特許第5663577号(P5663577)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5663577衝撃荷重伝達構造を有する座席組み立て体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663577
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】衝撃荷重伝達構造を有する座席組み立て体
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/42 20060101AFI20150115BHJP
   B60N 2/68 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   B60N2/42
   B60N2/68
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-523731(P2012-523731)
(86)(22)【出願日】2010年8月4日
(65)【公表番号】特表2013-500904(P2013-500904A)
(43)【公表日】2013年1月10日
(86)【国際出願番号】US2010044417
(87)【国際公開番号】WO2011017435
(87)【国際公開日】20110210
【審査請求日】2013年3月28日
(31)【優先権主張番号】61/231,226
(32)【優先日】2009年8月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598147400
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】サッキネン、 ダニエル ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ペトウホフ、 ニコラス レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】クメイド、 アントワーヌ エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウェルデ、 トッド ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ミハラク、 エリック ビー.
(72)【発明者】
【氏名】プロスニエウスキ、 ジョセフ フランシス
(72)【発明者】
【氏名】バリン、 アレクサンダー アイ.
(72)【発明者】
【氏名】ゼカビカ、 オルネラ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン、 フィリップ ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】サベスキー、 アレクサンダー
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−231060(JP,A)
【文献】 特開平11−222088(JP,A)
【文献】 特開2011−25827(JP,A)
【文献】 米国特許第5501509(US,A)
【文献】 特開2009−96216(JP,A)
【文献】 特開平7−298947(JP,A)
【文献】 特開2000−333769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00−2/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部、第2端部、内部表面及び外部表面を有する第1側部部材と、第1端部、第2端部、内部表面及び外部表面を有する第2側部部材であり、相互に離間されている第1側部部材と第2側部部材と、
前記第1側部部材の前記第1端部に結合される第1端部及び前記第2側部部材の前記第1端部に結合される第2端部を有する上部横部材と、
前記第1側部部材の前記第2端部に結合される第1端部及び前記第2側部部材の前記第2端部に結合される第2端部とを有する下部横部材と、
前記第1側部部材の中間部に結合される第1端部及び前記第2側部部材の中間部に結合される第2端部を有する荷重伝達部材であり、座席組み立て体を通して側部衝撃からの荷重を伝達する荷重伝達構造である荷重伝達部材と、
