特許第5663566号(P5663566)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5663566カルバゾール系ホスフィンオキシド化合物及びこれを含む有機電界発光素子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663566
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】カルバゾール系ホスフィンオキシド化合物及びこれを含む有機電界発光素子
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/572 20060101AFI20150115BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20150115BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   C07F9/572 ACSP
   H05B33/14 B
   H05B33/22 D
   C09K11/06 690
【請求項の数】16
【全頁数】66
(21)【出願番号】特願2012-512938(P2012-512938)
(86)(22)【出願日】2009年11月16日
(65)【公表番号】特表2012-528143(P2012-528143A)
(43)【公表日】2012年11月12日
(86)【国際出願番号】KR2009006717
(87)【国際公開番号】WO2010137779
(87)【国際公開日】20101202
【審査請求日】2011年12月27日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0046425
(32)【優先日】2009年5月27日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2009-0104025
(32)【優先日】2009年10月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513193923
【氏名又は名称】エスケー ケミカルズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジュン−ヨプ
(72)【発明者】
【氏名】チョン,スン−オク
(72)【発明者】
【氏名】ユク,キョン−ス
(72)【発明者】
【氏名】キム,オ−ヨン
【審査官】 黒川 美陶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−109988(JP,A)
【文献】 特開2008−270729(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/137725(WO,A1)
【文献】 特表2012−514618(JP,A)
【文献】 特開2009−227604(JP,A)
【文献】 Proc. of SPIE,2007年,Vol.6655,pp.665506-1〜665506-11
【文献】 J. Phys. Chem. C,2008年,Vol.112,pp.7989-7996
【文献】 Organic Electronics,2009年 5月 9日,Vol.10,pp.939-947
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
C09K
H01L
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1
【化1】
が酸素原子であり、Ar〜Arがそれぞれフェニル基であり、Arがフェニル基であり、R及びRがそれぞれフェニル基である、
で表わされる有機電界発光素子用化合物。
【請求項2】
下記化学式3
【化3】
式中、Yは酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Arは置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
Ar10及びAr11はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
及びRはそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基であるか置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、非置換のチオ基または炭素数1〜50の置換チオ基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
前記Ar〜Ar11、RまたはRにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50の置換チオ基または炭素数1〜50の置換シリル基である、で表わされる有機電界発光素子用化合物。
【請求項3】
が酸素原子であり、
Ar非置換フェニル基または炭素数6〜34の置換フェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
Ar10〜Ar11がそれぞれ同一または異なる置換基で、非置換フェニル基または炭素数6〜34の置換フェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
及びRがそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、ここで、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
前記Ar〜Ar11、R、及びRにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜34のアリール基、核原子数5〜34のヘテロアリール基、炭素数1〜34のアルキル基、炭素数3〜34のアルキル環基、炭素数1〜34の置換チオ基、または炭素数1〜34の置換シリル基である、請求項に記載の有機電界発光素子用化合物。
【請求項4】
下記化学式4
【化4】
式中、Y及びYはそれぞれ同一または異なる置換基で、酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar12〜Ar15はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
〜Rはそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、非置換のチオ基、炭素数1〜50の置換チオ基、または非置換のシリル基、炭素数1〜50の置換シリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
前記Ar12〜Ar15、及びR〜Rにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50の置換チオ基、または炭素数1〜50の置換シリル基である、で表わされる有機電界発光素子用化合物。
【請求項5】
及びYが酸素原子であり、
Ar12〜Ar15はそれぞれ同一または異なる置換基で、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
〜Rはそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、ここで、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
前記Ar12〜Ar15、及びR〜Rにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜34のアリール基、核原子数5〜34のヘテロアリール基、炭素数1〜34のアルキル基、炭素数3〜34のアルキル環基、炭素数1〜34の置換チオ基、または炭素数1〜34の置換シリル基である、請求項に記載の有機電界発光素子用化合物。
【請求項6】
下記化学式5
【化5】
式中、Y及びYはそれぞれ同一または異なる置換基で、酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar16〜Ar19はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
10〜R12はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、非置換のチオ基、炭素数1〜50の置換チオ基、または非置換のシリル基、炭素数1〜50の置換シリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
前記Ar16〜Ar19、及びR10〜R12における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である、で表わされる有機電界発光素子用化合物。
【請求項7】
及びYはそれぞれ酸素原子であり、
Ar16〜Ar19はそれぞれ同一または異なる置換基で、非置換のフェニル基、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
10〜R12はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、非置換のフェニル基、炭素数6〜34の置換フェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、ここで、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
前記Ar16〜Ar19、及びR10〜R12における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜34のアリール基、核原子数5〜34のヘテロアリール基、炭素数1〜34のアルキル基、炭素数3〜34のアルキル環基、炭素数1〜34の置換チオ基、または炭素数1〜34の置換シリル基である、請求項に記載の有機電界発光素子用化合物。
【請求項8】
下記化学式6
【化6】
式中、Y〜Y11はそれぞれ同一または異なる置換基で、酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar20〜Ar25はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
13〜R15はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、非置換のチオ基、炭素数1〜50の置換チオ基、または非置換のシリル基、炭素数1〜50の置換シリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
前記Ar20〜Ar25、及びR13〜R15における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50の置換チオ基、または炭素数1〜50の置換シリル基である、で表わされる有機電界発光素子用化合物。
【請求項9】
〜Y11はそれぞれ酸素原子であり、
Ar20〜Ar25はそれぞれ同一または異なる置換基で、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
13〜R15はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、非置換のフェニル基、炭素数6〜34の置換フェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、ここで、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
前記Ar20〜Ar25、及びR13〜R15における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜34のアリール基、核原子数5〜34のヘテロアリール基、炭素数1〜34のアルキル基、炭素数3〜34のアルキル環基、炭素数1〜34の置換チオ基、または炭素数1〜34の置換シリル基である、請求項に記載の有機電界発光素子用化合物。
【請求項10】
下記化学式7
【化7】
式中、Y12は酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar26及びAr27はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
16〜R20はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、非置換のチオ基、炭素数1〜50の置換チオ基、または非置換のシリル基、炭素数1〜50の置換シリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
