特許第5663521号(P5663521)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許56635211次側端がフランジ式となっている水道用メーターと締付けホルダーの接続継手
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663521
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】1次側端がフランジ式となっている水道用メーターと締付けホルダーの接続継手
(51)【国際特許分類】
   E03B 7/07 20060101AFI20150115BHJP
   F16L 23/024 20060101ALI20150115BHJP
   F16L 23/026 20060101ALI20150115BHJP
   F16L 23/028 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   E03B7/07 Z
   F16L23/02 B
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-93804(P2012-93804)
(22)【出願日】2012年4月17日
(65)【公開番号】特開2013-221333(P2013-221333A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2013年2月4日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594024545
【氏名又は名称】横浜市
(73)【特許権者】
【識別番号】000201593
【氏名又は名称】前澤給装工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073623
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 幸吉
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 千明
(72)【発明者】
【氏名】丸山 幸助
(72)【発明者】
【氏名】七戸 邦雄
(72)【発明者】
【氏名】河野 雅一
(72)【発明者】
【氏名】三上 明信
(72)【発明者】
【氏名】弓指 勝
(72)【発明者】
【氏名】青木 守
(72)【発明者】
【氏名】河野 悦友
(72)【発明者】
【氏名】牛窪 俊之
(72)【発明者】
【氏名】関 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 竜一
【審査官】 ▲高▼橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−317473(JP,A)
【文献】 特開平04−168321(JP,A)
【文献】 特開2004−044701(JP,A)
【文献】 実開平05−087056(JP,U)
【文献】 特開2009−068980(JP,A)
【文献】 特開2006−125013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 7/00 − 7/14
F16L 23/024 − 23/028
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次側に水道用メーターホルダーの締付けホルダーとの着合構造を備え、2次側に水道用メーター1次側端のフランジを受け入れる嵌入凹部を設け、嵌入凹部のメーターへの連通水路開口部周縁に弾性リングを設定して、水道用メーターフランジの嵌入により、その端面が弾性リングに圧接されると弾性リングが圧潰されて接続部の水密性が保持されると共に、嵌入凹部の嵌入側壁面がフランジの周壁を芯方向に案内することを特徴とする1次側端がフランジ式となっている水道用メーターと締付けホルダーの接続継手
【請求項2】
水道用メーター1次側端のフランジを受け入れる嵌入凹部の周壁に、水道用メーターフランジの係止手段を設定した請求項1記載1次側端がフランジ式となっている水道用メーターと締付けホルダーの接続継手
【請求項3】
水道用メーターフランジを受け入れる嵌入凹部の周壁に設定する係止手段を、突出方向に付勢され、嵌入凹部内壁に出没自在に突出する突片によって構成した請求項2記載の1次側端がフランジ式となっている水道用メーターと締付けホルダーの接続継手