第1端部及び第2端部を有し、前記第1側部部材の前記内部表面に結合される第1補強部材と、
第1端部と前記第2側部部材の前記内部表面に結合される第2端部とを有する第2補強部材を備え、
前記第1補強部材の前記第1端部は前記荷重伝達部材の前記第1端部を支持し、前記第2補強部材の前記第1端部は前記荷重伝達部材の前記第2端部を支持する、車両座席組み立て体に使用される背もたれフレーム。
【請求項2】
第1端部、第2端部、内部表面及び外部表面を有する第1側部部材と、第1端部、第2端部、内部表面及び外部表面を有する第2側部部材であり、相互に離間されている第1側部部材と第2側部部材と、
前記第1側部部材の前記第1端部に結合される第1端部及び前記第2側部部材の前記第1端部に結合される第2端部を有する上部横部材と、
前記第1側部部材の前記第2端部に結合される第1端部及び前記第2側部部材の前記第2端部に結合される第2端部とを有する下部横部材と、
前記第1側部部材、前記第2側部部材又は前記下部横部材の一つに結合される第1端部及び前記第1側部部材又は前記第2側部部材のうちの一つに結合される第2端部を有する荷重伝達部材であり、座席組み立て体を通して衝撃からの荷重を伝達する荷重伝達構造である荷重伝達部材と、
第1端部及び第2端部を有し、前記第1側部部材の前記内部表面に結合される第1補強部材と、
第1端部と前記第2側部部材の前記内部表面に結合される第2端部とを有する第2補強部材を備え、
前記第1補強部材及び前記第2補強部材のそれぞれの前記第1端部は前記荷重伝達部材の少なくとも一部を支持するための拡張部をさらに備える、荷重伝達構造である、背もたれフレーム。
【請求項3】
前記荷重伝達部材が前記下部横部材に斜め下向きに延びるように、前記荷重伝達部材の前記第端部は前記第1側部部材又は第2側部部材の一つと結合され、前記第1端部は前記下部横部材に結合され、さらに前記荷重伝達部材は前記座席組み立て体を通して側部衝撃からの前記荷重を伝達する荷重伝達構造である、請求項記載の背もたれフレーム。
【請求項4】
前記荷重伝達部材が下部横部材に斜め下向きに延びるように、前記荷重伝達部材の前記第2端部は前記第2側部部材の中間部に結合し、前記第端部は前記下部横部材の中間部に結合し、さらに前記荷重伝達部材は前記座席組み立て体を通して側部衝撃からの前記荷重を伝達する荷重伝達構造である、請求項記載の背もたれフレーム。
【請求項5】
前記荷重伝達部材の前記第1端部は、前記第1側部部材の中間部に結合され、前記荷重伝達部材の前記第2端部は前記第2側部部材の中間部に結合されて、さらに前記荷重伝達部材は前記座席組み立て体を通して側部衝撃からの前記荷重を伝達する荷重伝達構造である、請求項記載の背もたれフレーム。
【請求項6】
前記上部横部材、前記下部横部材、及び前記荷重伝達部材の少なくとも一つは、管状である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の背もたれフレーム。
【請求項7】
前記上部横部材、前記下部横部材、及び前記荷重伝達部材は、矩形、円形、楕円形及びC形状断面の一つを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の背もたれフレーム。
【請求項8】
前記上部横部材及び前記荷重伝達部材は一体型であり、単一の一体化部材として形成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の背もたれフレーム。
【請求項9】
前記上部横部材及び前記荷重伝達部材は矩形の断面を有する管状である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の背もたれフレーム。
【請求項10】
前記下部横部材は円形断面を有する管状であり、座席組み立て体を通して衝撃からの荷重を伝達する荷重伝達構造である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の背もたれフレーム。
【請求項11】
前記第1側部部材の中間部に結合される第1端部及び前記下部横部材の中間部に結合される第2端部を有する第2荷重伝達部材であって、前記下部横部材に斜め下向きに延びる第2荷重伝達部材をさらに備え、前記第2荷重伝達部材は前記座席組み立て体を通して衝撃からの荷重を伝達する荷重伝達構造である、請求項1又は2記載の背もたれフレーム。
【請求項12】