前記Ar26、Ar27、及びR16〜R20における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50の置換チオ基、または炭素数1〜50の置換シリル基である、で表示される有機電界発光素子用化合物。
【請求項11】
12は酸素原子であり、
Ar26及びAr27はそれぞれ同一または異なる置換基で、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
16〜R20はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、非置換のフェニル基、炭素数6〜34の置換フェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、ここで、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
前記Ar26、Ar27、及びR16〜R20における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜34のアリール基、核原子数5〜34のヘテロアリール基、炭素数1〜34のアルキル基、炭素数3〜34のアルキル環基、炭素数1〜34の置換チオ基、または炭素数1〜34の置換シリル基である、請求項10に記載の有機電界発光素子用化合物。
【請求項12】
下記化学式8
【化8】
式中、Y13及びY14はそれぞれ同一または異なる置換基で、酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar28〜Ar31はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
21〜R25はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、非置換のチオ基、炭素数1〜50の置換チオ基、または非置換のシリル基、炭素数1〜50の置換シリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
前記Ar28〜Ar31、及びR21〜R25における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50の置換チオ基、または炭素数1〜50の置換シリル基である、で表わされる有機電界発光素子用化合物。
【請求項13】
13及びY14はそれぞれ酸素原子であり、
Ar28〜Ar31はそれぞれ同一または異なる置換基で、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
21〜R25はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、非置換のフェニル基、炭素数6〜34の置換フェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、ここで、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
前記Ar28〜Ar31、及びR21〜R25における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜34のアリール基、核原子数5〜34のヘテロアリール基、炭素数1〜34のアルキル基、炭素数3〜34のアルキル環基、炭素数1〜34の置換チオ基、または炭素数1〜34の置換シリル基である、請求項12に記載の有機電界発光素子用化合物。
【請求項14】
第1電極;第2電極;及び前記第1電極と第2電極の間に形成される少なくとも一層の発光層を持つ単層または複数層の有機層を含む有機電界発光素子において、前記有機層は請求項1〜13のいずれか一項に記載の有機電界発光素子用化合物を含む、有機電界発光素子。
【請求項15】
前記発光層が請求項1〜13のいずれか一項に記載の有機電界発光素子用化合物を含むことを特徴とする、請求項14に記載の有機電界発光素子。
【請求項16】
前記有機層が、請求項1〜13のいずれか一項に記載の有機電界発光素子用化合物を含む正孔輸送層を含むことを特徴とする、請求項14に記載の有機電界発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は既存有機電界発光素子の熱的安全性を向上させ、低い効率特性、特に純青色リン光有機電界発光素子の低い効率特性を改善するための、カルバゾール系ホスフィンオキシド化合物及びこれを含む有機電界発光素子に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
有機電界発光素子は、既存の液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、そして電界放出ディスプレイ(FED)などの他の平板表示素子に比べて構造が簡単で、製造工程上多様な利点があり、高い輝度及び視野角特性に優れ、応答速度が速くて駆動電圧が低いので、壁掛けTVなどのフラットパネルディスプレイまたはディスプレイの背面光、照明、広告看板などの光源として使われるように活発な開発が進んでいる。
【0003】
有機電界発光素子は、一般に、直流電圧を印加したとき、陽極から注入された正孔と陰極から注入された電子が再結合して電子−正孔対であるエキシトンを形成し、このエキシトンが安定した基底状態に戻り、それに相当するエネルギーを発光材料に伝達することによって光に変換される。
【0004】
有機電界発光素子の効率及び安全性を高めるために、イーストマンコダック社のタン(C.W.Tang)らによって二つの反対電極の間に積層型有機物薄膜を構成してなる低電圧駆動有機電界発光素子が報告(C.W.Tang, S.A.Vanslyke, Applied Physics Letters, 51巻913ページ、1987年)されて以来、多層薄膜構造型有機電界発光素子用有機材料に対する研究が活発に進んでいる。このような積層型有機電界発光素子の寿命は薄膜及び材料の安全性に関連が深い。例えば、材料の熱安定性が低下する場合、高温または駆動温度で材料が結晶化して素子の寿命を縮める原因となっている。
【0005】
既存の有機電界発光素子のホスト物質としては多様な構造の化合物が知られている。トリアジン系化合物、オキサジアゾール系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、フェニルピリジン系化合物及びシリコン系化合物などが知られている。しかし、このような化合物は有機電界発光素子において優れた効率特性を具現することができない問題点があり、青色リン光素子において優れた特性を具現することができるホスト物質は非常に制限されている。したがって、これを改善するための新しい化合物の開発が要求されている。
【0006】
新しいホスト物質としてホスフィンオキシド系の新しい化合物が報告されたことがあるが、この化合物の場合にも高効率の具現が難しい問題点があった。
大韓民国公開特許第10−2006−0109524にアリールホスフィンオキシド系化合物、アリールホスフィンスルフィド系化合物またはアリールホスフィンセレナイド系化合物及びこれを用いた有機電界発光素子が開示されたが、純青色リン光素子で高効率を具現することができない問題点がある。
アプライドフィジックスレター(Appl.Phys.Lett.92, 083308, 2008年)でフラーレン構造を取り入れたホスフィンオキシド化合物を用いた青色リン光素子を開示したが、量子効率が9%程度で素子効率が低い問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10−2006−0109524
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】C.W.Tang, S.A.Vanslyke, Applied Physics Letters, 51巻913ページ、1987年
【非特許文献2】Appl.Phys.Lett.92, 083308, 2008年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような問題点を改善するために、新しいホスト物質としてカルバゾール構造を含むホスフィンオキシド化合物を開発し、これを有機電界発光素子のホスト物質として適用して既存物質の問題点を改善しようとする。
本発明は既存の有機電界発光素子が有する熱的不安定性と低効率の問題点を解決するために、カルバゾール系ホスフィンオキシド化合物を使うことで、熱安定性が高くて正孔輸送特性に優れて正孔輸送層に適用することができ、赤色ないし青色リン光までのすべての発光層にホスト物質として適用することができるだけではなく、純青色リン光素子において優れた効率特性を具現するカルバゾール系ホスフィンオキシド化合物及びこれを含む有機電界発光素子を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は下記化学式1で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化1】
前記化学式1で、Yは酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar及びArはそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
Arは置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0011】
及びRはそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0012】
前記Ar〜Ar、R、またはRにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0013】
また、本発明は下記化学式2で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化2】
【0014】
前記化学式2で、Y及びYはそれぞれ同一または異なる置換基で、酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar〜Arはそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
Arは置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0015】
及びRはそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0016】
前記Ar〜Ar、R、またはRにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0017】
また、本発明は下記化学式3で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化3】
【0018】
前記化学式3で、Yは酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Arは置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
Ar10及びAr11はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0019】
及びRはそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基であるか置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0020】
前記Ar〜Ar11、R、またはRにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0021】
また、本発明は下記化学式4で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化4】
【0022】
前記化学式4で、Y及びYはそれぞれ同一または異なる置換基で、酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar12〜Ar15はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0023】
〜Rはそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0024】
前記Ar12〜Ar15、及びR〜Rにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0025】
また、本発明は下記化学式5で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化5】
【0026】