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道用メーターをホルダーベースに着接する際に用いるホルダーベースの締付けホルダーと水道メーターの1次側端部を接続する接続継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水道用メーターの両端部はメーター水路外周壁に雄ねじが刻設され、従来、ナットと螺合により接続されてきたが、例えば引用文献1記載のように2次側の受けホルダーに対して1次側から締付けホルダーを進退させる方法が開発されると、1次側ホルダー水路と水道用メーター水路を圧接着合して水道用メーターをホルダーベースに着接する方法が行われた。
【0003】
しかし、水道用メーターの呼び径が50、75といった大径のものについては螺合による接続が困難なのでフランジ式ボルト締めの接合構造となっていた。
【0004】
フランジ式ボルト締め接合の場合は、メーター1次側にストレーナ付補足管を接合しなければならないが、ボルト締めの位置合わせ及び芯ズレをなくすための位置決めは手作業では困難なため、ハウジング形継手を用いて芯ズレを吸収する接合方法が用いられるようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
ハウジング形継手については、例えば、引用文献2に実施例として記載のように、2つの配管に継手を接続し、接続後、ハウジング形継手で接続する方法や、引用文献3に記載のように円弧部と円弧部両端から延出するフランジ部と円弧部内周面に凹溝を形成し弾性シールリングを嵌め込み、その撓みによって円弧部の周端縁と連結する配管の外周面に一致させるといった方法が記載されている。
【0006】
水道メーターにおけるフランジ式ボルト締め接合によるストレーナ付補足管の接合については、文献的なものは存在しないが、図6に示すように水道メーターAとストレーナ付補足管を専用のハウジング形継手で接合し、芯ズレや可動を吸収してきた。
【0007】
その後、上記引用文献1記載のように2次側の受けホルダーに対して1次側から締付けホルダーを進退させる方法が開発されると、図7に示すように、補足管を使用せずにストレーナ本体部を2次側端部にフランジを形成した接続金具に構成し、メーター1次側端のフランジ面に突合するようにした。
【0008】
更に、接続金具の2次側は、従来と同じメーター1次側とハウジング形継手により接合する方法としたため、この接続形態は接合部にハウジング形継手を着設するのに熟練を要し、作業的に時間と労力を要する問題があった。
【特許文献1】特開2007−85088号公報
【特許文献2】特開2009−2518号公報
【特許文献3】特開2011−237011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記接続金具も図6に示す専用の継手と同様に、2つの円弧状の外殻体を上下から重合させてフランジ突合部を抱合し、内包の弾性パッキンにより芯ズレを吸収する基本構成となっているため、外殻体の抱合取付け作業には熟練と時間が掛り、未熟な場合には漏水等の発生を免れないといった問題がある。
【0010】
更に、水道メーター専用のハウジング形継手が付いているため、製造コストも高く、取付け作業にも熟練した人手と時間が掛り、その後のメンテナンスにも更なる問題を残す。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記した課題に対応しようとするものであり、1次側に水道用メーターホルダーの締付けホルダーとの着合構造を備え、2次側に水道用メーター1次側端のフランジを受け入れる嵌入凹部を設けると共に、同嵌入凹部のメーターへの連通水路開口部周縁に弾性リングを設定した接続継手によりホルダーベースの締付けホルダーと水道メーターの1次側端部を接続するようにした。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上記のように構成したので、接続継手の1次側にストレーナ本体を着設して水道用メーターホルダーの締付けホルダーに圧着させると共に、2次側の嵌入凹部に水道用メーター1次側端のフランジを受け入れて、締付けホルダーを前進させることにより、一挙にホルダーベースの締付けホルダーと水道メーターの1次側端部を押圧接続できるものである。
【0013】
また、ハウジング形継手のような特別なジョイントを用いることなく、嵌入凹部に水道メーターの1次側フランジを嵌入するだけで芯出しの位置決めを行えるので、作業効率的にも、資材コスト面でも極めて有利である。
【0014】
更に、1次側配管の継手部にストレーナ本体を設定でき、水道メーターへの異物の流入を防止できるので、継手部を含むメーターホルダーの面間距離を短縮し、送水圧の損失を低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例を示すもので、本発明による接続継手を用いて水道用メーターを着装する状態における要部を切欠断面とした水道用メーターホルダーの全体側面図