水平及び斜めのパターンのうちの一つで背もたれフレームを横切って少なくとも部分的に延びる複数の荷重伝達部材をさらに備える、請求項1又は2記載の背もたれフレーム。
【請求項13】
第1端部、第2端部、内部表面及び外部表面を有する第1側部部材と、第1端部、第2端部、内部表面及び外部表面を有する第2側部部材であり、相互に離間されている第1側部部材と第2側部部材と、
前記第1側部部材の前記第1端部に結合される第1端部及び前記第2側部部材の前記第1端部に結合される第2端部を有する上部横部材と、
前記第1側部部材の前記第2端部に結合される第1端部及び前記第2側部部材の前記第2端部に結合される第2端部とを有する下部横部材と、
前記第2側部部材に結合される第1端部及び前記下部横部材に結合される第2端部を有する荷重伝達部材であって、前記荷重伝達部材が前記下部横部材に斜め下向きに、さらに車両の中央に向かって延びる荷重伝達部材であり、座席組み立て体を通して側部衝撃から荷重を伝達する単一の一体化部材を形成する前記上部横部材に一体化される、荷重伝達部材と、
第1端部及び第2端部を有し、前記第1側部部材の前記内部表面に結合される第1補強部材と、
第1端部と前記第2側部部材の前記内部表面に結合される第2端部とを有する第2補強部材を備え、
前記第1補強部材及び前記第2補強部材のそれぞれの前記第1端部は前記荷重伝達部材の少なくとも一部を支持するために拡張部をさらに備える、荷重伝達構造である車両座席組み立て体に使用される背もたれフレーム。
【請求項14】
前記上部横部材及び下部横部材は管状であり、矩形断面を有する、請求項13に記載の背もたれフレーム。
【請求項15】
第1端部、第2端部、内部表面及び外部表面を有する第1側部部材と、第1端部、第2端部、内部表面及び外部表面を有する第2側部部材であり、相互に離間されている第1側部部材と第2側部部材と、
前記第1側部部材の前記第1端部に結合される第1端部及び前記第2側部部材の前記第1端部に結合される第2端部を有する上部横部材であり、管形状で矩形断面を有する上部横部材と、
前記第1側部部材の前記第2端部に結合される第1端部及び前記第2側部部材の前記第2端部に結合される第2端部とを有する下部横部材と、
前記第2側部部材に結合される第1端部及び前記下部横部材に結合される第2端部を有する荷重伝達部材であって、前記荷重伝達部材が前記下部横部材に斜め下向きに、さらに車両の中央に向かって延びる荷重伝達部材であり、管形状でさらに矩形の断面を有し、座席組み立て体を通して側部衝撃から荷重を伝達する単一の一体化部材を形成する前記上部横部材に一体化される、荷重伝達部材と
第1端部及び第2端部を有し、前記第1側部部材の前記内部表面に結合される第1補強部材と、
第1端部と前記第2側部部材の前記内部表面に結合される第2端部とを有する第2補強部材を備え、
前記第1補強部材及び前記第2補強部材のそれぞれの前記第1端部は前記荷重伝達部材の少なくとも一部を支持するための拡張部をさらに備える、荷重伝達構造である車両座席組み立て体に使用される背もたれフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照として本明細書に組み込まれる、2009年8月4日に出願された米国仮出願特許第61/231,226の利益と優先権を主張する。
【0002】
本開示は、全般的には車両用の座席分野に関し、さらに詳しくは車両座席用の側部衝撃荷重伝達構造に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術分野の説明)
様々な安全機能を有する車両座席を設けることが一般的に周知である。さらに、衝撃力を制御するための車両座席機構を設けることが一般的に知られている。例えば、乗員を座席内に固定するための座席ベルト、車両の衝突又は事故の間に車両の衝撃を最小化するため、又は乗員が負傷するのを防ぐために配置されるエアバッグが周知である。しかし、周知の安全機能は、費用がかかり、複雑で、さらに比較的嵩張るという、多くの不利な点を含むことになる。周知の安全機能は、ある条件下にあって、乗員に完璧な安全を提供できないので、不完全なままである。さらに、周知の安全機能は、車両の衝突からの衝撃力又は荷重を、車両乗員をより保護するために効果的に伝達することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