前記化学式5で、Y及びYはそれぞれ同一または異なる置換基で、酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar16〜Ar19はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0027】
10〜R12はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0028】
前記Ar16〜Ar19、及びR10〜R12における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0029】
また、本発明は下記化学式6で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化6】
【0030】
前記化学式6で、Y〜Y11はそれぞれ同一または異なる置換基で、酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar20〜Ar25はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0031】
13〜R15はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0032】
前記Ar20〜Ar25、及びR13〜R15における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0033】
また、本発明は下記化学式7で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化7】
【0034】
前記化学式7で、Y12は酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar26及びAr27はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0035】
16〜R20はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0036】
前記Ar26、Ar27、及びR16〜R20における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0037】
また、本発明は下記化学式8で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化8】
【0038】
前記化学式8で、Y13及びY14はそれぞれ同一または異なる置換基で、酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar28〜Ar31はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0039】
21〜R25はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0040】
前記Ar28〜Ar31、及びR21〜R25における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0041】
また、本発明は
第1電極;
第2電極;及び
前記第1電極と第2電極の間に形成される少なくとも一つの発光層を持つ単層または複数層の有機層を含む有機電界発光素子において、
前記有機層が前記有機電界発光素子用化合物を含む有機電界発光素子を提供する。
【0042】
ここで、前記発光層が本発明の有機電界発光素子用化合物を含む有機電界発光素子が提供されることができる。また、前記有機層が、本発明の有機電界発光素子用化合物を含む正孔輸送層を含む有機電界発光素子が提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は本発明による有機電界発光素子の構造を概略的に示す図である。
図2図2は本発明の実施例1による有機電界発光素子の効率特性を示すグラフである。
図3図3は本発明の実施例2による有機電界発光素子の効率特性を示すグラフである。
図4図4は本発明の実施例3による有機電界発光素子の効率特性を示すグラフである。
図5図5は本発明の実施例4による有機電界発光素子の効率特性を示すグラフである。
図6図6は本発明の実施例5による有機電界発光素子の効率特性を示すグラフである。
図7図7は本発明の実施例6による有機電界発光素子の効率特性を示すグラフである。
図8図8は本発明の実施例7による有機電界発光素子の効率特性を示すグラフである。
図9図9は本発明の実施例8による有機電界発光素子の効率特性を示すグラフである。
図10図10は本発明の実施例9による有機電界発光素子の効率特性を示すグラフである。
図11図11は本発明の比較例1による有機電界発光素子の効率特性を示すグラフである。
図12図12は本発明の比較例2による有機電界発光素子の効率特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明によるカルバゾール系ホスフィンオキシド化合物及びこれを含む有機電界発光素子の好適な実施例を化学式または添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0045】
本発明は既存有機電界発光素子の低効率の問題点を克服するために、カルバゾール構造を含むホスフィンオキシド化合物を開発し、これを有機発光素子の発光層のホスト物質として適用した。
カルバゾール構造は三重項エネルギーギャップが3.2eVで、赤色リン光及び青色リン光までのすべての発光層に適用が可能であり、熱的な安全性に非常に優れて素子の安全性の面でも優れた利点を持つ。また、正孔に対する輸送特性に優れて正孔輸送層物質として適用することができる利点がある。
【0046】
ホスフィンオキシド構造は電子輸送特性に優れた利点があり、素子安全性の面でも優れた特性を示す。
したがって、電子輸送及び正孔輸送特性がいずれも優れた利点を持ちながら高い三重項エネルギーを持つ単位としてカルバゾール構造とホスフィンオキシド構造を組み合わせて発光層の優れたホスト物質としての特性を具現することができた。
【0047】
本発明はホスフィンオキシド構造とカルバゾール構造を基にするカルバゾール系ホスフィンオキシド化合物を有機電界発光素子の発光層ホストとして使った。カルバゾール構造は有機材料の三重項エネルギーを調節する役目をし、ホスフィンオキシド構造は電子輸送特性を改善させる役目をする。したがって、カルバゾール構造の高い三重項エネルギーを用いて本発明の化合物をリン光発光物質のホストとして適用し、カルバゾール構造の正孔輸送特性とホスフィンオキシド構造の電子輸送特性を用いて電荷移動特性に優れたホスト物質として適用することが可能であった。
【0048】
以下、本発明によるカルバゾール系ホスフィンオキシドを説明し、これを含む有機電界発光素子を記述する。
本発明は下記化学式1で表示されるカルバゾール系ホスフィンオキシド化合物、カルバゾール系ホスフィンスルフィド化合物またはカルバゾール系ホスフィンセルレナイド化合物(以下、簡単にカルバゾール系ホスフィンオキシド化合物という)である有機電界発光素子用化合物を提供する。
【0049】
【化9】
【0050】
前記化学式1で、Yは酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar及びArはそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
Arは置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0051】
及びRはそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0052】
前記Ar〜Ar、R、またはRにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0053】
本発明によれば、
前記化学式1で、Yが酸素原子であり、
Ar及びArがそれぞれ同一または異なる置換基で、炭素数6〜34の置換または非置換フェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
Arが炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
【0054】
及びRがそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、ここで、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0055】
前記Ar〜Ar、R、またはRにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜34のアリール基、核原子数5〜34のヘテロアリール基、炭素数1〜34のアルキル基、炭素数3〜34のアルキル環基、炭素数1〜34のチオ基、または炭素数1〜34のシリル基である、有機電界発光素子用化合物が提供されることができる。
【0056】
また、本発明によれば、
前記化学式1で、Yが酸素原子であり、Ar〜Arがそれぞれフェニル基であり、Arがフェニル基であり、R及びRがそれぞれフェニル基である、有機電界発光素子用化合物が提供されることができる。
【0057】
また、本発明は下記化学式2で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化10】
【0058】
前記化学式2で、Y及びYはそれぞれ同一または異なる置換基で、酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar〜Arはそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
Arは置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0059】
及びRはそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0060】
前記Ar〜Ar、R、またはRにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0061】
本発明によれば、
前記化学式2で、Y及びYが酸素原子であり、
Ar〜Arがそれぞれ同一または異なる置換基で、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
Arが炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
【0062】
及びRがそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、ここで、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0063】
前記Ar〜Ar、R、またはRにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜34のアリール基、核原子数5〜34のヘテロアリール基、炭素数1〜34のアルキル基、炭素数3〜34のアルキル環基、炭素数1〜34のチオ基、または炭素数1〜34のシリル基である、有機電界発光素子用化合物が提供されることができる。
【0064】
また、本発明は下記化学式3で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化11】
【0065】
前記化学式3で、Yは酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Arは置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
Ar10及びAr11はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0066】
及びRはそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基であるか置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0067】
前記Ar〜Ar11、R、またはRにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0068】
本発明によれば、
前記化学式3で、Yが酸素原子であり、
Arが炭素数6〜34の置換または非置換フェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
Ar10〜Ar11がそれぞれ同一または異なる置換基で、炭素数6〜34の置換または非置換フェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