図2】同じく、水道用メーターの1次側端部を、接続継手2次側の嵌入凹部に水密に圧入した状態を示す接続継手の嵌入凹部の拡大縦断面図
図3】同じく、嵌入凹部に受け入れるフランジをボルトで係止する実施例を示す要部を切欠断面とした締付けホルダーと接続継手、水道用メーターの接合部の拡大側面図
図4】同じく、嵌入凹部に受け入れるフランジを割リングで係止する実施例を示すフランジを嵌入した状態における嵌入凹部の拡大縦断面図
図5】同じく、嵌入凹部に受け入れるフランジを割リングで係止する実施例における割リングの設定状態を示す図4におけるB−B断面図
図6】従来例による水道メーターとストレーナ付補足管を専用のハウジング形継手で接合した構造を示す水道用メーターホルダーの全体側面図
図7】同じく、従来例による水道メーターと専用の接続金具を専用のハウジング形継手で接合する構造を示す要部を切欠断面とした水道用メーターホルダーの全体側面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明すると、1はホルダーベースの本体で、両側に対峙する1次側の締付けホルダー1aと2次側受けホルダー1bの一対から成り、その間に本発明にかかる接続継手を介して水道メーターAを挟着して連結支持するようになっている。
【0017】
2は、接続継手で、1次側は締付けホルダー1aの着合面11に接面するストレーナ機構3を介装した接合部21、2次側は水道メーター1次側端のフランジHを受け入れる嵌入凹部22となっている。嵌入凹部22にフランジHを嵌入して水道メーターAが間装されると締付けホルダー1aをハンドル12の回動により受けホルダー1bに向けて推進させて、その間に水道メーターAの両端を圧接して装着連結する。
【0018】
嵌入凹部22の水道メーターフランジH端との着接面23には、Oリング、パッキン等の弾性リング4が埋定され、水道メーターのフランジが嵌入され、着接面23にフランジHの端面が圧接されると弾性リング4が圧潰されて接続部の水密性が保持される。
【0019】
以上のように、本願発明による接続継手は、水道メーター1次側端のフランジを嵌入凹部22に嵌入すれば嵌入凹部の嵌入側壁面がフランジHの周壁を芯方向に案内するので、ハウジング形継手を用いる場合のように水道メーター1次側端の芯合わせを行う必要がない。
【実施例1】
【0020】
係止手段として嵌入凹部の周壁にボルト孔を設定し、フランジHを嵌入凹部22に嵌入した後、フランジHをボルト締め5により係止すれば、接続継手2が水道用メーター1次側端に係止され、フランジHに挿入された接続継手が水道メーターから抜け落ちることが防止され、締付けホルダー1aの着合面11にストレーナ機構3を介装した接合部21を接面させる作業がやり易くなる。
【0021】
嵌入凹部の径が、フランジHの径と密接して挿入状態となれば、ボルト締めがなくとも着合が安定し、そのまま、締付けホルダー1aへの着合作業を行っても差し支えないが、安全のためにはボルト締めを行った方が良い。
【実施例2】
【0022】
実施例2は、図4に示すように嵌入凹部22の内周壁に凹溝61を形成し、割リング6を嵌入設定するものであり、フランジHを嵌入凹部22に嵌入する際、割リング6はフランジHの周面に押圧されて凹溝61の奥スペースに引っ込んでフランジHを通過させるが、フランジHが通過すると縮径して凹溝61からリング内周を突出させてフランジHの後端部を係止し、フランジHの嵌入凹部22からの離脱を阻止する。
【0023】
このように構成することにより、フランジHを嵌入凹部22に挿入すれば、そのまま、自動的にフランジHが嵌入凹部22に係止され、安全に水道メーターAを取り扱うことができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明に係る水道用メーターとホルダーの接続継手は、これまで多大の時間と労力を要していた水道用メーター1次側とメーターホルダー2次側の接続を簡便に行うことができ、芯ズレの危惧もないので、地上における通常の水道用メーターのメンテナンスや部材の修理交換など様々な形態で水道施設産業上に高度の利用価値を有するものである。
【符号の説明】
【0025】
1 ホルダーベース本体
1a 1次側締付けホルダー
1b 2次側受けホルダー
11 締付けホルダーの接続継手着合面
12 締付けホルダーの推進回動ハンドル
13 締付けホルダーの接続継手着合面埋設Oリング
2 接続継手
21 接続継手の締付けホルダー接合部
22 接続継手のフランジ嵌入凹部
23 嵌入凹部のフランジ着接面
3 ストレーナ機構
4 弾性リング
5 ボルト締め
6 割リング
61 嵌入凹部の割リング設定凹溝
A 水道用メーター
a 従来例によるハウジング形継手パッキンの凹溝
H 水道用メーターの1次側端のフランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7