つまり、車両の側部衝撃のある衝突の間に、乗員に非常に大きな安全を提供し、衝撃のある衝突からの荷重力の向上された制御を提供し、従来より高い性能と、同時に、低コスト、低質量、低複雑性を提供し、比較的容易に製造され、異常な荷重を扱う能力及び乗員の保護ゾーンを有する向上された座席を提供する継続的な必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本開示は、第1側部部材、第2側部部材、上部横部材、及び下部横部材を含む車両座席組み立て体にて用いられる背もたれフレームに関する。この背もたれは、さらに、衝突の衝撃荷重を斜めに座席組み立て体を通して伝達する荷重伝達部材を含む。
【0006】
本開示の有利な点は、座席組み立て体が車両の衝突からの衝撃荷重を座席を介し、さらに乗員から離れて従来より効果的に伝達することである。本開示の別の有利な点は、乗員の安全を高めることである。本開示のさらに別の有利な点は、座席組み立てのコストを低減しながらも、座席組み立て体が従来より高い安全性能を提供することである。
【0007】
本開示の他の特徴及び有利な点は、添付の図面と関連して後述の説明を読んだ後に、より理解されると、容易に推察される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一具現化例に係る車両の斜視図である。
図2】一具現化例に係る座席組み立て体の斜視図である。
図3】一具現化例に係る二つの車両間の側部衝撃の衝突を示す図である。
図4】一具現化例に係る側部衝撃の衝突からの衝撃力を示す車両座席組み立て体を有する車両の内装の部分前方図である。
図5】一具現化例に係る荷重伝達構造を有する背もたれの前方図である。
図6】他の具現化例に係る荷重伝達構造を有する背もたれの前方からの斜視図である。
図7】さらに他の具現化例に係る荷重伝達構造を有する背もたれの前方からの斜視図である。
図8】さらに他の具現化例に係る荷重伝達構造を有する背もたれの前方図である。
図9A】他の具現化例に係る荷重伝達構造を有する背もたれフレームの前方図である。
図9B図9Aの荷重伝達構造を有する背もたれフレームのA−A線に沿った断面図である。
図9C図9Aの荷重伝達構造を有する背もたれフレームのB−B線に沿った断面図である。
図9D図9Aの荷重伝達構造を有する背もたれフレームのD−D線に沿った断面図である。
図9E図9Aの荷重伝達構造を有する背もたれフレームのC−C線に沿った断面図である。
図9F図9Aの荷重伝達構造を有する背もたれフレームのE−E及びF−F線に沿った断面図である。
図10A】さらに他の具現化例に係る、荷重伝達構造の前方図である。
図10B図10Aの背もたれフレームのA−A線に沿った断面図である。
図11】さらに他の具現化例に係る、荷重伝達構造を有する背もたれフレームの前方図である。
図12】さらに他の具現化例に係る、荷重伝達構造を有する背もたれフレームの前方図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
全般的に図面全体さらには特に図1を参照すると、一具現化例に係る車両10が示されている。車両10は、車両10の乗員に提供される一つ以上の座席組み立て体12を含むことができる。図示される車両10は4ドアセダンではあるが、座席組み立て体12はミニバン、スポーツ多目的車両、航空機、ボート、あるいは他の車両にも用いられるのが正しく理解される。
【0010】
図2を参照すると、座席組み立て体12が示されている。座席組み立て体12は、座席乗員に快適さ、支持及び保護を提供するために、背もたれ18を含む。座席クッション(基部)20は、背もたれに操作可能に結合され、座席乗員に快適さ、支持及び保護を提供する。頭部保持部22は、背もたれ18の上部端部に配置される。座席組み立て体12は、座席クッションに対して背もたれ18の回転調整性を提供するために、背もたれ及び座席クッションに操作可能に結合されるリクライナ機構24を含む。座席組み立て体は、軌道組み立て体26を用いて車両に固定される。この具現化例の軌道組み立て体は、着席している乗員の快適さ或いは実用性のために、座席組み立て体12の相対的な位置の調整性或いは移動性を提供する。背もたれ18は、例えば、発泡体パッド28、トリムカバー30、及び一体型の背もたれ構造32を含むことができる。座席クッション20は、例えば、発泡体パッド34、トリムカバー36、及び一体型座席クッション構造38を含むことができる。図示される座席組み立て体12は、車両の前列にて典型的に用いられる一人用の座席であるが、一体型構造5は、第2列の長座席、第3列の折りたたみフラット座席などのようなどんな車両における使用にも座席の機能範囲のいかなるタイプをも使用できる、他の座席組み立て体に組み込まれてもよい。