【0069】
及びRがそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、ここで、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0070】
前記Ar〜Ar11、R、及びRにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜34のアリール基、核原子数5〜34のヘテロアリール基、炭素数1〜34のアルキル基、炭素数3〜34のアルキル環基、炭素数1〜34のチオ基、または炭素数1〜34のシリル基である、有機電界発光素子用化合物が提供されることができる。
【0071】
また、本発明は下記化学式4で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化12】
【0072】
前記化学式4で、Y及びYはそれぞれ同一または異なる置換基で、酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar12〜Ar15はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0073】
〜Rはそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0074】
前記Ar12〜Ar15、及びR〜Rにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0075】
本発明によれば、前記化学式4で、Y及びYが酸素原子であり、
Ar12〜Ar15はそれぞれ同一または異なる置換基で、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
【0076】
〜Rはそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、ここで、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0077】
前記Ar12〜Ar15、及びR〜Rにおける“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜34のアリール基、核原子数5〜34のヘテロアリール基、炭素数1〜34のアルキル基、炭素数3〜34のアルキル環基、炭素数1〜34のチオ基、または炭素数1〜34のシリル基である、有機電界発光素子用化合物が提供されることができる。
【0078】
また、本発明は下記化学式5で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化13】
【0079】
前記化学式5で、Y及びYはそれぞれ同一または異なる置換基で、酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar16〜Ar19はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0080】
10〜R12はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0081】
前記Ar16〜Ar19、及びR10〜R12における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0082】
本発明によれば、前記化学式5で、Y及びYはそれぞれ酸素原子であり、
Ar16〜Ar19はそれぞれ同一または異なる置換基で、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
【0083】
10〜R12はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、ここで、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0084】
前記Ar16〜Ar19、及びR10〜R12における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜34のアリール基、核原子数5〜34のヘテロアリール基、炭素数1〜34のアルキル基、炭素数3〜34のアルキル環基、炭素数1〜34のチオ基、または炭素数1〜34のシリル基である、有機電界発光素子用化合物が提供されることができる。
【0085】
また、本発明は下記化学式6で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化14】
【0086】
前記化学式6で、Y〜Y11はそれぞれ同一または異なる置換基で、酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar20〜Ar25はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0087】
13〜R15はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0088】
前記Ar20〜Ar25、及びR13〜R15における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
本発明によれば、前記化学式6で、Y〜Y11はそれぞれ酸素原子であり、
【0089】
Ar20〜Ar25はそれぞれ同一または異なる置換基で、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
【0090】
13〜R15はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、ここで、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0091】
前記Ar20〜Ar25、及びR13〜R15における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜34のアリール基、核原子数5〜34のヘテロアリール基、炭素数1〜34のアルキル基、炭素数3〜34のアルキル環基、炭素数1〜34のチオ基、または炭素数1〜34のシリル基である、有機電界発光素子用化合物が提供されることができる。
【0092】
また、本発明は下記化学式7で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化15】
【0093】
前記化学式7で、Y12は酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar26及びAr27はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0094】
16〜R20はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0095】
前記Ar26、Ar27、及びR16〜R20における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0096】
本発明によれば、前記化学式7で、Y12は酸素原子であり、
Ar26及びAr27はそれぞれ同一または異なる置換基で、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
【0097】
16〜R20はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、ここで、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0098】
前記Ar26、Ar27、及びR16〜R20における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜34のアリール基、核原子数5〜34のヘテロアリール基、炭素数1〜34のアルキル基、炭素数3〜34のアルキル環基、炭素数1〜34のチオ基、または炭素数1〜34のシリル基である、有機電界発光素子用化合物が提供されることができる。
【0099】
また、本発明は下記化学式8で表示される有機電界発光素子用化合物を提供する。
【化16】
【0100】
前記化学式8で、Y13及びY14はそれぞれ同一または異なる置換基で、酸素、硫黄またはセレニウム原子であり、
Ar28〜Ar31はそれぞれ同一または異なる置換基で、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、または置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
【0101】
21〜R25はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基、または置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基であり、ここで、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換または非置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、または置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0102】
前記Ar28〜Ar31、及びR21〜R25における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜50のアリール基、核原子数5〜50のヘテロアリール基、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数3〜50のアルキル環基、炭素数1〜50のチオ基、または炭素数1〜50のシリル基である。
【0103】
本発明によれば、前記化学式8で、Y13及びY14はそれぞれ酸素原子であり、
Ar28〜Ar31はそれぞれ同一または異なる置換基で、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、
【0104】
21〜R25はそれぞれ独立に一部または全部が水素原子であるか、それぞれ同一または異なる置換基で、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基であり、ここで、炭素数6〜34の置換または非置換のフェニル基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換テルフェニル基、置換または非置換ナフチル基、置換または非置換アントリル基、または置換または非置換ピレニル基はそれぞれ独立にあるいは隣接の基とともに飽和または不飽和環を形成し、
【0105】
前記Ar28〜Ar31、及びR21〜R25における“置換”にあたる基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、核炭素数6〜34のアリール基、核原子数5〜34のヘテロアリール基、炭素数1〜34のアルキル基、炭素数3〜34のアルキル環基、炭素数1〜34のチオ基、または炭素数1〜34のシリル基である、有機電界発光素子用化合物が提供されることができる。
【0106】
前記Ar〜Ar31、及び前記R〜R25において、置換または非置換の核炭素数6〜50のアリール基の具体的な例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、4−ビフェニリル基、p−テルフェニル−4−イル基、p−テルフェニル−3−イル基、p−テルフェニル−2−イル基、m−テルフェニル−4−イル基、m−テルフェニル−3−イル基、m−テルフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4−メチルまたは4−tert−ブチル−p−テルフェニル−4−イル基などをあげることができる。
【0107】
前記Ar〜Ar31、及び前記R〜R25において、核原子数5〜50の芳香族複素環基の具体的な例としては、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ピリダジル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、
【0108】
キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−フェナントリジニル基、2−フェナントリジニル基、3−フェナントリジニル基、4−フェナントリジニル基、6−フェナントリジニル基、7−フェナントリジニル基、8−フェナントリジニル基、9−フェナントリジニル基、10−フェナントリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、
【0109】
