10 μmol/L)の濃度で、実施例2、3および5の化合物と接触下に置かれた後の、上記キナーゼについての残存活性に関する結果を次の表1に示す。
試験されたキナーゼの残存活性が高いほど、試験化合物の試験されたキナーゼへの阻害活性は低い。
【0201】
【表1-1】
【0202】
【表1-2】
【0203】
【表1-3】
【0204】
【表1-4】
【0205】
【表1-5】
【0206】
【表1-6】
【0207】
III) キナーゼPIM-1、PIM-2およびPIM-3についての本発明の化合物の活性試験
次いで、本発明の化合物をキナーゼPIM-1、PIM-2およびPIM-3について試験した。
本発明の化合物をキナーゼPIM-1、PIM-2およびPIM-3のそれぞれと接触下に置いた後の、残存活性のパーセントに関する結果を次の表2に示す。
残存活性が高いほど、試験化合物の阻害活性は低い。
【0208】
【表2-1】
【0209】
【表2-2】
【0210】
本発明の好ましい化合物、ずなわち実施例2、3、5、6、15、16、40、44、45、46、47、48、51および52の化合物は、10%以下の残存活性パーセントを有する化合物である。
【0211】
IV) 本発明の好ましい化合物の中間(mean)阻害濃度の測定
本発明の特定の好ましい化合物の中間阻害濃度(IC50)を、次の方法で決定した:IC50値は、各試験化合物に対して、10の異なる濃度でのキナーゼPIM-1、PIM-2およびPIM-3についての阻害試験を行った後に測定され、IC50値は、得られる用量-阻害曲線から決定された。
その結果を次の表3に示す。
【0212】
【表3】