【0011】
図3及び4を参照すると、車両と、他の車両等のような物体との間の側部衝撃衝突の図と、側部衝撃衝突からの衝撃力を描いた車両内装内の車両座席フレーム組み立て体12がそれぞれ示されている。さらに詳細には、図3は、静止している車両の側部に衝突した動いている車両の衝撃点を示す。参照符号、大きさ、衝撃荷重/力の方向は、車両と他の物体との間の衝撃速度、車両上の衝撃場所、衝撃方向、などのような変数/係数の変化に依存して変動する。例えば、衝突は、異なる方向及び大きさを有する一つ或いは幾つかの荷重経路の結果としてなる。この具体例にあって、側部衝撃は、車両ドア(D)及び車体(B)を通して全体的に斜め下方向に、車両の中央部及び中央コンソール(C)に向かう第1荷重経路(L1)と、車両ドア(D)及び車体(B)を通して全体的に水平方向に、車両の中央部及び中央コンソール(C)に向かう第2荷重経路(L2)を、図4に示すように、作り出す。これらの衝撃力又は荷重は、車両10に多大な損害と、左側が見逃されるか、又は衝撃が緩和されていないと、乗員に深刻な負傷を引き起こしてしまう。本開示の荷重伝達構造又は部材74は、車両の乗員を従来より保護するために、車両衝撃からの一つ以上の荷重又は衝撃力を伝達するのを助ける。さらに詳細には、荷重伝達構造74は、衝突荷重を座席組み立て体を通して、中央コンソール(C)及び/又は中央車両体(B)に伝達するために、荷重経路の方向に座席フレーム24を補強する。
【0012】
図5及び6を参照すると、本開示の荷重伝達構造又は部材74を有する背もたれ24が示されている。背もたれ24は、第1側部部材26、第2側部部材28、下部横部材30、上部横部材32、及び中間横部材33を備える。第1側部部材26は第1端部(上端部)34及び第2端部(下端部)36を備え、第2側部部材28は第1端部(上端部)38及び第2端部(下端部)40を備える。第1及び第2の側部部材26、28は、全体的に相互に平行に配置され、所定の距離をもって離間されている。下部横部材30は、第1及び第2端部42、44を備え、下部横部材30の第1端部42が第1側部部材26の第2端部36に連結され、下部横部材30の第2端部44が第2側部部材28の第2端部40に連結されるように、第1及び第2側部部材26、28の間で全体的に直交するように配置される。上部横部材32は、上部横部材32の第1端部46が第1側部部材26の第1端部34に連結され、上部横部材32の第端部48が第側部部材28の第1端部38に連結されるように、第1及び第2側部部材26、28の間に全体的に直交するように配置される。中間横部材33は、第1端部50及び第2端部52を含み、中間横部材33の第2端部52が第2側部部材28の中間部に結合され、中間横部材33の第1端部50が下部横部材30の中間部に連結されるように、全体的に第2側部部材28の中間部と下部横部材30の中間部との間に斜めに延びている。背もたれフレーム24は、そこに、頭部保持部18のような他の座席構造を連結するために、上部横部材32に結合される第1及び第2のブラケット部材54、56をさらに含む。斜めに取り付けられた中間横部材33は、座席組み立て体12を通して或いは周辺を通して斜めの荷重経路からの衝撃荷重を効果的に伝達する荷重伝達構造又は部材74として作用する。この具体例にあって、中間横部材33は、上部横部材32と一体であり、単一のまとまった(一体化された)本体を形成する。中間横部材33の位置及び方向は、様々な要求、必要性、及び基準に依存して変えることができる。全体的に、中間横部材33は、座席フレーム24の外側寄りの側部(車両のドア側近傍)から車両の中央部に向けて座席フレーム24の内側寄り側部に離れて延びる。したがって、中間横部材33は、第2側部部材28から運転者側座席組み立て体12用の下部横部材30に、図5に示すように下側に向けて延びる。乗員側組み立て体12用に、中間横部材33は、第1側部部材26から下方に下部横部材30に向けて延びる。
【0013】
前記中間横部材は、それらの表面から延びる側壁、他の部材を取り付けるため、及びオーバーラップするためのチャンネル/溝、開口、取り付け表面、フランジ、延長部等を有する。この具体例にあって、第1及び第2側部部材26、28は、外側の端部62にて第1(前部)表面60から全体的に直交して延びる第1(外側)側壁58と、内側の端部66にて第1(前部)表面60から全体的に直交して延びる第2(内側)側壁64を、全体的にU形状のチャンネル68を形成するために、備える。