1,7−フェナントロリン−2−イル基、1,7−フェナントロリン−3−イル基、1,7−フェナントロリン−4−イル基、1,7−フェナントロリン−5−イル基、1,7−フェナントロリン−6−イル基、1,7−フェナントロリン−8−イル基、1,7−フェナントロリン−9−イル基、1,7−フェナントロリン−10−イル基、1,8−フェナントロリン−2−イル基、1,8−フェナントロリン−3−イル基、1,8−フェナントロリン−4−イル基、1,8−フェナントロリン−5−イル基、1,8−フェナントロリン−6−イル基、1,8−フェナントロリン−7−イル基、1,8−フェナントロリン−9−イル基、1,8−フェナントロリン−10−イル基、
【0110】
1,9−フェナントロリン−2−イル基、1,9−フェナントロリン−3−イル基、1,9−フェナントロリン−4−イル基、1,9−フェナントロリン−5−イル基、1,9−フェナントロリン−6−イル基、1,9−フェナントロリン−7−イル基、1,9−フェナントロリン−8−イル基、1,9−フェナントロリン−10−イル基、1,10−フェナントロリン−2−イル基、1,10−フェナントロリン−3−イル基、1,10−フェナントロリン−4−イル基、1,10−フェナントロリン−5−イル基、2,9−フェナントロリン−1−イル基、2,9−フェナントロリン−3−イル基、2,9−フェナントロリン−4−イル基、2,9−フェナントロリン−5−イル基、2,9−フェナントロリン−6−イル基、2,9−フェナントロリン−7−イル基、2,9−フェナントロリン−8−イル基、2,9−フェナントロリン−10−イル基、
【0111】
2,8−フェナントロリン−1−イル基、2,8−フェナントロリン−3−イル基、2,8−フェナントロリン−4−イル基、2,8−フェナントロリン−5−イル基、2,8−フェナントロリン−6−イル基、2,8−フェナントロリン−7−イル基、2,8−フェナントロリン−9−イル基、2,8−フェナントロリンイルギ、2,7−フェナントロリン−1−イル基、2,7−フェナントロリン−3−イル基、2,7−フェナントロリン−4−イル基、2,7−フェナントロリン−5−イル基、2,7−フェナントロリン−6−イル基、2,7−フェナントロリン−8−イル基、2,7−フェナントロリン−9−イル基、2,7−フェナントロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、
【0112】
1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、
【0113】
2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−tert−ブチルピロ−ル−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−tert−ブチル−1−インドリル基、4−tert−ブチル−1−インドリル基、2−tert−ブチル−3−インドリル基、または4−tert−ブチル−3−インドリル基などをあげることができる。
【0114】
前記R〜R25において、置換または非置換の炭素数1〜50のアルキル基、及び置換または非置換の炭素数3〜50のアルキル環基の具体的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ペンチル基、n−ブチル、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デカニル、n−エイコサニルイソプロピル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−tert−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、
【0115】
クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−tert−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−tert−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−tert−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、
【0116】
アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−tert−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−tert−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−tert−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基などをあげることができる。
【0117】
前記R〜R25において、置換または非置換の炭素数1〜50のチオ基の具体的な例として、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、トリ(イソプロピル)チオ、トリ(イソブチル)チオ、トリ(tert−ブチル)チオ、トリ(2−ブチル)チオ、フェニルチオ、ナフチルチオ、ビフェニルチオ、(3−メチルフェニル)チオ、(4−メチルナフチル)チオ、(2−メチルビフェニル)チオ基などをあげることができる。
【0118】
前記R〜R25において、置換または非置換の炭素数1〜50のシリル基の具体的な例として、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、トリ(イソプロピル)シリル、トリ(イソブチル)シリル、トリ(tert−ブチル)シリル、トリ(2−ブチル)シリル、トリフェニルシリル、トリナフチルシリル、トリビフェニルシリル、トリ(3−メチルフェニル)シリル、トリ(4−メチルナフチル)シリル、トリ(2−メチルビフェニル)シリル、フェニルメチルシリル、フェニルエチルシリル、ナフチルメチルシリル、ナフチルエチルシリル、ビフェニルメチルシリル、3−メチル−フェニルメチルシリル、フェニル(イソプロピル)シリル、ナフチル(イソプロピル)シリルまたはビフェニル(イソプロピル)シリル基などをあげることができる。
【0119】
以下、本発明の有機電界発光素子用化合物の1〜194の構造式を表1〜表22に例示するが、本発明がこれら化合物に限定されるものではない。
【0120】
【表1】
【0121】
【表2】
【0122】
【表3】
【0123】
【表4】
【0124】
【表5】
【0125】
【表6】
【0126】
【表7】
【0127】
【表8】
【0128】
【表9】
【0129】
【表10】
【0130】
【表11】
【0131】
【表12】
【0132】
【表13】
【0133】
【表14】
【0134】
【表15】
【0135】
【表16】
【0136】
【表17】
【0137】
【表18】
【0138】
【表19】
【0139】
【表20】
【0140】
【表21】
【0141】
【表22】
【0142】
本発明による有機電界発光素子を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の有機電界発光素子の構造を概略的に示す図である。前述した化学式1〜8で表示される有機電界発光素子用化合物を含む有機電界発光素子は多様な構造に実現することができる。
【0143】
図1において、本発明によれば、第1電極110;第2電極150;及び前記第1電極と第2電極の間に形成される少なくとも一つの発光層130を持つ単層または複数層の有機層120、130、140を含む有機電界発光素子において、前記有機層120、130、140が前記記載された本発明による化学式1〜8の有機電界発光素子用化合物の一部または全部を含む有機電界発光素子を提供する。
【0144】
前記複数層の有機層は10層以下の層で積層することが好ましく、8層以下の層で積層することがもっと好ましい。有機層の層数が10層を超えると、有機電界発光素子の有機層の積層が工程上難しくて経済的にも不利である。
基本的に、図1に示す構造のように、本発明の一具現例による有機電界発光素子は、第1電極としての陽極110と第2電極としての陰極150の間に発光層130、正孔輸送層120及び電子輸送層140が積層された構造を持つ。また、前記発光層130、正孔輸送層120または電子輸送層140の外に電子注入層、正孔注入層、正孔阻止層、または電子阻止層の一部または全部を別に積層させて有機電界発光素子の発光効率を向上させることができる。
【0145】
有機電界発光素子は好ましくは透明基板によって支持される。透明基板の材料としては、良好な機械的強度、熱安定性及び透明性を持つものであるなら特別な制限はない。具体的な例を挙げれば、ガラス、透明プラスチックフィルムなどを使うことができる。
【0146】
本発明の有機電界発光素子の陽極材料としては、4eV以上の仕事関数を持つ金属、合金、電気伝導性化合物またはその混合物を使うことができる。具体的には、金属であるAuまたはCuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO及びZnOのような透明伝導性材料を持つことができる。陽極フィルムの厚さは10〜200nmが好ましい。
【0147】
本発明の有機電界発光素子の陰極材料としては、4eV未満の仕事関数を持つ金属、合金、電気伝導性化合物またはその混合物を使うことができる。具体的には、Na、Na−K合金、カルシウム、マグネシウム、リチウム、リチウム合金、インジウム、アルミニウム、マグネシウム合金、アルミニウム合金を持つことができる。その外に、アルミニウム/AlO、アルミニウム/リチウム、マグネシウム/銀またはマグネシウム/インジウムなども使われることができる。陰極フィルムの厚さは10〜200nmが好ましい。有機EL素子の発光効率を高めるためには、一つ以上の電極は好ましくは10%以上の光透過率を持たなければならない。電極のシート抵抗は、好ましくは数百Ω/mm以下である。電極の厚さは10nm〜1μm、好ましくは10〜400nmである。このような電極は化学的気相蒸着(CVD)、物理的気相蒸着(PVD)などの気相蒸着法またはスパッタリング法によって前述した電極材料を薄膜に形成して製造することができる。
【0148】
前記本発明の化学式1〜8の化合物の外に、正孔輸送物質及び正孔注入物質としては、光伝導性材料の中で正孔輸送物質として通常に使われる材料及び有機EL素子の正孔輸送層または正孔注入層の形成に使われる公知の材料から任意に選択して使うことができる。例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、銅(II)1,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリンなどのようなポルフィリン(porphyrin)化合物誘導体、
【0149】
主鎖または測鎖内に芳香族3次アミンを持つ重合体、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4,4’,4’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミンのようなトリアリールアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール及びポリビニルカルバゾールのようなカルバゾール誘導体、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニンのようなフタロシアニン誘導体、スターバーストアミン誘導体、エナミンスチルベン系誘導体、芳香族3級アミンとスチリルアミン化合物の誘導体、及びポリシランなどをあげることができる。
【0150】
電子輸送層には公知の電子輸送物質、例えばAlQ、2,5−ジアリールシロール誘導体(PyPySPyPy)、ペルフルオロ化合物(PF−6P)、Octasubstituted cyclooctatetraene化合物(COTs)などが混合できる。
【0151】
本発明の有機電界発光素子において、電子注入層、電子輸送層、正孔注入層及び正孔輸送層は前述した化合物の一つ以上の種類を含む単一層に形成されるか、または互いに積層された相異なる種類の化合物を含む複数の層で構成されることができる。
【0152】
本発明の有機電界発光素子に使われる他の発光材料としては、公知の発光材料、例えば蓄光蛍光材料、蛍光増白剤、レーザー色素、有機シンチレータ及び蛍光分析用試薬を使うことができる。具体的には、AlQ、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、フェリレン、コロネン、ルブレン及びキナクリドンのような多環方向族化合物、四級フェニルのようなオリゴフェニレン化合物、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチル−5−フェニル−2−オキサゾリル)ベンゼン、1,4−ビス(5−フェニル−2−オキサゾリル)ベンゼン、2,5−ビス(5−t−ブチル−2−ベンズオキサゾリル)チオフェン、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、1,6−ジフェニル−1,3,5−ヘキサトリエン、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエンのような液体シンチレーション用シンチレータ、
【0153】
オキシン誘導体の金属錯体、クマリン色素、ジシアノメチレンピラン色素、ジシアノメチレンチオピラン色素、ポリメチン色素、オキソベンズアントラセン色素、キサンテン色素、カルボスチリル色素、フェリレン色素、オキサジン化合物、スチルベン誘導体、スピロ化合物、オキサジアゾール化合物などをあげることができる。
【0154】
本発明の有機EL素子構成する各層は、真空蒸着、スピンコーティングまたはキャスティングのような公知の方法によって薄膜に形成させるか、各層で使われる材料を用いて製造することができる。これらの各層の膜厚に対しては特に制限はなく、材料の特性に応じて適宜選択することができるが、通常2nm〜5000nmの範囲で決定されることができる。
【0155】
本発明による化学式1〜8の化合物は真空蒸着法によって形成されることができるので、薄膜形成工程が簡便であり、ピンホール(pin hole)がほとんどない均質の薄膜として容易に得ることができる利点がある。
図1において、本発明の好適なさらに他の一実施例によれば、本発明による発光層130が本発明による前記記載の化学式1〜8の有機電界発光素子用化合物を含むことができる。
【0156】
図1において、本発明の好適なさらに他の一実施例によれば、前記有機層120、130、140が正孔輸送層120を含むことができ、前記正孔輸送層120が本発明による化学式1〜8の有機電界発光素子用化合物を含む有機電界発光素子を提供することができる。
以下、実施例に基づいて本発明による有機電界発光素子用化合物及びこれを含む有機電界発光素子の製造方法をより具体的に説明する。しかし、これは例示のためのもので、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【実施例】
【0157】
本発明で具現しようとする有機電界発光素子用化合物を製造し、この化合物を使って有機電界発光素子を製造した。下記の製造例及び実施例は本発明を具体的に例示するためのもので、これらによって本発明が制限されてはいけない。
【0158】
[製造例]
製造例1.中間体合成
カルバゾール2.5g、ブロモベンゼン2gとパラジウムアセテート触媒0.064gをトルエン40mLに入れてとかした後、温度を60℃にした。その後、ソジウムブトキシド1.5gとトリテルトブチルホスフィン0.385gをトルエンにとかし、ゆっくり滴加した。そして、温度を100℃に維持させながら還流させた。反応が終わった後、ジクロロメタンと蒸溜水を用いて抽出した後、溶媒を乾燥させた。この固体を濾過精製することで中間体9−フェニルカルバゾール化合物を得ることができた。
【0159】
製造例2.中間体の合成
9−フェニルカルバゾールを2g、N−ブロモスクシンイミド1.46gをN,N−ジメチルホルムアミドにとかし、臭素化反応によって中間体3−ブロモ−9−フェニルカルバゾール化合物を合成した。同様な方法で3,6−ジブロモ−9−フェニルカルバゾール化合物を合成した。
【0160】
製造例3.中間体の合成
カルバゾール1.4g、1,4−ジブロモベンゼン2.2gとパラジウムアセテート触媒0.042gをトルエン30mLに入れてとかした後、温度を60℃にした。その後、ソジウムブトキシド0.977gとトリテルトブチルホスフィン0.257gをトルエンにとかし、ゆっくり滴加した。そして、温度を100℃に維持させながら還流させた。反応が終わった後、ジクロロメタンと蒸溜水を用いて抽出した後、溶媒を乾燥させた。この固体を濾過精製することで中間体4−ブロモフェニル−9−カルバゾール化合物を得ることができた。
【0161】
製造例4.中間体の合成
製造例2の中間体3,6−ジブロモ−9−フェニルカルバゾール4.58gにテトラヒドロフラン60mLを入れ、温度を−78℃にした。その後、ブチルリチウム1.26mLをゆっくり滴加した。温度を維持させながら2時間の間に撹拌させ、クロロトリフェニルシラン3.71gをさらにゆっくり滴加した後、常温にあげた。反応が終われば、トリエチルアミン:メタノールを1:10の割合で入れて撹拌し、抽出後に溶媒を乾燥した。この固体を濾過精製することで白色の中間体3−ブロモ−9−フェニル−6−(トリフェニルシリル)−9−カルバゾールを得ることができた。
【0162】
製造例5.中間体の合成
製造例3の中間体4−ブロモフェニル−9−カルバゾール2g、N−ブロモスクシンイミド1.1gをN,N−ジメチルホルムアミドにとかして臭素化反応によって中間体3−ブロモ−9−(4−ブロモフェニル)カルバゾール化合物を合成した。
製造例6.中間体の合成
製造例1の中間体9−フェニル−カルバゾール2g、N−ブロモスクシンイミド5.12gをN,N−ジメチルホルムアミドにとかして臭素化反応によって中間体3,6−ジブロモ−9−(4−ブロモフェニル)カルバゾール化合物を合成した。
【0163】
製造例7.中間体の合成
ヨード−3,5−ジブロモベンゼン0.5g、カルバゾール0.19g、銅触媒と18−クラウン−6、ポタシウムカーボネートをジコロロベンゼンにとかして150℃に加熱しながら反応させる。反応が終われば、Cuパウダーを濾過した後、蒸溜水とジクロロメタンを用いて抽出する。有機溶媒を乾燥させた後に生成されたパウダーをカラムで精製することで中間体9−(3,5−ジブロモフェニル)−9−カルバゾールを合成した。
製造例8.中間体の合成
カルバゾール1.672g、1−ブロモ−2−ヨードベンゼン1.6mL、炭酸カリウム2.7646g、ヨード化銅95mg及びキシレン25mLを窒素雰囲気下で還流した。常温に冷却した後、生成物をエチルアセテートで抽出し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、減圧下で溶媒を除去した。ヘキサン溶媒を使用してシリカゲルカラムを通過させて化合物を得た後、溶媒を減圧下で除去し、真空乾燥させることで所望の白色固体の中間体である9−(2−ブロモフェニル)−9H−カルバゾールを得た。
【0164】
製造例9.中間体の合成
製造例8の中間体9−(2−ブロモフェニル)−9H−カルバゾール0.8gを精製されたテトラヒドロフラン10mLにとかした後、−78℃に冷却した後、ブチルリチウム0.99mLをゆっくり滴加した。同一温度で40分間撹拌した後、常温に温度をあげて3時間さらに撹拌した。アンモニウムクロリド水溶液で反応を終了した後、エチルエーテルで抽出した。有機物層から無水硫酸マグネシウムで水を除去した後、有機溶媒も除去した。得られた固体をエタノールに分散させ、一日間撹拌した後、濾過して真空乾燥することで中間物質を得た。得られた固体を10mLの酢酸に分散させた後、濃い硫酸10滴を加えて4時間の間に還流した。得られた固体を濾過してエタノールで洗った後、真空乾燥することで化合物8−(4−ブロモフェニル)−8−フェニル−8H−インドロ−[3,2,1−de]アクリジンを得た。
【0165】
製造例10.中間体の合成
製造例8の中間体9−(2−ブロモフェニル)−9H−カルバゾール1.0gを精製されたテトラヒドロフラン10mLにとかした後、−78℃に冷却した後にブチルリチウム1.613mLをゆっくり滴加した。同一温度で30分間撹拌した後、4−ブロモベンゾフェノン1.05gを加えた。同一温度で40分間撹拌した後、常温に温度をあげて3時間さらに撹拌した。アンモニウムクロリド水溶液で反応を終了した後、エチルエーテルで抽出した。有機物層から無水硫酸マグネシウムで水を除去した後、有機溶媒も除去した。得られた固体をエタノールに分散させて一日間撹拌した後、濾過して真空乾燥することで中間物質を得た。得られた固体を10mLの酢酸に分散させた後、濃い硫酸10滴を加えて4時間の間に還流した。得られた固体を濾過し、エタノールで洗った後、真空乾燥することで化合物8−(4−ブロモフェニル)−8−フェニル−8H−インドロ−[3,2,1−de]アクリジンを得た。
【0166】
製造例11.中間体の合成
製造例8の中間体9−(2−ブロモフェニル)−9H−カルバゾール6.96gを精製されたテトラヒドロフラン10mLにとかした後、−78℃に冷却した後、ブチルリチウム8.64mLをゆっくり滴加した。同一温度で30分間撹拌した後、4,4’−ジブロモベンゾフェノン6.12gを加えた。同一温度で40分間撹拌した後、常温に温度をあげて3時間さらに撹拌した。アンモニウムクロリド水溶液で反応を終了した後、エチルエーテルで抽出した。有機物層から無水硫酸マグネシウムで水を除去した後、有機溶媒も除去した。得られた固体をエタノールに分散させ、一日間撹拌した後、濾過して真空乾燥することで中間物質を得た。得られた固体を10mLの酢酸に分散させた後、濃い硫酸10滴を加えて4時間の間に還流した。得られた固体を濾過してエタノールで洗った後、真空乾燥することで化合物8,8−ビス(4−ブロモフェニル)−8H−インドロ−[3,2,1−de]アクリジンを得た。
【0167】
製造例12.化合物1の合成
【数1】

化合物はホスホニルクロリドとブロモ(N−フェニルカルバゾール)構造を反応させた後、酸化反応によって合成した。
【0168】
3−ブロモ−9−フェニルカルバゾール2gにテトラヒドロフラン30mLを入れ、温度を−78℃にした。その後、ブチルリチウム0.8mLをゆっくり滴加した。温度を維持させながら2時間の間に撹拌させ、クロロジフェニルホスフィンを1.5mLをさらにゆっくり滴加した後、常温にあげた。反応が終われば、メタノールを入れて撹拌して、抽出後に溶媒を乾燥した。この固体にジクロロメタンを入れて撹拌しながら少量の過酸化水素を入れれば、白色の下記化学式の構造を持つ前記代表例化合物(1)であるホスフィン酸化物である3−(ジフェニルホスホニル)−9−フェニルカルバゾール(PPO1という)を得ることができた。ガラス転移温度は74℃、融点は201℃であった。
【0169】
核磁気共鳴分析と質量分析を行って得た分析資料は下記のようであった。
1H NMR-1H (200 MHz, CDCl3) : δ 8.59-8.53 (d, 1H), 8.12-8.08 (d, 1H), 7.78-7.68 (m, 5H), 7.62-7.42 (m, 14H), 7.35-7.31 (d, 1H). MS (FAB) m/z 443.48 [(M + 1)+].
【0170】
製造例13.化合物2の合成
【数2】
3,6−ジブロモ−9−フェニル−カルバゾール2gにテトラヒドロフラン30mLを入れ、温度を−78℃にした。その後、ブチルリチウム0.84mLをゆっくり滴加した。温度を維持させながら2時間の間に撹拌させ、クロロジフェニルホスフィン2.42gをさらにゆっくり滴加した後、常温にあげた。反応が終結した後、メタノールを入れて撹拌し、抽出後に溶媒を乾燥した。この固体にジクロロメタンを入れて撹拌しながら少量の過酸化水素を入れることで白色のホスフィン酸化物である前記代表例化合物(2)の構造を持つ3,6−ビス(ジフェニルホスホニル)−9−フェニルカルバゾール(PPO2と言う)を得ることができた。ガラス転移温度は123℃、融点は255℃であった。
【0171】
核磁気共鳴分析と質量分析を行って得た分析資料は下記のようであった。
NMR-1H (200 MHz, CDCl3) : δ8.48-8.41 (d, 3H), 7.76-7.64 (m, 8H), 7.59-7.54 (m, 7H), 7.52-7.42 (m, 13H). MS (FAB) m/z 643.65 [(M + 1)+].
【0172】
製造例14.化合物3の合成
【数3】

3−ブロモ−9−フェニルカルバゾール2gにテトラヒドロフラン30mLを入れ、温度を−78℃にした。その後、ブチルリチウム1.6mLをゆっくり滴加した。温度を維持させながら2時間の間に撹拌させ、ジクロロフェニルホスフィン3.0mLをさらにゆっくり滴加した後、常温にあげた。反応が終われば、メタノールを入れて撹拌し、抽出後に溶媒を乾燥した。この固体にジクロロメタンを入れて撹拌しながら少量の過酸化水素を入れれば、白色の下記化学式の構造を持つ前記代表例化合物(3)であるホスフィン酸化物である3,3’−(フェニルホスホニル)ビス(9−フェニル−9−カルバゾール)を得ることができた。
核磁気共鳴分析と質量分析を行って得た分析資料は下記のようであった。
1H NMR-1H (200 MHz, CDCl3) : δ 8.59-8.53 (d, 2H), 8.12-8.08 (m, 4H), 7.89-7.80 (d, 2H), 7.62-7.42 (m, 15H), 7.35-7.31 (m, 4H). MS (FAB) m/z 608.67 [(M + 1)+].