【0014】
背もたれフレーム24の部材は、様々な配置、大きさ、形状などを有することができることを理解すべきである。例えば、背もたれフレーム24の部材は、平面部材、管状部材などに全体的に打ち抜き加工され、さらに矩形、円形、楕円形、不規則、U形状などのような所定の断面プロフィールを有する。この具現化例にあって、上部横部材32及び中間横部材33は、管状断面プロフィールを有する。さらに、背もたれフレーム24の部材は、それら部材を強化し、負荷伝達を容易にする、波形/畳み込み、ディンプル、リブ、開口などのような付加的な特徴を有してもよい。
【0015】
中間横部材33は、中間横部材33が連結され、さらに第1側部部材26から下に延びるような反対の方向に、他の構造にて配置されることができることを理解すべきである。中間横部材33は、斜めの中間横部材33が反対方向にて各側部部材26、28から第2の中間横部材33が斜めに延びるのを理解すべきである。
【0016】
背もたれフレーム24の部品は、金属、合金、高強度スチール(HSS)などのような、様々な材料で形成され、加熱処理などのような様々な処理を用いて処理される。背もたれ24の部品は、溶接、レーザ溶接、留め具、ボルトなどのような様々な技術を用いて一緒に結合される。背もたれ24は、本開示を通して説明されるような、他の荷重伝達構造、デバイス、あるいは機構74にも連結される。
【0017】
図7を参照すると、荷重伝達構造174を有する背もたれフレームの他の構造が示される。この具体例にあって、背もたれフレーム124は、図5の背もたれと類似しており、同様の特徴には同様の参照番号を付している。背もたれフレーム124は、上部横部材132とは一体化されていない中間横部材133を含む。中間横部材133は、管状及び矩形の断面プロファイルを有する。これは、中間横部材133の合成体に、上部横部材132とは異なる断面プロファイルを持たせるのを可能とする。この具現化例にあって、中間横部材133は、矩形の断面プロファイルを有し、荷重伝達構造174として作用する。
【0018】
図8を参照すると、荷重伝達構造274を有する背もたれフレーム224の他の具体例が示されている。この具現化例にあって、背もたれフレーム224は、図5の背もたれと類似しており、同様の特徴には同様の参照番号を付している。背もたれフレーム224は、上部横部材232とは一体化されていない中間横部材233を含む。中間横部材233は、全体的に細長い平面部材である。これは、中間横部材233の合成体に、上部横部材232とは異なる断面プロファイルを持たせるのを可能とする。この具現化例にあって、中間横部材233は、平坦な断面プロファイルを有し、荷重伝達構造274として作用する。中間横部材233は、側部部材228の内側(例えば、前表面など)や、下部横部材230、側部部材の外側(例えば、後表面など)、さらには下部横部材230、或いはそれらの組み合わせに、結合されてもよい。
【0019】
図9A乃至9Fを参照すると、荷重伝達構造374を有する背もたれ324のさらに他の具体例が示されている。背もたれフレーム324は、第1側部部材326、第2側部部材328、下部横部材330、上部横部材332、及び中間横部材333を、図9Aに示すように備える。これらの部材は、矩形、円形、U形状などのような所定の断面プロファイルを有する全体的に中空の管である。第1側部部材326は第1端部(上端部)334及び第2端部(下端部)336を備え、さらに第2側部部材328は第1側部(上端部)338及び第2端部(下端部)340を備える。第1及び第2側部部材326、328は、図9B、9C、9Fに示すように、第1端部334、338が上部横部材332への取り付けのために全体的にU形状の断面を有する全体的に矩形断面を有する。下部横部材330は、第1及び第2端部342、344を備え、さらに第1及び第2側部部材326、328の間に、下部横部材330の第1端部342が第1側部部材326の第2端部336に結合し、下部横部材330の第2端部344が第2側部部材328の第2端部340に結合するように、全体的に直交するように配置される。下部横部材330は、図9Eに示すように、全体的に円形の断面を有する。上部横部材332は、第1端部345及び第2端部348と、さらに全体的に矩形の断面を、図9Dに示すように有する。