【0173】
製造例15.化合物9の合成
【数4】
【0174】
3−ブロモ−9−フェニル−6−(トリフェニルシリル)−9−カルバゾール2.57gにテトラヒドロフラン30mLを入れ、温度を−78℃にした。その後、ブチルリチウム0.57mLをゆっくり滴加した。温度を維持させながら2時間の間に撹拌させ、クロロジフェニルホスフィン1.06mLをさらにゆっくり滴加した後、常温にあげた。反応が終結した後、メタノールを入れて撹拌し、抽出後に溶媒を乾燥した。この固体にジクロロメタンを入れて撹拌しながら少量の過酸化水素を入れることで白色のホスフィン酸化物である前記代表例化合物(9)の構造を持つ3−(ジフェニルホスホニル)−9−フェニル−6−(トリフェニルシリル)−9−カルバゾール(PPO23と言う)を得ることができた。ガラス転移温度は97.5℃である。
核磁気共鳴分析と質量分析を行って得た分析資料は下記のようであった。
NMR-1H (200 MHz, CDCl3) : δ8.59-8.32 (d, 3H), 7.73-7.67 (m, 5H), 7.63-7.58 (m, 8H), 7.56-7.40 (m, 13H), 7.36-7.33 (m, 7H). MS (FAB) m/z 701.86 [(M + 1)+].
【0175】
製造例16.化合物28の合成
【数5】
3−ブロモ−9−(4−ブロモフェニル)カルバゾール2.5gにテトラヒドロフラン30mLを入れ、温度を−78℃にした。その後、ブチルリチウム1.44mLをゆっくり滴加した。
温度を維持させながら2時間の間に撹拌させ、クロロジフェニルホスフィン2.66mLをさらにゆっくり滴加した後、常温にあげた。反応が終結した後、メタノールを入れて撹拌し、抽出後に溶媒を乾燥した。この固体にジクロロメタンを入れて撹拌しながら少量の過酸化水素を入れることで白色のホスフィン酸化物である前記化合物28の構造を持つ3−(ジフェニルホスホニル)−9−(4−ジフェニルホスホニル)フェニルカルバゾール(PPO21と言う)を得ることができた。ガラス転移温度は111℃である。
核磁気共鳴分析と質量分析を行って得た分析資料は下記のようであった。
NMR-1H (200 MHz, CDCl3) : δ 8.59-8.53 (d, 1H), 8.11-7.97 (d, 3H), 7.93-7.71 (m, 10H), 7.67 (m, 3H), 7.60-7.45 (m, 12H), 7.36-7.26 (m, 2H). MS (FAB) m/z 643 [(M + 1)+].
【0176】
製造例17.化合物30の合成
【数6】
3,6−ジブロモ−9−(4−ブロモフェニル)カルバゾール2gにテトラヒドロフラン30mLを入れ、温度を−78℃にした。その後、ブチルリチウム2.5mLをゆっくり滴加した。温度を維持させながら2時間の間に撹拌させ、クロロジフェニルホスフィン5.06gをさらにゆっくり滴加した後、常温にあげた。反応が終結した後、メタノールを入れて撹拌し、抽出後に溶媒を乾燥した。この固体にジクロロメタンを入れて撹拌しながら少量の過酸化水素を入れることで白色のホスフィン酸化物である前記化合物の構造を持つ3,6−ビス(ジフェニルホスホニル)−9−(4−(ジフェニルホスホニル)−9−カルバゾール(PPO3と言う)を得ることができた。
【0177】
核磁気共鳴分析と質量分析を行って得た分析資料は下記のようであった。
NMR-1H (200 MHz, CDCl3) : δ7.98-7.94 (d, 3H), 7.77-7.64 (m, 14H), 7.63-7.54 (m, 3H), 7.52-7.45 (m, 20H). MS (FAB) m/z 843.8 [(M + 1)+].
【0178】
製造例18.化合物31の合成
【数7】
9−(3,5−ジブロモフェニル)−9−カルバゾール2gにテトラヒドロフラン30mLを入れ、温度を−78℃にした。その後、ブチルリチウム1.14mLをゆっくり滴加した。温度を維持させながら2時間の間に撹拌させ、クロロジフェニルホスフィン2.32gをさらにゆっくり滴加した後、常温にあげた。反応が終結した後、メタノールを入れて撹拌し、抽出後に溶媒を乾燥した。この固体にジクロロメタンを入れて撹拌しながら少量の過酸化水素を入れることで白色のホスフィン酸化物である前記化合物の構造を持つ9−(3,5−ビス(ジフェニルホスホニル)フェニル−9−カルバゾールを得ることができた。
【0179】
核磁気共鳴分析と質量分析を行って得た分析資料は下記のようであった。
NMR-1H (200 MHz, CDCl3) : δ8.55-8.52 (d, 1H), 8.12-8.10 (d, 1H), 7.94-7.95 (d, 1H), 7.80-7.75 (m, 8H), 7.63-7.42 (m, 20H). MS (FAB) m/z 643.65 [(M + 1)+].
【0180】
製造例19.化合物103の合成
【数8】
【0181】
8−(4−ブロモフェニル−8−フェニル−8H−インドロ[3,2,1]アクリジン1gにテトラヒドロフラン30mLを入れ、温度を−78℃にした。その後、ブチルリチウム1.069mLをゆっくり滴加した。温度を維持させながら2時間の間に撹拌させ、クロロジフェニルホスフィン0.589gをさらにゆっくり滴加した後、常温にあげた。反応が終結した後、メタノールを入れて撹拌し、抽出後に溶媒を乾燥した。この固体にジクロロメタンを入れて撹拌しながら少量の過酸化水素を入れることで白色のホスフィン酸化物である前記化合物の構造を持つ8−(4−ジフェニルホスホニル)フェニル)−8H−インドロ[3,2,1]アクリジンを得ることができた。
【0182】
核磁気共鳴分析と質量分析を行って得た分析資料は下記のようであった。
NMR-1H (200 MHz, CDCl3) : δ8.48-8.46 (d, 1H), 8.21-8.18 (d, 1H), 7.98-7.93 (m, 4H), 7.77-7.65 (m, 3H), 7.55-7.23 (m, 20H), 7.13-7.10 (d, 1H).
MS (FAB) m/z 607.68 [(M + 1)+].
【0183】
製造例20.化合物132の合成
【数9】
【0184】
8,8−ビス(4−ブロモフェニル)−8H−インドロ[3,2,1]−アクリジン1gにテトラヒドロフラン30mLを入れ、温度を−78℃にした。その後、ブチルリチウム1.627mLをゆっくり滴加した。温度を維持させながら2時間の間に撹拌させ、クロロジフェニルホスフィン0.895gをさらにゆっくり滴加した後、常温にあげた。反応が終結した後、メタノールを入れて撹拌し、抽出後に溶媒を乾燥した。この固体にジクロロメタンを入れて撹拌しながら少量の過酸化水素を入れることで白色のホスフィン酸化物である前記化合物の構造を持つ8,8−ビス(4−ジフェニルホスホニル)フェニル)−8H−インドロ[3,2,1]アクリジンを得ることができた。
【0185】
核磁気共鳴分析と質量分析を行って得た分析資料は下記のようであった。
NMR-1H (200 MHz, CDCl3) : δ8.48-8.46 (d, 1H), 8.21-8.18 (d, 1H), 7.98-7.93 (m, 13H), 7.55-7.10 (m, 23H), 7.13-7.10 (d, 1H). MS (FAB) m/z 807.85 [(M + 1)+].