上部横部材332は、第1及び第2側部部材326、328の間に、上部横部材332の第1端部345が第1側部部材326の第1端部334に結合し、さらに上部横部材332の第2端部348が第2側部部材328の第1端部338に結合するように、全体的に直交するように配置される。中間横部材333は第1端部350及び第2端部352を有し、さらに第1及び第2側部部材326、328の間に直交して配置されており、中間横部材333の第1端部350は第1側部部材326の中間位置に結合され、中間横部材333の第2端部352は第2側部部材328の中間位置に結合される。中間横部材333は、全体的に矩形の断面を有する。背もたれフレーム324は、頭部保持部318のような他の座席構造物を上部横部材332に結合するために、上部横部材332に結合される第1及び第2ブラケット部材354、356をさらに備える。第1及び第2側部部材326、328は、そこに結合される第1及び第2の補強部材358、360をさらに備える。第1及び第2の補強部材358、360は、それぞれ第1端部(上端部)362、366及び第2端部(下端部)364、368を有する。第1及び第2補強部材358、360の第1端部362、366は、さらに中間横部材333の少なくとも一部を支持するために拡張部370、372をさらに備える。
【0020】
背もたれフレーム324の部品は、金属、合金、高強度スチール(HSS)などのような様々な材料から作られ、さらに熱処理などのような様々な処理を用いて処理される。背もたれ324の部品は、溶接、レーザ溶接、留め具、ボルトなどような種々の技術を用いて一緒に結合される。この具体例にあって、下部横部材(側部荷重管)330、上部横部材332、及び中間横部材333は、車両衝突衝撃からの荷重を効果的に伝達する荷重伝達構造374として作用する。背もたれフレーム324は、本開示を通して説明されるような、他の荷重伝達構造、デバイス、或いは機構374に結合される。
【0021】
図10A及び10Bによれば、荷重伝達構造又は部材474を有する背もたれフレーム424のさらに他の具体例が示されている。この具体例にあって、荷重伝達構造474は、形状、大きさ、材料の種類、厚さなどのような所定の特徴を有する補強部材である。この具体例にあって、荷重伝達構造474は、第1及び第2端部476、478を有する矩形の管状断面(図10Bに示される)を有する全体的に細長の部材である。荷重伝達構造474は、第1端部476が第1側部部材426に隣接し、さらに第2端部478が第2側部部材428に隣接するように、背もたれ424に結合される。さらに詳細には、荷重伝達構造474は、背もたれ424を選択的に補強するため、さらに車両の側部衝撃衝突からの荷重を効果的に伝達するために、背もたれフレーム424の第1及び第2側部部材426、428の間に配置される。代替的に、荷重伝達構造474は、図11に示すように、背もたれフレーム424の第1及び第2側部部材426、428の間に斜めに配置される。さらに別の代替によれば、図12に示すように、複数の伝達構造474が背もたれ424の第1及び第2側部部材426、428の間に斜めに配置される。
【0022】
様々な具現化例として示されている荷重伝達構造、デバイス及び機構の構成及び配置は、説明としてのものであることを留意するのが重要である。この開示にあっては、多少の具体例のみが説明されたが、本開示を理解する当業者が、本明細書にて説明された発明の主題の新規な技術及び効果から材料的にはずれることのない、多くの変更(例えば、様々な大きさ、寸法、構造、形状及び様々な部品の比率、パラメータの値、取付配置、材料使用、カラー、方向付けなど)が可能であることを容易に理解できる。例えば、一体に形成されるとして示された要素は、複数の要素又は部品からなり、部品の位置は反転されてもあるいは変化されてもよく、さらに分離の部品或いは位置の特性又は数は変更されても、あるいは変化されてもよい。処理又は方法ステップの複数のオーダー又はシーケンスは、代替の具体例にあっては変化されても、あるいは再度並べ替えられてもよい。
【0023】
本開示の多くの変更及びバリエーションは、上述の教示に照らして可能である。それゆえ、細かな説明以外に、添付の特許請求の範囲内で本開示は実施される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10A
図10B
図11
図12