【0186】
実施例1
本発明の製造例12においてカルバゾール構造とホスフィンオキシド構造を含む化合物としてカルバゾール構造を含むジフェニルホスフィンオキシド化合物(化合物1)を合成した。
化合物1は3.02eVの三重項エネルギーを示し、ホモ(HOMO)エネルギー準位6.16eV、ルモ(LUMO)エネルギー準位2.6eVを示した。本化合物のホストとしての適用のために青色ドーパントであるFCNIrを用いて青色リン光素子を構成した。表1の化合物1を用いて有機電界発光素子を製作した。素子の構造は、ITO/DNTPD(60nm)/NPD(20nm)/mCP(10nm)/化合物1:FCNIr(30nm,15%)/Bphen(20nm)/LiF/Alであった。
【0187】
素子の製作は次のような方法で行った。ITO基板は純水とイソプロピルアルコールを用いて超音波で30分間洗浄した後、ITO基板を短波長の紫外線を用いて表面処理した後、1×10−6torrの圧力下で有機物を真空蒸着した。DNTPD、NPD、mCP、Bphenは0.1nm/sの速度で蒸着して各厚さに相当する膜を形成し、化合物1はFCNIrドーパントと共蒸着した。この際、蒸着速度は、化合物1は0.1nm/s、FCNIrは0.015nm/sであった。LiFは0.01nm/sの速度で1nmの厚さに形成し、Alは0.5nm/secの蒸着速度で100nmの厚さに形成した。素子形成の後、CaO吸湿剤とガラスカバーガラスを用いて素子を密封した。
【0188】
本発明で製作した青色有機電界発光素子は量子効率と色座標を表23に示した。実施例1〜9、比較例1及び比較例2の量子効率はForrest論文(G.Gu and S.R.Forrest, IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, Vol. 4, No.1, January/February 1998, p.83−99)に記載したものに従って測定した。本発明で製作した青色有機電界発光素子は最大量子効率11.1%を示した。図2に量子効率に関するグラフを示した。色座標は(0.14,0.15)であった。
【0189】
実施例2
本発明で合成した化合物2を青色ドーパントとして知られているFCNIrを用いて青色リン光素子を構成した。本化合物は3.03eVの三重項エネルギーを示し、ホモ(HOMO)エネルギー準位6.31eV、ルモ(LUMO)エネルギー準位2.77eVを示した。素子の構造はITO/DNTPD(60nm)/NPD(20nm)/mCP(10nm)/化合物2:FCNIr(30nm,15%)/Bphen(20nm)/LiF/Alであった。素子の製作は化合物1の代わりに化合物2を使ったことを除き、実施例1と同様な方法で行った。
本発明で製作した青色有機電界発光素子は最大量子効率18.4%を示した。図3に量子効率に関するグラフを示した。色座標は(0.14,0.15)であった。
【0190】
実施例3
本発明で合成した化合物3を青色ドーパントとして知られているFCNIrを用いて青色リン光素子を構成した。本化合物は3.0eVの三重項エネルギーを示し、ホモ(HOMO)エネルギー準位5.92eV、ルモ(LUMO)エネルギー準位2.4eVを示した。素子の構造はITO/DNTPD(60nm)/NPD(20nm)/mCP(10nm)/化合物3:FCNIr(30nm,15%)/Bphen(20nm)/LiF/Alであった。素子の製作は化合物1の代わりに化合物3を使ったことを除き、実施例1と同様な方法で行った。
本発明で製作した青色有機電界発光素子は最大量子効率7.95%を示した。図4に量子効率に関するグラフを示した。色座標は(0.14,0.17)であった。
【0191】
実施例4
本発明で合成した化合物9を青色ドーパントとして知られているFCNIrを用いて青色リン光素子を構成した。本化合物は3.02eVの三重項エネルギーを示し、ホモ(HOMO)エネルギー準位5.92eV、ルモ(LUMO)エネルギー準位2.4eVを示した。素子の構造はITO/DNTPD(60nm)/NPD(20nm)/mCP(10nm)/化合物9:FCNIr(30nm,15%)/Bphen(20nm)/LiF/Alであった。素子の製作は化合物1の代わりに化合物9を使ったことを除き、実施例1と同様な方法で行った。
本発明で製作した青色有機電界発光素子は最大量子効率6.91%を示した。図5に量子効率に関するグラフを示した。色座標は(0.14,0.17)であった。
【0192】
実施例5
本発明で合成した化合物28(PPO21)を青色ドーパントとして知られているFCNIrを用いて青色リン光素子を構成した。本化合物は3.01eVの三重項エネルギーを示し、ホモ(HOMO)エネルギー準位6.18eV、ルモ(LUMO)エネルギー準位2.61eVを示した。素子の構造はITO/DNTPD(60nm)/NPD(20nm)/mCP(10nm)/化合物(28):FCNIr(30nm,15%)/Bphen(20nm)/LiF/Alであった。素子の製作は化合物1の代わりに化合物28を使ったことを除き、実施例1と同様な方法で行った。
本発明で製作した青色有機電界発光素子は最大量子効率17.4%を示した。図6に量子効率に関するグラフを示した。色座標は(0.14,0.15)であった。
【0193】
実施例6
本発明で合成した化合物30(PPO3)を青色ドーパントとして知られているFCNIrを用いて青色リン光素子を構成した。本化合物は3.03eVの三重項エネルギーを示し、ホモ(HOMO)エネルギー準位6.23eV、ルモ(LUMO)エネルギー準位2.65eVを示した。素子の構造はITO/DNTPD(60nm)/NPD(20nm)/mCP(10nm)/化合物(30):FCNIr(30nm,15%)/Bphen(20nm)/LiF/Alであった。素子の製作は化合物1の代わりに化合物30を使ったことを除き、実施例1と同様な方法で行った。
本発明で製作した青色有機電界発光素子は最大量子効率18.6%を示した。図7に量子効率に関するグラフを示した。色座標は(0.15,0.15)であった。
【0194】
実施例7
本発明で合成した化合物31(PPO4)を青色ドーパントとして知られているFCNIrを用いて青色リン光素子を構成した。本化合物は3.01eVの三重項エネルギーを示し、ホモ(HOMO)エネルギー準位6.22eV、ルモ(LUMO)エネルギー準位2.59eVを示した。素子の構造はITO/DNTPD(60nm)/NPD(20nm)/mCP(10nm)/化合物(31):FCNIr(30nm,15%)/Bphen(20nm)/LiF/Alであった。素子の製作は化合物1の代わりに化合物31を使ったことを除き、実施例1と同様な方法で行った。
本発明で製作した青色有機電界発光素子は最大量子効率16.8%を示した。図8に量子効率に関するグラフを示した。色座標は(0.14,0.15)であった。
【0195】
実施例8
本発明で合成した化合物103を青色ドーパントとして知られているFCNIrを用いて青色リン光素子を構成した。本化合物は2.96eVの三重項エネルギーを示し、ホモ(HOMO)エネルギー準位6.03eV、ルモ(LUMO)エネルギー準位2.59eVを示した。素子の構造はITO/DNTPD(60nm)/NPD(20nm)/mCP(10nm)/化合物(103):FCNIr(30nm,15%)/Bphen(20nm)/LiF/Alであった。素子の製作は化合物1の代わりに化合物103を使ったことを除き、実施例1と同様な方法で行った。
本発明で製作した青色有機電界発光素子は最大量子効率14.5%を示した。図9に量子効率に関するグラフを示した。色座標は(0.15、0.17)であった。
【0196】
実施例9
本発明で合成した化合物132を青色ドーパントとして知られているFCNIrを用いて青色リン光素子を構成した。本化合物は2.97eVの三重項エネルギーを示し、ホモ(HOMO)エネルギー準位6.01eV、ルモ(LUMO)エネルギー準位2.63eVを示した。素子の構造はITO/DNTPD(60nm)/NPD(20nm)/mCP(10nm)/化合物(132):FCNIr(30nm,15%)/Bphen(20nm)/LiF/Alであった。素子の製作は化合物1の代わりに化合物132を使ったことを除き、実施例1と同様な方法で行った。
本発明で製作した青色有機電界発光素子は最大量子効率15.2%を示した。図10に量子効率に関するグラフを示した。色座標は(0.15,0.16)であった。
【0197】
比較例1
比較例として一般的に知られている標準素子構造であるITO/DNTPD(60nm)/NPD(20nm)/mCP(10nm)/mCP:FCNIr(30nm,15%)/BCP(5nm)/Alq3(20nm)/LiF/Alを製作した。素子の製作は発光層のホスト材料として化合物1を使わず、その代わりに青色リン光材料であるmCPを使用し、電子輸送層材料としてBphenを使わず、その代わりにBCP/Alq3を使ったことを除き、実施例1と同様な方法で行った。
本構造の青色リン光素子は量子効率6.87%の低い量子効率を示した。図11に量子効率に関するグラフを示した。色座標は(0.15,0.22)であった。
【0198】
比較例2
比較例として一般的に知られている素子の構造であるITO/DNTPD(60nm)/NPD(20nm)/mCP(10nm)/mCP:FCNIr(30nm,15%)/Bphen(20nm)/LiF/Alを製作した。素子の製作は化合物1を使わず、その代わりにmCPを使ったことを除き、実施例1と同様な方法で行った。
本構造の青色リン光素子は量子効率9.06%の低い量子効率を示した。図12に量子効率に関するグラフを示した。色座標は(0.14,0.16)であった。
【0199】
【表23】
【産業上の利用可能性】
【0200】
前述したように、本発明はカルバゾール系ホスフィンオキシド化合物を用いることで、既存の有機電界発光素子の問題点である熱的不安定性及び低効率の問題を解決し、特に純青色リン光素子で優れた効率特性が具現された有機電界発光素子を提供することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12